JP2014092623A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示品位の低下を抑えた液晶表示素子を提供する。
【解決手段】液晶表示素子101は、短冊状のコモン電極106と、それに直交する短冊状のセグメント電極107と、それら電極間に挟持され、セグメント電極107の伸びる方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する液晶層とを有する。そして、コモン電極106とセグメント電極107との重なり部分が画素114を構成し、画素114の液晶のプレチルト角の形成方向と垂直なエッジ近傍のセグメント電極107に、液晶のプレチルト角の形成方向と直交する直線状に配列された1列の開口部を設ける。
【選択図】図9

Description

本発明は、液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、透過型および反射型等があるが、例えば、透過型の場合、観察者の側に配置される透明な第1の基板と、この第1の基板に対向して観察者とは反対側に配置される透明な第2の基板とを有し、これら第1の基板と第2の基板との間に、液晶層を挟持して構成される。液晶層は、例えば、ネマチック相の液晶(以下、ネマチック液晶とも言う)等を用いて形成することができる。そして、第1の基板および/または第2の基板の液晶層側となる内面には、必要なパターニングがなされた、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)等の透明導電材料からなる電極を設けることができる。各基板上の電極上の液晶層と接する面には、液晶層において液晶の均一な初期配向を実現する液晶配向膜を設けることができる。液晶層を挟持する第1の基板と第2の基板の両方を挟んで、観察者の側とその反対側に一対の偏光板を配置することができる。このような構成を備えた液晶表示素子は、電極を用いて液晶層に印加される電界に応じて、液晶層の液晶が初期の配向状態から配向変化し、液晶層を透過する光の制御がなされる。
液晶表示素子は、液晶層の液晶の初期の配向状態並びに電界を印加した時の動作等から、いくつかのモード(型)に分類される。例えば、電界の印加されない初期配向時の液晶層の液晶が、基板面に対して垂直または略垂直な、垂直配向をする液晶表示素子がある。このような液晶表示素子は、VA(Vertical Alignment)型の液晶表示素子と称されている。
VA型の液晶表示素子では、誘電異方性が負である液晶が液晶層の形成に用いられる。第1および第2の2枚の基板上には、液晶層を挟んで、通常はクロスニコルを構成するように一対の偏光板が配置される。第1および第2の基板の液晶層側となる内面にはそれぞれ電極が設けられる。そして、その電極を用いて液晶層に電圧を印加すると、液晶層の液晶の配向が変化し、液晶が形成される電界に対して垂直、すなわち、液晶の配向方向が基板と平行になろうとする(例えば、特許文献1参照。)。これにより、電圧を印加した部分では、初期の液晶の配向状態に比べ、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δn・d)によって定まる光の透過特性が変化する。VA型の液晶表示素子では、電圧の印加部分で光の透過特性が変化する性質を利用して、所望とする表示が行われる。
VA型の液晶表示素子は、TN(Twisted Nematic)型の液晶表示素子やSTN(Super Twisted Nematic)型の液晶表示素子と比較すると、応答特性に優れ、高コントラストの表示を実現することができる(例えば、特許文献2参照。)。そして、VA型の液晶表示素子は、例えば、液晶テレビや携帯用情報機器の表示装置、さらには、自動車等車両のインストルメントパネル等のいわゆる車載用にも盛んに用いられている。
このようなVA型の液晶表示素子は、上述したように、初期配向時の液晶層の液晶が、基板面に対して垂直または略垂直な垂直配向をする。しかし、液晶が完全に垂直配向することは好ましくない場合がある。電圧の印加されないときの液晶の配向が基板に対して完全に垂直である場合、基板面に完全に垂直な方向の電圧が印加されると液晶が傾く方向を規定することができない。その結果、電圧印加時における液晶の配向が一様にならず表示品位が低下する。よって、VA型の液晶表示素子では、何らかの方法で、液晶層の液晶にプレチルト角を付与するようにするか、電極形状を工夫する等して、垂直に配向する液晶が電圧印加によって傾く方向を規定する必要がある。
液晶層において液晶のプレチルト角を形成する方法としては、酸化珪素(SiO)を基板に対して斜めに蒸着する斜め蒸着法等がある。また、より簡便な方法として、液晶層を挟持する基板それぞれの液晶層側の面に液晶配向膜を設け、その液晶配向膜に配向処理を施す方法がある。例えば、垂直配向性の液晶配向膜を用い、ラビング処理を施すことによって垂直配向する液晶にプレチルト角を付与することができる。そして、略垂直配向する液晶の配向方向、すなわち、液晶のプレチルト角の形成方向を規定することができる。
特開2003−207782号公報 特開2006−11362号公報
液晶テレビや携帯用情報機器の表示装置等、高精細な表示が必要となる用途においては、画素を上下方向と左右方向のマトリクス状に配置して行うフルドット表示が求められる。VA型の液晶表示素子を用いてフルドット表示を行う場合、液晶表示素子を次のようにして構成することができる。すなわち、液晶表示素子は、横方向(左右方向)に伸びる短冊状に形成された複数の第1の電極を有する第1の基板と、第1の電極と直交する上下方向に伸びる短冊状に形成された複数の第2の電極を有する第2の基板と、第1の基板の第1の電極形成面と第2の基板の第2の電極形成面とにより挟持され、それら電極間で所定方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する液晶層とを有して構成することができる。
そして、上述の構造の液晶表示素子では、第1の電極と第2の電極の各重なり部分がそれぞれ画素を形成し、フルドット表示を可能とし、所望とする高精細な画像表示を可能とする。
しかしながら、上述した構造のVA型の液晶表示素子では、フルドット表示を行う場合、画素のエッジ近傍の周辺部分で液晶の配向乱れが生じることがあった。
上述の構造の液晶表示素子の場合、各画素は、第1の電極と第2の電極の重なり部分であって、第1の電極のエッジと第2の電極のエッジとにより囲まれた領域となる。
そのため、第1の電極のエッジまたは第2の電極のエッジ近傍の各画素の周辺部分では、それらエッジからの斜め電界の影響を受け、液晶の配向乱れを生じることがある。このような液晶の配向乱れは、表示を行う画素内にドメインを発生させ、それが表示のムラとなって、液晶表示素子の表示品位を低下させることがあった。
そのため、フルドット表示を行うVA型の液晶表示素子において、ドメイン発生による表示のムラを低減し、液晶表示素子の表示品位の低下を抑える技術が求められている。
本発明は、こうした点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、VA型の液晶表示素子において、画素内のドメインによる表示のムラを低減することである。そして、本発明の目的は、表示品位の低下を抑えた液晶表示素子を提供することである。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、第1の方向に伸びる短冊状の複数の第1の電極と、第1の電極と直交するように第2の方向に伸びる短冊状の複数の第2の電極と、
第1の電極と第2の電極とに挟持され、第3の方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する液晶層とを有し、
第1の電極と第2の電極の重なり部分が画素をなす液晶表示素子であって、
第3の方向は、第1の方向および第2の方向のうちの一方と一致する方向であり、
画素の第3の方向と垂直なエッジ近傍の、第3の方向と平行に伸びる第1の電極および第2の電極のうちの一方に、第3の方向と直交する直線状に配列された1列の7μm〜20μm幅の開口部を有することを特徴とする液晶表示素子に関する。
本発明の第1の態様において、画素は、第1の電極と第2の電極との間の電圧印加によって第3の方向に液晶が傾斜する第1の領域を有するとともに、第3の方向と垂直なエッジの近傍に、第3の方向と異なる方向に液晶が傾斜する第2の領域が形成され、
1列の開口部は、第2の領域に配置されることが好ましい。
本発明の第1の態様において、開口部は、円形状、1つの辺がそのエッジと平行な正方形状、および、7μm〜20μm幅の短辺がそのエッジと平行な長方形状のうちのいずれかの形状であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、第1の方向に伸びる短冊状の複数の第1の電極と、第1の電極と直交するように第2の方向に伸びる短冊状の複数の第2の電極と、
第1の電極と第2の電極とに挟持され、第3の方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する液晶層とを有し、
第1の電極と第2の電極の重なり部分が画素をなす液晶表示素子であって、
第3の方向は、第1の方向および第2の方向のうちの一方と一致する方向であり、
画素の第3の方向と垂直なエッジ近傍の、第3の方向と平行に伸びる第1の電極および第2の電極のうちの一方に、第3の方向と直交する直線状に配列された1列のT字形状の開口部を有することを特徴とする液晶表示素子に関する。
本発明の第3の態様は、第1の方向に伸びる短冊状の複数の第1の電極と、その第1の電極と直交するように第2の方向に伸びる短冊状の複数の第2の電極と、
第1の電極と第2の電極とに挟持され、第3の方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する液晶層とを有し、
第1の電極と第2の電極の重なり部分が画素をなす液晶表示素子であって、
第3の方向は、第1の方向および第2の方向のうちの一方と一致する方向であり、
画素の第3の方向と垂直なエッジ近傍の、第3の方向と平行に伸びる第1の電極および第2の電極のうちの一方に、第3の方向と直交する直線状に配列された2列の開口部を有し、
その2列の開口部は、互いの開口部を対向させないように、列方向に開口部がずれて配置されることを特徴とする液晶表示素子に関する。
本発明の第3の態様において、画素は、第1の電極と第2の電極との間の電圧印加によって第3の方向に液晶が傾斜する第1の領域を有するとともに、第3の方向と垂直なエッジの近傍に、第3の方向と異なる方向に液晶が傾斜する第2の領域が形成され、
2列の開口部はそれぞれ、第2の領域に配置されることが好ましい。
本発明の第3の態様において、開口部は、円形状、1つの辺が第3の方向と垂直なエッジと平行な正方形状、および、長辺が第3の方向と垂直なエッジと垂直な長方形状のうちのいずれかの形状であることが好ましい。
本発明の第3の態様において、開口部は、長方形状の側部に凸部を設けてなるT字形状を有し、
2列の開口部は、T字形状の開口部の凸部が交互に相対向するように列方向に開口部がずれて配置されることが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、表示品位の低下を抑えた液晶表示素子が提供される。
本発明の第2の態様によれば、表示品位の低下を抑えた液晶表示素子が提供される。
本発明の第3の態様によれば、表示品位の低下を抑えた液晶表示素子が提供される。
フルドット表示を行うVA型の液晶表示素子の電極構造の一部を模式的に示す平面図である。 図1の液晶表示素子の画素の左右方向の断面を模式的に示す図である。 図1の液晶表示素子の画素の上下方向の断面を模式的に示す図である。 液晶表示素子の画素の液晶の配向状態を模式的に示す平面図である。 液晶表示素子の画素の液晶の配向状態の別の例を模式的に示す平面図である。 液晶表示素子の画素の液晶の配向状態のさらに別の例を模式的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態の液晶表示素子の構成を模式的に説明する断面図である。 本発明の第1実施形態の液晶表示素子における液晶配向膜の配向処理の方向と偏光板の吸収軸との関係を説明する図である。 本発明の第1実施形態の液晶表示素子の電極構造の一部を模式的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態の液晶表示素子の画素の液晶の配向状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。 本発明の第4実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。 本発明の第5実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。 本発明の第2比較例となる液晶表示素子のコモン電極の構造を模式的に示す図である。
上述したように、フルドット表示を行うVA型の液晶表示素子においては、画素に生じるドメインによって表示品位が低下するのを抑える技術が求められている。
本発明者は、こうした要求に応えるべく、鋭意検討を行った。
図1は、フルドット表示を行うVA型の液晶表示素子の電極構造の一部を模式的に示す平面図である。
従来知られた、フルドット表示を行うVA型の液晶表示素子1は、観察者側となる前面側に配置され、横方向に伸びる短冊状に形成された複数の第1の電極であるコモン電極2を有する第1の基板(図示されない)と、第1の基板の背面側に配置され、コモン電極2と直交する上下方向に伸びる短冊状に形成された複数の第2の電極であるセグメント電極3を有する第2の基板(図示されない)とを備える。そして、液晶表示素子1は、第1の基板のコモン電極2の形成面と第2の基板のセグメント電極3の形成面とにより挟持され、それら電極間で所定方向にプレチルト角を形成して液晶(図示されない)が略垂直配向する液晶層(図示されない)を有して構成される。液晶層の液晶は、負の誘電異方性(Δε)を有する液晶である。
液晶表示素子1では、第1の基板上のコモン電極2と液晶層との間に垂直配向性の液晶配向膜(図示されない)を配置することが可能である。液晶配向膜は、図1の液晶表示素子1に設けられた状態で、例えば、図の上方から下方に向かって配向処理を施すことができる。同様に、液晶表示素子1では、第2の基板上のセグメント電極3と液晶層との間に垂直配向性の液晶配向膜(図示されない)を配置することができ、図の下方から上方に向かって配向処理を施すことができる。図1の液晶表示素子1では、このような液晶配向膜を設け、所望とする所定の方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する構造を実現することができる。
尚、図1では、液晶配向膜の配向処理の方向のみを矢印で示しており、下方を向く実線の矢印がコモン電極2側の液晶配向膜の配向処理の方向を示し、上方を向く破線の矢印がセグメント電極3側の液晶配向膜の配向処理の方向を示している。
そして、液晶表示素子1は、第1の基板のコモン電極2側と反対の側なる前面側にF偏光板(図示されない)が配置され、第2の基板のセグメント電極3側の反対側となる背面側にR偏光板(図示されない)が配置される。これら一対の偏光板は、上述の液晶層を挟持して、それぞれの吸収軸が互いに直交するように配置される。また、液晶表示素子1において、R偏光板のさらに背面側には、バックライト(図示されない)を設けることが好ましい。
液晶表示素子1では、所定の線幅L1の複数のコモン電極2が、隣接するもの同士で所定の線間距離L2を有して離間するように配列され、同様に、所定の線幅L3の複数のセグメント電極3が、隣接するもの同士で所定の線間距離L4を有して離間するように配列されている。その結果、液晶表示素子1は、図1のように平面視した状態で、コモン電極2とセグメント電極3の各重なり部分がそれぞれ1つの画素4を構成する。そして、液晶表示素子1は、上下左右のマトリクス状に配置された画素4を用いて、フルドット表示を可能とし、所望とする高精細な画像表示を可能とする。
このとき、液晶表示素子1の各画素4は、図1に示すように、コモン電極2とセグメント電極3との重なり部分であり、コモン電極2のエッジとセグメント電極3のエッジとにより囲まれた領域として形成される。したがって、コモン電極2とセグメント電極3との間にON(オン)電圧を印加して明表示を行うに際し(以下、単に、ON時とも言う。)、コモン電極2のエッジおよびセグメント電極3のエッジからの影響を受ける。すなわち、ON時の液晶の配向が、コモン電極2のエッジおよびセグメント電極3のエッジからの斜め電界の影響を受けることになる。
図2は、図1の液晶表示素子の画素の左右方向の断面を模式的に示す図である。
図2に示すように、画素4は、液晶層5を挟んで上層側となるコモン電極2と下層側となるセグメント電極3とが重畳する部分として形成される。その画素4において、その中央付近の領域では、上述した配向処理の効果によって、ON時に液晶6が図面(紙面)の奥側(裏側)に向かって配向するようになる。
一方、液晶表示素子1の画素4の周辺部分では、ON時において、液晶6が上述したのと異なる配向をすることがある。それは、図2に示すように、液晶表示素子1の画素4を含む領域の左右方向の断面において、液晶層5を挟んで下層側に位置するセグメント電極3の幅が、上層側に位置するコモン電極2の幅より小さくなることに起因する。すなわち、その幅の違いにより、図2に示すように、セグメント電極3のエッジとコモン電極2との間に意図しない斜め電界7が形成されることになる。液晶層5の液晶6は、上述したように、負の誘電異方性を有している。そのため、画素4のセグメント電極3のエッジの近傍に位置し、そこから発生する斜め電界7の影響を受ける液晶6は、斜め電界7に対し、直交する方向に倒れて配向しようとする。
その結果、液晶表示素子1の画素4の左右の端部近傍では、セグメント電極3のエッジによる斜め電界7の影響を受けて、ON時において、図面の左右方向と平行に配向するようになる。
尚、図2では、斜め電界7による液晶6の倒れる方向を、傾斜方向と表示して湾曲する矢印によって示している。この表示方法は、後述する図3においても同様である。
図3は、図1の液晶表示素子の画素の上下方向の断面を模式的に示す図である。
同様に、図3に示すように、液晶表示素子1の画素4を含む領域の上下方向の断面において、液晶層5を挟んで上層側に位置するコモン電極2の幅が、下層側に位置するセグメント電極3の幅より小さくなる。そのため、その幅の違いにより、図3に示すように、コモン電極2のエッジとセグメント電極3との間に意図しない斜め電界8が形成される。その結果、画素4のコモン電極2のエッジの近傍に位置し、そこから発生する斜め電界8の影響を受ける液晶6は、斜め電界8に対し、直交する方向に配向しようとする。すなわち、画素4の周辺部分において、図3の右側に位置する周辺部分では、コモン電極2のエッジによる斜め電界8の影響を受けて、ON時において、図3の右方向に傾斜する配向変化をして、電極面に水平に配向しようとする。
また、このようなON時のコモン電極2のエッジの近傍での液晶6の配向変化は、上述した配向処理の効果による配向変化と同様のものとなる。すなわち、画素4の中央付近のプレチルト角の形成方向に倒れる配向変化と同様のものとなる。したがって、上述した画素4のコモン電極2のエッジの近傍において液晶6の配向乱れの発生はなく、液晶表示素子1において問題となることはない。その場合、問題となるのは、画素4の周辺分において、図3の左側に位置する端部近傍での液晶6の配向変化である。すなわち、画素4の周辺部分において、図3の左側端部の近傍では、コモン電極2のエッジによる斜め電界8の影響を受けて、ON時において、図3の左方向に傾斜する配向変化をして、電極面に水平に配向しようとする。このようなON時の液晶6の配向変化の方向は、上述した配向処理の効果による配向変化の方向と180°異なるものとなる。
尚、画素4において、図3の右側端部のコモン電極2のエッジは、コモン電極2上の液晶配向膜の配向処理がラビング手段によるラビング処理である場合の、ラビング手段の進入側(入口側)となる端部となる。そして、画素4の、液晶配向膜の配向処理の効果によってON時に液晶6が倒れる側にある端部となる。一方、図3の画素4において、左側端部のコモン電極2のエッジは、そのラビング処理において、ラビング手段が出て行く出口側となる。そして、画素4の、液晶配向膜の配向処理の効果によってON時に液晶6が倒れる側とは反対側にある端部となる。
また、図3では、配向処理の方向を矢印で示しており、左側を向く実線の矢印がコモン電極2側の液晶配向膜の配向処理の方向を示し、右側を向く破線の矢印がセグメント電極3側の液晶配向膜の配向処理の方向を示している。
図4は、液晶表示素子の画素の液晶の配向状態を模式的に示す平面図である。
以上のように、液晶表示素子1の画素4では、図2および図3のON時の斜め電界7、8(図4には図示されない。)の影響によって、ON時の液晶層5(図4中には図示されない。)の液晶6の配向方向が一様ではなく、多様な配向状態を含むことがある。図4は、液晶表示素子1のON時において、画素4内で生じることがある多様な液晶6の配向状態を模式的に説明している。図4では、矢印を用い、液晶6およびその傾斜方向を模式的に示している。
尚、図4では、画素4の液晶配向膜(図示されない)の配向処理の方向のみを矢印で示しており、下方に向かう実線の矢印が、液晶層5を挟んで上層側となるコモン電極2(図4中、図示されない。)側の液晶配向膜の配向処理の方向を示す。そして、上方に向かう破線の矢印が、液晶層5を挟んで下層側となるセグメント電極3(図4中、図示されない。)側の液晶配向膜の配向処理の方向を示している。
図4に示すように、ON時の液晶表示素子1の画素4では、その中央近傍の部分において、上述した配向処理の効果により、液晶6が図の上方に向かって配向する領域9が形成される。ON時に液晶6が配向処理の効果によって配向する領域9は、図3および図4のコモン電極2とセグメント電極3との間の電圧印加によってプレチルト角の形成方向に液晶6が傾斜する領域である。そして、液晶表示素子1の画素4において、ON時に、液晶の配向状態が所望の状態を示す、正常な領域となる。
その一方で、図2の左右方向の断面図を用いて説明したように、左右の端部では、ON時において、液晶6は、セグメント電極3のエッジの影響によって、左右方向に配向するようになる。すなわち、画素4の左右の端部近傍には、上述の正常な領域9と比較して配向乱れが生じ、液晶6の配向方向が0°〜45°程度の大きさ、そしてさらに大きく、45°〜90°程度の大きさまでずれた異常領域10a、10bが形成される。形成された画素の左右の異常領域10a、10bは、ON時において透過率の低下や、また再び上昇するような変化が生じる領域となる。
さらに、図3の上下方向の断面図を用いて説明したように、画素4の下方側の端部近傍では、ON時において、コモン電極2のエッジの影響によって、液晶6が、図の下方に向かって配向変化するようになる。すなわち、上述した配向処理の効果によって、上述のON時に図の上方に向かって液晶6が配向変化する正常な領域9と比べて、配向変化の方向が180°異なるものとなる。したがって、画素4の下方側の端部では、上述の正常な領域9と比較して、大きな配向乱れが発生することになり、異常領域10cが形成される。この異常領域10cでは、正常な領域9と比べてON時の液晶6の配向変化の方向が180°異なる部分でドメインが発生する。このドメインは、液晶表示素子1の画素4毎に形状が異なって一様ではなく、液晶表示素子1においてざらつき状の表示ムラとして観察される。
以上の例のように、図1に示す電極構造のフルドット表示を行うVA型の液晶表示素子1では、画素4のエッジ近傍にドメインを発生させることがある。このドメインは、上述したように、液晶の配向変化の方向が正常な領域と比べて、180°異なる領域である。VA型の液晶表示素子1においてそのようなドメインは、コモン電極2のエッジまたはセグメント電極3のエッジによる斜め電界の影響と、配向処理の効果によってON時に液晶が配向する方向、すなわち、液晶のプレチルト角の形成方向との関係によって、画素4内の所定の領域に発生する。例えば、図1に示した液晶表示素子1において、配向処理の方向が異なるものであった場合、上述したドメインは、図4に示したのと異なる位置に発生する。
図5は、液晶表示素子の画素の液晶の配向状態の別の例を模式的に示す平面図である。
図5では、画素4を示し、それを構成するコモン電極2とセグメント電極3を区別して示していないが、コモン電極2上の液晶配向膜が、図の右から左に向かって配向処理され、セグメント電極3の液晶配向膜が、図の左から右方に向かって配向処理されている。そして、図5では、図1の液晶表示素子1の配向処理の方向がそのような方向である場合のドメインの形成を説明する。
尚、図5では、図4と同様、画素4の液晶配向膜(図示されない)の配向処理の方向のみを矢印で示しており、実線の矢印が、液晶層5(図示されない)を挟んで上層側となるコモン電極2側の液晶配向膜の配向処理の方向を示す。そして、破線の矢印が、液晶層5を挟んで下層側となるセグメント電極3側の液晶配向膜の配向処理の方向を示している。後述する図6においても同様である。
図1に示す液晶表示素子1において、上述した方法の液晶配向膜の配向処理が行われた場合、ドメインの現れる異常領域10c’は、図5に示すように、画素4の右側端部のセグメント電極3のエッジ近傍に形成される。すなわち、上述した、正常な領域9と比べてON時の液晶6の配向変化の方向が180°異なるドメインが現れる異常領域10c’は、ON時に液晶6の傾斜方向の側であって、配向処理の方向と直交する、画素4の右側端部のセグメント電極3のエッジ近傍に形成される。
図6は、液晶表示素子の画素の液晶の配向状態のさらに別の例を模式的に示す平面図である。
図6では、画素4を示し、それを構成するコモン電極2とセグメント電極3を区別して示していないが、コモン電極2上の液晶配向膜が、図の下方から上方に向かって配向処理され、セグメント電極3の液晶配向膜が、図の上方から下方向かって配向処理されている。そして、図6では、図1の液晶表示素子1の配向処理の方向がそのような方向である場合のドメインの形成を説明する。
図1に示す液晶表示素子1において、上述した方法の液晶配向膜の配向処理が行われた場合、ドメインの現れる異常領域10c’’は、図6に示すように、画素4の上側端部のコモン電極2のエッジ近傍に形成される。すなわち、上述した、正常な領域9と比べてON時の液晶6の配向変化の方向が180°異なるドメインが現れる異常領域10c’’は、ON時に液晶6の傾斜方向と反対側にあって、配向処理の方向と直交する、画素4の上側端部のコモン電極2のエッジ近傍に形成される。
このように、画素4のエッジ近傍に発生するドメインは、形状が画素4毎の形状が一定ではない。そのため、ドメインの発生領域の異なる上述のいずれの場合においても、液晶表示素子1の表示品位を著しく低下させる原因となる。
こうしたドメインの問題点に対し、従来から、それを改善するための方法が提案されている。
例えば、特開2008−164983号公報には、電極の線間部分にスリットを配置し、スリットにより斜め電界に起因する配向乱れを低減して液晶の配向をより均一にさせることが提案されている。しかし、この方法では、スリットを電極中で設計通りの位置に正確に配置する必要があり、電極を有する基板の高精度での貼合せが必要となる。この貼合せがずれてしまうと、液晶層を挟持する電極間のずれによる意図しない斜め電界が発生してしまうためである。また、スリット幅もある程度大きさが必要となり、画素の開口率が低下して、液晶表示素子の輝度を低下させる懸念がある。
また、特開2010−224233号公報には、電極のエッジ部分に三角形状の切り込みを配置し、斜め電界に起因するブラッククロス(ドメイン)を固定化して、各画素間で一様な形状とし、表示の不均一性を解消する方法が提案されている。しかし、この方法では、三角形状の切り込みの斜面の長さを50μm以上、好ましくは70μm以上に設定し、三角形状の切り込み間の直線部分を70μm以下、好ましくは40μm以下に設定する必要がある。さらに、三角形状の切り込みは2つ以上の配置が必要となる、そうした大きな切り込みを大きな配置間隔で画素の電極に設ける構造は、高精細表示の形成には不向きであり、また、画素の開口率を大きく低下させることになる。
そこで、以上の検討結果も踏まえ、本発明者は、フルドット表示可能なVA型の液晶表示素子のドメインの問題の低減について検討し、本発明に至った。すなわち、本発明は、VA型であってフルドット表示の可能な電極構造を有する液晶表示素子において、画素内のドメインの発生が懸念される領域の電極に、くり抜き部分となる開口部を配置し、発生するドメインの形状を制御し、表示のざらつき感を抑えて表示のムラ等を検知され難いものとする。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について、より詳しく説明する。
実施形態1.
本発明の第1実施形態の液晶表示素子は、VA型の液晶表示素子であり、フルドット表示方式の液晶表示素子である。
図7は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の構成を模式的に説明する断面図である。
図7に示すように、本発明の第1実施形態の液晶表示素子101は、観察者の側となる前面側に配置される透明な第1の基板102とこの第1の基板102に対向して観察者とは反対側となる背面側に配置される透明な第2の基板103との間に液晶層104を挟持してなる液晶パネル105を有して構成される。
液晶パネル105の液晶層104は、誘電異方性(Δε)が負であるネマチック液晶を用いて形成することができる。第1の基板102の液晶層104側の面には、例えば、ITO等の透明導電材料からなる、パターニングされた第1の電極であるコモン電極106が設けられている。同様に、第2の基板103の液晶層104側の面には、ITO等の透明導電材料からなる、パターニングされた第2の電極であるセグメント電極107が設けられている。コモン電極106とセグメント電極107の構造について後に詳述する。
液晶パネル105の第1の基板102上のコモン電極106と液晶層104との間および第2の基板103上のセグメント電極107と液晶層104との間にはそれぞれ、液晶層104の液晶(図示されない)の均一な垂直配向(初期配向)を実現する液晶配向膜(図示されない)が設けられている。そして、コモン電極106上の液晶配向膜およびセグメント電極107上の液晶配向膜は、それぞれ配向処理がなされ、配向処理の方向が互いに反平行となるようにされている。尚、液晶配向膜の配向処理は、公知のラビング処理によって行われることが好ましい。
液晶表示素子101は、液晶パネル105の第1の基板102の前面側にF偏光板108を配置して有し、第2の基板103の背面側にR偏光板109を配置して有する。
また、図7に示すように、液晶表示素子101は、液晶パネル105の背面側であって、R偏光板109のさらに背面側に、バックライト110を配置して有する。
図8は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子における液晶配向膜の配向処理の方向と偏光板の吸収軸との関係を説明する図である。
液晶表示素子101は、F偏光板108とR偏光板109の一対の偏光板を用い、液晶パネル105の液晶層104を挟持するとともに、互いの吸収軸117、118が、85°〜95°の角度をなすように、好ましくは、直交してクロスニコル配置となるように配置する。
そして、液晶表示素子101の液晶パネル105は、平面視の状態で、コモン電極106上の液晶配向膜の配向処理の方向が、液晶パネル105の長辺方向と垂直となるように、上方から下方に向かう方向となる。尚、図6中には、視認側の配向処理方向として実線の矢印で示される。また、セグメント電極107上の液晶配向膜の配向処理の方向が、液晶パネル105の長辺方向と垂直となるように、下方から上方に向かう方向となる。尚、図8中には、反視認側の配向処理方向として破線の矢印で示される。各液晶配向膜の配向処理の方向をこのように設定することで、上述したように、コモン電極106上の液晶配向膜と、セグメント電極107上の液晶配向膜とは、配向処理の方向が互いに反平行となる。
そして、液晶表示素子101のF偏光板108とR偏光板109の配置は、クロスニコル配置となるようにした。すなわち、液晶表示パネル105の長辺方向を基準軸とし、視認側から見たときの基準軸からF偏光板108の吸収軸117までの反時計回りの角度をθ1とした場合、θ1=45゜になるように設定し、R偏光板109の吸収軸118までの反時計回りの角度をθ2とした場合、θ2=135゜になるように設定した。このようなF偏光板108とR偏光板109の配置を行うことで、互いの吸収軸117、118が直交してクロスニコル配置となり、かつ、液晶パネル105の各液晶配向膜の配向処理の方向との間で45°の角度をなすようになる。その結果、液晶表示素子101は、コモン電極106とセグメント電極107との間の電圧印加により、液晶層104の液晶がプレチルト角の形成方向に倒れる配向変化をし、明るい明表示を形成することができる。尚、ここでは、F偏光板108とR偏光板109の吸収軸117、118が直交するようにしたが、それらの偏光軸が互いに直交するようにしてもよい。
そして、液晶表示素子101は、フルドット表示を可能とする。そのため、上述した液晶パネル105のコモン電極106とセグメント電極107とは、フルドット表示に好適な電極構造を有する。
次に、本発明の第1実施形態の液晶表示素子101の電極構造について、より詳しく説明する。
図9は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の電極構造の一部を模式的に示す平面図である。
フルドット表示方式のVA型の液晶表示素子101は、上述したように、観察者側となる前面側に配置された第1の基板(図9中、図示されない。)と、第1の基板の背面側に配置された第2の基板(図示されない)とを有する。第1の基板の、第2の基板側の面には、第1の方向である横方向に伸びる短冊状に形成された複数の第1の電極であるコモン電極106が設けられている。また、第2の基板の、第1の基板側の面には、コモン電極106と直交する第2の方向である上下方向に伸びる短冊状に形成された複数の第2の電極であるセグメント電極107が設けられている。そして、液晶表示素子101は、対向する、第1の基板のコモン電極106形成面と第2の基板のセグメント電極107形成面とにより挟持され、それら電極間で所定の第3の方向にプレチルト角を形成して液晶(図9中、図示されない。)が略垂直配向する液晶層(図9中、図示されない。)を有して構成される。
液晶表示素子101では、上述したように、第1の基板上のコモン電極106と液晶層との間に垂直配向性の液晶配向膜(図示されない)を配置する。液晶配向膜は、図9の液晶表示素子101に設けられた状態で、上述したように、図の上方から下方に向かって配向処理が施されている。同様に、液晶表示素子101では、第2の基板上のセグメント電極107と液晶層との間に垂直配向性の液晶配向膜(図示されない)を配置し、その液晶配向膜は図の下方から上方に向かって配向処理が施されている。図9の液晶表示素子101は、このような液晶配向膜を設けることで、所望とする図の上下方向と平行な方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する構造を実現する。
液晶のプレチルト角は85°〜89.9°が好ましい。85°より小さい場合には、OFF(オフ)電圧印加時または電圧無印加時(以下、単に、OFF時と言う。)の暗い表示が明るくなってコントラスト比が低下するたてめである。一方、89.9°より大きい場合、特に、90°となる場合、ON時に液晶の傾く方向の制御が困難となり、配向乱れやドメインを生じ、表示品位が低下するためである。
尚、図9では、液晶配向膜の配向処理の方向のみを矢印で示しており、下方を向く実線の矢印がコモン電極106側の液晶配向膜の配向処理の方向を示し、上方を向く破線の矢印がセグメント電極107側の液晶配向膜の配向処理の方向を示している。
液晶表示素子101では、所定の線幅L11の複数のコモン電極106が、隣接するもの同士で所定の線間距離L12を有して離間するようにストライプ状に配列される。同様に、所定の線幅L13の複数のセグメント電極107が、隣接するもの同士で所定の線間距離L14を有して離間するようにストライプ状に配列されている。その結果、液晶表示素子101は、図9のように平面視した状態で、コモン電極106とセグメント電極107の重なり部分がそれぞれ1つの画素114を構成する。尚、図9中、画素114は点線で模式的に表される。そして、液晶表示素子101は、上下左右のマトリクス状に配置された画素114を用いて、フルドット表示を可能とし、所望とする高精細な画像表示を可能とする。
このとき、液晶表示素子101の各画素114は、図9に示すように、コモン電極106のエッジとセグメント電極107のエッジとにより囲まれた領域として形成される。したがって、画素114では、ON時の明表示を行うに際し、コモン電極106のエッジおよびセグメント電極107のエッジからの影響を受ける。すなわち、画素114では、ON時の液晶の配向が、コモン電極106およびセグメント電極107のエッジからの斜め電界の影響を受けることになる。液晶表示素子101の各画素114において、この斜め電界の影響は、図2および図3を用いて説明した、フルドット表示を行うVA型の液晶表示素子1のものと同様となる。その結果、液晶表示素子101の画素114は、図4を用いて説明した画素4と同様の液晶の配向状態を示すことになる。
図10は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の画素の液晶の配向状態を模式的に示す平面図である。
すなわち、液晶表示素子101の画素114では、上述したON時の斜め電界の影響によって、液晶層(図10中には図示されない。)の液晶116の配向方向が一様ではなく、図4の場合と同様の、多様な配向状態を含むことがある。図10では、図4と同様、矢印を用い、液晶116およびその傾斜方向を模式的に示している。
尚、図10では、画素114の液晶配向膜(図示されない)の配向処理の方向のみを矢印で示しており、下方を向く実線の矢印がコモン電極106(図10中、図示されない。)側の液晶配向膜の配向処理の方向を示し、上方を向く破線の矢印がセグメント電極107(図10中、図示されない。)側の液晶配向膜の配向処理の方向を示している。
図10に示すように、ON時の液晶表示素子101の画素114では、その中央近傍において、上述した配向処理の効果によって、液晶116が図の上方に向かって配向する領域119が形成される。ON時に液晶116が配向処理の効果によって配向する領域119は、図9のコモン電極106とセグメント電極107との間の電圧印加によって、プレチルト角の形成方向に液晶116が傾斜する領域であり、液晶表示素子101の画素114において所望される、液晶の配向状態が正常である正常領域となる。
その一方で、左右の端部では、ON時において、セグメント電極107のエッジの影響によって、左右方向に配向するようになる。すなわち、画素114の左右の周辺部には、上述の正常領域と比較して配向乱れが発生し、液晶116の配向方向が0°より大きく90°程度の大きさまでずれた異常領域120a、120bが形成される。形成された画素の左右の異常領域120a、120bは、ON時における透過率の大きな変動を引き起こす領域となる。
さらに、下方側の端部では、ON時において、コモン電極106のエッジの影響によって、図の下方に向かって配向変化するようになる。すなわち、上述した配向処理の効果によって、ON時に図の上方に向かって液晶116が配向変化する正常領域と比べて、配向変化の方向が180°異なるものとなる。したがって、画素114の下方の端部近傍では、上述の正常領域と比較して大きな配向乱れが発生することになり、異常領域120cが形成される。この異常領域120cでは、ON時において、上述の正常領域と比べて配向変化の方向が180°異なる部分にドメインが発生する。このドメインは、液晶表示素子101の画素114毎に形状が異なって一様ではない。液晶表示素子101においてこのドメインが視認可能である場合、ざらつき状の表示ムラとして観察される懸念がある。その場合、画素114のドメインは、液晶表示素子101の表示品位を著しく低下させる原因となって、特に大きな問題となる。
そのため、本発明の第1実施形態の液晶表示素子101では、画素114内でドメインの発生が懸念される異常領域120cのセグメント電極107(図10中、図示されない。)に、くり抜き部分となる開口部を直線状に並べた列を設ける。画素114のエッジ部分にある異常領域120cに、直線状に並べられた開口部が設けることで、ドメインの形状を、開口部の間を繋ぐ直線状に固定化できる。そして、各画素114間で、エッジ部分のドメインの状態を同じにすることができ、ドメインの形状が異なることによるざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えることができる。
図11は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。
図11に示すように、本発明の第1実施形態の液晶表示素子101では、配向処理の方向、すなわち、ON時の液晶の配向方向と平行に伸びるセグメント電極107に、そのセグメント電極107の形成方向と直交する直線状に配列された1列の開口部121を配置して有する。この開口部121は、画素114をなすセグメント電極107にくり抜き部分として形成することができる。尚、図11中、画素114は点線で模式的に表される。後述する図12〜図15においても同様である。
本発明の第1実施形態の液晶表示素子101において、開口部121の列は、セグメント電極107の画素114を形成する部分に設けられる。そして、図11に示すように、セグメント電極107の各画素114をなす部分の下方側の端部近傍の領域にそれぞれ設けられることが好ましい。
その結果、開口部121の列の、画素114内の配置領域としては、各画素114の下方側の端部近傍となる。画素114の下方側の端部近傍は、画素114を構成するコモン電極106(図11中、図示されない。)のエッジの近傍となり、そのエッジからの斜め電界の影響を受ける領域となる。すなわち、開口部121の列は、画素114を構成する電極エッジの近傍に、そのエッジに沿って直線状に配置される。
上述したように、液晶表示素子101において、画素114の下方側の端部近傍は、図10に示した異常領域120cの位置とほぼ一致する。したがって、液晶表示素子101において、画素114の開口部121の列は、コモン電極106のエッジ近傍にある、図10の異常領域120cのセグメント電極107に設けられることになる。
本発明の第1実施形態の液晶表示素子101において、画素114の開口部121は、幅が7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、開口部121は、幅が7μm〜14μmの範囲内に設定されていることが好ましい。7μm未満である場合、各開口部121により生じる斜め電界の影響が小さくなり、ドメインの形状を、直線状に固定化する効果が小さくなるためである。また、20μmよりも長いと、開口部121によって点灯しない部分が増えるために透過率が低下するからである。
また、本発明の第1実施形態の液晶表示素子101において、開口部121の形状は正方形状であるが、その形状は正方形状に限られるわけではない。開口部121の形状は、多角形や円形や楕円形であってもよい。正方形状は好ましい形状の例となる。
そして、本発明の第1実施形態の液晶表示素子101において、隣接する開口部121間の配置間隔は、5μm〜25μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、7〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。配置間隔が5μm未満である場合、断線しやすくなるためである。また、配置間隔が25μmよりも大きいと、ドメインの形状を、直線状に固定化する効果が小さくなり、また、開口部121による液晶の配向乱れが起こりやすくなるためである。
以上のように、本発明の第1実施形態の液晶表示素子101は、画素114の下方側のコモン電極106のエッジ近傍において、セグメント電極107に、直線状に規則的に配置された開口部121の列を設ける。液晶表示素子101は、画素114のエッジ部分に、直線状に並べられた開口部121が設けることで、ドメインの形状を、開口部121の間を繋ぐ直線状に固定化できる。そして、各画素114間で、エッジ部分のドメインの状態を同じにすることができ、ドメインの形状が異なることによるざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えることができる。
実施形態2.
本発明の第2実施形態の液晶表示素子は、VA型の液晶表示素子であり、フルドット表示方式の液晶表示素子である。
本発明の第2実施形態の液晶表示素子は、各画素をなすセグメント電極に設けられた開口部の配置構造に特徴を有し、それ以外の構造は、上述した本発明の第1実施形態の液晶表示素子101と同様の構造を有する。したがって、第2実施形態の液晶表示素子については、第1実施形態の液晶表示素子101とは異なる、画素をなすセグメント電極の開口部の配置構造を中心に説明し、その他の基本となる構成の共通する構成要素については、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図12は、本発明の第2実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。
本発明の第2実施形態の液晶表示素子では、図12に示すように、配向処理の方向、すなわち、ON時の液晶の配向方向と平行に伸びるセグメント電極207に、そのセグメント電極207の形成方向と直交する直線状に配列された開口部221の列を2列配置して有する。この開口部221は、画素114をなすセグメント電極207にくり抜き部分として形成することができる。
本発明の第2実施形態の液晶表示素子において、2列の開口部221はそれぞれ、セグメント電極207の画素114を形成する部分に離間して設けられる。2列の開口部221は、それらを構成する開口部221の形状と配置間隔が等しく構成されている。そして、2列の開口部221は、互いの開口部221が対向することがないように、セグメント電極207上で、それら列の方向と平行な方向に開口部221がずれて配置されている。すなわち、2列の開口部221は、一方の列の開口部221が、もう一方の列の隣接する開口部221の間の部分と対向するように、互いに開口部221をずらして配置されている。
そして、図12に示すように、2列の開口部221は、セグメント電極207の各画素114をなす部分の下方側の端部およびその近傍にそれぞれ設けられることが好ましい。
その結果、2列の開口部221の、画素114内の配置領域としては、各画素114の下方側の端部およびその近傍となる。画素114の下方側の端部およびその近傍は、画素114を構成するコモン電極106(図12中、図示されない。)のエッジの近傍となり、そのエッジからの斜め電界の影響を受ける領域となる。すなわち、2列の開口部221はそれぞれ、画素114を構成する電極エッジの近傍に、そのエッジに沿って直線状に配置される。
上述したように、第2実施形態の液晶表示素子において、画素114の下方側の端部近傍は、図10に示した、同様構造を有する第1実施形態の液晶表示素子101の画素114の異常領域120cの形成位置とほぼ一致する。したがって、第2実施形態の液晶表示素子において、画素114の2列の開口部221は、コモン電極106のエッジ近傍にある、図10の異常領域120cと同様の異常領域(図示されない)のセグメント電極207に設けられることになる。
本発明の第2実施形態の液晶表示素子は、画素114のコモン電極106のエッジ近傍に発生するドメインを、2列の開口部221によって直線状またはジグザグ状に固定化する。さらに、開口部221を2列配置することにより、画素114のドメインの形成されたエッジ部分の明るさを、所望とする程度、低下させることができる。
本発明の第2実施形態の液晶表示素子において、開口部221は、幅が7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、開口部221は、幅が7μm〜14μmの範囲内に設定されていることが好ましい。7μm未満である場合、各開口部221により生じる斜め電界の影響が小さくなり、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなるためである。また、20μmよりも長いと、開口部221によって点灯しない部分が増えるために透過率が低下するからである。
また、本発明の第2実施形態の液晶表示素子において、開口部221の形状は正方形状であるが、その形状は正方形状に限られるわけではない。開口部221の形状は、多角形や円形や楕円形であってもよい。正方形状は好ましい形状の例となる。
そして、本発明の第2実施形態の液晶表示素子において、上述の開口部221の列における隣接する開口部221間の配置間隔は、5μm〜25μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。配置間隔が5μm未満である場合、断線しやすくなるためである。また、配置間隔が25μmよりも大きいと、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなり、また、開口部221による液晶の配向乱れが起こりやすくなるためである。
2つの開口部221の列の間隔は、5μm〜25μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。5μm未満である場合、断線しやすくなるためである。また、25μmよりも長いと、ドメインの形状を、直線状あるいはジグザク状に固定化する効果が小さくなるからである。
以上のように、本発明の第2実施形態の液晶表示素子は、画素114の下方側のコモン電極106のエッジ近傍において、セグメント電極207に、直線状に規則的に配置された開口部221の列を2列、互いに平行かつ離間するように設ける。第2実施形態の液晶表示素子は、画素114のエッジ部分に、直線状に並べられた開口部221を離間して2列設けることで、ドメインの形状を、開口部221の間を繋ぐ直線状またはジグザグ状に固定化できる。そして、各画素114間で、エッジ部分のドメインの状態を同じにすることができる。さらに、画素114のエッジ近傍の明るさを所望とする程度に低下させることができる。その結果、本発明の第2実施形態の液晶表示素子は、ドメインの形状が各画素114間で異なることによるざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えることができる。
実施形態3.
本発明の第3実施形態の液晶表示素子は、VA型の液晶表示素子であり、フルドット表示方式の液晶表示素子である。
本発明の第3実施形態の液晶表示素子は、各画素をなすセグメント電極に設けられた開口部の配置構造に特徴を有し、それ以外の構造は、上述した本発明の第1実施形態の液晶表示素子101と同様の構造を有する。したがって、第3実施形態の液晶表示素子については、第1実施形態の液晶表示素子101とは異なる、画素をなすセグメント電極の開口部の配置構造を中心に説明し、その他の基本となる構成の共通する構成要素については、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図13は、本発明の第3実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。
本発明の第3実施形態の液晶表示素子では、図13に示すように、配向処理の方向、すなわち、ON時の液晶の配向方向と平行に伸びるセグメント電極307に、そのセグメント電極307の形成方向と直交する直線状に配列された開口部321の列を配置して有する。この開口部321は、画素114をなすセグメント電極307にくり抜き部分として形成することができる。
本発明の第3実施形態の液晶表示素子において、直線状の開口部321の列は、セグメント電極307の画素114を形成する部分に設けられる。開口部321は、それぞれ同様の長方形状を有し、その長手方向がセグメント電極307の伸びる方向と一致するとともに、隣接する開口部321同士の配置間隔が等しくなるように、規則的に配列されている。
そして、図13に示すように、直線状の開口部321の列は、セグメント電極307の各画素114をなす部分の下方側の端部およびその近傍の領域にそれぞれ設けられることが好ましい。
その結果、開口部321の列の、画素114内の配置領域としては、各画素114の下方側の端部およびその近傍となる。画素114の下方側の端部およびその近傍は、画素114を構成するコモン電極106(図13中、図示されない。)のエッジの近傍となり、そのエッジからの斜め電界の影響を受ける領域となる。すなわち、開口部321の列は、画素114を構成する電極エッジの近傍に、そのエッジに沿って直線状に配置される。
上述したように、第3実施形態の液晶表示素子において、画素114の下方側の端部近傍は、図10に示した、同様構造を有する第1実施形態の液晶表示素子101の画素114の異常領域120cの形成位置とほぼ一致する。したがって、第3実施形態の液晶表示素子において、画素114の開口部321の列は、コモン電極106のエッジ近傍にある、図10の異常領域120cと同様の異常領域(図示されない)のセグメント電極307に設けられることになる。
本発明の第3実施形態の液晶表示素子は、画素114のコモン電極106のエッジ近傍に発生するドメインを、長方形状の開口部321の列によって直線状またはジグザグ状に固定化する。
本発明の第3実施形態の液晶表示素子において、開口部321は、短手方向の幅が7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、開口部321は、短手方向の幅が7μm〜14μmの範囲内に設定されていることが好ましい。その幅が7μm未満である場合、各開口部321により生じる斜め電界の影響が小さくなり、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなるためである。また、20μmよりも幅が広いと、開口部321によって点灯しない部分が増えるために透過率が低下するからである。
そして、本発明の第3実施形態の液晶表示素子において、上述の開口部321の列における隣接する開口部321間の配置間隔は、5μm〜25μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。配置間隔が5μm未満である場合、断線しやすくなるためである。また、配置間隔が25μmよりも大きいと、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなり、また、開口部321による液晶の配向乱れが起こりやすくなるためである。
以上のように、本発明の第3実施形態の液晶表示素子は、画素114の下方側のコモン電極106のエッジ近傍において、セグメント電極307に、直線状に規則的に配置された開口部321の列を設ける。第3実施形態の液晶表示素子は、画素114のエッジ部分に、直線状に並べられた開口部321を設けることで、ドメインの形状を、開口部321の間を繋ぐ直線状またはジグザグ状に固定化できる。そして、各画素114間で、エッジ部分のドメインの状態を同じにすることができ、ドメインの形状が各画素114間で異なることによるざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えることができる。
実施形態4.
本発明の第4実施形態の液晶表示素子は、VA型の液晶表示素子であり、フルドット表示方式の液晶表示素子である。
本発明の第4実施形態の液晶表示素子は、各画素をなすセグメント電極に設けられた開口部の配置構造に特徴を有し、それ以外の構造は、上述した本発明の第1実施形態の液晶表示素子101と同様の構造を有する。したがって、第4実施形態の液晶表示素子については、第1実施形態の液晶表示素子101とは異なる、画素をなすセグメント電極の開口部の配置構造を中心に説明し、その他の基本となる構成の共通する構成要素については、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図14は、本発明の第4実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。
本発明の第4実施形態の液晶表示素子では、図14に示すように、配向処理の方向、すなわち、ON時の液晶の配向方向と平行に伸びるセグメント電極407に、そのセグメント電極407の形成方向と直交する直線状に配列された開口部421a、421bの列を配置して有する。この開口部421a、421bは、画素114をなすセグメント電極407にくり抜き部分として形成することができる。
本発明の第4実施形態の液晶表示素子において、直線状の開口部421a、421bの列は、セグメント電極407の画素114を形成する部分に設けられる。開口部421a、421bの列は、T字形状の開口部421aと逆T字形状の開口部421bとが交互に配置されて構成され、隣接する開口部421aと開口部421bとの間の配置間隔が等しくなるように、規則的に形成されている。
尚、逆T字形状の開口部421bは、T字形状の開口部421aを上下逆となるように配置した形状であり、それらは互いに同様のサイズを有する。したがって、開口部421a、421bの列は、長方形状に長辺側の側部に凸部を設けてなるT字形状の開口部421aを複数用い、その凸部が下方を向くものと、上方を向くものとで交互に並べて構成された列となる。
そして、図14に示すように、第4実施形態の液晶表示素子において、直線状の開口部421a、421bの列は、セグメント電極407の各画素114をなす部分の下方側の端部およびその近傍の領域にそれぞれ設けられることが好ましい。
その結果、開口部421a、421bの列の、画素114内の配置領域としては、各画素114の下方側の端部およびその近傍となる。画素114の下方側の端部およびその近傍は、画素114を構成するコモン電極106(図14中、図示されない。)のエッジの近傍となり、そのエッジからの斜め電界の影響を受ける領域となる。すなわち、開口部421a、421bの列は、画素114を構成する電極エッジの近傍に、そのエッジに沿って直線状に配置される。
上述したように、第4実施形態の液晶表示素子において、画素114の下方側の端部近傍は、図10に示した、同様構造を有する第1実施形態の液晶表示素子101の画素114の異常領域120cの形成位置とほぼ一致する。したがって、第4実施形態の液晶表示素子において、画素114の開口部421a、421bの列は、コモン電極106のエッジ近傍にある、図10の異常領域120cと同様の異常領域(図示されない)のセグメント電極407に設けられることになる。
本発明の第4実施形態の液晶表示素子は、画素114のコモン電極106のエッジ近傍に発生するドメインを、開口部421a、421bの列によって直線状またはジグザグ状に固定化する。
本発明の第4実施形態の液晶表示素子において、開口部421a、421bは、それを構成する長方形状および凸部の短手方向の幅(線幅)が7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、開口部421a、421bは、その短手方向の幅が7μm〜14μmの範囲内に設定されていることが好ましい。その幅が7μm未満である場合、各開口部421a、421bにより生じる斜め電界の影響が小さくなり、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなるためである。また、20μmよりも幅が広いと、開口部421a、421bによって点灯しない部分が増えるために透過率が低下するからである。このとき、開口部421a、421bの幅は20μm〜60μm、高さは、20μm〜60μmとすることが好ましい。このような範囲のサイズを有することで、開口部421a、421bは、ドメインの形状を効果的に直線状またはジグザグ状に固定化できる。
そして、本発明の第4実施形態の液晶表示素子において、上述の開口部421a、421bの列における隣接する開口部421aと開口部421bと間の配置間隔は、5μm〜25μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。配置間隔が5μm未満である場合、断線しやすくなるためである。また、配置間隔が25μmよりも大きいと、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなり、また、開口部421a、421bによる液晶の配向乱れが起こりやすくなるためである。
以上のように、本発明の第4実施形態の液晶表示素子は、画素114の下方側のコモン電極106のエッジ近傍において、セグメント電極407に、直線状に規則的に配置された開口部421a、421bの列を設ける。第4実施形態の液晶表示素子は、画素114のエッジ部分に、直線状に並べられた開口部421a、421bを設けることで、ドメインの形状を、開口部421a、421bの間を繋ぐ直線状またはジグザグ状に固定化できる。そして、各画素114間で、エッジ部分のドメインの状態を同じにすることができ、ドメインの形状が各画素114間で異なることによるざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えることができる。
実施形態5.
本発明の第5実施形態の液晶表示素子は、VA型の液晶表示素子であり、フルドット表示方式の液晶表示素子である。
本発明の第5実施形態の液晶表示素子は、各画素をなすセグメント電極に設けられた開口部の配置構造に特徴を有し、それ以外の構造は、上述した本発明の第1実施形態の液晶表示素子101と同様の構造を有する。したがって、第5実施形態の液晶表示素子については、第1実施形態の液晶表示素子101とは異なる、画素をなすセグメント電極の開口部の配置構造を中心に説明し、その他の基本となる構成の共通する構成要素については、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図15は、本発明の第5実施形態の液晶表示素子のセグメント電極の構造を模式的に示す図である。
本発明の第5実施形態の液晶表示素子では、図15に示すように、配向処理の方向、すなわち、ON時の液晶の配向方向と平行に伸びるセグメント電極507に、そのセグメント電極507の形成方向と直交する直線状に配列された開口部521の列を2列配置して有する。この開口部521は、画素114をなすセグメント電極507にくり抜き部分として形成することができる。
本発明の第5実施形態の液晶表示素子において、2列の開口部521はそれぞれ、セグメント電極507の画素114を形成する部分に離間して設けられる。開口部521は、長方形状の側部に凸部を設けてなるT字形状を有する。2列の開口部521は、それらを構成する開口部521の形状と配置間隔とが互いに等しくなるように構成されている。
そして、2列の開口部521は、T字形状の開口部521の凸部が交互に相対向するように、その列と平行な方向に開口部521がずれて配置される。すなわち、2列の開口部521では、一方の列の開口部521の凸部が、もう一方の列の開口部521同士の間の部分と対向するように、互いに開口部521をずらして配置されている。
そして、図15に示すように、2列の開口部521は、セグメント電極507の各画素114をなす部分の下方側の端部およびその近傍の領域にそれぞれ設けられることが好ましい。
その結果、2列の開口部521の、画素114内の配置領域としては、各画素114の下方側の端部およびその近傍となる。画素114の下方側の端部およびその近傍は、画素114を構成するコモン電極106(図15中、図示されない。)のエッジの近傍となり、そのエッジからの斜め電界の影響を受ける領域となる。すなわち、2列の開口部521はそれぞれ、画素114を構成する電極エッジの近傍に、そのエッジに沿って直線状に配置される。
上述したように、第5実施形態の液晶表示素子において、画素114の下方側の端部近傍は、図10に示した、同様構造を有する第1実施形態の液晶表示素子101の画素114の異常領域120cの形成位置とほぼ一致する。したがって、第5実施形態の液晶表示素子において、画素114の2列の開口部521は、コモン電極106のエッジ近傍にある、図10の異常領域120cと同様の異常領域(図示されない)のセグメント電極507に設けられることになる。
本発明の第5実施形態の液晶表示素子は、画素114のコモン電極106のエッジ近傍に発生するドメインを、開口部521の2つの列によって直線状またはジグザグ状に固定化する。
本発明の第5実施形態の液晶表示素子において、開口部521は、幅が7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、開口部521は、幅が7μm〜14μmの範囲内に設定されていることが好ましい。7μm未満である場合、各開口部521により生じる斜め電界の影響が小さくなり、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなるためである。また、20μmよりも長いと、開口部521によって点灯しない部分が増えるために透過率が低下するからである。
本発明の第5実施形態の液晶表示素子において、開口部521は、それを構成する長方形状および凸部の短手方向の幅(線幅)が7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、開口部521は、その短手方向の幅が7μm〜14μmの範囲内に設定されていることが好ましい。その幅が7μm未満である場合、各開口部521により生じる斜め電界の影響が小さくなり、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなるためである。また、20μmよりも幅が広いと、開口部521によって点灯しない部分が増えるために透過率が低下するからである。このとき、開口部521の幅は20μm〜60μm、高さは、10μm〜50μmとすることが好ましい。このような範囲のサイズを有することで、開口部521は、ドメインの形状を効果的に直線状またはジグザグ状に固定化できる。
そして、本発明の第5実施形態の液晶表示素子において、2つの開口部521の列において、一方の列の開口部521とそれに隣接するもう一方の列の開口部との間の配置間隔は、5μm〜25μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。配置間隔が5μm未満である場合、断線しやすくなるためである。また、配置間隔が25μmよりも大きいと、ドメインの形状を、直線状またはジグザグ状に固定化する効果が小さくなり、また、開口部521による液晶の配向乱れが起こりやすくなるためである。
2つの開口部521の列の間隔は、5μm〜25μmの範囲内に設定されていることが好ましい。特に、7μm〜20μmの範囲内に設定されていることが好ましい。5μm未満である場合、断線しやすくなるためである。また、25μmよりも長いと、ドメインの形状を、直線状あるいはジグザク状に固定化できる効果が小さくなるからである。
以上のように、本発明の第5実施形態の液晶表示素子は、画素114の下方側のコモン電極106のエッジ近傍において、セグメント電極507に、直線状に規則的に配置された開口部521の列を2列、互いに平行かつ離間するように設ける。第5実施形態の液晶表示素子は、画素114のエッジ部分に、直線状に並べられたT字形状の開口部521を、互いの凸部が交互に対向するように、離間して2列設けることで、ドメインの形状を、開口部521の間を繋ぐ直線状またはジグザグ状に固定化できる。そして、各画素114間で、エッジ部分のドメインの状態を同じにすることができ、ドメインの形状が各画素114間で異なることによるざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えることができる。
以下、実施例に基づいて本発明の実施形態をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1.
本発明の第1実施例の液晶表示素子は、フルドット表示方式のVA型の液晶表示素子であり、図7〜図11に示した本発明の第1実施形態の液晶表示素子101の例である。すなわち、第1実施例の液晶表示素子は、図11に示した構造のセグメント電極を備える。そして、第1実施例の液晶表示素子は、画素の、液晶配向膜の配向処理の効果によってON時に液晶が倒れる側と反対の側に位置する端部の近傍の、ドメインの形成が懸念される領域において、直線状の開口部の列を配置する。その結果、ドメインの形状を固定化し、ざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えるようにする。
本発明の第1実施例の液晶表示素子を製造するため、ITO膜付きの一対のガラス基板を準備した。準備したガラス基板の一方を用いてITO膜付きの第1の基板とし、公知の方法でパターニングを行った。そして、図9に示したのと同様の、横方向に伸びる短冊状に形成された複数のコモン電極を有するコモン側基板を製造した。各コモン電極の幅(L11)は、350μmとし、線間距離(L12)は10μmとした。
次いで、ガラス基板のもう一方をITO膜付きの第2の基板として用い、公知の方法でパターニングして、上下方向に伸びる短冊状に形成された複数のセグメント電極を有するセグメント側基板を製造した。各セグメント電極の幅(L13)は、350μmとし、線間距離(L14)は10μmとした。このとき、図11に示したのと同様の画素の電極構造を実現するため、セグメント電極の所定の部分に、図11に示したのと同様の大きさ、形状および配置間隔で、電極のくり抜き部分である開口部を形成した。
より具体的には、それぞれがほぼ同じ形状と大きさとなる、一辺の長さが10μmの正方形状の複数の開口部を、10μmの配置間隔で、セグメント電極の画素形成部分の所定の領域に直線状に配列するように形成した。このとき、開口部の列は、画素形成部分のエッジ部分から20μm離れた位置に、セグメント電極の伸びる方向と直交するように直線状に形成された。
次に、垂直性の液晶配向膜をコモン側基板とセグメント側基板の両方の電極形成面に成膜し、両基板に対し、アンチパラレル(反平行)ラビング処理を施して、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を製造した。そして、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を用い、液晶を挟持して、フルドット表示方式のVA型の液晶パネルを製造した。液晶としては、誘電異方性(Δε)が−2.7のものを用いた。液晶パネルのリタデーション(Δn・d)は810nmに設定した。液晶パネルの液晶のプレチルト角は、89.8°であった。
製造された液晶パネルの各画素は、一辺が350μmの正方形状を有し、線間距離は10μmとなる。
次に、製造された液晶パネルを、前面側のF偏光板と背面側のR偏光板の一対の偏光板で挟持してVAモードの液晶表示素子を製造した。F偏光板としては、株式会社ポラテクノ製のVHC−128UL2SZ−K1を用い、R偏光板としては、株式会社ポラテクノ製の045R660N2−VH39L2S(Re=45nm、Rth=660nmの光学補償フィルム付偏光板)を用いた。
このとき、長方形状の液晶パネルの長辺方向を基準軸として、視認側となる前面側から見たときの基準軸からF偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ1とした場合、θ1=45°になるようにし、R偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ2とした場合、θ2=135°になるようにした。このような設定をすることで、F偏光板およびR偏光板の吸収軸が、上述したコモン側基板およびセグメント側基板のラビング処理の方向と45°の角度をなすようになる。尚、F偏光板とR偏光板の各吸収軸が互いに直交するようにしたが、偏光軸が直交するようにしてもよい。
以上のように作製した第1実施例の液晶表示素子を用い、デューティ比1/48で駆動させてフルドット表示をさせたところ、良好な視認性が得られた。すなわち、OFF時には良好な黒色表示が得られ、ON時には、明るい白色表示が得られた。
さらに、後述する第1比較例の液晶表示素子と比べて、第1実施例の液晶表示素子は、各画素のドメイン形状を同じ形状とすることができ、ドメインの形状が各画素間で異なることによるざらつき状の表示ムラは観察されにくくなり、表示品位の低下を抑えることができた。
比較例1.
本発明の第1比較例の液晶表示素子は、フルドット表示方式のVA型の液晶表示素子であり、図1〜図4に示した液晶表示素子1の例となる。すなわち、比較例の液晶表示素子は、図1に示した電極構造を備えるとともに、画素に、上述の第1実施例が有するような、開口部の列は形成されていない。
第1比較例の液晶表示素子を製造するため、ITO膜付きの一対のガラス基板を準備した。準備したガラス基板の一方を用いてITO膜付きの第1の基板とし、公知の方法でパターニングを行った。そして、図1に示したのと同様の、横方向に伸びる短冊状に形成された複数のコモン電極を有するコモン側基板を製造した。各コモン電極の幅(L1)は、350μmとし、線間距離(L2)は10μmとした。
次いで、ガラス基板のもう一方をITO膜付きの第2の基板として用い、公知の方法でパターニングして、上下方向に伸びる短冊状に形成された複数のセグメント電極を有するセグメント側基板を製造した。各セグメント電極の幅(L3)は、350μmとし、線間距離(L4)は10μmとした。
次に、垂直性の液晶配向膜をコモン側基板とセグメント側基板の両方の電極形成面に成膜し、両基板に対し、アンチパラレル(反平行)ラビング処理を施して、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を製造した。そして、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を用い、液晶を挟持して、フルドット表示方式のVA型の液晶パネルを製造した。液晶としては、誘電異方性(Δε)が−2.7のものを用いた。液晶パネルのリタデーション(Δn・d)は810nmに設定した。液晶パネルの液晶のプレチルト角は、89.8°であった。
製造された液晶パネルの各画素は、一辺が350μmの正方形状を有し、線間距離は10μmとなる。
次に、製造された液晶パネルを、前面側のF偏光板と背面側のR偏光板の一対の偏光板で挟持してVAモードの液晶表示素子を製造した。F偏光板としては、株式会社ポラテクノ製のVHC−128UL2SZ−K1を用い、R偏光板としては、株式会社ポラテクノ製の045R660N2−VH39L2S(Re=45nm、Rth=660nmの光学補償フィルム付偏光板)を用いた。
このとき、長方形状の液晶パネルの長辺方向を基準軸として、視認側となる前面側から見たときの基準軸からF偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ1とした場合、θ1=45°になるようにし、R偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ2とした場合、θ2=135°になるようにした。このような設定をすることで、F偏光板およびR偏光板の吸収軸が、上述したコモン側基板およびセグメント側基板のラビング処理の方向と45°の角度をなすようになる。尚、F偏光板とR偏光板の各吸収軸が互いに直交するようにしたが、偏光軸が直交するようにしてもよい。
以上のように作製した第1実施例の液晶表示素子を用い、デューティ比1/48で駆動させてフルドット表示をさせたところ、良好な視認性が得られた。すなわち、OFF時には良好な黒色表示が得られ、ON時には、明るい白色表示が得られた。
しかし、第1比較例の液晶表示素子は、画素のエッジ部分に発生したドメインの形状が各画素間で異なっており、ドメインによるざらつき状の表示ムラが観察され、表示品位の著しい低下があった。
実施例2.
本発明の第2実施例の液晶表示素子は、フルドット表示方式のVA型の液晶表示素子であり、上述した本発明の第2実施形態の液晶表示素子の例である。すなわち、第2実施例の液晶表示素子は、図12に示した構造のセグメント電極を備える。そして、第2実施例の液晶表示素子は、画素の、液晶配向膜の配向処理の効果によってON時に液晶が倒れる側と反対の側に位置する端部の近傍の、ドメインの形成が懸念される領域において、直線状の開口部の列を2列有する。その結果、ドメインの形状を直線状またはジグザグ状に固定化し、ざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えるようにする。
本発明の第2実施例の液晶表示素子を製造するため、ITO膜付きの一対のガラス基板を準備した。準備したガラス基板の一方を用いてITO膜付きの第1の基板とし、公知の方法でパターニングを行った。そして、図9に示したのと同様の、横方向に伸びる短冊状に形成された複数のコモン電極を有するコモン側基板を製造した。各コモン電極の幅(L11)は、350μmとし、線間距離(L12)は10μmとした。
次いで、ガラス基板のもう一方をITO膜付きの第2の基板として用い、公知の方法でパターニングして、上下方向に伸びる短冊状に形成された複数のセグメント電極を有するセグメント側基板を製造した。各セグメント電極の幅(L13)は、350μmとし、線間距離(L14)は10μmとした。このとき、図12に示したのと同様の画素の電極構造を実現するため、セグメント電極の所定の部分に、図12に示したのと同様の大きさ、形状および配置間隔で、電極のくり抜き部分である開口部を形成した。
より具体的には、セグメント電極に、そのセグメント電極の伸びる方向と直交する直線状に配列された開口部の列を2列形成した。2列の開口部の列を構成する各開口部は、それぞれがほぼ同じ形状であり、一辺の長さが10μmの正方形状を有する。2列の開口部の列における開口部の配置間隔は、開口部の一辺の長さと等しい、10μmとした。
そして、2列の開口部の列は、互いの開口部が対向することがないように、セグメント電極上で、それら列の方向と平行な方向に10μmずらして配置した。すなわち、2列の開口部の列では、一方の列の開口部が、もう一方の列の開口部間の10μm幅の電極部分と対向するように、互いに開口部をずらして配置した。
2つの開口部の列は一方を画素114の下方側のエッジ部分に配置し、もう一方との間の、セグメント電極の伸びる方向と平行な方向の間隔は、10μmとした。
次に、垂直性の液晶配向膜をコモン側基板とセグメント側基板の両方の電極形成面に成膜し、両基板に対し、アンチパラレル(反平行)ラビング処理を施して、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を製造した。そして、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を用い、液晶を挟持して、フルドット表示方式のVA型の液晶パネルを製造した。液晶としては、誘電異方性(Δε)が−2.7のものを用いた。液晶パネルのリタデーション(Δn・d)は810nmに設定した。液晶パネルの液晶のプレチルト角は、89.8°であった。
製造された液晶パネルの各画素は、一辺が350μmの正方形状を有し、線間距離は10μmとなる。
次に、製造された液晶パネルを、前面側のF偏光板と背面側のR偏光板の一対の偏光板で挟持してVAモードの液晶表示素子を製造した。F偏光板としては、株式会社ポラテクノ製のVHC−128UL2SZ−K1を用い、R偏光板としては、株式会社ポラテクノ製の045R660N2−VH39L2S(Re=45nm、Rth=660nmの光学補償フィルム付偏光板)を用いた。
このとき、長方形状の液晶パネルの長辺方向を基準軸として、視認側となる前面側から見たときの基準軸からF偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ1とした場合、θ1=45°になるようにし、R偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ2とした場合、θ2=135°になるようにした。このような設定をすることで、F偏光板およびR偏光板の吸収軸が、上述したコモン側基板およびセグメント側基板のラビング処理の方向と45°の角度をなすようになる。尚、F偏光板とR偏光板の各吸収軸が互いに直交するようにしたが、偏光軸が直交するようにしてもよい。
以上のように作製した第2実施例の液晶表示素子を用い、デューティ比1/48で駆動させてフルドット表示をさせたところ、良好な視認性が得られた。すなわち、OFF時には良好な黒色表示が得られ、ON時には、明るい白色表示が得られた。
さらに、第1比較例の液晶表示素子と比べて、第2実施例の液晶表示素子は、各画素のドメイン形状を同じ形状とすることができ、さらに、2列設けた開口部の列の効果によって、画素のエッジ部分の明るさを30%低下させることができた。その結果、ドメインの形状が各画素間で異なることによるざらつき状の表示ムラは観察されにくくなり、表示品位の低下を抑えることができた。
実施例3.
本発明の第3実施例の液晶表示素子は、フルドット表示方式のVA型の液晶表示素子であり、上述した本発明の第3実施形態の液晶表示素子の例である。すなわち、第3実施例の液晶表示素子は、図13に示した構造のセグメント電極を備える。そして、第3実施例の液晶表示素子は、画素の、液晶配向膜の配向処理の効果によってON時に液晶が倒れる側と反対の側に位置する端部の近傍の、ドメインの形成が懸念される領域において、直線状に配置された長方形状の開口部の列を有する。その結果、ドメインの形状を直線状またはジグザグ状に固定化し、ざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えるようにする。
本発明の第3実施例の液晶表示素子を製造するため、ITO膜付きの一対のガラス基板を準備した。準備したガラス基板の一方を用いてITO膜付きの第1の基板とし、公知の方法でパターニングを行った。そして、図9に示したのと同様の、横方向に伸びる短冊状に形成された複数のコモン電極を有するコモン側基板を製造した。各コモン電極の幅(L11)は、350μmとし、線間距離(L12)は10μmとした。
次いで、ガラス基板のもう一方をITO膜付きの第2の基板として用い、公知の方法でパターニングして、上下方向に伸びる短冊状に形成された複数のセグメント電極を有するセグメント側基板を製造した。各セグメント電極の幅(L13)は、350μmとし、線間距離(L14)は10μmとした。このとき、図13に示したのと同様の画素の電極構造を実現するため、セグメント電極の所定の部分に、図13に示したのと同様の大きさ、形状および配置間隔で、電極のくり抜き部分である開口部を形成した。
より具体的には、セグメント電極に、そのセグメント電極の伸びる方向と直交する直線状に配列された、長方形状の開口部の列を形成した。この開口部の列を構成する各開口部は、それぞれがほぼ同じ形状であり、その長辺方向がセグメント電極の伸びる方向と平行に設定された長方形状を有する。各開口部は、長辺(長さ)が30μm、短辺(幅)が10μmの長方形状であり、開口部の列における各開口部の配置間隔は10μmとした。そして、開口部の列は、画素形成部分のエッジ部分を含む領域に配置された。
次に、垂直性の液晶配向膜をコモン側基板とセグメント側基板の両方の電極形成面に成膜し、両基板に対し、アンチパラレル(反平行)ラビング処理を施して、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を製造した。そして、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を用い、液晶を挟持して、フルドット表示方式のVA型の液晶パネルを製造した。液晶としては、誘電異方性(Δε)が−2.7のものを用いた。液晶パネルのリタデーション(Δn・d)は810nmに設定した。液晶パネルの液晶のプレチルト角は、89.8°であった。
製造された液晶パネルの各画素は、一辺が350μmの正方形状を有し、線間距離は10μmとなる。
次に、製造された液晶パネルを、前面側のF偏光板と背面側のR偏光板の一対の偏光板で挟持してVAモードの液晶表示素子を製造した。F偏光板としては、株式会社ポラテクノ製のVHC−128UL2SZ−K1を用い、R偏光板としては、株式会社ポラテクノ製の045R660N2−VH39L2S(Re=45nm、Rth=660nmの光学補償フィルム付偏光板)を用いた。
このとき、長方形状の液晶パネルの長辺方向を基準軸として、視認側となる前面側から見たときの基準軸からF偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ1とした場合、θ1=45°になるようにし、R偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ2とした場合、θ2=135°になるようにした。このような設定をすることで、F偏光板およびR偏光板の吸収軸が、上述したコモン側基板およびセグメント側基板のラビング処理の方向と45°の角度をなすようになる。尚、F偏光板とR偏光板の各吸収軸が互いに直交するようにしたが、偏光軸が直交するようにしてもよい。
以上のように作製した第3実施例の液晶表示素子を用い、デューティ比1/48で駆動させてフルドット表示をさせたところ、良好な視認性が得られた。すなわち、OFF時には良好な黒色表示が得られ、ON時には、明るい白色表示が得られた。
さらに、第1比較例の液晶表示素子と比べて、第3実施例の液晶表示素子は、各画素のドメイン形状を同じ形状とすることができ、さらに、長方形状の開口部の列の効果によって、画素のエッジ部分の明るさを約45%低下させることができた。その結果、ドメインの形状が各画素間で異なることによるざらつき状の表示ムラは観察されにくくなり、表示品位の低下を抑えることができた。
実施例4.
本発明の第4実施例の液晶表示素子は、フルドット表示方式のVA型の液晶表示素子であり、上述した本発明の第4実施形態の液晶表示素子の例である。すなわち、第4実施例の液晶表示素子は、図14に示した構造のセグメント電極を備える。そして、第4実施例の液晶表示素子は、画素の、液晶配向膜の配向処理の効果によってON時に液晶が倒れる側と反対の側に位置する端部の近傍の、ドメインの形成が懸念される領域において、直線状に配置されたT字形状の開口部の列を有する。その結果、ドメインの形状を直線状またはジグザグ状に固定化し、ざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えるようにする。
本発明の第4実施例の液晶表示素子を製造するため、ITO膜付きの一対のガラス基板を準備した。準備したガラス基板の一方を用いてITO膜付きの第1の基板とし、公知の方法でパターニングを行った。そして、図9に示したのと同様の、横方向に伸びる短冊状に形成された複数のコモン電極を有するコモン側基板を製造した。各コモン電極の幅(L11)は、350μmとし、線間距離(L12)は10μmとした。
次いで、ガラス基板のもう一方をITO膜付きの第2の基板として用い、公知の方法でパターニングして、上下方向に伸びる短冊状に形成された複数のセグメント電極を有するセグメント側基板を製造した。各セグメント電極の幅(L13)は、350μmとし、線間距離(L14)は10μmとした。このとき、図14に示したのと同様の画素の電極構造を実現するため、セグメント電極の所定の部分に、図14に示したのと同様の大きさ、形状および配置間隔で、電極のくり抜き部分である開口部を形成した。
より具体的には、セグメント電極に、そのセグメント電極の伸びる方向と直交する直線状に配列された、開口部の列を形成した。開口部は、長方形状に長辺側の側部に凸部を設けてなるT字形状を有する。そして、開口部の列を構成する各T字形状の開口部は、それぞれがほぼ同じ形状である。さらに、この開口部の列は、T字形状の開口部を上下逆となるように交互に配置して直線状となるように構成される。
各T字形状の開口部は、それを構成する長方形状および凸部の短手方向の幅(線幅)を10μmとした。そして、T字形状を構成する長方形状の長辺の長さである、開口部の幅を30μmとして。また、T字形状を構成する長方形状の幅に凸部の高さを加えた、開口部の高さは、30μmとした。開口部の列における各開口部の配置間隔は10μmとした。そして、開口部の列は、画素形成部分のエッジ部分を含む領域に配置された。
次に、垂直性の液晶配向膜をコモン側基板とセグメント側基板の両方の電極形成面に成膜し、両基板に対し、アンチパラレル(反平行)ラビング処理を施して、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を製造した。そして、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を用い、液晶を挟持して、フルドット表示方式のVA型の液晶パネルを製造した。液晶としては、誘電異方性(Δε)が−2.7のものを用いた。液晶パネルのリタデーション(Δn・d)は810nmに設定した。液晶パネルの液晶のプレチルト角は、89.8°であった。
製造された液晶パネルの各画素は、一辺が350μmの正方形状を有し、線間距離は10μmとなる。
次に、製造された液晶パネルを、前面側のF偏光板と背面側のR偏光板の一対の偏光板で挟持してVAモードの液晶表示素子を製造した。F偏光板としては、株式会社ポラテクノ製のVHC−128UL2SZ−K1を用い、R偏光板としては、株式会社ポラテクノ製の045R660N2−VH39L2S(Re=45nm、Rth=660nmの光学補償フィルム付偏光板)を用いた。
このとき、長方形状の液晶パネルの長辺方向を基準軸として、視認側となる前面側から見たときの基準軸からF偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ1とした場合、θ1=45°になるようにし、R偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ2とした場合、θ2=135°になるようにした。このような設定をすることで、F偏光板およびR偏光板の吸収軸が、上述したコモン側基板およびセグメント側基板のラビング処理の方向と45°の角度をなすようになる。尚、F偏光板とR偏光板の各吸収軸が互いに直交するようにしたが、偏光軸が直交するようにしてもよい。
以上のように作製した第4実施例の液晶表示素子を用い、デューティ比1/48で駆動させてフルドット表示をさせたところ、良好な視認性が得られた。すなわち、OFF時には良好な黒色表示が得られ、ON時には、明るい白色表示が得られた。
さらに、第1比較例の液晶表示素子と比べて、第4実施例の液晶表示素子は、各画素のドメイン形状を同じ形状とすることができ、さらに、長方形状の開口部の列の効果によって、画素のエッジ部分の明るさを約50%低下させることができた。その結果、ドメインの形状が各画素間で異なることによるざらつき状の表示ムラは観察されにくくなり、表示品位の低下を抑えることができた。
実施例5.
本発明の第5実施例の液晶表示素子は、フルドット表示方式のVA型の液晶表示素子であり、上述した本発明の第5実施形態の液晶表示素子の例である。すなわち、第5実施例の液晶表示素子は、図15に示した構造のセグメント電極を備える。そして、第5実施例の液晶表示素子は、画素の、液晶配向膜の配向処理の効果によってON時に液晶が倒れる側と反対の側に位置する端部の近傍の、ドメインの形成が懸念される領域において、直線状の開口部の列を2列有する。その結果、ドメインの形状を直線状またはジグザグ状に固定化し、ざらつき状の表示ムラを観察され難いものとし、表示品位の低下を抑えるようにする。
本発明の第5実施例の液晶表示素子を製造するため、ITO膜付きの一対のガラス基板を準備した。準備したガラス基板の一方を用いてITO膜付きの第1の基板とし、公知の方法でパターニングを行った。そして、図9に示したのと同様の、横方向に伸びる短冊状に形成された複数のコモン電極を有するコモン側基板を製造した。各コモン電極の幅(L11)は、350μmとし、線間距離(L12)は10μmとした。
次いで、ガラス基板のもう一方をITO膜付きの第2の基板として用い、公知の方法でパターニングして、上下方向に伸びる短冊状に形成された複数のセグメント電極を有するセグメント側基板を製造した。各セグメント電極の幅(L13)は、350μmとし、線間距離(L14)は10μmとした。このとき、図15に示したのと同様の画素の電極構造を実現するため、セグメント電極の所定の部分に、図15に示したのと同様の大きさ、形状および配置間隔で、電極のくり抜き部分である開口部を形成した。
より具体的には、セグメント電極に、そのセグメント電極の伸びる方向と直交する直線状に配列された開口部の列を2列、離間するように形成した。2列の開口部の列を構成する各開口部は、それぞれがほぼ同じ形状である、開口部は、T字形状を有し、図の左右方向に伸びる長方形状の長辺の上方側または下方側の一方に、凸部を突設させた形状を有する。そして、2つの開口部の列は、T字形状の開口部の凸部が交互に相対向するように、その列と平行な方向にずれて配置される。すなわち、2つの開口部の列では、一方の列の開口部の凸部が、もう一方の列の隣接する開口部の間の電極部分と対向するように、互いに開口部をずらして配置されている。
各T字形状の開口部は、それを構成する長方形状および凸部の短手方向の幅(線幅)を等しく10μmとした。そして、T字形状を構成する長方形状の長辺の長さである、開口部の幅を30μmとした。また、T字形状を構成する長方形状の短辺の長さに凸部の高さを加えたものを開口部の高さとし、その開口部の高さを20μmとした。また、1つの開口部の列における、隣接する開口部間の配置間隔は、上述した開口部の幅と等しい30μmとした。
そして、一方の開口部の列における開口部と、それに隣接するもう一方の列の開口部との距離は、最も近くなるところで、10μmとした。また、2つの開口部の列は一方を画素の下方側のエッジ部分に配置し、もう一方との間で、開口部同士が触れることが無いように、互いに離間して配置した。
次に、垂直性の液晶配向膜をコモン側基板とセグメント側基板の両方の電極形成面に成膜し、両基板に対し、アンチパラレル(反平行)ラビング処理を施して、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を製造した。そして、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を用い、液晶を挟持して、フルドット表示方式のVA型の液晶パネルを製造した。液晶としては、誘電異方性(Δε)が−2.7のものを用いた。液晶パネルのリタデーション(Δn・d)は810nmに設定した。液晶パネルの液晶のプレチルト角は、89.8°であった。
製造された液晶パネルの各画素は、一辺が350μmの正方形状を有し、線間距離は10μmとなる。
次に、製造された液晶パネルを、前面側のF偏光板と背面側のR偏光板の一対の偏光板で挟持してVAモードの液晶表示素子を製造した。F偏光板としては、株式会社ポラテクノ製のVHC−128UL2SZ−K1を用い、R偏光板としては、株式会社ポラテクノ製の045R660N2−VH39L2S(Re=45nm、Rth=660nmの光学補償フィルム付偏光板)を用いた。
このとき、長方形状の液晶パネルの長辺方向を基準軸として、視認側となる前面側から見たときの基準軸からF偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ1とした場合、θ1=45°になるようにし、R偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ2とした場合、θ2=135°になるようにした。このような設定をすることで、F偏光板およびR偏光板の吸収軸が、上述したコモン側基板およびセグメント側基板のラビング処理の方向と45°の角度をなすようになる。尚、F偏光板とR偏光板の各吸収軸が互いに直交するようにしたが、偏光軸が直交するようにしてもよい。
以上のように作製した第5実施例の液晶表示素子を用い、デューティ比1/48で駆動させてフルドット表示をさせたところ、良好な視認性が得られた。すなわち、OFF時には良好な黒色表示が得られ、ON時には、明るい白色表示が得られた。
さらに、第1比較例の液晶表示素子と比べて、第2実施例の液晶表示素子は、各画素のドメイン形状を同じ形状とすることができ、さらに、2列設けた開口部の列の効果によって、画素のエッジ部分の明るさを40%低下させることができた。その結果、ドメインの形状が各画素間で異なることによるざらつき状の表示ムラは観察されにくくなり、表示品位の低下を抑えることができた。
比較例2.
本発明の第2比較例の液晶表示素子は、フルドット表示方式のVA型の液晶表示素子である。そして、図1に示した液晶表示素子1と同様のコモン電極とセグメント電極の配置構造を有する。
さらに、上述した第1実施例〜第5実施例の液晶表示素子と異なり、コモン電極の画素形成部分に直線状の開口部の配列が形成され、各画素は、セグメント電極の伸びる方向と直交する直線状の開口部の列を有している。
第2比較例となる液晶表示素子は、各画素をなすコモン電極に設けられた開口部の配置構造に特徴を有し、それ以外の構造は、図1に示した液晶表示素子1と同様の構造を有する。したがって、第2比較例の液晶表示素子については、液晶表示素子1とは異なる、画素をなすコモン電極の開口部の配置構造を説明する一方、その他の基本となる構成の共通する構成要素については、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図16は、本発明の第2比較例となる液晶表示素子のコモン電極の構造を模式的に示す図である。
図16に示すように、第2比較例の液晶表示素子では、配向処理の方向、すなわち、ON時の液晶の配向方向と垂直に伸びるコモン電極1002に、そのコモン電極1002の形成方向と平行な直線状に配列された開口部1021の列を配置して有する。この開口部1021の列は、配向処理の方向、すなわち、ON時の液晶の配向方向と垂直になる。そして、開口部1021は、画素4をなすコモン電極1002にくり抜き部分として形成することができる。尚、図16中、画素4は点線で模式的に表される。
図16に示すように、開口部1021の列は、コモン電極1002の各画素4をなす部分の下方側の端部近傍の領域に設けられる。
より具体的には、それぞれがほぼ同じ形状と大きさとなる、一辺の長さが10μmの正方形状の複数の開口部1021を、10μmの配置間隔で、コモン電極1002の画素4の形成部分のエッジ近傍に直線状に配列して形成する。このとき、開口部1021の列は、画素4の形成部分のエッジから20μm離れた位置に、コモン電極1002の伸びる方向と平行となるように直線状に形成する。
そして、図4を用いて液晶表示素子1について説明したように、画素4の下方側の端部近傍は、コモン電極1002のエッジからの斜め電界の影響を受ける領域となり、第2比較例の液晶表示素子において、ドメインを発生させる異常領域となる。すなわち、第2比較例の液晶表示素子において、画素4の開口部1021の列は、ドメインを発生させる異常領域のコモン電極1002に設けられることになる。
以上のコモン電極1002の構造を備えた、第2比較例の液晶表示素子は、以下のようにして製造した。
第2比較例の液晶表示素子を製造するため、ITO膜付きの一対のガラス基板を準備した。準備したガラス基板の一方を用いてITO膜付きの第1の基板とし、公知の方法でパターニングを行った。そして、図1に示したのと同様の、横方向に伸びる短冊状に形成された複数のコモン電極を有するコモン側基板を製造した。各コモン電極の幅(L1)は、350μmとし、線間距離(L2)は10μmとした。
このとき、図16に示したコモン電極1002の構造を実現するように、コモン電極の所定の部分に、上述した大きさ、形状および配置間隔で、開口部1021を形成した。
次いで、ガラス基板のもう一方をITO膜付きの第2の基板として用い、公知の方法でパターニングして、上下方向に伸びる短冊状に形成された複数のセグメント電極を有するセグメント側基板を製造した。各セグメント電極の幅(L3)は、350μmとし、線間距離(L4)は10μmとした。
次に、垂直性の液晶配向膜をコモン側基板とセグメント側基板の両方の電極形成面に成膜し、両基板に対し、アンチパラレル(反平行)ラビング処理を施して、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を製造した。そして、ラビング処理済みのコモン側基板とセグメント側基板を用い、液晶を挟持して、フルドット表示方式のVA型の液晶パネルを製造した。液晶としては、誘電異方性(Δε)が−2.7のものを用いた。液晶パネルのリタデーション(Δn・d)は810nmに設定した。液晶パネルの液晶のプレチルト角は、89.8°であった。
製造された液晶パネルの各画素は、一辺が350μmの正方形状を有し、線間距離は10μmとなる。
次に、製造された液晶パネルを、前面側のF偏光板と背面側のR偏光板の一対の偏光板で挟持してVAモードの液晶表示素子を製造した。F偏光板としては、株式会社ポラテクノ製のVHC−128UL2SZ−K1を用い、R偏光板としては、株式会社ポラテクノ製の045R660N2−VH39L2S(Re=45nm、Rth=660nmの光学補償フィルム付偏光板)を用いた。
このとき、長方形状の液晶パネルの長辺方向を基準軸として、視認側となる前面側から見たときの基準軸からF偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ1とした場合、θ1=45°になるようにし、R偏光板の吸収軸までの反時計回りの角度をθ2とした場合、θ2=135°になるようにした。このような設定をすることで、F偏光板およびR偏光板の吸収軸が、上述したコモン側基板およびセグメント側基板のラビング処理の方向と45°の角度をなすようになる。
以上のように作製した第2比較例の液晶表示素子を用い、デューティ比1/48で駆動させてフルドット表示をさせたところ、良好な視認性が得られた。すなわち、OFF時には良好な黒色表示が得られ、ON時には、明るい白色表示が得られた。
しかし、第2比較例の液晶表示素子は、各画素のドメイン形状を同じ形状とする効果が得られず、また、画素のエッジ部分の配向乱れが大きくなり、表示品位の著しい低下があった。
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
1、101 液晶表示装置
2、106、1002 コモン電極
3、107、207、307、407、507 セグメント電極
4、114 画素
5、104 液晶層
6、116 液晶
7、8 斜め電界
9、119 領域
10a、10b、10c、10c’、10c’’、120a、120b、120c 異常領域
102 第1の基板
103 第2の基板
105 液晶パネル
108 F偏光板
109 R偏光板
110 バックライト
117、118 吸収軸
121、221、321、421a、421b、521、1021 開口部

Claims (8)

  1. 第1の方向に伸びる短冊状の複数の第1の電極と、該第1の電極と直交するように第2の方向に伸びる短冊状の複数の第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極とに挟持され、第3の方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する液晶層とを有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極の重なり部分が画素をなす液晶表示素子であって、
    前記第3の方向は、前記第1の方向および前記第2の方向のうちの一方と一致する方向であり、
    前記画素の前記第3の方向と垂直なエッジ近傍の、前記第3の方向と平行に伸びる前記第1の電極および前記第2の電極のうちの一方に、前記第3の方向と直交する直線状に配列された1列の7μm〜20μm幅の開口部を有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記画素は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧印加によって前記第3の方向に前記液晶が傾斜する第1の領域を有するとともに、前記エッジの近傍に、前記第3の方向と異なる方向に前記液晶が傾斜する第2の領域が形成され、
    前記1列の開口部は、前記第2の領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記開口部は、円形状、1つの辺が前記エッジと平行な正方形状、および、7μm〜20μm幅の短辺が前記エッジと平行な長方形状のうちのいずれかの形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子。
  4. 第1の方向に伸びる短冊状の複数の第1の電極と、該第1の電極と直交するように第2の方向に伸びる短冊状の複数の第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極とに挟持され、第3の方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する液晶層とを有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極の重なり部分が画素をなす液晶表示素子であって、
    前記第3の方向は、前記第1の方向および前記第2の方向のうちの一方と一致する方向であり、
    前記画素の前記第3の方向と垂直なエッジ近傍の、前記第3の方向と平行に伸びる前記第1の電極および前記第2の電極のうちの一方に、前記第3の方向と直交する直線状に配列された1列のT字形状の開口部を有することを特徴とする液晶表示素子。
  5. 第1の方向に伸びる短冊状の複数の第1の電極と、該第1の電極と直交するように第2の方向に伸びる短冊状の複数の第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極とに挟持され、第3の方向にプレチルト角を形成して液晶が略垂直配向する液晶層とを有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極の重なり部分が画素をなす液晶表示素子であって、
    前記第3の方向は、前記第1の方向および前記第2の方向のうちの一方と一致する方向であり、
    前記画素の前記第3の方向と垂直なエッジ近傍の、前記第3の方向と平行に伸びる前記第1の電極および前記第2の電極のうちの一方に、前記第3の方向と直交する直線状に配列された2列の開口部を有し、
    前記2列の開口部は、互いの該開口部を対向させないように、該列方向に該開口部がずれて配置されることを特徴とする液晶表示素子。
  6. 前記画素は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧印加によって前記第3の方向に前記液晶が傾斜する第1の領域を有するとともに、前記エッジの近傍に、前記第3の方向と異なる方向に前記液晶が傾斜する第2の領域が形成され、
    前記2列の開口部はそれぞれ、前記第2の領域に配置されることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示素子。
  7. 前記開口部は、円形状、1つの辺が前記エッジと平行な正方形状、および、長辺が前記エッジと垂直な長方形状のうちのいずれかの形状であることを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示素子。
  8. 前記開口部は、長方形状の側部に凸部を設けてなるT字形状を有し、
    前記2列の開口部は、前記T字形状の前記開口部の前記凸部が交互に相対向するように該列方向に該開口部がずれて配置されることを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示素子。
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