JP2014092721A - 立体造形物および立体造形装置 - Google Patents

立体造形物および立体造形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】立体造形物の形が不用意に崩れてしまうことがなく、また、立体造形物を別の形に容易に変更することができる、立体造形物および立体造形装置を提供する
【解決手段】一方向の部分的な突出長を任意に変更することで形を変えることができる立体造形物4であって、互いのネジ溝を噛み合わせて配置された複数のネジ31からなるネジ集合体3を備え、複数のネジ3それぞれは、一本一本が独立して回転可能なものであって、回転することによってネジ31の延在方向に独立して進退可能なものであり、ネジ31を回転駆動する駆動部72に係合する係合突起314が設けられたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、一方向の部分的な突出長を任意に変更することで形を変えることができる立体造形物、およびその立体造形物を備えた立体造形装置に関する。
延在方向を一致させた状態で配置した複数のピンを延在方向にそれぞれ移動させ、一方向の部分的な突出長を任意に変更することで形を変えることができる、立体造形物や立体造形装置が知られている。立体造形物の使用方法としては、ウインドショッピングをする者の目を惹くように広告やデザイン等を立体的に表示して店頭に並べられる展示物や、盲人に形状を認識させる場合に用いられるものへの適用が考えられる。また、立体造形物を備えた立体造形装置として、ピンをスクリーンとして用い画像を投影するものや、ピン自体を表示素子として用いるもの、ピンを布状のスクリーンで覆って画像を投影するものが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特許文献1および特許文献2に記載された立体造形装置は、延在方向を一致させた状態で配置された複数のピンからなるピン集合体と、複数のピンを延在方向にそれぞれ移動させるアクチュエータと、ピン集合体の形状を固定する支持部とを備えている。ピンは、断面が正方形または長方形の角柱部材からなる形成部と、この形成部を支持するための支持棒とを備えている。複数のピンは、マトリクス状に並べられ、形成部の側面どうしを接触させた状態で隙間が生じないように配置されている。アクチュエータは、ピンの支持棒の端部に接して、ピンの延在方向にピンを押すことにより、ピンの延在方向への移動を制御する。これにより、ピンそれぞれにおける一方向の部分的な突出長を任意に変更することで、ピン集合体の形が変わり所望の立体形状を形成することができる。また、それぞれのピンは、アクチュエータによって移動された位置が変わらないように、支持部に設けられた、ゴムやフェルト等からなる制動部材によって延在方向の位置が固定される。
特開2008−158929号公報 特開2009−098559号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された立体造形装置では、所定のピンを移動させる際に隣接するピンが摩擦力によって不用意に動いてしまい、立体造形物の形が崩れてしまう場合がある。また、ピンを一旦延在方向に移動させた後には、そのピンを逆方向に戻すことはできない。このため、立体造形物を所望の形に形成した後、立体造形物を別の形に変更することが難しい。
本発明は上記事情に鑑み、立体造形物の形が不用意に崩れてしまうことがなく、また、立体造形物を別の形に容易に変更することができる、立体造形物および立体造形装置を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明の立体造形物は、一方向の部分的な突出長を任意に変更することで形を変えることができる立体造形物であって、
互いのネジ溝を噛み合わせて配置された複数のネジからなるネジ集合体を備え、
前記複数のネジそれぞれは、一本一本が独立して回転可能なものであって、回転することによって該ネジの延在方向に独立して進退可能なものであり、該ネジを回転駆動する駆動手段に係合する係合部が設けられたものであることを特徴とする。
すなわち、前記ネジ集合体は、前記一方向に前記複数のネジの延在方向を一致させたものである。
前記係合部は、前記ネジの一端側に設けられたものであってもよい。
本発明の立体造形物によれば、ネジ集合体は、互いのネジ溝を噛み合わせて配置されたものであり、複数のネジそれぞれは、一本一本が独立して回転可能なものであって、回転することによって該ネジの延在方向に独立して進退可能なものであるため、所定のネジを回転駆動させ、延在方向にネジを移動させる際に、隣接するネジが不用意に動いてしまうことがない。また、ネジを回転駆動させる方向を切り替えることで、ネジを延在方向に進退自在に移動させることができ、ネジ集合体の形を一旦形成した後であっても、ネジ集合体を他の形に容易に変更させることができる。
また、本発明の立体造形物において、拘束状態と開放状態との間で状態変更が可能なカートリッジ枠を備え、
前記カートリッジ枠は、前記拘束状態にあるときには、前記複数のネジそれぞれが独立して回転可能に該複数のネジを束ねるものであり、
前記複数のネジは、前記カートリッジ枠が前記開放状態にあるときには、一本一本が該ネジの径方向に分離可能なものであることが好ましい。
前記カートリッジ枠は、その一部を着脱することで、拘束状態と開放状態との間で状態変更が可能なものであってもよい。
前記カートリッジ枠を備えることにより、複数のネジを束ねてネジ集合体を形成することと、ネジ集合体を一本一本のネジに分離することが容易になる。例えば、カートリッジ枠を開放状態にし、そのカートリッジ枠に、互いのネジ溝が噛み合うようにネジを重ねて配置した後、カートリッジ枠を拘束状態に状態変更させれば、ネジ集合体を容易に形成することができる。また、互いのネジ溝が噛み合うように複数のネジを束ねた状態で、開放状態のカートリッジ枠に配置してもよい。一方、カートリッジ枠を開放状態にすれば、ネジの径方向にネジを一本一本分離することができる。また、カートリッジ枠を開放状態にして、このカートリッジ枠から取り出した複数のネジを他の複数のネジと組合せ、別のカートリッジ枠で束ねることで、大きなネジ集合体を形成できる等、様々な大きさのネジ集合体に対応することが容易になる。
さらに、本発明の立体造形物において、前記複数のネジそれぞれの突出方向先端部分に設けられたレンズ部材を備え、
前記レンズ部材は、前記ネジの前記突出方向先端部分で該ネジの周方向に分割された互いに異なる色の色領域を透過するものであることが好ましい。
すなわち、前記色領域は、前記ネジの径方向で分割された互いに異なる色の領域である。
前記レンズ部材を備えることにより、複数のネジそれぞれの突出方向先端部分に設けられたレンズ部材を透過して視認される色が、ネジの回転方向における向きや見る者の視認する角度等によって異なり、立体造形物の装飾性が向上する。
また、上記目的を解決する本発明の立体造形装置は、一方向の部分的な突出長を任意に変更することで形を変えることができる立体造形物を備えた立体造形装置であって、
前記立体造形物は、互いのネジ溝を噛み合わせて配置された複数のネジからなるネジ集合体を有するものであって、
前記ネジを回転駆動する駆動手段を備え、
前記複数のネジそれぞれは、一本一本が独立して回転可能なものであって、回転することによって該ネジの延在方向に独立して進退可能なものであり、前記駆動手段に係合する係合部が設けられたものであることことを特徴とする。
前記係合部は、前記ネジの一端側に設けられたものであってもよい。
本発明の立体造形装置によれば、ネジ集合体は、互いのネジ溝を噛み合わせて配置されたものであり、複数のネジそれぞれは、一本一本が独立して回転可能なものであって、回転することによって該ネジの延在方向に独立して進退可能なものであるため、所定のネジの係合部に駆動手段を係合させ、駆動手段によって該ネジを回転駆動させることで、ネジ集合体の一方向の部分的な突出長を任意に変更することができる。また、所定のネジを延在方向に移動させる際に、隣接するネジが不用意に動いてしまうことがない。さらに、駆動手段による回転駆動の方向を切り替えることで、ネジを延在方向に進退自在に移動させることができ、一旦ネジ集合体の形を形成した場合であっても、ネジ集合体を他の形に容易に変更させることができる。
さらに、本発明の立体造形装置において、前記駆動手段は、前記係合部に係合する、前記複数のネジの本数よりも少ない数の駆動部を有するものであり、
前記係合部と前記駆動部は、離間した離間状態、および互いに係合した係合状態を取り得るものであり、
前記駆動手段と前記立体造形物との、前記一方向に直交する直交方向における相対位置を、前記離間状態において変更する位置変更手段を備えたものであってもよい。
駆動手段と立体造形物との、一方向に直交する直交方向における相対位置を、離間状態において変更する位置変更手段を備えているため、複数のネジの本数よりも少ない数の駆動部を位置変更手段で前記相対位置を変更させることで複数のネジを回転駆動させることができる。
本発明によれば、立体造形物の形が不用意に崩れてしまうことがなく、また、立体造形物を別の形に容易に変更することができる、立体造形物および立体造形装置を提供することができる。
本発明の実施形態である立体造形装置を概念的に示す斜視図である。 図1に示す立体造形装置を概念的に示す正面図である。 (a)は、図2に示す立体造形装置の、Aで囲んだ部分の分解斜視図であり、(b)は、(a)に示す着色部材の展開図である。 図2に示す立体造形装置の、Bで囲んだ部分の概念図である。 (a)は、図2に示す立体造形装置の、Cで囲んだ部分の概念図であり、(b)は、(a)に示す、ネジと駆動部とを係合させる状態を説明するための概念図であり、(c)は、図2に示す立体造形装置の、Dで囲んだ部分の概念図である。 (a)は、図1に示す立体造形装置の駆動部を上方向に移動させた状態を示す図であり、(b)は、(a)に示す立体造形装置のネジ集合体を下方向に移動させて、ネジ本体の下端部に、駆動部の先端部が下方向から挿入した状態を示す図であり、(c)は、(b)に示す立体造形装置のネジを上下方向に移動させた状態を示す図である。 (a)は、一本の駆動部を用いた場合における駆動部の動きを説明するための概念図であり、(b)は、8本の駆動部を用いた場合における駆動部の動きを説明するための概念図である。 (a)は、レンズ部材に対して、水平方向の角度を一致させた状態で、水平面に対する角度を異ならせてレンズ部材を見たときの概念図であり、(b)は、レンズ部材に対して、水平面に対する角度を一致させた状態で、水平方向の角度を異ならせてレンズ部材を見たときの概念図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態である立体造形装置を概念的に示す斜視図である。
図1に示すように、立体造形装置1は、立体造形物4と、本発明の駆動手段に相当する駆動ユニット7と、4本のフレーム8と、矩形板状の基板9を備えている。
基板9上には、駆動ユニット7が配置され、また、基板9上の四隅には、フレーム8がそれぞれ立設されている。駆動ユニット7は、複数の駆動部72を備え、図示しない位置変更手段によって、基板9上を水平方向に移動可能なものである。
立体造形物4は、複数のネジからなるネジ集合体3と、複数のネジを束ねる、矩形枠状のカートリッジ枠5を備えている。なお、図1では、図面を簡略化するため、ネジ集合体3を構成する、一本一本のネジは示しておらず、ネジ集合体3の輪郭を一点鎖線で示している。立体造形物4は、カートリッジ枠5の四隅部分が、4本のフレーム8の上端部にそれぞれ取り外し可能に固定されて、所定の高さ位置に配置されている。
図2も参照しつつ、ネジ集合体3を説明する。図2は、図1に示す立体造形装置を概念的に示す正面図である。
図2に示すように、ネジ集合体3を構成する複数のネジ31それぞれは、外周にネジ溝が形成されたネジ本体311と、図2における、ネジ本体311の下端部分に設けられた係合突起314と、図2における、ネジ本体311の上端部分に設けられたレンズ部材312を有している。ネジ本体311は、筒状に形成されたものである。ネジ本体311の上端部分が、本発明にいうネジの突出方向先端部分に相当する。係合突起314は、駆動ユニット7の駆動部72に係合するものであり、本発明の係合部の一例に相当する。なお、係合部は、ネジ本体311の下端部分に設ける場合に限られず、例えば、筒状のネジ本体311の内周側であって、ネジ31の延在方向における所定位置に設けてもよい。
これら複数のネジ31は、それぞれの延在方向を上下方向に一致させた状態で互いのネジ溝を噛み合わせて配置され、カートリッジ枠5によって束ねられている。カートリッジ枠5によって束ねられた複数のネジ31は、カートリッジ枠5の形状に対応した、外側形状が略矩形状のネジ集合体3を構成している。複数のネジ31それぞれは、一本一本が独立して回転可能なものであって、回転することによってネジ31の延在方向である上下方向に独立して進退可能なものである。このため、一本のネジ31を回転させて上下方向に移動させても、隣接するネジ31が上下方向に不用意に動いてしまうことがない。複数のネジ31それぞれを、上下方向に独立して進退させることによって、ネジ集合体3における、上方向の部分的な突出長を変更し、ネジ集合体3の形を変えることができる。本実施形態においては、上方向が本発明にいう一方向に相当する。
図3を用いて、レンズ部材312が設けられた、ネジ31の上端部分について説明する。図3(a)は、図2に示す立体造形装置1の、Aで囲んだ部分の分解斜視図であり、図3(b)は、ネジとレンズ部材の間に配置される着色部材の展開図である。
図3(a)に示すように、ネジ31の上端部分には、着色部材313と、レンズ部材312が取り付けられる。着色部材313は、図3(b)に示すように、展開した状態では円形状に形成されている。図3(a)に示す着色部材313は、図3(b)に示す円形の着色部材313を折り曲げ、円形の底部3131と、筒状に形成された壁部3132を有している。また、着色部材313は、図3(b)に示すように、周方向において、互いに異なる色が付された4つの領域に分割され、赤色が付された赤領域313a、青色が付された青領域313b、緑色が付された緑領域313c、および黄色が付された黄領域313dが形成されている。着色部材313の外周部分には、点線で示す放射方向に延びた複数の切込が形成され、この切込が形成された部分が折り曲げられることで壁部3132が形成される。また、着色部材313の、切込が形成されていない中央部分が、底部3131になる。このため、底部3131は、周方向において、赤領域313a、青領域313b、緑領域313c、および黄領域313dの4つに分割されている。また、着色部材313が、図3(a)に示す状態に折り曲げられると、壁部3132もまた、その内周側が、周方向において、赤領域313a、青領域313b、緑領域313c、および黄領域313dの4つに分割されている。なお、赤領域313aは、赤色以外の色を付してもよく、他の領域も同様である。また、着色部材313は、4つの領域に分割する場合に限らず、2つまたは3つの領域に分割してもよく、5つ以上の領域に分割してもよい。さらに、着色部材313の周方向に、色やその色の濃さ、明るさ等を連続的に変化させ、グラデーションを表わすようにしてもよい。
レンズ部材312は、透明または半透明の、ガラスや樹脂等で形成され、円柱状のレンズ円柱部3121と、半球状の半球部3122を有している。レンズ円柱部3121は、その外周径が、筒状のネジ本体311の内周径と同じか僅かに小さく形成されている。筒状のネジ本体311の上端部に、折り曲げた状態の着色部材313をセットし、レンズ部材312を着色部材313の上からネジ本体311内に押し込みむことで、レンズ円柱部3121全体をネジ本体311内に嵌め込み、半球部3122がネジ本体311から上方に露出する状態にする。こうすると、レンズ円柱部3121の外周壁とネジ本体311の内周壁との間に、着色部材313の壁部3132が挟み込まれ、レンズ円柱部3121の底面と着色部材313の底部3131とが接触する状態になる。
次いで、カートリッジ枠5について説明する。図1および図2に示すように、カートリッジ枠5は、外側形状が矩形状に配置されたネジ集合体3を囲むように、ネジ集合体3の四方に配置された4本の横棒材51と、カートリッジ枠5の4つの角部のうちの3つの角部に配置され横棒材51の端部どうしを連結する連結部材52と、カートリッジ枠5の残り1つの角部に配置されたモータ53を有している。なお、図2では、図面を簡略化するため、連結部材52は省略している。
横棒材51は、円柱状に形成され、その延在方向が略水平になる姿勢に配置されている。横棒材51の外周部分には、横棒材51の延在方向に延びる溝部が周方向に複数形成されている。
図4を用いて、横棒材51どうしの連結部分について説明する。図4は、図2に示す、立体造形装置1のBで囲んだ部分の概念図である。図4に示すように、横棒材51の両端部には、すぐばかさ歯車511がそれぞれ設けられ、軸心部分には、横棒材51の延在方向に突出した軸心部材512がそれぞれ形成されている。横棒材51どうしは、すぐばかさ歯車511どうしが噛み合った状態で、連結部材52によって連結される。具体的には、連結部材52は、下連結部材521と上連結部材522を備え、下連結部材521と上連結部材522には、軸心部材512に対応する凹部52aがそれぞれ形成されている。これら下連結部材521と上連結部材522によって、図4に矢印で示すように、それぞれの軸心部材512が挟まれて横棒材51どうしが連結される。なお、横棒材51の軸心部材512は、下連結部材521と上連結部材522の、それぞれの凹部52aに回転自在に収容されている。
また、図2に示すように、モータ53が配置された部分に位置する、2本の横棒材51のそれぞれの端部のうち、一方の端部に形成された軸心部材512にはギヤ512aが取り付けられている。このギヤ512aは、モータ53のピニオンギヤ53aに噛み合っている。モータ53を駆動させることで、ギヤ512aが取り付けられている横棒材51が回転し、この横棒材51が回転することで、すぐばかさ歯車511どうしが噛み合っている他の横棒材51も回転する。
ネジ集合体3を構成する複数のネジ31は、互いのネジ溝を噛み合わせて配置されているため、ネジ集合体3がカートリッジ枠5に束ねられた状態で、ネジ31の、横棒材51に接触するそれぞれのネジ山部分は、水平方向に略揃った状態になる。このため、ネジ31の、横棒材51に接触するそれぞれのネジ山部分は、横棒材51に形成された複数の溝部のうち、ネジ集合体3と対向する位置の溝部に噛み合うことで、ネジ集合体3がカートリッジ枠5に束ねられている。また、モータ53を駆動させ、横棒材51を回転させることで、ネジ31の、横棒材51に接触するそれぞれのネジ山部分と、これらネジ山部分に噛み合う、横棒材51の溝部が、横棒材51の周方向に移っていく。これにより、ネジ集合体3を、上下方向にそれぞれ移動させることができる。以下、ネジ集合体3を上方向に移動させるように横棒材51を回転させることを正転と称することがあり、ネジ集合体3を下方向に移動させるように横棒材51を回転させることを逆転と称することがある。
次いで、カートリッジ枠5を、拘束状態から開放状態に状態変更させる操作について説明する。まず、4本の横棒材51のうち、一本の横棒材51の両端部に設けられた上連結部材522をそれぞれ取り外す。次いで、両端部の上連結部材522が取り外された横棒材51を回転させて、ネジ31の、横棒材51に接触するそれぞれのネジ山部分と、横棒材51の溝部との噛み合いを解除しながら横棒材51を持ち上げ、それぞれの軸心部材512を下連結部材521の凹部52aから上方に引き抜く。これにより、一本の横棒材51を取り外して、カートリッジ枠5を開放状態にすることができる。この開放状態では、カートリッジ枠5の、横棒材51を取り外した部分から、ネジ31の径方向にネジ31を一本一本取り外すことができる。なお、カートリッジ枠5を拘束状態にしたまま、モータ53によって4本の横棒材51を正転させることでネジ集合体3を上方に移動させて、ネジ集合体3ごとカートリッジ枠5から取り外すこともできる。
一方、複数のネジ31をカートリッジ枠5で束ねる場合には、一本の横棒材51を取り外した開放状態のカートリッジ枠5をフレーム8から取り外す。次いで、横棒材51を取り外した部分が上になるようにカートリッジ枠5を台等の上に載せ、この状態でカートリッジ枠5の内側に、互いのネジ溝が噛み合うようにネジ31を一本一本配置する。全てのネジ31を配置し終えたら、取り外した横棒材51を取り付けてカートリッジ枠5を拘束状態にすることで、複数のネジ31を束ねることができる。なお、カートリッジ枠5を拘束状態にしたまま、ネジ集合体3を上方からカートリッジ枠5内に挿入し、モータ53によって4本の横棒材51を逆転させることでネジ集合体3を下方に移動させて、カートリッジ枠5で束ねることもできる。
図1および図2に示すように、駆動ユニット7は、箱状の本体71と、複数の駆動部72と、本体71内に配置され、複数の駆動部72をそれぞれ回転させる複数のモータ73を有している。本実施形態の駆動ユニット7は、4本の駆動部72と、4つのモータ73を有し、4本の駆動部72は、本体71の天井部711をそれぞれ貫通している。
駆動部72は、上下方向に延在したものであり、外周にネジ溝が形成された基部721と、基部721の上端部に連設された、円柱状の上部722を有している。基部721は、外周に形成されたネジ溝の、外径、内径、およびピッチが、ネジ本体311の外周に形成されたネジ溝と略同じに形成されている。上部722は、外径が、ネジ本体311の外周に形成されたネジ溝の内径と略同じに形成され、延在方向の長さがネジ本体311と略同じに形成されている。また、上部722の上端部には、上方向に突出する先端部723が形成されている。
図5(a)および同図(b)を用いて、先端部723を説明する。図5(a)は、図2に示す立体造形装置の、Cで囲んだ部分の概念図である。同図(b)は、同図(a)の、ネジと駆動部とを係合させる状態を説明するための概念図である。
図5(a)に示すように、先端部723は、円柱状の円柱部7231と、円柱部7231の上端部に形成された円錐状の円錐部7232を備えている。円柱部7231は、上部722よりも外径が小さいものであり、上部722の上面に段差部722aが形成されている。また、先端部723は、段差部722aから上方に突出した突起部7233を備えている。4本の横棒材51を逆転させ、ネジ集合体3を下方に移動させることで、図5(b)に示すように、筒状のネジ本体311の下端部に、駆動部72の先端部723が下方向から挿入される。ネジ集合体3は、所定のネジ31の係合突起314が、駆動部72の突起部7233と水平方向に重なる位置まで下方に移動させる。また、ネジ31の下方への移動量は、係合突起314の下端と駆動部72の段差部722aとの間、および、突起部7233の上端とネジ本体311の下端部分との間に、基部721におけるネジ溝の1ピッチ以上の間隔を少なくとも有する位置に設定される。この状態で、後述するモータ73を駆動させて駆動部72を回転すると、駆動部72の突起部7233がネジ31の係合突起314に係合し、駆動部72がネジ31を回転駆動する。以下、ネジ31が下方に移動し、筒状のネジ本体311の下端部に、駆動部72の先端部723が下方向から挿入した状態を、挿入状態と称することがある。また、駆動部72の突起部7233がネジ31の係合突起314に係合した状態を、係合状態と称することがある。
図5(c)は、図2に示す立体造形装置の、Dで囲んだ部分の概念図である。
図2および図5(c)に示すように、基部721は、軸心部分に上下方向に貫通した角孔721aが形成されている。また、図2に示すように、基部721の下端部には、フランジ部7211が設けられている。
モータ73は、シャフト731と、シャフト731が貫通された鍔部732と、シャフト731の先端に取り付けられ上下方向に延在した角柱形状の角柱部材733を有している。この角柱部材733が、基部721の角孔721aに挿入されて、駆動部72がモータ73に接続されている。このため、モータ73によって角柱部材733が回転すると、角柱部材733が駆動部72を回転駆動する。また、駆動部72は、角柱部材733に対して上下動自在である。
図2に示すように、本体71の天井部711には、ネジ孔711aが形成され、ネジ孔711aに基部721のネジ溝が噛み合うことで、駆動部72の、上下方向の位置が維持されている。モータ73によって駆動部72が回転すると、駆動部72は、その基部721のネジ溝がネジ孔711aに噛み合った状態で上下方向に移動する。以下、駆動部72が上方向に移動するように回転することを正転と称することがあり、駆動部72が下方向に移動するように回転することを逆転と称することがある。なお、ネジ集合体3の一本一本のネジ31も、駆動部72が正転する方向と同じ方向に回転することで独立して上方向に移動し、駆動部72が逆転する方向と同じ方向に回転することで独立して下方向に移動するものである。
駆動部72の上方向への移動は、フランジ部7211が天井部711に当接することで規制され、駆動部72の下方向への移動は、フランジ部7211が、鍔部732に当接することで規制される。以下、駆動部72のフランジ部7211が鍔部732に当接した位置を、駆動部72の初期位置と称することがある。
次いで、図6を用いて、立体造形物4の、上方向の部分的な突出長を変更する、立体造形装置1の動作について説明する。図6(a)は、図1に示す立体造形装置の駆動部を上方向に移動させた状態を示す図であり、同図(b)は、同図(a)に示す立体造形装置のネジ集合体を下方向に移動させて、ネジ本体の下端部に、駆動部の先端部が下方向から挿入した状態を示す図である。同図(c)は、同図(b)に示す立体造形装置のネジを上下方向に移動させた状態を示す図である。
まず、駆動部72を初期位置にした状態の駆動ユニット7を、図示しない位置変更手段によって基板9上の所定位置に移動させる。次いで、モータ73によって駆動部72を正転させ、図6(a)に示すように、先端部723が下方向からネジ31内に挿入される直前まで駆動部72を上方向に移動させる。
次いで、モータ53によって4本の横棒材51を逆転させることで、図6(b)に示すように、ネジ集合体3を下方向に移動させ、駆動部72の先端部723を、目的とするネジ31内に挿入させて、挿入状態とする。この状態で、再びモータ73によって駆動部72を正転または逆転させる。駆動部72を正転または逆転させると、駆動部72の突起部7233がネジ31の係合突起314に係合して係合状態になり、ネジ31が駆動部72とともに駆動部72の回転と同じ方向に回転する。これにより、駆動部72を正転させれば、駆動部72と一緒にネジ31も上方向に移動し、駆動部72を逆転させれば、駆動部72と一緒にネジ31も下方向に移動する。図6(c)では、左側に示す駆動部72によってネジ31を下方向に移動させ、右側に示す駆動部72によってネジ31を上方向に移動させた状態を示している。駆動部72の上部722は、外径が、ネジ本体311の外周に形成されたネジ溝の内径と略同じに形成されている。このため、図6(c)の右側に示す駆動部72のように、上部722が隣のネジ31と隣接する部分が生じても、上部722が隣接するネジ31に妨げられることなく駆動部72を上下方向に移動させることができる。
目的のネジ31の移動が完了すると、モータ53によって4本の横棒材51を正転させ、先にモータ53によってネジ集合体3を下方向に移動させた分だけネジ集合体3を上方向に移動させる。これにより、駆動部72の突起部7233とネジ31の係合突起314との係合状態が解除され、駆動部72が回転してもネジ31が回転しなくなる。次に、駆動部72を逆転させて駆動部72を初期位置まで下方に移動させる。駆動部72が初期位置になった後、次の目的となるネジ31に駆動部72を挿入することができる位置に駆動ユニット7を移動させ、ネジ31を、所定の上下方向の位置に移動させる。上記動作を繰り返すことで、ネジ集合体3の、複数のネジ31それぞれを、所定の上下方向の位置に移動することができる。これにより、ネジ集合体3における、上方向の部分的な突出長を変更し、ネジ集合体3の形を変えることができる。また、駆動部72によって、ネジ31を上方向のみならず下方向にも移動させることができるため、一旦上方向に移動させたネジ31を下方向に移動させることができ、ネジ集合体3における、上方向の部分的な突出長を複数回変更することが容易になる。
上方向の部分的な突出長を変更した立体造形物4は、ネジ集合体3がカートリッジ枠5で束ねられた状態で、フレーム8から取り外され、複数のネジ31の延在方向をそれぞれ上下方向にした状態で、例えば、展示物として店頭に並べられる。また、立体造形物4を展示用の台等に設置してもよいし、立体造形物4からカートリッジ枠5を取り外し、ネジ集合体3を展示用の枠等で束ねて店頭に並べてもよい。なお、立体造形物4は、複数のネジ31の延在方向が、それぞれ水平または傾斜する方向になるように店頭等に並べてもよい。
図7(a)は、一本の駆動部を用いた場合における駆動部の動きを説明するための概念図であり、同図(b)は、8本の駆動部を用いた場合における駆動部の動きを説明するための概念図である。同図(a)および同図(b)では、ネジ集合体3を下方から見た状態を示し、また、図面を簡略化するため、カートリッジ枠5を省略してネジ集合体3を一点鎖線で囲み、駆動部72を黒丸で示している。
図7(a)に示すように、駆動部72が一本の場合は、ネジ集合体3における複数のネジ31に対して、例えば矢印で示すように駆動部72を移動させることで、一本一本順番にネジ31の上下方向の位置を移動させる動作を行えばよい。同図(b)に示すように、駆動部72が8本の場合は、ネジ集合体3の複数のネジ31を8つの組に分ける。8つの組に分けた複数のネジ31に対して、例えば矢印で示すように8本の駆動部72を移動させることで、それぞれの駆動部72によって一本一本順番にネジ31の上下方向の位置を移動させる動作を行えばよい。これらのように、駆動部72の数は、任意に設定でき、駆動部72を一本にしてもよいし、ネジ31の本数と同じ数の駆動部72を備えた駆動ユニット7を用いてもよい。駆動ユニット7をネジ31の本数と同じ数の駆動部72を備えたものにすれば、動作時間が短縮され、また駆動ユニット7を水平方向に移動させる必要がなくなるが、駆動部72やモータ73等の個数が増え、立体造形装置1のコストが高くなってしまう。このため、駆動ユニット7を水平方向に移動自在とし、駆動部72を、ネジ31の本数よりも少ない数にすることで、立体造形装置1のコストを抑えることができる。なお、駆動部72の数は、ネジ31の本数等に応じて、適宜設定すればよい。
次に、図8を用いて、人がネジ31に設けられたレンズ部材312を視認する状態を説明する。
図8(a)は、レンズ部材に対して、水平方向の角度を一致させた状態で、水平面に対する角度を異ならせてレンズ部材を見たときの概念図である。同図(b)は、レンズ部材に対して、水平面に対する角度を一致させた状態で、水平方向の角度を異ならせてレンズ部材を見たときの概念図である。
図8(a)に示す、人L1は、レンズ部材312を真上から見ている人であり、人L2は、レンズ部材312を斜め45度から見ている人であり、人L3は、レンズ部材312を斜め30度から見ている人である。図8(a)に示すように、人L1がレンズ部材312を見た場合の焦点は、レンズ部材312の中心になり、図3に示す、着色部材313の中心部分が視認される。また、人L2,人L3がレンズ部材312を見た場合の視軸は、レンズ円柱部3121を通過するため、着色部材313における、いずれかの色に着色された壁部3132が視認されることになる。
図8(b)に示す、人L4は、斜め上方からであって、かつ図8(b)における、4時半の方向から、レンズ部材312を見ている人であり、人L5は、斜め上方からであって、かつ図8(b)における、6時の方向から、レンズ部材312を見ている人である。図8(b)に示すように、人L4がレンズ部材312を見た場合、人L4の右眼と左眼の両方において、着色部材313の赤領域313aが視認され、右眼と左眼の両方に赤色が写る。人L5がレンズ部材312を見た場合、人L5の右眼では、着色部材313の赤領域313aが視認され、人L5の左眼では、着色部材313の青領域313bが視認される。このため、人L5は、右眼には赤色が写り、左眼には青色が写る。このように、右眼に写る像と左眼に写る像とを異ならせることができ、立体視画像の表示が可能になる。
上述したように、複数のネジ31は、駆動部72によってそれぞれ回転させられる。このため、複数のネジ31それぞれにおける着色部材313の、ネジ31が回転する方向の向きが様々になる。この結果、人が、斜め上方から、複数のネジ31における、それぞれのレンズ部材312を見ると、レンズ部材312毎に視認される色が様々になり、また、右眼と左眼で違う色が写る場合もある。これらによって、立体造形物4の装飾性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態の立体造形物および立体造形装置によれば、立体造形物の形が不用意に崩れてしまうことがなく、また、立体造形物を別の形に容易に変更することができる。
本発明は上述の実施の形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、本実施形態では、矩形状のカートリッジ枠5を用いているが、三角形状、五角形以上の多角形状、あるいは円形状のカートリッジ枠を用い、ネジ集合体3の外側形状が、三角形、五角形以上の多角形、あるいは円形になるように複数のネジ31を束ねてもよい。また、矩形状のカートリッジ枠のうち、一つの角部にヒンジ部材を設け、この角部に対向する角部を着脱自在にすることによって、ヒンジ部材を軸にして、拘束状態と開放状態との間で状態変更が可能なカートリッジ枠を用いてもよい。さらに、本実施形態の立体造形装置1では、立体造形物4を、複数のネジ31それぞれが上下方向に延在する姿勢で配置しているが、複数のネジ31それぞれが、水平方向または傾斜方向に延在する姿勢に、立体造形物4を配置してもよい。また、本実施形態の立体造形装置1では、駆動ユニット7の位置を変更する位置変更手段を備えているが、立体造形物4の位置を変更する位置変更手段を備えるものであってもよい。
なお、以上説明した各変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の変形例に適用してもよい。
また、先端部分に見える色を変えることができる色変化表示体であって、
複数の棒体が立設してなる棒集合体と、
前記複数の棒体それぞれの先端側に設けられたレンズ部材とを備え、
前記複数の棒体それぞれは、後端側に、該棒体を回転駆動する駆動手段に係合する係合部が設けられたものであり、
前記レンズ部材は、前記棒体の先端側で該棒体の周方向に分割された互いに異なる色の色領域を透過するものであってもよい。
1 立体造形装置
3 ネジ集合体
31 ネジ
312 レンズ部材
313 着色部材
314 係合突起
5 カートリッジ枠
7 駆動ユニット
72 駆動部
7233 突起部

Claims (5)

  1. 一方向の部分的な突出長を任意に変更することで形を変えることができる立体造形物であって、
    互いのネジ溝を噛み合わせて配置された複数のネジからなるネジ集合体を備え、
    前記複数のネジそれぞれは、一本一本が独立して回転可能なものであって、回転することによって該ネジの延在方向に独立して進退可能なものであり、該ネジを回転駆動する駆動手段に係合する係合部が設けられたものであることを特徴とする立体造形物。
  2. 拘束状態と開放状態との間で状態変更が可能なカートリッジ枠を備え、
    前記カートリッジ枠は、前記拘束状態にあるときには、前記複数のネジそれぞれが独立して回転可能に該複数のネジを束ねるものであり、
    前記複数のネジは、前記カートリッジ枠が前記開放状態にあるときには、一本一本が該ネジの径方向に分離可能なものであることを特徴とする請求項1記載の立体造形物。
  3. 前記複数のネジそれぞれの突出方向先端部分に設けられたレンズ部材を備え、
    前記レンズ部材は、前記ネジの前記突出方向先端部分で該ネジの周方向に分割された互いに異なる色の色領域を透過するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の立体造形物。
  4. 一方向の部分的な突出長を任意に変更することで形を変えることができる立体造形物を備えた立体造形装置であって、
    前記立体造形物は、互いのネジ溝を噛み合わせて配置された複数のネジからなるネジ集合体を有するものであって、
    前記ネジを回転駆動する駆動手段を備え、
    前記複数のネジそれぞれは、一本一本が独立して回転可能なものであって、回転することによって該ネジの延在方向に独立して進退可能なものであり、前記駆動手段に係合する係合部が設けられたものであることを特徴とする立体造形装置。
  5. 前記駆動手段は、前記係合部に係合する、前記複数のネジの本数よりも少ない数の駆動部を有するものであり、
    前記係合部と前記駆動部は、離間した離間状態、および互いに係合した係合状態を取り得るものであり、
    前記駆動手段と前記立体造形物との、前記一方向に直交する直交方向における相対位置を、前記離間状態において変更する位置変更手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の立体造形装置。
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