JP2014098109A - 連作障害回避材の製造方法、連作障害回避材、及び連作障害回避方法 - Google Patents

連作障害回避材の製造方法、連作障害回避材、及び連作障害回避方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作物の連作障害を抑制する連作障害回避材の製造方法、連作障害回避材、及び連作障害回避方法を提供する。
【解決手段】連作障害回避材の製造方法は、焼酎蒸留残渣物から分離された液部を濃縮した濃縮液に有機酸を加えて混合し、混合液を生成する混合工程を含み、有機酸により、混合液のpHが2.5〜4.0の範囲に調整される。
【選択図】図1

Description

本発明は、作物の連作障害を抑制する連作障害回避材の製造方法、連作障害回避材、及び連作障害回避方法に関する。
特許文献1には、連作障害が発生した土壌に散布、又はかん注する事により、土壌に起因する種々の障害を防止させる効果を持つ、安全衛生上問題が無く、安価で実用的な土壌処理剤であって、活性炭を分散剤を用いて水中に分散させてなる植物連作障害防除用土壌処理剤が記載されている。
特開2001−19958号公報
一般に、作物の連作障害の要因は、4つに分類される。第1に、土壌伝染する病害虫に起因するものである。第2に、土壌の理化学性の劣悪化に起因するものである。第3に、植物の根が分泌する毒素によるものである。第4に、不明のものである。
第1及び第2の要因については、明らかであるので対策は容易である。第3の要因については、果樹の多くの品目が該当し、野菜ではエンドウで毒素が特定されている。第4の要因については、代表的な野菜としてサトイモやエンドウが該当する。
ここで、土壌中の毒素を除去することは困難である。対策としては、毒素に敏感でないほかの品目を数年植えて、毒素の消失を待つしかない。つまり、毒素が消失するまでの間、栽培する土地を毎年変える以外になく、作物の生産者は多大の負担を強いられている。
一方、毒素の害は、土中の生物相との関係でとらえるべきとの考え方があり、土中の微生物相が豊かであれば、毒素に対する干渉や無害化が予想される。しかし、従来、土中の微生物を活性化する有効な資材は存在しなかった。
本発明は、作物の連作障害を抑制する連作障害回避材の製造方法、連作障害回避材、及び連作障害回避方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る連作障害回避材の製造方法は、焼酎蒸留残渣物から分離された液部を濃縮した濃縮液に有機酸を加えて混合し、混合液を生成する混合工程を含み、
前記有機酸により、前記混合液のpHが2.5〜4.0の範囲に調整される。
第1の発明に係る連作障害回避材の製造方法において、
前記混合工程にて、海藻エキス及び醸造酢からなる海藻混合液が更に添加されてもよい。
第1の発明に係る連作障害回避材の製造方法において、
前記混合工程にて、フルボ酸鉄が更に添加されてもよい。
第1の発明に係る連作障害回避材の製造方法において、
前記混合工程により生成された前記混合液を、予め決められた時間放置する放置工程と、
前記放置工程にて放置された前記混合液を濾過する濾過工程と、を更に含んでもよい。
前記目的に沿う第2の発明に係る連作障害回避方法は、第1の発明に係る連作障害回避材の製造方法により製造された連作障害回避材を水で希釈し、チッソを0.1〜0.5重量%含有する希釈液を生成し、該希釈液を土壌に処理する。
前記目的に沿う第3の発明に係る連作障害回避材は、焼酎蒸留残渣物から分離された液部を濃縮した濃縮液を原料とし、
チッソを0.5〜4.5重量%、有機酸を1.0〜3.0重量%含有し、作物の連作障害を回避する。
前記目的に沿う第4の発明に係る連作障害回避材は、焼酎蒸留残渣物から分離された液部を濃縮した濃縮液を原料とし、
チッソを0.5〜4.5重量%、有機酸を1.0〜3.0重量%、海藻エキス及び醸造酢からなる海藻混合液を0.5〜1.0重量%、フルボ酸鉄を0.5〜1.0重量%含有し、作物の連作障害を回避する。
本発明によれば、作物の連作障害が抑制される。
本発明の一実施の形態に係る連作障害回避材の製造方法を示す工程図である。 同連作障害回避材の適正な処理濃度を明らかにする実験における、各区の育成状態を示す写真である。 実験例2の灰色低地土についての結果を示す写真であって、(A)、(B)はそれぞれ、無処理区及び処理区の写真である。 実験例2の礫主体の土壌についての結果を示す写真であって、(A)、(B)はそれぞれ、無処理区及び処理区の写真である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
本発明の一実施の形態に係る連作障害回避材は、作物の連作障害を抑制できる。作物は、例えば、連作障害が顕著に現れるサトイモ及びエンドウである。
連作障害回避材は、表1に示すように、焼酎粕(焼酎蒸留残渣物の一例)から分離された液部を濃縮した濃縮液、有機酸、及び海藻混合液を含有している。
濃縮液は、主な肥料成分として、チッソ、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムを含有している。
海藻混合液は、海藻磨砕物(海藻エキス)及び醸造酢から成っている。
なお、連作障害回避材は、表2に示すように、更に、フルボ鉄酸を含有していてもよい。
なお、焼酎粕は、焼酎の蒸留工程にて生成される蒸留残渣である。焼酎の原料や製造方法は任意でよい。
ここで、連作障害回避材を土壌に処理(かん注)する場合、薄すぎると効果を発揮せず、濃すぎても作物に障害を与えると予想される。そのため、処理の適正な濃度を明らかにする必要がある。その場合、生産される焼酎粕は、製品によって水分量に振れがあるために、一律に希釈倍数で示すことはできない。
一方、連作障害回避材が含有する成分の含有割合はほぼ一定しており、特定の成分に着目して、それの処理濃度を明らかにすれば、ほかの成分も同じ状態で処理されることになる。
そこで、発明者らは、濃縮液のチッソに着目し、その濃度を指標として、処理液の適正な希釈の程度を明らかにした。すなわち、焼酎粕の濃縮液を原料とする連作障害回避材を使用しない慣行栽培よりも、作物の生育が優れる濃度領域を適正な希釈の程度として捉えた。
以下、連作障害回避材の処理濃度の違いが作物の生育に及ぼす影響を調査し、適正な処理濃度を明らかにする実験について説明する。実験条件は、以下の通りである。
<実験条件>
1.実験の時期:2012年4月上旬
2.実験の場所:宮崎県宮崎市佐土原町内
容積約0.5リットルの鉢に市販の用土を詰め、4鉢からなる区を複数設けた。チッソ濃度が0.05重量%、0.10重量%、0.3重量%、0.5重量%、及び0.6重量%となるように、連作障害回避材を水道水で希釈して希釈液をそれぞれ生成した。各希釈液を用土全体が湿るように各区に処理し、それぞれ0.05重量%区、0.1重量%区、0.3重量%区、0.5重量%区、及び0.6重量%区とした。
また、普通肥料と水道水を用いてチッソ濃度が0.5重量%になるように調整した液を処理した区を設け、この区を対照区とした。
処理から7日目の4月11日に、各鉢にコマツナの種子を2粒ずつ播種した。播種から6日目の4月17日に発芽状況の調査を行った後、各鉢1株になるように間引きした。播種から20日目の5月1日に、株重量等の調査を行った。
図2は、4月29日の状態を示している。
実験結果を表3に示す。
(1)対照区及び0.05重量%区、0.1重量%区、0.3重量%区、及び0.5重量%区については、播種した8粒すべてが発芽した。これに対し、0.6重量%区については、2鉢は発芽せず、残りの2鉢も1粒ずつしか発芽しなかった。
(2)5月1日の株の状態をみると、0.1重量%区、0.3重量%区、及び0.5重量%区については、対照区に比べ、1株あたりの重さが大きかった。
これに対し、0.05重量%区については、対照区に比べて生育が劣った。また、0.6重量%区については、発芽障害を起こすだけでなく、発芽した株の重量も小さく、処理濃度が濃すぎることが明らかであった。
以上の結果より、希釈液のチッソ濃度が0.1〜0.5重量%になるように、連作障害回避材を水で希釈して処理するのがよいことが明らかとなった。
従って、連作障害を回避する方法として前述の連作障害回避材を使用するためには、連作障害回避材を水で希釈することによって、チッソを0.1〜0.5重量%含有する希釈液を生成し、この希釈液を土壌に処理(かん注)することによって連作障害が抑制される。
なお、焼酎粕の濃縮液は、チッソ以外の無機物や有機酸等を多く含み、これらの成分の総合的な作用が、後述する実験例1〜4の成果の原因と考えられる。この総合的な作用の存在は、0.1重量%区と0.3重量%区については、対照区よりも施用されたチッソの量は少ないにもかかわらず、対照区よりも生育が優れることからも推測される。
次に、原料として焼酎粕を用いた連作障害回避材の製造方法について説明する。連作障害回避材は、図1に示すように、固液分離工程S1、濃縮工程S2、混合工程S3、放置工程S4、及び濾過工程S5を経て製造される。
固液分離工程S1は、焼酎粕を液部及び脱水ケーキに固液分離する工程である。
なお、固液分離装置として、例えば、スクリューデカンタ型遠心分離機が用いられる。
濃縮工程S2は、固液分離工程S1にて分離された液部を濃縮し、濃縮液を生成する工程である。濃縮工程S2により、液部が例えば、1/5〜1/7に濃縮され、水分が50〜70重量%、pHが4.0程度の濃縮液が生成される。
なお、この濃縮液を連作障害回避材の原料と捉えることも可能である。
濃縮装置として、例えば、強制循環型濃縮装置が用いられる。
混合工程S3は、濃縮液に有機酸を添加し、混合することによって、混合液を生成する工程である。有機酸が添加されることにより、混合液のpHは、例えば、2.5〜4.0の範囲に調整される。濃縮液に有機酸が添加されることにより、連作障害回避材の保存性を高めることができる。
また、混合工程S3において、海藻磨砕物(海藻エキス)及び醸造酢からなる海藻混合液が更に添加される。濃縮液に海藻混合液が添加されることにより、連作障害回避材のpHが安定する。
なお、混合工程S3において、フルボ酸鉄を更に添加してもよい。濃縮液にフルボ酸鉄が添加されることにより、作物に養分としての鉄分が供給される。
放置工程S4は、混合工程S3によって生成された混合液を、予め決められた時間放置する工程である。
放置時間は任意であるが、例えば、20〜30日間放置することにより、混合液の発酵を促すことが好ましい。
濾過工程S5は、放置された混合液を濾過する工程である。本工程S5を経た濾液が、連作障害回避材となる。連作障害回避材は、容器詰めされ、出荷される。
次に、連作障害回避材の効果を確認するための実験例を示し、連作障害回避材について更に説明する。
(実験例1)
チッソを0.1〜0.5重量%含有する連作障害回避材の希釈液を土壌に散布し、連作障害が顕著に現れるサトイモ及びエンドウの連作障害を防止する効果を確認した。実験条件は、以下の通りである。
<実験条件>
1.実験期間:2012年3月上旬〜7月下旬
2.供試品目:サトイモ及びエンドウ
3.実験場所:宮崎県宮崎市佐土原町内
両品目とも、前年に栽培が行われ、農家から譲渡された圃場の土を使用し、希釈液を処理しない無処理区と、希釈液を処理した処理区とを設けてそれぞれ実験を行った。更に、同品目の栽培前歴のない土壌を使用し、希釈液を処理しない前歴無し区を設け、この前歴無し区についても同様に実験を行った。
各区は、サトイモについては5鉢から構成され、エンドウについては10株から構成されている。
希釈液の処理は、両品目とも植え付け7日前である。無処理区及び前歴無し区に対しては、処理区に相当する水分とチッソを水道水及び普通肥料で補った。
サトイモについては容積10リットルの鉢での栽培とし、3月3日に種芋を植え付け、7月30日に収穫した。
エンドウについては容積1リットルの鉢での栽培とし、4月2日に播種し、5月17日に生育の状態を調査した。
サトイモ及びエンドウについての実験の結果は、以下の通りである。
1.サトイモについて
表4に示すように、前歴無し区は、同時期の栽培における一般的な草姿で推移し、収量も一般的なレベルであった。
これに対し、無処理区は生育が劣り、葉がきわめて小さかった。収量も少なく、前歴無し区の36%の重量であった。一方、処理区は、草姿、収量とも前歴無し区と同等であった。
2.エンドウについて
表5に示すように、前歴無し区のつる長は、全株30cm以上で、平均が37.4cmであった。
これに対し、無処理区はすべての株が、発芽直後から生育が悪く、2株は発芽後10〜13日の間に枯死した。枯死しなかった株のつる長は12.7cmで、前歴無し区の約1/3であった。一方、処理区は、前歴無し区同様、全株が30cm以上のつる長であり、平均は37.0cmであった。
すなわち、無処理区については、両品目とも顕著な連作障害が認められた。
一方、処理区については連作障害は認められず、これらの品目の栽培前歴がない土壌と同じように生育することを確認した。
なお、エンドウについては収穫を待たずに実験を終えたが、エンドウの連作障害は、生育の極初期に発生することが一般的であることに加え、無処理区で枯死株を確認したことから、実験期間としては十分であったと考えられる。
(実験例2)
連作障害回避材の希釈液を処理することにより土壌微生物が活性化することを目視により確認した。実験条件は、以下の通りである。
<実験条件>
1.実験期間:2012年4月上旬
2.実験の場所:宮崎県宮崎市佐土原町内
粘土を多く含む灰色低地土(日本の沿海地帯の代表的土壌)と、粘土を含まない礫主体の土壌を用い、それぞれの土壌について、連作障害回避材の希釈液を処理しない無処理区と同希釈液を処理した処理区を設けた。無処理区に対しては、処理区に相当する水分とチッソを、水道水及び普通肥料で補った。実験期間は10日とした。
実験の結果を図3及び図4に示す。
1.無処理区について
無処理区では、灰色低地土、礫主体の土壌とも菌糸の発生はみられなかった(それぞれ、図3(A)及び図4(A)参照)。
2.処理区について
処理区では、灰色低地土、礫主体の土壌とも、処理翌日から微生物の菌糸が著しく発生した。(ぞれぞれ、図3(B)及び図4(B)参照)。この状態は実験打ち切り日まで同様であった。
灰色低地土と礫主体の土壌は、理化学性の面においてきわめて対照的であり、多くの種類に分類し得る土壌の中で、両極に位置すると考えてよい。その両極に位置する土壌において、それぞれ微生物の菌糸が著しく発生したことから、連作障害回避材は土壌の種類にかかわらず、土壌の微生物を活性化させることが明らかとなった。
(実験例3)
連作障害回避材が土壌物理性を改善する効果を確認した。実験条件は、以下の通りである。
<実験条件>
1.実験期間:2012年3月上旬〜6月下旬
2.実験場所:宮崎県宮崎市佐土原町内(灰色低地土の圃場)
ジャガイモの栽培圃場に、連作障害回避材の希釈液を処理しない無処理区と、同希釈液を処理した処理区とを設けた。各区について、土壌の硬度及び三相分布を調査した。希釈液の処理はジャガイモの植え付けの7日前とした。なお、無処理区に対しては、処理区に相当する水分とチッソを、水道水及び普通肥料で補った。
処理前の土壌は、表6に示すように、野菜栽培圃場の一般的な状態であった。土壌表面の硬度は、4.3mmであり、三相分布は、おおむね3:3:3であった。孔隙率は約68%であった。
実験結果を表7に示す。測定のタイミングは、ジャガイモの収穫時(希釈液の処理後、112日目)である。
1.無処理区について
無処理区の土壌は、緊縮した状態を示し、硬度が上昇した。また、無処理区の土壌の三相分布については、気相の減少が著しく、液相も減少し、孔隙率は約45%になった。
2.処理区について
処理区の土壌は、処理前よりも膨軟な状態を示した。すなわち、処理区の土壌の硬度が下降した。また、処理区の土壌の三相分布については、気相、液相ともに増加して、孔隙率は約80%に達した。
連作障害回避材を処理した土壌では微生物が活性化し、菌糸が繁茂する。各種実験の中で、菌糸が土粒を集合させて団粒化することを観察したことから、栽培圃場で問題になる土壌の緊縮化を防ぐことができるのではないかとの考えで実験を行った。
その結果、無処理区では、栽培期間の経過とともに土壌が緊縮する。これに対し、処理区では、処理前の状態より土壌が膨軟な状態を示し、連作障害回避材が土壌の物理性の改善に有効なことが明らかになった。
(実験例4)
果菜類及び根菜類に対し、連作障害回避材が作物の生育を促進する効果を有することを観察した。また、この効果による作物の増収を確認した。実験条件は、以下の通りである。
<実験条件>
1.実験期間:2012年3月上旬〜7月下旬
2.供試品目:ピーマン(果菜類の一例)及びジャガイモ(根菜類の一例)
3.実験場所:宮崎県宮崎市佐土原町内(灰色低地土の圃場)
連作障害回避材の希釈液を処理しない無処理区と、同希釈液を処理した処理区とを設けた。各区に、ピーマン及びジャガイモを植え付けて、生育を観察するとともに収量を調査した。
ピーマンについては、3月12日に播種し、育苗した後、4月30日に植え付け、5月25日から7月31日まで収穫した。
ジャガイモについては、3月15日に種芋を植え付け、6月29日に収穫した。
なお、希釈液を処理した日は、ピーマン及びジャガイモとも植え付け7日前である。無処理区は処理区に相当する水分とチッソを、水道水及び普通肥料で補った。供試株数は両品目とも10株である。
実験結果を表8に示す。草丈の調査日は、ピーマンについては、収穫を打ち切った7月31日であり、ジャガイモについては、収穫日の6月29日である。
ピーマン、ジャガイモとも、無処理区に比べ処理区の方が大柄な草姿で推移し、草丈が高かった。
ピーマンの収量については、処理区の収穫果数が無処理区よりも多かった。また、それに伴い果重の数値も高く、27%の増収であった。
ジャガイモの収量については、処理区のいも数が無処理区よりも多かった。また、それに伴い、いも重の数値も高く、36%の増収であった。
すなわち、連作障害回避材の希釈液を処理することで、ピーマン、ジャガイモとも、大柄な草姿を示し、それによって大幅な増収が認められた。その理由は、根圏内の有用微生物の活性、あるいは、土壌の膨軟化による根の伸張のしやすさが考えられる。また、連作障害回避材の原料となる焼酎粕自体(焼酎粕の濃縮液自体)が多くのアミノ酸や有機酸、酵素等を含んでおり、これらによる直接的な効果も考えられる。
本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。例えば、前述の実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて発明を構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、連作障害回避材は、海藻混合液を含有していなくても良い。
作物は、各実験例に示した作物(例えば、サトイモ及びエンドウ)に限定されるものではない。

Claims (7)

  1. 焼酎蒸留残渣物から分離された液部を濃縮した濃縮液に有機酸を加えて混合し、混合液を生成する混合工程を含み、
    前記有機酸により、前記混合液のpHが2.5〜4.0の範囲に調整される連作障害回避材の製造方法。
  2. 請求項1記載の連作障害回避材の製造方法において、
    前記混合工程にて、海藻エキス及び醸造酢からなる海藻混合液が更に添加される連作障害回避材の製造方法。
  3. 請求項2記載の連作障害回避材の製造方法において、
    前記混合工程にて、フルボ酸鉄が更に添加される連作障害回避材の製造方法。
  4. 請求項2又は3記載の連作障害回避材の製造方法において、
    前記混合工程により生成された前記混合液を、予め決められた時間放置する放置工程と、
    前記放置工程にて放置された前記混合液を濾過する濾過工程と、を更に含む連作障害回避材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の連作障害回避材の製造方法により製造された連作障害回避材を水で希釈し、チッソを0.1〜0.5重量%含有する希釈液を生成し、該希釈液を土壌に処理する連作障害回避方法。
  6. 焼酎蒸留残渣物から分離された液部を濃縮した濃縮液を原料とし、
    チッソを0.5〜4.5重量%、有機酸を1.0〜3.0重量%含有し、作物の連作障害を回避する連作障害回避材。
  7. 焼酎蒸留残渣物から分離された液部を濃縮した濃縮液を原料とし、
    チッソを0.5〜4.5重量%、有機酸を1.0〜3.0重量%、海藻エキス及び醸造酢からなる海藻混合液を0.5〜1.0重量%、フルボ酸鉄を0.5〜1.0重量%含有し、作物の連作障害を回避する連作障害回避材。
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