JP2014100324A - カテーテル用チューブの製造方法およびカテーテル用チューブの連続体 - Google Patents

カテーテル用チューブの製造方法およびカテーテル用チューブの連続体 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のカテーテル用チューブを同一の芯線を用いて連続的に製造しつつ、効率よく親水性材料を被覆可能なカテーテル用チューブの製造方法およびカテーテル用チューブの連続体を提供する。
【解決手段】芯線40上に樹脂を被覆して内層被覆体51を形成する内層被覆体形成工程と、内層被覆体形成工程よりも後に、内層被覆体51よりも径方向外側に親水性材料を被覆して親水性被覆体54を形成する親水性被覆体形成工程と、親水性被覆体形成工程よりも後に芯線40上に内層被覆体51および親水性被覆体54を備えて得られる管状連続体60を、所定の位置で切断して複数の単体チューブ61を切り出す切断工程と、単体チューブ61から芯線40を除去する芯線除去工程と、を有する製造方法である。
【選択図】図3

Description

本発明は、血管等の管腔内や体腔内で使用されるカテーテルに用いられるカテーテル用チューブの製造方法およびカテーテル用チューブの連続体に関する。
近年、外科的侵襲が非常に低いという理由から、カテーテルを用いた血管等の管腔内や体腔内の治療が盛んに行われている。例えば、体内の複雑に分岐した血管へ選択的に導入して使用されるカテーテルは、一般的に、血管へあらかじめ導入されるガイドワイヤーに沿って選択的に押し込まれて、治療用の薬剤や診断用の造影剤等を手元側(基端側)から先端側へ流通させる。このため、カテーテルを構成する長尺なカテーテル用チューブは、手元側の内外径を大きくすることで、剛性を高めて押込み性(プッシャビリティー)を充分に持たせつつ薬剤や造影剤の注入特性を確保し、先端側の内外径を基端側よりも細くし、柔軟にすることで末梢血管への到達性やガイドワイヤーへの追従性を高めている。
このようなカテーテル用チューブの製造方法として、例えば特許文献1には、太径部と細径部が所定の間隔で連続してなる芯線上に熱可塑性樹脂を被覆成形して、複数のカテーテル用チューブを同一の芯線上に連続体として形成し、連続体を各々のカテーテル用チューブ毎に芯線とともに切断した後、芯線を引き抜いて除去してカテーテル用チューブを製造する方法が記載されている。
特開2008−183226号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の方法では、カテーテル用チューブに、管腔内や体腔内での摺動性を高めるための親水性高分子物質が被覆されない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、複数のカテーテル用チューブを同一の芯線を用いて連続的に製造しつつ、効率よく親水性材料を被覆可能なカテーテル用チューブの製造方法およびカテーテル用チューブの連続体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するカテーテル用チューブの製造方法は、芯線上に樹脂を被覆して被覆体を形成する被覆体形成工程と、前記被覆体形成工程よりも後に、前記被覆体よりも径方向外側に親水性材料を被覆して親水性被覆体を形成する親水性被覆体形成工程と、前記親水性被覆体形成工程よりも後に前記芯線上に前記被覆体および親水性被覆体を備えて得られる管状連続体を、所定の位置で切断して複数の単体チューブを切り出す切断工程と、前記単体チューブから前記芯線を除去する芯線除去工程と、を有するカテーテル用チューブの製造方法である。
上記のように構成したカテーテル用チューブの製造方法は、芯線上に被覆体を被覆し、さらに親水性被覆体を形成した後に、管状連続体を所定の位置で切断して複数の単体チューブを切り出すため、切断後に親水性被覆体を形成するために切り出された単体チューブを再度位置決めする必要がなく、作業を行うための位置決めの回数を減らすことができ、効率よくカテーテル用チューブを製造できる。
前記親水性被覆体形成工程において、前記芯線の軸線方向に沿って所定の間隔で親水性被覆体を形成するようにすれば、製造されるカテーテル用チューブに、親水性被覆体が被覆される部位と被覆されない部位を容易に形成できる。
前記芯線は、外径の異なる太径部および細径部が予め所定の間隔で連続して形成されるようにすれば、先端部と基端部で径の異なるカテーテル用チューブを、連続的に連なる管状連続体を用いて効率よく製造できる。
前記親水性被覆体形成工程において、前記太径部の一部および前記細径部を含む被覆範囲を前記芯線の軸線方向に沿って所定の間隔で設け、当該被覆範囲に前記親水性被覆体を被覆するようにすれば、管状連続体を切断して製造されるカテーテル用チューブの太径部に対応して形成される基端部に、親水性被覆体が被覆されずに手で把持しやすい領域を形成することができる。
前記切断工程において、前記管状連続体を前記太径部および細径部の所定の位置で切断して複数の単体チューブを切り出し、前記芯線除去工程は、前記切断工程よりも後に実施されるようにすれば、芯線に太径部および細径部が形成されることで切断前は芯線の除去が困難な構成であっても、切断工程の後に芯線を容易に除去できる。
前記被覆体形成工程よりも後、前記親水性被覆体形成工程よりも前に、前記被覆体よりも径方向外側に樹脂を被覆して外層被覆体を形成する外層被覆体形成工程をさらに有するようにすれば、複数の層からなる多層構造の外周面に親水性被覆体が形成されたカテーテル用チューブを、連続的に連なる管状連続体を用いて効率的に製造できる。
前記被覆体形成工程よりも後、前記親水性被覆体形成工程よりも前に、前記被覆体よりも径方向外側に線材からなる補強体を形成する補強体形成工程をさらに有するようにすれば、製造されるカテーテル用チューブを部位に応じて補強でき、押込み性および耐キンク性を向上させることができる。
カテーテル用チューブの中間体である単体チューブが同一の芯線上に連続的に複数形成されるカテーテル用チューブの連続体であって、芯線と、前記芯線上に樹脂を被覆して得られた被覆体と、各々の前記単体チューブに対応して前記被覆体よりも径方向外側に配置される親水性材料である親水性被覆体と、を有するカテーテル用チューブの連続体であれば、切断前の連続体に既に親水性被覆体が形成されているため、切断後の単体チューブに親水性被覆体を形成するために単体チューブを再度位置決めする必要がなく、作業を行うための位置決めの回数を減らすことができ、効率よくカテーテル用チューブを製造できる。
前記連続体に設けられる前記親水性被覆体が、前記芯線の軸線方向に沿って所定の間隔で形成されるようにすれば、製造されるカテーテル用チューブに、親水性被覆体が被覆される部位と被覆されない部位を容易に形成できる。
前記連続体に設けられる前記芯線が、外径の異なる太径部および細径部が予め所定の間隔で連続して形成されるようにすれば、先端部と基端部で径の異なるカテーテル用チューブを、連続的に連なる連続体を用いて効率よく製造できる。
前記連続体に設けられる前記親水性被覆体が、前記太径部の一部および前記細径部を含む被覆範囲に形成され、当該被覆範囲は前記芯線の軸線方向に沿って所定の間隔で設けられるようにすれば、連続体を切断して製造されるカテーテル用チューブの太径部に対応して形成される基端部の一部に、親水性被覆体が被覆されずに手で把持しやすい領域を形成できる。
前記連続体に設けられる前記被覆体および前記親水性被覆体の間に、樹脂により形成される外層被覆体をさらに有するようにすれば、複数の層からなる多層構造の外周面に親水性被覆体が形成されたカテーテル用チューブを、連続的に連なる連続体を用いて効率よく製造できる。
前記連続体に設けられる前記被覆体および前記親水性被覆体の間に、線材からなる補強体をさらに有するようにすれば、製造されるカテーテル用チューブを部位に応じて補強でき、押込み性および耐キンク性を向上させることができる。
カテーテルを示す平面図である。 実施形態に係るカテーテル用チューブの製造方法により製造されたカテーテル用チューブを示す断面図である。 実施形態に係るカテーテル用チューブの製造方法を工程順に説明するための図であり、(A)は芯線準備工程、(B)は内層被覆体形成工程、(C)は補強体形成工程、(D)は外層被覆体形成工程、(E)は親水性被覆体形成工程、(F)は切断工程、(G)は芯線延伸工程、(H)は芯線除去工程を示す。 押出成形により層を形成する方法を説明するための概略図である。 ディップ成形により層を形成する方法を説明するための概略図である。 ディップ成形により親水性被覆体を被覆する方法を説明するための概略図である。 芯線の変形例を示す平面図である。 芯線の他の変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
本実施形態に係るカテーテル用チューブの製造方法により製造されるカテーテル用チューブ10は、図1に示すように、血管、胆管、気管、食道、尿道、またはその他の生体管腔内や体腔内に挿入されて治療や診断等を行うためのカテーテル1に用いられる。カテーテル1は、長尺なカテーテル用チューブ10と、カテーテル用チューブ10の基端に連結されるハブ20と、カテーテル用チューブ10およびハブ20の連結部位に設けられる耐キンクプロテクタ30と、を有している。なお、本明細書では、管腔に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称することとする。
カテーテル用チューブ10は、図1,2に示すように、可撓性を有する管状の部材であり、基端側に位置するチューブ基端部11と、チューブ基端部11より小さい外径および内径を有するチューブ先端部12と、チューブ基端部11およびチューブ先端部12の間で外径および内径が軸線方向に向かって徐々に変化するチューブ移行部13と、を有している。カテーテル用チューブ10は、基端から先端にかけて内部にルーメン14が形成されている。ルーメン14は、例えばガイドワイヤー用ルーメンとして機能するものであり、カテーテル1の生体管腔内への挿入時には、ガイドワイヤーが挿通される。また、ルーメン14は、薬液や塞栓物質、造影剤等の通路として用いることもできる。
カテーテル用チューブ10は、複数の層で構成されており、最内層を構成する内層15と、内層15の外側に形成される補強層16と、内層15および補強層16の外側に形成される外層17と、外層17の外側に被覆される親水層18とを備えている。外層17は、チューブ基端部11に位置する外層基端部17Aと、チューブ移行部13に位置する外層移行部17Bと、チューブ先端部12に位置する外層先端部17Cとを備えている。外層基端部17A、外層移行部17Bおよび外層先端部17Cは、いずれも、基端側から先端側へ向かう方向へ厚さが減少するように形成される。なお、外層基端部17A、外層移行部17Bおよび外層先端部17Cの一部でのみ、基端側から先端側へ向かう方向へ厚さが減少するように形成されてもよいが、少なくとも外層基端部17Aにおいて、基端側から先端側へ向かう方向へ厚さが減少することが好ましい。内層15、補強層16、外層17および親水層18の構成および材料は、後述する製造方法にて詳細に説明する。
ハブ20は、カテーテル用チューブ10の基端部が接着剤、熱融着または止具(図示せず)等により液密に固着されている。ハブ20は、ルーメン14内へのガイドワイヤーの挿入口、ルーメン14内への薬液や塞栓物質、造影剤等の注入口等として機能し、また、カテーテル1を操作する際の把持部としても機能する。ハブ20の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
耐キンクプロテクタ30は、カテーテル用チューブ10の周囲を囲むように設けられる弾性材料からなり、カテーテル用チューブ10とハブ20の連結部位におけるカテーテル用チューブ10のキンクを抑制する。耐キンクプロテクタ30の材料は、例えば、天然ゴム、シリコーン樹脂等が好適に使用できる。
次に、本実施形態に係るカテーテル用チューブの製造方法について説明する。カテーテル用チューブ10は、長尺な芯線40を準備する芯線準備工程(図3(A))と、芯線40上に内層被覆体51(被覆体)を形成する内層被覆体形成工程(被覆体形成工程)(図3(B))と、内層被覆体51上の少なくとも一部に補強体52を形成する補強体形成工程(図3(C))と、補強体52および内層被覆体51を一体的に被覆して外層被覆体53を形成する外層被覆体形成工程(図3(D))と、親水性被覆体54を被覆する親水性被覆体形成工程(図3(E))と、芯線40上に得られる管状連続体60を芯線40の所定の位置で切断して単体チューブ61を切り出す切断工程(図3(F))と、芯線40を延伸させる芯線延伸工程(図3(G))と、各単体チューブ61から芯線40を除去する芯線除去工程(図3(H))と、を有している。芯線40上に形成される内層被覆体51、補強体52、外層被覆体53および親水性被覆体54は、最終的に、カテーテル用チューブ10の内層15、補強層16、外層17および親水層18となる。
芯線準備工程は、図3(A)に示すように、芯線40を切削、研磨、研削、鍛造、溶接、割りダイスを用いた引抜き延伸等の機械的加工、または、エッチング等の化学的加工により、太径部41、細径部42および移行部43を有するように加工する工程、または、上記のような加工が施された芯線40を購入等により準備する工程である。
芯線準備工程において準備される芯線40は、所定の外径を有する太径部41と、太径部41より小さい外径を有する細径部42と、太径部41および細径部42の間で外径が芯線40の軸線方向に向かって徐々に変化する移行部43と、が複数並んで構成されている。細径部42の外径D2に対する太径部41の外径D1の比率(D1/D2)は、1.00を超えて1.31以下であることが好ましく、より好ましくは1.30以下であり、さらに好ましくは1.22以下である。比率(D1/D2)は1より大きい。比率(D1/D2)が1.31以下であることで、芯線延伸工程において細径部42のみならず太径部41も良好に延伸させ、細径部42のみの細りを抑制して、芯線除去工程において芯線40を良好に除去することが可能となり、実使用に耐え得るカテーテル用チューブ10を製造可能となる。比率(D1/D2)が1.22以下であれば、細径部42のみの細りがより確実に抑制されて、芯線除去工程において芯線40をより確実に除去することが可能となり、より良好なカテーテル用チューブ10を製造可能となる。一例として、太径部41の長さL1は1800mm、細径部42の長さL2は150mm、移行部43の長さL3は50mm、太径部41の外径D1は0.55〜0.6mm、細径部42の外径D2は0.45〜0.50mmとすることができるが、寸法はこれに限定されない。
芯線40の材料は、銅線、ステンレス軟線等延伸できる金属、または、ポリアミド(PA)等の樹脂ストランド等を適用でき、その断面は円形に限定されず、楕円、半円、多角形等の任意の形状とすることができる。
芯線準備工程の後には、図3(B)に示すように、芯線40上に内層被覆体51を形成する(内層被覆体形成工程)。内層被覆体51の材料は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を適用でき、フッ素系樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)等の低摩擦材料等が好ましい。
内層被覆体51には、X線不透過物質を混合してもよい。なお、内層被覆体51をフッ素系樹脂等の低摩摩擦材料で形成する場合には、外側に他の材料を被覆できるように、内層被覆体51の外側表面に、ケミカルエッチング等により粗面化処理を施すことが好ましい。
内層被覆体51の材料に熱可塑性樹脂を用いる場合には、押出成形機にて所定の成形温度(ダイス温度)で所定の引き取り速度で押出成形することができる。これにより、略同一肉厚の押出成形体(内層被覆体51)を得ることができる。一例として、太径部41に対応する部位の内層被覆体51の外径を0.57〜0.76mm、細径部42に対応する部位の内層被覆体51の外径を0.47〜0.53mmとすることができるが、寸法はこれに限定されない。なお、引き取り速度を調整することで、部位に応じて肉厚を変化させることもできる。
押出成形法を概説すれば、図4に示すような一般的な押出成形機100を用いて、芯材W(ここでは、芯線40)上に熱可塑性樹脂の層(ここでは、内層被覆体51)を成形する。押出成形機100は、加熱溶融した材料を押し出す押出機101と、押出機101から押し出された樹脂を押出口102から押し出す金型103と、金型103を貫通して押出口102の中心に位置する芯材Wを引き取る引取機105と、芯材Wが巻回されて保持されるとともに金型103へ芯材Wを供給する供給ロール106と、押出成形が完了した芯材Wを回収する回収ロール107と、を備えている。芯材W上に材料を押出成形する際には、押出機101により加熱溶融した材料を金型103に供給して、供給ロール106から送り出されて押出口102に位置する芯材Wを引取機105により引き取りつつ押出口102から芯材W上に材料を連続的に供給して、芯材W上に材料を被覆させる。材料が被覆された芯材Wは、被覆された材料が固化した後に回収ロール107に巻回されて回収される。回収ロール107に巻回されて回収される。引取機105による引き取り速度を変更することで、押し出される成形品の外径を任意に変更することができる。なお、前工程から芯材Wを直接受け取り、後工程へ熱可塑性樹脂が被覆された芯材Wを直接引き渡すのであれば、供給ロール106および回収ロール107は、設けられなくてもよい。また、内層被覆体51の押出成形において、樹脂としてフッ素系樹脂(PTFEなど)を用いる場合、フッ素系潤滑剤を助剤として樹脂粉末と混合したものを押し出しすることができる。
なお、内層被覆体形成工程では、内層被覆体51を押出成形により成形するのではなしに、ディップ成形によって成形してもよい。ディップ成形による方法を概説すれば、まず、図5に示すような容器200内に、材料である樹脂を溶剤に溶解した溶液Rまたは希釈剤中に分散させた分散液Rを収容し、容器200の底に設けられて液密性を維持しつつ芯材W(ここでは、芯線40)を挿通可能である柔軟な弁体201を介して、芯材Wが巻回されて保持される供給ロール202から芯材Wを供給し、芯材Wを下方から容器200内に挿入する。そして、容器200内で溶液Rまたは分散液Rに芯材Wをディッピング(浸漬)させた後に、容器200の上方へ引き抜く。これにより、芯材Wの外周面に溶液Rまたは分散液Rを付着させ、芯材Wに付着させた溶液Rまたは分散液Rを熱風やヒータ等によって加熱して乾燥させ、フッ素系樹脂等の分散液Rを用いる場合にはさらに焼結させて、内層被覆体51を形成する。材料が被覆された芯材Wは、被覆された材料が固化した後に回収ロール203に巻回されて回収される。溶剤や希釈剤には、通常用いられているものを適用することができる。容器200からの引き上げ速度を変更することで、芯材Wに付着される溶液Rまたは分散液Rの膜厚を任意に変更し、内層被覆体51の厚さを任意に変更することができる。膜厚は、溶液Rまたは分散液Rの密度、表面張力、粘度、重力および引き上げ速度が相互に作用して決定され、容器200からの引き上げ速度を遅くすると、芯材Wに付着される溶液Rまたは分散液Rの膜厚を増加させることができ、引き上げ速度を速くすると、芯材Wに付着される溶液Rまたは分散液Rの膜厚を減少させることができる。例えば、太径部41よりも細径部42に対応する部位の外層被覆体53の外径を小さくし、移行部43に対応する部位の外層被覆体53の外径を、漸次的に変化させることもできる。
また、溶液Rまたは分散液Rの粘度が高いと、被覆される厚さが不均一となりやすいため、被覆される膜厚が均一となる程度に粘度を低く設定し、ディップ成形を複数回繰り返し行うことで、被覆させる膜厚を徐々に増加させて、被覆厚さを高精度に制御することができる。ディップ成形を繰り返し行う際には、材料が被覆された芯材Wが回収された回収ロール203を、容器200の下方へ移動させて供給ロール202とし、再びディップ成形を行うことができる。ディップ成形を繰り返し行う際には、一回毎に、溶液Rまたは分散液Rを熱風やヒータ等によって加熱して乾燥および焼結させることが好ましい。
また、ディップ成形を複数回繰り返し行う際には、芯線40の同じ方向へ引き上げてディップ成形するのではなしに、少なくとも1回は逆方向へ引き上げてディップ成形することが好ましく、より好ましくは、1回ずつ方向を変えながらディップ成形することが好ましい。少なくとも1回は逆方向からディップ成形することで、引き上げ方向に依存する膜厚の偏りを抑制して膜厚を均一化でき、1回ずつ方向を変えながらディップ成形することで、引き上げ方向による膜厚の偏りを最大限に抑制して、膜厚をより均一とすることができる。特に、外径が変化する芯線40においては、外径が変化する部位において、引き上げ方向に依存する膜厚の偏りが生じやすいことから、太径部41および細径部42が形成される芯線40にディップ成形を施す際に、少なくとも1回は逆方向からディップ成形することで、膜厚の均一化において高い効果が発揮される。
なお、一回のディップ成形のステップごとに乾燥・焼結させることもできるが、乾燥・焼結させることなしに連続して複数回ディップ成形した後、乾燥・焼結させることもできる。このように乾燥・焼結させることなしに連続して複数回ディップ成形することにより、所望の部位での厚みを細かく設定することができる。
また、ディップ成形を繰り返し行う際に、芯線40の部位に応じて繰り返し回数を変化させることができる。このための方法の一例として、繰り返し回数を多くしたい部位を引き上げ、当該部位に被覆される溶液Rまたは分散液Rを乾燥・焼結させた後、上方向へ移動していた芯線40を下方向へ移動させて、繰り返し回数を多くしたい部位を溶液Rまたは分散液R内に浸漬させる。この後、再び芯線40を上方向へ移動させて、繰り返し回数を多くしたい部位を再び引き上げて、溶液Rまたは分散液Rをさらに被覆させることができる。これを繰り返すことで、部位に応じた所望の繰り返し回数のディップ成形を行うことができる。このように、芯線40の移動方向を切り替えながら、ディップ成形の繰り返し回数を部位に応じて適宜設定することができる。したがって、例えば、ディップ成形の繰り返し回数が、移行部>太径部>細径部となるように、または太径部>移行部>細径部となるように設定することができる。なお、A>Bとは、Aにおける繰り返し回数がBにおける繰り返し回数より多いことを意味する。これらのうち、移行部で繰り返し数が最も多くなるようにディップ成形をすると、移行部での厚みを可変的に変化させることができ、好ましい。この方法においても、一回のディップ成形のステップごとに乾燥・焼結させることができるが、乾燥・焼結させることなしに連続して複数回ディップ成形した後、乾燥・焼結させてもよい。
また、芯線40を移動させるのではなしに、図5で示される溶液Rまたは分散液Rの液量Hを変化させて深さを変化させることで、引き上げ位置、引き上げ速度および引き上げ方向(上方向または下方向)を調整することもできる。
また、芯材Wを、芯材Wの軸線を中心に回転させつつ容器200から引き上げることで、芯材Wに被覆される溶液Rまたは分散液Rに遠心力を作用させて、被覆される量を任意に変更することもできる。すなわち、芯材Wの回転速度が速いほど作用する遠心力が増加して、芯材Wに被覆される溶液Rまたは分散液Rの膜厚を減少させることができ、芯材Wの回転速度が遅いほど作用する遠心力が減少して、芯材Wに被覆される溶液Rまたは分散液Rの膜厚を増加させることができる。例えば、太径部41を引き上げる際よりも、細径部42を引き上げる際の回転速度を増加させることで、細径部42に被覆される膜厚を、太径部41に被覆される膜厚よりも薄くすることができる。そして、移行部43を引き上げる際に、芯線40の回転速度を徐々に変化させることで、移行部43における膜厚を、太径部41と細径部42の間で滑らかかつ傾斜的に変化させることができる。これにより、製造されるカテーテル用チューブ10の先端側を基端側よりも柔軟にすることができる。また、芯線40の外径が大きいほど、作用する遠心力が大きくなるため、被覆される溶液Rまたは分散液Rの膜厚を一定にするために、外径が変化する部位において回転速度を調整することも可能である。
本実施形態では、芯材Wが供給ロール202から供給され、回収ロール203に回収されるため、供給ロール202および回収ロール203を、容器200内の芯材Wの軸線を中心に回転させることが好ましいが、容器200内の芯材Wを回転させることが可能であれば、装置の構成は限定されない。
また、芯材Wを回転させつつ容器200から引き上げる際に、溶液Rまたは分散液Rに粒子や繊維等の混合物が混合されている場合には、混合物に配向を与えることができる。
ディップ成形を回転させながら複数回繰り返し行う際には、芯線40を毎回同じ方向へ回転させるのではなしに、少なくとも1回は逆回転させつつディップ成形することが好ましく、より好ましくは、1回ずつ回転方向を逆にしながらディップ成形することが好ましい。少なくとも1回は逆回転させつつディップ成形することで、回転方向に依存する膜厚の偏りを抑制して膜厚を均一化でき、1回ずつ回転方向を変えながらディップ成形することで、回転方向に依存する膜厚の偏りを最大限に抑制して、膜厚をより均一とすることができる。
芯材Wに被覆される溶液Rまたは分散液Rの膜厚を減少させたい場合には、引き上げ速度で制御しようとすると引き上げ速度を遅くする必要があるが、上述のように芯材Wの回転速度で制御すれば、引き上げ速度を遅くすることなしに回転速度を増加させることで調整可能であるため、製造時間を短縮できる。
このように、溶液Rまたは分散液Rの粘度、引き上げ速度、引き上げ方向、引き上げ部位、溶液Rまたは分散液Rの液量(容器200中での深さ)、ディップ成形の繰り返し回数、回転速度および回転方向を調整することで、被覆される内層被覆体51の被覆厚さおよび製造時間を、高精度に制御することができる。
なお、内層被覆体51をディップ成形できるのであれば、上記のような容器200でなくてもよく、例えば、容器200の底から芯材Wを挿通させるのではなしに、容器の上方から芯材Wを溶液Rまたは分散液Rにディッピング(浸漬)させ、芯材Wを湾曲させつつ、再び上方へ引き上げるようにしてもよい。また、芯材Wの外周面に溶液Rまたは分散液Rを付着させた後、所定の内径を有するダイ(図示せず)を通過させて付着される溶液Rまたは分散液Rの量を規制することで、内層被覆体51の外径を調整することもできる。また、前工程から芯材Wを直接受け取り、後工程へ材料が被覆された芯材Wを直接引き渡すのであれば、芯材Wが巻回される供給ロール202および回収ロール203は、設けられなくてもよい。
また、内層被覆体形成工程において内層被覆体51を形成する方法は、押出成形やディップ成形に限定されず、例えば、樹脂を溶剤に溶解した溶液または希釈剤中に分散させた分散液を、噴霧(スプレー)、塗布、印刷等の公知の方法により芯線40に付着させた後、芯線40に付着させた溶液または分散液を熱風やヒータ等によって加熱して乾燥させ、材料によっては焼結させて、内層被覆体51を形成してもよい。
内層被覆体形成工程の後には、図3(C)に示すように、内層被覆体51上の少なくとも一部を覆うように補強体52を形成する(補強体形成工程)。
補強体52は、内層被覆体51上に、素線を所定の格子間距離の編組で連続的に巻きつけて形成される。補強体52は、同一方向の横巻きや、右巻き・左巻き等、巻き方向を変えながら素線を巻きつけてもよく、また、巻きピッチ、格子間距離、周方向に対する傾斜角度等を位置によって変更してもよく、構成は特に限定されない。
補強体52に用いられる素線は、白金(Pt)・タングステン(W)等の金属線、樹脂繊維、炭素繊維、ガラス繊維等を適用でき、または、これらの素線を複数併用してもよい。なお、補強体52は、設けられなくてもよい。
補強体形成工程の後には、図3(D)に示すように、内層被覆体51および補強体52の少なくとも一部を被覆して、外層被覆体53を形成する(外層被覆体形成工程)。補強体形成工程では、熱可塑性樹脂を材料として、押出成形により厚さを変化させつつ内層被覆体51および補強体52の外周囲、すなわち内層被覆体51の径方向外側に被覆して、外層被覆体53を成形する。外層被覆体53は、芯線40の太径部41から一方の細径部42へ向かう方向へ厚さが減少するように被覆される。一例として、外層被覆体53の、太径部41に対応する部位の一方側の厚さA1を0.08〜0.1mm、太径部41に対応する部位の他方側の厚さA2を0.06〜0.08mm、細径部42に対応する部位の一方側の厚さA3を0.04〜0.06mm、細径部42に対応する部位の他方側の厚さA4を0.02〜0.04mmとし、A1>A2>A3>A4とすることができる。A1>A2>A3>A4となる場合の具体的数値例として、A1=0.1mm、A2=0.08mm、A3=0.04mm、A4=0.02mmとすることができる。また、別の例として、A1>A2>A3>A4とすることができ、この場合の具体的数値例として、A1=0.1mm、A2=0.08mm、A3=0.02mm、A4=0.04mmとすることができる。
外層被覆体53の材料は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物等を適用できる。外層被覆体53には、X線不透過物質を混合してもよい。
外層被覆体53を押出成形する際には、図4に示すような上述の押出成形機100を用い、芯線40に内層被覆体51および補強体52を被覆させた構成(図3(C)を参照)を芯材Wとして、外層被覆体53を押出成形することができる。押出成形においては、引き取り速度を速くすることで、成形される外層被覆体53の厚さを薄くし、引き取り速度を遅くすることで、成形される外層被覆体53の厚さを厚くできるため、引き取り速度を変更しつつ押出成形することで、芯線40の軸線方向へ厚さが変化する外層被覆体53を成形することができる。
なお、外層被覆体形成工程の前に、補強体52の一部を取り除いてもよい。例えば、カテーテル用チューブ10の先端部の柔軟性を確保するために、細径部42に対応する補強体52の一部を取り除くことができる。
外層被覆体形成工程の後には、図3(E)に示すように、外層被覆体53に、親水性高分子物質(親水性材料)を被覆して親水性被覆体54を形成する(親水性被覆体形成工程)。親水性被覆体54は、最終的に、カテーテル用チューブ10の外表面の親水層18(図2を参照)を構成する。親水層18は、血液または生理食塩水等の液体に接触したときに潤滑性を発現し、カテーテル用チューブ10の摩擦抵抗が減少して、摺動性が一段と向上し、その結果、挿入の操作性が一段と向上し、押込み性、追従性、耐キンク性および安全性が一段と高まる。
また、カテーテル用チューブ10を血管内へ挿入する際には、カテーテル用チューブ10の基端側を、手に持って操作をする必要がある。このため、カテーテル用チューブ10の基端側は、手で持った際に、滑ると操作性が低下し、好ましくない。このようなことから、カテーテル用チューブ10の長手方向における親水層18が設けられる範囲は、カテーテル用チューブ10の基端から先端方向に向かって所定長さ分(例えば、150〜500mm程度)を除いた領域であることが好ましい。したがって、外層被覆体53の外周面に被覆される親水性被覆体54は、親水層18が上記の範囲に設けられるように、外層被覆体53の一部に被覆される。具体的には、太径部41の一部および細径部42に対応する被覆範囲Bを、芯線40の軸線方向に沿って所定の間隔で複数設けて、これらの被覆範囲Bに親水性被覆体54を形成する。これにより、芯線40上に、内層被覆体51、補強体52、外層被覆体53および親水性被覆体54からなる管状連続体60が形成される。また、管状連続体60に芯線40を含めた構成を、カテーテル用チューブの連続体65と称する。
親水性高分子物質としては、以下のような天然または合成の高分子物質、あるいはその誘導体が挙げられる。特に、セルロース系高分子物質(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(ポリエチレングリコール)、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド)、水溶性ナイロン(例えば、東レ社製のAQ−ナイロン P−70)は、低い摩擦係数が安定的に得られるので好ましい。この中でも、無水マレイン酸系高分子物質がより好ましく用いられる。また、前記高分子物質の誘導体としては、水溶性のものに限定されず、前記高分子物質を基本構成としていれば、特に制限はなく、不溶化されたものであっても、分子鎖に自由度があり、かつ含水するものであればよい。
このような、親水性高分子物質をカテーテル用チューブ10の外表面に固定するには、外層被覆体53中もしくは外層被覆体53の表面に存在または導入された反応性官能基と共有結合させることにより行うのが好ましい。これにより、持続的な潤滑性表面を得ることができる。
外層被覆体53中または表面に存在しまたは導入される反応性官能基は、前記親水性高分子物質と反応し、結合ないし架橋して固定するものであればいかなるものでもよく、例えば、ジアゾニウム基、アジド基、イソシアネート基、酸クロリド基、酸無水物基、イミノ炭酸エステル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、アルデヒド基等が挙げられる。この中でも、反応性官能基としては、イソシアネート基、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基がより好ましい。
親水性被覆体形成工程では、芯線40上に内層被覆体51、補強体52および外層被覆体53が被覆された構成を芯材Wとして、親水性被覆体54をディップ成形によって成形することができる。ディップ成形では、図6に示す装置300を使用することができる。装置300は、親水性高分子物質材料を溶剤に溶解した溶液R2を収容する容器301と、芯材Wを供給する供給ロール302と、親水性被覆体54が被覆された芯材Wを回収する回収ロール303と、を備えている。芯材Wは、供給ロール302から下方へ延び、下端でU字状に湾曲して上方へ延びて、回収ロール303へ到達する。溶剤には、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド、テトラヒドロフラン等を適用できる。
芯材Wに親水性被覆体54を被覆する際には、芯材Wが溶液R2に浸漬されない状態で、回収ロール303を停止させて供給ロール302から芯材Wを供給した場合に被覆範囲Bのみが溶液R2内に浸漬される位置に芯材Wを位置決めした後、供給ロール302による供給および回収ロール303による回収を停止して芯材Wを固定する(図6の一点鎖線を参照)。次に、回収ロール303を停止させた状態で供給ロール302から芯材Wを供給することで、被覆範囲Bを溶液R2内に浸漬される。所定の時間が経過した後、供給ロール302は停止させた状態で回収ロール303により芯材Wを巻き取り、芯材Wを溶液R2から引き上げる。芯材Wに付着された溶液R2は、自然乾燥、または熱風やヒータ等による加熱により乾燥されて、被覆範囲Bにのみ親水性被覆体54が被覆される。この後、所定間隔で設けられる次の被覆範囲Bに親水性被覆体54を被覆するために、供給ロール302および回収ロール303を作動させて、被覆範囲Bのみを溶液R2内に浸漬可能な位置まで芯材Wを移動させて芯材Wを位置決めした後、供給ロール302による供給および回収ロール303による回収を停止して芯材Wを固定する。以降、上記の工程を繰り返すことで、芯材Wに親水性被覆体54を所定間隔で被覆させることができる。なお、親水性被覆体54を形成できるのであれば、形成する方法は限定されず、例えば、スプレー、噴霧(スプレー)、塗布、印刷等の公知の方法により被覆させてもよい。
親水性被覆体形成工程は、芯線延伸工程または芯線除去工程の後に行われてもよい。また、親水性被覆体形成工程は、製造されたカテーテル用チューブ10にハブ20や耐キンクプロテクタ30等を連結させた後に行なわれてもよい。
親水性被覆体形成工程の後には、図3(F)に示すように、管状連続体60を、所定の位置で芯線40とともに切断する(切断工程)。管状連続体60は、太径部41の一方側の端部に近接する第1切断部63と、移行部43を挟んで第1切断部63と近接する細径部42上の第2切断部64とで切断させる。これにより、太径部41が長く切り出される単体チューブ61と、太径部41が短く切り出される余剰チューブ62とが形成される。単体チューブ61は、1つ分のカテーテル用チューブ10に対応する、カテーテル用チューブ10に至る前の中間体である。余剰チューブ62は、不用部位として取り除かれる。一例として、単体チューブ61は、芯線40の太径部41に対応する部位の長さが1600mmであり、芯線40の細径部42に対応する部位の長さが100mmである。なお、余剰チューブ62を単体チューブ61と同形状となるように、芯線40の太径部41および細径部42を長く設定し、余剰チューブ62をも単体チューブ61として利用することもできる。
切断工程では、例えばシャーリング機械等によって切断刃により切断するが、芯線40および管状連続体60を切断できるものであればどのような切断方法であってもよい。
切断工程の後には、図3(G)に示すように、切断工程で切断された芯線40の両端の被覆体の一部を除去し、芯線40の両端の一部を露出させてから延伸機に固定し、芯線40の全体を延伸させる(芯線延伸工程)。この後、図3(H)に示すように、太径部41側から芯線40を引き抜く(芯線除去工程)。これにより、カテーテル用チューブ10の製造が完了する。なお、延伸機により芯線40が細径部42において破断するまで延伸させた後に、太径部41側および細径部42の両側から、破断した芯線40を引き抜いてもよい。
以上のように、本実施形態に係るカテーテル用チューブ10の製造方法は、芯線40上に樹脂を被覆して内層被覆体51(被覆体)を形成する内層被覆体形成工程(被覆体形成工程)と、内層被覆体形成工程よりも後に、内層被覆体51より径方向外側に親水性材料を被覆して親水性被覆体54を形成する親水性被覆体形成工程と、親水性被覆体形成工程より後に芯線40上に内層被覆体51および親水性材料を備えて得られる管状連続体60を、所定の位置で切断して複数の単体チューブ61を切り出す切断工程と、単体チューブ61から芯線40を除去する芯線40除去工程と、を有する。このように、芯線40上に内層被覆体51を被覆し、さらに親水性被覆体54を形成した後に、管状連続体60を所定の位置で切断して複数の単体チューブ61を切り出すため、切断後に親水性被覆体54を形成するために切り出された単体チューブ61を再度位置決めする必要がなく、作業を行うための位置決めの回数を減らすことができ、効率よく親水層18を有するカテーテル用チューブ10を製造できる。
また、複数のカテーテル用チューブ10に対応する内層被覆体51、補強体52、外層被覆体53および親水性被覆体54を管状連続体60として一度に形成するため、生産性に優れている。
なお、カテーテル用チューブ10を製造する方法としては、管体に熱間延伸加工を施して、手元側から先端側にかけて内外径を縮径させる熱間延伸加工が一般的に行われているが、熱間延伸加工を施すと、ソフトチップや造影マーカーを取り付ける場合等の熱溶融加工時に、熱間延伸加工による残留歪が影響し、溶融部近傍の内外径が太くなるため寸法精度が悪くなり、結果的に歩留まりを低下させる等の問題がある。これに対し、本実施形態に係る製造方法によれば、熱間延伸加工を施さないため、延伸による歪が無く、加工性が向上し、結果的に低コストとなる。また、延伸により補強体52の巻きピッチ(編組の場合の格子間距離)が拡大することが無いため、先端部の柔軟性及び耐キンク性に優れている。
また、親水性被覆体形成工程において、芯線40の軸線方向に沿って所定の間隔で親水性被覆体54を形成するため、製造されるカテーテル用チューブ10に、親水性被覆体54が被覆される部位と被覆されない部位を容易に形成できる。
また、芯線40が、太径部41および細径部42が予め所定の間隔で連続して形成されるため、チューブ先端部12とチューブ基端部11で径の異なるカテーテル用チューブ10を、連続的に連なる管状連続体60を用いて効率的に製造できる。太径のチューブ基端部11を基端側とし、細径のチューブ先端部12を先端側とするカテーテル用チューブ10は、基端部の押込み性、送液特性を損なうことなく先端部が柔軟になり、ガイドワイヤー追従性及び耐キンク性が優れる。
また、親水性被覆体形成工程において、太径部41の一部および細径部42を含む被覆範囲Bを芯線40の軸線方向に沿って所定の間隔で設け、当該被覆範囲Bに親水性被覆体54を被覆するため、管状連続体60を切断して製造されるカテーテル用チューブ10の太径部41に対応して形成される一部に、親水性被覆体54が被覆されずに手で把持しやすい領域を形成できる。
また、切断工程において、管状連続体60を太径部41および細径部42の所定の位置で切断して複数の単体チューブ61を切り出し、芯線除去工程が、切断工程の後に実施されるため、芯線40に太径部41および細径部42が形成されることで切断前は芯線40の除去が困難な構成であっても、切断工程の後に芯線40を容易に除去できる。
また、被覆体形成工程よりも後、親水性被覆体形成工程よりも前に、内層被覆体51よりも径方向外側に樹脂を被覆して外層被覆体53を形成する外層被覆体形成工程を有するため、特性の異なる複数の層からなる多層構造の外周面に親水性被覆体54が形成されたカテーテル用チューブ10を、連続的に連なる管状連続体60を用いて効率的に製造できる。
また、被覆体形成工程よりも後、親水性被覆体形成工程よりも前に、内層被覆体51よりも径方向外側に線材からなる補強体52を形成する補強体形成工程を有するため、製造されるカテーテル用チューブ10を部位に応じて補強でき、押込み性および耐キンク性を向上させることができる。
また、カテーテル用チューブの連続体65が、芯線40と、芯線40上に樹脂を被覆して得られた内層被覆体51と、各々の単体チューブ61に対応して内層被覆体51よりも径方向外側に配置される親水性材料である親水性被覆体54と、を有するため、切断前の連続体65に既に親水性被覆体54が形成されていることから、切断後の単体チューブ61に親水性被覆体54を形成するために単体チューブ61を再度位置決めする必要がなく、作業を行うための位置決めの回数を減らすことができ、効率よくカテーテル用チューブ10を製造できる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、図7に示す変形例としての芯線80のように、太径部81と細径部82の間の移行部83が、太径部81の一端側にのみ設けられてもよい。これにより、切断後に取り除かれる余剰チューブ(図3(F)の余剰チューブ62を参照)の長さが短くなり、コストの削減、製造エリアの省スペース化を図ることができる。
また、図8に示す他の変形例としての芯線90のように、芯線90の軸線に沿う断面における移行部93の外周面の形状の少なくとも一部が曲線で形成されてもよい。これにより、製造されるカテーテル用チューブの剛性が軸線に沿って滑らかかつ傾斜的に変化し、局所的な曲がりが抑制されて、押込み性および耐キンク性に優れたカテーテル用チューブを製造できる。図8では、芯線90の軸線に沿う断面における移行部93の外周面の傾斜角度Xが、細径部92から太径部91へ向かうにしたがって徐々に大きくなり、移行部93の略中央部で最大となり、太径部91へさらに近づくにしたがって徐々に小さくなっている。このような形状とすることで、太径部91と細径部92の間の軸線に沿う剛性をより滑らかかつ傾斜的に変化させることができ、局所的な曲がりが抑制されて、押込み性および耐キンク性に優れたカテーテル用チューブを製造できる。
また、カテーテル用チューブの軸直交断面における断面形状は、円形でなくてもよく、例えば楕円形等であってもよい。また、カテーテル用チューブ内のルーメンは、軸直交断面における断面形状が円形でなくてもよく、例えば、楕円形や半円形等であってもよい。また、カテーテル用チューブは、ルーメンが複数設けられてもよい。
また、芯線は、細径部および太径部が設けられずに、一定外径で形成されてもよい。芯線が一定外径の場合には、切断工程の前に、芯線除去工程を行うことも可能である。
また、補強体52は、内層被覆体51および外層被覆体53の間に設けられなくてもよく、例えば外層被覆体53の径方向外側に設けられてもよい。また、補強体52および外層被覆体53の各々は、設けられなくてもよい。
また、内層被覆体51および外層被覆体53の少なくとも一方に、電子線またはガンマ線を照射し、材料を架橋させて硬度を高める硬化処理を施してもよい。また、内層被覆体51および外層被覆体53の少なくとも一方に、酸またはアルカリを用いて硬度を低下させる軟化処理を施してもよい。
また、内層被覆体51および補強体52の間、補強体52および外層被覆体53の間、または外層被覆体53および親水性被覆体54の間に、X線不透過性のマーカーを配置してもよい。
1 カテーテル、
10 カテーテル用チューブ、
40,80,90 芯線、
41,81,91 太径部、
42,82,92 細径部、
43,83,93 移行部、
51 内層被覆体、
52 補強体、
53 外層被覆体、
54 親水性被覆体、
60 管状連続体、
61 単体チューブ、
63 第1切断部、
64 第2切断部、
65 カテーテル用チューブの連続体、
B 被覆範囲。

Claims (11)

  1. 芯線上に樹脂を被覆して被覆体を形成する被覆体形成工程と、
    前記被覆体形成工程よりも後に、前記被覆体よりも径方向外側に親水性材料を被覆して親水性被覆体を形成する親水性被覆体形成工程と、
    前記親水性被覆体形成工程よりも後に前記芯線上に前記被覆体および親水性被覆体を備えて得られる管状連続体を、所定の位置で切断して複数の単体チューブを切り出す切断工程と、
    前記単体チューブから前記芯線を除去する芯線除去工程と、を有するカテーテル用チューブの製造方法。
  2. 前記親水性被覆体形成工程において、前記芯線の軸線方向に沿って所定の間隔で親水性被覆体を形成する請求項1に記載のカテーテル用チューブの製造方法。
  3. 前記芯線は、外径の異なる太径部および細径部が予め所定の間隔で連続して形成される請求項1または2に記載のカテーテル用チューブの製造方法。
  4. 前記親水性被覆体形成工程において、前記太径部の一部および前記細径部を含む被覆範囲を前記芯線の軸線方向に沿って所定の間隔で設け、当該前記被覆範囲に前記親水性被覆体を被覆する請求項3に記載のカテーテル用チューブの製造方法。
  5. 前記切断工程において、前記管状連続体を前記太径部および細径部の所定の位置で切断して複数の単体チューブを切り出し、
    前記芯線除去工程は、前記切断工程よりも後に実施される請求項3または4に記載のカテーテル用チューブの製造方法。
  6. 前記被覆体形成工程よりも後、前記親水性被覆体形成工程よりも前に、前記被覆体よりも径方向外側に樹脂を被覆して外層被覆体を形成する外層被覆体形成工程をさらに有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のカテーテル用チューブの製造方法。
  7. 前記被覆体形成工程よりも後、前記親水性被覆体形成工程よりも前に、前記被覆体上よりも径方向外側に線材からなる補強体を形成する補強体形成工程をさらに有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のカテーテル用チューブの製造方法。
  8. カテーテル用チューブの中間体である単体チューブが同一の芯線上に連続的に複数形成されるカテーテル用チューブの連続体であって、
    芯線と、
    前記芯線上に樹脂を被覆して得られた被覆体と、
    各々の前記単体チューブに対応して前記被覆体よりも径方向外側に配置される親水性材料である親水性被覆体と、を有するカテーテル用チューブの連続体。
  9. 前記親水性被覆体は、前記芯線の軸線方向に沿って所定の間隔で形成される請求項8に記載のカテーテル用チューブの連続体。
  10. 前記芯線は、外径の異なる太径部および細径部が予め所定の間隔で連続して形成される請求項8または9に記載のカテーテル用チューブの連続体。
  11. 前記親水性被覆体は、前記太径部の一部および前記細径部を含む被覆範囲に形成され、当該被覆範囲は前記芯線の軸線方向に沿って所定の間隔で設けられる請求項10に記載のカテーテル用チューブの連続体。
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