JP2014099486A - 波長選択デバイス、面発光レーザ素子、光源装置、及び波長選択デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力の増大を招くことなく、発光源からの光から所望の波長の光を安定して取り出すことができる波長選択デバイスを提供する。
【解決手段】 波長選択デバイス400は、基板10と、該基板10上に積層された第1反射鏡12と、該第1反射鏡12上に設けられた一対の支持体14と、中央部16aが第1反射鏡12上に位置するように2つの端部が一対の支持体14に個別に支持されたメンブレン16と、該メンブレン16の中央部16aに設けられた第2反射鏡18と、メンブレン16の2つの梁部16bに対向するように第1反射鏡12上に設けられた一対のストッパ20と、メンブレン16を一対のストッパ20に当接させる静電気力を発生可能な力発生手段と、を備えている。
【選択図】図2
【解決手段】 波長選択デバイス400は、基板10と、該基板10上に積層された第1反射鏡12と、該第1反射鏡12上に設けられた一対の支持体14と、中央部16aが第1反射鏡12上に位置するように2つの端部が一対の支持体14に個別に支持されたメンブレン16と、該メンブレン16の中央部16aに設けられた第2反射鏡18と、メンブレン16の2つの梁部16bに対向するように第1反射鏡12上に設けられた一対のストッパ20と、メンブレン16を一対のストッパ20に当接させる静電気力を発生可能な力発生手段と、を備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、波長選択デバイス、面光レーザ素子、光源装置、及び波長選択デバイスの製造方法に係り、更に詳しくは、発光源からの光から所望の波長の光を選択的に取り出すことが可能な波長選択デバイス、該波長選択デバイスを備える面発光レーザ素子、前記波長選択デバイスを備える光源装置、及び前記波長選択デバイスの製造方法に関する。
特許文献1には、対向配置されたミラー層と光学薄膜のギャップ(間隔)を静電気力のみによって所定の大きさに設定することで、活性層(発光源)からの光から所望の波長の光を選択的に取り出すことが可能な波長可変レーザが開示されている。
また、特許文献2には、対向配置された第1の反射膜と第2の反射膜のギャップを静電気力のみによって所定の大きさに設定することで、発光源からの光から所望の波長の光を選択的に取り出すことが可能な波長可変フィルタが開示されている。
また、特許文献3には、対向配置された可動ミラーと固定ミラーのギャップを静電気力のみによって所定の大きさに設定することで、発光源からの光から所望の波長の光を選択的に取り出すことが可能な光フィルタが開示されている。この光フィルタでは、可動ミラーと固定ミラーが接合してしまうことを防止するための突起が固定ミラー上に設けられている。
しかしながら、特許文献1〜3では、発光源からの光から所望の波長の光を消費電力の増大を招くことなく安定して取り出すことは、困難であった。
本発明は、発光源からの光から所望の波長の光を選択的に取り出すことが可能な波長選択デバイスであって、基板と、前記基板上に積層された第1反射鏡と、前記第1反射鏡上に直接又は間接的に設けられた複数の支持体と、中央部が前記第1反射鏡上に位置するように複数の端部が前記複数の支持体に個別に支持されたメンブレンと、前記中央部に設けられた第2反射鏡と、前記中央部と前記複数の端部との複数の中間部分に対向するように前記第1反射鏡上に直接又は間接的に設けられた複数の突出体と、前記メンブレンを前記複数の突出体のうちの少なくとも2つに当接させる力を発生可能な力発生手段と、を備える波長選択デバイスである。ここで、「中間部分」とは、中央部と複数の端部それぞれとの間の部分を意味する。
これによれば、消費電力の増大を招くことなく、発光源からの光から所望の波長の光を安定して取り出すことができる。
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図6(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る光源装置1000の概略構成が示されている。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図6(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る光源装置1000の概略構成が示されている。
光源装置1000は、例えば光ディスク、光通信、光書込み技術、医療機器などの分野で光源として用いられる。近年、これらの分野では、発光源からの光から所望の波長のレーザ光を選択的に取り出すための技術の開発が盛んに行われている。
光源装置1000は、一例として、図1に示されるように、白色光源100、開口板200、集光レンズ300、波長選択デバイス400、及びこれらを一体的に保持する不図示のパッケージなどを備えている。以下では、図1に示されるXYZ3次元直交座標系を用いて説明する。
白色光源100は、白色光(レーザ光)を+Z方向に放出するように配置されている。開口板200は、スリット状又はピンホール状の開口200aが形成された板状部材であり、白色光源100の+Z側に配置されている。集光レンズ300は、球面レンズ又は非球面レンズであり、開口板200の+Z側に光軸がZ軸に平行になるように配置されている。
そこで、白色光源100から射出された白色光のうち、一部は、開口板200の開口200aを通過した後、集光レンズ300で集光され、残部は、開口板200で遮光(吸収又は反射)される。
波長選択デバイス400は、集光レンズ300の+Z側の焦点位置又はその近傍に配置されている。
図2(A)には、波長選択デバイス400を+Z側から見た図が示されている。波長選択デバイス400は、一例として、図2(A)のA−A線断面図である図2(B)に示されるように、基板10、第1反射鏡12、一対の支持体14、メンブレン16、第2反射鏡18、一対のストッパ20、一対の第1駆動電極22、一対の第2駆動電極24などを有している。
基板10は、例えばGaAs単結晶基板であり、XY平面に平行に配置されている。
第1反射鏡12は、基板10の+Z側に積層され、例えばAlAsからなる低屈折率層と、例えばGaAsからなる高屈折率層のペアを例えば28ペア有している。各層の厚さは、一例として、中心波長をλ(例えば1064nm)とするとλ/4の光学的厚さとなるように設定されている。なお、光学的厚さがλ/4のとき、その層の実際の厚さDは、D=λ/4n(但し、nはその層の媒質の屈折率)である。
一対の支持体14は、一例として、それぞれY軸方向を長手方向とする直方体形状の外形、及び絶縁性を有し、第1反射鏡12上にX軸方向に互いに離間して配置されている。
各支持体14は、一例として、第1反射鏡12の+Z側の面に接合されたY軸方向を長手方向とする直方体形状のGaInP膜からなる第1支持部材14aと、該第1支持部材14aの+Z側の面に接合されたY軸方向を長手方向とする直方体形状のGaAs膜からなる第2支持部材14bとを含む。ここでは、各支持体14のZ軸方向の寸法は、J1=1064nmに設定されている。詳述すると、第1支持部材14aのZ軸方向の寸法は、J2=1030nmに設定され、第2支持部材14bのZ軸方向の寸法は、J1−J2=34nmに設定されている。
メンブレン16は、例えばSiN、SiC等からなる可撓性を有する膜状部材である。メンブレン16は、図2(B)に示される状態では、XY平面に平行となるように所定のテンションが付与された状態で、X軸方向の中央部16aが第1反射鏡12の+Z側に位置するように+X側及び−X側の端部が一対の支持体14に個別に支持されている。
詳述すると、メンブレン16の+X側及び−X側の端部は、+X側及び−X側の第2支持部材14bの+Z側の面に個別に接合されている。メンブレン16は、図2(A)から分かるように、一例として、X軸方向を長手方向とする部材から成り、X軸方向の中央部16aが+Z側から見て円板形状となっており、該中央部16aの+X側及び−X側の部分が+Z側から見てそれぞれX軸方向を長手方向とする矩形状となっている。以下では、メンブレン16の中央部16aの+X側及び−X側の部分を、それぞれ+X側及び−X側の梁部16bとも称する。
第2反射鏡18は、図2(B)から分かるように、メンブレン16のX軸方向の中央部16aの−Z側の面に第1反射鏡12に対向するように取り付けられ、第1反射鏡12と共に共振器を構成している。第2反射鏡18は、それぞれ半導体からなる低屈折率層と高屈折率層のペアを複数ペア有している。各層の厚さは、一例として、中心波長をλ(例えば1064nm)とするとλ/4の光学的厚さとなるように設定されている。ここでは、第2反射鏡18は、XY断面形状が円板形状となっている。
一対のストッパ20は、一例として、それぞれY軸方向を長手方向とする例えばGaInPからなる絶縁性を有する直方体形状の部材であり、メンブレン16の中央部16aと+X側及び−X側の端部との2つの中間部分に個別に対向するように第1反射鏡12の+Z側の面に突設されている。なお、「中間部分」とは、中央部16aと、+X側及び−X側の端部それぞれとの間の部分を意味する。ここでは、ストッパ20のZ軸方向の寸法J2は、支持体14のZ軸方向の寸法J1よりも短く設定されている。具体的には、J2=1030nmに設定されている。
一対の第1駆動電極22は、それぞれY軸方向を長手方向とする薄い直方体形状の例えばAuGe/Ni/Auからなる多層膜であり、X軸方向に互いに離間して配置されている。−X側の第1駆動電極22は、−X側の第1支持部材14aと−X側のストッパ20との間に架け渡されている。+X側の第1駆動電極22は、+X側の第1支持部材14aと+X側のストッパ20との間に架け渡されている。第1駆動電極22と、第1反射鏡12との間には、絶縁膜26が配置されている。第1駆動電極22は、メンブレン16の+X側及び−X側の梁部16bよりもY軸方向の寸法が長くなっており、+Y側の端部がメンブレン16よりも+Y側に張り出しており、−Y側の端部がメンブレン16よりも−Y側に張り出している。第1駆動電極22は、図示しない電源を含む電荷授受部との間で正電荷又は負電荷の授受が可能となっている。
一対の第2駆動電極24は、Y軸方向を長手方向とする薄い直方体形状の例えばCr/AuZn/Auからなる多層膜、もしくはTi/Pt/Auからなる多層膜であり、X軸方向に離間して配置されている。−X側の第2駆動電極24は、−X側の第1駆動電極22の+Z側に位置するようにメンブレン16の+Z側の面に接合されている。+X側の第2駆動電極24は、+X側の第1駆動電極22の+Z側に位置するようにメンブレン16の+Z側の面に接合されている。第2駆動電極24は、メンブレン16の+X側及び−X側の梁部16bよりもY軸方向の寸法が長くなっており、Y軸方向の両端部が、対応する第1駆動電極22のY軸方向の両端部と対向している。第2駆動電極24には、図示しない電源を含む電荷授受部との間で正電荷又は負電荷の授受が可能となっている。
そこで、図2(B)に示される状態(以下では、基準状態とも称する)から、Z軸方向に対向する第1及び第2駆動電極22、24に異なる極性の電荷を付与して、該第1及び第2駆動電極22、24間にメンブレン16の応力に抗する静電引力を生じさせると、メンブレン16は−Z側に凸となるように湾曲し(弾性変形し)、一対のストッパ20に当接する(図3参照)。この結果、第1及び第2反射鏡12、18の間隔、すなわち共振器長が最も短くなり、ひいては共振波長が最も短くなる。
以上の説明から分かるように、一対の第1駆動電極22及び一対の第2駆動電極24、並びに上記電荷授受部を含んで、メンブレン16を一対のストッパ20に当接させる静電気力を発生させる静電気力発生手段が構成されている。
一方、図3に示される状態から、第1及び第2駆動電極22、24から電荷を除去すると、該第1及び第2駆動電極22、24間の静電引力がなくなり、メンブレン16は、弾性復帰して、図2(B)に示される基準状態に戻る。この結果、共振器長が最も長くなり、ひいては共振波長が最も長くなる。
この場合、一対のストッパ20間の間隔L2、すなわち図3におけるメンブレン16の実効長は、一対の支持体14間の間隔L1、すなわち図2(B)におけるメンブレン16の実効長よりも短い。すなわち、メンブレン16の撓み剛性は、図3に示される電圧印加時の方が、図2(B)に示される電圧非印加時よりも高い。
結果的に、第2反射鏡18は、第1及び第2駆動電極22、24間の電圧の印加/非印加によって、図2(B)に示される第1反射鏡12から最も離間する最離間位置と、図3に示される第1反射鏡12に最も近接する最近接位置との間で駆動される。
なお、第2反射鏡18を最近接位置に位置させるために第1及び第2駆動電極22、24間に生じさせる静電引力の大きさは、少なくともメンブレン16を一対のストッパ20に当接させることが可能な大きさであれば良い。
結果として、波長選択デバイス400は、第1及び第2駆動電極22、24間への電圧の非印加/印加によって、共振波長として、長波長(例えば1064nm)及び短波長(例えば1047.2nm)のいずれかを選択することができる。
そこで、共振波長が長波長(例えば1064nm)に設定されている波長選択デバイス400に、集光レンズ300からの白色光が入射されると、波長が0.9μmよりも大きいレーザ光は、GaAsからなる基板10に吸収されずに該基板10を透過した後、第1及び第2反射鏡12、18間で反復的に反射する。この結果、共振波長1064nmと同じ波長の単色光(レーザ光)のみがメンブレン16を透過して、外部へ射出される。すなわち、メンブレン16を透過したレーザ光が波長選択デバイス400から射出されたレーザ光である。
一方、共振波長が短波長(例えば1047.2nm)に設定されている波長選択デバイス400に、集光レンズ300からの白色光が入射されると、波長が0.9μmよりも大きいレーザ光は、GaAsからなる基板10に吸収されずに該基板10を透過した後、第1及び第2反射鏡12、18間で反復的に反射する。この結果、共振波長1047.2nmと同じ波長の単色光(レーザ光)のみがメンブレン16を透過して、外部へ射出される。すなわち、メンブレン16を透過したレーザ光が波長選択デバイス400から射出されたレーザ光である。
次に、波長選択デバイス400の製造方法について説明する。波長選択デバイス400は、半導体製造工程によって、基板10上に同時に複数個形成された後、複数のチップ状の波長選択デバイス400に分割されて作成される。
(1)有機金属気相成長法(MOCVD法)による結晶成長によって、基板10上に複数の半導体層が積層された積層体を作成する。MOCVD法では、層厚制御を精密に行うことができる。なお、MOCVD法に代えて、分子線エピタキシャル成長法(MBE法)を用いても良い。
具体的には、基板10上に、第1反射鏡12、GaInP層及びGaAs層を、この順に積層して積層体を作成する(図4(A)参照)。なお、図4(A)には、便宜上、積層体のうち、波長選択デバイス400一つ分のみが示されている。
(2)図4(A)に示される積層体の最上層であるGaAs層の+X側及び−X側の端部上に、それぞれY軸を長手方向とする矩形状のレジストパターンP1を形成する(図4(B)参照)。
(3)ドライエッチング又はウェットエッチングによって、GaAs層におけるレジストパターンP1が形成されていない領域を除去する(図4(C)参照)。この結果、GaInP層が露出する。なお、GaAs層をウェットエッチングで除去する際には、GaAsに対して選択性が高い硫酸系エッチャントを用いることが好ましい。この場合、GaInP層をエッチングストップ層として機能させることができる。
(4)レジストパターンP1を除去し、GaInP層におけるX軸方向の中央の+X側及び−X側の位置上にそれぞれレジストパターンP2を形成する(図4(D)参照)。
(5)ドライエッチング又はウェットエッチングによって、GaInP層におけるレジストパターンP2が形成されていない領域を除去する(図5(A)参照)。この結果、第1反射鏡12が露出し、一対の支持体14及び一対のストッパ20が形成される。なお、GaInP層をウェットエッチングで除去する際には、GaInPに対して選択性が高い塩酸系エッチャントを用いることが好ましい。この場合、第1反射鏡12の最上層(AlAS層又はGaAs層)をエッチングストップ層として機能させることができる。
(6)レジストパターンP2を除去し、第1反射鏡12の+Z側の面における、隣接する支持体14とストッパ20との間の領域上に絶縁膜26を形成する(図5(B)参照)。
(7)隣接する支持体14とストッパ20との間における絶縁膜26上に第1駆動電極22を形成する(図5(C)参照)。
(8)図2(A)に示される形状に成形されたメンブレン16のX軸方向の中央部16aの−Z側の面に第2反射鏡18を取り付けるとともに、メンブレン16のX軸方向の中央部16aの+Z側の面の+X側及び−X側の所定位置上にそれぞれ第2駆動電極24を形成し、第2反射鏡18が第1反射鏡12に対向するように、メンブレン16の+X側及び−X側の端部を一対の支持体14の+Z側の面に個別に接合する(図5(D)参照)。
この後、例えばヘキ開工程等の幾つかの工程を経て、複数のチップ状の波長選択デバイス400が作成される。
以上説明した本実施形態の波長選択デバイス400は、白色光源100からの光から所望の波長のレーザ光を選択的に取り出すことが可能であり、基板10と、該基板10上に積層された第1反射鏡12と、該第1反射鏡12上に直接設けられた一対の支持体14と、中央部16aが第1反射鏡12上に位置するように+X側及び−X側の端部が一対の支持体14に個別に支持されたメンブレン16と、中央部16aに設けられた第2反射鏡18と、メンブレン16における中央部16aと+X側及び−X側の端部との2つの中間部分に対向するように第1反射鏡12上に直接設けられた一対のストッパ20と、メンブレン16を一対のストッパ20に当接させる静電気力を発生可能な静電気力発生手段と、を備えている。
この場合、静電気力発生手段により静電気力を発生させ、メンブレン16を一対のストッパ20に当接させてメンブレン16の実効長を短くすることで(図3参照)、メンブレン16の撓み剛性を高めることができるため、静電気力発生手段による静電気力が発生していない状態(図2(B)に示される基準状態)におけるメンブレン16の撓み剛性を、さほど高める必要がない。この結果、メンブレン16をストッパ20に当接させるための静電気力(電荷量)を低減できる。
結果として、波長選択デバイス400では、消費電力の増大を招くことなく、白色光源100からの光から所望の波長のレーザ光を安定して取り出すことができる。
一方、波長選択デバイスにおいて、仮に一対のストッパが設けられていない場合には、メンブレンを撓ませても該メンブレンの実効長を短くできないため、メンブレンの撓み剛性を高めることができない。この場合、所望の波長のレーザ光を安定して取り出すためには、基準状態にあるメンブレンの撓み剛性をある程度高める必要があり、結果として、メンブレンを撓ませるために必要な静電気力(電荷量)が増大してしまう。すなわち、消費電力の増大を招いてしまう。
なお、メンブレンの撓み剛性を高める方法としては、例えば、図6(A)及び図6(B)に示されるように、メンブレンの梁部の幅pを広げたり、メンブレンの膜厚qを厚くしたり、支持体と第2反射鏡との間隔rを短くすることなどが考えられる。しかしながら、このように単純にメンブレンの撓み剛性を向上させると、メンブレンを撓ませるための静電気力を大きくする必要があり、ひいては消費電力の増大を招く。
ところで、波長選択デバイスは、波長分割多重通信(WDM)への応用が期待されているが、このWDMでは、共振波長を連続的に変化させる必要はなく、むしろ特定の複数の波長のレーザ光を安定して発振させ、且つ低消費電力であることが望ましい。すなわち、波長選択デバイス400は、波長分割多重通信への応用に好適である。
また、複数の支持体14は、基板10に垂直な方向に重ねて配置された材料の組成が互いに異なる第1及び第2支持部材14a、14bを含んでいる。
この場合、GaInP層及びGaAs層を第1反射鏡12上に順次積層し、該積層されたGaAs層及びGaInP層を選択的にエッチングすることで、GaAs及びGaInPをそれぞれが材料とする一対の支持体14、及びGaInPをそれぞれが材料とする一対のストッパ20を形成することができる。すなわち、一対の支持体14及び一対のストッパ20を同時に形成することができる。
また、静電気力発生手段は、一対のストッパ20に対応し、対応する一対のストッパ20に一体的に設けられた一対の第1駆動電極22と、該一対の第1駆動電極22に対応し、対応する一対の第1駆動電極22に対向するようにメンブレン16に設けられた一対の第2駆動電極24と、一対の第1駆動電極22及び一対の第2駆動電極24それぞれと電荷の授受を行う電荷授受部と、を有している。
この場合、メンブレン16を基準状態と撓み状態との間で、容易かつ迅速に変形させることができる。
以下に、他の実施形態について説明する。以下の実施形態では、主に上記第1実施形態と異なる点を説明し、上記第1実施形態と同様の構成を有する部材には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
《第2実施形態》
第2実施形態では、図7に示されるように、波長選択デバイスの構成が、上記第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、図7に示されるように、波長選択デバイスの構成が、上記第1実施形態と異なる。
第2実施形態の波長選択デバイス410は、上記実施形態の波長選択デバイス400と、該波長選択デバイス400のメンブレン16の+X側及び−X側の端部上に個別に設けられた一対の基板支持体140と、該一対の基板支持体140に+X側及び−X側の端部が支持された基板150と、該基板150の−Z側の面に+X側及び−X側の梁部16bに個別に対向するようにX軸方向に互いに離間して設けられた一対のストッパ160とを備えている。ストッパ160は、一例として、波長選択デバイス400のストッパ20と同様の構成を有している。基板支持体140は、一例として、波長選択デバイス400の支持体14と同様の構成を有している。ストッパ20は、基板支持体140よりもZ軸方向の寸法が短く設定されている。
この場合、第1及び第2駆動電極22、24に、異なる極性の電荷を付与して第1及び第2駆動電極22、24間に静電引力を生じさせることで、メンブレン16を−Z側に凸となるように撓ませて一対のストッパ20に当接させることができる(図8(A)参照)。また、第1及び第2駆動電極22、24に、同じ極性の電荷を付与して第1及び第2駆動電極22、24間に静電斥力を生じさせることで、メンブレン16を+Z側に凸となるように撓ませて一対のストッパ160に当接させることができる(図8(B)参照)。
この結果、消費電力の増大を招くことなく、第1及び第2反射鏡12、18の間隔である共振器長を3つの長さ(最短、中間、最長)それぞれで安定させることができる。すなわち、消費電力の増大を招くことなく、3つの安定した共振波長(短波長、中間波長、長波長)のいずれかを選択することができる。
ここで、波長選択デバイス410は、上記第1実施形態と同様の手順で基板150上に一対の基板支持体140及び一対のストッパ160が形成された後、一対の基板支持体140が、波長選択デバイス400のメンブレン16の+X側及び−X側の端部上に固定(接合)されて作成される。
なお、第1駆動電極22に代えて又は加えて、基板150の−Z側の面における第2駆動電極24に対向する位置に駆動電極を増設しても良い。
ところで、光通信分野では、1μm帯以上の波長帯域が用いられることもあれば、0.85μm帯の波長帯が用いられることもあり、これらの波長帯のインフラを利用するためには、波長選択デバイスは、用いられ得る全ての波長帯のレーザ光を選択的に取り出せることが望ましい。
また、基板10及び基板150の材料としては、例えばGaAs、Siなどを用いることができ、例えば結晶成長分野、MEMS分野などでは広く用いられている。
しかしながら、これらの材料は物性上一定の波長以下のレーザ光を吸収する性質を有している。具体的には、GaAsは、約0.9μm以下の波長のレーザ光を吸収し、Siは、約1.1μm以下の波長のレーザ光を吸収する。
そこで、図9に示されるように第2実施形態の変形例のように、波長選択デバイス410における基板10及び基板150それぞれにおける第2反射鏡18に対応する位置に開口10a、150aを形成することとしても良い。
この場合、第2実施形態の変形例の波長選択デバイス420は、選択可能な全ての共振波長のレーザ光を選択的に取り出すことができる。
なお、波長選択デバイス420では、基板10及び基板150のいずれにも開口が形成されているが、要は、基板によるレーザ光の吸収度合によって、基板10及び基板150の少なくとも一方に適宜開口が形成されることが望ましい。基板によるレーザ光の吸収度合は、前述の如く基板材料と波長によって決定される。
具体的には、GaAs及びSiは、0.9μm以下の波長のレーザ光を吸収するため、これらを材料とする基板を用いて該レーザ光から所望の波長のレーザ光を選択的に取り出すためには、基板に開口を形成する必要がある。
また、Siは、波長帯域が0.9μm〜1.1μmの波長帯域のレーザ光を吸収するため、Siを基板材料に用いて、該レーザ光から所望の波長のレーザ光を選択的に取り出すためには、基板に開口を設ける必要がある。
一方、GaAsは、0.9μm〜1.1μmの波長帯域に対しては透明であるため、GaAsを基板材料に用いて、該波長帯域のレーザ光から所望の波長のレーザ光を選択的に取り出すためには、基板に必ずしも開口を設ける必要はない。
また、GaAs及びSiは、1.1μm以上の波長帯域に対しては、いずれも透明であるため、基板材料にいずれを用いるかに関わらず、基板に開口を設ける必要はない。
なお、基板に開口を形成することは、構成の煩雑化及び製造工程の増加に直結するため、開口を形成するか否かは、用いる基板材料と波長帯域を考慮して適宜決定されることが望ましい。
《第3実施形態》
第3実施形態は、図10(A)及び図10(B)に示されるように、波長選択デバイスの構成が上記第1実施形態と異なる。なお、図10(B)は、図10(A)のB−B線断面図である。
第3実施形態は、図10(A)及び図10(B)に示されるように、波長選択デバイスの構成が上記第1実施形態と異なる。なお、図10(B)は、図10(A)のB−B線断面図である。
第3実施形態の波長選択デバイス430では、第1反射鏡12上におけるメンブレン16の+X側及び−X側の梁部16bそれぞれの−Z側に、複数(例えば3つ)のストッパがX軸方向に離間して設けられている。そこで、以下では、これら3つのストッパを、第1反射鏡12の周辺部側から中央部側にかけて順に、第1ストッパ120a、第2ストッパ120b、第3ストッパ120cと称する。
第1〜第3ストッパ120a〜120cのZ軸方向の寸法は、第1ストッパ120aが最も長い値αに設定され、第3ストッパ120cが最も短い値γに設定され、第2ストッパ120bがαとγの間の値βに設定されている。すなわち、第1〜第3ストッパ120a〜120cは、メンブレン16のX軸方向の中央部16aに近いものほどZ軸方向の寸法が短く設定されている。
第1ストッパ120aは、GaInPからなる部材、該部材の+Z側に配置されたGaAsからなる部材及び該部材の+Z側に配置されたGaInPからなる部材、すなわちZ軸方向に重ねて配置された3つの部材で構成されている。第2ストッパ120bは、GaInPからなる部材及び該部材の+Z側に配置されたGaAsからなる部材、すなわちZ軸方向に重ねて配置された2つの部材で構成されている。第3ストッパ120aは、GaInPからなる1つの部材で構成されている。
また、各支持体240は、GaInPからなる部材、該部材の+Z側に配置されたGaAsからなる部材、該部材の+Z側に配置されたGaInPからなる部材及び該部材の+Z側に配置されたGaAsからなる部材、すなわちZ軸方向に重ねて配置された4つの部材で構成されている。支持体240は、第1ストッパ120aよりもZ軸方向の寸法が長く設定されている。
また、第1〜第3ストッパ120a、120b、120cに対応して3つの第1駆動電極22が設けられている。各第1駆動電極22は、第1反射鏡12の+Z側の面における対応するストッパに隣接する位置に絶縁膜26を介して設けられている。
また、メンブレン16の+Z側の面における3つの第1駆動電極22に対向する位置には、3つの第2駆動電極24が設けられている。
そこで、最も−X側の対向する第1及び第2駆動電極22、24、並びに最も+X側の対向する第1及び第2駆動電極22、24に異なる極性の電荷を付与すると、メンブレン16が−Z側に凸となるように撓み、一対の第1ストッパ120aに当接する(図11(A)参照)。この結果、第1及び第2反射鏡12、18の間隔である共振器長がαに対応する値に設定され、ひいては共振波長がαに対応する波長λ1に設定される。このとき、メンブレン16は、基準状態よりも実効長が短くなり(L´2<L´1)、撓み剛性が向上し、波長安定性が向上する。
次いで、最も−X側から2番目の対向する第1及び第2駆動電極22、24、並びに最も+X側から2番目の対向する第1及び第2駆動電極22、24にも異なる極性の電荷を付与すると、メンブレン16が更に−Z側に撓み、一対の第2ストッパ120bにも当接する(図11(B)参照)。この結果、共振器長がβに対応する値に設定され、ひいては共振波長がβ(<α)に対応する波長λ2(<λ1)に設定される。このとき、メンブレン16は、図11(A)に示される状態よりも、実効長が短くなり(L´3<L´2)、撓み剛性が向上し、波長安定性が向上する。
次いで、最も−X側から3番目の対向する第1及び第2駆動電極22、24、並びに最も+X側から3番目の対向する第1及び第2駆動電極22、24にも異なる極性の電荷を付与すると、メンブレン16が更に−Z側に撓み、一対の第2ストッパ120bにも当接する(図11(C)参照)。この結果、共振器長がγに対応する値に設定され、ひいては共振波長がγ(<β)に対応する波長λ3(<λ2)に設定される。このとき、メンブレン16は、図11(B)に示される状態よりも、実効長が短くなり(L´4<L´3)、撓み剛性が向上し、波長安定性が向上する。
以下に、第3実施形態の波長選択デバイス430の製造方法について簡単に説明する。
(1)基板10上に、第1反射鏡12、GaInP層、GaAs層、GaInP層及びGaAs層を、この順に、積層して積層体を作成する(図12(A)参照)。
(2)図12(A)の積層体の最上層であるGaAs層上に2つのレジストパターンP´1をX軸方向に離間するように形成し、該GaAs層におけるレジストパターンP´1が形成されていない領域をエッチングにより除去する(図12(B)参照)。
(3)2つのレジストパターンP´1を除去した後、図12(B)の積層体の最上層であるGaInP層上における2つのレジストパターンP´1が形成されていた2つの位置の間の2つの位置に2つのレジストパターンP´2をX軸方向に離間するように形成し、該GaInP層における2つのレジストパターンP´2が形成されていない領域をエッチングにより除去する(図12(C)参照)。
(4)2つのレジストパターンP´2を除去した後、図12(C)の積層体の最上層であるGaAs層上における2つのレジストパターンP´2が形成されていた2つの位置の間の2つの位置にレジストパターンP´3を形成し、該GaAs層におけるレジストパターンP´3が形成されていない領域をエッチングにより除去する(図12(D)参照)。
(5)2つのレジストパターンP´3を除去した後、図12(D)の積層体の最上層であるGaInP層上における2つのレジストパターンP´3が形成されていた2つの位置の間の2つの位置に2つのレジストパターンP´4を形成し、該GaInP層におけるレジストパターンP´4が形成されていない領域をエッチングにより除去する(図13(A)参照)。この結果、第1反射鏡12上に、一対の第1ストッパ120a、一対の第2ストッパ120b及び一対の第3ストッパ120cが形成される。
(6)2つのレジストパターンP´4を除去した後、第1反射鏡12上における第1〜第3ストッパ120a〜120cに隣接する位置にそれぞれ絶縁膜26を形成した後、該絶縁膜26上に第1駆動電極22を形成する(図13(B)参照)。
(7)メンブレン16のX軸方向の中央部16aの−Z側の面に第2反射鏡18を取り付けるとともに、メンブレン16の各梁部16bの+Z側の面における3つの第1駆動電極22に対向する位置に3つの第2駆動電極24を取り付けた後、メンブレン16の+X側及び−X側の端部を一対の支持体240に個別に支持させる(図13(C)参照)。なお、第2駆動電極24は、メンブレン16を一対の支持体240に支持させた後、メンブレン16に取り付けられても良い。
以後、例えばヘキ開工程等の幾つかの工程を経て、チップ状の波長選択デバイス430が得られる。
以上説明した第3実施形態の波長選択デバイス430では、3つのストッパを梁部16bに対向させてX軸方向に並べて設けるだけの簡易な構成により、低消費電力で共振器長を4つの安定した長さのいずれかに設定でき、ひいては低消費電力で4つの共振波長のいずれかのレーザ光を安定して取り出すことができる。
また、4つの共振波長のうち、共振波長が短いものほど波長安定性を向上させることができる。
なお、上記第3実施形態では、メンブレンは、X軸方向に細長い形状を有しているが、これに限られない。例えば、メンブレンは、図14及び図15に示されるように、円板状の中央部と、該中央部から放射状に延びる複数の梁部とを有していても良い。そして、第1反射鏡上における各梁部に対向する位置に、1つのストッパ又は該梁部に沿って並ぶ複数のストッパを形成し、該ストッパに隣接する位置に第1駆動電極を形成し、メンブレンの+Z側の面における第1駆動電極に対向する位置に第2駆動電極を形成しても良い。この場合、メンブレンの撓み剛性をより向上させることができる。なお、梁部の数は、一例として、図14では、3つとされており、図15では、4つとされている。
また、メンブレンの中央部をZ軸方向にバランス良く変位させるために、図14及び図15に示されるように、各梁部の長さを等しくし、かつ梁部同士が成す角度を等しくすることが好ましい。なお、メンブレン自体の撓み剛性を高めると、駆動電圧の上昇を招くため、目的・用途に応じて適宜選択することが好ましい。
《第4実施形態》
第4実施形態では、光源装置の構成が上記第1実施形態と異なる。第4実施形態の光源装置は、図16に示されるように、第3実施形態の波長選択デバイス430を有する面発光レーザ素子500、該面発光レーザ素子500が実装されたパッケージ(不図示)などを備えている。なお、第4実施形態の光源装置は、白色光源100、開口板200及び集光レンズ300を備えていない。
第4実施形態では、光源装置の構成が上記第1実施形態と異なる。第4実施形態の光源装置は、図16に示されるように、第3実施形態の波長選択デバイス430を有する面発光レーザ素子500、該面発光レーザ素子500が実装されたパッケージ(不図示)などを備えている。なお、第4実施形態の光源装置は、白色光源100、開口板200及び集光レンズ300を備えていない。
面発光レーザ素子500は、一例として、波長選択デバイス430に加えて、Z軸方向に積層された、発光源としての活性層を含む共振器構造体510、電流通過領域を有する電流狭窄層520、コンタクト層530、第1固定電極540及び一対の第2固定電極550を有している。
共振器構造体510、電流狭窄層520及びコンタクト層530は、波長選択デバイス430における第1反射鏡12と、一対の第1ストッパ120a、一対の第2ストッパ120b、一対の第3ストッパ120c、一対の支持体240及び複数の絶縁膜26と、の間に配置されている。すなわち、一対の第1ストッパ120a、一対の第2ストッパ120b、一対の第3ストッパ120c、一対の支持体240及び複数の絶縁膜26は、コンタクト層530の+Z側の面上に形成されている。
第1固定電極540は、波長選択デバイス430の基板10の−Z側の面に設けられている。一対の第2固定電極550は、コンタクト層530における電流通過領域の直上部分の+X側近傍及び−X側近傍の上面に形成されている。
ここで、活性層への電流注入のため、少なくとも基板10、第1反射鏡12及びコンタクト層530は導電性を有する必要がある。活性層の材料としては、例えば、AlGaAs、AlGaInP、GaInPAs、GaInAsなどを用いることができるが、第1反射鏡12上に結晶成長可能な材料であれば、いかなる材料でも用いることができる。コンタクト層530の材料としては、例えばGaAsなどが用いられる。
電流狭窄層520は、一例として、共振器構造体510とコンタクト層530との間にAlGaAs層を挿入し、該AlGaAs層を高温水蒸気中で端部から選択的に酸化することで形成することができる。この場合、酸化されない中央の領域が電流通過領域となる。
以上のように構成される面発光レーザ素子500は、上記第3実施形態の波長選択デバイス430とほぼ同様の手順で製造することができる。
すなわち、基板10上に、第1反射鏡12、共振器構造体510、電流狭窄層520となるAlGaAs層及びコンタクト層530、GaInP層、GaAs層、GaInP層及びGaAs層を、この順に積層して積層体を作成し、該積層体に対して、上記第3実施形態の工程(2)〜(7)及び上記AlGaAs層の酸化工程を行った後、例えばヘキ開工程等の幾つかの工程を経て、複数のチップ状の面発光レーザ素子500が得られる。
ところで、面発光レーザ素子の発振波長は、第1及び第2反射鏡12、18の間隔である共振器長によって決定される。第4実施形態では、対向する第1及び第2駆動電極22、24に適宜電圧を印加することによって共振器長を変化させ、かつ該共振器長を4つの所定値のいずれかに安定して維持することができる。
結果として、第4実施形態の面発光レーザ素子500では、電流狭窄層520により低電流でありながら高い電流密度で活性層にキャリア注入することが可能であり、低消費電力で、安定した複数の発振波長のうちのいずれかを選択し、レーザ発振させることができる。
なお、上記第4実施形態の光源装置は、面発光レーザ素子500を1つ備えているが、これに限らず、複数備えていても良い。例えば、複数の面発光レーザ素子500が1次元又は2次元配列されて成る面発光レーザアレイ素子を備えていても良い。この際、半導体製造工程によって、複数の面発光レーザ素子500をアレイ状に一体的に作成した後、1次元又は2次元配列された複数の面発光レーザ素子500をそれぞれが含む複数のチップ状の面発光レーザアレイ素子に分割すると、効率良く大量生産することができる。
また、上記第4実施形態の面発光レーザ素子500は、第3実施形態の波長選択デバイス430を有しているが、これに代えて、例えば、第1又は第2実施形態(変形例を含む)の波長可変デバイスを有していても良い。
また、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)では、支持体(又は基板支持体)は、Z軸方向に重ねて配置された2つ又は4つの部材で構成されているが、単一の部材で構成されても良いし、Z軸方向に重ねて配置された3つ又は5つ以上の部材で構成されても良い。
また、上記第1及び第2実施形態(変形例を含む)では、第1及び第2ストッパは、単一の部材で構成されているが、複数の部材で構成されても良い。
また、上記第3及び第4実施形態(変形例を含む)では、第1及び第2ストッパは、複数の部材で構成されているが、単一の部材で構成されても良い。
また、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)では、第2駆動電極24は、メンブレン16の+Z側の面に形成されているが、−Z側の面に形成されても良い。
また、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)では、ストッパ(突出体)の形状は、直方体形状とされているが、これに限られず、例えば、立方体形状、それぞれZ軸方向を高さ方向とする円柱形状、楕円柱形状、多角形柱形状、台形台形状、円錐台形状などの他の形状であっても良い。
また、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)では、支持体(又は基板支持体)の形状は、直方体形状とされているが、これに限られず、例えば、立方体形状、それぞれZ軸方向を高さ方向とする円柱形状、楕円柱形状、多角形柱形状、台形台形状、円錐台形状などの他の形状であっても良い。
また、メンブレンの形状は、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)で説明した形状に限られず、例えば、+Z側から見て、多角形状、円形状、楕円形状などの他の形状であっても良い。
また、上記第3及び第4実施形態(変形例を含む)では、各梁部16bに対向する位置に設けられたストッパの数は、3つであるが、これに限らず、例えば、2つでも良いし、4つ以上でも良い。この場合であっても、メンブレンの中央部に近いストッパほど、Z軸方向の寸法を短くすることが好ましい。この場合、ストッパの数が多いほど、選択可能な共振波長が多くなることは言うまでもない。
また、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)では、支持体(又は基板支持体)の数は、2つ、3つ又は4つとされているが、これに限らず、例えば、メンブレンの形状、大きさ等に応じて、5つ以上とされても良い。
また、上記第1及び第3実施形態(変形例を含む)では、基板に開口が形成されていないが、第2実施形態の変形例と同様に、基板10における第2反射鏡18に対応する位置に開口が形成されても良い。
また、光源装置は、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)で説明した構成に限らず、適宜変更可能である。例えば光源(発光源)は、白色光源以外の光源であっても良い。また、開口板及び集光レンズの少なくとも一方は、設けられていなくても良い。また、集光レンズと開口板の位置関係は、逆であっても良い。
上記第1〜第4実施形態では、力発生手段として、静電気力発生手段が用いられているが、これに限らず、要は、メンブレンを複数のストッパのうちの少なくとも2つに当接させる力を発生可能な手段であれば良い。例えば、ローレンツ力等の電磁力を利用するもの、圧電効果を利用するものなどであっても良い。
10…基板、12…第1反射鏡、14…支持体、16…メンブレン、18…第2反射鏡、20…ストッパ(突出体)、22…第1駆動電極(第1電極)、24…第2駆動電極(第2電極)、100…白色光源(発光源、光源)、400、410、420、430…波長選択デバイス、500…面発光レーザ素子、510…共振器構造体、520…電流狭窄層、530…コンタクト層。
Claims (10)
- 発光源からの光から所望の波長の光を選択的に取り出すことが可能な波長選択デバイスであって、
基板と、
前記基板上に積層された第1反射鏡と、
前記第1反射鏡上に直接又は間接的に設けられた複数の支持体と、
中央部が前記第1反射鏡上に位置するように複数の端部が前記複数の支持体に個別に支持されたメンブレンと、
前記中央部に設けられた第2反射鏡と、
前記中央部と前記複数の端部との複数の中間部分に対向するように前記第1反射鏡上に直接又は間接的に設けられた複数の突出体と、
前記メンブレンを前記複数の突出体のうちの少なくとも2つに当接させる力を発生可能な力発生手段と、を備える波長選択デバイス。 - 前記複数の突出体は、前記複数の中間部分に対応し、対応する前記複数の中間部分に沿って配置された少なくとも2つの突出体をそれぞれが含む複数の突出体群を有し、
前記複数の突出体群それぞれの前記少なくとも2つの突出体は、前記中央部に近いものほど、突出量が少ないことを特徴とする請求項1に記載の波長選択デバイス。 - 前記複数の支持体は、前記基板に垂直な方向に重ねて配置された、材料の組成が互いに異なる複数の部材を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長選択デバイス。
- 前記複数の端部上に個別に設けられた複数の基板支持体と、
前記複数の基板支持体に複数の端部が個別に支持された別の基板と、を更に備え、
前記複数の突出体のうちの少なくとも2つは、前記複数の中間部分に対向するように前記別の基板に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長選択デバイス。 - 前記複数の基板支持体は、前記別の基板に垂直な方向に重ねて配置された、材料の組成が互いに異なる複数の部材を含むことを特徴とする請求項4に記載の波長選択デバイス。
- 前記基板及び前記別の基板の少なくとも一方は、前記第2反射鏡に対応する位置に開口部を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の波長選択デバイス。
- 前記力発生手段は、前記複数の突出体に対応し、対応する前記複数の突出体に一体的に設けられた複数の第1電極と、該複数の第1電極に対応し、対応する前記複数の第1電極に対向するように前記メンブレンに設けられた複数の第2電極と、前記複数の第1電極及び前記複数の第2電極それぞれと電荷の授受を行う電荷授受部と、を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の波長選択デバイス。
- 光源と、
前記光源からの光の光路上に配置され、該光から所望の波長の光を選択的に取り出すことが可能な請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長選択デバイスと、を備える光源装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長選択デバイスを備える面発光レーザ素子であって、
前記波長選択デバイスにおける第1及び第2反射鏡間に、前記第1反射鏡側から順に積層された活性層、電流狭窄層及びコンタクト層と、を備え、
前記波長選択デバイスの基板に垂直な方向に、所望の波長の光を選択的に射出可能な面発光レーザ素子。 - 発光源からの光から所望の波長の光を選択的に取り出すことが可能な波長選択デバイスの製造方法であって、
基板上に第1反射鏡を形成する工程と、
前記第1反射鏡上に複数の半導体層を順次積層して積層体を作成する工程と、
前記積層体の前記複数の半導体層を選択的にエッチングして、複数の支持体と、該複数の支持体よりも前記第1反射鏡からの突出量が少ない複数の突出体とを形成する工程と、
第2反射鏡が中央部に設けられたメンブレンの複数の端部を、前記第2反射鏡が前記第1反射鏡上に位置し、かつ前記中央部と前記複数の端部それぞれとの中間部分が前記複数の突出体のうちの少なくとも1つに対向するように前記複数の支持体に支持させる工程と、を含む波長選択デバイスの製造方法。
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