JP2014092383A - サンプリングプローブ - Google Patents

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Hidesuke Hiraoka
秀介 平岡
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Abstract

【課題】カルマン渦発生周波数とサンプリングパイプの固有振動数が一致して共振し、サンプリングパイプが破損することのない簡便な方法を提供する。
【解決手段】サンプリングパイプ2の後方に発生するカルマン渦発生周波数に同調してサンプリングパイプ2が共振しないように、サンプリングパイプ2におもり8を付加することによってサンプリングパイプ2の固有振動数を変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、煙道排ガス分析装置のサンプリングプローブに関する。
石炭や重油を燃焼させるボイラから排出される燃焼排ガスの中には硫黄酸化物(SOxx)や窒素酸化物(NOx)などの成分が含まれ、常時その成分の濃度をガス分析装置で測定し、その分析結果を脱硝、脱硫の制御に役立てている。
また、大気汚染防止法上、ボイラなどの排ガス発生施設を設置する排ガスなどの排出者は、所定の測定周期で排ガス中の硫黄酸化物、窒素酸化物などの濃度の測定を行う必要がある。排出ガス量などが所定の基準以上のボイラなどの大規模な排ガス発生施設を設置する火力発電プラントやゴミ燃焼炉などでは、煙道排ガスの連続監視装置を設置し、常時煙道排ガスの濃度を監視する必要がある。
前記ガス分析装置は、煙道を流れる排ガスの一部を採取してサンプリングするためのガスサンプリングプローブを有し、このガスサンプリングプローブは測定対象となる燃焼排ガスが流れる煙道に取り付けられる。このガスサンプリングプローブにより採取された排ガス中の目的成分はガス分析器によって定量測定される。
図4は、従来のサンプリングプローブの構成の概要を示したものである。サンプリングプローブ31は、煙道内の排ガスを採取するためのサンプリングパイプ32と、サンプリングパイプ32を保持(例えば溶接結合)するボディ33と、排ガス中のダストを除去するフィルタ35と、排ガス中の水分の結露を防止するヒータ36とから構成される。また、ヒータ36はボディ33に固定され、フィルタ35はフィルタホルダ34に保持されて、ボディ33の通路33a内に取り付けられる。なお、煙道内の排ガスに含まれるダストや水分が非常に少ない場合やガス温度が低い場合には、ヒータ36やフィルタ35が設置されない場合もある。
サンプリングプローブ31は、サンプリングパイプ32を煙道内に挿入するため煙道壁40に設けられた固定用フランジ41にネジ37で固定される。またサンプリングパイプ32は、ガスの流れがある煙道内で、煙道内の代表的な濃度測定ができる測定点(一般的には煙道内の中心付近)まで挿入される。
なお、供給口34aに吸引ポンプ(図示せず)およびガス分析器(図示せず)が接続され、吸引ポンプにより吸引された排ガスが、サンプリングパイプ32、通路33a、フィルタ35を通り、供給口34aからガス分析器に導入され、排ガス中の目的成分が定量測定される。
煙道排ガス分析装置におけるサンプリングパイプは、高温下で種々の成分の混在する過酷な環境に長期間設置されるため、長期間に亘り破損のないことが要求される。例えば、特許文献1には「高腐食性の排ガスによるサンプリングパイプの腐食による破損を軽減するための手段」が開示されている。
特開平11−190686号公報
煙道内の排ガスの流れの中にサンプリングパイプを挿入するため、サンプリングパイプは流れの後方に発生するカルマン渦の発生により振動する。このカルマン渦発生周波数とサンプリングパイプの固有振動数が一致すると共振し、サンプリングパイプの破損が発生する。
そのため、前もって煙道内のガス流速を調べ、共振しないような長さのパイプに調整することにより共振を逃げていたが、排ガス成分の最適な濃度測定位置があるため任意にサンプリングパイプ長さを調整することに限度があった。したがって、排ガス成分の最適な濃度測定が可能なサンプリングパイプ長さを変えることなく共振を避けることが課題である。
本発明は、前記課題を解決するために、煙道内を流れる排ガス中に含まれる目的成分を採取するために前記煙道内に挿入されるサンプリングパイプを有するサンプリングプローブにおいて、前記サンプリングパイプに付加するおもりを備えるものである。
本発明は、前記おもりが前記サンプリングパイプの長さ方向の任意の位置に固定可能であることが望ましい。
本発明は、前記おもりが前記サンプリングパイプの先端部に固定される任意個数の分割おもりによって構成されるものであってもよい。
サンプリングパイプの後方に発生するカルマン渦発生周波数に同調してサンプリングパイプが共振しないように、サンプリングパイプにおもりを付加することによって、サンプリングパイプの固有振動数を変化させることができる。
本発明によるサンプリングプローブの構成の概要を示す。 本発明によるサンプリングプローブを構成するサンプリングパイプの固有振動数およびカルマン渦発生周波数を示すグラフである。 本発明の変形実施例のサンプリングプローブの構成の概要を示す。 従来のサンプリングプローブの構成の概要を示す。
図1は、本発明のサンプリングプローブの構成の概要を示したものである。サンプリングプローブ1は、煙道内の排ガスを採取するためのサンプリングパイプ2と、サンプリングパイプ2を保持(例えば溶接結合)するボディ3と、排ガス中のダストを除去するフィルタ5と、排ガス中の水分を除去するヒータ6とから構成さる。また、ヒータ6はボディ3に固定され、フィルタ5はフィルタホルダ4に保持されて、ボディ3の通路3a内に取り付けられる。さらに、サンプリングパイプ2の固有振動数を変えるために、おもり8がサンプリングパイプ2の任意の位置に止めネジ9によって固定される。
サンプリングプローブ1は、サンプリングパイプ2を煙道内に挿入するため煙道壁10に設けられた固定用フランジ11にネジ7で固定される。またサンプリングパイプ2は、ガスの流れがある煙道内で、煙道内の代表的な濃度測定ができる測定点(一般的には煙道内の中心付近)まで挿入される。
なお、供給口4aに吸引ポンプ(図示せず)および分析器(図示せず)が接続され、吸引ポンプにより吸引された排ガスが、サンプリングパイプ2、通路3a、フィルタ5を通り、供給口4aから分析器に導入され、排ガス中の目的成分が定量測定される。
図2は、本発明によるサンプリングプローブを構成するサンプリングパイプの固有振動数およびカルマン渦発生周波数を示すグラフである。横軸はパイプ長(m)を、縦軸は周波数(Hz)を示す。
いま、サンプリングパイプ2として外径φ27mm、肉厚3.5mmのSUS316製パイプを使用した場合を考える。図2の曲線(1)は、サンプリングパイプ2のパイプ長さとパイプの固有振動数の関係を示したものである。また曲線(2)は、サンプリングパイプ2の先端に1kgのおもり8を止めネジ9で固定したときのパイプ長さとパイプの固有振動数の関係を示したものである。同一パイプ長に対しておもりを付加したとき固有振動数が低下する。
さらに図2には、サンプリングパイプ2を煙道中の流れの中に置いた場合、排ガスの流速に対するカルマン渦発生周波数を示している。排ガスの流速が、20m/s、15m/s、10m/sおよび5m/sのときのカルマン渦発生周波数をそれぞれ破線(3)、(4)、(5)および(6)で示す。カルマン渦発生周波数は、パイプ長さに対しては一定である。
いま、サンプリングパイプ2の長さが0.5mの場合を考える。図2の曲線(1)と0.5mの縦軸との交点(点A)より、このパイプの固有振動数は約95Hzと読み取ることができる。このときカルマン渦発生振動数と一致する排ガス流速は約13m/sと読み取ることができる。つまり煙道内の排ガス流速が13m/sであるような煙道では0.5mのパイプでは共振することになる。
しかし、このパイプの先端に1kgのおもりを付加した場合、曲線(2)と0.5mの縦軸との交点(点B)より、パイプの固有振動数は約42Hzと読み取ることができ、カルマン渦発生周波数95Hzを避けることが可能となる。
上記の実施形態ではパイプの先端に1kgのおもりを付加したが、その重量またはパイプの長さ方向の取付位置を変えることによって固有振動数を変えることができる。実際の排ガスの流速に応じて、カルマン渦発生周波数とパイプの固有振動数が接近しないようにおもりの重量またはおもりの取付位置を適宜選択すればよい。
なお、図1の実施形態ではおもり8の形状をサンプリングパイプ2の外径を摺動するリング状のものとしているが、その形状また固定方法はこれに限定されるものではない。
図3は、本発明の変形実施例のサンプリングプローブの構成の概要を示したものである。サンプリングプローブ21は、煙道内の排ガスを採取するためのサンプリングパイプ22と、サンプリングパイプ22を保持(例えば溶接結合)するボディ23と、排ガス中のダストを除去するフィルタ25と、排ガス中の水分を除去するヒータ26とから構成される。また、ヒータ26はボディ23に固定され、フィルタ25はフィルタホルダ24に保持されて、ボディ23の通路23a内に取り付けられる。
さらに、サンプリングパイプ22の固有振動数を変えるために、分割おもり28および29がサンプリングパイプ22の先端部のネジ部22aに固定される。ただし、分割おもりA28およびB29にはネジ部22aに噛み合うネジが加工されている。図3の変形例では分割おもりを2箇使用した場合を示しているが、実際には必要に応じて分割おもりの個数は適宜選択される。なお、分割おもりは、同一形状で同一重量でも同一形状で異重量のものでもよく、それぞれ使用個数を必要に応じて適宜選択してもよい。
サンプリングプローブ21は、サンプリングパイプ22を煙道内に挿入するため煙道壁50に設けられた固定用フランジ51にネジ27で固定される。またサンプリングパイプ22は、ガスの流れがある煙道内で、煙道内の代表的な濃度測定ができる測定点(一般的には煙道内の中心付近)まで挿入される。
なお、供給口24aに吸引ポンプ(図示せず)および分析器(図示せず)が接続され、吸引ポンプにより吸引された排ガスが、サンプリングパイプ22、通路23a、フィルタ25を通り、供給口24aから分析器に導入され、排ガス中の目的成分が定量測定される。
1、21、31 サンプリングプローブ
2、22、32 サンプリングパイプ
3、23、33 ボディ
3a、23a、33a 通路
4、24、34 フィルタホルダ
4a、24a、34a 供給口
5、25、35 フィルタ
6、26、36 ヒータ
7、27、37 ネジ
8 おもり
9 止めネジ
10、40、50 煙道壁
11、41、51 固定用フランジ
22a ネジ部
28 分割おもりA
29 分割おもりB

Claims (3)

  1. 煙道内を流れる排ガス中に含まれる目的成分を採取するために前記煙道内に挿入されるサンプリングパイプを有するサンプリングプローブにおいて、前記サンプリングパイプに付加するおもりを備えることを特徴とするサンプリングプローブ。
  2. 前記おもりが前記サンプリングパイプの長さ方向の任意の位置に固定可能であることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングプローブ。
  3. 前記おもりが前記サンプリングパイプの先端部に固定される任意個数の分割おもりによって構成されることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングプローブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016050862A (ja) * 2014-08-30 2016-04-11 四国電力株式会社 三酸化硫黄濃度測定方法及び装置
CN114072655A (zh) * 2019-07-17 2022-02-18 株式会社岛津制作所 气体测定装置用采样探针

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