JP2014096308A - 導電性複合粒子、正極活物質及びそれを用いた二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】オリビン型シリケート化合物を含有する導電性の高い正極活物質及びそれを用いた二次電池の提供。
【解決手段】(A)オリビン型シリケート化合物と(B)グラフェンとを質量比(A:B)で99:1〜93:7の割合で含有し、粒子径5〜30μmである導電性複合粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、オリビン型シリケート化合物を含む導電性複合粒子、二次電池用正極活物質及びそれを用いた二次電池に関する。
リチウムイオン電池等の二次電池は、非水電解質電池の1種であり、携帯電話、デジタルカメラ、ノートPC、ハイブリッド自動車、電気自動車等広い分野に利用されている。リチウムイオン電池は、正極材料としてリチウム金属酸化物を用い、負極材料としてグラファイトなどの炭素材を用いるものが主流となっている。
この正極材料としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、ケイ酸鉄リチウム(Li2FeSiO4)等が知られている。このうち、LiFePO4やLi2FeSiO4等は、オリビン構造を有し、高容量のリチウムイオン電池用正極材料として有用である。
二次電池の放電容量は、正極材料の種類によって大きく変化するので、種々のオリビン型化合物が報告され(特許文献1及び2)、さらに前記オリビン型ケイ酸鉄リチウムにMnなどをドープすることにより放電容量の向上が検討されている(非特許文献1〜3)。
一方、オリビン型シリケート化合物のような放電容量の高い正極材料であっても、それ自体の比導電率は低いので、これらの正極材料にアセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素材料を担持させて導電性を付与させている(特許文献3〜5)。
特開2001−266882号公報 特開2008−186807号公報 特許第4134838号公報 特開2009−302044号公報 特開2011−76948号公報
Electrochemical and Solid-State Letters 19, 12, A542-A544(2006) GS Yuasa Technical Report 2009年6月、第6巻、第1号、p21−26 R. Dominiko et al. Journal of Power Sources 184(2008), P462-468
しかしながら、オリビン型シリケート化合物は特に導電性が低く、従来の手段によるカーボンブラック等の担持では十分な導電性が得られず、導電性を高くするためにはカーボンブラック等を過剰に担持させる必要があった。
従って、本発明の課題は、オリビン型シリケート化合物を含有する導電性の高い正極活物質及びそれを用いた二次電池を提供することにある。
そこで本発明者は、オリビン型シリケート化合物の特性を十分に活かす正極活物質を開発すべく種々検討した結果、オリビン型シリケート化合物と少量のグラフェンとを複合化して微細な粒子とすれば、優れた導電性を有する正極活物質が得られ、これを用いた二次電池は高い充放電容量を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)オリビン型シリケート化合物と(B)グラフェンとを質量比(A:B)で99:1〜93:7の割合で含有し、粒子径5〜30μmである導電性複合粒子を提供するものである。
また、本発明は、上記の導電性複合粒子からなる正極活物質を提供するものである。
さらに本発明は、上記の正極活物質を含有する二次電池を提供するものである。
本発明の導電性複合粒子は、オリビン型シリケート化合物の特性を有しつつ、グラフェンにより粒子表面が効率良く被覆されているため優れた導電性を示し、これを用いた二次電池は高い充放電容量を有する。
実施例1で得られた複合粒子AのSEM像(500倍)を示す。 実施例2で得られた複合粒子BのSEM像(500倍)を示す。 実施例3で得られた複合粒子CのSEM像(500倍)を示す。 比較例1で得られた複合粒子DのSEM像(500倍)を示す。 比較例2で得られた複合粒子EのSEM像(500倍)を示す。 実施例1で得られた複合粒子AのSEM像(表面拡大:1万倍)を示す。 比較例1で得られた複合粒子DのSEM像(表面拡大:1万倍)を示す。 実施例1の複合粒子を用いた二次電池の充放電曲線を示す。 実施例2の複合粒子を用いた二次電池の充放電曲線を示す。 実施例3の複合粒子を用いた二次電池の充放電曲線を示す。 比較例1の複合粒子を用いた二次電池の充放電曲線を示す。 比較例2の複合粒子を用いた二次電池の充放電曲線を示す。
本発明の導電性複合粒子は、(A)オリビン型シリケート化合物と(B)グラフェンとを質量比(A:B)で99:1〜93:7の割合で含有し、粒子径5〜30μmである。
(A)オリビン型シリケート化合物としては、リチウムイオン、遷移金属イオン及びケイ酸イオン(SiO4 4-)を含むオリビン型シリケート化合物が挙げられ、特にリチウムイオン及び遷移金属M(MはFe、Ni、Co、Al、Zn、Mn、V及びZrから選ばれる1種又は2種以上)イオンを含み、かつケイ酸イオン(SiO4 4-)を含むオリビン型シリケート化合物が好ましい。
オリビン型シリケート化合物の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Li2FexMnyCozSiO4 ・・・(1)
(式中、x、y及びzは、0≦x<1、0≦y<1、0<z<1、x+y+z=1、及びx+y≠0を満たす数を示す。)
Lia1FexMnyAlzSiO4 ・・・(2)
(式中、a1、x、y及びzは、1<a1≦2、0≦x<1、0≦y<1、0<z<1、a1+2x+2y+3z=4、及びx+y≠0を満たす数を示す。)
Li21SiO4-x12x1 ・・・(3)
(式中、M1はFe、Mn、Co及びNiから選ばれる1種又は2種以上を示し、x1は0<x1≦8を満たす数を示す。)
Lia2FexMnyzSiO4 ・・・(4)
(式中、a2、x、y及びzは、1<a2≦2、0≦x<1、0≦y<1、0<z<1、a2+2x+2y+(2〜5)z=4、及びx+y≠0を満たす数を示す。)
Li2FexMnyZnzSiO4 ・・・(5)
(式中、x、y及びzは、0≦x<1、0≦y<1、0<z<1、x+y+z=1、及びx+y≠0を満たす数を示す。)
Li2Fea3NibCocMndZrx2SiO4・・・(6)
(式中、a、b、c及びdは、a+b+c+d=1−2xを満たし、x2は、0<x2<0.5を満たす数を示す)
また、上記オリビン型シリケート化合物は、ドープすることによりF等を含有していてもよい。
(A)オリビン型シリケート化合物のうち、粒子径が小さく、均質なものは、例えば、リチウム含有化合物、遷移金属化合物及びケイ酸化合物を含む混合物を水熱反応させることにより製造できる。
原料であるリチウム含有化合物としては、水酸化リチウム(例えばLiOH・H2O)、炭酸リチウム(Li2CO3)、硫酸リチウム、酢酸リチウムが挙げられるが、水酸化リチウム、炭酸リチウムが特に好ましい。水分散液中のリチウム含有化合物の濃度は、0.30〜3.00mol/lが好ましく、さらに1.00〜1.50mol/lが好ましい。
遷移金属化合物としては、鉄化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、パラジウム化合物又はジルコニウム化合物を用いればよい。
鉄化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、亜鉛化合物としては、2価の鉄化合物、2価のマンガン化合物、2価のコバルト化合物、2価のニッケル化合物、2価の亜鉛化合物であればよく、例えば、ハロゲン化鉄、ハロゲン化マンガン、ハロゲン化コバルト、ハロゲン化ニッケル、ハロゲン化亜鉛等のハロゲン化物、硫酸鉄、硫酸マンガン、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛等の硫酸塩、シュウ酸鉄、酢酸鉄、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、酢酸亜鉛等の有機酸塩が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、3価の化合物であればよく、例えば、ハロゲン化アルミニウム等のハロゲン化物、硫酸アルミニウム等の金属硫酸塩、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム等の金属有機酸塩が挙げられる。バナジウム化合物としては、ハロゲン化バナジウム等が挙げられる。
ジルコニウム化合物としては、4価の化合物であればよく、例えば、ハロゲン化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、二酢酸酸化ジルコニウム、オクタン酸ジルコニウム、ラウリン酸酸化ジルコニウム等の有機酸塩が挙げられる。
反応混合液中の遷移金属化合物の濃度は、0.15〜1.50mol/lが好ましく、さらに0.50〜0.75mol/lが好ましい。
ケイ酸化合物としては、反応性のあるシリカ化合物であれば特に限定されず、非晶質シリカ、Na4SiO4やNa4SiO4・nH2O(例えばNa4SiO4・H2O)が好ましい。このうちNa4SiO4を用いた場合、反応混合液が塩基性になるので、より好ましい。
ケイ酸化合物の濃度は、0.15〜1.50mol/lが好ましく、さらに0.50〜0.75mol/lが好ましい。
上記リチウム含有化合物、遷移金属化合物及びケイ酸化合物を含有する混合物は、副反応を防止し、ケイ酸化合物の溶解性の点から、水を用い、塩基性の水分散液とするのがよい。具体的には、該水分散液のpHは、12.0〜14.5であるのが好ましい。該水分散液のpHの調整は、塩基、例えば、水酸化ナトリウムを添加することにより行ってもよいが、ケイ酸化合物としてNa4SiO4を用いるのが好ましい。
水分散液を作製するにあたり、遷移金属化合物として、例えば、金属硫酸塩を用いる場合、副反応を抑制する点から、かかる金属硫酸塩とは別に、リチウム化合物、ケイ酸化合物及び界面活性剤と、酸化防止剤とを含有する塩基性水分散液を予め調製しておくのが好ましい。この場合、該水分散液と金属硫酸塩とを混合し、水熱反応に付す。リチウム化合物、ケイ酸化合物、界面活性剤及び酸化防止剤の添加順序は特に限定されず、これらの4成分を水に添加してもよい。
また、遷移金属化合物として、例えば、有機酸塩を用いる場合、リチウム化合物、ケイ酸化合物及び界面活性剤と、酸化防止剤とを含有し、さらに有機酸塩を含有する塩基性水分散液を調製するのが好ましい。通常、有機酸塩は固相法に用いられる原料であるが、水熱反応に用いることにより副反応を抑制することができる。
酸化防止剤としては、ハイドロサルファイトナトリウム(Na224)、アンモニア水、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。水分散液中の酸化防止剤の含有量は、多量に添加するとオリビン型シリケート化合物の生成を抑制してしまうため、遷移金属(M)に対して等モル量以下が好ましく、遷移金属に対してモル比で0.5以下がさらに好ましい。
水熱反応に付す際の温度は、130〜250℃が好ましく、さらに150〜200℃が好ましい。水熱反応は耐圧容器中で行うのが好ましく、130〜250℃で反応を行う場合この時の圧力は0.3〜4.0MPaとなり、150〜200℃で反応を行う場合の圧力は0.5〜1.6MPaとなる。水熱反応時間は0.5〜24時間が好ましく、さらに3〜12時間が好ましい。
なお、前記混合液の作製及び水熱反応は、いずれも非酸素条件下、例えば窒素雰囲気下に行うのが好ましい。
当該水熱反応により、粒子径の小さいオリビン型シリケート化合物が高収率で得られ、その結晶度も高い。
水熱反応後、生成したオリビン型シリケート化合物をろ過により採取し、洗浄することによって一次粒子を得る。洗浄は、ケーキ洗浄機能を有した濾過装置を用いて水で行うのが好ましい。
ここで、得られる一次粒子の粒径は、小さい程好ましく、20〜200nmが好ましく、さらに20〜100nmが好ましい。
次いで乾燥を行う。乾燥手段としては、箱型乾燥機、凍結乾燥、真空乾燥、流動床乾燥機、あるいは、噴霧型乾燥機(スプレードライヤー)を用いることができる。
得られる乾燥物については、乳鉢、ピンミル、ロールミル、クラッシャー等を用いて解砕してもよい。
かくして得られる(A)オリビン型シリケート化合物の複合化に用いる(B)グラフェンは、炭素原子が六角形格子構造をとった単層のシート、すなわち単層のグラファイトである。グラファイトとしては、厚さ1〜3nmであり、大きさが0.01〜10μmのものを用いるのが好ましい。
本発明導電性複合粒子中の(A)オリビン型シリケート化合物と(B)グラフェンとの含有質量比(A:B)は99:1〜93:7であり、99:1〜94:6がより好ましく99:1〜95:5がさらに好ましい。グラフェンの含有量が1質量部よりも少ないと十分な導電性が得られず、7質量部よりも多いと導電性は得られるが、経済的でなく、さらに充放電の際、リチウムイオンの移動速度を低下させるため好ましくない。
本発明の導電性複合粒子の粒子径は5〜30μmであり、7〜25μmがより好ましく、10〜20μmがさらに好ましい。粒子径が5μm未満の場合は、電極作製の際、塗工性が悪化することがあり、30μmを超えると複合粒子の内部に欠陥が生じやすくなる。
本発明の導電性複合粒子においては、(A)オリビン型シリケート化合物粒子の表面に(B)グラフェンが均一に被覆した状態であるのが好ましく、より具体的には(A)オリビン型シリケート化合物粒子の表面を(B)グラフェンが網目状に被覆しているのが好ましい。このように、(A)オリビン型シリケート化合物粒子の表面を(B)グラフェンが均一に被覆していることにより、複合粒子全体の導電性が向上するものと考えられる。
また、(B)グラフェンの被覆厚みは、導電性の点から5〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。
また、本発明の導電性複合粒子の形状は、球状、多角状、立方体状、金平糖状、紡錘状等の形態でよいが、塗工性および導電性の点から、そのアスペクト比は1〜2.5が好ましく、1〜2がより好ましく、1〜1.5がさらに好ましい。またタップ密度は0.8〜2.5g/mlが好ましく、1.2〜2.5g/mlがさらに好ましい。
本発明の導電性複合粒子は、(A)オリビン型シリケート化合物と(B)グラフェンとをせん断力条件下、さらに圧縮せん断力条件下に混合複合化することにより製造するのが、オリビン型シリケート化合物粒子表面上にグラフェンを均一に被覆する点で好ましい。
せん断力条件、特に圧縮せん断力条件としては、材料の軸に直角方向に一対の力を与える条件であり、例えばシータコンポーザー(徳寿製作所)、メカノハイブリット、コンポジ(日本コークス工業)、ノビルタ、メカノフュージョン(ホソカワミクロン)などの装置を用いて与えることができる。
これらの装置の運転条件は、水平円筒状、または直立円筒状の混合容器内において、特殊形状のローターが周速25m/s以上で回転し、混合容器内の内壁とローター先端で、オリビン型シリケート化合物粒子とグラフェンの混合粉体に、均一に圧縮せん断力を加えながら、粒子複合化を行う。処理時間は5〜60分が好ましく、より好ましくは10〜30分である。また、複合化処理においては、容器内の処理物の温度が100℃以上にならないように、冷却することが好ましい。冷却手段は特に限定されないが、容器を冷却ジャケットなどで覆い、冷却することができる。処理物の温度が100℃以上になる場合、処理物が酸化し性能低下を引き起こすため、好ましくない。
なお、電池特性をより高める観点から、得られた複合体を焼成してもよい。焼成条件は、不活性ガス雰囲気下又は還元雰囲気下に220℃以上、好ましくは250℃〜700℃で10分〜3時間、好ましくは0.5〜1.5時間行うのが好ましい。
本発明の導電性複合粒子は、導電性に優れており、二次電池用正極活物質として有用である。また、当該導電性複合粒子は、カーボン担持し、次いで焼成することにより、二次電池用正極活物質とすることもできる。カーボン担持は、複合粒子に常法により、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、サッカロース、デンプン、デキストリン、クエン酸等の炭素源及び水を添加し、次いで焼成すればよい。なかでも、コストの面から、炭素源としてグルコースを用いるのが好ましい。焼成条件は、不活性ガス雰囲気下又は還元条件下に400℃以上、好ましくは400〜800℃で10分〜3時間、好ましくは0.5〜1.5時間行うのが好ましい。かかる処理により複合粒子表面にカーボンが担持された正極活物質とすることができる。炭素源の使用量は、複合粒子100質量部に対し、炭素源に含まれる炭素として3〜15質量部が好ましく、炭素源に含まれる炭素として5〜10質量部がさらに好ましい。
得られた二次電池用正極活物質は、充放電容量の点で優れており、非常に有用な二次電池を得ることができる。本発明の二次電池正極活物質を適用できる二次電池としては、リチウムイオン二次電池であればよく、正極と負極と電解液とセパレータを必須構成とするものであれば特に限定されない。
ここで、負極については、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。たとえば、リチウム金属、グラファイト又は非晶質炭素等の炭素材料等である。そしてリチウムを電気化学的に吸蔵・放出し得るインターカレート材料で形成された電極、特に炭素材料を用いることが好ましい。
電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。有機溶媒は、通常リチウムイオン二次電池の電解液の用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。
支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF32及びLiN(SO3CF32、LiN(SO2252及びLiN(SO2CF3)(SO249)から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
セパレータは、正極及び負極を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たすものである。たとえば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いればよい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[参考例1]
LiOH・H2O 42.0g(1.0mol)、Na4SiO4・nH2O 140.0g(0.5mol)、Na224 8.7g(0.05mol)に超純水400cm3を加えて混合した(この時のpHは約13)。この水分散液にFeSO4・7H2O62.6g(0.225mol)、MnSO4・5H2O 54.2g(0.225mol)及びZr(SO42・4H2O7.1g(0.025mol)を添加し、混合した。得られた混合液をオートクレーブに投入し、150℃で16hr水熱反応を行った。反応液をろ過後、凍結乾燥し(約12時間)、粉末を得た。得られた粉末の平均粒径は、56nmであった。
[参考例2]
LiOH・H2O 42.0g(1.0mol)、Na4SiO4・nH2O 140.0g(0.5mol)、Na224 8.7g(0.05mol)に超純水400cm3を加えて混合した(この時のpHは約13)。この水分散液にFeSO4・7H2O 89.4g(0.322mol)、MnSO4・5H2O 38.2g(0.158mol)及びZr(SO42・4H2O 2.8g(0.010mol)を添加し、混合した。得られた混合液をオートクレーブに投入し、150℃で16hr水熱反応を行った。反応液をろ過後、凍結乾燥し(約12時間)、粉末を得た。得られた粉末の平均粒径は、63nmであった。
[参考例3]
LiOH・H2O 42.0g(1.0mol)、Na4SiO4・nH2O 140.0g(0.5mol)、Na224 8.7g(0.05mol)に超純水400cm3を加えて混合した(この時のpHは約13)。この水分散液にMnSO4・5H2O 108.5g(0.45mol)及びZr(SO42・4H2O7.1g(0.025mol)を添加し、混合した。得られた混合液をオートクレーブに投入し、150℃で16hr水熱反応を行った。反応液をろ過後、凍結乾燥し(約12時間)、粉末を得た。得られた粉末の平均粒径は、58nmであった。
[実施例1]
参考例1で得られた粉末196gと市販グラフェン粉末(XG Sciences社製、平均粒径0.2μm)4gとを予め混合して混合物を得て、得られた混合物を微粒子複合化装置ノビルタ(ホソカワミクロン社製)に投入し、35〜45℃で30分間混合して、複合体Aを得た。得られた複合体Aの平均粒径は、17μmであり、タップ密度は1.61g/cm3であった。得られた複合体AのSEM像を図1に示す。
[実施例2]
参考例2で得られた粉末192gと市販グラフェン粉末(XG Sciences社製、平均粒径0.2μm)8gとを予め混合して混合物を得て、得られた混合物を微粒子複合化装置ノビルタ(ホソカワミクロン社製)に投入し、35〜45℃で30分間混合して、複合体Bを得た。得られた複合体Bの平均粒径は、18μmであり、タップ密度は1.52g/cm3であった。得られた複合体BのSEM像を図2に示す。
[実施例3]
参考例3で得られた粉末192gと市販グラフェン粉末(XG Sciences社製、平均粒径0.2μm)8gとを予め混合して混合物を得て、得られた混合物を微粒子複合化装置ノビルタ(ホソカワミクロン社製)に投入し、35〜45℃で30分間混合して、複合体Cを得た。得られた複合体Cの平均粒径は、16μmであり、タップ密度は1.49g/cm3であった。得られた複合体CのSEM像を図3に示す。
[比較例1]
参考例1で得られた粉末196gと4gとケッチェンブラック(ライオン社製、平均粒径30nm)を予め混合して混合物を得て、得られた混合物を微粒子複合化装置ノビルタ(ホソカワミクロン社製)に投入し、35〜45℃で30分間混合して、複合体Dを得た。得られた複合体Dの平均粒径は、23μmであり、タップ密度は1.45g/cm3であった。得られた複合体DのSEM像を図4に示す。
[比較例2]
参考例1で得られた粉末196gと4gとアセチレンブラック(電気化学工業社製、平均粒径35nm)を予め混合して混合物を得て、得られた混合物を微粒子複合化装置ノビルタ(ホソカワミクロン社製)に投入し、35〜45℃で30分間混合して、複合体Eを得た。得られた複合体Eの平均粒径は、10μmであり、タップ密度は1.32g/cm3であった。得られた複合体EのSEM像を図5に示す。
実施例1で得られた複合体Aと比較例1で得られた複合体DのSEM像の表面拡大像(1万倍)を、図6及び図7に示す。図6と図7の対比から、実施例1の複合体Aは、(A)オリビン型シリケート化合物の表面をグラフェンが均一に被覆していることがわかる。
[試験例1]
実施例1〜3、および比較例1〜2で得られた複合体を用い、リチウムイオン二次電池の正極を作製した。実施例1〜3、および比較例1〜2で得られた複合体、ケッチェンブラック(導電剤)、ポリフッ化ビニリデン(粘結剤)を重量比75:15:10の配合割合で混合し、これにN−メチル−2−ピロリドンを加えて充分混練し、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布し、80℃で12時間の真空乾燥を行った。その後、φ14mmの円盤状に打ち抜いてハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、正極とした。
次いで、上記の正極を用いてコイン型リチウムイオン二次電池を構築した。負極には、φ15mmに打ち抜いたリチウム箔を用いた。電解液には、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒に、LIPF6を1mol/lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンなどの高分子多孔フィルムなど、公知のものを用いた。これらの電池部品を露点が−50℃以下の雰囲気で常法により組み込み収容し、コイン型リチウム二次電池(CR−2032)を製造した。
製造したリチウムイオン二次電池を用いて定電流密度での充放電を1サイクル行った。このときの充電条件は電流0.1CA(33mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件は電流0.1CA、終止電圧1.5Vの定電流放電とした。温度は全て30℃とした。
実施例1〜3、および比較例1〜2の正極材で構築した電池の充放電曲線を図8〜図12に示す。図8〜図10より、本発明の複合粒子を用いた二次電池は、優れた放電容量を示すことがわかる。

Claims (5)

  1. (A)オリビン型シリケート化合物と(B)グラフェンとを質量比(A:B)で99:1〜93:7の割合で含有し、粒子径5〜30μmである導電性複合粒子。
  2. (A)オリビン型シリケート化合物粒子の表面に(B)グラフェンが均一に被覆したものである請求項1記載の導電性複合粒子。
  3. (A)オリビン型シリケート化合物と(B)グラフェンとを、せん断力条件下に混合し複合化して得られるものである請求項1記載の導電性複合粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性複合粒子からなる二次電池用正極活物質。
  5. 請求項4記載の正極活物質を含有する二次電池。
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