JP2014091591A - プリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体に搬送不良が発生したかどうかを正確に判断することができるようにする。
【解決手段】両縁にスプロケット孔を備えた媒体を副走査方向に搬送する媒体搬送装置と、主走査方向に移動自在に配設されたキャリッジ14と、該キャリッジ14に搭載され、前記媒体に対して印字を行う印字ヘッド15と、検出要素の出力信号に基づいて前記スプロケット孔の有無を検出する媒体検出部と、前記スプロケット孔の有無の検出パターンを形成するパターン形成部66と、前記検出パターンに基づいて媒体の搬送状態を判断する搬送状態判断部67とを有する。検出要素の出力信号に基づいてスプロケット孔の有無が検出され、スプロケット孔の有無の検出パターンに基づいて媒体の搬送状態が判断されるので、媒体に搬送不良が発生したかどうかを正確に判断することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタに関するものである。
従来、プリンタ(印刷装置)においては、キャリッジに印字ヘッドが搭載され、キャリッジを主走査方向に往復移動させながら印字ヘッドを駆動することによって、副走査方向に搬送される媒体としての用紙に対して印字を行うようになっている。
そして、キャリッジに光学式センサが配設され、該光学式センサによって、印字された文字等の濃度を検出し、用紙に搬送不良が発生したかどうかが判断されるようにしたプリンタが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
図2は従来のプリンタの要部を示す平面図、図3は従来のプリンタにおいて搬送不良が発生した用紙の例を示す図である。
図において、113はメインシャフト、114は該メインシャフト113に沿って主走査方向に往復させられるキャリッジ、115は該キャリッジ114に搭載された印字ヘッド、121は図示されないインクリボンカセットに配設されたインクリボンである。前記印字ヘッド115の下方には、プラテン124がメインシャフト113に対して平行に配設される。
用紙Pが副走査方向、すなわち、矢印Q方向に搬送され、用紙P上の印字領域が印字ヘッド115とプラテン124との間に置かれると、印字ヘッド115の印字ワイヤが、選択的に前進させられ、インクリボン121に打ち付けられ、インクリボン121のインクが用紙Pに転写されることによって印字が行われる。なお、前記用紙Pは、あらかじめ罫線Lkが印字されたプレフォーマットの連続紙である。
前記キャリッジ114の所定の箇所には光学式センサ117が配設され、該光学式センサ117によって、用紙Pに形成された画像、すなわち、罫線Lk、文字等の濃度が検出される。
ところで、用紙Pが正常に搬送されると、改行に伴って罫線Lk内の所定の箇所に文字が順次印字されるが、用紙Pに搬送不良が発生すると、改行が行われず罫線Lk内の同じ箇所に文字が繰り返し印字され、紙面に黒べた部arが形成される。そこで、該黒べた部arが光学式センサ117によって検出されたかどうかによって、用紙Pに搬送不良が発生したかどうかが判断されるようになっている。
特開2010−132417号公報
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、インクリボン121のインクが少なくなっている場合、インクリボン121自体が印字ヘッド115とプラテン124との間から外れている場合等においては、画像の濃度を精度よく検出することができず、用紙Pに搬送不良が発生したかどうかを正確に判断することができない。
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、媒体に搬送不良が発生したかどうかを正確に判断することができるプリンタを提供することを目的とする。
そのために、本発明のプリンタにおいては、両縁にスプロケット孔を備えた媒体を副走査方向に搬送する媒体搬送装置と、主走査方向に移動自在に配設されたキャリッジと、該キャリッジに搭載され、前記媒体に対して印字を行う印字ヘッドと、検出要素の出力信号に基づいて前記スプロケット孔の有無を検出する媒体検出部と、媒体の搬送方向における前記スプロケット孔の有無の検出パターンを形成するパターン形成部と、前記検出パターンに基づいて媒体の搬送状態を判断する搬送状態判断部とを有する。
本発明によれば、プリンタにおいては、両縁にスプロケット孔を備えた媒体を副走査方向に搬送する媒体搬送装置と、主走査方向に移動自在に配設されたキャリッジと、該キャリッジに搭載され、前記媒体に対して印字を行う印字ヘッドと、検出要素の出力信号に基づいて前記スプロケット孔の有無を検出する媒体検出部と、媒体の搬送方向における前記スプロケット孔の有無の検出パターンを形成するパターン形成部と、前記検出パターンに基づいて媒体の搬送状態を判断する搬送状態判断部とを有する。
この場合、検出要素の出力信号に基づいてスプロケット孔の有無が検出され、媒体の搬送方向におけるスプロケット孔の有無の検出パターンに基づいて媒体の搬送状態が判断されるので、インクリボンのインクが少なくなっている場合、インクリボン自体が印字ヘッドとプラテンとの間から外れている場合等においても、媒体に搬送不良が発生したかどうかを正確に判断することができる。
本発明の第1の実施の形態における印字システムを示す制御ブロック図である。 従来のプリンタの要部を示す平面図である。 従来のプリンタにおいて搬送不良が発生した用紙の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるプリンタで使用される用紙の概念図である。 本発明の第1の実施の形態における制御部の制御ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第3のフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における給紙位置を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態における搬送状態判断部の動作を説明するための第1の図である。 本発明の第1の実施の形態における搬送状態判断部の動作を説明するための第2の図である。 本発明の第1の実施の形態における検出パターンの例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における印字システムを示す制御ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第3のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態におけるキャリッジの移動方向を説明するための第1の図である。 本発明の第2の実施の形態におけるキャリッジの移動方向を説明するための第2の図である。 本発明の第2の実施の形態におけるキャリッジの移動方向を説明するための第3の図である。 本発明の第2の実施の形態における用紙検出部の動作を説明するための第1の図である。 本発明の第2の実施の形態における用紙検出部の動作を説明するための第2の図である。 本発明の第2の実施の形態における用紙検出部の動作を説明するための第3の図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、プリンタとして、シリアルドットプリンタについて説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部を示す平面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部を示す断面図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタで使用される用紙の概念図である。
図において、10はプリンタ(印字装置)、FL、FRはプリンタ10の左側及び右側に配設された第1、第2のフレームとしてのサイドフレーム、FSは該サイドフレームFL、FR間に延在させて配設された第3のフレームとしてのスペースフレーム、13は前記サイドフレームFL、FR間に架設され、円形の断面を有するメインシャフト(キャリッジシャフト)、14は該メインシャフト13に沿って主走査方向、すなわち、矢印A、B方向に移動(往復移動)させられるキャリッジ、15は該キャリッジ14に搭載され、キャリッジ14と共に矢印A、B方向に移動させられる印字ヘッドである。
前記キャリッジ14は、前記印字ヘッド15を支持する本体部14a、該本体部14aから上方に立ち上げて形成された起立部14b及び該起立部14bに取り付けられた挟持部14cを備え、前記本体部14aにメインシャフト13が挿通させられる。
また、18は前記スペースフレームFSの右端に取り付けられ、キャリッジ14を移動させるためのヘッド送り用の駆動部としてのスペースモータ、PLRはスペースフレームFSの右端において、スペースモータ18の出力軸18aに取り付けられた駆動側の回転体としての駆動プーリ、PLLはスペースフレームFSの左端において、支持軸19に対して回転自在に配設された従動側の回転体としての従動プーリ、20は駆動プーリPLRと従動プーリPLLとによって張設されたベルト部材としてのスペースベルトであり、該スペースベルト20の所定の箇所に前記キャリッジ14が固定される。したがって、前記スペースモータ18を正方向及び逆方向に駆動することによってスペースベルト20を矢印A、B方向に走行させ、キャリッジ14を矢印A、B方向に移動させることができる。
なお、前記スペースフレームFSの上端には、サイドフレームFL、FR間に案内部としてのスライドガイド21が延在させて配設され、該スライドガイド21の垂下部21aが前記キャリッジ14の起立部14b及び挟持部14cによって挟持される。したがって、スライドガイド21によって、メインシャフト13に沿って移動させられるキャリッジ14が案内される。
前記スペースフレームFSにおけるサイドフレームFLの近傍には、キャリッジ14を主走査方向における基準位置、すなわち、ホームポジションに置くための、位置検出部としての光学式のHPセンサ26が配設され、キャリッジ14の所定の箇所、本実施の形態においては、本体部14aにおけるスペースフレームFSと対向するサイドフレームFL側の端部に、検出要素としての検出リブ16が、スペースフレームFSに向けて突出させて形成される。前記HPセンサ26には、キャリッジ14と対向する面に溝が形成される。前記キャリッジ14が移動させられるのに伴って、検出リブ16がHPセンサ26の溝内に進入し、HPセンサ26の発光側と受光側とを遮断すると、HPセンサ26がオンになり、キャリッジ14がホームポジションに置かれたことが検出される。
前記印字ヘッド15の下方には、前記サイドフレームFL、FR間に延在させて、所定の硬度を有する、黒色のゴム材によって形成された第1の媒体搬送部材としての円柱状のプラテン24が、メインシャフト13に対して平行に、かつ、回転自在に配設され、印字ヘッド15とプラテン24との間に、印字を行うための印字部p1が形成される。該印字部p1には、前記サイドフレームFL、FR間に着脱自在に取り付けられた図示されないインクリボンカセットのインクリボンが配設される。インクリボンカセット内には、スペースモータ18からの回転を受けて回転させられる駆動ギヤが配設され、インクリボンは、キャリッジ14の移動に伴って前記駆動ギヤによって走行させられる。
また、前記印字部p1を媒体としての用紙Pが副走査方向、すなわち、矢印Q方向に搬送され、インクリボンの下を通過させられる。
そのために、前記サイドフレームFL側の所定の箇所に媒体送り用の駆動部としてのラインフィードモータ(LFモータ)55が配設され、用紙Pの搬送方向における印字部p1より上流側に、用紙Pの両縁と対向させて媒体搬送装置としての一対のトラクタユニット57が配設され、前記ラインフィードモータ55の出力軸55aに取り付けられたギヤgsと、前記サイドフレームFL側のトラクタユニット57の入力軸57aに取り付けられたギヤgeとが、ギヤg1、g2等を介して噛合により連結される。なお、サイドフレームFL側のトラクタユニット57とサイドフレームFR側のトラクタユニット57とは前記入力軸57aを介して連結され、各トラクタユニット57は同期させて駆動される。
また、前記ギヤgsとプラテン24の回転軸24aに取り付けられたギヤgfとがギヤg3等を介して噛合により連結され、前記ギヤgsと第2の媒体搬送部材としての用紙搬送ローラ56のシャフト56aに取り付けられたギヤghとがギヤg3、g4等を介して噛合により連結される。なお、前記用紙搬送ローラ56は前記シャフト56a、及び該シャフト56aの長さ方向において、所定の間隔を置いて配設された複数のローラ部56bを備える。
したがって、ラインフィードモータ55を駆動すると、ギヤgsの回転がギヤge、gf、ghに伝達され、各トラクタユニット57が駆動され、プラテン24及び用紙搬送ローラ56が回転させられ、用紙Pが搬送される。
なお、本実施の形態においては、用紙Pとして、図6に示されるような、一方側、すなわち、左側(ホームポジション側)の縁部egL、及び他方側、すなわち、右側(反ホームポジション側)の縁部egRの近傍に所定のピッチで複数の係止穴としてのスプロケット孔shが形成された標準的な連続紙が使用され、トラクタユニット57に配設された係止突起としての送りピン57bとスプロケット孔shとが係止させられる。トラクタユニット57を駆動すると、送りピン57bが移動させられ、用紙Pが所定の送り量で搬送される。
なお、用紙Pの前縁Pfと最も前方のスプロケット孔shの中心との距離Lfは1/4〔インチ〕に、各スプロケット孔sh間の距離Lpは1/2〔インチ〕に、用紙Pの縁部egL、egRと各スプロケット孔shの中心との距離Lsは1/4〔インチ〕に、各スプロケット孔shの穴径dは4〔mm〕にされる。
そして、用紙P上の印字領域が印字部p1に到達すると、印字ヘッド15の図示されない印字ワイヤが、選択的に前進させられ、インクリボンに打ち付けられ、インクリボンのインクが用紙Pに転写されることによってドット列による印字が行われる。
ところで、前記キャリッジ14の下部には、用紙Pをプラテン24に向けて押すヘッドプロテクタ27が、印字ヘッド15を中心にして左右に所定量延在させて配設される。そして、前記キャリッジ14の所定の箇所、本実施の形態においては、ヘッドプロテクタ27の両端の付近における印字ヘッド15の両側に一対の検出要素としての、かつ、媒体検出要素としての光学式センサ17a、17bが、プラテン24及び用紙Pと対向させて配設され、キャリッジ14の移動に伴って主走査方向に移動させられる。前記光学式センサ17a、17bは、いずれも、発光部及び受光部を備え、発光部が用紙P等を照射したときの反射光が受光部によって受光される。
なお、前記光学式センサ17a、17bは、用紙Pの搬送方向における印字ヘッド15の近傍、本実施の形態においては、印字ヘッド15の中心Cnより上流側に所定の距離y(本実施の形態において、6.35〔mm〕)だけ離れた位置に置かれる。
また、前記トラクタユニット57と印字部p1との間には、用紙Pの前端又は後端を検出する媒体検出要素としての用紙センサ25が配設される。
次に、前記プリンタ10と上位装置としてのホストコンピュータとを接続することによって構成される印字システムについて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における印字システムを示す制御ブロック図である。
図において、10はプリンタ、61はホストコンピュータ、Ntはホストコンピュータ61とプリンタ10とを接続するネットワークである。前記プリンタ10、ホストコンピュータ61及びネットワークNtによって印字システムが形成される。
プリンタ10は、CPU等から成り、プリンタ10の全体の制御を行う制御部62、及びプログラム等を記録するための記憶部65を備える。前記制御部62は、インタフェース63を介して前記ホストコンピュータ61と接続され、プログラム、印字命令データ及びホストコンピュータ61から送信されたコマンド、印字情報信号等に基づいて印字を行う。
前記キャリッジ14には、前記印字ヘッド15、光学式センサ17a、17b等のほかに、印字ヘッド15を駆動するための印字ヘッド制御処理手段としての印字ヘッド制御部71、光学式センサ17a、17bの受光部が反射光を受光したときの光学式センサ17a、17bの出力信号を読み込むことによって用紙Pの有無を検出するとともに、用紙Pの有無に基づいてスプロケット孔shの有無を検出する媒体検出部としての用紙検出部72等が配設され、印字ヘッド制御部71及び用紙検出部72が制御部62に接続される。
なお、本実施の形態においては、用紙Pとして標準的な連続紙が使用され、プラテン24(図4)が黒色のゴム材によって形成されているので、用紙Pとプラテン24とでは光の反射率が異なり、用紙Pからの反射光の光強度は高く、プラテン24からの反射光の光強度は低い。したがって、本実施の形態において、受光部が用紙Pからの反射光を受光したときの光学式センサ17a、17bの出力信号はローレベルになり、受光部がプラテン24からの反射光を受光したときの光学式センサ17a、17bの出力信号はハイレベルになる。
そこで、前記キャリッジ14が主走査方向に移動するのに伴って、用紙検出部72は、光学式センサ17a、17bの出力信号を読み込み、出力信号がローレベルであるか、ハイレベルであるかによって、光学式センサ17a、17bの部分における用紙Pの有無を検出する。
そして、用紙Pにおけるスプロケット孔shの部分には用紙Pがないので、前記キャリッジ14が主走査方向に移動するのに伴って、用紙検出部72は、前記出力信号がローレベルであるか、ハイレベルであるかによって、光学式センサ17a、17bの部分におけるスプロケット孔shの有無を検出する。
また、前記制御部62には、HPセンサ26、スプロケット孔shの有無の検出パターンを形成するパターン形成処理手段としてのパターン形成部66、前記検出パターンに基づいて用紙Pの搬送状態を判断する搬送状態判断処理手段としての搬送状態判断部67、スペースモータ18を駆動するための第1の駆動部制御処理手段としてのスペースモータ制御部73、ラインフィードモータ(LFモータ)55を駆動するための第2の駆動部制御処理手段としてのラインフィードモータ制御部(LFモータ制御部)74等が接続される。
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。
図7は本発明の第1の実施の形態における制御部の制御ブロック図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャート、図9は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャート、図10は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第3のフローチャート、図11は本発明の第1の実施の形態における給紙位置を説明するための図、図12は本発明の第1の実施の形態における搬送状態判断部の動作を説明するための第1の図、図13は本発明の第1の実施の形態における搬送状態判断部の動作を説明するための第2の図、図14は本発明の第1の実施の形態における検出パターンの例を示す図である。
操作者によってプリンタ10の電源がオンにされると、制御部62の初期位置設定処理手段Pm1は、初期位置設定処理を行い、キャリッジ14を初期位置、すなわち、ホームポジションに置く。そのために、初期位置設定処理手段Pm1は、スペースモータ制御部73を介してスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印A方向に移動させ、キャリッジ14がホームポジションに到達してHPセンサ26がオンになると、スペースモータ18の駆動を停止させ、キャリッジ14を停止させる。
次に、操作者によってトラクタユニット57に用紙Pがセットされると、制御部62の印字データ受信処理手段Pm2は、印字データ受信処理を行い、ホストコンピュータ61から印字データを受信し、受信した印字データ、すなわち、受信データを記憶部65に記録する。
続いて、制御部62の給紙処理手段Pm3は、給紙処理を行い、スペースモータ制御部73を介してスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印B方向に移動させて給紙位置に置く。なお、該給紙位置は、例えば、図11に示されるように、最小幅Wminの用紙が給紙されてもヘッドプロテクタ27が用紙をプラテン24に押すことができる位置とされ、光学式センサ17a、17bの出力信号に基づいてキャリッジ14の位置が制御される。
次に、前記給紙処理手段Pm3は、ラインフィードモータ制御部74を介してラインフィードモータ55を駆動し、トラクタユニット57を駆動するとともに、プラテン24及び用紙搬送ローラ56を回転させる。これに伴って用紙Pが搬送され、用紙センサ25によって用紙Pの前端が検出されると、前記給紙処理手段Pm3は前記距離Lf(図6)だけ用紙Pを搬送し、ラインフィードモータ55の駆動を停止させる。これにより、用紙Pは印字の開始を待機する印字待機位置に置かれる。
続いて、制御部62の媒体幅検出処理手段Pm4は、媒体幅検出処理を行い、用紙Pの幅を検出する。
そのために、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、スペースモータ制御部73を介してスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印A方向に移動させている間、光学式センサ17aの発光部を発光させ、用紙P等を照射したときの反射光を受光部によって受光させる。このとき、用紙検出部72は、用紙検出処理を行い、所定のタイミング、本実施の形態においては、スペースモータ18が相切替えを行うタイミングで光学式センサ17aの出力信号を読み込み、出力信号がハイレベル(H)である場合、光学式センサ17aの部分に用紙Pがないことを検出し、出力信号がローレベル(L)である場合、光学式センサ17aの部分に用紙Pがあることを検出する。
そして、キャリッジ14を移動させている間、用紙検出部72が所定の回数以上連続して用紙Pがあることを検出した後、所定の回数以上連続して用紙Pがないことを検出すると、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、光学式センサ17aが用紙Pの左側の縁部egLに到達したと判断し、用紙Pの左側の縁部egLの位置を検出し、左側の縁部egLのホームポジションからの距離を位置情報として記憶部65に記録する。
続いて、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、スペースモータ制御部73を介してスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印B方向に移動させている間、光学式センサ17aの発光部を発光させ、反射光を受光部によって受光させる。
そして、用紙検出部72が所定の回数以上連続して用紙Pがあることを検出した後、所定の回数以上連続して用紙Pがないことを検出すると、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、光学式センサ17bが用紙Pの右側の縁部egRに到達したと判断し、用紙Pの右縁の縁部egRの位置を検出し、右側の縁部egRのホームポジションからの距離を位置情報として記憶部65に記録する。
このようにして、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、媒体幅としての用紙Pの幅を検出する。
次に、制御部62の印字処理手段Pm5は、印字処理を行い、スペースモータ制御部73を介してスペースモータ18を駆動し、用紙Pの左側の縁部egLの位置を基準にして、キャリッジ14を矢印A方向に移動させて印字開始位置に置き、印字を開始する。
そして、前記印字処理手段Pm5は、記憶部65から各印字行の受信データを読み出し、印字ヘッド制御部71を介して印字ヘッド15を駆動し、受信データに基づいて印字を行う。印字が行われている間、印字処理手段Pm5は、繰り返し、スペースモータ18を駆動して主走査方向にキャリッジ14を往復移動させ、ラインフィードモータ55を駆動して副走査方向において用紙Pを搬送して改行を行う。
また、印字が行われている間、用紙検出部72は用紙Pの有無に基づいてスプロケット孔shの有無を検出し、パターン形成部66は、パターン形成処理を行い、スプロケット孔shの検出パターンを形成し、搬送状態判断部67は、搬送状態判断処理を行い、検出パターンに基づいて用紙Pの搬送状態を判断する。
ところで、本実施の形態においては、用紙Pが副走査方向に搬送されるのに伴ってスプロケット孔shが副走査方向に移動させられるので、用紙Pが搬送されている間に、スプロケット孔shの有無が規則的に検出されたかどうかによって、用紙Pに搬送不良が発生したかどうかを判断することができる。
ここで、スプロケット孔shの検出パターンを形成するパターン形成部66の動作について説明する。
前述されたように、印字が開始されると、前記印字処理手段Pm5は、スペースモータ18を駆動することによる主走査方向におけるキャリッジ14の往復移動、すなわち、矢印A方向及び矢印B方向の移動と、ラインフィードモータ55を駆動することによる副走査方向における用紙Pの搬送(改行動作)とを交互に行う。
この間、用紙検出部72は、前記印字処理においてキャリッジ14が矢印A方向に移動させられるたびに、用紙Pの有無を検出することによってスプロケット孔shの有無を検出する。
なお、現在印字が行われている行、すなわち、当該行の印字が終了して、次の行、すなわち、次行の印字が開始される際に、当該行の印字が終了した位置(以下「当該行印字終了位置」という。)と次行の印字が開始される位置(以下「次行印字開始位置」という。)との関係によっては、光学式センサ17aが用紙Pの左側の縁部egLより左側に位置することがある。この場合、前記パターン形成部66は、キャリッジ14が矢印B方向に移動させられるときに、スプロケット孔shの有無を検出する。
ところで、副走査方向における用紙Pの位置によって、図12に示されるように、光学式センサ17a、17bを結ぶ線の延長線上にスプロケット孔shがない場合と、図13に示されるように、前記延長線上にスプロケット孔shがある場合とがある。
したがって、前記延長線上にスプロケット孔shがない場合、用紙検出部72は、光学式センサ17aが、用紙Pの左側の縁部egLに到達するまで連続して用紙Pがあることを検出し、用紙Pの左側の縁部egLに到達した後、連続して用紙Pがないことを検出する。これにより、用紙検出部72は、スプロケット孔shがないことを検出する。
また、光学式センサ17a、17bの延長線上にスプロケット孔shがある場合、用紙検出部72は、光学式センサ17aが、スプロケット孔shに到達するまで連続して用紙Pがあることを検出し、スプロケット孔shに到達した後、スプロケット孔shから離れるまで、所定の回数だけ連続して用紙Pがないことを検出し、光学式センサ17aがスプロケット孔shから離れた後、用紙Pの左側の縁部egLに到達するまで所定の回数だけ用紙Pがあることを検出し、光学式センサ17aが用紙Pの左側の縁部egLに到達した後、連続して用紙Pがないことを検出する。この場合、用紙検出部72は、スプロケット孔shがあることを検出する。
例えば、スペースモータ18が相切替えを行ってから次の相切替えを行うまでの間に、キャリッジ14が1/180〔インチ〕移動する場合、各スプロケット孔shの穴径dは4〔mm〕であるので、光学式センサ17aが前記スプロケット孔sh内を矢印A方向に移動するときに、用紙検出部72が用紙Pがないことを検出する回数、すなわち、用紙無検出回数NHは、1〔インチ〕を25.4〔mm〕とすると、
NH=d/(25.4/180)
=4/0.1411
≒28〔回〕
になる。
また、用紙Pの左側の縁部egLと各スプロケット孔shの中心との距離Lsは1/4〔インチ〕にされるので、用紙Pの左側の縁部egLとスプロケット孔shとの距離Ltは、
Lt=Ls−d/2
=25.4/4−4/2
=4.35〔mm〕
になる。
したがって、前記距離Ltをキャリッジ14が矢印A方向に移動するときに、用紙検出部72が用紙Pがあることを検出する回数、すなわち、用紙有検出回数NLは、
NL=Lt/(25.4/180)
=4.35/0.1411
≒31〔回〕
になる。
このことから、用紙検出部72は、用紙無検出回数NH及び用紙有検出回数NLに基づいてスプロケット孔shがあることを検出する。
このようにして、用紙検出部72がスプロケット孔shの有無を検出すると、パターン形成部66は、用紙検出部72からスプロケット孔shの有無の検出結果を読み込み、用紙Pの搬送方向におけるスプロケット孔shの有無のパターン、すなわち、検出パターンを形成する。
例えば、図14に示されるように、用紙Pの前端から距離Lf(=1/4〔インチ〕)の位置で印字を開始し、用紙Pを矢印Q方向に改行量ε(=1/6〔インチ〕)で搬送すると、用紙Pの送り量が0〔インチ〕で、出力信号はローレベルになり、用紙Pがあることが検出され、用紙Pの送り量がε〔インチ〕で、出力信号はローレベルになり、用紙Pがあることが検出され、用紙Pの送り量が2ε〔インチ〕で、出力信号はハイレベルになり、用紙Pがないことが検出され、用紙Pの送り量が3ε〔インチ〕で、出力信号はローレベルになり、用紙Pがあることが検出され、用紙Pの送り量が4ε〔インチ〕で、出力信号はローレベルになり、用紙Pがあることが検出され、用紙Pの送り量が5ε〔インチ〕で、出力信号はハイレベルになり、用紙Pがないことが検出される。
すなわち、距離Lp(=1/2〔インチ〕)ごとにスプロケット孔shがあることが検出されると、パターン形成部66は、用紙Pの送り量を、例えば、0、ε、2ε、3ε、4ε、5ε〔インチ〕としたときのスプロケット孔shの有無を表す「有、有、無、有、有、無」の検出パターンを形成する。
そして、搬送状態判断部67は、前記検出パターンを読み込み、検出パターンに基づいて用紙Pの搬送状態を判断する。すなわち、搬送状態判断部67は、検出パターンが「有、有、無、有、有、無」である場合、距離Lp(=1/2〔インチ〕)ごとにスプロケット孔shが検出されたと判断し、用紙Pに搬送不良が発生していないと判断し、検出パターンが「有、有、無、有、有、無」でない場合、距離Lp(=1/2〔インチ〕)ごとにスプロケット孔shが検出されていないと判断し、用紙Pに搬送不良が発生したと判断する。
そして、前記搬送状態判断部67は、用紙Pに搬送不良が発生した場合、図示されない表示部等に搬送不良が発生したことを表示し、操作者に通知する。
また、用紙Pに搬送不良が発生しなかった場合は、繰り返し印字が行われ、用紙センサ25によって用紙Pの後端が検出されると、制御部62の媒体排出処理手段Pm6は、媒体排出処理を行い、ラインフィードモータ55を駆動し、プラテン24及び用紙搬送ローラ56を回転させて、前記印字部p1から用紙Pを排出する。
このように、本実施の形態においては、キャリッジ14に配設された光学式センサ17aの出力信号に基づいて、用紙Pのスプロケット孔shの有無が検出され、用紙Pの送り量に対応するスプロケット孔shの有無の検出パターンに基づいて、用紙Pに搬送不良が発生したかどうかが判断されるので、インクリボンのインクが少なくなっている場合、インクリボン自体が印字ヘッド15とプラテン24との間から外れた場合等においても、インクリボンの状態に影響されることなく、用紙Pに搬送不良が発生したかどうかを正確に判断することができる。
また、用紙Pの搬送方向において、印字ヘッド15の近傍に配設された光学式センサ17a、17bの出力信号に基づいて、用紙Pのスプロケット孔shの有無の検出パターンに基づいて用紙Pに搬送不良が発生したかどうかが判断されるので、例えば、トラクタユニット57と印字ヘッド15との間で弛み等の用紙Pの搬送不良が発生した場合には、トラクタユニット57において用紙Pの搬送が円滑に行われていても、用紙Pに搬送不良が発生したと判断することができる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 電源がオンにされる。
ステップS2 初期位置設定処理手段Pm1はスペースモータ18を駆動する。
ステップS3 初期位置設定処理手段Pm1はキャリッジ14を矢印A方向に移動させる。
ステップS4 初期位置設定処理手段Pm1はHPセンサ26がオンになったかどうかを判断する。HPセンサ26がオンになった場合はステップS5に進み、HPセンサ26がオンにならなかった場合はステップS2に戻る。
ステップS5 初期位置設定処理手段Pm1キャリッジ14を停止させる。
ステップS6 印字データ受信処理手段Pm2は印字データを受信する。
ステップS7 給紙処理手段Pm3はキャリッジ14を矢印B方向に移動させる。
ステップS8 給紙処理手段Pm3はキャリッジ14を給紙位置に置く。
ステップS9 給紙処理手段Pm3はラインフィードモータ55を駆動する。
ステップS10 用紙センサ25は用紙Pの前端を検出する。
ステップS11 給紙処理手段Pm3は用紙Pを距離Lfだけ搬送する。
ステップS12 媒体幅検出処理手段Pm4はスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印A方向に移動させる。
ステップS13 媒体幅検出処理手段Pm4は用紙検出部72が用紙Pがないことを検出したかどうかを判断する。用紙検出部72が用紙Pがないことを検出した場合はステップS14に進み、用紙検出部72が用紙Pがないことを検出しなかった場合はステップS12に戻る。
ステップS14 媒体幅検出処理手段Pm4は用紙Pの左側の縁部egLの位置情報を記録する。
ステップS15 媒体幅検出処理手段Pm4はスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印B方向に移動させる。
ステップS16 媒体幅検出処理手段Pm4は用紙検出部72が用紙Pがないことを検出したかどうかを判断する。用紙検出部72が用紙Pがないことを検出した場合はステップS17に進み、用紙検出部72が用紙Pがないことを検出しなかった場合はステップS15に戻る。
ステップS17 媒体幅検出処理手段Pm4は用紙Pの右側の縁部egRの位置情報を記録する。
ステップS18 印字処理手段Pm5はキャリッジ14を印字開始位置に置く。
ステップS19 印字処理手段Pm5は印字を開始する。
ステップS20 印字処理手段Pm5は印字を行う。
ステップS21 パターン形成部66は検出パターンを形成する。
ステップS22 搬送状態判断部67は用紙Pに搬送不良が発生したかどうかを判断する。用紙Pに搬送不良が発生した場合はステップS23に、用紙Pに搬送不良が発生しなかった場合はステップS24に進む。
ステップS23 搬送状態判断部67は搬送不良が発生したことを表示部に表示し、処理を終了する。
ステップS24 媒体排出処理手段Pm6は用紙センサ25が用紙Pの後端を検出したかどうかを判断する。用紙センサ25が用紙Pの後端を検出した場合はステップS25に進み、用紙センサ25が用紙Pの後端を検出しなかった場合はステップS20に戻る。
ステップS25 媒体排出処理手段Pm6は用紙Pを排出し、処理を終了する。
ところで、本実施の形態においては、光学式センサ17aを使用することによって用紙Pの左側の縁部egLのスプロケット孔shの有無を検出するようになっているので、キャリッジ14を移動させる距離が長くなってしまう。
そこで、光学式センサ17a、17bを使用することによってスプロケット孔shの有無を検出する際のキャリッジ14の移動距離を短くすることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図15は本発明の第2の実施の形態における印字システムを示す制御ブロック図である。
図において、72は媒体検出部としての用紙検出部、75は当該行の印字が終了して次行の印字が開始される際に、当該行印字終了位置、次行印字開始位置等に基づいてキャリッジ14の移動方向を設定するスペース方向設定処理手段としてのスペース方向設定部、76は、検出要素としての、かつ、媒体検出要素としての光学式センサ17aと、媒体としての用紙Pの左側のスプロケット孔shとの距離dL、及び光学式センサ17bと用紙Pの右側のスプロケット孔shとの距離dRを算出する算出処理手段としての計算部である。
次に、前記プリンタ10の動作について説明する。
図16は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャート、図17は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャート、図18は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第3のフローチャート、図19は本発明の第2の実施の形態におけるキャリッジの移動方向を説明するための第1の図、図20は本発明の第2の実施の形態におけるキャリッジの移動方向を説明するための第2の図、図21は本発明の第2の実施の形態におけるキャリッジの移動方向を説明するための第3の図、図22は本発明の第2の実施の形態における用紙検出部の動作を説明するための第1の図、図23は本発明の第2の実施の形態における用紙検出部の動作を説明するための第2の図、図24は本発明の第2の実施の形態における用紙検出部の動作を説明するための第3の図である。
操作者によってプリンタ10の電源がオンにされると、制御部62の初期位置設定処理手段Pm1(図7)は、キャリッジ14をホームポジションに置く。そのために、初期位置設定処理手段Pm1は、ヘッド送り用の駆動部としてのスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印A方向に移動させ、位置検出部としてのHPセンサ26がオンになると、キャリッジ14を停止させる。
次に、操作者によって媒体搬送装置としてのトラクタユニット57(図4)に用紙Pがセットされると、制御部62の印字データ受信処理手段Pm2は、上位装置としてのホストコンピュータ61から印字データを受信し、受信データを記憶部65に記録する。
続いて、制御部62の給紙処理手段Pm3は、スペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印B方向に移動させて給紙位置に置く。
次に、前記給紙処理手段Pm3は、媒体送り用の駆動部としてのラインフィードモータ55を駆動し、トラクタユニット57を駆動するとともに、第1の媒体搬送部材としてのプラテン24及び第2の媒体搬送部材としての用紙搬送ローラ56を回転させる。これに伴って用紙Pが搬送され、媒体検出要素としての用紙センサ25によって用紙Pの前端が検出されると、前記給紙処理手段Pm3は前記距離Lfだけ用紙Pを搬送し、ラインフィードモータ55の駆動を停止させ、用紙Pを印字待機位置に置く。
続いて、制御部62の媒体幅検出処理手段Pm4は、用紙Pの幅を検出する。
そのために、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、スペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印A方向に移動させ、光学式センサ17aの発光部を発光させ、用紙P等を照射したときの反射光を受光部によって受光させる。このとき、用紙検出部72は、スペースモータ18が相切替えを行うタイミングで光学式センサ17aの出力信号を読み込み、用紙Pの有無を検出する。
そして、キャリッジ14の移動に伴って、用紙検出部72が所定の回数以上連続して用紙Pがあることを検出した後、所定の回数以上連続して用紙Pがないことを検出すると、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、用紙Pの左側の縁部egLの位置を検出し、左側の縁部egLの位置情報を記憶部65に記録する。
続いて、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、スペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印B方向に移動させ、光学式センサ17aの発光部を発光させ、反射光を受光部によって受光させる。
そして、用紙検出部72が所定の回数以上連続して用紙Pがあることを検出した後、所定の回数以上連続して用紙Pがないことを検出すると、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、用紙Pの右縁の縁部egRの位置を検出し、右側の縁部egRの位置情報を記憶部65に記録する。
このようにして、前記媒体幅検出処理手段Pm4は、媒体幅としての用紙Pの幅を検出する。
次に、制御部62の印字処理手段Pm5は、スペースモータ18を駆動し、用紙Pの左側の縁部egLの位置を基準にして、キャリッジ14を矢印A方向に移動させて前記印字開始位置に置き、印字を開始する。
そして、前記印字処理手段Pm5は、記憶部65から各印字行の受信データを読み出し、印字ヘッド15を駆動し、受信データに基づいて印字を行う。印字が行われている間、印字処理手段Pm5は、繰り返し、スペースモータ18を駆動して主走査方向においてキャリッジ14を往復移動させ、ラインフィードモータ55を駆動して副走査方向において用紙Pを搬送して改行を行う。
次に、印字処理において、当該行の印字が終了した後、次行の印字が開始される際のキャリッジ14の移動方向について説明する。
図19〜21において、Pは用紙、shはスプロケット孔、Qは用紙Pの搬送方向、L1sは当該行の印字が開始される位置(以下「当該行印字開始位置」という。)、L1eは当該行印字終了位置、L2sは次行印字開始位置である。
図19(a)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の左端に、次行印字開始位置L2sが次行の左端にある例を、図19(b)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の左端に、次行印字開始位置L2sが次行の中央にある例を、図19(c)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の左端に、次行印字開始位置L2sが次行の右端にある例を示す。図19(a)〜(c)のいずれの例においても、キャリッジ14は、当該行印字開始位置L1sから当該行印字終了位置L1eに向けて矢印A方向に移動し、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて矢印B方向に移動する。
また、図20(a)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の中央に、次行印字開始位置L2sが次行の左端にある例を、図20(b)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の中央に、次行印字開始位置L2sが次行の中央にある例を、図20(c)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の中央に、次行印字開始位置L2sが次行の右端にある例を示す。図20(a)の例において、キャリッジ14は、当該行印字開始位置L1sから当該行印字終了位置L1eに向けて矢印A方向に移動し、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて矢印A方向に移動し、図20(b)及び(c)の例において、キャリッジ14は、当該行印字開始位置L1sから当該行印字終了位置L1eに向けて矢印A方向に移動し、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて矢印B方向に移動する。
そして、図21(a)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の右端に、次行印字開始位置L2sが次行の左端にある例を、図21(b)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の右端に、次行印字開始位置L2sが次行の中央にある例を、図21(c)は、当該行印字開始位置L1sが当該行の右端に、当該行印字終了位置L1eが当該行の右端に、次行印字開始位置L2sが次行の右端にある例を示す。図21(a)及び(b)の例において、当該行印字開始位置L1sと当該行印字終了位置L1eとは同じであり、キャリッジ14は、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて矢印A方向に移動し、図21(c)の例において、当該行印字開始位置L1sと当該行印字終了位置L1eとは同じであり、キャリッジ14は、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて矢印B方向に移動する。
次に、印字処理において、用紙検出部72が、スプロケット孔shの有無を検出する動作について説明する。
図22〜24において、15は印字ヘッド、17a、17bは光学式センサ、Pは用紙、egLは用紙Pの左側の端部、egRは用紙Pの右側の端部、shはスプロケット孔、L1は当該行、L2は次行、L1sは当該行印字開始位置、L1eは当該行印字終了位置、L2sは次行印字開始位置、L2eは次行の印字が終了される位置(以下「次行印字終了位置」という。)である。
図22(a)は、キャリッジ14が、当該行印字開始位置L1sから当該行印字終了位置L1eに向けて、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて、及び次行印字開始位置L2sから次行印字終了位置L2eに向けて矢印A方向に移動する例を、図22(b)は、キャリッジ14が、当該行印字開始位置L1sから当該行印字終了位置L1eに向けて矢印A方向に移動し、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて、及び次行印字開始位置L2sから次行印字終了位置L2eに向けて矢印B方向に移動する例を示す。
図22(a)及び(b)のいずれの例においても、次行L2の印字が開始される時点で、光学式センサ17a、17bは左側のスプロケット孔shと右側のスプロケット孔shとの間に存在する。したがって、図22(a)の例においては、キャリッジ14が矢印A方向に移動した後、光学式センサ17aの出力信号に基づいて、図22(b)の例においては、キャリッジ14が矢印B方向に移動した後、光学式センサ17aの出力信号に基づいて、スプロケット孔shの有無を検出する。
図23(a)は、キャリッジ14が、当該行印字開始位置L1sから当該行印字終了位置L1eに向けて矢印A方向に、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて、及び次行印字開始位置L2sから次行印字終了位置L2eに向けて矢印B方向に移動する例を、図23(b)は、キャリッジ14が、当該行印字開始位置L1sから当該行印字終了位置L1eに向けて矢印B方向に、当該行印字終了位置L1eから次行印字開始位置L2sに向けて、及び次行印字開始位置L2sから次行印字終了位置L2eに向けて矢印A方向に移動する例を示す。
図23(a)においては、当該行L1の印字が行われる間に、光学式センサ17aが、左側のスプロケット孔shを通過し、次行L2の印字が開始される時点で、左側のスプロケット孔shより縁部egL側に、図23(b)においては、当該行L1の印字が行われる間に、光学式センサ17bが、右側のスプロケット孔shを通過し、次行L2の印字が開始される時点で、右側のスプロケット孔shより縁部egR側に存在する。
したがって、次行印字開始位置L2sにおいて、用紙検出部72は、前記距離dL、dRを読み込み、距離dL、dRのうちの短い方の光学式センサの出力信号に基づいてスプロケット孔shの有無を検出する。
また、図24に示されるように、用紙Pの中央に連続して印字が行われる場合は、所定の行数の改行が行われるごとに、用紙検出部72がスプロケット孔shの有無を検出する。例えば、所定の行数が10である場合において、10行目の印字が行われる際のキャリッジ14の移動方向が矢印A方向である場合、用紙検出部72は、光学式センサ17aの出力信号に基づいて、左側のスプロケット孔shの有無を検出し、10行目の印字が行われる際のキャリッジ14の移動方向が矢印B方向である場合、用紙検出部72は、光学式センサ17bの出力信号に基づいて、右側のスプロケット孔shの有無を検出する。
このようにして、用紙検出部72がスプロケット孔shの有無を検出すると、パターン形成処理手段としてのパターン形成部66は、用紙検出部72からスプロケット孔shの有無の検出結果を読み込み、用紙Pにおけるスプロケット孔shの検出パターンを形成する。
そして、搬送状態判断処理手段としての搬送状態判断部67は、検出パターンを読み込み、該検出パターンに基づいて用紙Pの搬送状態を判断する。そして、前記搬送状態判断部67は、用紙Pに搬送不良が発生した場合、図示されない表示部等に搬送不良が発生したことを表示し、操作者に通知する。
また、用紙Pに搬送不良が発生しなかった場合、繰り返し印字が行われ、用紙センサ25によって用紙Pの後端が検出されると、制御部62の媒体排出処理手段Pm6は、ラインフィードモータ55を駆動し、プラテン24及び用紙搬送ローラ56を回転させて、印字部p1から用紙Pを排出する。
このように、本実施の形態においては、ヘッドプロテクタ27において印字ヘッド15の両側に配設された光学式センサ17a、17bを使用し、次行L2の印字が開始される時点における光学式センサ17a、17bの位置に応じて、一方の光学式センサの出力信号に基づいてスプロケット孔shの有無が検出されるので、スプロケット孔shの有無を検出する際のキャリッジ14の移動距離を短くすることができる。
したがって、プリンタ10のスループットを向上させることがきる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 電源がオンにされる。
ステップS32 初期位置設定処理手段Pm1はスペースモータ18を駆動する。
ステップS33 初期位置設定処理手段Pm1はキャリッジ14を矢印A方向に移動させる。
ステップS34 初期位置設定処理手段Pm1はHPセンサ26がオンになったかどうかを判断する。HPセンサ26がオンになった場合はステップS35に進み、HPセンサ26がオンにならなかった場合はステップS32に戻る。
ステップS35 初期位置設定処理手段Pm1はキャリッジ14を停止させる。
ステップS36 印字データ受信処理手段Pm2は印字データを受信する。
ステップS37 給紙処理手段Pm3はキャリッジ14を矢印B方向に移動させる。
ステップS38 給紙処理手段Pm3はキャリッジ14を給紙位置に置く。
ステップS39 給紙処理手段Pm3はラインフィードモータ55を駆動する。
ステップS40 用紙センサ25は用紙Pの前端を検出する。
ステップS41 給紙処理手段Pm3は用紙Pを距離Lfだけ搬送する。
ステップS42 媒体幅検出処理手段Pm4はスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印A方向に移動させる。
ステップS43 媒体幅検出処理手段Pm4は用紙検出部72が用紙Pがないことを検出したかどうかを判断する。用紙検出部72が用紙Pがないことを検出した場合はステップS44に進み、用紙検出部72が用紙Pがないことを検出しなかった場合はステップS42に戻る。
ステップS44 媒体幅検出処理手段Pm4は用紙Pの左側の縁部egLの位置情報を記録する。
ステップS45 媒体幅検出処理手段Pm4はスペースモータ18を駆動し、キャリッジ14を矢印B方向に移動させる。
ステップS46 媒体幅検出処理手段Pm4は用紙検出部72が用紙Pがないことを検出したかどうかを判断する。用紙検出部72が用紙Pがないことを検出した場合はステップS47に進み、用紙検出部72が用紙Pがないことを検出しなかった場合はステップS45に戻る。
ステップS47 媒体幅検出処理手段Pm4は用紙Pの右側の縁部egRの位置情報を記録する。
ステップS48 印字処理手段Pm5はキャリッジ14を印字開始位置に置く。
ステップS49 印字処理手段Pm5は印字を開始する。
ステップS50 印字処理手段Pm5は印字を行う。
ステップS51 パターン形成部66は検出パターンを形成する。
ステップS52 搬送状態判断部67は用紙Pに搬送不良が発生したかどうかを判断する。用紙Pに搬送不良が発生した場合はステップS53に、用紙Pに搬送不良が発生しなかった場合はステップS54に進む。
ステップS53 搬送状態判断部67は搬送不良が発生したことを表示部に表示し、処理を終了する。
ステップS54 媒体排出処理手段Pm6は用紙センサ25が用紙Pの後端を検出したかどうかを判断する。用紙センサ25が用紙Pの後端を検出した場合はステップS55に進み、用紙センサ25が用紙Pの後端を検出しなかった場合はステップS50に戻る。
ステップS55 媒体排出処理手段Pm6は用紙Pを排出し、処理を終了する。
前記第1、第2の実施の形態においては、シリアルドットプリンタについて説明しているが、本発明をLEDプリンタ、電子写真式のプリンタ等の他のプリンタに適用することができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
10 プリンタ
14 キャリッジ
15 印字ヘッド
17a、17b 光学式センサ
57 トラクタユニット
66 パターン形成部
67 搬送状態判断部
72 用紙検出部
P 用紙
sh スプロケット孔

Claims (10)

  1. (a)両縁にスプロケット孔を備えた媒体を副走査方向に搬送する媒体搬送装置と、
    (b)主走査方向に移動自在に配設されたキャリッジと、
    (c)該キャリッジに搭載され、前記媒体に対して印字を行う印字ヘッドと、
    (d)検出要素の出力信号に基づいて前記スプロケット孔の有無を検出する媒体検出部と、
    (e)媒体の搬送方向における前記スプロケット孔の有無の検出パターンを形成するパターン形成部と、
    (f)前記検出パターンに基づいて媒体の搬送状態を判断する搬送状態判断部とを有することを特徴とするプリンタ。
  2. 前記媒体検出部は、媒体の有無に基づいてスプロケット孔の有無を検出する請求項1に記載のプリンタ。
  3. 前記媒体検出部は、印字ヘッドによって印字が行われる際のキャリッジの移動に伴って主走査方向に移動させられ、スプロケット孔の有無を検出する請求項1又は2に記載のプリンタ。
  4. 前記媒体検出部は、媒体の一方の縁部へのキャリッジの移動に伴ってスプロケット孔の有無を検出する請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリンタ。
  5. 前記媒体検出部は、媒体の一方の縁部及び他方の縁部へのキャリッジの移動に伴ってスプロケット孔の有無を検出する請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリンタ。
  6. 前記媒体検出部は、当該行の印字が終了される位置から次行の印字が開始される位置に向けてキャリッジが移動する方向に基づいて、スプロケット孔の有無を検出する請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリンタ。
  7. 前記検出要素は媒体の搬送方向における印字ヘッドの近傍に配設される請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリンタ。
  8. (a)検出要素が印字ヘッドの両側に配設され、
    (b)前記媒体検出部は、前記キャリッジが移動する方向に基づいて一方の検出要素の出力信号を読み込み、該出力信号に基づいてスプロケット孔の有無を検出する請求項6又は7に記載のプリンタ。
  9. (a)検出要素が印字ヘッドの両側に配設され、
    (b)前記媒体検出部は、次行の印字が開始される時点で、一方の検出要素がスプロケット孔より媒体の一方の縁部側に存在する場合に、各検出要素と媒体の両縁のスプロケット孔とのそれぞれの距離に基づいて、一方の検出要素の出力信号を読み込み、該出力信号に基づいてスプロケット孔の有無を検出する請求項6又は7に記載のプリンタ。
  10. (a)前記検出要素は印字ヘッドの両側に配設され、
    (b)前記媒体検出部は、媒体の一方の縁部側におけるスプロケット孔の有無を検出する場合、前記一方の縁部側の検出要素の出力信号を読み込み、該出力信号に基づいて前記スプロケット孔の有無を検出し、媒体の他方の縁部側におけるスプロケット孔の有無を検出する場合、前記他方の縁部側の検出要素の出力信号を読み込み、該出力信号に基づいて前記スプロケット孔の有無を検出する請求項6又は7に記載のプリンタ。
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