JP2014091640A - シリカガラスルツボの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルツボの内表面又は内部に存在する異物の三次元位置を特定することができるか又はルツボの歪みの三次元分布を決定することができるシリカガラスルツボの評価方法を提供する。
【解決手段】内部測距部17から前記ルツボ11の内表面に対して斜め方向にレーザー光を照射し、その反射光を検出することによって測定した内部測距部17と前記内表面の間の内表面距離を各測定点の三次元座標と関連付けることによって、前記ルツボの内表面三次元形状を求める工程を備え、(1)測定点において取得した画像中に異物が存在していると判断した場合には、その画像を取得した位置において前記ルツボ11の厚さ方向の焦点位置を変化させ、複数枚の画像を取得することによって前記異物の三次元位置を特定する工程と、(2)前記複数の測定点において歪み画像を取得することによって、歪みの三次元分布を決定する工程の少なくとも一方をさらに備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、シリカガラスルツボの評価方法に関する。
シリコン単結晶の製造にはシリカガラスルツボを用いたチョクラルスキー法(CZ法)が採用されている。具体的には、シリカガラスルツボの内部にシリコン多結晶原料を熔融したシリコン融液を貯留し、シリコン単結晶の種結晶を接触させ、回転させながら徐々に引き上げ、シリコン単結晶の種結晶を核として成長させてシリコン単結晶を製造する。シリカガラスの軟化点は、1200〜1300℃程度であるのに対し、シリコン単結晶の引き上げ温度は、1450〜1500℃という、シリカガラスの軟化点を超える非常に高温である。また、引き上げ時間は、2週間以上にもなることがある。
引き上げられるシリコン単結晶の純度は、99.999999999%以上であることが要求されるので、引き上げに利用されるシリカガラスルツボも極めて高純度であることが要求される。
シリカガラスルツボのサイズは、直径が28インチ(約71cm)、32インチ(約81cm)、36インチ(約91cm)、40インチ(約101cm)などのものがある。直径101cmのルツボは、重量が約120kgという巨大なものであり、そこに収容されるシリコン融液の質量は900kg以上である。つまり、シリコン単結晶の引き上げ時には、約1500℃のシリコン融液が900kg以上もルツボに収容されることになる。
シリコン単結晶引き上げに用いるルツボは、一般に、回転モールドの内表面に平均粒径300μm程度のシリカ粉を堆積させてシリカ粉層を形成するシリカ粉層形成工程と、モールド側からシリカ粉層を減圧しながら、シリカ粉層をアーク熔融させることによってシリカガラス層を形成するアーク熔融工程を備える(この方法を「回転モールド法」と称する)。
アーク熔融工程の初期にはシリカ粉層を強く減圧することによって気泡を除去して透明シリカガラス層(以下、「透明層」と称する。)を形成し、その後、減圧を弱くすることによって気泡が残留した気泡含有シリカガラス層(以下、「気泡含有層」と称する。)を形成することによって、内表面側に透明層を有し、外表面側に気泡含有層を有する二層構造のシリカガラスルツボを形成することができる。
ルツボの製造に使用されるシリカ粉には、天然石英を粉砕して製造される天然シリカ粉や化学合成によって製造される合成シリカ粉があるが、特に天然シリカ粉は、天然物を原料としているので、物性・形状・サイズがばらつきやすい。物性・形状・サイズが変化すると、シリカ粉の溶融状態が変化するので、同じ条件でアーク熔融を行っても、製造されるルツボの形状にはバラツキが生じる。
ルツボの製造の際に、ルツボの内面に異物が付着したり、ルツボの壁の内部にルツボが混入したりすることがある。このような異物の有無は、通常、目視で行なわれており、ルツボのどの位置・どの深さに異物が存在しているのかを特定することは容易ではなかった。
また、アーク熔融の際に、ルツボを構成するシリカガラスに残留応力による歪みが発生することがあるが、ルツボのどの部分にどの程度の歪みが発生しているのかを確認することは極めて困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ルツボの内表面又は内部に存在する異物の三次元位置を特定することができるか又はルツボの歪みの三次元分布を決定することができるシリカガラスルツボの評価方法を提供するものである。
本発明によれば、シリカガラスルツボの内表面に沿って非接触で内部測距部を移動させ、移動経路上の複数の測定点において、内部測距部から前記ルツボの内表面に対して斜め方向にレーザー光を照射し、前記内表面からの内表面反射光を検出することによって、内部測距部と前記内表面の間の内表面距離を測定し、各測定点の三次元座標と、前記内表面距離を関連付けることによって、前記ルツボの内表面三次元形状を求める工程を備え、
(1)前記内表面三次元形状上の複数の測定点において画像を取得し、得られた画像中に異物が存在していると判断した場合には、その画像を取得した位置において前記ルツボの厚さ方向の焦点位置を変化させて複数枚の画像を取得することによって、前記異物の三次元位置を特定する工程と、
(2)前記内表面三次元形状上の複数の測定点において歪み画像を取得することによって、歪みの三次元分布を決定する工程の少なくとも一方をさらに備える、シリカガラスルツボの評価方法が提供される。
本発明者らは、ルツボの性能向上や品質管理を容易にするには、ルツボの内表面の三次元形状や透明層の厚さの三次元分布のデータを取得することが必須であると考えたが、ルツボが透明体であるので、光学的に三次元形状を測定することは困難であった。ルツボ内表面に光を照射して画像を取得し、その画像を解析することによって三次元形状を測定する方法も試してみたが、この方法では、画像の解析に非常に長い時間がかかるため、ルツボの内表面全体の三次元形状の測定には到底使えるものではなかった。
このような状況において、本発明者らは、ルツボの内表面に対して斜め方向からレーザー光を照射したところ、ルツボ内表面からの反射光(内表面反射光)が検出可能であることを見出した。
そして、内表面反射光は、内部測距部と内表面との間の距離に応じて、内部測距部に設けられている検出器の異なる位置で検出されるので、三角測量の原理によって内部測距部と内表面の間の内表面距離が測定される。
また、ルツボの内表面に沿った複数の測定点において測定が行われるが、各測定点での内部測距部の座標と、内表面距離を関連付けることによって、各測定点に対応するルツボ内表面座標が得られる。
そして、ルツボの内表面に沿って、例えば2mm間隔のメッシュ状に多数の測定点を配置して測定を行うことによって、メッシュ状の内表面座標が得られ、これによって、ルツボの内表面の三次元形状を求めることができる。
本発明の方法が優れているのは、画像解析による方法に比べて、データのサンプリングレートが格段に大きいことであり、予備実験によると、直径1mのルツボで10万点の測定をする場合であっても、10分程度で内表面全体の三次元形状の測定を終えることができた。
ルツボの内表面の三次元形状が求まった後は、この三次元形状上の複数の測定点で、(1)画像を取得して異物を検出し、その後、焦点位置を変えて撮影を行うことによって、異物の深さ方向の位置を特定したり、(2)歪み画像を取得して、ルツボの歪みの三次元分布を決定することができる。
また、本発明の方法が優れている点は、ルツボの内表面全体の画像や歪み画像を非破壊で取得できるため、実際の製品の画像又は歪み画像が取得できることである。また、本発明は、外径28インチ以上の大型ルツボや、40インチ以上の超大型ルツボにおいて特に利点がある。なぜなら、このような大型ルツボを用いた単結晶の引上げは、小型ルツボを用いてルツボよりもはるかに難しく、高精度な制御を行うには、異物の正確な位置を決定したり、歪みの三次元分布を測定する必要性が特に高いからである。
さらに、本発明の方法によれば非接触でルツボ内表面の三次元形状を測定することができることが別の利点である。上述したように、99.999999999%以上という極めて高純度のシリコン単結晶を製造するためには、ルツボ内表面が極めて清純に維持されることが必須であるが、接触式の方法ではルツボ内表面が汚染されやすいのに対して、本発明のように非接触式の方法では、内表面の汚染を防ぐことができる。
異物の位置や歪みの三次元分布が決定されれば、この情報に基づいてルツボの品質検査や修復を行うことができる。例えば、異物が内表面から浅い位置に存在していると判断された場合、その位置で研削を行うことによって異物を除去することができる。また、歪みの三次元分布が許容範囲を超える場合、ルツボ全体を恒温室で加温することによって歪みを緩和させることができる。
ところで、シリカガラスルツボは、直径200〜450mm(例:200mm,300mm、450mm)で長さが2m以上のような大型の単結晶シリコンインゴットの製造に好適に利用される。このような大型インゴットから製造される単結晶シリコンウェハは、フラッシュメモリやDRAMの製造に好適に利用される。
フラッシュメモリやDRAMは、低価格化が急速に進んでいるので、その要求に答えるために、大型の単結晶シリコンインゴットを高品質・低コストで製造することが必要であり、そのためには、大型のルツボを高品質・低コストで製造することが必要である。
また、現在は、直径300mmのウェハを用いたプロセスが主流であり、直径450mmのウェハを用いたプロセスが開発中である。そして、直径450mmのウェハを安定的に製造するために、高品質の大型ルツボがますます要望されている。
本発明では、ルツボの内表面の三次元形状を、その全周に渡って測定するものであり、本発明によれば、製造したルツボの内表面形状が、その仕様と一致しているかどうかを容易に判断することができる。そして、内表面形状が仕様から外れている場合には、アーク熔融条件などの製造条件を変更することによって、仕様と一致した内表面形状を有する高品質なルツボを高歩留まりで製造できるようになる。
また、正確な内表面三次元形状が得られれば、カメラ、顕微鏡、赤外吸収スペクトル測定用プローブ、ラマンスペクトル測定用プローブなどといった各種の測定機器をルツボの内表面に沿って移動させながら測定を行うことによって、ルツボ内表面の各種物性の三次元分布を得ることができる。従来は、ルツボからサンプルを切り出して各種物性を測定していたが、その方法では非破壊・全数検査が不可能であるので、ルツボの品質向上には繋がらない。本発明では、非破壊・全数検査によってルツボの各種物性が測定できるので、おかしなデータが得られれば、すぐに検討を行い、その原因追求を行うことが容易になる。このように、本発明は、従来技術では不可能であった非破壊・全数検査が可能になる点で大きな技術的意義を有するものである。
内表面の三次元形状測定や、各種物性の三次元分布の測定は、ロボットアームの先端をルツボ内表面に沿って移動させ、その移動中の複数点で測定を行うことによって行うことが好ましい。このような方法の利点は、測定点の座標を取得できることである。作業者がプローブを移動させて測定を行った場合、測定地点の正確な座標を得ることができないので、得られた測定値がルツボのどの位置に対応しているのかを正確に知ることができない。ロボットアームを用いれば正確な座標が得られるので、測定したデータの利用価値が高い。
ルツボは、大型化するほど、製造が難しくなる。直径10cmで厚さ1cmのパンケーキを焼くのは容易ではあるが、直径50cmで厚さ5cmのパンケーキをうまく焼くのは至難の技であることを想像すると理解しやすい。大型サイズのパンケーキは、表面が焦げてしまったり、内部が生焼けになってしまったりするが、それと同じように、大型ルツボの製造の際の熱管理は、小型ルツボに比べて難しく、内表面形状や内表面物性にばらつきが生じやすい。従って、大型ルツボでは、本発明の方法を使って、内表面の三次元形状や内表面物性の三次元分布を測定する必要性が特に大きい。
また、シリコン単結晶の引き上げ時には、ルツボ内に保持されたシリコン融液の温度を1450〜1500℃といった高温に保持するために、ルツボの周囲からカーボンヒーターなどでシリコン融液が加熱される。ルツボが大型化するほど、カーボンヒーターからルツボの中心までの距離が長くなり(ルツボの半径が25cmから50cmに増大すると、カーボンヒーターからルツボの中心までの距離はほぼ倍になる。)、その結果、ルツボ中心でのシリコン融液の温度をその融点以上の温度に維持するために、カーボンヒーターからルツボを通じてシリコン融液に与える熱量も増大する。このため、ルツボが大型化するに従って、ルツボに加わる熱量も増大し、ルツボが変形する等の問題が起きやすくなる。そのため、大型ルツボでは、小型ルツボよりも、ルツボ形状や内表面の物性のバラツキが、シリコン単結晶の引き上げにおいて問題を生じさせやすい。従って、大型ルツボでは、本発明の方法を使って、内表面の三次元形状や内表面物性の三次元分布を測定する必要性が特に大きい。
また、大型ルツボの重量は39kg以上(例えば、直径71cmのルツボでは39kg、直径81cmのルツボでは59kg、直径91cmのルツボでは77kg、直径101cmのルツボでは121kg)になるので、人力でハンドリングすることは非常に困難である。また、ルツボの全周に渡って内表面三次元形状を測定するには、ルツボを回転させる必要があるが、人力でルツボを回転させることは困難であるし、回転角を正確に取得することも難しい。そこで、本発明者らは、搬送用ロボットアームでルツボを把持し、把持したまま測定を行うことを思いついた。搬送用ロボットアームを使えば、重くて割れやすいルツボを容易且つ安全に運ぶことができ、且つ測定エリアの正確な位置にルツボをセットすることができる。また、ルツボを例えば5度ずつ正確に回転させることができるので、内表面の三次元形状や各種物性の三次元分布を精度よく測定することが可能になる。
ルツボの内表面積は、直径81cmのルツボでは約14400cm、直径91cmのルツボでは約16640cm、直径101cmのルツボでは約21109cmである。ルツボの内表面に沿って内部ロボットアームの先端を移動させて内表面の画像を取得することができるが、1枚の写真が4cm×4cmである場合、内表面全体を撮影した場合、写真の枚数は、直径81cmのルツボでは約900枚、直径91cmのルツボでは約1000枚、直径101cmのルツボでは約1300枚である。各ルツボについて、これだけの枚数の写真が必要になるが、本発明の方法によれば、内部ロボットアームと搬送用ロボットアームを協働させて撮影を行うことによって、比較的短時間でこれだけ多くの枚数の写真撮影が可能になった。
(a)及び(b)は、それぞれ、シリカガラスルツボに多結晶シリコンを充填した状態、及び多結晶シリコンを熔融させた状態を示す。 (a)〜(c)は、それぞれ、シリカガラスルツボ内に保持されたシリコン融液からシリコン単結晶の引き上げを行う工程を示す。 シリカガラスルツボの三次元形状測定方法の説明図である。 図3の内部測距部及びその近傍のシリカガラスルツボの拡大図である。 図3の内部測距部の測定結果を示す。 図3の外部測距部の測定結果を示す。 (a),(b)は、それぞれ寸法公差内の肉厚最小及び肉厚最大のルツボの形状を示す。 異物が写っている画像の例を示す。 歪み画像を撮影するための光学系の一例を示す。 (a)〜(c)は、搬送用ロボットアームでルツボを把持した状態で測定を行う方法の説明図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。
<1.シリカガラスルツボ>
本発明の一実施形態のシリコン単結晶の製造方法で使用されるシリカガラスルツボ11は、一例では、回転モールドの内表面に平均粒径300μm程度のシリカ粉を堆積させてシリカ粉層を形成するシリカ粉層形成工程と、モールド側からシリカ粉層を減圧しながら、シリカ粉層をアーク熔融させることによってシリカガラス層を形成するアーク熔融工程を備える(この方法を「回転モールド法」と称する)方法によって製造される。
アーク熔融工程の初期にはシリカ粉層を強く減圧することによって気泡を除去して透明シリカガラス層(以下、「透明層」と称する。)13を形成し、その後、減圧を弱くすることによって気泡が残留した気泡含有シリカガラス層(以下、「気泡含有層」と称する。)15を形成することによって、内表面側に透明層13を有し、外表面側に気泡含有層15を有する二層構造のシリカガラスルツボを形成することができる。
ルツボの製造に使用されるシリカ粉には、天然石英を粉砕して製造される天然シリカ粉や化学合成によって製造される合成シリカ粉があるが、特に天然シリカ粉は、天然物を原料としているので、物性・形状・サイズがばらつきやすい。物性・形状・サイズが変化すると、シリカ粉の溶融状態が変化するので、同じ条件でアーク熔融を行っても、製造されるルツボの内表面形状がばらついてしまう。従って、内表面形状は、一つ一つのルツボについて測定する必要がある。
シリカガラスルツボ11は、曲率が比較的大きいコーナー部11bと、上面に開口した縁部を有する円筒状の側壁部11aと、直線または曲率が比較的小さい曲線からなるすり鉢状の底部11cを有する。本発明において、コーナー部とは、側壁部11aと底部11cを連接する部分で、コーナー部の曲線の接線がシリカガラスルツボの側壁部11aと重なる点から、底部11cと共通接線を有する点までの部分のことを意味する。言い換えると、シリカガラスルツボ11の側壁部11aが曲がり始める点が側壁部11aとコーナー部11bの境界である。さらに、ルツボの底の曲率が一定の部分が底部11cであり、ルツボの底の中心からの距離が増したときに曲率が変化し始める点が底部11cとコーナー部11bとの境界である。
<2.多結晶シリコンの充填及び熔融>
シリコン単結晶の引き上げ時には、図1(a)に示すように、ルツボ11内に多結晶シリコン21を充填し、この状態でルツボ11の周囲に配置されたカーボンヒーターで多結晶シリコンを加熱して熔融させて、図1(b)に示すように、シリコン融液23を得る。
シリコン融液23の体積は、多結晶シリコン21の質量によって定まるので、シリコン融液23の液面23aの高さ位置H0は、多結晶シリコン21の質量とルツボ11の内表面の三次元形状によって決まる。本発明によれば、後述する方法によって、ルツボ11の内表面の三次元形状が定まるので、ルツボ11の任意の高さ位置までの容積が特定され、従って、シリコン融液23液面23aの初期の高さ位置H0が決定される。
シリコン融液23の液面23aの初期の高さ位置H0が決定された後は、図2(a)に示すように、種結晶24の先端を高さ位置H0まで下降させてシリコン融液23に接触させ、その後、ゆっくりと引き上げることによって、シリコン単結晶25の引き上げを行う。
図2(b)に示すように、シリコン単結晶25の直胴部(直径が一定の部位)を引き上げているときに、液面23aがルツボ11の側壁部11aに位置している場合には、一定の速度で引き上げると液面23aの降下速度Vはほぼ一定になるので、引き上げの制御は容易である。
しかし、図2(c)に示すように、液面23aがルツボ11のコーナー部11bに到達すると、液面23aの下降に伴ってその面積が急激に縮小するので、液面23aの降下速度Vが急激に大きくなる。降下速度Vは、コーナー部11bの内表面形状に依存しているが、この内表面形状がルツボ毎に若干異なっているので、降下速度Vがどのように変化するのかを事前に把握することは困難であり、引き上げの自動化の妨げになっていた。
本実施形態では、後述する方法によって、ルツボの内表面の三次元形状を正確に測定するので、コーナー部11bの内表面形状が事前に分かり、従って、降下速度Vがどのように変化するのかを正確に予測することができるので、その予測に基づいて、シリコン単結晶25の引き上げ速度等の引き上げ条件を決定することにより、コーナー部11bにおいても有転移化を防止し且つ引き上げを自動化することが可能である。
<3.ルツボの三次元形状の測定方法>
以下、図3〜図7を用いて、ルツボの三次元形状の測定方法について説明する。本実施形態では、レーザー変位計などからなる内部測距部17をルツボ内表面に沿って非接触で移動させ、移動経路上の複数の測定点において、ルツボ内表面に対してレーザー光を斜め方向に照射し、その反射光を検出することによって、ルツボの内表面三次元形状を測定する。以下、詳細に説明する。また、内表面形状を測定する際に、透明層13と気泡含有層15の界面三次元形状も同時に測定することができ、また、内部測距部19を用いることによってルツボの外表面三次元形状も測定することができるので、これらの点についても合わせて説明する。
<3−1.シリカガラスルツボの設置、内部ロボットアーム、内部測距部>
測定対象であるシリカガラスルツボ11は、開口部が下向きになるように回転可能な回転台9上に載置されている。ルツボ11に覆われる位置に設けられた基台1上には、内部ロボットアーム5が設置されている。内部ロボットアーム5は、好ましくは六軸多関節ロボットであり、複数のアーム5aと、これらのアーム5aを回転可能に支持する複数のジョイント5bと、本体部5cを備える。本体部5cには図示しない外部端子が設けられており、外部とのデータ交換が可能になっている。内部ロボットアーム5の先端にはルツボ11の内表面形状の測定を行う内部測距部17が設けられている。内部測距部17は、ルツボ11の内表面に対してレーザー光を照射し、内表面からの反射光を検出することによって内部測距部17からルツボ11の内表面までの距離を測定する。本体部5c内には、ジョイント5b及び内部測距部17の制御を行う制御部が設けられている。制御部は、本体部5c設けられたプログラム又は外部入力信号に基づいてジョイント5bを回転させてアーム5を動かすことによって、内部測距部17を任意の三次元位置に移動させる。具体的には、内部測距部17をルツボ内表面に沿って非接触で移動させる。従って、制御部には、ルツボ内表面の大まかな形状データを与え、そのデータに従って、内部測距部17の位置を移動させる。より具体的には、例えば、図3(a)に示すようなルツボ11の開口部近傍に近い位置から測定を開始し、図3(b)に示すように、ルツボ11の底部11cに向かって内部測距部17を移動させ、移動経路上の複数の測定点において測定を行う。測定間隔は、例えば、1〜5mmであり、例えば2mmである。測定は、予め内部測距部17内に記憶されたタイミングで行うか、又は外部トリガに従って行う。測定結果は、内部測距部17内の記憶部に格納されて、測定終了後にまとめて本体部5cに送られるか、又は測定の度に、逐次本体部5cに送られるようにする。内部測距部17は、本体部5cとは別に設けられた制御部によって制御するように構成してもよい。
ルツボの開口部から底部11cまでの測定が終わると、回転台9を少し回転させ、同様の測定行う。この測定は、底部11cから開口部に向かって行ってもよい。回転台9の回転角は、精度と測定時間とを考慮して決定されるが、例えば、2〜10度(好ましくは6.3度以下)である。回転角が大きすぎると測定精度が十分でなく、小さすぎると測定時間が掛かりすぎる。回転台9の回転は、内蔵プログラム又は外部入力信号に基づいて制御される。回転台9の回転角は、ロータリーエンコーダ等によって検出可能である。回転台9の回転は、内部測距部17及び後述する外部測距部19の移動と連動してすることが好ましく、これによって、内部測距部17及び外部測距部19の3次元座標の算出が容易になる。
後述するが、内部測距部17は、内部測距部17から内表面までの距離(内表面距離)、及び内部測距部17から透明層13と気泡含有層15の界面までの距離(界面距離)の両方を測定することができる。ジョイント5bの角度はジョイント5bに設けられたロータリーエンコーダ等によって既知であるので、各測定点での内部測距部17の位置の三次元座標及び方向が既知になるので、内表面距離及び界面距離が求まれば、内表面での三次元座標、及び界面での三次元座標が既知となる。そして、ルツボ11の開口部から底部11cまでの測定が、ルツボ11の全周に渡って行われるので、ルツボ11の内表面三次元形状、及び界面三次元形状が既知になる。また、内表面と界面の間の距離が既知になるので、透明層13の厚さも既知になり、透明層の厚さの三次元分布が求められる。
<3−2.外部ロボットアーム、外部測距部>
ルツボ11の外部に設けられた基台3上には、外部ロボットアーム7が設置されている。外部ロボットアーム7は、好ましくは六軸多関節ロボットであり、複数のアーム7aと、これらのアームを回転可能に支持する複数のジョイント7bと、本体部7cを備える。本体部7cには図示しない外部端子が設けられており、外部とのデータ交換が可能になっている。外部ロボットアーム7の先端にはルツボ11の外表面形状の測定を行う外部測距部19が設けられている。外部測距部19は、ルツボ11の外表面に対してレーザー光を照射し、外表面からの反射光を検出することによって外部測距部19からルツボ11の外表面までの距離を測定する。本体部7c内には、ジョイント7b及び外部測距部19の制御を行う制御部が設けられている。制御部は、本体部7c設けられたプログラム又は外部入力信号に基づいてジョイント7bを回転させてアーム7を動かすことによって、外部測距部19を任意の三次元位置に移動させる。具体的には、外部測距部19をルツボ外表面に沿って非接触で移動させる。従って、制御部には、ルツボ外表面の大まかな形状データを与え、そのデータに従って、外部測距部19の位置を移動させる。より具体的には、例えば、図3(a)に示すようなルツボ11の開口部近傍に近い位置から測定を開始し、図3(b)に示すように、ルツボ11の底部11cに向かって外部測距部19を移動させ、移動経路上の複数の測定点において測定を行う。測定間隔は、例えば、1〜5mmであり、例えば2mmである。測定は、予め外部測距部19内に記憶されたタイミングで行うか、又は外部トリガに従って行う。測定結果は、外部測距分19内の記憶部に格納されて、測定終了後にまとめて本体部7cに送られるか、又は測定の度に、逐次本体部7cに送られるようにする。外部測距部19は、本体部7cとは別に設けられた制御部によって制御するように構成してもよい。
内部測距部17と外部測距部19は、同期させて移動させてもよいが、内表面形状の測定と外表面形状の測定は独立して行われるので、必ずしも同期させる必要はない。
外部測距部19は、外部測距部19から外表面までの距離(外表面距離)を測定することができる。ジョイント7bの角度はジョイント7bに設けられたロータリーエンコーダ等によって既知であるので、外部測距部19の位置の三次元座標及び方向が既知になるので、外表面距離が求まれば、外表面での三次元座標が既知となる。そして、ルツボ11の開口部から底部11cまでの測定が、ルツボ11の全周に渡って行われるので、ルツボ11の外表面三次元形状が既知になる。
以上より、ルツボの内表面及び外表面三次元形状が既知になるので、ルツボの壁厚の三次元分布が求められる。
<3−3.距離測定の詳細>
次に、図4を用いて、内部測距部17及び外部測距部19による距離測定の詳細を説明する。
図4に示すように、内部測距部17は、ルツボ11の内表面側(透明層13側)に配置され、外部測距部19は、ルツボ11の外表面側(気泡含有層15側)に配置される。内部測距部17は、出射部17a及び検出部17bを備える。外部測距部19は、出射部19a及び検出部19bを備える。また、内部測距部17及び外部測距部19は、図示しない制御部及び外部端子を備える。出射部17a及び19aは、レーザー光を出射するものであり、例えば、半導体レーザーを備えるものである。出射されるレーザー光の波長は、特に限定されないが、例えば、波長600〜700nmの赤色レーザー光である。検出部17b及び19bは、例えばCCDで構成され、光が当たった位置に基づいて三角測量法の原理に基づいてターゲットまでの距離が決定される。
内部測距部17の出射部17aから出射されたレーザー光は、一部が内表面(透明層13の表面)で反射し、一部が透明層13と気泡含有層15の界面で反射し、これらの反射光(内表面反射光、界面反射光)が検出部17bに当たって検出される。図4から明らかなように、内表面反射光と界面反射光は、検出部17bの異なる位置に当たっており、この位置の違いによって、内部測距部17から内表面までの距離(内表面距離)及び界面までの距離(界面距離)がそれぞれ決定される。好適な入射角θは、内表面の状態、透明層13の厚さ、気泡含有層15の状態等によって、変化しうるが例えば30〜60度である。
図5は、市販のレーザー変位計を用いて測定された実際の測定結果を示す。図5に示すように、2つのピークが観察されており、内表面側のピークが内表面反射光によるピークであり、外表面側のピークが界面反射光によるピークに対応する。このように、透明層13と気泡含有層15の界面からの反射光によるピークもクリアに検出されている。従来は、このような方法で界面の特定がなされたことがなく、この結果は非常に斬新である。
内部測距部17から内表面までの距離が遠すぎる場合や、内表面又は界面が局所的に傾いている場合には、2つのピークが観測されない場合がある。その場合には、内部測距部17を内表面に近づけたり、内部測距部17を傾けてレーザー光の出射方向を変化させて、2つのピークが観測される位置及び角度を探索することが好ましい。また、2つのピークが同時に観測されなくても、ある位置及び角度において内表面反射光によるピークを観測し、別の位置及び角度において界面反射光によるピークを観測するようにしてもよい。また、内部測距部17が内表面に接触することを避けるために、最大近接位置を設定しておいて、ピークが観測されない場合でも、その位置よりも内表面に近づけないようにすることが好ましい。
また、透明層13中に独立した気泡が存在する場合、この気泡からの反射光を内部測距部17が検出してしまい、透明層13と気泡含有層15の界面を適切に検出できない場合がある。従って、ある測定点Aで測定された界面の位置が前後の測定点で測定された界面の位置から大きく(所定の基準値を超えて)ずれている場合には、測定点Aでのデータを除外してもよい。また、その場合、測定点Aからわずかにずれた位置で再度測定を行って、得られたデータを採用してもよい。
また、外部測距部19の出射部19aから出射されたレーザー光は、外表面(気泡含有層15)の表面で反射し、その反射光(外表面反射光)が検出部19bに当たって検出され、検出部19b上での検出位置に基づいて外部測距部19と外表面の間の距離が決定される。図6は、市販のレーザー変位計を用いて測定された実際の測定結果を示す。図6に示すように、1つのピークのみが観察される。ピークが観測されない場合には、外部測距部19を内表面に近づけたり、外部測距部19を傾けてレーザー光の出射方向を変化させて、ピークが観測される位置及び角度を探索することが好ましい。
<3−4.寸法公差を考慮したルツボ形状の評価>
図7(a)、(b)は、それぞれ、ルツボの設計値に対して許容される寸法公差を考慮したときの、肉厚が最小となるルツボの形状、及び肉厚が最大となるルツボの形状を示す。側壁部11a、コーナー部11b,底部11cは、それぞれ、許容される寸法公差が異なっているので、その境界は不連続になっている。上記方法によって決定されるルツボ11の内表面三次元形状と外表面三次元形状から定まるルツボ11の形状が、図7(a)に示す公差範囲内の肉厚最小のルツボ形状と、図7(b)に示す公差範囲内の肉厚最大のルツボ形状の間の形状である場合には、ルツボ11の形状が公差範囲内であり、形状検査合格とすることができ、図7(a)の形状と図7(b)の形状から一部でも外れた場合には、形状検査不合格にすることができる。このような方法によって、ルツボ形状が公差範囲外になっているルツボの出荷を未然に防ぐことができる。
<4.種々の物性の三次元分布>
内部ロボットアーム5及び外部ロボットアーム7には、種々の物性を測定するためのプローブを取り付けることができ、このブローブをルツボ11の内表面三次元形状又は外表面三次元形状に沿って移動させることによって、種々の物性の三次元分布を決定することが可能にある。内部ロボットアーム5及び外部ロボットアーム7には、複数種類のプローブを取り付けて、複数の物性を同時に測定するようにしてもよく、プローブを適宜交換して複数種類の物性を測定するようにしてもよい。また、プローブの交換は、手動で行ってもよく、オートチェンジャーを用いて自動で行ってもよい。プローブの種類としては、赤外吸収スペクトル測定用プローブ、ラマンスペクトル測定用プローブ、共焦点顕微鏡、カメラなどが挙げられる。
また、上記の内部測距部17、外部測距部19、及び後述する各種プローブは、データベース機能を有する外部処理装置に接続されており、測定データが直ちにデータベースに取り込まれるように構成することが可能である。そして、外部処理装置において、各種の形状及び物性についてOK/NG判定を行うことによって、ルツボの品質検査を容易に行うことができる。
<4−1.ルツボ中の異物の三次元位置>
ルツボの内表面の三次元形状上の複数の測定点において内表面の画像を撮影することによって、その三次元位置を決定することができる。
各測定点での取得した画像を解析すると、異物が存在していない部分には画像内に何も移らないが、ルツボ11の表面又は内部に有色の異物が存在していると、図8に示すように、画像中に黒っぽい影が映るので、この影を検出することによって、異物を検出することができる。そして、各画像の撮影位置の座標が既知であるので、異物が検出された画像がルツボ11の内表面三次元形状のどの位置で撮影されたものであるのかが分かる。
図8のような画像からでは、異物が内表面上に存在しているのか、ルツボの厚さ方向の深い位置に存在しているのかを特定することが容易ではない。そこで、異物が検出された測定位置において、共焦点顕微鏡を用いて、ルツボ11の厚さ方向に焦点位置をずらしながら、画像を撮影することによって、異物が存在している深さを特定することができる。
<4−2.ルツボの歪みの三次元分布>
ルツボの内表面の三次元形状上の複数の測定点において内表面の歪み画像を撮影することによって、その三次元分布を決定することができる。
歪み画像を撮影するための光学系は、一例では、図9に示すように、ルツボ11に対して光を照射する光源31と、光源31からの光を偏光にする偏光子33とからなる投光部32と、透過軸の方向が偏光子33と実質的に直交するように配置された検光子35と、検光子35を通過した光を集光するレンズ37と、レンズ37で集光された光を検出する受光器(例:CCDカメラ)39からなる受光部36とで構成される。ルツボ11を構成するシリカガラスは、歪みがない状態では複屈折性を有さないので、偏光子33を通過した光がルツボ11を通過しても偏光方向が変化せず、検光子35を通過する光の成分が実質的に0になる。一方、シリカガラスが歪み(残留応力)を有すると複屈折性を有するようになり、偏光子33を通過した光がルツボ11を通過したときに偏光方向が変化して、検光子35を通過する成分を有するようになる。そして、検光子35を通過する成分をレンズ37を介して受光器39で検出することによって歪み画像を撮影することができる。レンズ37は省略可能である。
図9では、投光部32をルツボ11の外側に配置し、受光部36をルツボ11の内側に配置しているが、投光部32をルツボ11の内側に配置し、受光部36をルツボ11の外側に配置してもよい。図9では、ロボットアームの図示を省略しているが、投光部32と受光部36のうち外側に配置されるものを外部ロボットアーム7に取り付け、内側に配置されるものを内部ロボットアーム5に取り付け、外部ロボットアーム7と内部ロボットアーム5を同期させて、図9中の矢印Zで示すように、ルツボの外表面・内表面三次元形状に沿って移動させ、移動経路中の複数点で撮影を行うことによって、ルツボの歪みの三次元分布を決定することができる。
<5.ロボットアームで把持したまま測定>
図3(a)及び(b)を用いて説明した上記実施形態では、ルツボ11を回転台9に載せて測定を行ったが、別の実施形態では、図10(a)〜(c)に示すように、搬送用ロボットアーム6でルツボ11を把持したまま、測定を行うことができる。以下、詳細に説明する。
図10(a)に示すように、測定対象であるルツボ11は、開口部が下向きになるように載置台43に載置されている。載置台43の近くには、ロボットアーム設置台41に搬送用ロボットアーム6が設置されている。搬送用ロボットアーム6は、好ましくは六軸多関節ロボットであり、複数のアーム6aと、これらのアーム6aを回転可能に支持する複数のジョイント6bと、本体部6cを備える。本体部6cには図示しない外部端子が設けられており、外部とのデータ交換が可能になっている。搬送用ロボットアーム6の先端にはルツボ11を把持するための把持部49が設けられている。把持部49は、ベース45と、ベース45から延びる少なくとも4本のアーム47を有している。図10(a)では、4本のアーム47が円周方向に90度間隔で配置されている。アーム47は、ルツボ11の半径方向の中心に向かって、つまり図10(a)の矢印Xの方向に移動可能であり、4本のアーム47の間にルツボ11が位置するように把持部49を配置した状態でアーム47をルツボ11の側面に対して押し付ける。ルツボ11の外面は、気泡含有層15であり、表面がざらざらである。アーム47のルツボ11側の面には、ウレタンゴムなどの弾性部材48が設けられており、弾性部材48とルツボ11の側面との間の摩擦によって把持部49はルツボ11を安定に把持する。なお、アーム47をルツボ11に押し付ける力が強すぎてルツボ11を破壊しないように、アーム47をルツボに押し付ける力は、圧力センサーなどを用いて、適正値に制御される。
図10(b)は、把持部49がルツボ11を把持している状態を示す。この状態から、搬送用ロボットアーム6は、ルツボ11を持ち上げて、内部ロボットアーム5が設置されている測定エリアに移動させる。なお、図示していないが、測定エリアには、外部ロボットアーム7が設置されていてもよい。
次に、図10(c)に示すように、搬送用ロボットアーム6は、測定エリアにおいて、ルツボ11を把持し、その状態で、内部ロボットアーム5が内部測距部17及び各種プローブをルツボ11の内表面に沿って移動させて測定を行う。
ルツボ11の円周方向の、ある位置においてルツボ11の底部11cと開口部の間で内部測距部17を移動させて測定を行った後、搬送用ロボットアーム6がルツボ11を円周方向(図10(c)の矢印Yの方向)に回転させる。そして、回転後の位置で、再度、ルツボ11の底部11cと開口部の間で内部測距部17を移動させて測定を行う。このように、ルツボ11の回転と、測定を繰り返すことによって、ルツボ11の内周面全体での測定を行うことができる。
各測定毎の回転角度は、例えば2〜10度であり、好ましくは6.3度以下である。回転角度が6.3度以下である場合に、各測定点を円周方向につないで構成される多角形の辺の合計長が、真円の円周長と誤差1%以下となり、十分に高い精度が達成できるからである。

Claims (12)

  1. シリカガラスルツボの内表面に沿って非接触で内部測距部を移動させ、
    移動経路上の複数の測定点において、内部測距部から前記ルツボの内表面に対して斜め方向にレーザー光を照射し、前記内表面からの内表面反射光を検出することによって、内部測距部と前記内表面の間の内表面距離を測定し、
    各測定点の三次元座標と、前記内表面距離を関連付けることによって、前記ルツボの内表面三次元形状を求める工程を備え、
    (1)前記内表面三次元形状上の複数の測定点において画像を取得し、得られた画像中に異物が存在していると判断した場合には、その画像を取得した位置において前記ルツボの厚さ方向の焦点位置を変化させて複数枚の画像を取得することによって、前記異物の三次元位置を特定する工程と、
    (2)前記内表面三次元形状上の複数の測定点において歪み画像を取得することによって、歪みの三次元分布を決定する工程の少なくとも一方をさらに備える、シリカガラスルツボの評価方法。
  2. 前記異物の三次元位置は、共焦点顕微鏡を用いて特定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記内表面三次元形状の測定は、前記ルツボを測定エリアに搬送する搬送用ロボットアームで把持した状態で行われ、
    前記ルツボの円周方向の、ある位置において前記ルツボの底部と開口部の間で前記内部ロボットアームの先端を移動させて測定を行った後、前記搬送用ロボットアームが前記ルツボを円周方向に回転させる工程を繰り返すことによって、前記ルツボの内表面全体が測定される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記ロボットアームによる前記ルツボの回転の角度は、6.3度以下である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ロボットアームは、把持部を介して前記ルツボを把持し、
    前記把持部は、前記ルツボの側面に対して少なくとも四方から、前記ルツボに接触する面に弾性部材が設けられたアームを前記ルツボに押し付けることによって前記ルツボを把持する、請求項3又は請求項4に記載の方法。
  6. 前記内部測距部からのレーザー光は、前記内表面に対して30〜60度の入射角で照射される、請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の方法。
  7. 前記内部測距部は、前記内部測距部を三次元的に移動させることができるように構成された内部ロボットアームに固定される、請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の方法。
  8. 前記ルツボの外表面に沿って外部測距部を移動させ、
    移動経路上の複数の測定点において、外部測距部から前記ルツボの外表面に対してレーザー光を照射し、前記外表面からの外表面反射光を検出することによって、前記外部測距部と前記外表面の間の外表面距離を測定し、
    各測定点の三次元座標と、前記外表面距離を関連付けることによって、前記ルツボの外表面三次元形状を求める工程をさらに備える、請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の方法。
  9. 前記内表面三次元形状と前記外表面三次元形状から定まる前記ルツボの形状が、公差範囲内の肉厚最小のルツボ形状と、公差範囲内の肉厚最大のルツボ形状の間の形状であるか否かに従って、ルツボの評価を行う工程をさらに備える、請求項8に記載の方法。
  10. 前記外部測距部は、前記外部測距部を三次元的に移動させることができるように構成された外部ロボットアームに固定される、請求項8又は請求項9に記載の方法。
  11. 前記歪み画像は、(1)前記ルツボに対して光を照射する光源と、前記光源からの光を偏光にする偏光子とを含む投光部と、
    (2)透過軸の方向が前記偏光子と実質的に直交するように配置された検光子と、前記検光子を通過した光を検出する受光器からなる受光部と、
    を備える光学系を用いて取得される、請求項1〜請求項10の何れか1つに記載の方法。
  12. 前記内部測距部は、前記内部測距部を三次元的に移動させることができるように構成された内部ロボットアームに固定され。前記外部測距部は、前記外部測距部を三次元的に移動させることができるように構成された外部ロボットアームに固定され、
    前記投光部と前記受光部は、前記内部ロボットアームと前記外部ロボットアームに固定され、
    前記歪み画像の取得時に、前記内部ロボットアームと前記外部ロボットアームは、前記投光部と前記受光部を同期して移動させる、請求項11に記載の方法。
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