JP2014089545A - 回転軸と操作つまみの連結構造体およびそれを用いた噴霧器 - Google Patents

回転軸と操作つまみの連結構造体およびそれを用いた噴霧器 Download PDF

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Abstract

【課題】回転軸と操作つまみとの間でゆるみの生じない連結構造を提供する。
【解決手段】回転軸5の一端に、その外周面から張り出す係合凸部32aを有する係合部32を設け、操作つまみの中央に嵌め込まれる連結部36は、回転軸5の係合部32をその軸方向に投影した形状の軸孔40に通すものとし、この連結部36の軸孔40の回転軸5差込口側と反対側の開口部に、回転軸5の係合凸部32aの通過位置と周方向位置をずらして係合凹部36aを設け、回転軸5を一端側から連結部36の軸孔40に差し込み、係合凸部32aが軸孔40を通過してから所定角度回転させた状態で、回転軸5を引き抜き方向に移動させることにより、回転軸5の係合凸部32aが連結部36の係合凹部36aに嵌まり込むようにしたのである。これにより、操作つまみの回転操作を繰り返してもゆるみの生じない連結状態を維持することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転軸と回転軸を回転させるための操作つまみの連結構造、およびその連結構造を液体噴出量の調節機構に用いた噴霧器に関する。
農業用の薬液等の液体の噴霧に使用される噴霧器には、筒状の本体部と、この本体部の先端に設けられ、液体を噴出するノズル部と、本体部内に収納され、本体部の内周面に設けられた雌ねじとねじ結合する雄ねじを有する回転軸と、回転軸と一体回転するように回転軸の一端部に連結された操作つまみと、回転軸の他端部に設けられ、本体部内の液体供給路を開閉する弁体とを備え、その操作つまみを回転操作することにより、操作つまみと一体回転する回転軸が弁体とともに軸方向に移動して弁体の開度が変化して、ノズル部からの液体噴出量を調節できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
このような噴霧器では、回転軸と回転軸を回転させるための操作つまみとを一体回転するように連結する手段として、環状の操作つまみの内周側に金属製のナットを固定し、一般に金属で形成される回転軸の外周に設けた雄ねじに嫌気性接着剤を塗布した状態で、回転軸と操作つまみのナットとをねじ結合させ、その後の嫌気性接着剤の硬化作用によってゆるみ止めする方法が採用されることが多い。
特開2008−110318号公報
上述したように金属製部材どうしのねじ結合部分を嫌気性接着剤でゆるみ止めする回転軸と操作つまみの連結手段は、連結当初は十分なゆるみ止め効果が得られる。しかしながら、操作つまみの回転操作を繰り返すうちに、嫌気性接着剤の経時劣化等によってねじ結合部分がゆるんでしまうことがある。したがって、このような回転軸と操作つまみの連結手段を液体噴出量の調節機構に用いた噴霧器では、使用期間が長くなると、操作つまみを回転操作しても液体噴出量を調節できなくなくなるおそれがある。
そこで、本発明は、回転軸と操作つまみとの間でゆるみの生じない連結構造を提供することを第1の課題とし、それを用いることにより安定した液体噴出量の調節ができる噴霧器を提供することを第2の課題とする。
上記第1の課題を解決するために、本発明は、回転軸と、この回転軸を回転させるための操作つまみとを一体回転するように連結する回転軸と操作つまみの連結構造において、前記回転軸の一端にその外周面から張り出す係合凸部を有する係合部を設け、前記操作つまみは、前記回転軸の係合部をその軸方向に投影した形状の軸孔に通す連結部を有し、この連結部の軸孔の回転軸差込口側と反対側の開口部に、前記回転軸の係合凸部の通過位置と周方向位置をずらして係合凹部を設けたものとし、前記回転軸を一端側から操作つまみの軸孔に差し込み、前記係合凸部が軸孔を通過してから所定角度回転させた状態で、回転軸を引き抜き方向に移動させることにより、前記回転軸の係合凸部が操作つまみの係合凹部に嵌まり込むようにした構成を採用した。
上記の構成によれば、操作つまみと回転軸とが、接着剤のような経時劣化する要素を介在させることなく、係合凹部と係合凸部の係合によって一体に回転するので、操作つまみの回転操作を繰り返してもゆるみの生じない連結状態を維持することができる。また、回転軸または操作つまみに引き抜き方向の力が作用しても操作つまみが回転軸から抜けることもない。
ここで、前記回転軸の係合凸部が操作つまみの係合凹部に嵌まり込んだ状態で、前記回転軸と操作つまみの軸方向の相対移動を規制する止め輪を回転軸の外周に嵌め込むことにより、回転軸または操作つまみに差し込み方向の力が作用したときも、係合凸部の係合凹部からの脱出を簡単かつ確実に防止することができる。
また、前記操作つまみの連結部は、つまみ本体と別体に形成され、そのつまみ本体に軸心まわりに回転不能に嵌め込まれるものとすることが望ましい。このようにすれば、連結部を強度部材で形成して、その係合凹部と回転軸の係合凸部との係合の繰り返しによる破損を防止できるし、つまみ本体を樹脂製として軽量化するとともに大型化することにより、操作つまみを操作しやすいものとすることもできる。
そして、上記第2の課題を解決するために、本発明の噴霧器は、筒状の本体部と、前記本体部の先端に設けられ、液体を噴出するノズル部と、前記本体部内に収納され、本体部の内周面に設けられた雌ねじとねじ結合する雄ねじを有する回転軸と、前記回転軸と一体回転するように回転軸の一端部に連結された操作つまみと、前記回転軸の他端部に設けられ、前記本体部内の液体供給路を開閉する弁体とを備え、前記回転軸と操作つまみとを、上述した構成の回転軸と操作つまみの連結構造を用いて連結し、前記操作つまみを回転操作することにより、前記回転軸が弁体とともに軸方向に移動して弁体の開度が変化するようにしたものである。この構成によれば、操作つまみの回転操作を繰り返しても操作つまみと回転軸との間でゆるみが生じないので、安定して液体噴出量の調節を行うことができる。
上述したように、本発明の回転軸と操作つまみの連結構造は、両者を引き抜く方向の力が作用しても操作つまみが回転軸から抜けることがないし、操作つまみの回転操作を繰り返してもゆるみの生じない連結状態を維持することができる。
また、本発明の噴霧器は、筒状の本体部の内周面とねじ結合し、本体部内の液体供給路を開閉する弁体が設けられた回転軸と、この回転軸を回転させることによって回転軸を軸方向に移動させ、弁体の開度を変化させる操作つまみとを、上述した本発明の連結構造を用いて連結したものであるから、操作つまみと回転軸との間でゆるみが生じず、長期間安定して液体噴出量の調節を行うことができる。
実施形態の噴霧器の正面図 図1の縦断面図 aは図1の噴霧器の要部の分解斜視図、b〜dはそれぞれaの操作つまみの連結部の別方向からの斜視図、左半部の拡大斜視図、左半部の別方向からの拡大斜視図 a〜eはそれぞれ図3の操作つまみの連結部と回転軸の一端部とを連結する手順を説明する斜視図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この噴霧器は、図1および図2に示すように、筒状の本体部1と、本体部1の先端に設けられたノズル部2と、本体部1の後端側の外周面から斜め後方に延びる把持部3と、本体部1に回動自在に取り付けられたレバー4とを備え、液体を供給するホース(図示省略)を把持部3の下端に接続した状態で、把持部3とレバー4を握り込むことによって(図1中の一点鎖線の状態)ノズル部2から液体を噴出するガンタイプのものである。そして、本体部1内に収納された回転軸5と、回転軸5の後端部(一端部)に連結された操作つまみ6とを用いて、後述するように液体の噴出量を調節する調節機構を有している。なお、本体部1の先端側には、ノズル部2の径方向外側を覆う筒状のフード7が取り付けられている。
前記本体部1は、その内周面と回転軸5との間に液体供給路8が形成され、この液体供給路8の途中に流量調節弁9が設けられている。また、本体部1の後端部の内周面に設けられた雌ねじ1aに、回転軸5の外周に嵌合固定された雄ねじ部材10と、回転軸5を通して本体部1の後端開口を閉塞する蓋部材11がねじ結合されている。その蓋部材11と回転軸5との間にはOリング12が設けられ、液体供給路8の後端がシールされている。
この本体部1内の流量調節弁9は、本体部1の内周面に設けられた環状の弁座13と、回転軸5の先端部(他端部)に設けられた円錐状の弁体14とからなり、回転軸5の軸方向移動によって弁体14と弁座13との間の間隔(弁体14の開度)が変化し、弁体14が本体部1内の液体供給路8を開閉して、ノズル部2に送られる液体の流量を調節するものである。
前記ノズル部2は、本体部1内の流量調節弁9よりも先端側の液体供給路8に筒状の整流中子15を挿入し、本体部1にねじ結合するキャップ16で円錐状の噴板17を整流中子15の先端に固定したもので、噴板17の中央部に設けた噴出口17aから液体を噴出するようになっている。
前記把持部3は、前後(本体部1の先端側と後端側)に突出する前方円筒部18および後方円筒部19を有し、内部に前記ホースとの接続端(下端)から後方円筒部19を通って本体部1の液体供給路8に連通する流路20が形成され、この流路20の途中に開閉弁21が設けられている。後方円筒部19は後端開口を蓋部材22で閉塞されており、この蓋部材22と後方円筒部19との間に設けられたOリング23により、後方円筒部19内の流路20がシールされている。また、前方円筒部18の下側に隣接する位置には、前方へ突出し、後述するように開閉弁21が閉状態のときにレバー4を係止するためのフック24が設けられている。
この把持部3内の開閉弁21は、後方円筒部19の内周面に設けられた環状の弁座25と、弁座25および前方円筒部18を貫通する弁軸26の外周面に設けられた円錐状の弁体27とからなる。その弁体27は、弁軸26後端側に臨む段差面と蓋部材22との間に設けられた弁体用スプリング28により、弁座25に押し付けられる方向(流路20を閉じる方向)に付勢されている。また、弁軸26は、先端側の小径部が前方円筒部18を貫通してレバー4と対向している。
前記レバー4は、横断面がコの字状に形成され、把持部3の上端の前側に隣接する位置に回動自在に取り付けられている。その前壁4aの上端部には、把持部3のフック24が掛けられるフック受け29と、開閉弁21の弁軸26先端を押圧するための押圧片30が取り付けられている。また、その押圧片30と把持部3の前方円筒部18との間には、レバー4を把持部3から離す方向(フック受け29にフック24が掛かる方向)に付勢するレバー用スプリング31が設けられている。
したがって、この噴霧器の使用者が把持部3のみを握っている間は、図2に示したように、レバー4が、レバー用スプリング31の付勢力により押圧片30を開閉弁21の弁軸26の先端から離され、フック受け29で把持部3のフック24に係止されるとともに、開閉弁21の弁体27が、弁体用スプリング28の付勢力によって弁座25に押し付けられ、把持部3内の流路20を閉じた状態(開閉弁21が閉状態)となる。このとき、本体部1内の液体供給路8には液体が供給されないので、ノズル部2から液体が噴出されることはない。
そして、使用者が把持部3とレバー4を各スプリング28、31の付勢力に抗して握り込むと、レバー4の押圧片30が開閉弁21の弁軸26の先端を押圧して、弁軸26を弁体27と一体に後端側へ軸方向移動させることにより、弁体27が弁座25から離れて把持部3内の流路20が開放され、液体が本体部1内の液体供給路8に供給されてノズル部2から噴出される。
このとき、操作つまみ6を回転操作して回転軸5を回転させると、回転軸5の外周に固定された雄ねじ部材10と本体部1内周面とのねじ結合により、回転軸5が軸方向に移動して、その先端部に設けられた流量調節弁9の弁体14の開度が変化するので、ノズル部2に送られる液体の流量が変化し、液体噴出量を調節することができる。
次に、前記回転軸5と操作つまみ6との連結構造について説明する。図3(a)に示すように、回転軸5は、本体部1の後端から突出する後端部(一端部)が、後端に設けられた係合部32と、係合部32と軸方向中央部との間の中継部33とからなる。その中継部33の外周には、E形止め輪34が嵌め込まれる環状溝33aが設けられている。また、係合部32は、中継部33よりも小径の軸部の先端側が断面小判形に形成され、その軸部の外周面から径方向に張り出す一対の部位が、後述するように操作つまみ6と係合する係合凸部32aとなっている。各係合凸部32aの径方向外側の輪郭は、中継部33の外周に軸方向で重なるように形成されている。
一方、前記操作つまみ6は、つまみ本体35と、つまみ本体35の軸方向中央部に嵌め込まれる連結部36と、つまみ本体35の後端部に嵌め込まれる円盤状のキャップ37とからなる。つまみ本体35とキャップ37は樹脂製であり、連結部36は強度部材としての金属で形成されている。
前記つまみ本体35は、軸方向に3段に形成された貫通孔35aを有している。その貫通孔35aの1段目は、回転軸5差込口側に形成され、回転軸5の中継部33が回転可能に嵌まり込む円形孔であり(図2参照)、2段目は連結部36が嵌め込まれる六角孔である。そして、回転軸5差込口側と反対側に形成された3段目の円形孔は、その開口の近傍に周方向に断続的に延びる突条35bを有し、この突条35bにキャップ37の外周面の環状溝37aが嵌まり込むようになっている。なお、つまみ本体35の外周面には、操作つまみ6を操作しやすくするための周方向の凹凸が形成されている。
前記連結部36は、図3(b)〜(d)にも示すように、六角ナット状の外形を有する嵌合部38と、嵌合部38の一端面から突出する突出部39とからなり、その嵌合部38と突出部39を貫通する軸孔40を有している。そして、嵌合部38をつまみ本体35の貫通孔35aの六角孔部分に嵌め込まれて、つまみ本体35に対して軸心まわりに相対回転不能となっている。
この連結部36の軸孔40は、回転軸5差込口側がつまみ本体35の貫通孔35aの1段目と同じ内径の円形孔に形成され、反対側が回転軸5の係合部32を軸方向に投影した形状に形成されている。これにより、回転軸5の係合部32は軸孔40を通過できるが、中継部33は軸孔40の途中までしか入り込まないようになっている。そして、軸孔40の突出部39側の開口から嵌合部38の一部にかけて、回転軸5の係合凸部32aの通過位置と周方向に90度ずれた位置に一対の係合凹部36aが設けられ、突出部39が2分割されている。
回転軸5と操作つまみ6との連結手順は、操作つまみ6のつまみ本体35に連結部36を嵌め込んだ状態で、まず、図4(a)、(b)に示すように(つまみ本体35は図示省略)、回転軸5の後端部を操作つまみ6の連結部36の軸孔40にその嵌合部38側から差し込み、図4(c)に示すように、回転軸5の係合凸部32aが軸孔40を通過してから回転軸5を90度回転させ、図4(d)に示すように、回転軸5を引き抜き方向に移動させることにより、図4(e)に示すように、回転軸5の係合凸部32aを操作つまみ6の連結部36の係合凹部36aに嵌め込む。そして、回転軸5の中継部33の外周にE形止め輪34を嵌め込み、この止め輪34と係合凸部32aで操作つまみ6の連結部36とつまみ本体35を挟み付けて(図2参照)、回転軸5と操作つまみ6が軸方向に相対移動しないようにする。最後に、つまみ本体35にキャップ37を嵌め込めばよい。
この回転軸5と操作つまみ6との連結構造では、回転軸5または操作つまみ6に引き抜き方向の力が作用しても操作つまみ6が回転軸5から抜けることがないし、操作つまみ6と回転軸5とが、接着剤のような経時劣化する要素を介在させることなく、係合凹部36aと係合凸部32aの係合によって一体に回転するので、操作つまみ6の回転操作を繰り返してもゆるみの生じない連結状態を維持することができる。
また、回転軸5外周に嵌め込まれる止め輪34により、上記係合凹部36aと係合凸部32aの係合によって互いに連結された回転軸5と操作つまみ6の軸方向の相対移動を規制しているので、回転軸5または操作つまみ6に差し込み方向の力が作用したときも、係合凸部32aの係合凹部36aからの脱出を簡単かつ確実に防止でき、操作つまみ6が回転軸5に対して空転することがない。
さらに、操作つまみ6は樹脂製のつまみ本体35に金属製の連結部36を嵌め込んだものとしたので、連結部36の係合凹部36aと回転軸5の係合凸部32aとの係合の繰り返しによる破損を防止できるし、つまみ本体35が軽量化されるとともに大型化されており、操作しやすいものとなっている。
そして、この噴霧器は、筒状の本体部1の内周面とねじ結合し、本体部1内の液体供給路8を開閉する流量調節弁9の弁体14が設けられた回転軸5と、この回転軸5を回転させることによって回転軸5を軸方向に移動させ、弁体14の開度を変化させる操作つまみ6とを、上述した連結構造を用いて連結したものであるから、操作つまみ6と回転軸5との間でゆるみが生じず、長期間安定して液体噴出量の調節を行うことができる。
なお、本発明の回転軸と操作つまみとの連結構造は、上述したような噴霧器に限らず、操作つまみで回転軸を回転させる機構を有する機械装置に広く適用することができる。
1 本体部
1a 雌ねじ
2 ノズル部
3 把持部
4 レバー
5 回転軸
6 操作つまみ
8 液体供給路
9 流量調節弁
10 雄ねじ部材
13 弁座
14 弁体
20 流路
21 開閉弁
32 係合部
32a 係合凸部
34 止め輪
35 つまみ本体
36 連結部
36a 係合凹部
37 キャップ
40 軸孔
本発明は、回転軸と回転軸を回転させるための操作つまみの連結構造、およびその連結構造を液体噴出量の調節機構に用いた噴霧器に関する。
そこで、本発明は、回転軸と操作つまみとの間でゆるみの生じない連結構造を提供することを第1の課題とし、それを用いることにより安定した液体噴出量の調節ができる噴霧器を提供することを第2の課題とする。
上記第1の課題を解決するために、本発明は、回転軸と、この回転軸を回転させるための操作つまみとを一体回転するように連結した回転軸と操作つまみの連結構造において、前記回転軸の一端にその外周面の径方向で相対する位置から張り出す一対の係合凸部を有する係合部を設け、前記操作つまみは、前記回転軸の係合部をその軸方向に投影した形状の軸孔に通す連結部を有し、この連結部の軸孔の回転軸差込口側と反対側の開口部に、前記回転軸の一対の係合凸部の通過位置と周方向位置をずらして、径方向で相対する一対の係合凹部を設けたものとし、前記回転軸を一端側から操作つまみの軸孔に差し込み、前記係合凸部が軸孔を通過してから所定角度回転させた状態で、回転軸を引き抜き方向に移動させることにより、前記回転軸の係合凸部が操作つまみの係合凹部に嵌まり込むようにした構成を採用した。
また、前記操作つまみの連結部は、つまみ本体と別体で閉環状に形成され、そのつまみ本体に軸心まわりに回転不能に嵌め込まれるものとすることが望ましい。このようにすれば、連結部を強度部材で形成して、その係合凹部と回転軸の係合凸部との係合の繰り返しによる破損を防止できるし、つまみ本体を樹脂製として軽量化するとともに大型化することにより、操作つまみを操作しやすいものとすることもできる。
そして、上記第2の課題を解決するために、本発明の噴霧器は、筒状の本体部と、前記本体部の先端に設けられ、液体を噴出するノズル部と、前記本体部内に収納され、本体部の内周面に設けられた雌ねじとねじ結合する雄ねじを有する回転軸と、前記回転軸と一体回転するように回転軸の一端部に連結された操作つまみと、前記回転軸の他端部に設けられ、前記本体部内の液体供給路を開閉する弁体とを備え、前記回転軸と操作つまみとを、上述した構成の回転軸と操作つまみの連結構造体をなすものとし、前記操作つまみを回転操作することにより、前記回転軸が弁体とともに軸方向に移動して弁体の開度が変化するようにしたものである。この構成によれば、操作つまみの回転操作を繰り返しても操作つまみと回転軸との間でゆるみが生じないので、安定して液体噴出量の調節を行うことができる。
上述したように、本発明の回転軸と操作つまみの連結構造は、両者を引き抜く方向の力が作用しても操作つまみが回転軸から抜けることがないし、操作つまみの回転操作を繰り返してもゆるみの生じない連結状態を維持することができる。
また、本発明の噴霧器は、筒状の本体部の内周面とねじ結合し、本体部内の液体供給路を開閉する弁体が設けられた回転軸と、この回転軸を回転させることによって回転軸を軸方向に移動させ、弁体の開度を変化させる操作つまみとを、上述した本発明の連結構造を用いて連結したものであるから、操作つまみと回転軸との間でゆるみが生じず、長期間安定して液体噴出量の調節を行うことができる。
次に、前記回転軸5と操作つまみ6との連結構造について説明する。図3(a)に示すように、回転軸5は、本体部1の後端から突出する後端部(一端部)が、後端に設けられた係合部32と、係合部32と軸方向中央部との間の中継部33とからなる。その中継部33の外周には、E形止め輪34が嵌め込まれる環状溝33aが設けられている。また、係合部32は、中継部33よりも小径の軸部の先端側が断面小判形に形成され、その軸部の外周面から径方向に張り出す一対の部位が、後述するように操作つまみ6と係合する係合凸部32aとなっている。各係合凸部32aの径方向外側の輪郭は、中継部33の外周に軸方向で重なるように形成されている。
この回転軸5と操作つまみ6との連結構造では、回転軸5または操作つまみ6に引き抜き方向の力が作用しても操作つまみ6が回転軸5から抜けることがないし、操作つまみ6と回転軸5とが、接着剤のような経時劣化する要素を介在させることなく、係合凹部36aと係合凸部32aの係合によって一体に回転するので、操作つまみ6の回転操作を繰り返してもゆるみの生じない連結状態を維持することができる。
そして、この噴霧器は、筒状の本体部1の内周面とねじ結合し、本体部1内の液体供給路8を開閉する流量調節弁9の弁体14が設けられた回転軸5と、この回転軸5を回転させることによって回転軸5を軸方向に移動させ、弁体14の開度を変化させる操作つまみ6とを、上述した連結構造を用いて連結したものであるから、操作つまみ6と回転軸5との間でゆるみが生じず、長期間安定して液体噴出量の調節を行うことができる。
なお、本発明の回転軸と操作つまみとの連結構造は、上述したような噴霧器に限らず、操作つまみで回転軸を回転させる機構を有する機械装置に広く適用することができる。

Claims (4)

  1. 回転軸と、この回転軸を回転させるための操作つまみとを一体回転するように連結する回転軸と操作つまみの連結構造において、前記回転軸の一端にその外周面から張り出す係合凸部を有する係合部を設け、前記操作つまみは、前記回転軸の係合部をその軸方向に投影した形状の軸孔に通す連結部を有し、この連結部の軸孔の回転軸差込口側と反対側の開口部に、前記回転軸の係合凸部の通過位置と周方向位置をずらして係合凹部を設けたものとし、前記回転軸を一端側から操作つまみの軸孔に差し込み、前記係合凸部が軸孔を通過してから所定角度回転させた状態で、回転軸を引き抜き方向に移動させることにより、前記回転軸の係合凸部が操作つまみの係合凹部に嵌まり込むようにしたことを特徴とする回転軸と操作つまみの連結構造。
  2. 前記回転軸の係合凸部が操作つまみの係合凹部に嵌まり込んだ状態で、前記回転軸と操作つまみの軸方向の相対移動を規制する止め輪を回転軸の外周に嵌め込んだことを特徴とする請求項1に記載の回転軸と操作つまみの連結構造。
  3. 前記操作つまみの連結部を、つまみ本体と別体に形成され、そのつまみ本体に軸心まわりに回転不能に嵌め込まれるものとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の回転軸と操作つまみの連結構造。
  4. 筒状の本体部と、前記本体部の先端に設けられ、液体を噴出するノズル部と、前記本体部内に収納され、本体部の内周面に設けられた雌ねじとねじ結合する雄ねじを有する回転軸と、前記回転軸と一体回転するように回転軸の一端部に連結された操作つまみと、前記回転軸の他端部に設けられ、前記本体部内の液体供給路を開閉する弁体とを備え、前記回転軸と操作つまみとを、請求項1乃至3のいずれかに記載の回転軸と操作つまみの連結構造を用いて連結し、前記操作つまみを回転操作することにより、前記回転軸が弁体とともに軸方向に移動して弁体の開度が変化するようにした噴霧器。
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