JP2014097450A - 蒸発缶 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間、蒸発缶底部の温度上昇を抑制し、ライフサイクルコスト低減を達成することが可能な蒸発缶を提供する。
【解決手段】蒸発缶101の底部に、蒸発缶101内の溶液による自然対流の流路を避けて配置された捕集容器204と、蒸発缶101の底部に向かって配置され、その途中にエジェクター202を備え、先端に噴射口を備える誘導管201と、捕集容器204の一部に設けられ蒸発缶101内の溶液を吸入する第1の吸入管と、捕集容器204とエジェクター202との間に設けられ、捕集容器204内の溶液をエジェクター202に導く第2の吸入管とで構成され、エジェクター202は誘導管201に導入された主流F2と、第1の吸入管から捕集容器204、第2の吸入管を介して得た捕集流F3とを合流し、誘導管201先端の噴射口から蒸発缶101の底部に撹拌流として噴出させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶液を加熱し蒸発させることで溶液の濃縮又は減容を行うための蒸発缶に関する。
化学プラントなどでは、溶液の濃縮又は減容を目的として蒸発缶を用いる。例えば食品関係設備では食品溶液を濃縮し、あるいは化学プラントからの廃液の減量(体積の低減)を行う場面で蒸発缶(evaporator)を使用する。ここでは、濃縮又は減容のために、蒸発缶の外部にヒータ等を設置して、これにより内部の溶液を加熱する。
蒸発缶における外部加熱により、内部の溶液は密度が小さくなり蒸発缶内部を上昇する。一方、溶液の液面近傍では、溶液の蒸発により液面近傍の熱が奪われて密度が大きくなり、蒸発缶内部を下降する。これにより蒸発缶内では、溶液が上昇し下降する自然対流を発生させつつ溶液を蒸発させ、濃縮又は減容する。
溶液の種類にもよるが、溶液中に固相として析出する成分(以下単に固相という)を含む場合がある。溶液に固相として析出する成分が溶解していると、蒸発過程において不特定位置に固相が析出する可能性がある。析出した固相のうち、溶液よりも密度の大きな固相は蒸発缶底部に沈殿し堆積することになる。沈殿し堆積した固相は、蒸発缶底部の溶液流動を阻害するので、蒸発缶底面からの加熱がある場合、固相と接触する蒸発缶底部の伝熱面の除熱量が低下し、蒸発缶底部の伝熱面温度が上昇する結果となる。
温度が上昇すると伝熱面構造材の腐食ポテンシャルが大きくなる。このため、固相を含む溶液を使用する蒸発缶では、その設計段階において伝熱面構造材の腐食ポテンシャルの観点から、蒸発缶底部の肉厚を厚くする等の対策が必要となる。
蒸発缶における上記の問題点に対する対応として、従来から幾つかの手法が知られている。特許文献1では、被処理液がスラリーの場合に、固体粒子の沈殿がない低沸点成分を連続的に蒸発させる自然循環式蒸発缶を提案している。
特許文献2は、液体中の固体を分離する技術として、多孔質の濾過媒体を用いる。
特許文献3は、キャッチャータンク内の粒子混合廃液流の粒子を回収する方法として、移送用エジェクターと沈殿タンクを用いた沈降分離装置を提案している。また、キャッチャータンク内で粒子混合廃液中の粒子の沈降を防ぐ方法として、エジェクターによる廃液ジェットにより撹拌することが知られている。
特開平11−333201公報 特公平3−49607号公報 特開2001−260030号公報
本発明の蒸発缶では、蒸発缶底面からの加熱があり、固相の析出が生じることを前提とする。また本発明の蒸発缶では、析出した固相を回収し、かつこのときに蒸発缶内部の自然対流を阻害せず、高効率、高稼働率を達成するものとしたい。
これらの仕様に対し、例えば特許文献1に示す固体粒子の析出のない蒸発缶を使用することは不適切である。特許文献1の場合には、低沸点成分のみが蒸発対象となり、任意の沸点の成分を蒸発できない可能性がある。
本発明が前提とする固相の析出がある蒸発缶においては、付随的に以下の課題が生じることを考慮する必要がある。まず蒸発缶底部に堆積した固相が蒸発缶底部の流動を阻害し、蒸発缶底部に到達する溶液量を低減させる。蒸発缶外部からの加熱がある場合、これが蒸発缶底部の温度上昇を引き起こし、腐食ポテンシャルを増大させるため、予め腐食代を大きくしておく等の対策を行っておく必要がある。
また、蒸発缶底部の固相の堆積量を抑制するため、蒸発缶内に構造物等を挿入する場合、自然対流を阻害しないような構造にする必要がある。自然対流を阻害すると、蒸発缶底部の固相堆積層に流入する溶液量が低減し、蒸発缶底部の温度を上昇させ、腐食ポテンシャルを増加させる恐れがある。
さらに固相捕集のために従来の捕集部材(例えば、特許文献2)を蒸発缶内で使用する場合には、目詰まりを防止するためにフィルターの交換または洗浄を行う必要があり、蒸発缶稼動率を低下させる恐れがある。
さらに外部への回収手段も考慮する必要がある。粒子回収装置(例えば、特許文献3)を外部に備えた蒸発缶では、移送設備及び回収容器の追設が必要となり、設備の大型化及び設備コストが増大する恐れがある。
特許文献3では、撹拌機構を備え、撹拌により蒸発缶底部に堆積した固相を拡散させ、蒸発缶底部の除熱を促進する。しかし、撹拌された固相は再度蒸発缶底部に堆積するため、常に撹拌する必要がある。また、常時撹拌することにより、蒸発缶内部の溶液の自然対流を阻害する恐れがある。
以上のことから本発明の目的は、蒸発缶稼働率を低下させることなく、長期間、蒸発缶底部の温度上昇を抑制し、蒸発缶腐食ポテンシャルを低減することにより、ライフサイクルコスト低減を達成することが可能な蒸発缶を提供することにある。
以上のことから本発明は、壁面に設けたヒータ等により内部の溶液を加熱し、溶液を蒸発させて濃縮するとともに、溶液の濃縮により固相が析出する蒸発缶において、蒸発缶の底部に、蒸発缶内の溶液による自然対流の流路を避けて配置された捕集容器と、蒸発缶の底部に向かって配置され、その途中にエジェクターを備え、先端に噴射口を備える誘導管と、捕集容器の一部に設けられ蒸発缶内の溶液を吸入する第1の吸入管と、捕集容器とエジェクターとの間に設けられ、捕集容器内の溶液をエジェクターに導く第2の吸入管とで構成され、エジェクターは誘導管に導入された主流と、第1の吸入管から捕集容器、第2の吸入管を介して得た捕集流とを合流し、誘導管先端の噴射口から蒸発缶の底部に撹拌流として噴出させることを特徴とする。
本発明の上記構成により、固相の撹拌による蒸発缶底部の除熱促進と再沈降する固相量を低減し、蒸発缶稼働率を低下させることなく、長期間、蒸発缶底部の温度上昇を抑制し、蒸発缶腐食ポテンシャルを低減することにより、ライフサイクルコスト低減を達成できる。
本発明の実施例1に係る蒸発缶内機器の基本的な全体構成を示す図。 蒸発缶内で生じる現象を説明するための図。 蒸発缶内の機器配置および固相回収用流体の移動方向を説明するための図。 蒸発缶内の配管構成を立体的に示した図。 捕集容器及びこれに連結している固相吸入管の断面例を示す図。 本発明の実施例2に係る捕集容器の模式図。 本発明の実施例3に係る捕集容器の模式図。 本発明の実施例4に係る捕集容器の模式図。
本発明の実施形態に係る蒸発缶について適宜実施例と図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、蒸発濃縮に伴い発生し、蒸発缶底部に堆積する固相を撹拌・捕集する機構を例に説明するが、捕集する対象は前記固相に限定されず、溶液中に存在する不純物でもよく、その大きさも限定されない。また、蒸発缶の加熱は蒸発缶全体を加熱する外部ヒータを例に説明するが、ヒータの配置、形状はこれに限定されない(蒸発缶底面からのみ加熱する場合も含む)。蒸発缶は作図の便宜上、軸方向断面で記載し、配管等の細部の記載を省略している。
図2を用いて蒸発缶内で生じる現象を説明する。まず蒸発缶は、円形、方形その他如何なる形状のものであってもよいが、溶液を収納するタンクとしての機能を有している。そのため、蒸発缶101は鉛直軸方向に設置されている。蒸発缶外部には、外部ヒータ102が設けられ、これにより蒸発缶内部の溶液103を加熱する。
蒸発缶内の溶液103は、蒸発缶外からの壁面加熱により溶液の密度が小さくなることで浮力が発生し上昇流が生じる。また液面106では溶液が蒸発し、蒸発により溶液から熱が奪われ、液面近傍の溶液の密度が大きくなることにより下降流が発生する。図2では、加熱面である蒸発缶101の内壁近傍で上昇流となり、蒸発缶の中心部で下降流となる、安定的な自然対流104が生じる。自然対流104が蒸発缶中心部の下降流から壁面の上昇流へ反転移行するところに溶液が蒸発缶底面に沿って流動することにより、蒸発缶底部を除熱する。また壁面近傍の上昇流により蒸発缶の内壁を除熱する。
蒸発工程は自然対流104を保持しながら進行するが、溶液が飽和濃度を超えると固相105が溶液内の不特定位置に析出する。固相105の密度が溶液よりも大きい場合には沈降し、最終的に蒸発缶101の底部に堆積する。堆積した固相105は自然対流104の流動の抵抗となる。これにより下降流による溶液が蒸発缶底部まで到達せず、自然対流による除熱が阻害される。
この時、蒸発缶101の下部から加熱されているため、蒸発缶底部の温度が上昇する。一般に、腐食ポテンシャルは温度上昇とともに増加する傾向があるため、蒸発缶101底部の温度が上昇すると、蒸発缶の腐食ポテンシャルが増加し、予め腐食代を大きくする等の対策が必要となる。
なお、蒸発缶温度上昇を防止するため、撹拌機構を設ける事もできる。しかし蒸発缶内を撹拌することにより、蒸発缶底部に堆積した固相105が拡散するが、拡散した固相105は時間経過とともに再度蒸発缶101底部に堆積するため、常時撹拌する必要があり、コストがかかる。
このように蒸発缶内では、外部ヒータ102による加熱と、これによる自然対流104と、固相105の析出、沈殿が図2に示したように同時進行している。このことから本発明では、自然対流104を妨げず、固相105の捕集、回収が効果的に行える図3の機器配置および固相回収用流体の移動方向を提案している。図3を用いて、蒸発缶内の機器配置および固相回収用流体の移動方向を説明する。
図3は図2と同じ蒸発缶断面で示しているが、ここでは第1点として自然対流105を妨げない位置に捕集容器204を設置する。自然対流104を妨げない位置とは、上昇流と下降流の間の対流が比較的に少ない部分であり、この結果捕集容器204はドーナッツ形状とされるのがよい。
第2点として蒸発缶底部に堆積した固相の撹拌のために、蒸発缶中心部の上方から下流に向かう撹拌流F1を与える。撹拌流F1は、主流F2が捕集流F3を巻き込む形で形成される。
第3点として蒸発缶底部に堆積した固相の捕集のために、捕集流F3は蒸発缶底部から、捕集容器204を経由して主流F2に合流し、この過程で捕集流F3により吸い上げられた固相が捕集容器204内に蓄積する。
第4点として蒸発缶底部に堆積した固相の回収のために、回収ルートF4が形成される。
以下図3の機器配置および固相回収用流体の移動方向を具体的に得るための機器構成について説明する。図1は機器の基本的な全体構成を示している。なお、図1に示した機器の具体構成あるいは変形構成は逐次図示を持って説明する。
図1において、前記第1点の自然対流104を妨げない位置に設置された捕集容器204は、蒸発缶底部近傍に配置され、図4に示すようなドーナッツ状に形成されている。図4は蒸発缶内の配管構成を立体的に示した図である。
図1において、前記第2点として述べた蒸発缶底部に堆積した固相の撹拌のための蒸発缶中心部の上方から下流に向かう撹拌流F1は、固相撹拌用流体の誘導管201とエジェクター202と撹拌用ノズル203により実現される。図4には、誘導管201とエジェクター202と撹拌用ノズル203が記述されているとともに、撹拌用ノズル203にはその先端に形成され、堆積した固相に撹拌流F1を噴射するための噴射口301が形成されている。なお、撹拌用ノズル203は誘導管201の一部を形成している。
図1において、前記第3点として述べた蒸発缶底部に堆積した固相の捕集のための構成は以下のようである。ここでは捕集流F3を蒸発缶底部から捕集容器204を経由して主流F2に合流させるために、捕集容器204の一部に固相吸入管205を備えてここから固相を含む溶液を吸入する。また捕集容器204の別の部位に設けた溶液吸入管206をエジェクター202に接続することで溶液を捕集流F3として主流F2に合流させる。このように、捕集流F3はエジェクター202の主流F2により駆動される流体であり、固相吸入管205での吸入の際に固相も吸入する。なお、固相は捕集容器204内に蓄積される。図4には、固相吸入管205から捕集容器204、溶液吸入管206を経由してエジェクター202に至る配管構成が示されている。
図1において、前記第4点として述べた蒸発缶底部に堆積した固相の回収のための回収ルートF4は、一方を捕集容器204の底部に接続する移送用配管209によって形成されている。なお、図1において、210は固相撹拌用流体212を導入するための弁であり、211は移送用配管209の出口側の次の工程設備である。
このように本発明の実施例1では、図1及び図4に示すように、主流F2の誘導管201とエジェクター202と撹拌用ノズル203及び捕集容器204などで構成されている。主流F2の誘導管201には弁210を設置している。捕集容器204は固相吸入管205を少なくとも一つ備えている。さらに、捕集容器204はエジェクター202と溶液吸入管206で連結されている。
以下、この構成による捕集、回収の処理について説明する。まず弁210を開くことで、固相撹拌用流体212をエジェクター202に流入させ、エジェクター202内を減圧し、蒸発缶101内との圧力差を推進力として溶液吸入管206から溶液103を吸入する。固相撹拌用流体212(F2)と吸入した溶液103(F3)の混合流体である撹拌流F1を撹拌用ノズル203の噴射口301から噴出させ、蒸発缶101の底部に堆積した固相105を撹拌する。固相撹拌用流体212は、溶液と化学反応しないガスが望ましい。溶液の希釈効果が無視可能な場合は蒸気でもよい。
図4に示すように、例えばドーナツ型で断面が円形の捕集容器204を用いると、蒸発缶101内の自然対流104を阻害せずに固相105を攪拌・捕集できる。また、固相吸入管205と溶液吸入管206を周方向にずらすことで、捕集容器204内での固相105の自然沈降の距離を確保でき、溶液103と固相105の分離量の増大が期待できる。
さらに、捕集容器204に移送用配管209を連結する。濃縮処理後に、弁210が閉じた状態で、移送用配管209から捕集した固相105と溶液103を吸入して、次の処理工程設備211に移送する。なお移送手法としては、蒸発缶101内を加圧し、溶液103を移送用配管209から押し出し、次の処理工程設備211に移送することでもよい。
図5は、捕集容器及びこれに連結している固相吸入管の断面例を示す図である。この図に示すように、エジェクター202の駆動と同時に、溶液吸入管206と連結している捕集容器204及び捕集容器204に連結している固相吸入管205を介して、蒸発缶101底部に堆積した固相及び撹拌により拡散した固相105を吸入する。
吸入された固相105は捕集容器204内で重力により自然に沈降し、上澄み液のみ、溶液吸入管206を介してエジェクター202に吸入される。固相吸入管205は、捕集容器の水平方向中心軸401よりも上方まで挿入することにより、捕集した固相105が固相吸入管205から流出する量を低減できる。
以上のように、本発明の蒸発缶では、撹拌と同時に撹拌されて拡散した固相105を捕集することができ、蒸発缶101の稼働率を低下させることなく、長期間、蒸発缶底部の温度上昇を抑制し、蒸発缶腐食ポテンシャルを低減することにより、ライフサイクルコスト低減を達成できる。また、移送用配管209を捕集容器204に連結することにより、捕集した固相105を移送することができ、メンテナンスコストを低減することができる。
なお、図2は一例として、蒸発缶101の外部からの加熱がある場合について記載している。また、図1、図3、図4は一例を示しており、エジェクター202、捕集容器204、固相吸入管205、溶液吸入管206、撹拌ノズル203、移送用配管209及び噴射口301の形状、位置及び数量はこれに限定されない。
実施例2では、図6に示すように、固相吸入管205を捕集容器204の上方に設置し、固相吸入管205と溶液吸入管206を周方向にずらしている。
固相吸入管205を捕集容器204の上方に設置することにより、固相吸入管205を捕集容器204内部まで挿入する必要がなくなる。また、固相吸入管205の長さを調節することにより、撹拌によって飛散した固相105を鉛直軸方向で広範囲に捕集することができる。
なお、図6は一例を示しており、捕集容器204及び固相吸入管205の形状、位置及び数量はこれに限定されない。
実施例3は、図7に示すように、固相吸入管205を捕集容器204の下方及び上方に設置し、固相吸入管205と溶液吸入管206を周方向にずらしている。
固相吸入管205を捕集容器204の下方及び上方に設置することにより、蒸発缶101底部に堆積した固相105と撹拌により飛散した固相105を広範囲に捕集することができる。また、固相吸入管205の長さを調節することにより、固相105を鉛直軸方向で広範囲に捕集することができる。
捕集容器204の下方に設置した固相吸入管205については、図5と同様に、捕集容器の中心軸よりも上方まで挿入することで、捕集した固相105の逆流を防ぐことができる。
なお、図7は一例を示しており、捕集容器204及び固相吸入管205の形状、位置及び数量はこれに限定されない。
実施例4は、図8に示すように、捕集容器204を水平軸から角度を有して設置している。
溶液吸入管206側を高い位置にし、移送用配管209側を低い位置にすることにより、移送用配管209側で、捕集した固相105の沈降量を増加することができ、溶液103の移送の際に、捕集した固相105の移送量を増大することができる。
なお、図8は一例を示しており、捕集容器204及び固相吸入管205の形状、位置及び数量はこれに限定されず、捕集容器204の水平軸からの角度についても限定されない。
101…蒸発缶
102…外部ヒータ
103…溶液
104…自然対流
105…固相
201…固相撹拌用流体の誘導管
202…エジェクター
203…撹拌用ノズル
204…捕集容器
205…固相吸入管
206…溶液吸入管
209…移送用配管
210…弁
211…次の工程設備
212…固相撹拌用流体
F1…撹拌流
F2…主流
F3…捕集流
F4…回収ルート
301…噴射口
401…捕集容器の中心軸

Claims (7)

  1. 外部または内外部に備えたヒータ等の加熱機構により内部の溶液を加熱し、前記溶液を蒸発させて濃縮するとともに、濃縮により固相を析出する前記溶液を対象とし、前記加熱機構により底面からの加熱が可能な蒸発缶において、
    前記蒸発缶の底部に、前記蒸発缶内の溶液による自然対流の流路を避けて配置された捕集容器と、前記蒸発缶の底部に向かって配置され、その途中にエジェクターを備え、先端に噴射口を備える誘導管と、前記捕集容器の一部に設けられ前記蒸発缶内の溶液を吸入する第1の吸入管と、前記捕集容器と前記エジェクターとの間に設けられ、前記捕集容器内の溶液を前記エジェクターに導く第2の吸入管とで構成され、
    前記エジェクターは前記誘導管に導入された主流と、前記第1の吸入管から前記捕集容器、前記第2の吸入管を介して得た捕集流とを合流し、前記誘導管先端の噴射口から前記蒸発缶の底部に撹拌流として噴出させることを特徴とする蒸発缶。
  2. 請求項1に記載の蒸発缶において、
    一方を前記捕集容器の底部に接続し、前記捕集容器内の前記固相を前記蒸発缶の外部に搬送するための移送用配管を備えることを特徴とする蒸発缶。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蒸発缶において、
    前記蒸発缶内の溶液による自然対流の流路を避けて配置された捕集容器は、ドーナッツ状の配管で構成されていることを特徴とする蒸発缶。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蒸発缶において、
    前記第1と第2の吸入管は、ドーナッツ状の配管で構成された前記捕集容器の異なる周方向位置にずらして設置されていることを特徴とする蒸発缶。
  5. 請求項4に記載の蒸発缶において、
    前記第1の吸入管は、前記捕集容器の下面に開口し、前記捕集容器の水平中心軸よりも上方まで前記第1の吸入管が挿入されていることを特徴とする蒸発缶。
  6. 請求項4または請求項5に記載の蒸発缶において、
    前記第1の吸入管は、前記捕集容器の上面に開口して備えられたことを特徴とする蒸発缶。
  7. 請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の蒸発缶において、
    ドーナッツ状の配管で構成された前記捕集容器は、水平軸から角度を有して設置され、かつ前記第2の吸入管は、前記捕集容器の最下部の底部に接続されていることを特徴とする蒸発缶。
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