JP2014094087A - 内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】腹腔側から癌の位置を簡単に特定する。
【解決手段】腹腔側の組織を照明光で照射する。この照明光で照明された腹腔側の組織の反射像RFを撮像する。この撮像により得られた画像情報に基づいて、腹腔側の組織の酸素状態を表示する酸素飽和度画像146を作成する。作成した酸素飽和度画像146は表示装置に表示される。酸素飽和度画像146上では、腫瘍部CNは低酸素領域として表示される。
【選択図】図23

Description

本発明は、癌などの腫瘍部の切除手術中に用いられる内視鏡システムに関する。
近年、腹腔鏡を用いて手術を行う腹腔鏡手術が注目されている(特許文献1参照)。例えば、腹腔鏡を用いた大腸ガン切除術の場合であれば、患者の腹に刺しこまれたトラカールを介して、腹腔鏡及び手術用処置具を腹腔内に挿入する。そして、二酸化炭素からなる気腹ガスで腹腔内を膨らませ、腹腔内の画像をモニタに表示する。そして、術者は、モニタに表示された腹腔内の画像を観察しながら、大腸のうち原発巣が生じた部分を切除する。そして、この原発巣の切除により切り離された大腸は、自動縫合器などによって縫合される。
ここで、原発巣が生じた部分を切除する場合には、患者の侵襲を低くするために、できるだけ切除範囲を小さくすることが求められている。しかしながら、腹腔鏡下での大腸切除術の場合は、原発巣が生じた管腔内からではなく、大腸のしょう膜側から観察することになる。そのため、進行癌であれば、しょう膜側から目視確認することが比較的容易であるものの、局所切除するような早期癌については、しょう膜側から目視確認することが難しい。即ち、腹腔鏡下では、癌の位置を特定することが難しい。
そこで、腹腔鏡下での大腸切除術においては、手術前に、軟性内視鏡を管腔内に挿入し、原発巣がある部分に、点墨などで目印を付けることが行われている。また、腹腔鏡と同時に、軟性内視鏡を管腔内に挿入することで、管腔内の画像を観察しながら、癌の位置を特定することも行われている。
特開2000−139947号公報
しかしながら、点墨は時間とともに流れる傾向があるため、点墨を打ってから手術に至るまで時間が長くなると、目視確認しにくくなるおそれがある。また、腹腔鏡と同時に軟性内視鏡を挿入する場合には、癌の位置を確実に把握することができるものの、手技が複雑化し、また、手術に要する人数も多くなる。したがって、腹腔鏡下の手術において、腹腔側から癌の位置を簡単に特定することが求められていた。
本発明は、腹腔側から癌の位置を簡単に特定することができる内視鏡システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の内視鏡システムは、腹腔側の組織に照明光を照射する照明手段と、照明光で照明された腹腔側の組織の反射像を撮像する撮像手段と、撮像手段で得られた画像情報に基づいて、腹腔側の組織の酸素状態を表示する酸素飽和度画像を作成する酸素飽和度画像作成手段と、酸素飽和度画像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
組織中の腫瘍部にまで前記照明光を深達させるために、腹腔側の組織を引き伸ばして組織の膜を薄くする鉗子を備えることが好ましい。鉗子は腸鉗子であることが好ましい。酸素飽和度画像作成手段は、腹腔側の組織における各層の酸素状態を表した複数層の酸素飽和度画像を作成する画像作成部を有し、表示手段は、複数層の酸素飽和度画像を並列表示することが好ましい。複数層の酸素飽和度画像は、粘膜の酸素状態を表した粘膜酸素飽和度画像、固有筋層の酸素状態を表した固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜の酸素状態を表したしょう膜酸素飽和度画像からなることが好ましい。
酸素飽和度画像作成手段は、腹腔側の組織における各層の酸素状態を表した複数層の酸素飽和度画像を作成する画像作成部と、複数層の酸素飽和度画像に基づいて、腫瘍部の浸潤度を測定する浸潤測定部とを有することが好ましい。酸素飽和度画像に基づいて、腫瘍部のリンパ節への転移の程度を測定するリンパ節転移測定手段を有することが好ましい。腹腔側の組織は大腸の組織であることが好ましい。酸素飽和度画像作成手段は、画像情報に基づいて、血中ヘモグロビンの酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と、酸素飽和度に基づいて、酸素飽和度画像を作成する酸素飽和度画像作成部とを有することが好ましい。
照明手段は、半導体光源の光と、この半導体光源の光を波長変換した蛍光とを含む照明光を腹腔側の組織に照射し、撮像手段は、照明光で照射された腹腔側の組織をカラーの撮像素子で撮像することが好ましい。照明手段は、波長域が異なる複数の照明光を腹腔側の組織に順次照射し、撮像手段は、各波長の光が照射される毎に、腹腔側の組織を撮像することが好ましい。
本発明によれば、腹腔側の組織の酸素状態を表した酸素飽和度画像から、低酸素状態となった腫瘍部の位置を視覚的に把握することができる。このように腹腔側から腫瘍部の位置を視覚的に把握することができれば、この腫瘍部をランドマークにして、必要な部分だけ切除することが可能となり、低侵襲な手術を実現することができる。また、腫瘍部の取り残し確率が下がるため、再発率も低下する。
また、大腸などの組織に厚みがある場合には、粘膜側から癌化されている腫瘍部にまで、腹腔側からの照明光が深達しない場合がある。そこで、本発明では、腫瘍部付近の組織を鉗子で引き伸ばして、組織の膜を薄くする(大腸の場合であれば、しょう膜の厚みを薄くする)。このように組織の膜を薄くすることで、腹腔側の照明光が腫瘍部にまで深達するようになるため、酸素飽和度画像上で腫瘍部を明確に確認することができるようになる。これにより、必要な部分だけ切除することが可能となり、低侵襲な手術を実現することができる。また、腫瘍部の取り残し確率が下がるため、再発率も低下する。なお、小腸の場合には組織が薄いため、上記のように、鉗子で組織を引き伸ばす必要性は低い。
また、酸素飽和度画像上では、腹腔側から腫瘍部の位置を把握することができるものの、腫瘍部の浸潤度までも把握することは難しい。そこで、本発明では、粘膜酸素飽和度画像、固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜酸素飽和度画像からなる複数層の酸素飽和度画像を並列表示することで、各層の酸素状態を表示手段上に同時表示している。これにより、腫瘍部がいずれの層まで浸潤しているか把握することができるため、浸潤度を判断することができる。この浸潤度の判断により、過剰に切除することがなくなるため、低侵襲な手術を実現することができる。
また、偽陰性の疑いを晴らすためには、腫瘍部の位置だけでなく、リンパ節転移も把握しておく必要がある。ここで、乳がんの分野においては、センチネルリンパ節に癌が転移しているかどうかで、リンパ節転移の程度を把握することができるものの、大腸がんの分野においては、乳がんのようにセンチネルリンパ節の位置等がはっきりしていないため、偽陰性である確率は十分にある。したがって、従来では、ある割合で偽陰性がでることを想定して、広めに切除を行っていたため、患者への侵襲度が大きかった。そこで、本発明では、リンパ節と並走する動脈や静脈の周辺組織の酸素状態を酸素飽和度画像上で確認することにより、リンパ節転移を把握することができる。これにより、広めに切除する必要性がなくなるため、低侵襲な手術を実現することができる。
医療装置システムの外観図である。 腹腔用内視鏡システムの外観図である。 管腔用内視鏡システムのブロック図である。 通常モード時の発光パターンを示す説明図である。 酸素飽和度モード時の発光パターンを示す説明図である。 癒合確認モード時の発光パターンを示す説明図である。 カラーの撮像素子のB画素、G画素、R画素を示す平面図である。 B色のカラーフィルタ、G色のカラーフィルタ、R色のカラーフィルタの分光透過率を示すグラフである。 第1実施形態における通常モード時の撮像制御を説明するための説明図である。 第1実施形態における酸素飽和度モード時の撮像制御を説明するための説明図である。 第1実施形態における癒合確認モード時の撮像制御を説明するための説明図である。 管腔用プロセッサ装置内の画像処理部を示すブロック図である。 強度比B1/G2、R2/G2と酸素飽和度との相関関係を示すグラフである。 酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数を示すグラフである。 図8の相関関係から酸素飽和度を算出する方法を説明するための説明図である。 酸素飽和度画像を示す画像図である。 癒合判断用画像を示す画像図である。 「組織間が癒合している」場合の癒合判断用画像を示す画像図である。 「組織間が癒合していない」場合の癒合判断用画像を示す画像図である。 腹腔用内視鏡システムのブロック図である。 腹腔用プロセッサ装置内の画像処理部を示すブロック図である。 モニタリング画像を示す画像図である。 浸潤測定用画像の画像図である。 腫瘍部が粘膜まで浸潤している場合の浸潤測定用画像の画像図である。 腫瘍部が固有筋層まで浸潤している場合の浸潤測定用画像の画像図である。 腫瘍部がしょう膜まで浸潤している場合の浸潤測定用画像の画像図である。 リンパ節の転移が「N0」の場合の酸素飽和度画像の画像図である。 リンパ節の転移が「N1」の場合の酸素飽和度画像の画像図である。 リンパ節の転移が「N2」の場合の酸素飽和度画像の画像図である。 腫瘍部特定フロー、手術フロー、癒合確認フローを示すフローチャートである。 クリップが取り付けられた大腸の断面図である。 スコープ用の孔及び処置具用の孔が開けられた患者の腹を示す平面図である。 腹腔側から光が照明された大腸の平面図及びその照明部分の大腸の酸素飽和度画像を表す画像図である。 腫瘍部CN及びクリップで低酸素状態になった虚血部分を示す大腸の断面図である。 腸鉗子でしょう膜が伸ばされた状態の大腸の平面図である。 腸鉗子でしょう膜が伸ばされた状態の大腸の断面図である。 腫瘍部CN周辺のリンパ節のみ癌が転移している場合の酸素飽和度画像の画像図である。 腫瘍部CN周辺のリンパ節及びそれ以外の正常部位周辺のリンパ節に癌が転移している場合の酸素飽和度画像の画像図である。 腫瘍部の浸潤が「T1」の場合の粘膜酸素飽和度画像、固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜酸素飽和度画像を示す画像図である。 腫瘍部の浸潤が「T4」の場合の粘膜酸素飽和度画像、固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜酸素飽和度画像を示す画像図である。 止血処理を説明するための説明図である。 止血した動脈血管Vaの周辺組織の酸素状態を表した酸素飽和度画像を示す画像図である。 遮断鉗子で血液の流れが遮断された動脈血管Va、Vbが表示された酸素飽和度画像の画像図である。 動脈血管Va、Vbの周辺組織の酸素状態を表示する酸素飽和度画像の画像図である。 動脈血管Vbに設定された複数の関心領域の酸素状態をモニタリングするモニタリング画像の画像図である。 縫合部材により縫合された大腸の平面図である。 縫合部材により縫合された管腔側の大腸の酸素状態を示す酸素飽和度画像の画像図である。 再度の縫合が必要である無い場合の表層酸素飽和度画像、中層酸素飽和度画像、深層酸素飽和度画像の画像図である。 再度の縫合が必要である有る場合の表層酸素飽和度画像、中層酸素飽和度画像、深層酸素飽和度画像の画像図である。 第2実施形態の管腔用内視鏡システムのブロック図である。 回転フィルタの平面図である。 回転フィルタの各フィルタ部の分光透過率を示すグラフである。 第2実施形態における通常モード時の撮像制御を説明するための説明図である。 第2実施形態における酸素飽和度モード時の撮像制御を説明するための説明図である。 第2実施形態における癒合確認モード時の撮像制御を説明するための説明図である。 腹腔側から癒合状態を確認するための酸素飽和度画像を示す画像図である。 止血状態の判定を自動的に行うことを説明するための説明図である。
図1に示すように、第1実施形態の医療装置システム2は、管腔用内視鏡システム3と、腹腔用内視鏡システム4とからなり、大腸に生じた腫瘍部の切除を行うために用いられる。まず、腫瘍部の切除前に、管腔用内視鏡システム3を用いて、大腸内の腫瘍部を検出し、この腫瘍部を含む一定の範囲(切除範囲)に目印を付けておく。次に、腹腔用内視鏡システム4を用いて、大腸のうち目印を付けた切除範囲を切除するとともに、この腫瘍部の切除により切り離された大腸を縫合する。最後に、管腔用内視鏡システム3を用いて、縫合した部分が組織的に癒合しているかどうかを確認する。
管腔用内視鏡システム3は、管腔内を照明する光を発生する管腔用光源装置11と、管腔用光源装置11からの光を管腔内に照射し、その反射像を撮像する管腔用内視鏡装置12と、管腔用内視鏡装置12での撮像により得られた画像信号を画像処理する管腔用プロセッサ装置13とを備えている。管腔用プロセッサ装置13は、画像処理によって得られた内視鏡画像等を表示する表示装置14と、キーボード等で構成される入力装置15に接続されている。
管腔用内視鏡装置12は軟性内視鏡であり、操作部16と、可撓性の挿入部17と、その挿入部の先端に設けられ、光を管腔内に向けて照射するとともに、管腔内の反射像を撮像するスコープ先端部19を備えている。また、この管腔用内視鏡装置12には、止血用プローブなどの処置具を挿入するための鉗子チャンネル20が設けられている。処置具は、操作部に設けられた鉗子入口20aから鉗子チャンネル20に挿入し、その鉗子チャンネル20に挿入された処置具は、先端部の鉗子出口20bから突出する(図3参照)。
管腔用内視鏡システム3は、波長範囲が青色から赤色に及ぶ可視光の被検体像からなる通常画像を表示装置14に表示する通常モードと、血中ヘモグロビンの酸素飽和度を画像化した酸素飽和度画像を表示装置14に表示する酸素飽和度モードと、酸素飽和度画像から、縫合により繋ぎ合わされた組織の癒合の程度を確認するための癒合確認モードとを備えている。これら3つのモードは、管腔用内視鏡装置に設けられた切り替えスイッチ21によって、切り替え可能である。なお、この管腔用内視鏡システム3には、癒合の程度を管腔用プロセッサ装置13で自動判別する自動判別モードが設けられている。この自動判別モードのオン・オフは、入力装置15によって切り替え可能である。
腹腔用内視鏡システム4は、腹腔内を照明する光を発生する腹腔用光源装置100と、腹腔用光源装置100からの光を腹腔内に照射し、その反射像を撮像する腹腔用内視鏡装置101と、腹腔用内視鏡装置101での撮像により得られた画像信号を画像処理する腹腔用プロセッサ装置102とを備えている。腹腔用プロセッサ装置102は、表示装置14及び入力装置15に接続されている。腹腔用内視鏡装置101は硬性内視鏡であり、硬性な挿入部104と、その挿入部の先端に設けられ、光を腹腔内に向けて照射するとともに、腹腔内の反射像を撮像する先端部105を備えている。
また、腹腔用内視鏡システム4は、管腔用内視鏡システム3と同様の通常モードと酸素飽和度モードに加えて、腫瘍部の浸潤の程度を確認するための浸潤確認モードを備えている。これら3つのモードは、腹腔用プロセッサ装置102に接続されたフットスイッチ106によって、切り替え可能である。なお、この管腔用内視鏡システム3には、浸潤の程度又はリンパ節転移を腹腔用プロセッサ装置102で自動判別する自動判別モードが設けられている。この自動判別モードのオン・オフは、入力装置15によって切り替え可能である。
また、図2に示すように、腹腔用内視鏡システム4においては、腹腔内の観察及び腫瘍部摘出手術を行うために、腹腔用光源装置100、腹腔用内視鏡装置101、腹腔用プロセッサ102装置の他、気腹装置107、処置具108、トラカール109,110が用いられる。この腹腔用内視鏡システム4では、まず、気腹装置からCO2を腹腔内に供給して、腹腔を気腹させる。これにより、腹腔内の視野・術野を確保することができる。
次に、各処置具108を、トラカール109を介して、腹腔内に挿入するとともに、腹腔用内視鏡装置101を、トラカール110を介して、腹腔内に挿入される。これらトラカール109,110は金属製の中空管と術者把持部を備えており、術者が術者把持管を把持した状態で、中空管の先鋭状先端を腹部に刺し込むことにより、中空管が体腔内に挿入される。このように中空管が腹腔内に挿入されたトラカール109,110に対して、処置具108、腹腔鏡装置101が挿入される。
図3に示すように、管腔用光源装置11は、4種のレーザ光源LD1,LD2,LD3,LD4と、光源制御部21とを備えている。レーザ光源LD1は、中心波長が473nmの第1レーザ光を発する。この第1レーザ光は、内視鏡装置12のスコープ先端部19に配置された蛍光体50(波長変換部材)で、緑色から赤色に波長範囲を有する蛍光に波長変換される。レーザ光源LD2は、中心波長が445nmの第2レーザ光を発する。この第2レーザ光も、蛍光体50によって、蛍光に波長変換される。レーザ光源LD3は、中心波長が650nmの第3レーザ光を発する。この第3レーザ光は、蛍光体50に吸収されず、そのまま蛍光体50を透過する。レーザ光源LD4は、中心波長が840nmの第4レーザ光を発する。この第4レーザ光も、蛍光体50に吸収されず、そのまま蛍光体50を透過する。
各レーザ光源LD1〜LD4から発せられる第1〜第4レーザ光は、集光レンズ(図示省略)を介してそれぞれ光ファイバ22〜25に入射する。なお、第1レーザ光の波長範囲は460〜480nmにすることが好ましく、第2レーザ光の波長範囲は440〜460nmにすることが好ましく、第3レーザ光の波長範囲は640〜660nmにすることが好ましく、第4レーザ光の波長範囲は830〜850nmにすることが好ましい。また、レーザ光源LD1〜LD4は、ブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが使用でき、また、InGaNAs系レーザダイオードやGaNAs系レーザダイオード等を用いることもできる。
光源制御部21は、レーザ光源LD1〜LD4の駆動を制御する。カプラ26は、光ファイバ22〜25からの第1〜第4レーザ光を2系統の光に分波し、その2系統の光をライトガイド28,29に入射させる。ライトガイド28,29は多数の光ファイバを束ねたバンドルファイバなどから構成される。
管腔用内視鏡装置12は電子内視鏡から構成され、ライトガイド28,29で導光された2系統(2灯)の光を被観察領域に向けて照射する照明部33と、被観察領域を撮像する撮像部34と、管腔用内視鏡装置12と管腔用光源装置11及び管腔用プロセッサ装置13とを着脱自在に接続するコネクタ部36を備えている。
照明部33は、撮像部34の両脇に設けられた2つの照明窓43,44を備えており、各照明窓43,44は、蛍光体50を透過した光を被観察領域に向けて照射する。撮像部34は、スコープ先端部19の略中心位置に、被観察領域からの反射光を受光する1つの観察窓42を備えている。
照明窓43,44の奥には、それぞれ投光ユニット47,54が収納されている。各投光ユニット47,54は、ライトガイド28,29からの光を蛍光体50に入射させる。蛍光体50に入射した光のうち、第1及び第2レーザ光は蛍光体50で蛍光に波長変換される一方で、第3及び第4レーザ光は蛍光体50に吸収されず、そのまま透過する。蛍光体50から出射した光は、レンズ51を介して被観察領域に向けて照射される。
蛍光体50は、第1及び第2レーザ光の一部を吸収して緑色〜赤色に励起発光する複数種の蛍光物質(例えばYAG系蛍光物質、或いはBAM(BaMgAl1017)等の蛍光物質)を含んで構成される。第1及び第2レーザ光が蛍光体50に照射されると、蛍光体50から発せられる緑色〜赤色の励起発光光(蛍光)と、蛍光体50により吸収されず透過した第1及び第2レーザ光の励起光とが合わされて、疑似白色光が生成される。
なお、蛍光体50は略直方体形状を有していることが好ましい。この場合、蛍光体50は、蛍光体物質をバインダで略直方体状に固めて形成してもよく、また、無機ガラスなどの樹脂に蛍光体物質を混合したものを略直方体状に形成してもよい。この蛍光体50は、商品名としてマイクロホワイト(登録商標)(Micro White(MW))とも呼ばれている。
観察窓42の奥には、被検体の被観察領域の像光を取り込むための対物レンズユニット61が設けられており、さらにその対物レンズユニット61の奥には、被観察領域の像光を受光して被観察領域を撮像するCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子60が設けられている。なお、撮像素子60として、IT(インターライントランスファー)型のCCDを使用するが、そのほか、グローバルシャッターを有するCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)を使用してもよい。
撮像素子60は、対物レンズユニット61からの光を受光面(撮像面)で受光し、受光した光を光電変換して撮像信号(アナログ信号)を出力する。この撮像素子60の撮像制御は、撮像制御部70により行われる。撮像素子60から出力される撮像信号(アナログ信号)は、スコープケーブル67を通じてA/D変換器68に入力される。A/D変換器68は、撮像信号(アナログ信号)をその電圧レベルに対応する画像データ(デジタル信号)に変換する。変換後の画像データは、コネクタ部36を介して、管腔用プロセッサ装置13に入力される。
管腔用プロセッサ装置13は、制御部71と、画像処理部72と、記憶部74とを備えており、制御部72には表示装置14及び入力装置15が接続されている。制御部72は管腔用プロセッサ装置13内の各部を制御するとともに、管腔用内視鏡装置12の切り替えスイッチ21や入力装置15から入力される入力情報に基づいて、管腔用光源装置11の光源制御部21、管腔用内視鏡装置12の撮像制御部70、及び表示装置14の動作を制御する。
管腔用光源装置11の光源制御部21は、モード毎に異なる駆動制御を行う。通常モードのときには、図4Aに示すように、レーザ光源LD2をオンにし、レーザ光源LD1、LD3、LD4をオフにする。これにより、レーザ光源LD2の第2レーザ光と蛍光とを含む通常光が検体内に照射される。また、酸素飽和度モードのときには、図4Bに示すように、レーザ光源LD3、4をオフにした状態で、レーザ光源LD1とレーザ光源LD2のオンとオフを交互に繰り返す発光制御が行われる。これにより、レーザ光源LD1の第1レーザ光とこの第1レーザ光により蛍光体50で励起発光する蛍光とを含む第1酸素飽和度測定光と、通常光とが交互に検体内に照射される。
また、癒合確認モードのときには、図4Cに示すように、レーザ光源LD2をオフにした状態で、レーザ光源LD1、LD3、LD4を順にオンにする発光制御が行われる。これにより、第1酸素飽和度測定光と、第3レーザ光からなる第2酸素飽和度測定光と、第4レーザ光からなる第3酸素飽和度測定光が、順次検体内に照射される。
管腔用内視鏡装置12に設けられた撮像素子60はカラーCCDであり、図5Aに示すように、その受光面には、B色のカラーフィルタが設けられたB画素60b、G色のカラーフィルタが設けられたG画素60g、R色のカラーフィルタが設けられたR画素60rを1組とする画素群が、マトリックス状に配列されている。B色、G色、R色のカラーフィルタは、図5Bの曲線63,64,65に示すように、それぞれ青色帯域、緑色帯域、赤色帯域及び近赤外帯域に分光透過率を有している。
上記のように、モード毎に異なる光源制御が行われることに伴い、撮像制御部70についても、モード毎に異なる撮像制御を行う。通常モード時には、図6Aに示すように、1フレーム期間内で、通常光を撮像素子60で光電変換して電荷を蓄積するステップと、撮像素子60のB画素、G画素、R画素から青色信号Bc、緑色信号Gc、赤色信号Rcを読み出すステップが行われる。これは通常モードに設定されている間、繰り返し行われる。なお、青色信号Bc、緑色信号Gc、赤色信号Rcは、A/D変換器68により、青色画像データBc、緑色画像データGc、赤色画像データRcに変換される。
酸素飽和度モード時には、図6Bに示すように、まず、最初の1フレーム目において、酸素飽和度測定光を撮像素子60で光電変換して電荷を蓄積するステップと、撮像素子60のB画素、G画素、R画素から青色信号B1、緑色信号G1、赤色信号R1を読み出すステップが行われる。そして、次の2フレーム目において、通常光を撮像素子60で光電変換して電荷を蓄積するステップと、撮像素子60のB画素、G画素、R画素から青色信号B2、緑色信号G2、赤色信号R2を読み出すステップが行われる。この合計2フレームの撮像制御は、酸素飽和度モードに設定されている間、繰り返し行われる。
なお、青色信号B1、緑色信号G1、赤色信号R1は、A/D変換器68により、青色画像データB1、緑色画像データG1、赤色画像データR1に変換され、青色信号B2、緑色信号G2、赤色信号R2は、A/D変換器68により、青色画像データB2、緑色画像データG2、赤色画像データR2に変換される。
癒合確認モード時には、図6Cに示すように、まず、最初の1フレーム目において、第1酸素飽和度測定光を撮像素子60で光電変換して電荷を蓄積するステップと、撮像素子60から青色信号Bs、緑色信号Gs、赤色信号Rsを読み出すステップが行われる。そして、次の2フレーム目において、第2酸素飽和度測定光を撮像素子60で光電変換して電荷を蓄積するステップと、撮像素子60から青色信号Bt、緑色信号Gt、赤色信号Rtを読み出すステップが行われる。そして、次の3フレーム目において、第3酸素飽和度測定光を撮像素子60で光電変換して電荷を蓄積するステップと、撮像素子60から青色信号Bu、緑色信号Gu、赤色信号Ruを読み出すステップが行われる。この合計3フレームの撮像制御は、癒合確認モードに設定されている間、繰り返し行われる。
なお、青色信号Bs、緑色信号Gs、赤色信号Rsは、A/D変換器68により、青色画像データBs、緑色画像データGs、赤色画像データRsに変換され、青色信号Bt、緑色信号Gt、赤色信号Rtは、A/D変換器68により、青色画像データBt、緑色画像データGt、赤色画像データRtに変換され、青色信号Bu、緑色信号Gu、赤色信号Ruは、A/D変換器68により、青色画像データBu、緑色画像データGu、赤色画像データRuに変換される。
図7に示すように、画像処理部72は、通常画像処理部80、酸素飽和度画像処理部81、癒合判断用画像処理部82、縫合状態判定部83を備えている。通常画像生成部80は、通常モード時に得られる青色画像データBc、緑色画像データGc、赤色画像データRcを、それぞれ表示装置14のBチャンネル、Gチャンネル、Rチャンネルに割り当てる処理を行う。これにより、表示装置14上に、通常画像が表示される。
酸素飽和度画像処理部81は、強度比算出部84と、相関関係記憶部85と、酸素飽和度算出部86と、酸素飽和度画像生成部87とを備えている。強度比算出部84は、酸素飽和度モード時に取得した画像データのうち、青色画像データB1と緑色画像データG2の強度比B1/G2と、緑色画像データG2と赤色画像データR2の強度比R2/G2とを求める。強度比算出部84では、画像データ間で同じ位置にある画素間の強度比を算出し、また、強度比は画像データの全ての画素に対して算出される。なお、強度比は画像データのうち血管部分の画素のみ求めてもよい。この場合、血管部分は、血管部分の画素の画素値とそれ以外の部分の画素の画素値との差に基づいて特定される。
相関関係記憶部85は、強度比B1/G2及びR2/G2と酸素飽和度との相関関係を記憶している。この相関関係は、図8に示すように、二次元空間上に酸素飽和度の等高線を定義した2次元テーブルで記憶されている。この等高線の位置、形は光散乱の物理的なシミュレーションで得られ、血液量に応じて変わるように定義されている。例えば、血液量の変化があると、各等高線間の間隔が広くなったり、狭くなったりする。なお、強度比B1/G2,R2/G2はlogスケールで記憶されている。
上記相関関係は、図9に示すような酸化ヘモグロビンや還元ヘモグロビンの吸光特性や光散乱特性と密接に関連性し合っている。ここで、曲線90は酸化ヘモグロビンの吸光係数を、曲線91は還元ヘモグロビンの吸光係数を示している。例えば、473nmのように吸光係数の差が大きい波長では、酸素飽和度の情報を取り易い。しかしながら、473nmの光に対応する信号を含む青色画像データB1は、酸素飽和度だけでなく血液量にも依存度が高い。そこで、青色画像データB1に加え、主として血液量に依存して変化する赤色画像データR2と、青色画像データB2と赤色画像データR2のリファレンス信号(規格化用信号)となる緑色画像データG2から得られる強度比B1/G2及びR2/G2を用いることで、血液量に依存することなく、酸素飽和度を正確に求めることができる。
また、470〜700nmの波長範囲の光は、粘膜組織内での散乱係数が小さく、かつ波長依存性が小さいという性質がある。このため、この波長範囲の光を照明光として用いることによって、血管の深さの影響を低減しつつ、血液量および酸素飽和度の情報を含む血液情報を得ることができる。
なお、相関関係記憶部85には、強度比R2/G2と血液量との相関関係についても記憶させてもよい。この相関関係は、強度比R2/G2が大きくなればなるほど血液量も大きくなるように定義される1次元テーブルとして記憶されている。この強度比R2/G2と血液量の相関関係は血液量の算出時に用いられる。
酸素飽和度算出部86は、相関関係記憶部85に記憶された相関関係と強度比算出部84で求めた強度比B1/G2、R2/G2とを用いて、各画素における酸素飽和度を求める。なお、以下の説明においては、酸素飽和度の算出に使用する青色画像データB1、緑色画像データG2、赤色画像データR2の所定画素の輝度値を、それぞれB1、G2、R2する。これに伴い、各画素における強度比は、B1/G2、R2/G2となる。
酸素飽和度算出部86は、図10に示すように、相関関係記憶部85に記憶した相関関係から、強度比B1/G2、R2/G2に対応する対応点Pを特定する。そして、対応点Pが酸素飽和度=0%限界の下限ライン93と酸素飽和度=100%限界の上限ライン94との間にある場合に、その対応点Pが示すパーセント値を酸素飽和度とする。例えば、図10の場合であれば、対応点Pは60%の等高線上に位置するため、酸素飽和度は60%となる。
一方、対応点が下限ライン93と上限ライン94との間から外れている場合、対応点が下限ライン93よりも上方に位置するときには酸素飽和度を0%とし、対応点が上限ライン94よりも下方に位置するときには酸素飽和度を100%とする。なお、対応点が下限ライン93と上限ライン94との間から外れている場合には、その画素における酸素飽和度の信頼度を下げて表示装置14上に表示しないようにしてもよい。
酸素飽和度画像作成部87は、酸素飽和度モード時に得られた青色信号B2、緑色信号G2、赤色信号R2と、酸素飽和度算出部で求めた酸素飽和度とに基づいて、酸素飽和度画像を作成する。この酸素飽和度画像作成部では、酸素飽和度が一定値(例えば60%)を下回る場合のみ、青色信号B2には、酸素飽和度に応じた「1」以上のゲイン処理を施すとともに、緑色信号G2及び赤色信号R2には、酸素飽和度に応じた「1」以下のゲイン処理を施す。一方、酸素飽和度が一定値以上の場合には、青色信号B2、緑色信号G2、赤色信号R2に対してゲイン処理は施さない。
そして、ゲイン処理後の青色信号B2、緑色信号G2、赤色信号R2を、表示装置14のB、G、Rチャンネルに割り当てる。これにより、図11に示すように、表示装置14に酸素飽和度画像96が表示される。この酸素飽和度画像96は、酸素飽和度が高い部分は通常画像と同じ色味で表示される一方、酸素飽和度が予め定めた一定範囲内(例えば0%〜60%)にある低酸素領域96aは青色で表示される(即ち、酸素飽和度画像96は、青色など疑似カラーで表示される低酸素領域96aが、通常画像上に重畳表示された画像となる。)。なお、図11の酸素飽和度画像96のように、低酸素領域のみ疑似カラーで表示する他、酸素飽和度画像全体を酸素飽和度に応じた疑似カラーで表示してもよい。
癒合判断用画像処理部82は、癒合確認モード時に得られた画像データに基づいて、腫瘍部切除後の縫合により繋ぎ合わされた組織の癒合状態の判断に用いられる癒合判断用画像を作成する。図12に示すように、癒合判断用画像は、表層組織の酸素状態を表した表層酸素飽和度画像、中層組織の酸素状態を表した中層酸素飽和度画像、深層組織の酸素状態を表した深層酸素飽和度画像の3つの画像から構成される。
ここで、表層酸素飽和度画像は、画像データBs、Gs、Rsに基づいて、作成される。まず、表層組織の酸素飽和度に関する情報を有する青色画像データBsの各画素の画素値を、緑色画像データGsの各画素の画素値で除することにより、強度比Bs/Gsを得る。そして、この強度比Bs/Gsに応じたゲイン処理を、3色の画像データBs、Gs、Rsに対して施す。このゲイン処理後の画像データBs、Gs、Rsから、表層組織の低酸素領域が疑似カラーで表示される表層酸素飽和度画像が得られる。
中層酸素飽和度画像は、画像データBs、Gs、Rs、Rtに基づいて、作成される。まず、中層組織の酸素飽和度に関する情報を有する赤色画像データRtの各画素の画素値を、緑色画像データGsの各画素の画素値で除することにより、強度比Rt/Gsを得る。そして、この強度比Rt/Gsに応じたゲイン処理を、3色の画像データBs、Gs、Rsに対して施す。このゲイン処理後の画像データBs、Gs、Rsから、中層組織の低酸素領域が疑似カラーで表わされる中層酸素飽和度画像が得られる。
深層酸素飽和度画像は、画像データBs、Gs、Rs、Ruに基づいて、作成される。まず、深層組織の酸素飽和度に関する情報を有する赤色画像データRuの各画素の画素値を、緑色画像データGsの各画素の画素値で除することにより、強度比Ru/Gsを得る。そして、この強度比Ru/Gsに応じたゲイン処理を、3色の画像データBs、Gs、Rsに対して施す。このゲイン処理後の画像データBs、Gs、Rsから、深層組織の低酸素領域が疑似カラーで表わされる深層酸素飽和度画像が得られる。
なお、図13Aに示すように、表層酸素飽和度画像、中層酸素飽和度画像、深層酸素飽和度画像のいずれにも低酸素領域が存在しない場合には、縫合により繋ぎ合わせた組織が癒合していると考えられる。この場合には、再度の縫合の必要性はない。一方、図13Bに示すように、表層酸素飽和度画像、中層酸素飽和度画像、深層酸素飽和度画像のいずれかに低酸素領域98が存在する場合には、組織間は癒合していないと考えられる。この場合には、再度の組織間の縫合を検討する。
縫合状態判定部83は自動判別モードに設定されているときに処理が行われ、酸素飽和度モード時に得られた酸素飽和度画像に基づいて、縫合により繋ぎ合わされた組織の縫合状態を判定する。この縫合状態判定部83では、酸素飽和度画像96のうち、酸素飽和度が予め定めた一定範囲内(例えば0%〜60%)にある低酸素領域96aの面積を検出する。そして、この低酸素領域96aの面積が一定値以上の場合には、縫合により繋ぎ合わされた組織間は癒合していないため、縫合不全であると判定する。この場合には、「縫合不全の可能性有り」との表示を表示装置14に表示する。一方、低酸素領域96aの面積が一定値を下回る場合は、組織間は癒合しているため、縫合不全は無いと判定する。この場合には、「縫合状態は良好」との表示を表示装置14に表示する。
なお、縫合状態判定部83では、癒合確認モード時に得られる表層酸素飽和度画像、中層酸素飽和度画像、深層酸素飽和度画像の3層の酸素飽和度画像に基づいて、縫合状態の判定を行ってもよい。この場合には、縫合状態の判定方法としては様々な方法が考えられるが、例えば、3層の酸素飽和度画像のうち、低酸素領域の面積が一定値以上の酸素飽和度画像が「2」以上ある場合に、「縫合不全の可能性が有る」と判定し、低酸素領域の面積が一定値以上の酸素飽和度画像が「1」又は「0」である場合には、「縫合状態は無い」と判定する。これら判定結果については、表示装置14に表示される。
図14に示すように、腹腔用内視鏡システム4の内部構成は、図3の管腔用内視鏡システムとほぼ同様であり、異なる点は、レーザ光源LD1〜LD4の光源制御と、撮像素子60の撮像制御と、画像処理部112の内部構成である。レーザ光源LD1〜LD4の光源制御にのうち、通常モード及び酸素飽和度モード時の光源制御については、管腔用光源装置11の光源制御と同様である。一方、浸潤確認モード時おける光源制御については、浸潤測定工程で第1〜第3酸素飽和度測定光をそれぞれ順次照射する光源制御が行われる(図4C参照)。
また、撮像素子60の撮像制御のうち、通常モード及び酸素飽和度モード時の撮像制御については、管腔用内視鏡装置12の撮像制御と同様である。一方、浸潤確認モード時における撮像制御については、第1酸素飽和度測定光が照明された検体の反射像、第2酸素飽和度測定光が照明された検体の反射像、第3酸素飽和度測定光が照明された検体の反射像を順次撮像する撮像制御が行われる(図6C参照)。この浸潤確認モードでの検体の撮像により、画像データBs、Gs、Rs、Bt、Gt、Rt、Bu、Gu、Ruの9つの画像データが得られる。
図15に示すように、画像処理部112は、通常画像処理部80、酸素飽和度画像処理部113、浸潤測定用画像処理部114、浸潤測定部115、リンパ節転移測定部116を備えている。通常画像処理部80は、管腔用プロセッサ装置13の通常画像処理部80と同様である。酸素飽和度画像処理部113は、管腔用プロセッサ装置12の酸素飽和度画像処理部81の各部84〜87に加えて、モニタリング画像作成部118を備えている。
モニタリング画像作成部118は、図16に示すように、酸素飽和度画像120と、この酸素飽和度画像の隣に位置し、複数の関心領域120a,120bの酸素飽和度を時系列的に表すグラフ122a,122bとからなるモニタリング画像を生成する。各関心領域122a,122bの酸素飽和度は、酸素飽和度算出部86で算出した酸素飽和度が用いられ、酸素飽和度画像120が更新される毎に、算出した酸素飽和度がグラフ122a,122b上にプロットされる。なお、関心領域の設定は、入力装置15によって行われる。
図17に示すように、浸潤測定用画像処理部114は、浸潤確認モード時に得られた画像データに基づいて、組織内における腫瘍部の浸潤の程度を測定するために用いられる浸潤測定用画像を作成する。浸潤測定用画像は、大腸の粘膜付近の酸素状態を表した粘膜酸素飽和度画像、大腸の固有筋層付近の酸素状態を表した固有筋層酸素飽和度画像、大腸のしょう膜付近の酸素状態を表したしょう膜酸素飽和度画像の3つの画像から構成される。
ここで、粘膜酸素飽和度画像は、画像データBs、Gs、Rs、Ruに基づいて、作成される。まず、粘膜組織の酸素飽和度に関する情報を有する赤色画像データRuの各画素の画素値を、緑色画像データGsの各画素の画素値で除することにより、強度比Ru/Gsを得る。そして、この強度比Ru/Gsに応じたゲイン処理を、3色の画像データBs、Gs、Rsに対して施す。このゲイン処理後の画像データBs、Gs、Rsから、粘膜組織の低酸素領域が疑似カラーで表示される粘膜酸素飽和度画像が得られる。
固有筋層酸素飽和度画像は、画像データBs、Gs、Rs、Rtに基づいて、作成される。まず、固有筋層の酸素飽和度に関する情報を有する赤色画像データRtの各画素の画素値を、緑色画像データGsの各画素の画素値で除することにより、強度比Rt/Gsを得る。そして、この強度比Rt/Gsに応じたゲイン処理を、3色の画像データBs、Gs、Rsに対して施す。このゲイン処理後の画像データBs、Gs、Rsから、固有筋層の低酸素領域が疑似カラーで表わされる中層酸素飽和度画像が得られる。
しょう膜酸素飽和度画像は、画像データBs、Gs、Rsに基づいて、作成される。まず、しょう膜付近の酸素飽和度に関する情報を有する青色画像データBsの各画素の画素値を、緑色画像データGsの各画素の画素値で除することにより、強度比Bs/Gsを得る。そして、この強度比Bs/Gsに応じたゲイン処理を、3色の画像データBs、Gs、Rsに対して施す。このゲイン処理後の画像データBs、Gs、Rsから、しょう膜付近の低酸素領域が疑似カラーで表わされる深層酸素飽和度画像が得られる。
なお、図18Aに示すように、粘膜酸素飽和度画像のみ低酸素領域130が表示され、固有筋層酸素飽和度画像及びしょう膜酸素飽和度画像については低酸素領域が表示されない場合には、腹腔側から粘膜まで深達する第3酸素飽和度測定光(E3)が腫瘍部CNを検出する一方で、固有筋層及びしょう膜まで深達する第1及び第2酸素飽和度測定光(E1、E2)が腫瘍部CNを検出していないことになる。この場合には、術者は、測定部114bは、腫瘍部が粘膜付近までにしか浸潤していない「T1」と判定する。ここで、粘膜酸素飽和度画像及びしょう膜酸素飽和度画像中の低酸素領域は、強度比Ru/Gs、Bs/Gsが一定値を上回る領域であり、固有筋層酸素飽和度画像中の低酸素領域は、強度比Rt/Gsが一定値を下回る領域である。
また、図18Bに示すように、粘膜酸素飽和度画像及び固有筋層酸素飽和度画像に低酸素領域130が表示され、しょう膜酸素飽和度画像には低酸素領域が表示されない場合には、第2及び第3酸素飽和度測定光(E2、E3)が腫瘍部CNを検出する一方で、第1酸素飽和度測定光(E1)が腫瘍部CNを検出しないことになる。この場合には、術者は、腫瘍部が固有筋層付近にまで浸潤している「T2orT3」と判定する。
また、図18Cに示すように、粘膜酸素飽和度画像、固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜酸素飽和度画像のいずれにも低酸素領域130が表示された場合には、第1〜第3酸素飽和度測定光(E1、E2、E3)が全て腫瘍部CNを検出していることになる。この場合には、術者は、腫瘍部がしょう膜付近にまで浸潤している「T4」と判定する。
浸潤測定部115は自動判別モードに設定されているときに処理が行われ、浸潤測定モード時に得られる粘膜酸素飽和度画像、固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜酸素飽和度画像の3つの酸素飽和度画像に基づいて、浸潤の程度を自動的に測定する。この浸潤測定部115では、まず、3つの酸素飽和度画像のそれぞれについて、低酸素領域を検出する。ここで、粘膜酸素飽和度画像及びしょう膜酸素飽和度画像中の低酸素領域は、強度比Ru/Gs、Bs/Gsが一定値を上回る領域であり、固有筋層酸素飽和度画像中の低酸素領域は、強度比Rt/Gsが一定値を下回る領域である。
そして、浸潤測定部115は、粘膜酸素飽和度画像のみに低酸素領域が検出された場合には、「T1」と判定し、粘膜酸素飽和度画像及び固有筋層酸素飽和度画像に低酸素領域が検出された場合には、「T2orT3」と判定し、粘膜酸素飽和度画像、固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜酸素飽和度画像の全てに低酸素領域が検出された場合には、「T4」と判定する。この判定結果は、表示装置14に表示される。
なお、腹腔用内視鏡システム4においては、酸素飽和度モード時に、動脈血管等と並走するリンパ節の転移の程度を測定することができる。例えば、図19Aに示すように、酸素飽和度画像132内での低酸素領域132aの大きさが予め定めたS1以下であれば、リンパ節の転移を「N0」と判定することができる。また、図19Bに示すように、低酸素領域132bの大きさがS1〜S2(S1<S2)の範囲内であれば、リンパ節の転移を「N1」と判定することができる。また、図19Cに示すように、低酸素領域132cの大きさがS2よりも大きければ、リンパ節の転移を「N2」と判定することができる。
このリンパ節の転移については、リンパ節転移測定部116により自動判別することも可能である。リンパ節転移測定部116は、自動判別モードに設定されているときに処理が行われ、酸素飽和度モード時に得られる酸素飽和度画像に基づいて、リンパ節転移の程度を自動的に測定する。このリンパ節転移測定部116では、酸素飽和度画像132のうち、酸素飽和度が予め定めた一定範囲内(例えば0%〜60%)にある低酸素領域の大きさを検出する。そして、リンパ節転移測定部116は、低酸素領域の大きさがS1以下であれば(図19A参照)、「N0」と判定し、低酸素領域の大きさがS1〜S2の範囲内であれば(図19B参照)、「N1」と判定し、低酸素領域の大きさがS2よりも大きければ(図19C参照)、「N2」と判定する。これら判定結果は、表示装置14に表示される。
次に、管腔用内視鏡システム3及び腹腔用内視鏡システム4を用いた大腸切除術について説明する。図20に示すように、手術前に管腔用内視鏡システム3を用いて、腫瘍部の位置を特定する腫瘍部特定フロー、腹腔用内視鏡システム4を用いて、腫瘍部を切除する手術フロー、手術後に管腔用内視鏡システム4を用いて、縫合により繋ぎ合わせた組織間の癒合を確認するための癒合確認フローの3つのフローに分けられる。
まず、腫瘍部特定フローでは、通常モードにセットするとともに、肛門を介して、管腔用内視鏡装置12を大腸内に挿入する。これにより、管腔側からの大腸内の通常画像が表示装置14に表示される。術者は、表示装置14に表示された管腔内の通常画像を観察しながら、腫瘍部が生じた部位を探し出す。そして、術者は、腫瘍部CNを発見したら、図21に示すように、鉗子チャンネル20を介して、クリップ装置140を挿入する。そして、クリップ装置140を操作して、腫瘍部CNの近くにある比較的太い血管をクリップ141で圧迫する。このクリップ141により圧迫された血管の周りの組織は、虚血状態となり、血中酸素飽和度が低下した低酸素領域となる。この低酸素領域は、次の手術フローで、腫瘍部の位置を特定する際の目印となる。クリップ141で目印を付けた後は、管腔用内視鏡装置12を大腸から抜き出す。
手術フローでは、まず、図22に示すように、患者Pの腹のうち、腹腔用内視鏡装置101を入れる位置に、スコープ用の孔143を開けるとともに、腸鉗子、止血用プローブ電気メス、自動縫合器など各種処置具を入れる部分に、処置具用の孔144を複数開ける。そして、スコープ用の孔143に対してトラカール110を刺し込むとともに、処置具用の孔144にトラカール109を刺し込む(図2参照)。そして、トラカール110,109に対して、腹腔用内視鏡装置101及び各種処置具を挿入する。この後に、気腹装置107により、腹腔内に気腹ガスを送り込む。これにより、腹腔が気腹するため、腹腔内の視野及び術野を確保することができる。
次に、酸素飽和度モードにセットして、図23に示すように、腹腔側から第1酸素飽和度測定光及び通常光を交互に照射するとともに、それら光で照明された反射像RFを撮像する。これにより、腹腔側からの酸素飽和度画像146が表示装置14に表示される。術者は、酸素飽和度画像146上を観察して、低酸素状態となった腫瘍部CNを探し出すとともに、手術前に、腫瘍部の目印としてクリップ141で低酸素状態にした虚血部分CLを探し出す。
ここで、酸素飽和度画像146の作成に用いる第1酸素飽和度測定光の中心波長は短波長帯域の460〜480nmであるため、図24に示すように、第1酸素飽和度測定光は腫瘍部CNや虚血部分CLにまで深達しないおそれがある。この場合、腫瘍部CNや虚血部分CLを撮像しているにもかかわらず、酸素飽和度画像146上では、それら腫瘍部CN等が低酸素領域として表示されない場合がある。
そこで、図25に示すように、腫瘍部CNが生じていると想定される部位については、腸鉗子を用いて、引き伸ばす。これにより、大腸のしょう膜の厚みが薄くなるため、図26に示すように、第1酸素飽和度測定光及び通常光は、腫瘍部CN及び虚血部分CLにまで確実に深達する。したがって、酸素飽和度画像146上では、腫瘍部CNや虚血部分CNが、低酸素領域として、確実に表示される。
酸素飽和度画像146上で腫瘍部CNの位置を特定した後は、撮像視野を広げて、大腸の腫瘍部分及びその周辺の動脈血管や静脈血管が写し出された酸素飽和度画像を表示装置14に表示する。そして、酸素飽和度画像上で、その動脈血管や静脈血管の酸素状態を確認する。この動脈血管や静脈血管の酸素状態から、それら動脈血管と並走するリンパ節に癌の転移があるかどうかを確認することができる。即ち、術者は、動脈血管の酸素状態から、リンパ節の転移の程度(「N0」、「N1」、「N2」)を判断することができる。
なお、図27Aに示すように、酸素飽和度画像150上で、腫瘍部CNに繋がっている動脈血管Vaの周辺組織のみが低酸素領域150aとして表示され、その腫瘍部CN以外に繋がっている動脈血管Vbの周辺組織については高酸素領域として表示されている場合には、術者は、腫瘍部CNに繋がっているリンパ節のみ癌が転移し、その腫瘍部CN以外の部位に繋がっているリンパ節には癌は転移していないと判断する。
一方、図27Bに示すように、腫瘍部に繋がっている動脈血管Vaの周辺組織のみならず、それ以外の部位に繋がっている動脈血管Vbの周辺組織についても低酸素領域150bとして表示される場合には、腫瘍部CNに繋がっているリンパ節だけでなく、それ以外の部位に繋がっているリンパ節にも癌が転移していると判断する。即ち、腫瘍部CNだけでなく他の部位にも癌が転移している可能性があると判断する。
酸素飽和度画像からリンパ節転移を確認した後は、再度、腹腔用内視鏡装置101を操作して、撮像視野を腫瘍部及びその周辺に向ける。そして、浸潤確認モードに切り替える。このモード切替により、粘膜酸素飽和度画像、固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜酸素飽和度画像の3つの画像が表示装置14上に並列表示される(図17参照)。術者は、これら3つの酸素飽和度画像から、癌の浸潤の程度を主観的に判断する。
例えば、図28Aに示すように、粘膜酸素飽和度画像にのみ低酸素領域152aが存在し、その他の固有筋層酸素飽和度画像及びしょう膜酸素飽和度画像については低酸素領域が存在しないと判断した場合には、腫瘍部が粘膜まで浸潤している「T1」と判断する。一方、図28Bに示すように、粘膜酸素飽和度画像、固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜酸素飽和度画像の全てに低酸素領域152a〜152cが存在すると判断した場合には、腫瘍部CNがしょう膜まで達している「T4」と判断する。
3つの酸素飽和度画像から浸潤の程度を判断した後は、リンパ節転移の程度と腫瘍部の浸潤の程度とから、腫瘍部CNのステージを判断する。この腫瘍部のステージを元にして、大腸及びその大腸に繋がっている血管、リンパ節の切除範囲を決定する。ステージは「0」、「I」、「II」、「III」、「IV」からなり、数字が大きい程、腫瘍部の進行度が大きい。例えば、浸潤の程度が「T1〜T2」であり、リンパ節転移の程度が「N0〜N1」である場合には、ステージ「I」と判定される。また、浸潤の程度が「T4」であり、リンパ節転移の程度が「N2」である場合には、ステージ「IV」と判定される。
ここで、切除範囲が、腫瘍部のある大腸のみである場合には、図29に示すように、その腫瘍部の大腸に繋がっている動脈血管Vaを止血用プローブ154で焼き切って、止血させる。止血後は、完全に止血できているかどうかを確認する。図30に示すように、酸素飽和度画像156上において、止血した動脈血管Vaの周辺組織が低酸素領域156aとして表示されている場合には、その動脈血管Vaは虚血状態になっている。このように虚血状態となっているのは、動脈血管Vaに新しい血液が供給されないためである。この場合には、完全に止血していると考えられる。これに対して、酸素飽和度画像156上で、動脈血管Vaの周辺組織が低酸素領域156aとして表示されていない場合には、その動脈血管Vaに新しい血液が供給され続けていると考えられる。この場合には、止血が不十分であるため、再度、止血用プローブ154で止血を行う。そして、完全に止血するのを確認してから、腫瘍部CNを自動縫合器で切除する。
一方、切除範囲が、腫瘍部CNだけでなく、その腫瘍部CNに繋がっている動脈血管Va及びリンパ節も含む場合には、まず、図31に示すように、動脈血管Vaの上流にある上流側の動脈血管Vpに対して、遮断鉗子158を取り付ける。これにより、動脈血管Vaへの血液の流れを遮断する。ここで、酸素飽和度画像上で、動脈血管Vaが低酸素状態になっているかどうかを確認した上で、上記と同様に、止血用プローブ154で動脈血管Vaの止血処理を行う。そして、腫瘍部側の動脈血管が虚血状態になっているのを確認してから、電気メスで、動脈血管Va及びリンパ節を切除するとともに、腫瘍部CNを自動縫合器で切除する。
なお、上流側の動脈血管Vpが、腫瘍部側の動脈血管Vaへと分岐するだけでなく、腫瘍部側とは別の正常部位側の動脈血管Vbに分岐している場合には、その正常部位側の動脈血管Vbへの血液の流れも遮断することになる。即ち、図32に示すように、腫瘍部側の動脈血管Vaの周辺組織だけでなく、正常部位側の動脈血管Vbの周辺組織が低酸素領域159となる。この場合、正常部位側の動脈血管Vbの周辺組織における低酸素状態が長時間続くと、その正常部位のダメージが大きくなる。
そこで、正常部位のダメージを最小限にするために、図33に示すように、正常部位側の動脈血管Vbの数か所に関心領域160,161を設定し、その関心領域における酸素状態をモニタリングする。各関心領域における酸素状態は、表示装置14上において、酸素飽和度画像162の隣の位置に、縦軸を酸素飽和度、横軸を時間とするグラフ163,164で表示される。そして、一か所でも、酸素飽和度が一定の閾値を下回った場合には、表示装置14上に警告メッセージ(図示省略)が表示される。
腫瘍部などを切除した後は、腫瘍部CNなどを腹腔用内視鏡装置の先端部105に近づける。そして、腫瘍部CNなど及び腹腔用内視鏡装置101を、トラカール110を介して、外に出す。腫瘍部CNを外に出したら、再度、腹腔用内視鏡装置101を腹腔内に挿入する。次に、図34に示すように、腫瘍部CNの切除により切り離された大腸166a,166b間を自動縫合器(図示省略)で縫合する。大腸間の縫合に用いる縫合部材167は、手術用縫合糸の他、チタン製のステイブルがある。大腸間を縫合した後は、腹腔用内視鏡装置101及び各種処置具を取り外し、その後に、トラカール109,110も取り外す。
癒合確認フローは、手術後の2〜5日以内に行われる。一般的に、縫合部材167で繋ぎ合わされた組織間の癒合は、手術後からおよそ7日を要するため、それよりも前の2〜5日の期間内に、組織間が活性化しているか否かを確認することが好ましい。仮に、その期間内に、組織間が活性化していない場合、即ち縫合した部分の組織が低酸素状態になっている場合には、縫合不全の可能性が高くなる。そこで、2〜5日の期間内に、縫合した部分の組織が低酸素状態に陥っていないかどうかを、酸素飽和度画像を使って確認する。
まず、管腔用内視鏡装置12を、肛門を介して、大腸内に挿入する。そして、管腔用内視鏡装置を、縫合した部位にまで挿入する。そして、縫合した部位に到達したときに、酸素飽和度モードに切り替える。これにより、図35に示すような酸素飽和度画像180が、表示装置14に表示される。そして、術者は、酸素飽和度画像180中に低酸素領域180aが存在するかどうかを確認する。もし、低酸素領域180a(酸素飽和度が予め定めた一定範囲内(例えば0%〜60%)にある領域であり、通常画像の色と異なる疑似カラー(例えば、青色)で表示される領域)を発見した場合には、縫合不全である可能性が高いため、腹腔用内視鏡装置101を用いて再度の縫合を行う。縫合状態を確認した後は、管腔用内視鏡装置12を大腸から抜き出す。
なお、癒合確認フローでは、酸素飽和度モードに切り替える代わりに、癒合確認モードに切り替えてもよい。この場合には、表層酸素飽和度画像、中層酸素飽和度画像、深層酸素飽和度画像が、表示装置14に並列表示される。そして、術者は、これら3つの酸素飽和度画像に基づいて、組織間が高酸素状態になっているかどうか、即ち各層の組織間が活性化しているかどうかを判断する。
例えば、図36Aに示すように、表層酸素飽和度画像、中層酸素飽和度画像、深層酸素飽和度画像のいずれにも低酸素領域が無い場合には、いずれの層の組織間も活性化していると考えられる。この場合には、数日後に組織間の癒合が完了するため、術者は、再度の縫合の必要はない。これに対して、図36Bに示すように、中層酸素飽和度画像及び深層酸素飽和度画像には低酸素領域168が無いものの、表層酸素飽和度画像に低酸素領域168が有る場合には、数日経過しても中層及び深層の組織間の癒合は完全には行われないと考えられる。即ち、縫合不全である可能性が高い。この場合には、術者は、腹腔用内視鏡装置101を用いて、再度の縫合を行う。縫合状態を確認した後は、管腔用内視鏡装置12を大腸から抜き出す。
第2実施形態の医療装置システムは、半導体光源方式を採用する管腔用内視鏡システム3及び腹腔用内視鏡システム4と異なり、キセノンランプなどの広帯域光源を用いた面順次方式を採用する管腔用内視鏡システム及び腹腔用内視鏡システムからなる。以下、図37に示す第2実施形態の管腔用内視鏡システム200について、第1実施形態と共通する部分については説明を省略し、第1実施形態と異なる部分について説明を行う。なお、第2実施形態の腹腔用内視鏡システムについては、管腔用内視鏡システムと同様であるので、説明を省略する。
管腔用内視鏡システム200の管腔用内視鏡装置201は、スコープ先端部の照明部33に蛍光体50が設けられていない点が管腔用内視鏡装置12と異なる。そのため、管腔用光源装置201からの光は、ライトガイド28,29を介して、そのまま被検体内に照射される。また、撮像素子260は、撮像素子60と異なり、撮像面にカラーフィルタが設けられていないモノクロCCDで構成される。それ以外については、管腔用内視鏡装置212は、管腔用内視鏡装置12と同様の構成を備えている。
管腔用光源装置201は、広帯域光BB(400〜700nm)を発する白色光源2110と、この白色光源210からの広帯域光BBを所定波長の光に波長分離する回転フィルタ212と、回転フィルタ212の回転軸に接続され、一定の回転速度で回転フィルタ212を回転させるモータ213と、回転フィルタ212をその半径方向にシフトさせるシフト部214を備えている。
白色光源210は、広帯域光BBを放射する光源本体210aと、広帯域光BBの光量を調整する絞り210bとを備えている。光源本体210aはキセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプなどから構成される。絞り210bの開度は、光量制御部(図示省略)によって調節される。
図38に示すように、回転フィルタ212は、モータ213に接続された回転軸212aを回転中心として回転する。この回転フィルタ212には、回転軸212aがある回転中心から順に、半径方向に沿って、第1〜第3フィルタ領域220〜222が設けられている。第1フィルタ領域220は通常モード時に広帯域光BBの光路上にセットされ、第2フィルタ領域221は酸素飽和度モード時に広帯域光BBの光路上にセットされ、第3フィルタ領域212は癒合確認モード時に広帯域光BBの光路上にセットされる。各フィルタ領域220〜222の切替は、シフト部214により回転フィルタ212を半径方向にシフトさせることによって、行われる。
第1フィルタ領域220は、中心角が120°の扇型の領域に、それぞれBフィルタ部220a、Gフィルタ部220b、Rフィルタ部220cが設けられている。図39に示すように、Bフィルタ部220aは広帯域光BBから青色帯域(380〜500nm)のB光を透過させ、Gフィルタ部220bは広帯域光BBから緑色帯域(450〜630nm)のG光を透過させ、Rフィルタ部220cは広帯域光BBから赤色帯域(580〜760nm)のR光を透過させる。したがって、回転フィルタ212の回転によって、B光、G光、R光が順次出射する。これらB光、G光、R光は、集光レンズ216及び光ファイバ217を通して、ライドガイド28,29に入射する。
第2フィルタ領域221は、第1測定用フィルタ部221a(図38では「第1測定用」と記載)、Bフィルタ部221b、Gフィルタ部221c、Rフィルタ部221dが設けられている。第1測定用フィルタ部221aは広帯域光BBのうち、波長範囲450〜500nmの第1酸素飽和度測定光を透過させる。また、Bフィルタ部221b、Gフィルタ部221c,Rフィルタ部221dは、上記B、G、Rフィルタ部220a、220b、220cと同様、B光、G光、R光を透過させる。したがって、回転フィルタ212の回転によって、第1酸素飽和度測定光、B光、G光、R光が順次出射する。これら4種類の光は、集光レンズ216及び光ファイバ217を通して、ライドガイド28,29に順次入射する。
第3フィルタ領域222は、第1測定用フィルタ部222a(図38では「第1測定用」と記載)、Gフィルタ部222b、Rフィルタ部222c、第2測定用フィルタ部222d(図38では「第2測定用」と記載)、第3測定用フィルタ部222e(図38では「第3測定用」と記載)が設けられている。第1測定用フィルタ部222aは広帯域光BBのうち、波長範囲450〜500nmの第1酸素飽和度測定光を透過させる。
また、Gフィルタ部222b,Rフィルタ部222cは、上記G、Rフィルタ部120b、120cと同様、G光、R光を透過させる。また、第2測定用フィルタ部222dは広帯域光BBのうち、波長範囲640〜660nmの第2酸素飽和度測定光を透過させ、第3測定用フィルタ部222aは広帯域光BBのうち、波長範囲830〜850nmの第3酸素飽和度測定光を透過させる。したがって、回転フィルタ212の回転によって、第1酸素飽和度測定光、G光、R光、第2酸素飽和度測定光、第3酸素飽和度測定光が順次出射する。これら5種類の光は、集光レンズ216及び光ファイバ217を通して、ライドガイド28,29に順次入射する。
第2実施形態の管腔用内視鏡システム200では、面順次方式を採用しているため、撮像制御が第1実施形態と異なる。通常モードにおいては、図40Aに示すように、B、G、Rの三色の像光を撮像素子103で順次撮像して電荷を蓄積し、この蓄積した電荷に基づいて青色信号Bc、緑色信号Gc、赤色信号Rcを順次出力する。この一連の動作は、通常モードに設定されている間、繰り返される。そして、それら3色の信号Bc、Gc,Rcは、A/D変換器58により、青色画像データBc、緑色画像データGc、赤色画像データRcに変換される。これら画像データBc、Gc、Rcは、第1実施形態の画像データBc、Gc、Rcに略対応している。
酸素飽和度モードにおいては、図40Bに示すように、第1酸素飽和度測定光、B光、G光、R光を撮像素子103で順次撮像して電荷を蓄積し、この蓄積した電荷に基づいて青色信号B1、青色信号B2、緑色信号G2、赤色信号R2を順次出力する。こうした動作は酸素飽和度モードに設定されている間、繰り返される。なお、それら4色の信号B1、B2、G2、R2は、A/D変換器58により、青色画像データB1、青色画像データB2、緑色画像データG2、赤色画像データR2に変換される。これら画像データB1、B2、G2、R2は、第1実施形態の画像データB1、B2、G2、R2に略対応している。
癒合確認モードにおいては、図40Cに示すように、第1酸素飽和度測定光、G光、R光、第2酸素飽和度測定光、第3酸素飽和度測定光を撮像素子103で順次撮像して電荷を蓄積し、この蓄積した電荷に基づいて青色信号Bs、緑色信号Gs、赤色信号Rs、赤色信号Rt、赤色信号Ruを順次出力する。こうした動作は酸素飽和度モードに設定されている間、繰り返される。なお、それら5つの信号Bs、Gs、Rs、Rt、Ruは、A/D変換器58により、青色画像データBs、緑色画像データGs、赤色画像データRs、赤色画像データRt、赤色画像データRuに変換される。これら画像データBs、Gs、Rs、Rt、Ruは、第1実施形態の画像データBs、Gs、Rs、Rt、Ruに略対応している。
なお、上記実施形態では、管腔用内視鏡装置を用いて、管腔側から、縫合により繋ぎ合わせた大腸の組織間の癒合状態を判断したが、これに代えて、腹腔用内視鏡を用いて、腹腔側から組織間の癒合状態を判断してもよい。例えば、図41(A)に示すように、縫合直後は、縫合部材280で縫合した大腸間の組織周辺は、活性化していないため、酸素飽和度画像300上では低酸素領域301として表示されるが、縫合が確実になされている場合には、数日経過後は、図41(B)に示すように、縫合部分の組織は酸素飽和度画像300上で高酸素領域302として表示される。
また、上記実施形態では、腫瘍部の位置を特定する際の目印としては、腫瘍部の近くの血管をクリップで圧迫して虚血する方法を用いたが、止血用プローブによって血管を焼き切って虚血状態にする方法や、腫瘍部周辺の太い血管にカテーテルを挿入して、その太い血管を閉塞及び虚血状態にする方法が考えられる。
なお、上記実施形態では、止血処理の際、術者が、酸素飽和度画像上で止血したかどうかを判断したが、この止血状態の判断を腹腔用プロセッサ装置102で自動的に行ってもよい。この場合には、図42に示すように、術者等が、酸素飽和度画像156上に表示されるポインタ310で、止血した血管Vaを指定する。この血管Vaの指定は、入力装置15により行われる。
そして、ポインタ310で指定した血管Vaの酸素飽和度が一定値以下の場合には、その血管Vaは、新しい血液が供給されていないと考えられるため、完全に止血していると判定する。この場合には、「止血OK」の表示を表示装置14に表示する。一方、ポインタ310で指定した血管Vaの酸素飽和度が一定値を超えている場合には、その血管Vaは、新しい血液が供給されていると考えられるため、完全には止血していないと判定する。この場合には、「止血NG」の表示を表示装置14に表示する。
また、上記実施形態では、スコープ先端部19に蛍光体50を設けたが、これに代えて、管腔用光源装置11又は腹腔用光源装置100内に蛍光体50を設けてもよい。この場合、LD2(445nm)と光ファイバ23の間に蛍光体50を設け、その他のレーザ光源LD1、LD3、LD4と光ファイバ22、24、25の間には蛍光体50を設けないことが好ましい。
また、上記第1実施形態では、カラーの撮像素子として、加色法三原色(B、G、R)のピクセルがマトリックス状に配列されたものを用いたが、これに代えて、減色法三原色(Y、M、C)のピクセルがマトリックス状に配列されたものを用いてもよい。更に、ピクセルの種類は、4色以上としてもよい。
また、上記実施形態では、血液量(酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの和)のうち酸化ヘモグロビンの占める割合である酸素飽和度を用いて酸素飽和度画像を生成したが、これに代えて又は加えて、「血液量×酸素飽和度(%)」から求まる酸化ヘモグロビンインデックスや、「血液量×(100−酸素飽和度)(%)」から求まる還元ヘモグロビンインデックスを用いてもよい。
本発明の効果は、以下の技術的思想によっても得ることができる。
[付記項1]
腹腔側の組織に照明光を照射する照明工程と、
前記照明光で照明された腹腔側の組織の反射像を撮像手段で撮像する撮像工程と、
前記撮像手段で得られた画像情報に基づいて、前記腹腔側の組織の酸素状態を表示する酸素飽和度画像を作成する酸素飽和度画像作成工程と、
前記酸素飽和度画像を表示手段に表示する表示工程と、
前記酸素飽和度画像を観察しながら、腫瘍部を確認する確認工程とを有することを特徴とする腫瘍部診断方法。
[付記項2]
前記照明工程では、前記組織中の腫瘍部にまで前記照明光を深達させるために、前記腹腔側の組織を鉗子で引き伸ばして組織の膜を薄くする引き伸ばし工程を有することを特徴とする付記項1記載の腫瘍部診断方法。
[付記項3]
前記鉗子は腸鉗子であることを特徴とする付記項2記載の内視鏡システム。
[付記項4]
前記酸素飽和度画像作成工程は、前記腹腔側の組織における各層の酸素状態を表した複数層の酸素飽和度画像を作成し、
前記表示工程では、前記複数層の酸素飽和度画像を並列表示し、
前記確認工程は、並列表示された複数層の酸素飽和度画像を観察しながら、前記腫瘍部の浸潤度を確認することを特徴とする特徴とする付記項1ないし3いずれか1項記載の腫瘍部診断方法。
[付記項5]
前記複数層の酸素飽和度画像は、粘膜の酸素状態を表した粘膜酸素飽和度画像、固有筋層の酸素状態を表した固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜の酸素状態を表したしょう膜酸素飽和度画像からなることを特徴とする付記項4記載の腫瘍部診断方法。
[付記項6]
前記確認工程は、前記酸素飽和度画像を観察しながら、リンパ節の転移を確認することを特徴とする付記項1ないし5いずれか1項記載の腫瘍部診断方法。
[付記項7]
前記腫瘍部の浸潤度及びリンパ節の転移に基づいて、前記腫瘍部のステージを判断する判断工程を有することを特徴とする付記項4または6記載の腫瘍部診断方法。
[付記項8]
前記腹腔側の組織は大腸の組織であることを特徴とする付記項1ないし7いずれか1項記載の腫瘍部診断方法。
4 腹腔用内視鏡システム
14 表示装置
87 酸素飽和度画像作成部
146 酸素飽和度画像
148 腸鉗子

Claims (11)

  1. 腹腔側の組織に照明光を照射する照明手段と、
    前記照明光で照明された腹腔側の組織の反射像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段で得られた画像情報に基づいて、前記腹腔側の組織の酸素状態を表示する酸素飽和度画像を作成する酸素飽和度画像作成手段と、
    前記酸素飽和度画像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする内視鏡システム。
  2. 前記組織中の腫瘍部にまで前記照明光を深達させるために、前記腹腔側の組織を引き伸ばして組織の膜を薄くする鉗子を備えることを特徴とする内視鏡システム。
  3. 前記鉗子は腸鉗子であることを特徴とする請求項2記載の内視鏡システム。
  4. 前記酸素飽和度画像作成手段は、前記腹腔側の組織における各層の酸素状態を表した複数層の酸素飽和度画像を作成する画像作成部を有し、
    前記表示手段は、前記複数層の酸素飽和度画像を並列表示することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡システム。
  5. 前記複数層の酸素飽和度画像は、粘膜の酸素状態を表した粘膜酸素飽和度画像、固有筋層の酸素状態を表した固有筋層酸素飽和度画像、しょう膜の酸素状態を表したしょう膜酸素飽和度画像からなることを特徴とする請求項4記載の内視鏡システム。
  6. 前記酸素飽和度画像作成手段は、
    前記腹腔側の組織における各層の酸素状態を表した複数層の酸素飽和度画像を作成する画像作成部と、
    前記複数層の酸素飽和度画像に基づいて、腫瘍部の浸潤度を測定する浸潤測定部とを有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡システム。
  7. 前記酸素飽和度画像に基づいて、腫瘍部のリンパ節への転移の程度を測定するリンパ節転移測定手段を有することを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡システム。
  8. 前記腹腔側の組織は大腸の組織であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡システム。
  9. 前記酸素飽和度画像作成手段は、
    前記画像情報に基づいて、血中ヘモグロビンの酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と、
    前記酸素飽和度に基づいて、前記酸素飽和度画像を作成する酸素飽和度画像作成部とを有することを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載の内視鏡システム。
  10. 前記照明手段は、前記半導体光源の光と、この半導体光源の光を波長変換した蛍光とを含む照明光を前記腹腔側の組織に照射し、前記撮像手段は、前記照明光で照射された腹腔側の組織をカラーの撮像素子で撮像することを特徴とする請求項1ないし9いずれか1項記載の内視鏡システム。
  11. 前記照明手段は、波長域が異なる複数の照明光を前記腹腔側の組織に順次照射し、前記撮像手段は、各波長の光が照射される毎に、前記腹腔側の組織を撮像することを特徴とする請求項1ないし9いずれか1項記載の内視鏡システム。
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