以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、第一の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示される情報処理システム1において、サービス提供環境E2、ユーザ環境E1、及びオンラインストレージシステム40等は、インターネット等の広域的なネットワークを介して通信可能とされている。
サービス提供環境E2は、ネットワークを介してクラウドサービスを提供する組織におけるシステム環境である。なお、本実施の形態では、クラウドサービスを具体例に採用して説明するが、ASP(Application Service Provider)によって提供されるサービスやWebサービス等、ネットワークを介して提供されるサービスに関して、本実施の形態が適用されてもよい。
サービス提供環境E2は、サービス提供装置20を有する。サービス提供装置20は、ネットワークを介して所定のサービスを提供する。サービス提供装置20が提供するサービスの一つとして、「ScanToStorageサービス」が有る。本実施の形態では、ScanToStorageサービスに関して説明する。ScanToStorageサービスとは、ユーザ環境E1の機器10においてスキャンされた画像データを、予め設定された保存先に保存するサービスをいう。なお、サービス提供装置20は、ユーザ環境E1に設置されてもよい。すなわち、サービス提供環境E2は、ユーザ環境E1に包含されてもよい。
ユーザ環境E1は、機器10のユーザ企業等の組織におけるシステム環境である。ユーザ環境E1において、一台以上の機器10と管理者端末30とはLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されている。
本実施の形態の機器10は、スキャン機能を有する画像形成装置である。スキャン機能以外に、印刷、コピー、又はファクス(FAX)通信等の機能を有する複合機が機器10として用いられてよい。
管理者端末30は、ユーザ環境E1における機器10の管理者が使用する端末である。管理者端末30の一例として、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistance)、タブレット型端末、スマートフォン、又は携帯電話等が挙げられる。
ユーザ環境E1は、更に、ファイアーウォールF1を含む。ファイアーウォールF1は、一般的なファイアーウォールと同様でよい。ファイアーウォールは、例えば、ユーザ環境E1の外部からの要求を遮断する。したがって、例えば、サービス提供装置20からの能動的な要求を、ユーザ環境E1内の機器10等に送信することは困難である。
オンラインストレージシステム40は、ネットワークを介してオンラインストレージと呼ばれるクラウドサービスを提供するコンピュータシステムである。オンラインストレージとは、ストレージの記憶領域を貸し出すサービスである。本実施の形態において、オンラインストレージによって貸し出される記憶領域は、サービス提供装置20によって提供されるScanToStorageサービスにおいて、画像データの保存先の候補となる。
図2は、第一の実施の形態におけるサービス提供装置のハードウェア構成例を示す図である。図2のサービス提供装置20は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置200と、補助記憶装置202と、メモリ装置203と、CPU204と、インタフェース装置205とを有する。
サービス提供装置20での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従ってサービス提供装置20に係る機能を実行する。インタフェース装置205は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
なお、サービス提供装置20は、図2に示されるようなハードウェアを有する複数のコンピュータによって構成されてもよい。すなわち、後述においてサービス提供装置20が実行する処理は、複数のコンピュータに分散されて実行されてもよい。
図3は、第一の実施の形態における機器のハードウェア構成例を示す図である。図3において、機器10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、HDD114、及びNVRAM115等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記憶される。
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、機器10では、ROM113に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット17は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
図4は、第一の実施の形態におけるサービス提供装置の機能構成例を示す図である。図4において、サービス提供装置20は、サーバアプリ210及びプラットフォーム220等のソフトウェアを含む。これらは、サービス提供装置20にインストールされる一以上のプログラムによって構成され、CPU204に所定の処理を実行させる。
サービス提供装置20は、また、ユーザ情報記憶部231、機器情報記憶部232、機器アプリ記憶部233、プロファイル記憶部234、及びプロファイル機器対応記憶部235等を利用する。これら各記憶部は、補助記憶装置202、又はサービス提供装置20にネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現可能である。
サーバアプリ210は、サービス提供装置20が提供するサービスを実現するアプリケーションプログラムである。但し、サーバアプリ210単独では、サービスは完結されないこととする。サーバアプリ210と機器10との連携によって、サービスは完結される。更に、オンラインストレージ等、他のクラウドサービス等との連携によって、完結されるサービスもある。なお、「サーバアプリ」という用語は、サービス提供装置20側のアプリケーションプログラムを機器10側のアプリケーションプログラム(例えば、後述されるスキャン機器アプリ125)と区別するために便宜上用いた用語である。
図4では、サーバアプリ210の一例として、スキャンサーバアプリ211が示されている。スキャンサーバアプリ211は、ScanToStorageサービスに関する処理を実行するサーバアプリ210である。
プラットフォーム220は、複数のサーバアプリ210に共通する機能、又は複数のサーバアプリ210から利用される基本機能等を含む。図4において、プラットフォーム220は、設定登録部221、機器通信部222、認証処理部223、セッション管理部224、ジョブ処理部225、OCR処理部226、アップロード処理部227、及びストレージ連携部228等を含む。これら各部の機能は、プラットフォームAPI240を介してサーバアプリ210に公開されている。換言すれば、サーバアプリ210は、プラットフォームAPI240によって公開されている範囲においてこれら各部の機能を利用可能である。
設定登録部221は、ScanToStorageサービス等、サービス提供装置20が提供するサービスの利用開始時に必要とされる設定登録処理を実行する。設定登録部221によって、ユーザ情報記憶部231、機器情報記憶部232、プロファイル記憶部234、プロファイル機器対応記憶部235に対して情報が登録される。
ユーザ情報記憶部231は、サービス提供装置20が提供するサービスのユーザに関する情報を記憶する。機器情報記憶部232は、ユーザにおけるシステム環境(すなわち、ユーザ環境E1)において、サービス提供装置20が提供するサービスと連携させる機器10に関する情報を記憶する。すなわち、ScanToStorageサービス等、サービス提供装置20によって提供されるサービスは、ユーザ環境E1における機器10との連携によって実現される。
機器アプリ記憶部233は、サーバアプリ210と機器10とを連携させるために、機器10にインストールされる必要の有るアプリケーションプログラム(以下、「機器アプリ」という。)を記憶する。プロファイル記憶部234は、プロファイルを記憶する。プロファイルには、機器アプリの操作画面の構成情報や、操作画面に対する操作に応じて実行される処理に関する情報等が含まれる。プロファイル機器対応記憶部235は、プロファイルと機器10との対応情報を記憶する。すなわち、同一の機器アプリに対する操作画面に関して、機器10ごとに異なるプロファイルを対応付けることができる。
機器通信部222は、機器10との通信を制御する。認証処理部223は、管理者端末30のユーザ又は機器10のユーザの認証等を行う。また、認証処理部223は、例えば、ScanToStorageサービスの実行時において、オンラインストレージシステム40に対するログイン処理を代行する。セッション管理部224は、サービス提供装置20と機器10との連携時において、両者の通信のセッションを管理する。
ジョブ処理部225は、サーバアプリ210から要求されるジョブの実行を制御する。OCR処理部226は、サーバアプリ210から要求されるジョブがOCR処理である場合に、処理対象の画像データに対してOCR処理を実行する。アップロード処理部227は、サーバアプリ210から要求されるジョブがネットワークを介したデータのアップロードある場合に、当該アップロードを実行する。オンラインストレージシステム40へのデータの保存は、アップロードの一形態である。
ストレージ連携部228は、オンラインストレージシステム40との連携を行う。
なお、図4では、機器10以外にサービス提供装置20と通信可能な機器の一例として、携帯端末、PC、会議システム、画像投影装置、及びICレコーダや、その他の新規デバイス等が例示されている。
また、図4に示される各ソフトウェア及び各記憶部の分類形態は、一例であり、本実施の形態を実施するために、サービス提供装置20の各ソフトウェア及び各記憶部が、図4に示されるような階層で分類されていることは必須ではない。すなわち、機器10等が、サーバアプリ210と連携可能であれば、サービス提供装置20におけるソフトウェア及び記憶部の階層関係等は、特定のものに限定されない。
図5は、第一の実施の形態における機器の機能構成例を示す図である。図5において、機器10は、機器制御部121、機器認証部122、通信部123、及び表示制御部124等を有する。これら各部は、機器10にインストールされた一以上のプログラムが、CPU111に実行させる処理により実現される。
機器制御部121は、機器10のハードウェアの制御を行う。機器認証部122は、機器10の操作者を認証するための処理を実行する。通信部123は、ネットワークを介した通信を制御する。表示制御部124は、操作パネル15に対する画面の表示等を行う。
図5には、また、スキャン機器アプリ125が破線によって示されている。スキャン機器アプリ125は、機器アプリの一つであり、ScanToStorageサービスにおいて、機器10をサービス提供装置20と連携させるために機器10にインストールされる。なお、機器アプリは、機器10にインストール可能なものであればよく、サーバアプリとしても機能可能なアプリケーションプログラムが機器アプリとして機器10にインストールされてもよい。
本実施の形態においてスキャン機器アプリ125は、当初から機器10にインストールされているのではなく、ScanToStorageサービスを利用するための準備作業において機器10にインストールされる。スキャン機器アプリ125が破線によって示されているのは、斯かる事情を表現したものである。但し、スキャン機器アプリ125は、当初から機器10にインストールされていてもよい。
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。ユーザ環境E1において、ScanToStorageサービスを利用可能とするためには、サービス提供装置20に対するユーザ環境E1に関する各種情報の登録や、及びスキャン機器アプリ125の機器10への導入等といった準備作業が必要とされる。そこで、まず、準備作業に伴って実行される処理手順について説明する。なお、準備作業は、ユーザ環境E1における機器10の管理者(以下、単に「管理者」という。)によって管理者端末30を利用して行われる。
図6は、準備作業に伴って実行される処理手順の一例を説明するための図である。
ステップS101において、管理者端末30は、管理者より入力される指示に応じ、組織登録要求をサービス提供装置20に送信する(S101)。組織登録要求とは、サービス提供装置20が提供するサービスを利用する組織に関する情報の登録要求をいう。例えば、一つの企業が一つの組織となりうる。また、一つの企業を構成する一つの部署が、一つの組織であってもよい。すなわち、一つの企業内に、複数の組織が存在してもよい。本実施の形態では、一つのユーザ環境E1が、一つの組織であってもよい。また、組織は、企業に関する組織でなくてもよく、任意の団体又はサークル等であってもよい。また、一人が構成する組織であってもよい。
組織登録要求の指示は、例えば、次のような画面を介して入力される。
図7は、準備作業時に管理者端末に表示される画面の遷移例を示す図である。準備作業の開始時において、管理者端末30には、図7に示されるポータル画面510が表示されている。ポータル画面510は、サービス提供装置20が提供するサービスへの窓口としての画面である。なお、図7に示される各種画面は、例えば、サービス提供装置20より提供されるHTMLデータ等を含むWebページに基づいて表示される。すなわち、以下においては、便宜上省略されているが、各画面への遷移時には、管理者端末30とサービス提供装置20との間でHTTP(HyperText Transfer Protocol)通信が行われる。
ポータル画面510は、新規アカウント作成ボタン511、ログイン情報入力領域512、及びログインボタン513等を含む。
組織登録を行う場合、管理者は、新規アカウント作成ボタン511を押下する。新規アカウント作成ボタン511が押下されると、新規アカウント申し込み画面520が管理者端末30に表示される。なお、図7において、或る画面のボタンから他の画面への矢印は、当該ボタンが押下されることにより、表示対象が当該他の画面へ遷移することを示す。
新規アカウント申し込み画面520において、管理者のユーザ名、パスワード、及びメールアドレスが入力されて申し込みボタン521が押下されると、管理者端末30は、当該ユーザ名、パスワード及びメールアドレス等を含む組織登録要求をサービス提供装置20に送信する。
サービス提供装置20において組織登録要求が受信されると、設定登録部221は、ユーザ情報記憶部231に対して、組織登録要求に含まれている情報等を登録する(S102)。
図8は、ユーザ情報記憶部の構成例を示す図である。図8において、ユーザ情報記憶部231の各レコードは、組織ID、ユーザ名、パスワード、ロール、カードID、ストレージアカウント情報、及び購入アプリ等の項目を含む。
組織IDは、ユーザ環境E1ごと、すなわち、サービス提供装置20が提供するサービスを利用する企業ユーザ等の組織ごとに割り当てられる識別子である。ユーザ名、パスワード、ロール、及びカードIDは、組織IDに係る組織の構成員である各個人のユーザ(以下、「構成員ユーザ」という。)のユーザ名、パスワード、ロール、及びカードIDである。
ロールは、構成員ユーザの中で管理者を識別するための項目である。すなわち、管理者である構成員ユーザには、「管理者」が登録され、管理者以外の構成員ユーザには、「利用者」が登録される。カードIDは、構成員ユーザが、機器10にログインする際に利用する、ICカードの識別子である。ストレージアカウント情報は、組織IDに係る組織が利用するオンラインストレージに対するアカウント情報である。当該アカウント情報は、機器10においてスキャンされた画像データをオンラインストレージシステム40に保存する際に、オンラインストレージシステム40に提示される認証情報として利用される。購入アプリは、組織IDに係る組織において購入されているアプリケーションの識別子(以下、「アプリID」という。)の一覧である。図8では、便宜上、アプリケーションの名前が記載されているが、アプリIDは、数字やアルファベットの羅列等であってもよい。
なお、ユーザ情報記憶部231において、ユーザ名が記憶されていないレコードは、組織(ユーザ環境E1)に対応するレコード(以下、「組織レコード」という。)である。ユーザ名が記憶されているレコードは、構成員ユーザに対応するレコード(以下、「構成員レコード」という。)である。本実施の形態において、ストレージアカウント情報及び購入アプリは、組織レコードにおいて有効な項目である。但し、ストレージアカウント情報に関しては、構成員レコードにおいて有効とされてもよい。なお、構成員レコードの中で、ロールが管理者であるレコードを、以下「管理者レコード」といい。ロールが利用者であるレコードを、以下「利用者レコード」という。
ステップS102では、1つの組織レコードと、1つの管理者レコードとが生成される。組織レコードには、組織IDが登録される。すなわち、組織レコードの生成に伴って、組織IDが割り当てられる。また、管理者レコードには、組織ID、ユーザ名、パスワード、及びロール等が登録される。管理者レコードの組織IDには、生成された組織レコードの組織IDと同じ値が登録される。ユーザ名及びパスワードには、組織登録要求に含まれているユーザ名又はパスワードが登録される。ロールには、「管理者」が登録される。
組織レコード及び管理者レコードの他の項目や、利用者レコード等については、後述の処理において登録又は生成が行われる。
続いて、設定登録部221は、例えば、組織登録が正常に行われたことを通知する電子メール(以下、「登録通知メール」という。)を、組織登録要求に含まれているメールアドレス宛に送信する。登録通知メールには、例えば、割り当てられた組織IDが含まれている。但し、組織登録が正常に行われたことは、例えば、組織登録要求を含むHTTPリクエストに対するHTTPレスポンスに含まれていてもよい。また、組織IDは、新規アカウント申し込み画面520において、ユーザによって指定されてもよい。
組織登録が正常に終了すると、管理者は、ポータル画面510におけるログイン情報入力領域512に対して、登録された組織ID、ユーザ名、及びパスワードを入力し、ログインボタン513を押下する。ログインボタン513の押下に応じ、管理者端末30は、ログイン要求をサービス提供装置20に送信する(S103)。ログイン要求には、ログイン情報入力領域512に入力された組織ID、ユーザ名、及びパスワードが含まれている。
ログイン要求に応じ、サービス提供装置20の認証処理部223は、ログイン要求に含まれているログインID、ユーザ名、及びパスワードを含み、ロールの値が「管理者」であるレコードがユーザ情報記憶部231に記憶されているか否かに基づいて、ログイン要求に係るユーザの認証を行う。該当するレコードが記憶されている場合、認証は成功する(S104)。該当するレコードが記憶されていない場合、認証は失敗する。認証が成功した場合、設定登録部221は、ログイン要求に含まれているユーザ名に係る管理者専用のポータル画面(以下、「管理者ポータル画面530」という。)を表示させるWebページを返信する。以下、ログインした管理者を、「ログイン管理者」という。
管理者端末30は、返信されたWebページに基づいて管理者ポータル画面530を表示させる。図7に示されるように、管理者ポータル画面530は、連携ボタン531、マーケットプレースボタン532、プロファイル設定ボタン533、機器登録領域534、及び利用者登録領域535等を含む。
ここでは、管理者は、機器登録領域534のテキストボックス534tに、ScanToStorageサービスに連携させる各機器10に関する情報(以下、「機器情報という。」という。)が記述されたファイル(以下、「機器情報ファイル」という。)のファイル名を入力し、登録ボタン534bを押下する。
一台の機器10に関する機器情報は、例えば、機体番号、機体名、機体種類、及び設置場所等の項目を含む。これらの項目の値が、例えば、図9に示されるような形式で機器情報ファイルに記述されている。
図9は、機器情報ファイルにおける機器情報の記述例を示す図である。図9では、各項目の値が、カンマによって区切られた、CSV(Comma Separated Values)形式によって、機器情報が記述された例が示されている。但し、機器情報ファイルにおける機器情報の記述形式は、CSV形式に限定されない。XML(eXtensible Markup Language)形式であってもよいし、他の形式であってもよい。
なお、機体番号とは、各機器10の機体(個体)の識別情報である。例えば、製造番号又はシリアル番号が機体番号として用いられてもよい。機体名は、機種名とほぼ同義である。機体種類は、機種名に係る機種の機能を端的に示す情報である。設置場所は、ユーザ環境E1において機器10が設置されている場所である。
機器情報ファイルのファイル名がテキストボックス534tに入力され、登録ボタン534bが押下されると、管理者端末30は、機器情報ファイルに記述されている機器情報を含む機器登録要求を、サービス提供装置20に送信する(S105)。
サービス提供装置20の設定登録部221は、機器登録要求の受信に応じ、機器登録要求に含まれている機器情報を、ログイン管理者に係る組織IDに対応付けて、機器情報記憶部232に登録する(S106)。
図10は、機器情報記憶部の構成例を示す図である。図10において、機器情報記憶部232は機器10ごとにレコードを記憶する。各レコードは、組織ID、機体番号、機体名、機体種類、及び設置場所等の項目を含む。機器情報記憶部232によって、各機器10と組織との関連付けが保持される。
続いて、管理者は、ScanToStorageサービスを受けるために、機器10にインストールする必要のある機器アプリであるスキャン機器アプリ125を購入すべく、管理者ポータル画面530(図7)のマーケットプレースボタン532を押下する。マーケットプレースボタン532の押下に応じ、管理者端末30には、マーケットプレース画面540が表示される。
図7に示されるように、マーケットプレース画面540は、機器アプリ記憶部233に記憶されている機器アプリごとに、ボタンを含む。図7では、三つの機器アプリに対応するボタン541〜543が含まれている例が示されている。このうち、ボタン541は、スキャン機器アプリ125に対応するボタンである。
ここでは、スキャン機器アプリ125が購入対象であるため、ボタン541が管理者によって押下される。ボタン541の押下に応じ、管理者端末30は、スキャン機器アプリ125のアプリIDを含むアプリ購入要求を、サービス提供装置20に送信する(S107)。
サービス提供装置20の設定登録部221は、アプリ購入要求の受信に応じ、当該要求に含まれているアプリIDを、ユーザ情報記憶部231において、ログイン管理者に係る組織IDに対応する組織レコードの購入アプリの項目に記憶する(S108)。例えば、図8において、組織ID=123に対応する組織レコードの購入アプリの項目における「スキャン機器アプリ」は、このタイミングで登録される。
続いて、機器通信部222は、アプリ購入要求に含まれているアプリIDに対応するスキャン機器アプリ125を機器アプリ記憶部233より取得し、アプリ購入要求元のログイン管理者に係る組織IDに属する機器10に配信する(S109)。当該組織IDに属する機器10とは、機器情報記憶部232において当該組織IDに対応付けられている機器10である。
なお、通常、ユーザ環境E1にはファイアーウォールが設置されているため、サービス提供装置20からユーザ環境E1内の各機器10に対して、スキャン機器アプリ125を送り付けることはできない。そこで、例えば、機器10の通信部123からのポーリングに対する応答において、スキャン機器アプリ125が返信されてもよい。
すなわち、各機器10には、サービス提供装置20との連携のために、サービス提供装置20のIPアドレスや、機器通信部222に対するポート番号等が設定されている。各機器10の通信部123は、例えば、定期的に当該IPアドレス及び当該ポート番号宛に、何らかの事象の発生の有無を問い合わせるためのポーリングを行う。当該問い合わせには、例えば、機体番号が含まれる。サービス提供装置20の機器通信部222は、当該問い合わせに指定されている機体番号が、スキャン機器アプリ125の購入元の組織IDに対応付いている機体番号であれば、スキャン機器アプリ125を返信する。
但し、ユーザ環境E1とサービス提供装置20との間にファイアーウォールが存在しない場合、機器通信部222が、各機器10に対してスキャン機器アプリ125を送り付けてもよい。この場合、機器情報記憶部232に記憶される機器情報には、機器10のIPアドレス及びポート番号等が含まれるようにしてもよい。
スキャン機器アプリ125を受信した各機器10は、スキャン機器アプリ125を機器10内に配置(インストール)する(S110)。
続いて、管理者端末30において、マーケットプレース画面540の戻るボタン544が管理者によって押下されると、マーケットプレース画面540は非表示となり、管理者端末30には、管理者ポータル画面530が表示される。
続いて、管理者は、ScanToStorageサービスにおいて連携するオンラインストレージに対するアカウント情報を登録すべく、管理者ポータル画面530の連携ボタン531を押下する。連携ボタン531の押下に応じ、管理者端末30は、ストレージ連携画面610を表示させる。
図11は、連携先のストレージのアカウント情報を登録させるための画面の遷移例を示す図である。
図11において、ストレージ連携画面610は、連携先ストレージ表示領域611、連携先入力領域612、及び追加ボタン613等を含む。連携先ストレージ表示領域611は、連携先として選択されたオンラインストレージの名前(以下、「ストレージ名」という。)が表示される領域である。既に、連携先として選択されているオンラインストレージが有る場合、当該オンラインストレージのストレージ名が表示される。連携先入力領域612は、連携先とするオンラインストレージ(以下、「連携先ストレージ」という。)のストレージ名を入力させるための領域である。
管理者によって、連携先入力領域612にストレージ名(「StorageA」)が入力され、追加ボタン613が押下されると、管理者端末30は、アカウント入力画面620を表示させる。管理者端末30は、アカウント入力画面620を介して、連携先ストレージに対するアカウント情報(ID(例えば、メールアドレス等)及びパスワード)の入力を、管理者より受け付ける。当該アカウント情報は、事前に、連携先ストレージに対するユーザ登録等によって作成されているものである。アカウント入力画面620においてID及びパスワードが入力され、ログインボタン621が押下されると、管理者端末30は、当該ID及びパスワードに基づいて、連携先ストレージ(「StorageA」)に対してログインを行う。なお、ストレージ名に対応付けて、連携先ストレージへのログイン要求先のURL(Uniform Resource Locator)が予め管理者端末30に保存されていてもよいし、連携先入力領域612に対して当該URLが入力されるようにしてもよい。
ログインに成功すると、管理者端末30は、アクセス許否選択画面630を表示させる。アクセス許否選択画面630は、サービス提供装置20による連携先ストレージへのアクセスを許可するか否かを選択させる画面である。ボタン632(「許可しない」)が押下されると、管理者端末30における表示画面は、管理者ポータル画面530に遷移する。ボタン631(「アクセス許可」)が押下されると、管理者端末30は、連携先ストレージのアカウント登録要求をサービス提供装置20に送信する(S111)。当該アカウント登録要求には、ストレージ連携画面610に入力されたストレージ名、及びアカウント入力画面620に入力されたアカウント情報(ID及びパスワード)が含まれる。
サービス提供装置20の設定登録部221は、アカウント登録要求に応じ、ユーザ情報記憶部231(図8)において、ログイン管理者に係る組織IDに対応する組織レコードのストレージアカウント情報に、当該要求に含まれているストレージ名、ID、及びパスワードを登録する(S112)。図8には、組織ID=123に係る組織レコードに対して、StorageAのストレージ名と、StorageAに対するID及びパスワードが登録された例が示されている。
なお、連携先ストレージ及び連携先ストレージに対するアカウント情報が、ユーザごとに設定可能とされてもよい。この場合、例えば、ストレージ連携画面610又はアカウント入力画面620において、一以上のユーザ名を入力可能な領域が設けられてもよい。当該領域に入力されたユーザ名は、アカウント登録要求に含まれてサービス提供装置20に送信される。サービス提供装置20の設定登録部221は、アカウント登録要求に含まれているユーザ名に対応する構成員レコードのストレージアカウント情報に、当該要求に含まれているストレージ名、ID、及びパスワードを登録する。
アカウント登録要求に応じたサービス提供装置20における登録処理が成功すると、管理者端末30には、ストレージ連携画面610aが表示される。ストレージ連携画面610aの連携先ストレージ表示領域611には、連携先ストレージのストレージ名が表示される。なお、続けて他のオンラインストレージに関するアカウント情報の登録等が行われてもよい。すなわち、一つの組織レコード又は構成員レコードに対して、複数のオンラインストレージに対するアカウント情報が登録されてもよい。
続いて、管理者は、ユーザ環境E1において、ScanToStorageサービスの利用を許可する構成員ユーザの登録を行う。具体的には、管理者は、管理者ポータル画面530(図7)の利用者登録領域535のテキストボックス535tに、当該構成員ユーザに関する情報(以下「ユーザ情報」という。)が記述されたファイル(以下、「ユーザ情報ファイル」という。)のファイル名を入力し、登録ボタン535bを押下する。
一人の構成員ユーザに関するユーザ情報は、例えば、ユーザ名、パスワード、及びカードID等の項目を含む。これらの項目の値が、例えば、図12に示されるような形式でユーザ情報ファイルに記述されている。
図12は、ユーザ情報ファイルにおけるユーザ情報の記述例を示す図である。図12では、各項目の値が、カンマによって区切られた、CSV形式によって、ユーザ情報が記述された例が示されている。但し、ユーザ情報ファイルにおけるユーザ情報の記述形式は、CSV形式に限定されない。XML(eXtensible Markup Language)形式であってもよいし、他の形式であってもよい。
ユーザ情報ファイルのファイル名がテキストボックス535tに入力され、登録ボタン535bが押下されると、管理者端末30は、ユーザ情報ファイルに記述されているユーザ情報を含むユーザ登録要求を、サービス提供装置20に送信する(S113)。
サービス提供装置20の設定登録部221は、ユーザ登録要求に含まれているユーザ情報を、ログイン管理者に係る組織IDに対応付けて、ユーザ情報記憶部231に登録する(S114)。すなわち、ユーザ情報ごとに新たな利用者レコードが生成され、各利用者レコードに対して、一つのユーザ情報が登録される。図8の例では、ユーザ名が、B、C、又はDのレコードがステップS114において登録される。なお、管理者に関するユーザ情報が、ユーザ登録要求に含まれていてもよい。管理者に関するユーザ情報とは、ユーザ名が、管理者レコードのユーザ名と一致するユーザ情報をいう。この場合、ユーザ登録要求に含まれているユーザ情報によって、管理者レコードの内容が更新されてもよい。例えば、管理者のカードIDが、このタイミングで登録されてもよい。
続いて、管理者は、ScanToStorageサービスの利用に際して、各機器10の操作パネル15に表示される操作画面の構成情報であるプロファイルの編集作業等を行う。本実施の形態におけるプロファイルは、スキャン機器アプリ125の操作画面に関する情報であり、画面上のボタンのレイアウトや、ボタンごとに、スキャンの読み取り条件、スキャンされた画像データに対する加工処理、及び保存先(配信先)とするストレージ等に関する情報を含む。
図13は、プロファイルの概念モデルを説明するための図である。図13に示されるように、各機器10は、一つのプロファイルを有する。但し、機器10ごとに異なるプロファイルが設定されてもよいし、例えば、ユーザごとに異なるプロファイルが一つの機器10に設定されてもよい。
プロファイルは、一以上のグループを含む。グループとは、操作画面において、例えば、タブウィンドウに対応する概念である。図13では、グループの具体例として、「営業」及び「開発」が示されている。これらは、それぞれ営業タブウィンドウ又は開発タブウィンドウを示す。
一つのグループは、一以上のプロジェクト及び画面レイアウト情報を含む。プロジェクトは、例えば、タブウィンドウ上に配置されるボタン等の操作部品に対応する概念である。図13では、プロジェクトの具体例として「伝票」、「日報」、「商品情報」及び「顧客情報」等が示されている。これらは、例えば、営業タブウィンドウに配置される各ボタンのラベルを示す。
画面レイアウト情報は、一つのタブウィンドウ内における操作部品(ボタン)の配置位置や大きさ等を示す情報である。
一つのプロジェクトは、読み取り条件、ストレージ連携情報、及び加工情報等を有する、又はこれらの情報に対応付けられる。読み取り条件は、スキャン時の読み取り条件である。ストレージ連携情報とは、スキャンされた画像データに関して、いずれのオンラインストレージのいずれのフォルダを保存先とするか等を示す情報である。加工情報は、スキャンされた画像データに関して、保存前に行われる加工処理(画像処理)に関する情報である。
管理者ポータル画面530(図7)において、プロファイル設定ボタン533が押下されると、管理者端末30には、プロファイル設定画面550が表示される。図7に示されるように、プロファイル設定画面550は、プロファイル編集ボタン551及び機器設定ボタン552を含む。管理者によって、プロファイル編集ボタン551が選択されると、管理者端末30には、プロファイル設定画面550上に、プロファイル編集画面710が表示される。
図14は、プロファイル編集画面の表示例を示す図である。図14において、プロファイル編集画面710は、プロファイル名入力領域711、編集対象画面表示領域712、ボタン編集領域713、編集ボタン714〜717、及び登録ボタン718等を含む。
プロファイル名入力領域711は、プロファイル名の入力を受け付ける領域である。編集対象画面表示領域712は、編集対象とされている画面(スキャン機器アプリ125の操作画面)が表示される領域である。図14では、図13に示した概念モデルに対応した画面例が表示されている。すなわち、営業タブウィンドウ及び開発タブウィンドウを含み、営業タブウィンドウ内に、日報ボタン、顧客情報ボタン、商品情報ボタン、及び伝票ボタン等を含む画面が編集対象とされた例が示されている。
編集ボタン714〜717は、新たなタブウィンドウの追加、編集対象とされているタブウィンドウの削除、編集対象とされているタブウィンドウに対するボタンの追加、編集対象とされているタブウィンドウにおいて選択されているボタンの削除等を行わせるためのボタンである。
なお、編集対象画面表示領域712の初期状態は、一つのタブウィンドウに一つのボタンが配置された状態であってもよいし、予め雛型として作成されているプロファイルに基づく状態であってもよい。
編集対象画面表示領域712において、選択されたボタン(以下、「対象ボタン」という。)は、削除ボタン717、又はボタン編集領域713の編集対象となる。ボタン編集領域713は、例えば、読み取り条件設定領域7131、加工情報設定領域7132、及びストレージ連携情報設定領域7133等を含む。
読み取り条件設定領域7131は、対象ボタンが押下された場合に実行されるスキャンに関する読み取り条件の設定を受け付ける領域である。図14では、両面、解像度、及びファイル形式が設定項目の一例として示されているが、カラーモード等、他の項目の設定が可能とされてもよい。
加工情報設定領域7132は、対象ボタンの押下に応じてスキャンされた画像データに対して実行する加工処理の設定を受け付ける領域である。図14では、OCR(Optical Character Recognition)が設定された例が示されている。この場合、OCRの結果が保存対象とされる。OCRの他に、OCR結果の翻訳、画像データのデータ形式の変換等が加工処理として設定されてもよい。また、複数の加工処理の組み合わせの設定が可能とされてもよい。
ストレージ連携情報設定領域7133は、対象ボタンの押下に応じて、スキャンされ、必要に応じて加工処理が施されたデータの保存先に関する設定を受け付けるための領域である。図14では、保存先とするオンラインストレージのストレージ名、及び当該オンラインストレージにおけるフォルダ名が設定可能とされた例が示されている。なお、保存先として選択可能なストレージ名は、ログイン管理者に係る組織IDに対応する組織レコード(図8)のストレージアカウント情報に登録されているストレージ名である。また、フォルダ名は、対象ボタンのボタン名(ラベル)となる。すなわち、フォルダ名が変更されると、対象ボタンのボタン名は変更される。但し、ボタン名とフォルダ名とは必ずしも一致していなくてもよい。
プロファイル編集画面710において必要な編集が完了し、登録ボタン718が押下されると、管理者端末30は、プロファイル編集画面710における編集内容を含むプロファイル登録要求をサービス提供装置20に送信する(S115)。サービス提供装置20の設定登録部221は、プロファイル登録要求に応じ、当該登録要求に含まれている情報を、ログイン管理者に係る組織IDに対応付けて、プロファイル記憶部234に登録する(S116)。
図15は、プロファイル記憶部の構成例を示す図である。プロファイル記憶部234は、プロファイルごとに、組織ID、プロファイル名、グループ、及びプロジェクト等の項目を有する。
組織IDは、プロファイルが属する組織の組織IDである。プロファイル名は、プロファイルの名前である。グループは、プロファイルに含まれるグループである。一つのプロファイルに対するレコード内に、グループごとのレコード(以下、「グループレコード」という。)が形成される。プロジェクトは、グループに含まれるプロジェクトである。一つのグループレコード内に、プロジェクトごとのレコード(以下、「プロジェクトレコード」という。)が形成される。
一つのグループレコードは、グループ名及びレイアウト情報及び1以上のプロジェクトレコードを含む。グループ名は、グループの識別名であり、グループに対応するタブウィンドウのタブに表示されるラベルでもある。レイアウト情報は、グループに対応するタブウィンドウ内における各ボタンの配置情報である。
一つのプロジェクトレコードは、プロジェクト名、読み取り条件、加工情報、及びストレージ連携情報等を含む。プロジェクト名は、プロジェクトの識別名であり、プロジェクトが対応するボタンのラベルでもある。本実施の形態において、プロジェクト名は、ストレージ連携情報のフォルダ名に一致する。他の項目については、プロファイル編集画面710(図14)において説明した通りである。
続いて、管理者によって、プロファイル設定画面550(図7)の機器設定ボタン552が押下されると、管理者端末30には、プロファイル機器設定画面720が表示される。
図16は、プロファイル機器設定画面の表示例を示す図である。プロファイル機器設定画面720は、プロファイルと各機器10との対応付けを設定させるための画面である。図16に示されるように、プロファイル機器設定画面720には、ログイン管理者に係る組織IDに対応付けられて機器情報記憶部232に機器情報が記憶されている機器10ごとに、機器情報及びプロファイル名入力領域721が表示される。管理者は、プロファイル名入力領域721に対して、各機器10に対応付ける(各機器10において利用される)プロファイルのプロファイル名を入力し、登録ボタン722を押下する。
登録ボタン722の押下に応じ、管理者端末30は、プロファイル機器設定画面720における設定内容(例えば、機体番号とプロファイル名との組み合わせ)を含む登録要求をサービス提供装置20に送信する。サービス提供装置20の設定登録部221は、当該登録要求に含まれている情報を、プロファイル機器対応記憶部235に登録する。
図17は、プロファイル機器対応記憶部の構成例を示す図である。プロファイル機器対応記憶部235は、機体番号、プロファイル名、及び機器アプリのアプリIDを対応付けて記憶する。対応付けられるアプリIDは、マーケットプレース画面540(図7)において選択された機器アプリのアプリIDである。すなわち、設定登録部221は、当該機器アプリのアプリIDを、ログイン管理者に対応付けてメモリ装置203等に記憶しておき、プロファイル機器設定画面720における設定内容の登録要求に応じ、当該アプリIDを当該設定内容に対応付けてプロファイル機器対応記憶部235に記憶する。
続いて、管理者ポータル画面530(図7)のログアウトボタン536が押下されると(S117)、管理者端末30は、サービス提供装置20に対してログアウト要求を送信する。ログアウト要求の受信に応じ、サービス提供装置20は、ログイン管理者のログイン状態を解除する。
以上でScanToStorageサービスを利用するための管理者による準備作業は完了する。続いて、構成員ユーザによって、ScanToStorageサービスが利用される際に、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。
図18は、第一の実施の形態におけるScanToStorageサービス利用時の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図18の説明において、操作対象とされる機器10を、単に「機器10」といい、機器10を操作する或る構成員ユーザを、単に「ユーザ」という。また、図18の処理の開始時において、機器10には、いずれのユーザもログインしていない状態であるとする。
ユーザが、機器10にログインすべく、機器10の非図示のカードリーダにICカードを翳すと、機器認証部122は、カードリーダを介して当該ICカードよりカードIDを取得する(S201)。続いて、機器認証部122は、カードIDを含む認証要求をサービス提供装置20に送信する(S202)。
サービス提供装置20の認証処理部223は、認証要求の受信に応じ、認証要求に含まれているカードIDについて認証を行う。例えば、当該カードIDを含むレコードがユーザ情報記憶部231に記憶されていれば認証は成功したと判定されてもよい。または、機器10からカードIDと共に組織ID及び機体番号が送信されてもよい。この場合、組織ID、機体番号、及びカードIDの組み合わせに矛盾が無ければ、認証は成功したと判定されてもよい。認証が成功した場合、セッション管理部224は、機器10との間のセッションを開設する。セッション管理部224は、ユーザ情報記憶部231において、当該カードIDに対応付けられている組織ID及びユーザ名を、当該セッションに対応付けてメモリ装置203に記憶する。セッション管理部224は、また、当該セッションの識別情報であるトークン(例えば、cookie)を生成する。認証処理部223は、当該トークンを認証の成功を示す応答に含めて機器10の機器認証部122に返信する(S203)。
機器認証部122は、認証成功の応答の受信に応じ、当該応答に含まれているトークンを、RAM112に記憶する。機器認証部122は、また、ユーザの操作を可能とするため、操作パネル15に対する利用制限(ロック)を解除する(S204)。利用制限が解除されることにより、ユーザは、操作パネル15を介して機器10の操作が可能となる。
続いて、機器認証部122は、機器10内で起動している各アプリケーションに対して、ログインの成功を通知する。本実施の形態では、スキャン機器アプリ125にもログインの成功が通知される(S205)。ログインの成功の通知には、トークンが添付される。したがって、スキャン機器アプリ125は、当該通知を介してトークンを入手する。
続いて、ユーザによる操作パネル15を介した操作によって、スキャン機器アプリ125が利用対象として選択されると、スキャン機器アプリ125は、自らのアプリID、トークン、及び機器10(自機)の機体番号等を指定して、プロファイルの取得要求を、サービス提供装置20のスキャンサーバアプリ211宛に送信する(S206)。サービス提供装置20のセッション管理部224は、当該取得要求を中継する。中継に際し、セッション管理部224は、当該取得要求に含まれているトークンを、当該トークンによって識別されるセッションの組織ID及びユーザ名に変換して、当該取得要求をスキャンサーバアプリ211に転送する(S207)。なお、セッション管理部224は、不正なトークンを含む要求については、拒絶する。
続いて、スキャンサーバアプリ211は、当該取得要求に指定されているアプリID及び機体番号に対応付いているプロファイル名を、プロファイル機器対応記憶部235(図17)を参照して特定する。スキャンサーバアプリ211は、更に、特定されたプロファイル名、及びトークンから変換された組織IDによって識別されるプロファイルを、プロファイル記憶部234(図15)より取得し、取得されたプロファイルを、スキャン機器アプリ125に返信する(S208)。
スキャン機器アプリ125は、返信されたプロファイルに基づいて、操作画面を生成する(S209)。続いて、スキャン機器アプリ125は、当該操作画面を操作パネル15に表示させる(S210)。なお、厳密には、プロファイルに基づく操作画面の生成及び操作パネル15への表示は、表示制御部124によって実行される。
図19は、スキャン機器アプリの操作画面の表示例を示す図である。図19に示される操作画面810は、図14の編集対象画面表示領域712に示されている画面と同じである。
続いて、ユーザによって、操作画面810のボタンの中から、ユーザの業務に適したボタンが選択される(S211)。例えば、日報をスキャン対象とする場合、ボタン811が選択される。操作パネル15によってボタンの選択が通知されると(S212)、スキャン機器アプリ125は、選択されたボタン811(「日報」)に対応するグループ名、プロジェクト名、読み込み条件、及びストレージ連携情報等をRAM112に記憶する(S213)。当該読み込み条件及びストレージ連携情報等は、操作画面810の生成に用いられたプロファイルに含まれている。
続いて、ユーザによって、スキャン対象とされる日報の原稿が機器10にセットされ、操作パネル15上のスタートボタンが押下されると(S214)、操作パネル15は、スキャン機器アプリ125に対してスタートボタンの押下を通知する(S215)。スタートボタンの押下の通知に応じ、スキャン機器アプリ125は、機器制御部121を介して原稿のスキャンジョブを機器10に実行させる(S216)。すなわち、スキャナ12によって原稿から画像データが読み取られる。この際、読み取り条件は、ステップS213においてRAM112に記憶されたものが用いられる。したがって、日報のスキャンに適した読み取り条件によって、原稿のスキャンが実行され、画像データが生成される。
続いて、スキャン機器アプリ125は、当該画像データを、自らのアプリID、機体番号、選択されたボタンのグループ名及びプロジェクト名、並びにトークンと共にスキャンサーバアプリ211に送信(アップロード)する(S217)。セッション管理部224は、当該トークンを組織ID及びユーザ名に変換し、変換結果、アプリID、機体番号、グループ名及びプロジェクト名、並びに当該画像データをスキャンサーバアプリ211に転送する(S218)。
スキャンサーバアプリ211は、転送されたアプリID及び機体番号に対応するプロファイルを、プロファイル機器対応記憶部235及びプロファイル記憶部234に基づいて特定し、当該プロファイルにおいて、転送されたグループ名及びプロジェクト名に対応する加工情報及びストレージ連携情報を特定する。
スキャンサーバアプリ211は、当該加工情報及び当該ストレージ連携情報に応じた処理を示すジョブ(以下、「ジョブA」という。)の実行要求をジョブ処理部225に投入する(S219)。ここでは、加工情報は、OCR処理を実行することを示し、ストレージ情報は、StorageAの「/日報」フォルダへ保存(アップロード)することを示すこととする。また、ジョブには、機器10に係る組織ID、ユーザ名、及びスキャンされた画像データが関連付けられる。なお、ジョブの実行要求は、RAM112に形成されているジョブキューに蓄積される。ジョブの実行は、ジョブの実行要求とは非同期に実行される。但し、ジョブの実行要求と同期的にジョブが実行されてもよい。
続いて、ジョブ処理部225は、ジョブキューよりジョブAを取り出すと、ジョブAに係る加工情報に基づいて、OCR処理をOCR処理部226に要求する(S220)。OCR処理部226は、画像データに関してOCR処理を実行し、処理結果としてのテキストデータを出力する(S221)。
続いて、ジョブ処理部225は、当該テキストデータと、ストレージ連携情報が示すストレージ名及びフォルダ名と、組織ID及びユーザ名とを指定して、アップロードの実行をアップロード処理部227に要求する(S222)。アップロード処理部227は、当該アップロードに応じた処理の実行を、ストレージ連携部228に要求する(S223)。
ストレージ連携部228は、指定されたストレージ名に係るオンラインストレージシステム40に対するログインを認証処理部223に要求する(S224)。ストレージ連携部228は、アップロード要求に指定された組織ID及びストレージ名を当該ログイン要求に指定する。認証処理部223は、当該組織IDに対応する組織レコードをユーザ情報記憶部231より取得し、当該組織レコードのストレージアカウント情報において、アップロード要求に係るストレージ名に対応付けられているアカウント情報(ID及びパスワード)を取得する。認証処理部223は、取得されたアカウント情報を用いて、例えば、StorageAに係るオンラインストレージシステム40(以下、単に「StorageA」という。)に対して認証要求を送信する(S225)。
StorageAは、当該認証要求に指定されたアカウント情報について認証に成功すると、StorageAへのアクセス用のトークンを返信する(S226)。認証処理部223は、返信されたトークンを、ストレージ連携部228に返却する(S227)。
続いて、ストレージ連携部228は、当該トークンを指定して、OCR処理によって得られたテキストデータについて、アップロード要求に指定されたストレージ名によって特定されるオンラインストレージ(StorageA)に対して保存要求を送信する(S228)。この際、アップロード要求に指定されたフォルダ名(/日報)が保存先のフォルダとして指定される。
その結果、StorageAの/日報に対して、当該テキストデータが保存される。
上述したように、第一の実施の形態によれば、機器10を、ScanToStorageサービスに連携させることができる。具体的には、ScanToStorageサービスに関する操作画面は、プロファイルという形態でサービス提供装置20に保存される。ScanToStorageサービスの利用時において、機器10は、プロファイルをサービス提供装置20より取得(ダウンロード)し、当該プロファイルに基づいて操作画面を表示させる。当該操作画面に対する操作(ボタンの押下等)に応じた処理は、プロファイルに含まれている定義に従って実行される。
したがって、例えば、組織内の各機器10を、同一のプロファイルに対応付けておけば、ユーザは、当該組織内のいずれの機器10からでも、同じサービスを受けることができる。又は、部署毎にプロファイルを変えることで、ユーザは、各部署の業務に適した態様で、ScanToStorageサービスを受けることができる。
なお、ユーザ環境E1の記憶装置に記憶されている画像データについて、同様のサービスが実現されてもよい。また、画像データの保存先は、必ずしも、オンラインストレージでなくてもよい。例えば、サービス提供装置20の補助記憶装置202におけるフォルダであってもよい。
次に、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第一の実施の形態と同様でもよい。
図20は、第二の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図20中、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図20において、ユーザ環境E1は、ファイルサーバ50を含む。第二の実施の形態において、ファイルサーバ50は、ScanToStorageサービスにおいてスキャンされた画像データの保存先とされる。ファイルサーバ50は、例えば、SMB(Server Message Block)又はFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコル等を用いてアクセス可能なコンピュータである。
すなわち、第二の実施の形態では、機器10から見て、ローカルな環境における装置が画像データの保存先となる。ローカルな環境とは、ユーザ環境E1のファイアーウォールF1内のネットワーク環境をいう。なお、図20において、オンラインストレージシステム40は、図示されていないが、このことは、第二の実施の形態と、オンラインストレージシステム40とが排他的な関係に有ることを示すものではない。第一の実施の形態と第二の実施の形態とが組み合わされて実施されてもよい。以下、ローカルな環境における画像データの保存先を、「ローカルストレージ」という。
第一の実施の形態では、機器10においてスキャンされた画像データは、機器10からサービス提供装置20に送信され、サービス提供装置20によって、オンラインストレージシステム40に送信されていた(図18のステップS223〜S228等参照)。オンラインストレージシステム40は、外部から要求を受け付けることを予定している。したがって、オンラインストレージシステム40は、サービス提供装置20から送信される画像データを受信することができる。
一方、ユーザ環境E1は、ファイアーウォールF1を有する。したがって、単に、ファイルサーバ50をオンラインストレージシステム40に置き換えて、第一の実施の形態と同様の処理手順を実行したとしても、サービス提供装置20からファイルサーバ50宛に送信される画像データは、ファイアーウォールF1によって遮断されてしまう。したがって、第一の実施の形態と同様の処理手順によって、ファイルサーバ50を、ScanToStorageサービスの保存先とするのは困難である。
第二の実施の形態では、以上のような課題を解決し、ファイルサーバ50を、ScanToStorageサービスにおける保存先とする例を説明する。
まず、第二の実施の形態においては、図11において説明した内容に関して拡張が行われる。
図21は、第二の実施の形態における連携先のストレージのアカウント情報を登録させるための画面の遷移例を示す図である。図21中、図11と同一部分には同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
図21において、ストレージ連携画面610は、更に、ストレージ種別選択領域614を含む。ストレージ種別選択領域614は、連携先とするストレージの種別を、例えば、ラジオボタンによって選択させるための領域である。本実施の形態では、一例として、「クラウドストレージ」、「SMB」、及び「FTP」が、連携先のストレージの種別の選択肢とされている。本実施の形態において、オンラインストレージシステム40は、「クラウドストレージ」に属する。すなわち、「クラウドストレージ」は、ユーザ環境E1の外部のストレージである。「SMB」は、SMBによってアクセス可能なローカルストレージである。「FTP」は、FTPによってアクセス可能なローカルストレージである。ファイルサーバ50は、「SMB」又は「FTP」に属する。
管理者によって、ストレージ種別として「クラウドストレージ」が選択された場合、第一の実施の形態と同様の処理が実行される。一方、管理者によって、例えば、ストレージ種別として「SMB」が選択され、連携先入力領域612にストレージ名(例えば、「SMB_1」)が入力された後、追加ボタン613が押下されると、管理者端末30は、図21に示される、SMB用アカウント入力画面620aを表示させる。
SMB用アカウント入力画面620aでは、保存先、ドメイン名、アカウント名、及びパスワードの入力が可能とされている。保存先は、SMBによってアクセスするローカルストレージの識別情報である。当該識別情報は、例えば、ホスト名又はIPアドレス等、SMBにおいて、保存先を特定可能な情報であればよい。ドメイン名、アカウント名、及びパスワードは、当該ローカルストレージに対するアクセスにおいて必要とされる、アカウント情報である。なお、ストレージ種別選択領域614において、「FTP」が選択された場合、SMB用アカウント入力画面620aの代わりに、FTP用アカウント入力画面が表示される。FTP用アカウント入力画面では、FTPによってアクセスするローカルストレージのIPアドレスと、当該ローカルストレージに対するアクセスに必要とされるアカウント情報の入力が可能とされる。
SMB用アカウント入力画面620aに対して、IPアドレス、ドメイン名、アカウント名、及びパスワードが入力され、追加ボタン621aが押下されると、管理者端末30は、連携先ストレージのアカウント登録要求をサービス提供装置20に送信する(図6のS111)。当該アカウント登録要求には、ストレージ連携画面610に入力されたストレージ名、及びSMB用アカウント入力画面620aに入力されたアカウント情報(IPアドレス、ドメイン名、アカウント名、及びパスワード等)が含まれる。
サービス提供装置20の設定登録部221は、アカウント登録要求に応じ、ユーザ情報記憶部231(図8)において、ログイン管理者に係る組織IDに対応する組織レコードのストレージアカウント情報に、当該要求に含まれているストレージ名、IPアドレス、ドメイン名、アカウント名、及びパスワード等を登録する(S112)。
図22は、第二の実施の形態におけるユーザ情報記憶部へのストレージアカウント情報の記憶例を示す図である。
図22では、組織レコードのストレージアカウント情報の2行目に、「SMB_1」に対するアカウント情報が登録された例が示されている。
以上の結果、プロファイル編集画面710のストレージ連携情報設定領域7133において、保存先として、「SMB_1」も選択肢となる。なお、「SMB_1」は、ファイルサーバ50に対するストレージ名であるとする。また、連携情報設定領域7133において、ファイルサーバ50におけるフォルダ名も設定される。したがって、プロファイル記憶部234は、例えば、図23に示されるようなプロファイルを記憶しうる。
図23は、第二の実施の形態におけるプロファイル記憶部のプロファイルの記憶例を示す図である。
図23に示されるプロファイル記憶部234では、「顧客情報」のプロジェクトレコードのストレージ連携情報に、「SMB_1」及びファイルサーバ50における保存先のフォルダ名が登録された例が示されている。
なお、プロジェクトごとに、当該プロジェクトにおいて保存先とされるストレージへのアカウント情報の登録が可能とされてもよい。この場合、プロファイル編集画面710のストレージ連携情報設定領域7133において、アカウント情報の入力領域が設けられてもよい。プロファイル記憶部234のプロジェクトレコードのストレージ連携情報には、ストレージ名及びフォルダ名に加え、アカウント情報(例えば、ドメイン名、アカウント名、及びパスワード)が登録されてもよい。
続いて、ScanToStorageサービス利用時の処理手順について説明する。図24は、第二の実施の形態におけるScanToStorageサービス利用時の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図24中、図18と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
ここでは、ステップS211において、保存先が「SMB_1(ファイルサーバ50)」である「顧客情報」プロジェクトに対応するボタンが押下されたこととする。したがって、ステップS213において、機器アプリ125は、選択されたボタンに対応するグループ名、プロジェクト名、読み込み条件、及びストレージ連携情報等をRAM112に記憶する。
続いて、ユーザによって、スキャン対象とされる顧客情報の原稿が機器10にセットされ、操作パネル15上のスタートボタンが押下されると(S214)、操作パネル15は、スキャン機器アプリ125に対してスタートボタンの押下を通知する(S215)。スタートボタンの押下の通知に応じ、スキャン機器アプリ125は、機器制御部121を介して原稿のスキャンジョブを機器10に実行させる(S216)。すなわち、スキャナ12によって原稿から画像データが読み取られる。この際、読み取り条件は、ステップS213においてRAM112に記憶されたものが用いられる。したがって、顧客情報のスキャンに適した読み取り条件によって、原稿のスキャンが実行され、画像データが生成される。
続いて、スキャン機器アプリ125は、ステップS213においてRAM112に記憶されたストレージ連携情報に基づいて、画像データの保存先のストレージ種別を判定する(S231)。例えば、ストレージ種別に応じて、ストレージ連携情報の構成が異なれば、当該構成に基づいて、ストレージ種別(クラウドストレージ、SMB、又はFTP等)を判定することができる。また、ストレージ連携情報の構成のみではストレージ種別を区別できない場合、ストレージ種別を示す文字列等がストレージ連携情報に含まれ登録されていてもよい。具体的には、ユーザ情報記憶部231のストレージアカウント情報にストレージ種別が登録され、当該ストレージ種別が、プロファイル記憶部234のストレージ連携情報に引き継がれて記憶されてもよい。なお、ユーザ情報記憶部231のストレージアカウント情報への登録時において、登録すべきストレージ種別の値は、ストレージ連携画面610(図21)のストレージ種別選択領域614における選択結果に基づいて判定可能である。
ストレージ種別が、「クラウドストレージ」である場合、例えば、図18のステップS217以降の処理が実行される。
ストレージ種別が、「SMB」又は「FTP」等、ローカルストレージに対応する種別である場合、スキャン機器アプリ125は、ステップS213においてRAM112に記憶されたストレージ連携情報によって特定される連携先のローカルストレージに対する接続確認を行う(S232)。本実施の形態では、ファイルサーバ50に対する接続確認が行われる。接続確認は、例えば、当該ストレージ連携情報に含まれているアカウント情報(ドメイン名、アカウント名、及びパスワード等)によるログインの可否が確認されることにより行われる。
接続が可能であることが確認された場合(例えば、正常にログインができた場合)、スキャン機器アプリ125は、原稿から読み取られた画像データを、ストレージ連携情報に含まれているフォルダ名に係るファイルサーバ50のフォルダへ送信する(S233)。この際、必要に応じて、アカウント情報(ドメイン名、アカウント名、及びパスワード等)が改めて送信されてもよい。また、接続確認を兼ねて画像データの送信が実行されてもよい。すなわち、ステップS232及びS233は、同一のステップにおいて実行されてもよい。
なお、アカウント情報に含まれているパスワードを、セキュリティ上の観点より、ユーザ環境E1の外部に設置されているサービス提供装置20に管理させたくないといったユーザの存在も考えられる。そこで、SMB用アカウント入力画面620aにおいて、パスワードの入力は省略されてもよい。この場合、ユーザ情報記憶部231(図22)のストレージアカウント情報や、プロファイル記憶部234(図23)のストレージ連携情報には、パスワードは記憶されない。したがって、例えば、スキャン機器アプリ125は、図24のステップS215に応じて、パスワードの入力画面を操作パネル15に表示させ、当該入力画面を介して、パスワードをユーザに入力させてもよい。ここで入力されたパスワードは、ドメイン名及びアカウント名等に対応付けて、機器10のHDD114等に記憶(キャッシュ)しておいてもよい。次回の図24の処理の実行時には、パスワード入力画面を表示させずに、ステップS213においてRAM112に記憶されたストレージ連携情報に含まれているドメイン名及びアカウント名等に対応付けられてキャッシュされているパスワードを利用して、ステップS232及びS233が実行されてもよい。
上述したように、第二の実施の形態によれば、画像データの保存先がローカルストレージである場合、機器10からローカルストレージに対して直接的に、画像データの送信が行われる。すなわち、サービス提供装置20を経由して画像データの保存が実行されない。したがって、ファイアーウォールF1が設置されていたとしても、ローカルストレージに対して画像データを保存することができる。また、ユーザから見た場合、オンラインストレージシステム40を保存先とする場合と同様の操作感によって、ローカルストレージに対して画像データを保存することができる。
また、ファイアーウォールF1が設置されておらず、サービス提供装置20からローカルストレージにアクセス可能な状態であっても、サービス提供装置20によって画像データの保存が中継される場合に比べて、画像データが保存されるまでの時間を短縮することができる。更に、ローカルストレージへの保存が頻繁に利用される場合に、サービス提供装置20に対するネットワーク負荷の増加を抑制することができる。
次に、第三の実施の形態について説明する。第三の実施の形態では、第二の実施の形態の利便性を向上させた例について説明する。したがって、特に言及されない点については、第二の実施の形態と同様でもよい。
第二の実施の形態では、図21に示されるSMB用アカウント入力画面620aにおいて、ユーザは、連携先のローカルストレージに関する識別情報(例えば、IPアドレス)を一文字ずつ手入力する必要が有る。そのため、ユーザは、予め連携先のローカルストレージのIPアドレスを調べておく等の作業が必要とされる。このようなユーザインタフェースは、ユーザビリティが高いとは言い難い。
第二の実施の形態において、このようなユーザインタフェースとなっているのは、SMB用アカウント入力画面620aが、サービス提供装置20の設定登録部221より提供されるWebページに基づいて表示されるものであることに起因する。すなわち、保存先として選択可能な装置の一覧情報を表示させようとする場合、設定登録部221は、ユーザ環境E1内のネットワークに接続されている装置を検索する必要がある。しかしながら、このような検索要求は、ファイアーウォールF1によって遮断されてしまう。したがって、設定登録部221は、ユーザ環境E1における装置の一覧情報を取得することができないのである。
第三の実施の形態では、以上のような課題を解決し、SMB用アカウント入力画面620aの操作性を改善した例を説明する。
図25は、第三の実施の形態における機器の機能構成例を示す図である。図25において、機器10は、更に、WebUI部126及び検索部127等を有する。WebUI部126は、Webページを介したユーザインタフェースをネットワークを介して提供する。本実施の形態において、WebUI部126は、管理者端末30に対し、Webページを介したユーザインタフェースを提供する。検索部127は、ユーザ環境E1のネットワークに接続された装置を検索する。
また、第三の実施の形態において、機器情報記憶部232は、例えば、図26に示されるような構成を有する。
図26は、第三の実施の形態における機器情報記憶部の構成例を示す図である。図26において、機器情報記憶部232の各レコードは、更に、リンク先URL及びアクセストークン等の項目を含む。
リンク先URLは、当該レコードに係る機器10のWebUI部126に対するルートのURLである。アクセストークンは、当該機器10に対するアクセス元の正当性を機器10が確認するためのデータである。なお、リンク先URLの値は、例えば、図6のステップS105及びS106における機器情報の登録時に、他の項目と同時に登録される。したがって、リンク先URLは、機器情報を構成する他の項目と共に機器情報ファイルに記述されていてもよい。アクセストークンは、図27に示される処理によって、機器情報記憶部232に登録される。
図27は、アクセストークンの登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。また、図28は、アクセストークンの登録処理において管理者端末に表示される画面の遷移例を示す図である。図27の処理は、図6の処理の終了後に実行されてもよいし、図6のステップS106〜S116の間に挿入されてもよい。
図27の処理の開始時において、管理者端末30には、図28に示されるアクセストークン登録画面810が表示されている。アクセストークン登録画面810には、機器情報記憶部232に機器情報が登録されている機器10ごとに、例えば、機体番号及び登録ボタン811等が表示される。なお、アクセストークン登録画面810は、サービス提供装置20の設定登録部221より提供されるWebページに基づいて、管理者端末30が表示させる。設定登録部221は、機器情報記憶部232を参照することにより、当該Webページを生成可能である。
アクセストークン登録画面810において、いずれかの機器10に対する登録ボタン811が押下されると、管理者端末30は、押下された登録ボタン811に対応する機器10(以下、「対象機器10」という。)の機体番号を、設定登録部221に送信する(S301)。機体番号の受信に応じ、設定登録部221は、図28に示されるアカウント情報入力画面820を表示させるWebページを、管理者端末30に返信する(S302)。管理者端末30は、当該Webページに基づいて、アカウント情報入力画面820を表示させる。
アカウント情報入力画面820において、管理者によって、対象機器10に対するアカウント情報(例えば、アカウント名及びパスワード)が入力され、OKボタン821が押下されると、管理者端末30は、入力されたアカウント情報を、設定登録部221に送信する(S303)。続いて、設定登録部221は、対象機器10のリンク先URLをリダイレクト先とするリダイレクト命令を管理者端末30に返信する(S304)。当該リダイレクト命令には、対象機器10に対するアカウント情報が含まれる。なお、設定登録部221は、ステップS301において受信された機体番号に基づいて、機器情報記憶部232より、対象機器10のリンク先URLを取得することができる。
続いて、管理者端末30は、リダイレクト命令に指定されたリダイレクト先である対象機器10のWebUI部126に対して、アカウント情報を送信する(S305)。対象機器10のWebUI部126は、当該アカウント情報の正当性を検証する(S306)。例えば、当該アカウント情報が、予め登録されているアカウント情報に合致すれば、当該アカウント情報は正しいと判定される。当該アカウント情報が正しい場合、WebUI部126は、当該アカウント情報に対応するアクセストークンを生成する(S307)。アクセストークンは、例えば、クッキーであってもよい。また、他の形式のデータであってもよい。いずれの場合であっても、アクセストークンは、当該アクセストークンを伴ったアクセス要求の送信元の正当性を確認可能なデータであればよい。WebUI部126は、生成されたアクセストークンを、例えば、RAM112に記憶しておく。
続いて、WebUI部126は、図28に示される接続確認画面830を表示させるWebページを、管理者端末30に返信する。(S308)。管理者端末30は、当該Webページに基づいて、接続確認画面830を表示させる。接続確認画面830は、対象機器10による、ユーザ環境E1の外部のネットワーク(より具体的には、サービス提供装置20)への接続の許否を問い合わせる画面である。
管理者によって、許可ボタン831が押下されると、管理者端末30は、接続要求を対象機器10のWebUI部126に送信する(S309)。対象機器10の通信部123は、当該接続要求に応じ、ステップS307において生成され、RAM112に記憶されているアクセストークンと、対象機器10の機体番号とが指定された、アクセストークンの登録要求を、サービス提供装置20の設定登録部221に送信する(S310)。設定登録部は、機器情報記憶部232において、当該機体番号に対応するレコードに、当該アクセストークンを登録する。
以上によって、アクセストークンの登録は完了する。続いて、連携先のストレージのアカウント情報の登録時の処理手順について説明する。
図29は、第三の実施の形態における連携先のストレージのアカウント情報の登録時の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。また、図30は、第三の実施の形態における連携先のストレージのアカウント情報を登録させるための画面の遷移例を示す図である。図30中、図21と同一部分には同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
図29の処理の開始時において、管理者端末30には、図30に示されるストレージ連携画面610が表示されている。
ストレージ連携画面610において、管理者によって、連携先入力領域612に対するストレージ名の入力、及びストレージ種別選択領域614におけるストレージ種別の選択が行われた後、追加ボタン613が押下されると、管理者端末30は、アカウント入力画面の取得要求を、サービス提供装置20の設定登録部221に送信する(S401)。ここでは、ストレージ種別として「SMB」が選択されたこととする。したがって、SMB用アカウント入力画面620aの取得要求が送信される。
当該取得要求に応じ、設定登録部221は、機器情報記憶部232において、ログイン管理者に係る組織ID対応付けられている機器情報のアクセストークンを含み、当該機器情報のリンク先URLをリダイレクト先とするリダイレクト命令を返信する(S402)。なお、当該リダイレクト命令には、クラウドURLも含まれる。クラウドURLとは、設定登録部221に対するURLである、
続いて、管理者端末30は、リダイレクト先である機器10のWebUI部126に対して、リダイレクト命令に含まれているアクセストークン及びクラウドURLを送信する(S403)。WebUI部126は、受信されたアクセストークンを検証する(S404)。アクセストークンが正しい場合、機器10の通信部123は、サービス提供装置20の機器通信部222との間で、双方向の通信路を確立する(S405)。当該通信路には、例えば、WebSocketが用いられてもよい。
続いて、WebUI部126は、ステップS403において受信されたクラウドURLをリダイレクト先とするリダイレクト命令を、管理者端末30に返信する(S406)。管理者端末30は、リダイレクト命令に従って、設定登録部221にアクセスする(S407)。設定登録部221は、当該アクセスに応じ、SMB用アカウント入力画面620aを表示させるWebページを返信する(S408)。管理者端末30は、当該Webページに基づいて、図30に示されるSMB用アカウント入力画面620aを表示させる。
図30に示されるSMB用アカウント入力画面620aは、参照ボタン622aを更に含む。管理者によって参照ボタン622aが押下されると、管理者端末30は、図30に示される参照画面640を表示させるWebページの取得要求を、サービス提供装置20の設定登録部221に送信する(S409)。
サービス提供装置20の機器通信部222は、当該取得要求に応じ、ステップS405において開設された通信路を利用して、装置の検索要求を、機器10の通信部123に送信する(S410)。当該通信路は、双方向の通信路であるため、当該検索要求は、ファイアーウォールF1によって遮断されることなく、機器10の通信部123に到達する。
通信部123によって検索要求が受信されると、機器10の検索部127は、ユーザ環境E1のネットワークに接続された装置を検索する(S411)。検索方法は、ブロードキャストを発行する等、公知技術を用いて行われてもよい。すなわち、検索対象の装置は、機器10と同じLANに接続されているため、機器10であれば、装置の検索を容易に行うことができる。
続いて、通信部123は、双方向の通信路を利用して、検索部127によって検索された装置の識別情報(例えば、IPアドレス又はホスト名等)の一覧(以下、「装置一覧」という。)を、サービス提供装置20の機器通信部222に返信する(S412)。続いて、サービス提供装置20の設定登録部221は、返信された装置一覧に基づいて、図30に示される参照画面640を表示させるWebページを生成する。設定登録部221は、当該Webページを、管理者端末30に返信する(S413)。管理者端末30は、当該Webページに基づいて、参照画面640を表示させる。参照画面640では、装置一覧が表示され、ラジオボタンによって、いずれか一つの装置が選択可能とされている。
参照画面640を介して、管理者によって、画像データの保存先とする装置(本実施の形態ではファイルサーバ50)が選択され、OKボタン641が押下されると、管理者端末30は、選択された装置の識別情報を、サービス提供装置20の設定登録部221に送信する(S414)。設定登録部221は、当該識別情報が保存先に設定されたSMB用アカウント入力画面620aを表示させるWebページを生成する。続いて、設定登録部221は、当該Webページを返信する(S415)。
管理者端末30は、当該Webページに基づいて、SMB用アカウント入力画面620aを表示させる。ここででは、図30において、参照画面640のOKボタン641から伸びる矢印の先に示されているように、参照画面640において選択された装置の識別情報が保存先に設定されたSMB用アカウント入力画面620aが表示される。
以降の画面遷移及び処理手順については、第二の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
上述したように、第三の実施の形態によれば、SMB用アカウント入力画面620aにおいて、ユーザは、保存先の識別情報を一文字ずつ手入力しなくても、参照画面640における選択操作によって、保存先を設定することができる。
次に、第四の実施の形態について説明する。第四の実施では、第三の実施の形態の変形例について説明する。したがって、特に言及されない点については、第三の実施の形態と同様でよい。
第四の実施の形態において、図30に示されるストレージ連携画面610は、機器10のWebUI部126によって提供される。具体的には、管理者端末30が、ストレージ連携画面610の取得要求をサービス提供装置20の設定登録部221に送信すると、設定登録部221は、ログイン管理者に係る組織ID対応付けられている機器情報のアクセストークンを含み、当該機器情報のリンク先URLをリダイレクト先とするリダイレクト命令を返信する。管理者端末30は、当該リダイレクト命令に従って、当該アクセストークンが指定された、ストレージ連携画面610の取得要求を、当該リンク先URLに係る機器10のWebUI部126に送信する。WebUI部126は、アクセストークンが正当であれば、ストレージ連携画面610を表示させるWebページを返信する。管理者端末30は、当該Webページに基づいて、ストレージ連携画面610を表示させる。以降の処理手順については、図31を用いて説明する。
図31は、第四の実施の形態における連携先のストレージのアカウント情報の登録時の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。なお、第四の実施の形態において、連携先のストレージのアカウント情報を登録させるための画面の遷移例は、図30に示される通りでよい。
ストレージ連携画面610において、管理者によって、連携先入力領域612に対するストレージ名の入力、及びストレージ種別選択領域614におけるストレージ種別の選択が行われた後、追加ボタン613が押下されると、管理者端末30は、アカウント入力画面の取得要求を、機器10のWebUI部126に送信する(S421)。ここでは、ストレージ種別として「SMB」が選択されたこととする。したがって、SMB用アカウント入力画面620aの取得要求が送信される。
当該取得要求に応じ、WebUI部126は、SMB用アカウント入力画面620aを表示させるWebページを返信する(S422)。管理者端末30は、当該Webページに基づいて、図30に示されるSMB用アカウント入力画面620aを表示させる。
管理者によって参照ボタン622aが押下されると、管理者端末30は、図30に示される参照画面640を表示させるWebページの取得要求を、WebUI部126に送信する(S423)。当該取得要求がWebUI部126によって受信されると、機器10の検索部127は、ユーザ環境E1のネットワークに接続された装置を検索する(S424)。続いて、WebUI部126は、検索された装置一覧に基づいて、図30に示される参照画面640を表示させるWebページを生成する。WebUI部126は、当該Webページを、管理者端末30に返信する(S425)。
参照画面640を介して、管理者によって、画像データの保存先とする装置(本実施の形態ではファイルサーバ50)が選択され、OKボタン641が押下されると、管理者端末30は、選択された装置の識別情報を、機器10のWebUI部126に送信する(S426)。WebUI部126は、当該識別情報が保存先として設定されたSMB用アカウント入力画面620aを表示させるWebページを生成する。続いて、WebUI部126は、当該Webページを返信する(S427)。
管理者端末30は、当該Webページに基づいて、SMB用アカウント入力画面620aを表示させる。ここででは、図30において、参照画面640のOKボタン641から伸びる矢印の先に示されているように、参照画面640において選択された装置の識別情報が、保存先として設定されたSMB用アカウント入力画面620aが表示される。
続いて、管理者によって、SMB用アカウント入力画面620aに対してドメイン名、アカウント名、及びパスワード等のアカウント情報が入力され、追加ボタン621aが押下されると、管理者端末30は、入力情報(保存先の識別情報、ドメイン名、アカウント名、及びパスワード等)を指定して、連携先ストレージのアカウント情報の登録要求をWebUI部126に送信する(S428)。
当該登録要求に応じ、WebUI部126は、サービス提供装置20の設定登録部221をリダイレクト先とし、当該入力情報、及びストレージ連携画面610(図30)において入力されたストレージ名等が指定されたリダイレクト命令を、管理者端末30に返信する(S429)。管理者端末30は、当該リダイレクト命令に従い、当該アカウント情報が指定された、連携先ストレージのストレージ名及びアカウント情報等の登録要求をサービス提供装置20の設定登録部221に送信する(S430)。設定登録部221は、当該登録要求に応じ、ユーザ情報記憶部231(図22)において、ログイン管理者に係る組織IDに対応する組織レコードのストレージアカウント情報に、当該登録要求に指定されているストレージ名、IPアドレス、ドメイン名、アカウント名、及びパスワード等を登録する。
上述したように、第四の実施の形態によっても第三の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第五の実施の形態について説明する。第五の実施の形態では、第二の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第二の実施の形態と同様でよい。
図32は、第五の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図32中、図20と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図32において、ユーザ環境E1は、更に、情報管理装置60を含む。情報管理装置60は、ScanToStorageサービスにおいて、機器10が利用する情報を記憶する装置である。
図33は、第五の実施の形態における情報管理装置の機能構成例を示す図である。図33中、図4と同一部分には同一符号を付している。
図33において、情報管理装置60は、ユーザ情報記憶部231、機器情報記憶部232、プロファイル記憶部234、及びプロファイル機器対応記憶部235等を有する。これら各記憶部は、情報管理装置60が有する記憶装置等を用いて実現可能である。情報管理装置60は、また、情報管理部61を有する。情報管理部61は、各記憶部への情報の登録、又は各記憶部からの情報の検索等を行う。
情報管理装置60が有する各記憶部が記憶する情報は、第一の実施の形態において説明した通りである。但し、情報管理装置60の各記憶部は、当該情報管理装置60が属するユーザ環境E1に関する情報に限られる点において、第一〜第四の実施の形態におけるサービス提供装置20の各記憶部と異なる。
すなわち、第五の実施の形態では、ユーザ環境E1に関する情報を、当該ユーザ環境E1において管理する点が、上記各実施の形態と異なる。ユーザ環境E1に関する情報を、ユーザ環境E1の外部において管理することに抵抗を感じるユーザの存在も考えられる。第五の実施の形態では、このようなユーザにとって好適な実施形態である。したがって、第五の実施の形態において、サービス提供装置20は、ユーザ情報記憶部231、機器情報記憶部232、プロファイル記憶部234、及びプロファイル機器対応記憶部235を有さなくてもよい。または、ユーザ環境E1ごとに、各記憶部を、サービス提供装置20において管理するか、ユーザ環境E1内の情報管理装置60において管理するかが選択可能とされてもよい。
各記憶部に対する情報の登録は、管理者端末30から直接的に情報管理装置60に対して実行されてもよいが、他の実施の形態との親和性を考慮して、図34に示されるような処理手順によって実行されてもよい。
図34は、情報管理装置への情報の登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
ステップS501において、管理者端末30は、登録対象の情報を指定して、当該情報の登録要求をサービス提供装置20の設定登録部221に送信する。
なお、ステップS501は、例えば、図6における、ステップS101、S105、S111、S113、及びS115等に相当する。したがって、登録対象の情報は、ステップS501が、ステップS101、S105、S111、S113、及びS115のいずれであるかに応じて異なる。
設定登録部221は、情報管理装置60の情報管理部61をリダイレクト先とするリダイレクト命令を返信する(S502)。当該リダイレクト命令には、登録対象の情報が指定される。管理者端末30は、リダイレクト命令に従って、情報の登録要求を、情報管理装置60の情報管理部61に送信する(S503)。情報管理部61は、登録対象の情報を、当該情報に対応した記憶部に記憶する。
なお、例えば、ScanToStorageサービスの実行時において、スキャン機器アプリ125は、各種の情報を、情報管理装置60より取得すればよい。
上述したように、第五の実施の形態によれば、ユーザ環境E1に関する情報を、ユーザ環境E1内において管理することができる。
なお、上記各実施の形態においては、画像データの入力元がスキャナで、出力先がストレージであるScanToStorageサービスについて説明したが、画像データの入力元及び出力先は、スキャナ又はストレージ以外であってもよい。画像データの入力元としては、例えば、デジタルカメラ(デジタルカメラ機能付きの携帯端末等を含む)、ホワイトボード等が挙げられる。デジタルカメラであれば、デジタルカメラによって撮像された画像データが入力対象となる。ホワイトボードであればホワイトボードに対する書き込みが読み取られた画像データが入力対象となる。また、スマートフォン等の情報端末にインストールされるアプリケーションによって実現される、スキャナと同質の機能によって、画像データが入力されてもよい。
画像データの出力先としては、例えば、プロジェクタのような画像投影装置、プリンタ、会議システム、携帯端末等が挙げられる。
その他、画像データの入力手段又は画像データの出力手段として機能可能な機器であれば、他の機器を用いて、本実施の形態と同趣旨のサービスが実現されてもよい。
更に、画像データ以外の電子データが入力対象とされてもよい。例えば、ICレコーダにおいて録音された音声データや、PC(Personal Computer)等において作成された文書データが、入力対象とされてもよい。
このような場合、機器情報記憶部232に記憶される機器情報には、機器の能力を示す情報が含まれるようにしてもよい。機器の能力を示す情報とは、例えば、機器はスキャンが可能であるとか、映像の当該が可能であるとか等、機器10が有する機能を示す情報である。機器の能力を示す情報が機器情報に含まれることで、サービス提供装置20は、当該情報を参照して、出力先の機器が画像データを出力可能か否かを判定し、出力可能である場合に、当該機器宛に画像データを転送するようにしてもよい。出力先の機器は、例えば、本実施の形態におけるストレージ連携情報を上位概念化させた、出力先連携情報において、出力先として指定されている機器である。
なお、本実施の形態において、サービス提供装置20は、第一の装置の一例である。ファイルサーバ50は、第二の装置の一例である。プロファイルは、画面情報の一例である。プロファイル記憶部234は、第一の記憶部の一例である。ストレージ連携部228は、転送部の一例である。スキャンサーバアプリ211は、取得部及び送信部の一例である。スキャナ12は、入力部の一例である。オンラインストレージシステム40は、第一の装置(サービス提供装置20)からの要求を受信可能な装置の一例である。第一の装置(サービス提供装置20)自体が、第一の装置(サービス提供装置20)からの要求を受信可能な装置であってもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。