JP2014090566A - 列車自動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レールと電気車との間の接触面を極力傷つけることなく、省エネルギー性にも優れ、望ましい加速度を満たし、さらに加減速時間が設定した値を満たす動作速度パターンを生成可能な列車自動制御装置を得る。
【解決手段】事前に最適化された速度パターンの速度値および通過時間を基準として、走行状態が減速状態に入る瞬間の状態として許容される許容速度誤差範囲と許容通過時間誤差範囲を定義し、いずれかの条件を満たさない場合に走行計画112を再生成する。これにより、厳密に追従しようとすることを回避して、速度追従に起因するハンチングやノッチ切り替え回数の増加および必要以上の加速によるエネルギー消費の増大を防ぐ。
【選択図】図1

Description

この発明は、レール上を乗客(搬送対象)とともに移動する列車の運動を制御する列車自動制御装置に関し、特に、レールと列車との間の接触面をなるべく傷つけることなく、省エネルギー性にも優れ、乗客に対して望ましい加減速度パターンを満たすとともに、加減速時間が計画設定値を満たすような動作速度パターンを生成する列車自動制御装置に関するものである。
一般に、列車(電気車)の運転および運行においては、目標指標として、停止位置精度、運転時分、乗り心地および省エネルギー性などが設定されている。
したがって、列車の運転者は、上記目標指標のうちの少なくともいくつかを満たすように、運転制御パターンを調整する必要があるが、このような運転制御を達成するためには多くのノウハウを必要とする。
そこで、近年では、運転者の労力を低減し、かつ安定した運転および運行を実現するために、国内の地下鉄および新交通などにおいて、列車を自動制御するATO(Automatic Train Operation)が実用化されている。
ATOを活用することにより、上記目標指標を満たすような列車運転が自動的に実現されるので、運転者に対する運転技術のノウハウは不要となる。
ただし、ATO技術においては、目標指標を満たすために、最適化された速度パターンの生成と、実際の電気車走行時における目標パターンに対するノッチ出力が重要なポイントとなる。
従来から、最適化された速度パターンを生成するとともに、最適化された速度パターンのノッチ出力を実現するために、種々の列車自動制御装置が提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
特許文献1においては、あらかじめ最適化計算によって省エネルギー性を確保した速度パターンおよびノッチ切り替えの基準時刻を事前に算出しておき、ノッチを基準時刻で切り替えた場合と、ノッチの切り替え時刻およびノッチ出力を変更した場合とについて、個別の複数のパターンでシミュレーションする技術が開示されている。
これにより、最適化された速度パターンの基準となるノッチ切り替え点において、速度誤差および時間誤差が最小となるように、評価関数を用いて決定される修正目標走行パターンを生成している。
また、特許文献2においては、ブレーキのモデル化誤差によるハンチングが生じた場合、または制限速度変更に応じたモデルパターンの変更要件を満たした場合に、走行計画を実運用中に修正する技術が開示されている。
さらに、特許文献3においては、鉄道車両の走行中に、実時間で、運動モデルの同定、および粘着係数の環境要因の同定を行い、ノッチパターンの再度最適化計算を行う制御装置が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献3のいずれにおいても、電気車の機械特性および走行抵抗、ならびに物理モデルのモデル化誤差の影響により、事前に最適化された速度パターンと実際の走行時の速度パターンとが一致せず、一致しない速度パターンに対して速度追従させようと実時間で補正することにより、乗客の乗り心地を悪化させる可能性があった。
特許3296381号公報 特許3919553号公報 特開2004−357399号公報
従来の列車自動制御装置は、特許文献1〜特許文献3に記載のように、最適化された速度パターンと実際の電気車の速度パターンとを比較することにより、ノッチ切り替え点または制御周期ごとに、目標となる最適速度パターンに列車運行を追従させているが、ブレーキ特性および摩擦係数などの条件が高精度に既知である必要があるので、もし高精度に既知でなければ、速度追従しない場合に、ハンチングの発生、車輪の空転または滑走の発生、想定外のノッチ切り替えの発生を回避することができず、乗客の乗り心地の劣化を回避することができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、個々の列車ごとに機械特性(ブレーキ特性など)のバラツキが生じることを前提として、機械特性を推定および同定した後に最適速度パターンを算出することにより、最適速度パターンに対する各評価点における追従条件を緩和し、また、追従誤差に対して一定の許容範囲を設定し、事前に計算された最適化結果と、実績の許容される誤差とを求め、許容誤差範囲内の場合には追従用のノッチ変動を極力回避することにより、すでに実行中の指令値の切り替えを抑制して、目標となる停止精度、到着時刻および乗り心地を実現した列車自動制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係る列車自動制御装置は、車両の前回走行までに得られた線路データおよび車両データを、線路・車両データとして記憶する線路・車両データ記憶手段と、車両の現在の走行状態を用いて、現在の走行状態から次の走行状態への走行状態切り替え点での位置または時刻ごとに、線路・車両データに対応した現在の機械特性パラメータを同定する機械特性同定手段と、線路・車両データおよび機械特性パラメータを用いて、車両の停車駅間における加速状態、減速状態および停止状態を含む複数の走行状態からなる速度パターンを、走行計画として事前に生成する走行計画手段と、車両の走行中における速度パターンの実行時に、走行状態切り替え点の前後でのノッチ切り替え回数を最小回数に制御する駆動制御手段と、走行状態切り替え点の通過時点において、車両の現在速度および現在時刻と目標速度および目標時刻との誤差情報を算出する走行状態切り替え点誤差算出手段と、機械特性パラメータおよび走行計画を用いて、誤差情報に対する許容誤差範囲を算出する走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段と、誤差情報と許容誤差範囲とを比較し、誤差情報が許容誤差範囲を超えた場合に、走行計画手段に補正情報を入力する走行状態切り替え点誤差比較判定手段と、を備え、走行計画手段は、補正情報に応答して、誤差情報が許容誤差範囲内に収まるように、次の走行状態における走行計画を修正するものである。
この発明によれば、個々の列車ごとの機械特性のバラツキに依存することなく、目的となる停止精度および到着時刻を満たすことを自動的に保証しつつ、不要なノッチ切り替えを抑制することにより、乗客の乗り心地を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係る列車自動制御装置の全体構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による走行計画手段の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による駆動制御手段の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による走行状態切り替え点誤差補正量算出手段の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による走行状態切り替え点誤差補正量算出手段の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による走行状態切り替え点誤差補正量算出手段の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による走行状態切り替え点誤差補正量算出手段の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による走行状態切り替え点誤差補正量算出手段の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係る列車自動制御装置の全体構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による走行計画手段の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3による走行計画手段の機能構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る列車自動制御装置100の全体構成を示すブロック図であり、制御対象である電気車200と関連付けて示している。
図1において、列車自動制御装置100は、走行データ取得手段101と、走行データ記憶手段102と、線路・車両データ記憶手段103と、ユーザーインタフェース105と、事前走行計画記憶手段111と、走行計画手段112と、電気車200を制御する駆動制御手段121と、機械特性同定手段131と、機械特性記憶手段132と、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140と、を備えている。
走行データ取得手段101は、各種センサにより検出された電気車200の走行データD1を走行データ記憶手段102に格納する。
走行データ記憶手段102は、記憶された走行データD2(速度データ、減速度データ、地点信号)を、機械特性同定手段131および走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140に入力する。
機械特性同定手段131は、走行データ記憶手段102から入力された走行データD2に基づき、物理モデル化された機械特性パラメータP1(質量、ブレーキ特性、レール摩擦力)を同定し、機械特性記憶手段132に格納する。
機械特性記憶手段132は、記憶された機械特性パラメータP2(質量、ブレーキ特性、レール摩擦力)を、走行計画手段112、駆動制御手段121および走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140に入力する。なお、機械特性記憶手段132から出力される機械特性パラメータP2は、機械特性記憶手段132に格納される機械特性パラメータP1と実質的に同一の情報である。
線路・車両データ記憶手段103は、線路データ(勾配、カーブ)および車両データ(総車両質量、編成)からなる線路・車両データD3を走行計画手段112に入力する。
ユーザーインタフェース105は、モニタ表示装置および入力装置からなる目標指標設定手段104を備えており、目標指標設定手段104を介して運転者により設定された目標指標Q(停止位置精度、運転時分、省エネルギー性、乗り心地)を走行計画手段112に入力する。
事前走行計画記憶手段111は、走行計画手段112から入力される走行計画K1(速度パターン、ノッチ指令値の計画データ)を格納する事前走行計画記憶部111aを備えており、事前走行計画記憶部111aに記憶された走行計画K2を走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140に入力する。
走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140は、走行データD2、機械特性パラメータP2および走行計画K2を入力情報として、走行状態切り替え点の補正量などに基づき調整された後の許容誤差範囲Wb(位置、速度、加減速度、時刻に関連したウインドウパラメータ)を求めるとともに、許容誤差範囲Wbから逸脱した誤差量(比較結果)を補正情報Hとして走行計画手段112に入力する。
走行計画手段112は、線路・車両データD3、目標指標Qおよび機械特性パラメータP2を入力情報として走行計画K1を算出し、また、補正情報Hに基づき走行計画K1を補正して、事前走行計画記憶手段111内の事前走行計画記憶部111aに格納する。
駆動制御手段121は、走行計画K2、走行データD2および機械特性パラメータP2を入力情報として、制御指令値Ca、Cb(出力ノッチ指令値)を生成し、電気車200の駆動装置201(電気車を駆動するモータなど)およびブレーキ装置202を駆動制御する。
ここで、この発明の実施の形態1の特徴要件の説明に先だって、一般的な電気車制御の概要について説明する。
一般に、電気車制御においては、特定位置での電気車200の速度が目標速度と一致するように速度制御が行われ、加速する際には駆動装置201を動作させ、減速する際にはブレーキ装置202を動作させる。
このとき、駆動装置201およびブレーキ装置202は、ユーザーインタフェース105を介して、運転者により操作される。
運転者による操作量の単位(ノッチ)は、離散的な値(たとえば、8段階または32段階)をとり、操作量に比例した大きさの駆動力またはブレーキ力が出力される。なお、加速時のノッチは力行ノッチと称され、減速時のノッチはブレーキノッチと称される。
一般的には、前述のように、運転者が、次の駅までの距離や天候や勾配などを考慮して、ノッチ指令値を切り替えることにより、次の駅に目的時刻通りに到着し、かつ目的の停車位置に停止させるような運用が行われる。
一方、運転者の操作を自動化して、列車の自動運転(ATO)を行う場合があり、ATOを実現するためには、走行データ取得手段101において、センサ情報を用いて車両の走行状態(位置、速度および加速度)をモニタリングし、運転者に替わって、必要に応じてノッチの切り替えが行われる。
これにより、駆動装置201による駆動力およびブレーキ装置202のブレーキ力の制御量を変動させて、電気車200の加速度および減速度を変化させ、目標である走行状態に近づける制御を実現することができる。
このとき、制御に用いる情報(走行データD1)は、各種センサを用いて取得されるが、たとえば速度情報は、速度検出センサ(速度発電機またはパルスジェネレータなど)により取得される。
なお、速度検出センサからの速度情報に限らず、トランスポンダまたは空気圧センサなどにより取得される、電気車200の位置情報(地点距離情報)、乗車重量情報、BC圧情報(ブレーキ圧力)、AC圧情報(空気圧力)、駆動装置201のモータトルク(電流値)、モータ消費電力(モータ駆動時の消費電力)、ブレーキ装置202による電気ブレーキ時の回生量など、走行中に得られる電気車200の運動情報を用いてもよい。
これにより、車両情報として、電気車200の移動位置(トランスポンダまたは移動速度の積分値により計算される)、移動速度、移動加速度、移動時間、車両に作用する力(車輪に作用するブレーキ力、トルク)、電気車200の消費エネルギー、に関する情報を計算することができ、走行データD1(車両情報)をモニタすることが可能となる。
続いて、ATOにより車両を自動的に制御する際には、特定位置または特定時間に対して、特定速度を実現するような速度パターン(速度プロファイル)が、目標速度パターンPv(図2とともに後述する)として走行前に算出されている。
目標速度パターンPvは、経験的に決定することも可能であるが、たとえば省エネルギー性(消費電力量の最小化)を満たすために走行中は惰走を優先して使用し、かつ目的停車位置に目的時間に到着するように、一般に知られている最適化手法を適用して作成することができる。
具体的な最適化手法としては、たとえばニュートン法を用い、消費電力量、停止位置および目標時刻について評価関数を定義し、その評価関数を最小化する速度指令値を算出する手法が考えられる。
以下、図1とともに、図2〜図4を参照しながら、この発明の実施の形態1による処理動作について具体的に説明する。
図2は走行計画手段112の機能構成を示すブロック図であり、図3は駆動制御手段121の機能構成を示すブロック図であり、図4は走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140の機能構成を示すブロック図である。
図2において、走行計画手段112は、評価関数最小化手段113と、目標速度パターン生成手段114と、目標ノッチパターン生成手段115と、を備えている。
評価関数最小化手段113は、線路・車両データD3、目標指標Q、機械特性パラメータP2および補正情報Hを入力情報として、最適化パラメータPm(走行状態切り替え点、各走行状態切り替え点での目標速度などの境界条件)を算出し、目標速度パターン生成手段114に入力する。
目標速度パターン生成手段114は、最適化パラメータPmに基づいて目標速度パターンPvを生成し、目標ノッチパターン生成手段115に入力する。
目標ノッチパターン生成手段115は、機械特性パラメータP2および目標速度パターンPvに基づき、目標ノッチパターンPnを生成する。
目標速度パターンPvおよび目標ノッチパターンPnは、走行計画K1として事前走行計画記憶部111aに格納される。
図3において、駆動制御手段121は、現在誤差算出手段122と、ノッチ指令値補正手段123と、制御指令値出力手段124と、を備えている。
現在誤差算出手段122は、走行データD2と走行計画K2との誤差Ea(現在速度誤差、減速度誤差)を算出して、ノッチ指令値補正手段123に入力する。
ノッチ指令値補正手段123は、走行計画K2、機械特性パラメータP2および誤差Eaに基づき、補正ノッチ指令値Cnを生成して、制御指令値出力手段124に入力する。
制御指令値出力手段124は、ノッチ指令値補正手段123から入力された補正ノッチ指令値Cnを、電気車200の駆動装置201およびブレーキ装置202に対する制御指令値Ca、Cbとして出力する。
なお、前述のように、制御指令値Ca、Cbは、量子化された離散値として、ノッチ指令値を用いるものとするが、連続量として取り扱うことも可能であり、連続的な制御指令値Ca、Cbを駆動装置201(モータ)およびブレーキ装置202に指令するように構成してもよい。
図4において、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140は、走行状態切り替え点誤差算出手段141と、走行状態切り替え点誤差記憶手段142と、走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段151と、走行状態切り替え点許容誤差範囲記憶手段152と、誤差範囲調整手段153と、走行状態切り替え点誤差比較判定手段161と、を備えている。
走行状態切り替え点誤差算出手段141は、走行データD2および走行計画K2を入力情報として、走行状態切り替え点での誤差情報E1(位置、速度、加減速度、時刻)を算出し、走行状態切り替え点誤差記憶手段142に格納する。
走行状態切り替え点誤差記憶手段142は、記憶された誤差情報E2を走行状態切り替え点誤差比較判定手段161に入力する。
誤差範囲調整手段153は、許容誤差範囲の調整量Wcを生成して、走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段151に入力する。
走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段151は、機械特性パラメータP2、走行計画K2および許容誤差範囲の調整量Wcに基づき、走行状態切り替え点での許容誤差範囲Waを算出し、走行状態切り替え点許容誤差範囲記憶手段152に格納する。
走行状態切り替え点許容誤差範囲記憶手段152は、記憶された許容誤差範囲Wbを走行状態切り替え点誤差比較判定手段161に入力する。
走行状態切り替え点許容誤差範囲記憶手段152から送出される許容誤差範囲Wbは、格納される許容誤差範囲Waと実質的に同一である。
走行状態切り替え点誤差比較判定手段161は、走行状態切り替え点での誤差情報E2と、走行状態切り替え点での許容誤差範囲Wb(=Wa)とに基づき、許容速度誤差範囲Wvおよび許容通過時間誤差範囲Wt(後述する)からなる許容誤差範囲Wbと誤差情報E2とを比較し、誤差情報E2が許容誤差範囲Wbを超えた場合に、補正情報Hを走行計画手段112に入力する。
図1〜図4に示すように、この発明の実施の形態1に係る列車自動制御装置は、電気車200に搭載されたATOを活用する。
前述のように、ATOにおいては、走行前に、あらかじめ速度目標値となる目標速度パターンPvを生成する。
また、手動運転時において、各区間の速度目標値は、速度制限標識、距離標、勾配標、停止位置目標などを参考とし、運転者のノウハウ(線路状況および運転経験)に基づき、停止位置精度、運転時分、乗り心地、省エネルギー性が適切な許容範囲内になるように設定される。
一方、自動運転時においては、たとえば、消費電力量が最小化され、所定位置への停止が可能で、所定時間内に停止位置への到達が可能で、ノッチ切り替え回数がなるべく少なくなるように、最適化された速度パターンが走行前に生成される。
そして、電気車200の走行時においては、目標速度パターンの通りの走行速度が実現されるように、駆動装置201およびブレーキ装置202が制御される。
まず、図1および図2を参照しながら、走行計画手段112の動作について説明する。
図1において、運転者は、ユーザーインタフェース105の目標指標設定手段104を用いて、各目標値を設定することができる。
図2において、走行計画手段112内の評価関数最小化手段113は、電気車200の走行前に前述の最適化手法を適用して、最適化の結果として得られる最適化パラメータPmを算出し、目標速度パターン生成手段114に入力する。
このとき、評価関数最小化手段113は、ユーザーインタフェース105に設定される目標指標Q(停止位置精度、到着時刻、乗り心地目標、省エネルギー性目標など)と、線路・車両データ記憶手段103に設定される線路・車両データD3(天候情報、勾配情報、路線情報(距離、トンネル、カーブ)、車両諸元(空車質量、編成情報)など)と、機械特性記憶手段132に格納される運転車両の機械特性パラメータP2(ブレーキ力・ブレーキ特性設計値、駆動力・駆動特性設計値)と、を入力情報として用いる。
また、評価関数最小化手段113は、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140からの補正情報H(誤差量)に基づき、拘束条件として走行状態切り替え点の位置を与えることにより、最適化パラメータPmの計算に反映させる。
なお、評価関数最小化手段113は、外部計算機(図示せず)内に構成されてもよい。
続いて、目標速度パターン生成手段114は、評価関数最小化手段113から生成された最適化パラメータPmを入力情報として、各位置または各時刻における一連の速度パターン(目標プロファイル)を、目標速度パターンPvとして生成する。
次に、目標ノッチパターン生成手段115は、目標速度パターンPvを実際の制御に用いる指令値の形にするために、機械特性記憶手段132に記憶された機械特性パラメータP2を入力情報として、目標速度パターンPvから目標ノッチパターンPnを生成する。
最後に、走行計画手段112は、目標速度パターンPvおよび目標ノッチパターンPnを、走行計画K1として事前走行計画記憶部111aに格納する。
このように、走行計画手段112内の上記最適化処理により、位置および時刻を横軸とし、速度を縦軸とした「速度パターン」と、位置および時刻を横軸とし、出力ノッチを縦軸とした「ノッチパターン」とからなる走行計画K1が、事前走行計画記憶手段111内の事前走行計画記憶部111aに記憶される。
なお、事前走行計画記憶手段111と事前走行計画記憶部111aとは、実質的に同一手段である。同様に、事前走行計画記憶部111aに格納される走行計画K1と、事前走行計画記憶手段111から出力される走行計画K2とは、実質的に同一情報である。
同様に、走行データ記憶手段102に格納される走行データD1と、走行データ記憶手段102から出力される走行データD2とは、実質的に同一情報である。
また、機械特性記憶手段132に格納される機械特性パラメータP1と、機械特性記憶手段132から出力される機械特性パラメータP2とは、実質的に同一情報である。
次に、図1および図3を参照しながら、実際の走行時における駆動制御手段121の動作について説明する。
実際の走行時においては、事前走行計画記憶手段111に記憶された走行計画K2(速度パターンおよびノッチパターン)が駆動制御手段121に入力され、駆動制御手段121は、実際に電気車200に入力する出力ノッチとして、駆動装置201(モータ)の制御指令値Caまたはブレーキ装置202の制御指令値Cbを生成する。
これにより、駆動装置201およびブレーキ装置202が駆動制御され、必要な駆動力および減速力を発生させる。
このとき、図3のように、駆動制御手段121には、走行データ記憶手段102からの走行データD2と、機械特性記憶手段132からの機械特性パラメータP2とが入力されており、機械特性に対して計画時と違いが生じる場合には、制御指令値Ca、Cbを補正することができる。
図3において、まず、駆動制御手段121内の現在誤差算出手段122は、たとえば、事前走行計画記憶手段111からの走行計画K2に含まれるノッチ指令値(事前走行計画によって期待される加速度または減速度)と走行データD2とを比較し、走行計画K2(ノッチ指令値)に対する走行データD2(実際の加速度や減速度)の誤差Ea(現在速度誤差、減速度誤差)を算出し、ノッチ指令値補正手段123に入力する。
続いて、ノッチ指令値補正手段123は、走行計画K2(ノッチ指令値)に対して走行データD2が誤差Eaを持つ場合には、走行計画K2および機械特性パラメータP2(機械特性モデル)に基づき、ノッチ指令値の大きさの大小とノッチ指令時間の長短とが補正された補正ノッチ指令値Cnを算出し、制御指令値出力手段124に入力する。
最後に、制御指令値出力手段124は、補正ノッチ指令値Cnを電気車200の各機械装置に対する指令値に変換し、駆動装置201(モータ)の制御指令値Caと、ブレーキ装置202の制御指令値Cbとして出力する。
なお、機械特性記憶手段132に記憶される機械特性は、駆動力およびブレーキ力の指令値に対する無駄時間および一次遅れなどの応答遅れと、ブレーキ力の定常的な目標値とのズレ量などの定常応答とが、モデル化されているものとする。
このように、駆動制御手段121は、電気車200(機械装置)を制御する際に、電気車200の状態量として走行データD2を取得する。
このとき、列車自動制御装置100の走行データ取得手段101は、各センサ(または電文情報)によって取得される走行データD1を格納し、走行データD2として駆動制御手段121に入力する。
なお、走行データ記憶手段102は、取得した走行データD1を過去の走行データD1として蓄積し、データ蓄積量に上限が存在する場合には、たとえばFIFO(一番古いデータから消去する手法)により、取得可能な情報量を蓄積する。
また、長い周期で観測する走行データD2を蓄積する場合には、時間ごと、日ごと、月ごと、または年ごとの、データの代表値(たとえば、一定期間の平均値)を走行データ記憶領域に記憶しておくことも可能である。
長い周期での走行データD2は、機械特性同定手段131における処理入力情報として適用され、経年劣化によって変化した機械特性を同定する場合には、長い周期で観測するデータが用いられる。
走行データ記憶手段102に記憶された走行データD2は、駆動制御手段121および機械特性同定手段131に入力され、それぞれ制御および同定に用いられる。
次に、駆動制御手段121に関連した走行データ記憶手段102および機械特性同定手段131の動作について説明する。
図1において、機械特性同定手段131は、走行データ記憶手段102から送出される走行データD2を用いて、機械特性(機械特性モデル)を同定する。
なお、機械特性とは、電気車200の車両ごとの駆動装置201(モータ)の駆動力およびブレーキ装置202の減速力の過渡特性および定常特性のことである。
機械特性は、走行データD2のみの使用(図1参照)に限らず、走行データD2と、駆動制御手段121から生成される制御指令値Ca、Cbと、事前走行計画記憶手段111から送出される走行計画K2と、のうちの少なくとも1つを用いて推定演算され得る。
機械特性の推定結果および同定結果は、電気車200の制御に反映される。
たとえば、走行データD2および制御指令値Ca、Cbを用いて加速指令を生成してから、実際に電気車200が加速し始めるまでの時間に基づいて、無駄時間を推定することができる。
このように、電気車200の加速度変化に注目することにより、駆動力に関する機械時定数を推定することができる。同様に、減速度変化についても、一定のノッチ指令値が出力されている区間において、一次遅れ特性を推定することができる。
また、定常特性についても、事前に計画された速度パターンと同一位置または同一時刻での現在速度値および目標速度値を用いて、特定位置における速度の大小に応じて、走行中のノッチ指令値に対する期待加速度および期待減速度を推定することができる。
たとえば、電気車200の実際の速度が、或るノッチ出力によって期待される速度に達していない場合には、ノッチ出力に対して期待される加速度が小さいものと見なして、あらかじめ設定されているノッチと加速度との対応テーブルを小さい値に更新することにより、実際の機械特性を反映させることができる。
電気車200の加速度および減速度に関しては、機械特性の経年変化のみに限らず、運用時の車両質量および機械の使用状況などによっても変動するので、走行データ記憶手段102からの走行データD2に含まれる車両重量および乗車重量データに基づいて、ノッチと加減速度との対応テーブルを補正する構成を含むものとする。
走行データD2に含まれる車両質量は、走行データ記憶手段102を介して駆動制御手段121に入力される。なお、車両質量は、電気車200の乗車率または走行中の質量推定演算により算出することもできる。
機械の使用状況および天候などによる機械特性の変動は、機械特性パラメータP2として、機械特性記憶手段132を介して駆動制御手段121に入力される。
以上のように、駆動制御手段121は、車両質量および機械特性の変動に応じて、計画時のノッチ指令値よりも強めまたは弱めに補正したノッチ指令値を生成する。
なお、機械特性記憶手段132に格納される機械特性パラメータP1が所定値を超える場合には、再調整が必要な状態であると見なして、異常を知らせることができる。
たとえば、運転者への異常通知および運転者からの目標値設定変更を要求するために、入出力用のモニタを備えることも可能である。
次に、図1および図4を参照しながら、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140の動作について説明する。
まず、電気車200の速度パターンを、5通りの走行状態(加速状態、減速状態、定速状態、惰走状態、停止状態)に分けて、以下のように定義する。
加速状態とは、車両に備え付けられた駆動装置201を制御して、電気車200に駆動力を加えて加速する状態である。
減速状態とは、ブレーキ装置202を駆動制御して、または駆動装置201の回生ブレーキを用いて、電気車200に減速力を加えて減速させる状態である。
定速状態とは、電気車200の車両が目標走行速度(一定値)と一致するように、駆動装置201およびブレーキ装置202を制御して、一定速度を保持して電気車200を進行させ続ける状態である。
惰走状態とは、駆動力または減速力を電気車200に全く与えずに、環境からの走行抵抗のみによって加減速される状態であり、停止状態とは、電気車200が完全に停止している状態である。
通常、電気車200は、上記5通りの状態を遷移しながら速度制御が行われており、各状態において、目標速度または目標時刻での地点通過を達成するために、適切なノッチ制御が行われる。
ここで、上記5通りの走行状態のうちの1つの状態から他の1つの状態に切り替える点を、「走行状態切り替え点」として定義する。
図4において、まず、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140内の走行状態切り替え点誤差算出手段141は、現在走行中の走行状態から次の走行状態への走行状態切り替え点において、走行データD2および走行計画K2を用いて、目標となる次の通過予定位置(走行状態切り替え点)における速度を計算する。なお、走行状態切り替え点は、たとえば、停車駅間に設置されたマーカなどにより認識することができる。
また、走行状態切り替え点誤差算出手段141は、通過予定位置における速度の算出値と、計画時の目標通過速度と比較し、両者の速度偏差を誤差情報E1として算出し、走行状態切り替え点誤差記憶手段142に入力する。
このとき、位置を基準として走行状態切り替え点を定義する場合には、通過時間について目標通過時間と実通過時間との時間偏差を誤差情報E1として算出し、上記速度偏差に加えて時間偏差も走行状態切り替え点誤差記憶手段142に入力する。
一方、時間を基準として評価する場合には、位置誤差を誤差情報E1として算出し、上記速度偏差に加えて位置偏差も走行状態切り替え点誤差記憶手段142に入力する。
なお、前述のように、この発明の実施の形態1では、走行状態切り替え点において厳密に速度パターンに追従しなくても、目的の停止位置精度および到着時刻を許容範囲内で達成可能な場合には、ノッチ指令値の変動を必要最小限に抑制し、計画通りの速度パターンを適用することを特徴としている。
したがって、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140内において、走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段151は、各走行状態切り替え点での最低限追従すべき速度および時間の条件に基づき許容誤差範囲Waを算出し、走行状態切り替え点誤差比較判定手段161は、誤差情報E2が許容誤差範囲Wb(=Wa)内である場合には、走行計画手段112に対する補正情報Hを生成せず、走行計画K1を変更するような補正を行わないようにする。
以下、図1および図4とともに、図5〜図8の説明図を参照しながら、許容誤差範囲に関連した走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140および走行計画手段112の制御動作について説明する。
許容誤差範囲Waは、走行状態のうちの「減速状態」に対応して個別に算出される。
図5〜図8においては、横軸を電気車200の位置[m]、縦軸を速度V[km/h]として、代表的な遷移例「加速状態→惰走状態→減速状態→停止状態」における、位置基準で定義された2つの走行状態切り替え点S1、S2と、事前に最適化された速度パターン(太線)と、速度制限値(破線)とが示されている。
上記4つの状態の遷移点(走行状態切り替え点S1、S2、停止位置S3)で区切られた区間が、加速区間、惰走区間、減速区間、停止区間となるが、停止区間については図示を省略する。
この場合、減速状態は1つのみなので、1つの許容誤差範囲が定義されることになる。
図5においては、個別バラツキを含む車両ごとの特性1〜4に対し、許容誤差範囲Waとして4つの許容誤差範囲W1〜W4(両方向矢印で示すウインドウの位置および幅)が個別に設定された状態が示している。この場合、各許容誤差範囲W1〜W4に鑑みて、特性3のみが許容誤差範囲W3の速度および時刻の条件を満たす(特性3のみが許容誤差範囲W3のウインドウ内に入る)ことが示されている。
図6においては、特性2に対する修正時間幅ΔT2a、ΔT2bと、特性2を補正後の修正パターン2a、2bとが示されている。
また、図7においては、特性1に対する修正時間幅ΔT1a、ΔT1bと、特性1を補正後の修正パターン1a、1bと、特性4に対する修正時間幅ΔT4a、ΔT4bと、特性4を補正後の修正パターン4a、4bと、が示されている。
さらに、図8においては、補正後の速度パターンに対応した加速区間での加速用ノッチパターンおよび減速区間での減速用ノッチパターンが示されており、減速用ノッチパターンは、延長時間ΔTdecだけ補正されている。
図5において、減速状態の直前の惰走状態から減速状態に遷移する走行状態切り替え点S2について、速度目標値Vdおよび許容速度誤差範囲Wv(Vd+ΔV(+)、Vd+ΔV(−))と、通過時刻目標値Tdおよび許容通過時間誤差範囲Wt(Td+ΔT、Td−ΔT)とが、走行計画時に設定されているものとする。
なお、許容速度誤差範囲Wvおよび許容通過時間誤差範囲Wtの2つを合わせて許容誤差範囲と総称し、許容誤差範囲Waとしては、各特性1〜4に対応した許容誤差範囲W1〜W4が設定されることになる。
許容誤差範囲W1〜W4は、電気車200の「減速状態」が開始される走行状態切り替え点S2への進入速度として、最終的に定時刻および定位置で停止することができる速度条件の幅を示している。
たとえば、走行状態切り替え点S1で最高速度となる特性1の場合には、時間的余裕が大きいので、次の走行状態切り替え点S2での許容誤差範囲W1が広くなるものの、低速側に位置することになる。
逆に、走行状態切り替え点S1で最低速度となる特性4の場合には、時間的余裕が小さいので、次の走行状態切り替え点S2での許容誤差範囲W4が狭くなるうえ、高速側に位置することになる。
各特性1〜4は、駆動装置201およびブレーキ装置202の機械特性が互いに異なる4種類の車両が走行した場合の各速度特性を表現している。
現在の指令(速度パターン)のままで「減速」が開始された場合での、走行状態切り替え点S2における速度は、車両位置で定義された加速区間が完了する走行状態切り替え点S1まで電気車200が動作した時点で、現在の機械特性モデルに基づき推定される。
図5の場合、各特性1、2、4については、いずれも現在の指令のままで動作を続けると、「減速状態」が開始される走行状態切り替え点S2における進入速度(破線矢印)が、許容誤差範囲W1、W2、W4を満たさない(ウインドウ内に入らない)ので、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140は、現状の指令のままでは問題があると判定する(×印参照)。
一方、特性3については、走行状態切り替え点S2における進入速度(破線矢印)が、許容誤差範囲W3内に入るので、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140は、許容誤差範囲W3に対して速度および時刻の条件を満たしていると判定する。
速度目標値Vdおよび通過時刻目標値Tdについては、前述の最適化手法で算出された速度パターン通りに動いた場合の値が設定されるので、速度パターン上の当該位置における速度および時刻を用いて定義される。
速度および時刻の目標値(速度目標値Vdおよび通過時刻目標値Td)を基準として、減速状態から見て次の走行状態切り替え点の通過時に、次の速度目標値Vd_nextおよび次の通過時刻目標値Td_nextが満たされる必要がある。
ここで、次の走行状態切り替え点(停止位置S3)においては、「停止状態」なので、定時刻で停車するための時間誤差範囲Td_next(=±ΔT[sec])において、停止条件である停止速度Vd_next(=0[km/h])を満たすことが必要となる。
そこで、上記条件を満たす「減速状態」に進入する場合の、許容速度誤差範囲Wvの最高速側である上限値「Vd+ΔV(+)」と、最低速側の下限値「Vd+ΔV(−)」とを、それぞれ計算する。
上限値「Vd+ΔV(+)」は、電気車200の乗客の乗り心地条件を満たす最大の減速度または速度制限値から算出される。
具体的には、乗り心地を満たす範囲内の最大減速度αlim(最大加速度)で、かつノッチ切り替え回数を一定値以下で減速させるように規定されている場合には、走行区間線路の勾配条件なども加味したうえで、進入速度の上限値「Vd+ΔV(+)」が計算される。
このときの減速度パターンとしては、乗り心地を保つ範囲内で使用可能な最大減速度αlimとなるように、使用可能なノッチ段数のうちの上限ノッチNlim(連続的な制御の場合には、「減速度の上限値」)が設定される。
たとえば、「一定時間ごとにノッチを上げ、上限ノッチNlimまで引き上げた後に、最終ノッチNfinに下げていく」という制御が行われた場合の速度は、最大減速度αlimを用いて停止した条件として、高速側の上限値「Vd+ΔV(+)」として計算することができる。
すなわち、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140内の走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段151は、機械特性記憶手段132に記憶された機械特性パラメータP2を用いることにより、シミュレーション結果として、許容速度誤差範囲Wvの高速側の上限値「Vd+ΔV(+)」を算出することができる。
このとき、計算された上限値「Vd+ΔV(+)」が、走行区間線路での速度制限値よりも大きい場合には、上限値「Vd+ΔV(+)」を速度制限値に変更する。
一方、許容速度誤差範囲Wvの下限値「Vd+ΔV(−)」は、通過予定時刻から計算される残り走行可能時間T_restの関数として定義される。低速側の速度許容誤差条件となる下限値「Vd+ΔV(−)」の求め方については、追って詳述する。
なお、下限値「Vd+ΔV(−)」の初期設定値は「0」とする。
まず、目標位置への到着時刻として許容される時間幅ΔTが定義され、ユーザーインタフェース105内の目標指標設定手段104を介して設定される。
次に、走行状態切り替え点誤差算出手段141は、現在走行中の走行状態から次の走行状態に移行する前に、一定周期ごとに、次の減速状態に移行するまでの1つ以上の走行状態切り替え点(図5においては、S1、S2)を通過時での、通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i)を算出する。
ここで、添え字「i」は、現在の走行状態の次の走行状態をi=1として、走行状態切り替え点ごとに、i=1、2、・・・として定義する。
次の走行状態切り替え点の通過時での通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i)の算出にあたっては、次の走行状態切り替え点までの走行計画K2から、電気車200に関する内部物理モデルを用いて実時間で算出する。
すなわち、現在速度V0と、次の走行状態切り替え点の通過時までの加速度および減速度から推定される見込みの通過時間および通過速度と、を算出する。
簡略化すると、現在の走行状態切り替え点から次の走行状態切り替え点までの距離Lと、次の走行状態切り替え点での通過速度V(t)との関係は、以下の式(1)のように定義される。
L=∫V(t)dt ・・・(1)
また、次の走行状態切り替え点の通過速度V(t)と、各時刻tでノッチ切り替えによって期待される加速度(または、減速度)α(t)と、現在速度V0との関係は、以下の式(2)のように定義される。
V(t)=∫α(t)dt+V0 ・・・(2)
したがって、現在の走行状態切り替え点から距離Lだけ進んで、次の走行状態切り替え点に達するときの通過時間Tは、式(1)、式(2)に基づき、逐次計算して距離を積算していくことにより算出することができる。
なお、加速度(または、減速度)αは、電気車200の質量M、駆動力Fm、走行抵抗Fr、減速力Fbを用いて、以下の関係式から算出することができる。
すなわち、駆動時(加速区間)であれば、以下の式(3)のように求められる。
Mα=Fr+Fm ・・・(3)
なお、走行抵抗Frには、曲率による抵抗、勾配による抵抗、風および空気による抵抗が含まれている。
一方、惰走時(惰走区間)であれば、加速度(または、減速度)αは、走行抵抗Frのみを用いて、以下の式(4)のように求められる。
Mα=Fr ・・・(4)
また、減速時(減速区間)であれば、加速度(または、減速度)αは、走行抵抗Frおよび減速力Fbを用いて、以下の式(5)のように求められる。
Mα=Fr+Fb ・・・(5)
また、応答遅れに関する影響を考慮したモデル(力Fを時間tに対する関数として表現したモデル)を用いて、加速度αの変化を物理モデル化することにより、推定演算をさらに詳細化することが可能となる。
ところで、前述の通り、上記のようなモデル化においては、基本的にモデル化誤差が発生することから、各走行状態切り替え点を正確な時刻および速度で通過することはできないので、通過時刻および通過速度には誤差が生じる。
通常、誤差が生じる場合には、最適なパターンに対して追従するような制御が行われていたが、この発明の実施の形態1による走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140は、許容誤差範囲Wa(=Wb)を定義して、誤差情報E2が許容誤差範囲Wb内であれば、走行計画K1(=K2)上のノッチ指令値およびノッチ指令値タイミングを変更しないようにしている。
まず、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140内の走行状態切り替え点誤差算出手段141は、現在位置における時刻および速度を初期条件として用い、残りの走行状態を走行計画K2の通りに遂行した場合での通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i)を算出する。
このとき、誤差情報E2が許容誤差範囲Wb内であって、通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i)を初期値とする減速区間を介して、最終的な停止位置に目標時刻で到着できる場合には、補正情報Hが生成されないので、走行計画手段112において走行計画K1の値が修正されることはない。
なお、減速状態での下限値「Vd+ΔV(−)」としては、減速状態への走行状態切り替え点S2での残り走行可能時間T_rest(i)の算出値を用いて、残り走行可能時間T_rest(i)内に、許容減速度を用いて目的位置に到着可能な解をもつ最小速度が定義される。
一方、減速状態への走行状態切り替え点S2での通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i)が、いずれも許容誤差範囲Wbを超えていて、目標停止位置への時間誤差が許容できない場合には、走行計画K1の補正が必要となるので、走行状態切り替え点誤差比較判定手段161から補正情報Hが生成される。
この場合、走行計画手段112は、補正情報Hに応じて、以下の補正処理A1、A2のいずれか一方を実行するか、または、2つの補正処理A1、A2を「A1→A2」の順に実行することにより、速度パターンを補正する。
(A1)速度パターンの切り替え時間を変動させる。
(A2)速度パターンの加速状態時に目標加速度を増大させる。
補正処理A1については、まず、速度パターンの切り替え時間を変動させることにより、許容誤差内に収めるための上限値を算出する。
速度パターンの切り替え時間の変動方法については、次の2つのケースB1、B2に分けることができる。
(B1)進入速度が速く到着時間が許容誤差範囲を超えて早すぎる場合。
(B2)進入速度が遅すぎて到着時間が許容誤差範囲を超えて遅すぎる場合。
ケースB1、B2の各々について、切り替え時間の変動は、走行状態切り替え点の通過速度V_pass(i)と残り走行可能時間T_rest(i)との関係から、以下のように算出する。
ケースB1の事例は、図5内の特性2で表されるように、加速区間での速度Vが最適パターンよりも高い場合である。
機械特性および走行抵抗Frの推定モデルが実特性と一致していない場合には、上記特性2のように、許容誤差範囲W2から逸脱するような状況が発生する。
上記状況を回避するためには、図6内の修正パターン2aに示すように、特性2の加速時間を修正時間幅ΔT2aだけ短く設定して、惰走区間を長く設定することにより、走行状態切り替え点S2への進入速度を調整するか、または、修正パターン2bに示すように、減速開始時刻を修正時間幅ΔT2bだけ早く設定して、時間調整が可能な十分に早い段階から減速を開始させることにより、停止位置への進入速度を調整すればよい。
修正パターン2a、2bのいずれにおいても、許容誤差範囲W2を逸脱すると判定された際に補正することになる。
すなわち、加速中に許容誤差範囲W2を超えると判定された場合には、加速中に走行状態切り替え点S1を進角補正するための補正量として修正時間幅ΔT2aを適用し、惰走中に許容誤差範囲W2を超えると判定された場合には、惰走中に走行状態切り替え点S2を進角補正するための補正量として修正時間幅ΔT2bを適用する。
具体的な調整時間算出方法として、修正時間幅ΔT2aを求める場合には、機械特性パラメータP2を用いることにより、減速状態への走行状態切り替え点S2における時間および速度が許容誤差範囲W2内に収まる最小時間として計算することができる。
同様に、修正時間幅ΔT2bを求める場合には、現在モデルとして保有している機械特性パラメータP2を用いることにより、減速状態への走行状態切り替え点S2における時間および速度が許容誤差範囲W2内に収まる最小時間として計算することができる。
また、機械特性および走行抵抗Frのモデルとのずれの傾向(加速過剰または加速不足、減速過剰または減速不足)があらかじめ分かっている場合には、既知の傾向を考慮して、機械特性および走行抵抗Frに対し、走行データD2から計算される実減速度と、走行計画K2が保有しているモデル減速度との差分から減速状態への走行状態切り替え点S2で発生し得る速度誤差分だけ修正時間幅ΔT2a、ΔT2bを長めに設定することができる。
上記ケースB1と類似した状況で、図5内の許容誤差範囲W1外の速度パターンを生成する特性1の場合の走行計画K2の速度パターン補正処理は、図7に示すように、修正時間幅ΔT1a、ΔT1bのいずれかを選択することにより、走行状態切り替え点S1を修正時間幅分だけ早めに設定する。これにより、特性1の修正パターン1a、1bは、許容誤差範囲W1内に入るよう補正される。
一方、ケースB2の事例は、図5内の特性4で表されるように、加速区間での速度Vが最適パターンよりも低い場合である。
特性4のように加速不足の場合には、目的位置に目標時間内に到達することが厳しいので、図7に示すように、加速時間を修正時間幅ΔT4a(または、ΔT4b)だけ増大させて修正パターン4aとすることにより、減速状態への走行状態切り替え点S2での速度および時間の許容誤差範囲W4に収まるようにする。
このとき、エネルギー消費を抑制するために、可能な限り加速状態を継続させないように、許容誤差範囲W4の下限速度側に対応した修正時間幅ΔT4a(修正パターン4a)を利用する。
同様に、特性1の場合には、許容誤差範囲W1の下限速度側に対応した修正時間幅ΔT1b(修正パターン1b)を利用する。
なお、前述のケースB1と同様に、機械特性および走行抵抗Frの誤差があらかじめ推定できている場合には、想定される減速度の変動分を走行計画に反映させるために、修正時間幅ΔT4aを、さらに長い修正時間幅ΔT4bに近づける。
また、たとえば、走行抵抗Frの誤差が下り勾配に作用している場合には、加速時間を短く設定する方がよい。
以上の補正処理A1(切り替え時間の変動)により、ケースB2においても、減速状態への走行状態切り替え点S2での速度および時間を許容誤差範囲W4内に入れることが可能となる。
ただし、補正処理A1を適用しても解が見つけられない場合には、補正処理A2のように、速度パターンの加速状態時に目標加速度を増すことにより、不足時間を補償するために必要な加速度を演算し、最も近いノッチ出力を算出する。
この補正処理A2は、たとえば、極端に加速度が不足する場合、または、一旦ATC信号で停止後に速度パターンを再度作成する場合に適用される。
具体的には、加速側または減速側のノッチについて、許容される最大の加速度遷移によって目標速度に到達するように指令値を生成する。
すでに最大加速度を利用して最適化が行われている場合には、これ以上に最適な解は存在しないものと見なし、運転者は、目標指標設定手段104を介して目標指標Q(目標走行時間)を大きくするための再設定を行う。
また、それぞれの走行状態切り替え点の通過時点において、最適化された速度パターンから求められる目標通過速度と、走行データD2による実速度との間に差が生じた場合には、機械特性に対して変動があるものと見なして、機械特性パラメータP2をフィードバックする。
特に、無駄時間および一次遅れ時定数については、走行中に即時に反映させて、指令タイミングを修正する。
また、ノッチ指令値と実際の加速度との関係から、定常応答にずれが存在しており、機械特性としての変動が推定および同定されている場合には、駆動制御手段121内のノッチ指令値補正手段123は、ノッチ出力のタイミングを補正するか、または、ノッチの大きさを目標加速度または目標減速度に最も近いものに修正する。
ただし、出力時間に関しては補正せず、もし補正する場合には、走行計画K1を許容誤差範囲に基づき判定したうえで修正を行う。
次回に同路線を走行する前に事前走行計画を行う際に、走行計画K1が修正されることになるので、次回走行時からは、機械特性の変動に応じた走行計画(速度パターンおよびノッチパターン)が生成される。
なお、機械特性同定手段131に対する入力情報として、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140内の走行状態切り替え点誤差記憶手段142の記憶情報(走行状態切り替え点における通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i))と、これらの計算に用いた計画時のノッチ指令値および走行データとを追加して、機械特性を同定することもできる。
この場合、走行状態切り替え点誤差記憶手段142内の通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i)は、ある時点の走行データD2に含まれる現在速度V0を起点として、走行計画K2の加速度に基づく未来の速度値の算出結果なので、各ノッチに対する実際の加速度または減速度と計画時の出力とを比較することができる。
これにより、目標停止位置への目標時間を十分に満たすような指令値を生成することができる。
また、減速状態に入った後の制御として、以下の補正処理を採用することにより、停止精度を向上させることができる。
すなわち、減速状態に切り替わった後の速度に応じて、停止精度を確保しつつ乗客の乗り心地を向上させるために、駆動制御手段121は、走行計画時と実走行時とで機械特性および走行抵抗Frなどに誤差が発生している場合には、以下のように走行計画K2を修正する。
まず、あらかじめ減速区間内の1つ以上の所定位置において速度チェックを行う。ここでは、たとえばトランスポンダの位置を速度チェック位置とする。
各走行計画の実行時には、各速度チェック位置での通過速度について、走行データD2と走行計画K2(計画データ)とを比較する。
あらかじめ計画された走行計画K2においては、勾配や曲率、風や空気などの走行抵抗Frは考慮されているものとするが、ブレーキ特性が推定と異なっていると、速度チェック位置での通過速度に誤差が生じる。
このとき、減速度が不足していて、目標速度よりも走行データD2の方が大きい場合には、現時点から停止状態に至るまでで出力するブレーキ力の中で最大減速度を有するブレーキ力のノッチ継続時間を長く(または、短く)設定して、速度チェック位置の将来通過速度が目標速度と一致するように補正する。
具体的には、図8に示すように、時間を短くすることで期待できる減速度分の変動が超過(または不足)している速度と一致する計算を制御周期ごとに計算することにより、調整する。
図8において、速度チェック地点で超過する場合の速度をΔV(>0)とし、不足する場合の速度をΔV(<0)とすると、最大ブレーキの延長時間ΔTdecは、減速状態である現在(速度チェックが行われた位置)から対象とする速度チェック位置までに使用する最大ブレーキノッチにより期待される減速度β1と、次の速度チェック位置におけるノッチでの期待される減速度β2とを用いて、以下の式(6)のように算出される。
ΔTdec=ΔV/(β1−β2) ・・・(6)
なお、延長時間ΔTdecが、走行計画時に最大ブレーキを利用する予定であった時間よりも大きい場合には、走行計画K2で最大ブレーキを出力する予定であったノッチを1ノッチ分だけ下げて出力するようにし、1ノッチ分だけ下げて出力する場合において、上記式(6)と同様に、延長時間ΔTdecを計算する。
式(6)を制御周期ごとに繰り返し計算すると、最終的には、次の速度チェック位置における出力ノッチと同じノッチになるので、その後は、速度チェック位置に達するまでノッチ変動を行わずに、速度チェック位置における期待減速度β2に該当するノッチを出力し続ける。
ただし、実減速度と、ノッチ指令値で期待される減速度との間の誤差が大きい場合には、補正後に再び誤差が発生する要因となるので、減速中に推定された機械特性について、駆動制御手段121に反映させるものとする。
以上の補正処理を適用することにより、速度チェック位置において計画時とほぼ同等の速度で進入することが可能となるので、安定した停止位置精度を実現することができる。
なお、停止直前の最終の速度チェック位置において速度が超過しない場合には、途中の速度チェック位置で速度が大きい場合であっても、図8のようなブレーキ時間の調整は行わない。
また、減速度が計画時よりも大きい(予定以上に減速している)場合には、現ブレーキ適用時間を短く設定して、次のノッチに移行することにより調整を行う。ただし、このノッチ移行については、減速度(負の加速度)が急激な変動にならないように、最低限の移行時間を設定するものとする。
また、上記減速時での時間補正において、オーバーラン回避を目的として、目標減速度よりもやや強めのブレーキを掛けて低速状態での走行が増えることにより、走行時間が増えてしまうことがある。
このような状況で上記補正処理を行うと、走行時間が増えて停車予定時刻に間に合わない場合がある。
そこで、上記問題を解決するために、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140は、誤差範囲調整手段153を備えており、誤差範囲調整手段153から許容誤差範囲Waの調整量Wcを生成することにより、許容誤差速度および許容誤差時間について、残り走行可能時間T_rest(i)を増やす方向に調整することを可能にしている。
すなわち、前回走行時に時刻がオーバーした場合に、進入速度を大きく設定することにより、残り走行可能時間T_rest(i)を増やす設定に調整することができる。
なお、ここでは、図5〜図8のように、代表的に減速状態(減速区間)が1つのみ存在する速度パターンを想定して説明したが、制限速度区間が駅間に存在するときなど、減速状態が2つ以上存在する場合については、停止状態の直前の最後の減速状態のみに対して、許容誤差範囲Waを算出して評価するという処理が適用可能である。
以上のように、この発明の実施の形態1(図1〜図8)に係る列車自動制御装置100は、電気車200(車両)の前回走行までに得られた線路データおよび車両データ(機械特性を含む)を、線路・車両データD3として記憶する線路・車両データ記憶手段103と、走行データD1(=D2)(車両の現在の走行状態)を用いて、現在の走行状態から次の走行状態への走行状態切り替え点S1、S2、・・・での位置または時刻ごとに、線路・車両データD3に対応した現在の機械特性パラメータP1(=P2)を同定する機械特性同定手段131と、線路・車両データD3および機械特性パラメータP2を用いて、車両の停車駅間における加速状態、減速状態および停止状態を含む複数の走行状態からなる速度パターンを、走行計画K1(=K2)として事前に生成する走行計画手段112と、車両の走行中における速度パターンの実行時に、走行状態切り替え点の前後での(次の走行状態に切り替わるまでの)ノッチ切り替え回数を最小回数に制御する駆動制御手段121と、走行状態切り替え点の通過時点において、速度パターン(車両の現在速度V0および現在時刻)と走行計画K2(目標速度および目標時刻)との誤差情報E1(=E2)を算出する走行状態切り替え点誤差算出手段141と、機械特性パラメータP2および走行計画K2を用いて、誤差情報E2に対する許容誤差範囲Wa(=Wb)を算出する走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段151と、誤差情報E2と許容誤差範囲Wbとを比較し、誤差情報E2が許容誤差範囲Wbを超えた場合に、走行計画手段112に補正情報Hを入力する走行状態切り替え点誤差比較判定手段161と、を備えている。
走行計画手段112は、補正情報Hに応答して、誤差情報E2が許容誤差範囲Wb内に収まるように、次の走行状態における走行計画K1を修正する。
また、走行計画手段112は、誤差情報E2が許容誤差範囲Wb内に収まる場合には、前回の走行計画時の制御指令値Ca、Cb(ノッチ指令値)を駆動制御手段121で適用させ、速度パターンが減速状態に遷移するときの速度および時間に関する誤差情報E2が、許容誤差範囲Wbから逸脱する状態になった場合には、車両の乗客の乗り心地を維持しつつ、誤差情報E2に含まれる時間誤差が0に近づくように、機械特性と、減速状態での速度誤差および時間誤差とを考慮して、走行計画K1を修正する。
すなわち、走行計画手段112は、許容誤差範囲Wb内となるような補正を次の評価点で行うのではなく、可能な限り走行計画時のノッチ指令値を適用する。
また、走行計画手段112は、線路・車両データD3および機械特性パラメータP2を用いて最適化パラメータPmを生成する評価関数最小化手段113と、最適化パラメータPmを用いて目標速度パターンPvを生成する目標速度パターン生成手段114と、目標速度パターンPvおよび機械特性パラメータP2を用いて目標ノッチパターンPnを生成する目標ノッチパターン生成手段115と、を備えており、目標速度パターンPvおよび目標ノッチパターンPnを、駆動制御手段121に対する走行計画K1(=K2)として出力する。
また、走行計画手段112において、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140からの補正情報Hは、評価関数最小化手段113に入力されて、評価関数最小化手段113でのオンライン計算に寄与する。
また、走行計画手段112は、補正情報Hに応答して、現在の速度パターンにおける次の走行状態切り替え点を、誤差情報E2が許容誤差範囲Wbの下限速度側に収まるような修正時間幅ΔT1b、ΔT4aだけ変更する。
また、この発明の実施の形態1に係る列車自動制御装置100は、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140において、許容誤差範囲Waの大きさを調整するための調整量Wcを生成して走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段151に入力する誤差範囲調整手段153を備えている。
さらに、走行計画手段112は、補正情報Hに応答して、現在の速度パターンにおける次の走行状態切り替え点を、図7のように、誤差情報E2が許容誤差範囲Wbの下限速度側に収まるような修正時間幅だけ変更するので、エネルギー消費を抑制することができる。
なお、速度パターンにおける走行状態は、加速状態、減速状態および停止状態に加えて、定速状態および惰走状態をも含み得る。
このように、走行状態切り替え点の近傍の速度および時間の誤差について許容誤差範囲Wbを設定することにより、速度追従に対して厳密に追従しようとすることを回避し、走行状態が切り替わる走行状態切り替え点ごとに、速度誤差および時間誤差を抑制するような走行状態切り替え点またはノッチを選択するのではなく、減速状態において許容される限りは、計画通りのノッチおよびノッチ切り替え時刻を選択することができ、不要なノッチ切り替えを回避することができる。
すなわち、計画時におけるノッチ切り替えは、必要最小限に少なくなるように最適化されているので、途中時点での追従性向上を目的としたノッチ変動を抑制することができ、乗客の乗り心地の悪化を防ぐことができる。
この発明の実施の形態1によれば、目標時間を基準として、目標状態からの乖離を監視しているので、機械特性の変化を加味した必要最小限の走行計画の修正により、目的となる停止位置精度および停止時刻精度を満たすことができる。
また、従来装置と比べて、ノッチ切り替えやノッチ変動を可能な限り適用せずに、列車の自動運転が可能となるので、オフラインで最適化された省エネルギー性を実現するとともに、乗り心地を実運転で実現した形で運転することが可能となる。
すなわち、事前に最適化された速度パターンの速度値および通過時間を基準として、走行状態が減速状態に移行する瞬間の状態として許容可能は許容速度誤差範囲Wvと許容通過時間誤差範囲Wtを定義し、いずれかの条件を満たさない場合に走行計画K1を再計画するので、レールと電気車200との間の接触面を極力傷つけることなく走行させ、省エネルギー性に優れ、乗客に対して望ましい加速度(または、減速度)を満たし、さらに加減速時間が目標設定値を満たすような速度パターンで制御することができる。
したがって、個々の列車ごとの機械特性のバラツキに依存することなく、目的となる停止精度および到着時刻を満たすことを自動的に保証しつつ、不要なノッチ切り替えを抑制することにより、乗客の乗り心地を向上させることができる。
また、厳密な速度追従に起因したハンチングを回避するとともに、ノッチ切り替え回数の増加および必要以上の加速によるエネルギー消費の増大も防ぐことができる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、速度制限について言及しなかったが、図9のように、速度制限取得手段170を設け、走行中に速度制限情報Gが生成された場合に、走行計画手段112Aにおいて、速度制限情報Gに応じた走行計画K1を生成するように構成してもよい。
図9はこの発明の実施の形態2に係る列車自動制御装置の全体構成を示すブロック図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して詳述を省略する。
図9において、列車自動制御装置100Aは、追加構成要素として、速度制限取得手段170を備えている。
速度制限取得手段170は、電気車200の走行中の異常状態発生などによる制限速度変更が検出された場合に、速度制限情報Gを走行計画手段112Aに入力する。
図10は図9内の走行計画手段112Aの機能構成を示すブロック図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して詳述を省略する。
図10において、走行計画手段112A内の評価関数最小化手段113Aおよび目標速度パターン生成手段114Aには、前述と同様の入力情報に加えて、それぞれ速度制限取得手段170からの速度制限情報Gが入力されている。
走行計画手段112Aに速度制限情報Gが入力された場合には、目標速度パターン生成手段114Aおよび目標ノッチパターン生成手段115からは、走行計画K1として、制限速度が付与された目標速度パターンPvおよび目標ノッチパターンPnが生成される。
なお、速度制限取得手段170は、変更された制限速度パターンを検出して記憶する制限速度変更検出手段により構成されてもよく、速度制限情報Gは、記憶された制限速度パターンであってもよい。この場合、走行計画手段112Aは、入力された制限速度パターンを再生成して速度パターンとして登録することになる。
通常通りのダイヤ運行において、速度制限については、あらかじめ与えられたATCの速度制限信号などで事前計画時に考慮することができる。
ただし、一旦減速する必要が生じた場合(先行列車の運行が遅れている場合、先行列車が非常停止した場合など)、または一旦停止するような変更が発生した場合には、オンラインでの走行計画K1の変更が必要となる。
そこで、上記のような減速または停止が要求された場合には、速度制限取得手段170から速度制限情報Gが生成され、走行計画手段112Aは、速度制限情報Gに応答して、走行計画K1を修正する。
たとえば、走行中にATC信号が発生して、緊急停止を示す速度制限情報Gが走行計画手段112Aに入力された場合、走行計画K1の変更において、非常ブレーキまたは最大ブレーキでの減速が行われることにより、電気車200は緊急停止(速度0[km/h]まで減速)する。
この場合、緊急停止位置から改めて、走行計画K1を立てることとなり、前述の実施の形態1と同様の制御動作が行われる。
また、このとき、非常ブレーキまたは最大ブレーキを適用した場合の停止予定位置を推定しておくことにより、走行計画の計算時間を確保することができる。
一方、走行中に先行列車の遅延の影響などで、一定区間に対する減速変更を示す速度制限情報Gが入力された場合においては、走行計画手段112Aは、目標到達時間の修正があれば、目標指標設定手段104を介して目標到達時間を修正する。
また、これにともない、減速状態への走行状態切り替え点S2(図5参照)での速度目標値Vdおよび通過時刻目標値Tdも修正する。
このとき、設定された減速状態に進入する走行状態切り替え点S2での通過予定時刻における通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i)を算出し、まだ許容誤差範囲Wb内と判定されれば、前述の実施の形態1と同様の処理によって対応可能である。
一方、すでに許容誤差範囲Wbから逸脱していると判定されれば、前述の修正処理にしたがって走行計画K1を修正する。
上記の走行計画K1の修正を適用しても、目標時間を満たす走行計画が実現できない場合には、走行計画K1の修正手順を最後まで実行した場合での、減速状態に進入する走行状態切り替え点S2における通過速度V_pass(i)および残り走行可能時間T_rest(i)を、速度目標値Vdおよび通過時刻目標値Tdとして定義することにより、走行計画を成立させる。
これにより、最終的に、次駅に到着する時刻T_nextを算出して、算出された時刻T_nextを、たとえば、他車両を含めたダイヤ修正に用いることができる。
また、走行計画K1の修正を適用しても、目標時間を満たす走行計画が実現できない場合には、外部操作またはマニュアル操作で到着時刻を設定し直すことにより、ダイヤ復旧が可能な時刻設定を行うこともできる。
以上のように、この発明の実施の形態2(図9、図10)に係る列車自動制御装置は、電気車200(車両)の走行中に制限速度変更が生じたことを検出する速度制限取得手段170を備えており、速度制限取得手段170は、制限速度変更が検出された場合に、速度制限情報Gを走行計画手段112Aに入力する。
走行計画手段112Aは、速度制限情報Gに応じて、制限速度が付与された目標速度パターンPvおよび目標ノッチパターンPnを走行計画として生成する。
これにより、走行動作中に速度制限が発生した場合であっても、乗客の乗り心地を損ねることなく、自動的に適正な走行計画を再生成することができる。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2(図2、図10)では、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140からの補正情報Hを、走行計画手段112、112A内の評価関数最小化手段113、113Aに入力したが、評価関数最小化手段113、113Aでのオンライン計算コストを軽減するために、図11のように、補正情報Hを走行計画手段112B内の目標速度パターン生成手段114Bに直接入力してもよい。
図11はこの発明の実施の形態3による走行計画手段112Bの機能構成を示すブロック図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して詳述を省略する。図示しない他の構成については、前述の実施の形態1、2と同様である。
図11において、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140から出力される走行状態切り替え点の補正情報H(許容誤差範囲Wbに基づく)は、走行計画手段112B内の評価関数最小化手段113Bには入力されず、代わりに、目標速度パターン生成手段114Bに入力されている。
これにより、オンラインでの計算コストが限られている場合に対応することが可能となる。
オンラインで速度パターンを再計算する場合、簡易化されているとはいえ、機械特性パラメータP2を考慮した、電気車200の将来の速度および時刻に関するシミュレーションを走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140内で行い、走行状態切り替え点の変更が必要であると判定された後に、前述のように、補正情報Hに応じて走行計画手段112B内の評価関数最小化手段113Bによりオンラインで最適化計算すると、計算コストが非常に大きくなることが予想される。
そこで、オンライン計算コストを軽減するために、図11のように、計算コストが大きくなると予想される最適化計算を省略し、基本的には、走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140により算出された走行状態切り替え点の修正については、目標速度パターン生成手段114Bにおいて即時反映し、速度パターン自体を修正する。
この場合、走行計画手段112Bは、電気車200の走行中にオンラインで演算処理を実行している場合には、常に走行状態切り替え点誤差補正量算出手段140からの補正情報Hのみに応じて処理を行う。
一方、停車中や非営業時のオフライン(最適化計算する時間が十分にある)での演算処理を実行する場合には、評価関数最小化手段113Bにおいて、走行時に更新された機械特性パラメータP2に基づき最適化パラメータPmを算出し、目標速度パターン生成手段114Bは、最適化パラメータPmおよび補正情報Hに基づき目標速度パターンPvを生成する。
以上のように、この発明の実施の形態3(図11)による走行計画手段112Bにおいては、補正情報Hが目標速度パターン生成手段114Bに入力されるので、走行中に処理すべき計算コストを顕著に低減することができる。
したがって、計算処理能力が比較的低い処理系を用いた場合であっても、電気車200の実走行中に、状況に応じた指令値のオンライン最適化を実現することができる。
なお、上記実施の形態1〜3(図1〜図11)では、目標指標Qを運転者(ユーザー)が指定する場合を例にとって説明したが、運転者が手動で指定する代わりに、駅停車時に無線を介してロードする構成としてもよく、または、外部記憶装置(図示せず)を挿入し、外部記憶装置を介してロードする構成としてもよい。
1a、1b、2a、2b、4a、4b 修正パターン、100、100A 列車自動制御装置、101 走行データ取得手段、102 走行データ記憶手段、103 線路・車両データ記憶手段、104 目標指標設定手段、105 ユーザーインタフェース、111 事前走行計画記憶手段、111a 事前走行計画記憶部、112、112A、112B 走行計画手段、113、113A、113B 評価関数最小化手段、114、114A、114B 目標速度パターン生成手段、115 目標ノッチパターン生成手段、121 駆動制御手段、122 現在誤差算出手段、123 ノッチ指令値補正手段、124 制御指令値出力手段、131 機械特性同定手段、132 機械特性記憶手段、141 走行状態切り替え点誤差算出手段、142 走行状態切り替え点誤差記憶手段、151 走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段、152 走行状態切り替え点許容誤差範囲記憶手段、153 誤差範囲調整手段、161 走行状態切り替え点誤差比較判定手段、170 速度制限取得手段、140 走行状態切り替え点誤差補正量算出手段、200 電気車、201 駆動装置、202 ブレーキ装置、Ca、Cb 制御指令値(ノッチ指令値)、Cn 補正ノッチ指令値、D1、D2 走行データ、D3 線路・車両データ、E1、E2 誤差情報、Ea 誤差、G 速度制限情報、H 補正情報、K1、K2 走行計画、P1、P2 機械特性パラメータ、Pm 最適化パラメータ、Pn 目標ノッチパターン、Pv 目標速度パターン、Q 目標指標、S1、S2 走行状態切り替え点、S3 停止位置、W1〜W4、Wa、Wb 許容誤差範囲、Wc 調整量。

Claims (9)

  1. 車両の前回走行までに得られた線路データおよび車両データを、線路・車両データとして記憶する線路・車両データ記憶手段と、
    前記車両の現在の走行状態を用いて、現在の走行状態から次の走行状態への走行状態切り替え点での位置または時刻ごとに、前記線路・車両データに対応した現在の機械特性パラメータを同定する機械特性同定手段と、
    前記線路・車両データおよび前記機械特性パラメータを用いて、前記車両の停車駅間における加速状態、減速状態および停止状態を含む複数の走行状態からなる速度パターンを、走行計画として事前に生成する走行計画手段と、
    前記車両の走行中における前記速度パターンの実行時に、前記走行状態切り替え点の前後でのノッチ切り替え回数を最小回数に制御する駆動制御手段と、
    前記走行状態切り替え点の通過時点において、前記車両の現在速度および現在時刻と目標速度および目標時刻との誤差情報を算出する走行状態切り替え点誤差算出手段と、
    前記機械特性パラメータおよび前記走行計画を用いて、前記誤差情報に対する許容誤差範囲を算出する走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段と、
    前記誤差情報と前記許容誤差範囲とを比較し、前記誤差情報が前記許容誤差範囲を超えた場合に、前記走行計画手段に補正情報を入力する走行状態切り替え点誤差比較判定手段と、を備え、
    前記走行計画手段は、前記補正情報に応答して、前記誤差情報が前記許容誤差範囲内に収まるように、次の走行状態における走行計画を修正することを特徴とする列車自動制御装置。
  2. 前記走行計画手段は、
    前記誤差情報が前記許容誤差範囲内に収まる場合には、前回の走行計画時のノッチ指令値を前記駆動制御手段で適用させ、
    前記速度パターンが減速状態に遷移するときの速度および時間に関する誤差情報が、前記許容誤差範囲から逸脱する状態になった場合には、前記車両の乗客の乗り心地を維持しつつ、前記誤差情報に含まれる時間誤差が0に近づくように、前記機械特性と、前記減速状態での速度および時間の誤差とを考慮して、前記走行計画を修正することを特徴とする請求項1に記載の列車自動制御装置。
  3. 前記許容誤差範囲の大きさを調整するための調整量を生成して前記走行状態切り替え点許容誤差範囲算出手段に入力する誤差範囲調整手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の列車自動制御装置。
  4. 前記車両の走行中に制限速度変更が生じたことを検出する速度制限取得手段を備え、
    前記速度制限取得手段は、前記制限速度変更が検出された場合に、速度制限情報を前記走行計画手段に入力し、
    前記走行計画手段は、前記速度制限情報に応じて、制限速度が付与された目標速度パターンおよび目標ノッチパターンを前記走行計画として生成することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の列車自動制御装置。
  5. 前記走行計画手段は、
    前記前記線路・車両データおよび前記機械特性パラメータを用いて最適化パラメータを生成する評価関数最小化手段と、
    前記最適化パラメータを用いて目標速度パターンを生成する目標速度パターン生成手段と、
    前記目標速度パターンおよび前記機械特性パラメータを用いて目標ノッチパターンを生成する目標ノッチパターン生成手段と、を備え、
    前記目標速度パターンおよび前記目標ノッチパターンを、前記駆動制御手段に対する走行計画として出力することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の列車自動制御装置。
  6. 前記補正情報は、前記評価関数最小化手段に入力されることを特徴とする請求項5に記載の列車自動制御装置。
  7. 前記補正情報は、前記目標速度パターン生成手段に入力されることを特徴とする請求項5に記載の列車自動制御装置。
  8. 前記走行計画手段は、前記補正情報に応答して、現在の速度パターンにおける次の走行状態切り替え点を、前記誤差情報が前記許容誤差範囲の下限速度側に収まるような修正時間幅だけ変更することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の列車自動制御装置。
  9. 前記速度パターンにおける走行状態は、前記加速状態、前記減速状態および前記停止状態に加えて、定速状態および惰走状態を含むことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の列車自動制御装置。
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