JP2014103048A - 電池用導電性フィルム、およびこれを用いた電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】負極の平衡電位環境に対する安定性、及び、優れた活物質層との密着性を有する、電池用導電性フィルムを提供する。
【解決手段】導電性粒子、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体、および、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物、を含有する導電性材料(但し、エラストマーを含有しない。)が硬化してなる硬化層を有する、電池用導電性フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】導電性粒子、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体、および、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物、を含有する導電性材料(但し、エラストマーを含有しない。)が硬化してなる硬化層を有する、電池用導電性フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、電池用導電性フィルム、およびこれを用いた電池に関する。
近年、環境保護のため、車両や携帯電話の電源として、小型で高出力密度を有する電池が望まれている。中でも、リチウムイオン電池は、活物質の出力密度が高いことから注目が集まり、リチウムイオン電池関連の技術開発が進められている。
その部材の一つ、集電体は、優れた導電性を有することに加え、負極と接触させて使用される際には、特に、負極活物質とリチウムイオンの平衡電位環境(負極の平衡電位環境)での安定性が求められる。また、電池の内部抵抗を軽減するため、活物質層と集電体との電気的コンタクトが良好であることが求められる。そのため、活物質層と集電体との密着性が優れる方が好ましい。
集電体としては、例えば、特許文献1には金属箔を用いる技術が開示され、特許文献2には高分子材料を含ませたものが開示されている。
特許文献1のように金属箔が集電体に用いられる場合、SUS箔等の金属を選定すれば、負極の平衡電位環境に対して安定であるものの、活物質層の結着剤として使われるポリフッ化ビニリデンとの密着性に課題があり、活物質層と集電体が剥離しやすいといった問題がある。
一方、特許文献2のような、高分子材料を含む集電体を使用する場合、集電体の重量が軽くなり、電池の重量あたりの出力密度の向上が期待できる。しかし、高分子材料は負極の平衡電位環境に対する安定性が不十分な傾向がある。
本発明の目的は、負極の平衡電位環境に対する安定性、及び、活物質層との優れた密着性を有する電池用導電性フィルムを提供することである。
上記課題に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、ヒドロシリル化反応により硬化する高分子材料と導電性粒子とを含む硬化層により上記課題が解決できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は、導電性粒子、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体、および、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物、を含有する導電性材料(但し、エラストマーを含有しない。)が硬化してなる硬化層を有する、電池用導電性フィルムに関する。
本発明の電池用導電性フィルムにおいて、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体が、イソブチレン系重合体であることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムにおいて、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物が、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムにおいて、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体中の全アルケニル基量に対する、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物中の全ヒドロシリル基量のモル比率(全アルケニル基:全ヒドロシリル基)が1:0.5〜1:5であることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムにおいて、上記導電性粒子が炭素系導電性粒子および/または金属粒子であることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムにおいて、上記導電性粒子の含有量と、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体および(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物の合計含有量との比率が重量比で、1:99〜99:1であることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムにおいて、上記硬化層が電池用導電性フィルムの少なくとも一方の表面であることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムは、さらに、正極電位に耐久性を有する材料からなる層2を有していてもよい。
本発明の電池用導電性フィルムは、一方の表面層が上記硬化層であり、他方の表面層が層2であってもよい。
本発明の電池用導電性フィルムにおいて、上記正極電位に耐久性を有する材料は、高分子材料2と導電性粒子2とを含有するものを使用できる。
本発明の電池用導電性フィルムにおいて、上記高分子材料2は芳香族ポリイミド、ポリアミドイミド、およびポリアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項11記載の電池用導電性フィルム。
本発明の電池用導電性フィルムは、電池用導電性フィルムの厚みが1〜100μmであることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムは、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗が10Ω・cm2以下であることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムは、少なくとも一方の表面が剥離可能なフィルムで覆われていてもよい。
本発明の集電体は、本発明の電池用導電性フィルムを含む。
本発明の電池は、本発明の電池用導電性フィルムを含む。
本発明の電池用導電性フィルムは、負極の平衡電位環境に対する安定性、および活物質層との優れた密着性を有する。
本発明の電池用導電性フィルムを集電体に用いれば、内部抵抗の少ない電池を得ることが可能になる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の電池用導電性フィルムは、導電性粒子、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体、および(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物を含有する導電性材料(以下、「導電性材料1」と称することがある。)からなる硬化層(以下、単に「硬化層」と称することがある。)を有することを特徴とする。ただし、導電性材料には、エラストマーを含有させない。この硬化層を有することにより、本発明の電池用導電性フィルムは、優れた負極電位の耐久性を有する。さらに、優れた活物質層との密着性を奏するため、電解液に接している状態においても活物質層との密着性が維持されうる。
ここで、負極電位の耐久性に優れるとは、負極活物質のリチウムイオンとの平衡電位環境に対する耐久性に優れることを意味する。通常、金属リチウムとリチウムイオンの平衡電位に対し、+0V〜+2Vの環境において、材料の分解等が起こらないことである。この耐久性は電気化学的手法により評価可能である。具体的には電気化学セルを用い、対極をリチウム金属、作用極を本発明の電池用導電性フィルムとし、作用極から対極へ定電流を流した際に、一定時間内に作用極と対極の電位差が+0V〜+2Vの間の所望の電位差に到達すれば耐久性に優れると評価できる。到達しなければ分解が生じており、耐久性がないと評価できる。より具体的には後述の負極耐久試験により負極電位に対する耐久性は評価できる。なお、負極電位の耐久性が悪いと、電池に適用した場合に、充電によって電池用導電性フィルムが劣化し、電池の寿命が短くなるおそれがある。
本発明の硬化層に用いられる導電性材料について説明する。
ここで、導電性粒子とは、電子導電性を有する粒子状固体材料をさす。
導電性粒子には、炭素系導電性粒子、金属粒子、金属化合物のいずれかを含むことが好ましく、印加される負極電位に耐えうる材料がより好ましい。
金属粒子としては、例えば、アルミニウム粒子、SUS粒子、銀粒子、金粒子、銅粒子、ニッケル粒子、チタン粒子、合金粒子などが好適であり、銅粒子、銀粒子、およびニッケル粒子がより好ましい。金属化合物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウムなどの金属酸化物粒子などが好適である。
中でも、次の理由から炭素系導電性粒子が特に好ましい。炭素系導電性粒子は電位窓が非常に広く、正極電位および負極電位の双方に対して幅広い範囲で安定であり、さらに導電性に優れている。また、炭素系導電性粒子は非常に軽量なため、質量の増加が最小限になる。さらに、炭素系導電性粒子は、活物質層の導電助剤として用いられることが多いため、導電助剤と接触しても、同材料であるがゆえに接触抵抗が非常に低くなる。炭素系導電性粒子としては、具体的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブなどが挙げられる。その中でも特に導電性に優れるため、#3950B(三菱化学製)、Black Pearls 2000(キャボット社製)、Printex XE2B(デグサ社製)、ケッチェンブラック EC−600JD(ライオン株式会社製)、EC−300J(ライオン株式会社製)、ECP(ライオン株式会社製)が好ましく用いることができる。
導電性粒子に炭素系導電性粒子を用いる場合には、炭素系導電性粒子の表面に疎水性処理を施すことにより電解質のなじみ性を下げ、集電体の空孔に電解質が染み込みにくい状況を作ることも可能である。
本発明においては、導電性粒子として、上記粒子の他、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマー粒子などを用いることもでき、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成として実用化されている物を用いてもよい。
本発明において、硬化層における導電性粒子の分布は、均一であってもよいし均一でなくてもよく、硬化層内部で導電性粒子の分布が変化していてもよい。複数の導電性粒子が用いられ、硬化層内部で導電性粒子の分布が変化してもよい。
本発明の硬化層を形成する導電性材料1は、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体((A)成分)、および、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物((B)成分)を含む。ここで、飽和炭化水素系重合体とは、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体を意味する概念であり、該アルケニル基を除く主鎖を構成する繰り返し単位が炭化水素基から構成されることを意味する。但し、本発明の目的の一つである耐久性を損なわない範囲において、主鎖骨格中に炭素−炭素二重結合を少量、好ましくは10重量%以下の範囲で含有することは許容される。
ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基(以下、単に「アルケニル基」と称することがある。)とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素二重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。これらの中では、ヒドロシリル化反応に対する活性が高く、アルケニル基の導入が比較的容易であるとの点から、脂肪族不飽和炭化水素基が好ましく、アリル基であることが特に好ましい。
本発明における(A)成分は、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が、飽和炭化水素系重合体の主鎖末端あるいは側鎖にあってもよいし、また両方にあってもよい。とくに、アルケニル基が主鎖末端にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽和炭化水素系重合体の有効網目鎖量が多くなるため、高強度の電池用導電性フィルムが得られやすくなるなどの点から好ましい。
(A)成分の飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数2〜6のオレフィン系化合物を主成分として重合させる、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させたり、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりした後水素添加する、などの方法により得ることができるが、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端官能基の数を多くすることができるなどの点から、イソブチレン系重合体、水添ブタジエン系重合体あるいは水添イソプレン系重合体であるのが好ましい。
前記イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよく、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましくは50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下の範囲で含有してもよい。
このような単量体成分としては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエ−テル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げられる。このような共重合体成分の具体例としては、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
特に好ましくは、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されたものである。
前記水添ブタジエン系重合体や水添イソプレン系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に、他の単量体単位を含有させてもよい。
(A)成分の飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレン、1,13−テトラデカジエン、1,9−デカジエン、1,7−オクタジエン、1,5−ヘキサジエンのようなポリエン化合物のごとき重合後二重結合の残るような単量体単位を少量、好ましくは10重量%以下の範囲で含有させてもよい。
(A)成分の数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)は、その取り扱いやすさ、硬化後のゴム弾性の点から2,000〜100,000であるのが好ましく、一般的には数平均分子量が大きいほど、得られる電池用導電性フィルムの柔軟性は増す傾向にある。
(A)成分の製造方法としては、特開平3−152164号、特開平7−304969号公報に開示されているような水酸基などの官能基を有する重合体に不飽和基を有する化合物を反応させ重合体に不飽和基を導入する方法が上げられる。またハロゲン原子を有する重合体に不飽和基を導入するのにアルケニルフェニルエーテルとフリーデルクラフツ反応を行う方法、ルイス酸存在下アリルトリメチルシランなどと置換反応を行う方法、種々のフェノール類とフリーデルクラフツ反応を行い水酸基を導入した上でさらに前記のアルケニル基導入方法を併用する方法などが上げられる。さらに米国特許第4316973号、特開昭63−105005号公報、特開平4−288309号公報に開示されているような単量体の重合時に不飽和基を導入する方法も可能である。これらの中でも特に、単量体の重合時に不飽和結合を導入する方法が、(A)成分を低コストで簡便に製造できるため、好ましく用いることができる。
本発明に使用される、硬化剤である(B)成分は、分子内に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物であれば公知のものを使用することができるが、(A)成分との相溶性がよい点から、ポリオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。ここでポリオルガノハイドロジェンポリシロキサンとは、Si原子上に炭化水素基および/または水素原子を有するポリシロキサンを示す。特に限定されるわけではないが、硬化剤の安定性の観点から、
(ここで、2≦m1+n1≦50、2≦m1、0≦n1、Rは主鎖の炭素数が1〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)、
(ここで、0≦m2+n2≦50、0≦m2、0≦n2、Rは主鎖の炭素数が1〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)、
(ここで、3≦m3+n3≦20、2≦m3≦19、1≦n3≦18、Rは主鎖の炭素数が1〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
などで示される鎖状、環状のものが好ましい。
などで示される鎖状、環状のものが好ましい。
なお、上記で例示されるポリオルガノハイドロジェンポリシロキサンにおいて、
(ここで、Rは主鎖の炭素数が1〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)で表されるシロキシ基の位置は特定されたものではなく、それぞれが複数個含有される場合に、交互に配置されていても良く、ランダムに配置されていてもよい。
(A)成分に対する相溶性が良好である点から、特に次の式で表されるポリオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
(ここで、2<k<10、0<l<5、Rは炭素数が8以上の炭化水素基)
上記式中、式(1)および(2)で表されるシロキシ基は、交互に配置されていても良く、ランダムに配置されていてもよい。
上記式中、式(1)および(2)で表されるシロキシ基は、交互に配置されていても良く、ランダムに配置されていてもよい。
(B)成分である硬化剤1分子中のヒドロシリル基の平均個数については、1分子中に少なくとも2個あればよいが、2〜40個の範囲で含まれることが好ましく、3〜30個の範囲で含まれることがより好ましい。ここで、ヒドロシリル基1個とはSiH基1個を指す。同一Si原子に水素原子が2個結合している場合はヒドロシリル基2個と数える。ヒドロシリル基の数が2〜40個の範囲であれば、良好な硬化速度と、(B)成分の安定性とを両立することができる。
本発明において、(A)成分中の全アルケニル基量と(B)成分中の全ヒドロシリル基量とのモル比率(全アルケニル基:全ヒドロシリル基)は、1:0.5〜1:5であるのが好ましい。硬化後に得られる電池用導電性フィルムの柔軟性及び表面粘着性を適度に発現させる観点からは、1:0.7〜1:4がより好ましい。十分な架橋構造の構築による良好な硬化性を示し、且つ硬化不良やボイド・クラックの発生などが無い点では、(A)成分中の全アルケニル基量と(B)成分中の全ヒドロシリル基量とのモル比率が1:1〜1:4が好ましい。
本発明において、(B)成分である硬化剤1分子中のヒドロシリル基の平均個数、および/又は、(A)成分中の全アルケニル基量と(B)成分中の全ヒドロシリル基量とのモル比率により、硬化後に得られる電池用導電性フィルムの柔軟性及び表面粘着性を容易に制御することができる。
生産効率の観点から、(A)成分および(B)成分は、ヒドロシリル化触媒を使用して反応させることが好ましい。
ヒドロシリル化触媒には、公知のものを使用することができ、特に限定されるわけではないが、具体的には、塩化白金酸、白金の単体、又はアルミナ,シリカ,或いはカ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4(前記式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す。以下同様。)、Pt(acac)2などが挙げられる(前記式中、acacはアセチルアセトナート基を表す。以下同様。)。
Ashbyらの米国特許第3159601号及び米国特許第3159662号中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。なお、本発明において、白金−ビニルシロキサン錯体を用いる場合においては、白金(Pt)と配位子との比率は、反応活性の点から、モル比で白金:配位子=1:0.2〜1:4であることが好ましい。
白金化合物以外の触媒の具体例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4等が挙げられる。
これらのヒドロシリル化触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。上記のヒドロシリル化触媒においては、触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。
ヒドロシリル化触媒の使用量については特に制限はないが、経済的、かつ、硬化時の腐食性や水素ガス大量発生による発泡の抑止の観点から、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して1×10-1〜10-8モルが好ましい。反応活性の点から、1×10-2〜10-6モルがより好ましい。
本発明の導電性材料1における、(A)成分および(B)成分の合計含有量(樹脂成分の合計量)と、導電性粒子の含有量との比率は、重量比で、樹脂成分の合計量:導電性粒子=1:99〜99:1が好ましく、10:90〜98:2がより好ましく、20:80〜95:5がさらに好ましい。樹脂成分の重量比が上記範囲であると、導電性の低下が改善され、電池用導電性フィルムとしての機能が損なわれにくく、取り扱いが容易となる。
本発明の電池用導電性フィルムは、上述の硬化層を有すればよく、硬化層以外の層を組み合わせることで、複層化することもできる。層数が多すぎると各層間での界面抵抗の影響により、電池用導電性フィルムとしての厚み方向の電気抵抗が大きくなり、結果として電池性能が低下する傾向があるため、5層以下であることが好ましい。電池用導電性フィルムを複層構造にする場合、負極電位の耐久性や、活物質層との密着性を発揮できる点から、硬化層が少なくともいずれか一方の表面に存在することが好ましい。また、硬化層以外に負極電位の耐久性を有する層を有することが好ましい。
負極電位の耐久性を有する層としては、金属、高分子材料と導電性粒子との複合体等が挙げられ、本発明では特に限定されず各種材料を用いることが可能である。金属としては、銅箔、ニッケル箔、銀箔、金箔などが挙げられる。また、高分子材料は負極電位の耐久性を有することが好ましく、脂環式構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ヒドロシリル基を有する飽和炭化水素系ポリマーなどを例示することができる。
本発明の電池用導電性フィルムは、正極電位に耐久性を有する材料からなる層(以下、「層2」と称することがある。)を有してもよく、層2はもう一方の表面に形成されることが好ましい。
ここで、正極電位に耐久性を有するとは、正極活物質のリチウムイオンとの平衡電位環境に対する耐久性を有することを意味する。通常、金属リチウムとリチウムイオンの平衡電位に対し、+3V〜+5Vの環境において、材料の分解等が起こらないことである。
正極電位に耐久性を有する材料としては、金属、高分子材料と導電性粒子との複合体等が挙げられ、本発明では特に限定されず各種材料を用いることが可能である。本発明においては、電池性能向上、特に軽量化のためには重量密度の小さな材料である点から、層2には高分子材料と導電性粒子との複合体(以下、「導電性材料2」と称することがある。)が含まれることがより好ましい。
層2に用いる高分子材料は正極電位に耐久性を示す材料であれば特に限定されず各種高分子材料を用いることが可能である。例えば、芳香族ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリフェニレンエーテル、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテル・ケトンは、正極電位に対する耐久性、さらに電池中で用いられる電解質溶媒、電極作製時の溶媒に対する耐溶媒性にも優れている点で好ましく、芳香族ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミドがさらに好ましく、特に芳香族ポリイミドが好ましい。
ポリアミド、ポリアミドイミドは、ジカルボン酸、ジカルボン酸の反応性酸誘導体、トリカルボン酸、およびトリカルボン酸の反応性酸誘導体から選ばれる少なくとも一種の酸化合物とジアミン類とを反応させて得られるものであれば、特に限定されず、公知のものを使用できる。
ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの反応性酸誘導体等を挙げることができる。
トリカルボン酸又はその反応性酸誘導体としては、例えば、トリメリット酸、3,3,4′−ベンゾフェノントリカルボン酸、2,3,4′−ジフェニルトリカルボン酸、2,3,6−ピリジントリカルボン酸、3,4,4′−ベンズアニリドトリカルボン酸、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸、2′−メトキシ−3,4,4′−ジフェニルエーテルトリカルボン酸、2′−クロロベンズアニリド−3,4,4′−トリカルボン酸等を挙げることができる。
ジアミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニル N−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン及びそれらの類似物などが挙げられる。
芳香族ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを用いるものであればその分子構造は特に限定されない。芳香族ポリイミドは、ポリアミド酸を前駆体として用いて製造される。ポリアミド酸の製造方法としては公知のあらゆる方法を用いることができ、通常、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを、実質的等モル量を有機溶媒中に溶解させて、制御された温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンの重合が完了するまで攪拌することによって製造される。これらのポリアミド酸溶液は通常5〜35wt%、好ましくは10〜30wt%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得る。
重合方法としてはあらゆる公知の方法およびそれらを組み合わせた方法を用いることができる。ポリアミド酸の重合における重合方法の特徴はそのモノマーの添加順序にあり、このモノマー添加順序を制御することにより得られるポリイミドの諸物性を制御することができる。従い、本発明においてポリアミド酸の重合にはいかなるモノマーの添加方法を用いても良い。代表的な重合方法として次のような方法が挙げられる。
1)芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法。
2)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法。
3)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここに芳香族ジアミン化合物を追加添加後、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法。
4)芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解及び/または分散させた後、実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
これら方法を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。
1)芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法。
2)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法。
3)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここに芳香族ジアミン化合物を追加添加後、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法。
4)芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解及び/または分散させた後、実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
これら方法を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。
本発明において、上記のいかなる重合方法を用いて得られたポリアミド酸を用いても良く、重合方法は特に限定されるものではない。
ここで、本発明に使用できる、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液に用いられる材料について説明する。
本発明において用いうる適当なテトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの類似物を含み、これらを単独または、任意の割合の混合物が好ましく用い得る。
これら酸二無水物の中で特にはピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は工業的に入手しやすい点から好ましく、一種のみを使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて用いることも可能である。
ポリアミド酸組成物において使用し得る適当なジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニル N−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン及びそれらの類似物などが挙げられる。
これらジアミンの中で特には4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニル N−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノンは工業的に入手しやすく、これらから選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、適宜組み合わせて用いることも可能である。
ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができるが、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましく用い得る。
層2には、印加される正極電位に耐えうる導電性粒子であれば特に限定されるわけではなく、本発明の硬化層に使用される導電性粒子と同様のものが使用できる。正極電位環境で安定である点から、アルミニウム粒子、SUS粒子、および炭素系導電性粒子がより好ましく、炭素系導電性粒子が特に好ましい。炭素系導電性粒子としては、具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブなどが例示される。
これらの中でも特に導電性に優れるため、#3950B(三菱化学製)、Black Pearls 2000(キャボット社製)、Printex XE2B(デグサ社製)、ケッチェンブラック EC−600JD(ライオン株式会社製)、ECP−600JD(ライオン株式会社製)、EC−300J(ライオン株式会社製)、ECP(ライオン株式会社製)が好ましく用いることができる。
層2における導電性粒子の分布は、均一であってもよいし均一ではなくてもよく、層2内部で粒子の分布が変化していてもよい。複数の導電性粒子が用いられ、層2内部で導電性粒子の分布が変化してもよい。
高分子材料と導電性粒子との混合比は、重量比率で高分子材料:導電性粒子=50:50〜99:1が好ましく、60:40〜95:5がより好ましい。高分子材料が上記範囲内であれば、導電性が維持され、電池用導電性フィルムとしての機能が損なわれず、また、電池用導電性フィルムとしての強度があり、取り扱いが容易となる。
本発明で使用される導電性材料は、工業的に利用可能な公知の方法にて、樹脂成分(樹脂成分の前駆体)と導電性粒子とを複合化して作製することができ、特に限定されるわけではないが、例えば、以下方法をあげることができる:
(ア)樹脂成分を溶融させた状態で導電性粒子を複合化・分散させる方法、
(イ)樹脂成分を溶媒に溶かした状態で導電性粒子を複合化・分散させる方法、
(ウ)樹脂成分の重合反応と同時に導電性粒子を複合化・分散させる方法、
(エ)樹脂成分の前駆体と導電性粒子を複合化・分散させる方法、など。
(ア)樹脂成分を溶融させた状態で導電性粒子を複合化・分散させる方法、
(イ)樹脂成分を溶媒に溶かした状態で導電性粒子を複合化・分散させる方法、
(ウ)樹脂成分の重合反応と同時に導電性粒子を複合化・分散させる方法、
(エ)樹脂成分の前駆体と導電性粒子を複合化・分散させる方法、など。
硬化層の形成においては、電池用導電性フィルムの生産安定性の観点から、樹脂成分を溶媒に溶かした状態で導電性粒子を複合化・分散させる方法が好ましい。層2の形成においては、高分子材料として芳香族ポリイミドを使用する場合、予め調製した導電性粒子を含む分散液を樹脂成分の前駆体の有機溶媒溶液(ポリアミド酸溶液)に混合する方法、特に製膜直前に混合する方法が製造ラインの導電性粒子による汚染が最も少なくすむため、好ましい。導電性粒子を含む分散液の調製は、ポリアミド酸の重合溶媒と同じ溶媒を用いるのが好ましい。導電性粒子を含む分散液にポリアミド酸溶液を添加すると、導電性粒子を均一に分散させられる。高分子材料として、可溶性のポリイミドを使用する場合、ポリイミド溶液と導電性粒子を複合化・分散させることも出来る。また、導電性粒子を良好に分散させ、また分散状態を安定化させるために分散剤、増粘剤等を、フィルム物性に影響を及ぼさない範囲内で用いることもできる。
上記複合化・分散は、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなどを用いることが好ましく、メディア径は10mm以下が好ましい。
特に炭素系導電性粒子を用いる場合、その後のフィルム化工程で導電性材料または導電性材料溶液の取り扱いを良好にする為に、ビーズミル、ボールミル等の方法で流動性のある液体状態になるように分散させることが好ましい。
本発明の電池用導電性フィルムにおいては、硬化層および/または層2に、すべり性、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性、ループスティフネス等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを含有させてもよい。フィラーとしてはいかなるものを用いても良いが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
フィラーの粒子径は改質すべきフィルム特性と添加するフィラーの種類によって決定されるため、特に限定されるものではないが、一般的には平均粒径が0.05〜100μm、好ましくは0.1〜75μm、更に好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは0.1〜25μmである。粒子径が0.05μmを下回ると改質効果が現れにくくなる傾向があり、一方、100μmを上回ると表面性を大きく損なったり、機械的特性が大きく低下したりする可能性がある。また、フィラーの添加部数についても改質すべきフィルム特性やフィラー粒子径などにより決定されるため特に限定されるものではない。
一般的にフィラーの添加量は樹脂成分100重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.01〜90重量部、更に好ましくは0.02〜80重量部である。フィラー添加量が0.01重量部を下回るとフィラーによる改質効果が現れにくい場合があり、一方、100重量部を上回るとフィルムの機械的特性が大きく損なわれる可能性がある。
本発明の硬化層や層2にフィラーを含有させる場合は、上記複合化方法が同様に適用でき、導電性粒子を複合化・分散させる際にフィラーを同時に行なっても良い。
本発明の電池用導電性フィルムが、硬化層および層2を含む3層以上の層から構成される場合、硬化層、層2以外の層も導電性を有していることが必要である。3層目以降の層に使用できるものとしては導電性を有するものであれば特に限定されず、銅箔、アルミ箔、SUS箔、ニッケル箔等の金属箔、高分子材料と導電性粒子の複合体、導電性高分子等を挙げることができる。
次に、本発明の電池用導電性フィルムの成形方法について説明する。
硬化層を製造する方法、具体的には硬化層のフィルムの製造方法について記載する。工業的に利用可能な公知の方法にてフィルム化することが可能であり、特に限定されない。導電性材料1を溶融押出成型する方法、導電性材料1の分散溶液を支持体上で乾燥する方法等を挙げることができる。
導電性材料1の硬化性樹脂の硬化は、室温で行ってもよく、必要に応じて、加熱、加湿、紫外線照射などの処理を加えると良い。
加熱により硬化する場合、50℃以上に加熱して硬化させることが好ましく、80℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましい。加熱硬化であれば、硬化時間が短縮でき、生産性が向上する。加熱時間は10秒以上が好ましく、60秒以上がより好ましく、180秒以上がさらに好ましい。加熱時間が上記の範囲であれば、硬化が十分進み、電池用導電性フィルムの機械的強度に優れる。加熱方法は工業的に利用可能な公知の方法が利用可能であり、熱風や遠赤外線による加熱などを例示することができる。
本発明の好適な一形態として、層2を有する、2層または3層構造の電池用導電性フィルムにおける各層の形成方法を例示すると
a)先ず層2を形成し、次いで導電性材料1を層2上に形成し、溶媒がある場合は乾燥させ、導電性材料1を反応させる方法、
b)導電性材料1と、導電性材料2を共押出法により支持体に塗布し、乾燥させ、導電性材料1を反応させ、必要に応じ導電性材料2の前駆体を反応させる方法、
c)導電性材料1および導電性材料2を共押出法によりフィルム化し、導電性材料1を反応させる方法。
d)フィルム状の層3の片方の表面に、導電性材料1を塗布、押出し等の方法で形成、必要に応じ溶媒乾燥、導電性材料1の反応を行い、次いで層1を形成していない側の層3の表面に、導電性材料2またはその前駆体を塗布、押出し等の方法で形成、必要に応じ溶媒乾燥、導電性材料2の前駆体の反応を行う方法、
等を挙げることができ、これらを適宜組み合わせることも可能である。
a)先ず層2を形成し、次いで導電性材料1を層2上に形成し、溶媒がある場合は乾燥させ、導電性材料1を反応させる方法、
b)導電性材料1と、導電性材料2を共押出法により支持体に塗布し、乾燥させ、導電性材料1を反応させ、必要に応じ導電性材料2の前駆体を反応させる方法、
c)導電性材料1および導電性材料2を共押出法によりフィルム化し、導電性材料1を反応させる方法。
d)フィルム状の層3の片方の表面に、導電性材料1を塗布、押出し等の方法で形成、必要に応じ溶媒乾燥、導電性材料1の反応を行い、次いで層1を形成していない側の層3の表面に、導電性材料2またはその前駆体を塗布、押出し等の方法で形成、必要に応じ溶媒乾燥、導電性材料2の前駆体の反応を行う方法、
等を挙げることができ、これらを適宜組み合わせることも可能である。
層2を製造する方法、具体的には層2のフィルムの製造方法について記載する。工業的に利用可能な公知の方法にてフィルム化することが可能であり、特に限定されない。導電性材料2を溶融押出成型する方法、導電性材料2の分散溶液を支持体上で乾燥する方法等を挙げることができる。
層2の好ましい態様の一つである、芳香族ポリイミドと炭素系導電性粒子を含有するフィルムを成形する場合は、例えば、炭素系導電性粒子が分散してなるポリアミド酸溶液をポリイミドフィルムに成形することが挙げられる。具体的には、炭素系導電性粒子が分散してなるポリアミド酸溶液を流延塗布法等により金属ドラムや金属ベルト等の支持体上にキャストし室温から200℃程度の温度で自己支持性乾燥フィルムを得た後、さらに金属枠に固定し、最終温度が600℃程度の温度まで加熱し、ポリイミドフィルムを得る。この際、ポリアミド酸構造をポリイミド構造に化学反応させる必要があるが、加熱イミド化する方法、脱水剤及び触媒を用いる化学イミド化法がある。何れの方法を採用してもよい。熱キュアの温度は高い方がイミド化が起こりやすいため、キュア速度を速くすることができ、生産性の面で好ましい。但し、温度が高すぎると熱分解を起こす可能性がある。一方、加熱温度が低すぎると、ケミカルキュアでもイミド化が進みにくく、キュア工程に要する時間が長くなってしまう。
イミド化時間に関しては、実質的にイミド化および乾燥が完結するに十分な時間を取ればよく、一義的に限定されるものではないが、一般的には1〜600秒程度の範囲で適宜設定される。
尚、上記方法により得られた層2は、次の加工プロセスで形成される層1、活物質層との密着性を向上させる為に、コロナ処理、プラズマ処理等適宜実施することも可能である。
本発明の電池用導電性フィルムは、全体の厚みは1〜100μmであることが好ましい。100μmよりも厚いと電池の出力密度等の性能が低下したり、また、電池用導電性フィルムの厚み方向の抵抗が大きくなり、電池の内部抵抗増加につながったりする場合があり、好ましくない。逆に1μmより薄いと取り扱い性が難しい場合がある。
本発明の電池用導電性フィルムの硬化層の厚みは0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜100μmであることがより好ましい。厚みが上記範囲だと、厚み方向の導電性、活物質層との密着性、機械的強度に優れる。
本発明の電池用導電性フィルムは、活物質層との密着性を向上するため、表面処理をすることが好ましい。表面処理については特に限定されず、例えばコロナ処理、プラズマ処理、ブラスト処理などをあげることができる。
本発明の電池用導電性フィルムは、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、10Ω・cm2以下であることが好ましい。抵抗値が10Ω・cm2を超えると、双極型電池に使用した場合に、電池の内部抵抗が上昇し、出力密度が低下する場合がある。
本発明の電池用導電性フィルムの異物対策や物性維持のため、電池用導電性フィルムの表面に剥離可能なフィルムを付けることも可能である。剥離可能なフィルムについては特に限定されず、公知のものが利用可能であり、例えばPETフィルムやポリテトラフルオロエチレンなどをあげることができる。
本発明の電池用導電性フィルムは、電池の集電体やタブ、容器などに使用されうるが、中でも負極電位の耐久性に優れる点から、集電体に好適である。
電池の正極および負極の構成については、特に限定されず、公知の正極および負極が適用可能である。電極には、電極が正極であれば正極活物質、電極が負極であれば負極活物質が含まれる。正極活物質としては、LiCoO2などのLi・Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn2O4などのLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePO4などの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V2O5、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3などの遷移金属酸化物や硫化物;PbO2、AgO、NiOOHなどが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質としては、結晶性炭素材や非結晶性炭素材などの炭素材料(カーボン)や、Li4Ti5O12などのリチウムと遷移金属との複合酸化物といった金属材料が挙げられる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボンなどが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。
活物質層は、結着剤、導電助剤、イオン伝導性高分子、支持塩などの他成分を含んでいてもよい。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、SBR(スチレンブタジエンラバー)等のゴム系等公知のものが挙げられる。導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイトなどが挙げられる。導電助剤を含ませることによって、活物質層で発生した電子の伝導性を高めて、リチウムイオン電池性能を向上させうる。イオン伝導性高分子としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)などが挙げられる。支持塩は、LiBF4、LiPF6、Li(SO2CF3)2N、LiN(SO2C2F5)2、などが挙げられる。
活物質、リチウム塩、導電助剤などの活物質層の構成材料の配合量は、リチウムイオン電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定することが好ましい。
電解質層は、液体、ゲル、固体のいずれの相であってもよい。電解質層の溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。また、上記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の支持塩を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。リチウムイオン電池が破損した際の安全性や液絡の防止を考慮すると、電解質層は、ゲルポリマー電解質層、または全固体電解質層であることが好ましい。
電解質としてゲルポリマー電解質層を用いることで、電解質の流動性がなくなり、集電体への電解質の流出をおさえ、各層間のイオン伝導性を遮断することが可能になる。ゲル電解質のホストポリマーとしては、PEO、PPO、PVDF、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF−HFP)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などがあげられる。また、可塑剤としては通常リチウムイオン電池に用いられる電解液を用いることが可能である。
電解質として全固体電解質層を用いた場合も、電解質の流動性がなくなるため、集電体への電解質の流出がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することが可能になる。全固体電解質層を用いた場合、電解質層からの電解液の浸透のおそれがないため、集電体の空孔率が高くてもよい。
ゲルポリマー電解質は、PEO、PPOなどの全固体型高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含ませることにより作製される。PVDF、PAN、PMMAなど、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させることにより作製されてもよい。ゲルポリマー電解質を構成するポリマーと電解液との比率は、特に限定されず、ポリマー100%を全固体高分子電解質、電解液100%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲルポリマー電解質の概念に含まれる。また、全固体電解質は高分子あるいは無機固体などLiイオン伝導性を持つ電解質すべてが含まれる。
電解質層中には、イオン伝導性を確保するために支持塩が含まれることが好ましい。支持塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、前述の通り、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2などのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
実施例および比較例で得られた導電性フィルムの厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗、および、負極電位に対する耐久性は、次の方法により測定・評価した。
(厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗の測定)
製造した導電性フィルムを15mm□のサイズに切り抜き、フィルムの両面の中央部10mm□の領域に金薄膜をスパッタ法により形成させた。金薄膜にそれぞれ銅箔を1MPaの加圧により密着させ、2つの銅箔の間に電流Iを流したときの、電位VをLCRハイテスタ(3522−50、日置電機株式会社製)にて測定し、測定値V/Iを厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗値とした。
製造した導電性フィルムを15mm□のサイズに切り抜き、フィルムの両面の中央部10mm□の領域に金薄膜をスパッタ法により形成させた。金薄膜にそれぞれ銅箔を1MPaの加圧により密着させ、2つの銅箔の間に電流Iを流したときの、電位VをLCRハイテスタ(3522−50、日置電機株式会社製)にて測定し、測定値V/Iを厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗値とした。
(負極耐久試験の測定)
電極セルはフラットセル(宝泉株式会社)を用いた。対極は、直径15mm、厚さ0.5mmの円筒形Li箔、セパレーターは直径19mmに切り抜いたセルガード2500(PP製、宝泉株式会社)、作用極は直径30mmに切り抜いた製造した導電性フィルム、電解液は1mol/L LiPF6のエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート溶液(LBG−96533、キシダ化学株式会社)を用いた。
電極セルはフラットセル(宝泉株式会社)を用いた。対極は、直径15mm、厚さ0.5mmの円筒形Li箔、セパレーターは直径19mmに切り抜いたセルガード2500(PP製、宝泉株式会社)、作用極は直径30mmに切り抜いた製造した導電性フィルム、電解液は1mol/L LiPF6のエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート溶液(LBG−96533、キシダ化学株式会社)を用いた。
セルの作製は、以下の手順で、アルゴン雰囲気下で行った。セル中に対極、電解液を含浸させたセパレーター、作用極の順に重ねた。このとき、対極とセパレーターは直径15mmの円形領域、作用極とセパレーターは直径16mmの円形領域のみが接触し、作用極と対極が接触しないようにした。次いで、対極と作用極にSUS304製電極にそれぞれ接続(それぞれ電極A、電極Bとする)し、セル中にガスの出入りが起こらないようにセルを密閉系にした。
測定は以下の手順で行った。セルを55℃の恒温槽に入れ、1時間静置し、セルの電極A、Bをソーラートロン製マルチスタット1470Eに接続した。ついで、電極Aと電極Bの電位差を測定しながら、電極Bから電極Aに20.1μAの定電流を流した。このとき、電極Aと電極Bの電位差が5mVに達するまでの時間を、測定した。一般にリチウムイオン電池の集電体に用いられている銅箔(20μm厚み)で測定した5mV達するまでの時間を1として、測定サンプルでの5mV達するまでの時間を、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間とした。銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間が10以下であれば、負極電位の耐久性に優れるとする。
(活物質層との密着性評価)
製造した導電性フィルムに、クレハKFポリマー(L#9130、株式会社クレハ製、ポリフッ化ビニリデン13%含有N−メチルピロリドン溶液)を、ポリフッ化ビニリデン層の最終厚み8μmとなるようにコンマコーターを用いて塗布し、80℃4分、120℃10分乾燥してポリフッ化ビニリデン層を形成した。得られたポリフッ化ビニリデン層付きフィルムを20mm幅に切断した後、ポリフッ化ビニリデン層とフィルムの界面強度をT型剥離試験(剥離速度0.5mm/秒)を行い、密着性を測定した。剥離強度が1N/20mm以上であれば、密着性に優れるとする。
製造した導電性フィルムに、クレハKFポリマー(L#9130、株式会社クレハ製、ポリフッ化ビニリデン13%含有N−メチルピロリドン溶液)を、ポリフッ化ビニリデン層の最終厚み8μmとなるようにコンマコーターを用いて塗布し、80℃4分、120℃10分乾燥してポリフッ化ビニリデン層を形成した。得られたポリフッ化ビニリデン層付きフィルムを20mm幅に切断した後、ポリフッ化ビニリデン層とフィルムの界面強度をT型剥離試験(剥離速度0.5mm/秒)を行い、密着性を測定した。剥離強度が1N/20mm以上であれば、密着性に優れるとする。
(合成例1)
ポリイソブチレン(EP400、カネカ社製)、ケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)、およびトルエンを重量比で9.07:1:30の割合で調整し、5mmφのジルコニア球を用いてボールミル分散を行った。分散条件はバッチ250g、ジルコニア球500g、回転数600rpm、30分とした。さらに上記重量比で0.93相当の硬化剤((―Si−O−)繰り返しユニットを平均して7.5個もつメチルハイドロジェンシリコーンに白金触媒存在下全ヒドロシリル基量の2当量のα−オレフィンを添加し、1分子中に平均約5.5個のヒドロシリル基を有する化合物。この化合物のSi−H基含有量は6mmol/gであった。)、上記重量比で0.017相当の硬化遅延剤(サーフィノール61、日信化学工業社製)および上記重量比で0.012相当の硬化触媒(Pt−VTS−3.0X、ユミコアジャパン社製)を添加して攪拌および脱泡を行って導電性材料を得た。
ポリイソブチレン(EP400、カネカ社製)、ケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)、およびトルエンを重量比で9.07:1:30の割合で調整し、5mmφのジルコニア球を用いてボールミル分散を行った。分散条件はバッチ250g、ジルコニア球500g、回転数600rpm、30分とした。さらに上記重量比で0.93相当の硬化剤((―Si−O−)繰り返しユニットを平均して7.5個もつメチルハイドロジェンシリコーンに白金触媒存在下全ヒドロシリル基量の2当量のα−オレフィンを添加し、1分子中に平均約5.5個のヒドロシリル基を有する化合物。この化合物のSi−H基含有量は6mmol/gであった。)、上記重量比で0.017相当の硬化遅延剤(サーフィノール61、日信化学工業社製)および上記重量比で0.012相当の硬化触媒(Pt−VTS−3.0X、ユミコアジャパン社製)を添加して攪拌および脱泡を行って導電性材料を得た。
(合成例2)
出発原料としてテトラカルボン酸二無水物として3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ジアミンとして4,4´−オキシジアニリン(ODA)を用い、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を用いた。
出発原料としてテトラカルボン酸二無水物として3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ジアミンとして4,4´−オキシジアニリン(ODA)を用い、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を用いた。
容量2000mlのガラス製フラスコにDMAcを735g、ODAを54.66g入れ、攪拌してODAを溶解したのち、BPDAを78.73g添加して更に攪拌を続けた。これとは別にDMAc30gとBPDA1.61gのスラリーを調製し、上記反応溶液の粘度に注意しながらこのスラリーを添加し、粘度が200Pa・sに達したところで添加、攪拌をやめ、樹脂固形分濃度15%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液、ケッチェンブラック(EC600JD,ライオン株式会社製)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を重量比で10:1:20の割合で調製し、5mmφのジルコニア球を用いてボールミル分散を行った。分散条件はバッチ250g、ジルコニア球500g、回転数600rpm、30分とした。
さらに、ここに上記重量比で56.67に相当する該ポリアミド酸溶液を添加し、均一になるまで攪拌し炭素系導電性粒子分散ポリアミド酸溶液を得た。
この炭素系導電性粒子分散ポリアミド酸溶液50gに対し、イソキノリン2.5g、無水酢酸9.52g、DMF2.5gからなるキュア溶剤を全量添加して氷浴下でよく攪拌させたものを、40μmのアルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう流延し、160℃で70秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、金属製のピン枠に固定し、300℃で11秒間乾燥し、続けて450℃で1分間乾燥イミド化を行ってフィルムを得た。
(合成例3)
シクロオレフィンポリマー(商品名:ZEONOR 1410R、日本ゼオン社製)44g、ケッチェンブラック(商品名:EC600JD、ライオン株式会社製)6.6g、エチルシクロヘキサン176gおよび5mmφのジルコニア球450gをジルコニア製容器に入れ、ボールミル分散を行い、分散液を得た。分散条件は回転数500rpm、45分とした。
シクロオレフィンポリマー(商品名:ZEONOR 1410R、日本ゼオン社製)44g、ケッチェンブラック(商品名:EC600JD、ライオン株式会社製)6.6g、エチルシクロヘキサン176gおよび5mmφのジルコニア球450gをジルコニア製容器に入れ、ボールミル分散を行い、分散液を得た。分散条件は回転数500rpm、45分とした。
(合成例4)
合成例3で得られた分散液を、コンマコーターを用いてアルミ箔上に最終厚みが18μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行い、続けて120℃で4分間、180℃で4分間、230℃で4分間加熱した。その後、アルミ箔を除去し、フィルムを得た。
合成例3で得られた分散液を、コンマコーターを用いてアルミ箔上に最終厚みが18μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行い、続けて120℃で4分間、180℃で4分間、230℃で4分間加熱した。その後、アルミ箔を除去し、フィルムを得た。
(合成例5)
合成例3で合成した分散液を、コンマコーターを用いて合成例2で合成したフィルム上に最終厚みが18μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行い、続けて120℃で4分間、180℃で4分間、230℃で4分間加熱しフィルムを得た。
合成例3で合成した分散液を、コンマコーターを用いて合成例2で合成したフィルム上に最終厚みが18μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行い、続けて120℃で4分間、180℃で4分間、230℃で4分間加熱しフィルムを得た。
合成例1で合成した導電性材料を、コンマコーターを用いてテフロン(登録商標)シート上に塗布し、150℃で10分間乾燥硬化させた。その後、テフロン(登録商標)シートを剥離により除去することで、導電性フィルム(20μm厚み)を得た。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、120mΩ・cm2(20μm厚み)であった。負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であり、活物質層との密着性評価では剥離強度が1.7N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
実施例1で得られた導電性フィルムの表面にコロナ処理(700W・min/m2)を実施した。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、120mΩ・cm2(20μm厚み)であった。負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であった。活物質層との密着性評価では剥離強度が6N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
合成例1で合成した導電性材料を、コンマコーターを用いて圧延銅箔(日本製箔株式会社製、20μm厚み)上に塗布し、150℃で10分間乾燥硬化させ、導電性フィルムを得た。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、120mΩ・cm2(40μm厚み)であった。導電性材料を塗布した面が電解液と接触するようにした負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であった。導電性材料を塗布した面にクレハKFポリマーを塗布した、活物質層との密着性評価では剥離強度が1.7N/20mmであった。
得られた導電性フィルム、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
実施例3で得られた導電性フィルムの導電性材料を塗布した側の表面にコロナ処理(700W・min/m2)を実施した。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、120mΩ・cm2(40μm厚み)であった。導電性材料を塗布した面(コロナ処理した面)が電解液と接触するようにした負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であり、導電性材料を塗布した面(コロナ処理した面)にクレハKFポリマーを塗布した、活物質層との密着性評価では剥離強度が6N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
実施例3において、圧延銅箔を、合成例2で作製したフィルムに変えた以外は実施例3と同様の方法で導電性フィルム(45μm厚み)を作製した。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、140mΩ・cm2(45μm厚み)であった。導電性材料を塗布した面が電解液と接触するようにした負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であった。導電性材料を塗布した面にクレハKFポリマーを塗布した、活物質層との密着性評価では剥離強度が1.7N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
実施例5で得られた導電性フィルムの導電性材料を塗布した側の表面にコロナ処理(700W・min/m2)を実施した。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、140mΩ・cm2(45μm厚み)であった。導電性材料を塗布した面(コロナ処理した面)が電解液と接触するようにした負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であった。導電性材料を塗布した面(コロナ処理した面)にクレハKFポリマーを塗布した、活物質層との密着性評価では剥離強度が6N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
実施例3において、圧延銅箔を、合成例4で作製したフィルムに変えた以外は実施例3と同様の方法で導電性フィルム(38μm厚み)を作製した。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、190mΩ・cm2(38μm厚み)であった。導電性材料を塗布した面が電解液と接触するようにした負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であり、導電性材料を塗布した面にクレハKFポリマーを塗布した、活物質層との密着性評価では剥離強度が1.7N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
実施例7で得られた導電性フィルムの導電性材料を塗布した側の表面にコロナ処理(700W・min/m2)を実施した。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、190mΩ・cm2(38μm厚み)であった。導電性材料を塗布した面(コロナ処理した面)が電解液と接触するようにした負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であった。導電性材料を塗布した面(コロナ処理した面)にクレハKFポリマーを塗布した、活物質層との密着性評価では剥離強度が6N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
合成例1で合成した導電性材料を、合成例5で得られたフィルムの合成例3で合成した分散液を塗布した側の表面上に塗布し、150℃で10分間乾燥硬化させ、導電性フィルム(63μm厚み)を得た。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、210mΩ・cm2(63μm厚み)であった。導電性材料を塗布した面が電解液と接触するようにした負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であった。導電性材料を塗布した面にクレハKFポリマーを塗布した、活物質層との密着性評価では剥離強度が1.7N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
実施例9で得られた導電性フィルムの導電性材料を塗布した側の表面にコロナ処理(700W・min/m2)を実施した。
得られた導電性フィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、210mΩ・cm2(63μm厚み)であった。導電性材料を塗布した面(コロナ処理した面)が電解液と接触するようにした負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は6であった。導電性材料を塗布した面(コロナ処理した面)にクレハKFポリマーを塗布した、活物質層との密着性評価では剥離強度が6N/20mmであった。
得られた導電性フィルムは、負極電位の耐久性に優れるとともに、活物質層との密着性にも優れる。
(比較例1)
圧延銅箔(日本製箔株式会社製、20μm厚み)にて実施例1と同様の評価を行った。
圧延銅箔(日本製箔株式会社製、20μm厚み)にて実施例1と同様の評価を行った。
銅箔の、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、1mΩ・cm2(20μm厚み)であった。負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は1であった。活物質層との密着性評価では剥離強度が0.5N/20mmであった。
銅箔は、負極電位の耐久性に優れるものの、活物質層との密着性に劣る。
(比較例2)
合成例2で作製したフィルムにて実施例1と同様の評価を行った。
合成例2で作製したフィルムにて実施例1と同様の評価を行った。
フィルムの厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、40mΩ・cm2(25μm厚み)であった。負極耐久性の試験において、1週間測定しても5mVに到達せず、負極電位に耐久性が認められなかった。活物質層との密着性評価では剥離強度が0.4N/20mmであった。
合成例2で作製したフィルムは、負極電位の耐久性が認められない上、活物質層との密着性にも劣る。
(比較例3)
合成例4で作製したフィルムにて実施例1と同様の評価を行った。
合成例4で作製したフィルムにて実施例1と同様の評価を行った。
フィルムの厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、40mΩ・cm2(18μm厚み)であった。負極耐久性の試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は3であった。活物質層との密着性評価では剥離強度が0.1N/20mmであった。
合成例4で作製したフィルムは、負極電位の耐久性に優れるものの、活物質層との密着性に劣る。
(比較例4)
合成例4で得られたフィルムにコロナ処理(700W・min/m2)を実施した。
(比較例4)
合成例4で得られたフィルムにコロナ処理(700W・min/m2)を実施した。
得られたフィルムの、厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗は、40mΩ・cm2(18μm厚み)であった。負極耐久試験において、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間は3であった。活物質層との密着性評価では剥離強度が0.1N/20mmであった。
合成例4で作製したフィルムは、コロナ処理を行っても、活物質層との密着性に劣る。
Claims (16)
- 導電性粒子、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体、および、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物、
を含有する導電性材料(但し、エラストマーを含有しない。)が硬化してなる硬化層を有する、電池用導電性フィルム。 - (A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体が、イソブチレン系重合体である、請求項1記載の電池用導電性フィルム。
- (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物が、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンポリシロキサンである、請求項1〜2のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- (A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体中の全アルケニル基量に対する、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物中の全ヒドロシリル基量のモル比率(全アルケニル基:全ヒドロシリル基)が1:0.5〜1:5である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- 前記導電性粒子が炭素系導電性粒子および/または金属粒子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- 前記導電性粒子の含有量と、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体および(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有する化合物の合計含有量との比率が重量比で、1:99〜99:1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- 前記硬化層が電池用導電性フィルムの少なくとも一方の表面である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- さらに、正極電位に耐久性を有する材料からなる層2を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- 電池用導電性フィルムが、一方の表面層が前記硬化層であり、他方の表面層が層2である、請求項8に記載の電池用導電性フィルム。
- 前記正極電位に耐久性を有する材料は、高分子材料2と導電性粒子2とを含有する、請求項8または9に記載の電池用導電性フィルム。
- 前記高分子材料2は芳香族ポリイミド、ポリアミドイミド、およびポリアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項10記載の電池用導電性フィルム。
- 電池用導電性フィルムの厚みが1〜100μmである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- 厚み方向の単位面積あたりの電気抵抗が10Ω・cm2以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- 少なくとも一方の表面が剥離可能なフィルムで覆われている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルム。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルムを含む、集電体。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の電池用導電性フィルムを含む、電池。
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