JP2014089252A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】捻り振動を用いた光走査装置において温度変化による走査特性の変化を抑制する
【解決手段】光走査装置1は、光ビームを反射させる反射面を有するミラー31と、ミラー31を捻り振動させるための回転軸kとなる弾性連結部16a,16bとを備え、回転軸kを中心にしてミラー31を揺動させることにより、反射面により反射された光ビームを走査する。また熱アクチュエータ34が、錘部材32が回転軸kを中心にしてミラー31と一体に揺動可能となるように錘部材32を連結し、温度が高くなるほど錘部材32の回転軸k周りの慣性モーメントが低くなるように錘部材32を変位させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ビームを走査する光走査装置に関する。
近年、光走査装置の小型化を目的として、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用した光走査装置が種々提案されている。
これに対して本願出願人は、反射面が表面に形成された第3フレームと、第3フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第2フレームと、第2フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第1フレームと、第1フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第0フレームとを備え、さらに、第3フレームと第2フレームと第1フレームとをそれぞれの回転軸を中心に捻り振動可能に構成されることで、3自由度連成振動系を構成した光走査装置を提案している(例えば、特許文献1を参照)。
このように構成された光走査装置では、第1フレームに固有の周期的加振力を作用させることにより、3自由度捻り振動子を共振状態にできる。そして、第2フレームと第3フレームそれぞれの振動に対応した周期的加振力を重畳して与えることにより、第2フレームと第3フレームをそれぞれ異なる周波数および振幅で振動させ、さらに第3フレームの反射面で光を反射させることで、光を2次元走査することができる。
特開2008−129068号公報
しかし、特許文献1に記載の光走査装置では、環境温度が変化すると3自由度捻り振動子の共振周波数が変化し、これにより、図13に示すように、走査振幅が低下するという問題があった。これは、回転軸を中心に捻り振動可能に構成するために、弾性変形可能な部材(以下、弾性変形部材という)を上記回転軸として利用しており、環境温度の変化に応じて弾性変形部材のバネ定数が変化することに起因している。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、捻り振動を用いた光走査装置において温度変化による走査特性の変化を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の光走査装置は、光ビームを反射させる反射面を有する反射部と、反射部を捻り振動させるための第1回転軸となる第1弾性変形部材とを備え、第1回転軸を中心にして反射部を揺動させることにより、反射面により反射された光ビームを走査する光走査装置である。
ところで、第1弾性変形部材を回転軸として反射部を捻り振動させる場合の共振周波数fは、下式(1)で表される。
なお式(1)において、kは第1弾性変形部材のバネ定数、Jは反射部の慣性モーメントである。
そして、第1弾性変形部材のバネ定数kは、下式(2)で表される。
なお式(2)において、βは、第1弾性変形部材の断面の形状から決まる係数である。また、aは、第1弾性変形部材の断面の長辺の長さである。また、bは、第1弾性変形部材の断面の短辺の長さである。また、Eはヤング率(横弾性係数)である。また、νはポアソン比である。また、lは第1弾性変形部材の長さである。すなわち、ヤング率Eが低下するとバネ定数kが低下する。
さらに、ヤング率Eは、温度をTとして、下式(3)で表される。
なお式(3)において、E0は、0℃でのヤング率である。また、Δhtは温度係数である。すなわち、温度が高くなるほどヤング率Eは低下する。
したがって、温度の上昇に伴いヤング率Eが低下し、第1弾性変形部材のバネ定数kが低下すると、共振周波数fが低下する。
これに対し、請求項1に記載の光走査装置では、連結変位部が、錘部材が第1回転軸を中心にして反射部と一体に揺動可能となるように錘部材を連結する。
このため、第1弾性変形部材を回転軸として反射部を捻り振動させる場合の共振周波数fを表す式(1)において、慣性モーメントJは、反射部の慣性モーメントと錘部材の慣性モーメントとを加算したものとなる。
さらに、請求項1に記載の光走査装置では、連結変位部が、温度が高くなるほど錘部材の第1回転軸周りの慣性モーメントが低くなるように錘部材を変位させる。
したがって、温度上昇に伴うヤング率の低下に対応して、錘部材の第1回転軸周りの慣性モーメントを低下させることにより、式(1)で表される共振周波数fにおける温度上昇に伴う変化を抑制することができる。これにより、温度変化による走査特性の変化を抑制することができる。
例えば図7に示すように、温度変化に伴いヤング率が変化すると共振周波数が変化する(図7の曲線L11を参照)。このときの仕様共振周波数からのずれ量をΔfaとする。一方、ヤング率が一定という条件の下で、温度変化に伴い錘部材の第1回転軸周りの慣性モーメントが変化すると、共振周波数が変化する(図7の曲線L12を参照)。このときの仕様共振周波数からのずれ量をΔfbとする。
したがって、温度変化によりヤング率と慣性モーメントが同時に変化した場合の仕様共振周波数からのずれ量は|Δfa―Δfb|となる。このため、|Δfa―Δfb|が、許容誤差Δεより小さくなるように設計することによって(図7の曲線L13を参照)、温度上昇に伴う共振周波数fの変化を抑制することができる。
また、慣性モーメントJを変化させるために反射部を変位させる必要がなくなる。このため、反射部を変位させることに起因して、光走査装置が光ビームを走査するときの走査方向が変動してしまうということがなく、光ビームの走査を安定して行うことができる。
光走査装置1の構成を示す平面図である。 光反射部13における温度に応じた動作の変化を示す図である。 熱アクチュエータ34の構成を示す断面図である。 熱アクチュエータ34における温度に応じた動作の変化を示す断面図である。 熱アクチュエータ34における温度に応じた動作の変化を示す斜視図である。 光走査装置1の製造工程を示す断面図である。 ヤング率および慣性モーメントと共振周波数との関係を示すグラフである。 第2実施形態の光反射部13の構成を示す平面図および斜視図である。 第2実施形態の光走査装置1の製造工程の前半部分を示す断面図である。 第2実施形態の光走査装置1の製造工程の後半部分を示す断面図である。 別の実施形態の光反射部13における温度に応じた動作の変化を示す図である。 光走査装置401の構成を示す平面図である。 光走査装置における周波数と振幅との関係を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
光走査装置1は、図1に示すように、光ビームを走査する光ビーム走査部2と、光ビーム走査部2を支持する支持部3と、光ビーム走査部2を回転駆動させる駆動部4とを備える。
光ビーム走査部2は、外ジンバル11と内ジンバル12と光反射部13と弾性連結部14a,14bと弾性連結部15a,15bと弾性連結部16a,16bとから構成される。
これらのうち光反射部13は、ミラー31と錘部材32と支持弾性体33と熱アクチュエータ34とを備え、ミラー31により光ビームを反射するように構成されている。光反射部13の構成についての詳細は後述する。
また内ジンバル12は、矩形枠状であり、枠内に光反射部13が配置される。また外ジンバル11は、矩形枠状であり、枠内に内ジンバル12が配置される。
また弾性連結部16aは、弾性変形可能な材料で構成されており、内ジンバル12の枠内に配置され、光反射部13と内ジンバル12とを連結する。また弾性連結部16bは、弾性変形可能な材料で構成されており、内ジンバル12の枠内に配置され、光反射部13を挟んで弾性連結部16aと反対側において、光反射部13と内ジンバル12とを連結する。なお、弾性連結部16aおよび弾性連結部16bは、光反射部13の重心JSを通る同一直線上に配置されており、光反射部13の回転軸kとなる。これにより光反射部13は、回転軸kを中心に捻り振動可能に構成される。
また弾性連結部15aは、弾性変形可能な材料で構成されており、外ジンバル11の枠内に配置され、内ジンバル12と外ジンバル11とを連結する。また弾性連結部15bは、弾性変形可能な材料で構成されており、外ジンバル11の枠内に配置され、内ジンバル12を挟んで弾性連結部15aと反対側において、内ジンバル12と外ジンバル11とを連結する。なお、弾性連結部15aおよび弾性連結部15bは、光反射部13と内ジンバル12との重心JSを通る同一直線上に配置されており、光反射部13の回転軸jとなる。これにより内ジンバル12は、回転軸jを中心に捻り振動可能に構成される。
また弾性連結部14aは、弾性変形可能な材料で構成されており、外ジンバル11の上辺11aと支持部3とを連結する。また弾性連結部14bは、弾性変形可能な材料で構成されており、外ジンバル11を挟んで弾性連結部14aと反対側において、外ジンバル11の下辺11bと支持部3とを連結する。なお、弾性連結部14aおよび弾性連結部14bは、光反射部13と内ジンバル12と外ジンバル11との重心JSを通る同一直線上に配置されており、外ジンバル11の回転軸iとなる。これにより外ジンバル11は、回転軸iを中心に捻り振動可能に構成される。
次に支持部3は、上辺11aと連結されていない側の弾性連結部14aの端部と連結される上側支持部3aと、下辺11bと連結されていない側の弾性連結部14bの端部と連結される下側支持部3bと、駆動部4を支持する左側支持部3cおよび右側支持部3dとから構成される。
さらに駆動部4は、圧電ユニモルフ4a,4b,4c,4dから構成される。圧電ユニモルフ4a,4b,4c,4dは、矩形板状に形成されており、その長手方向が回転軸iに直交するように配置される。
そして圧電ユニモルフ4aは、その長手方向の一端が左側支持部3cに固定され、他端が外ジンバル11の上辺11aに連結される。圧電ユニモルフ4bは、その長手方向の一端が左側支持部3cに固定され、他端が外ジンバル11の下辺11bに連結される。圧電ユニモルフ4cは、その長手方向の一端が右側支持部3dに固定され、他端が外ジンバル11の上辺11aに連結される。圧電ユニモルフ4dは、その長手方向の一端が右側支持部3dに固定され、他端が外ジンバル11の下辺11bに連結される。
これにより、圧電ユニモルフ4a,4b,4c,4dは、電圧が印加されると、外ジンバル11に連結されている側の端部が曲げ変位し、回転軸iを中心にして回転する方向に沿って外ジンバル11を移動させることができる。なお、圧電ユニモルフ4a,4b,4c,4dにはそれぞれ給電線FL1,FL2,FL3,FL4を介して電圧が印加される。
そして、圧電ユニモルフ4aと圧電ユニモルフ4bとが同位相で曲げ振動するとともに圧電ユニモルフ4cと圧電ユニモルフ4dとが同位相で曲げ振動するように且つ圧電ユニモルフ4a,4bと圧電ユニモルフ4c,4dとが逆位相で曲げ振動するように、圧電ユニモルフ4a,4b,4c,4dへの電圧印加が制御される。これにより、外ジンバル11が回転軸iを中心にして回転振動する。そして、外ジンバル11を所定の共振周波数で振動させることにより、以下に説明する動作原理に基づいて、ミラー31で反射する光ビームを2次元的に走査することができる。
次に、光走査装置1の動作原理を説明する。
光走査装置1は、支持部3を固定端として、回転軸i,j,kに対しての捻り自由度を持つ3自由度捻り振動子になっている。
3自由度捻り振動子は、理論上3つの振動モードを持つ。すなわち、3つの振動モードはそれぞれ異なる共振周波数を持ち、各共振周波数に対する各フレームの捻り振動の角度振幅の比はそれぞれ異なる(これは振動モードと呼ばれる)。以下、これら3つの振動モードをそれぞれ、振動モード1、振動モード2、振動モード3という。
そして、振動モード1、振動モード2、振動モード3の各々に対応した周波数の周期的加振力を与えれば、それぞれの振動モードを励振できる。また、複数の周波数の周期的加振力を重畳して与えれば、複数の振動モードを同時に励振できる。
ここで、例えば、
振動モード1の共振周波数f1を1000Hz、
振動モード2の共振周波数f2を5000Hz、
振動モード3の共振周波数f3を40000Hz、
振動モード1における外ジンバル11、内ジンバル12、光反射部13の振幅比r1を「1:−20:0.5」、
振動モード2における外ジンバル11、内ジンバル12、光反射部13の振幅比r2を「1:0.5:−0.1」、
振動モード3における外ジンバル11、内ジンバル12、光反射部13の振幅比r3を「1:0.01:−30」、
として設計した場合の、3自由度捻り振動子の動作を説明する。
尚、各振動モードにおける振幅比は、左から外ジンバル11、内ジンバル12、光反射部13の順で記述している。例えば、上記の振幅比r1は、外ジンバル11の振幅が「1」とすると、内ジンバル12の振幅が「−20」、光反射部13の振幅が「0.5」となることを示す。
また、3自由度捻り振動子の共振状態においては、理論上、各フレーム間の位相角は0度または180度となる。そこで、振幅比を記述する際に、位相角の差が0度の場合は符号を「+」、180度の場合は符号を「−」とする。例えば、上記の振幅比r1は、外ジンバル11と光反射部13との位相角の差が0度となり、外ジンバル11と内ジンバル12との位相角の差が180度となることを示す。
そして、各振動モードの共振周波数と振幅比を上記のように設計すると、振動モード1では、主に内ジンバル12が1000Hzで大きく捻り振動する。また、振動モード3では、主に光反射部13が40000Hzで大きく捻り振動する。
このため、光反射部13の鏡面部分でレーザ光を反射させるとともに、振動モード1と振動モード3とを同時に励振させることにより、振動モード3を主走査方向(40000Hz)、振動モード1を副走査方向(1000Hz)として、2次元的にレーザ光を走査することができる。
次に、光反射部13の構成を説明する。
光反射部13は、図2(a)に示すように、ミラー31と錘部材32と支持弾性体33と熱アクチュエータ34とを備える。
ミラー31は、円形状であり、アルミ薄膜の鏡面部が表面に形成される。またミラー31は、同一直線上に配置されている弾性連結部16aおよび弾性連結部16bがミラー31を挟んで互いに反対側に位置するようにして、ミラー31の周縁部で弾性連結部16aおよび弾性連結部16bの端部に連結されている。これにより、ミラー31は、回転軸kを中心に捻り振動可能となる。
錘部材32は、回転軸kに対して垂直方向に変位させるために設けられた部材である。本実施形態では、2個の錘部材32が、ミラー31を挟んで互いに反対側に位置するように配置される。さらに錘部材32は、その表面が、ミラー31の反射面と平行になるように配置される。
支持弾性体33は、弾性変形可能な材料(本実施形態ではシリコン)で円弧状に形成された部材である。そして支持弾性体33は、その円弧がミラー31の反射面と同一の平面上に位置するようにして、一端が弾性連結部16aまたは弾性連結部16bに接続されるとともに他端が錘部材32に接続されている。
熱アクチュエータ34は、直線状に形成された部材であり、その長手方向が回転軸kに対して垂直方向になるようにして、一端が弾性連結部16aまたは弾性連結部16bに接続されるとともに他端が錘部材32に接続されている。
そして熱アクチュエータ34は、図3に示すように、シリコンを材料として棒状に形成された棒状部材41と、酸化膜(本実施形態では酸化シリコン)42と、圧電膜44(本実施形態では、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))を上部電極45と下部電極46とで挟んで棒状に形成された圧電棒状部材43とが、その長手方向に直交する方向に沿って積層されて構成されている。
そして図4(a)に示すように、圧電棒状部材43に一定電圧が常時印加される。なお、熱アクチュエータ34には給電線FL5を介して電圧が印加される(図1を参照)。
温度が変化しない場合には、印加される電圧値に応じて、圧電棒状部材43の長手方向(以下、X方向という)に沿って圧電棒状部材43が伸縮する。なお、圧電体の物性値である圧電定数d31の値は、温度が高くなるにつれて大きくなることが知られている。つまり、環境温度が変化すると圧電定数d31の値が変化し、これにより、圧電体の伸縮量が変化する。
このため、温度が室温である状況下では、図4(a)に示すように、圧電棒状部材43に電圧を印加すると、圧電棒状部材43がX方向に縮む。これにより熱アクチュエータ34は、その積層方向(以下、Z方向という)に撓む。したがって熱アクチュエータ34は、Z方向に沿ってへこむ凹形状となり、X方向への縮みが発生する。
そして、温度が室温より高い状況下では、圧電定数d31が大きくなるため、図4(b)に示すように、圧電棒状部材43のX方向への縮み量が大きくなる。これにより、熱アクチュエータ34のZ方向への撓みが大きくなる。したがって、X方向への縮み量は、室温時よりも大きくなる(図中の縮み量差ΔL1を参照)。
一方、温度が室温より低い状況下では、圧電定数d31が小さくなるため、図4(c)に示すように、圧電棒状部材43のX方向への縮み量が小さくなる。これにより、熱アクチュエータ34のZ方向への撓みが小さくなる。したがって、X方向への縮み量は、室温時よりも小さくなる(図中の縮み量差ΔL2を参照)。
このため、熱アクチュエータ34では、図5(a),(b)に示すように、低温時における長手方向長さL1(図5(a)を参照)よりも、高温時における長手方向長さL2(図5(b)を参照)のほうが短くなる。
したがって、温度が室温より高くなると、図2(b)に示すように、熱アクチュエータ34が縮み、回転軸kと錘部材32との間の距離が短くなる。これにより、温度が高くなるほど回転軸k周りの慣性モーメントが小さくなるように構成することができる。
次に、光走査装置1の製造方法を図6を用いて説明する。
光走査装置1を製造するために、まず図6(a)に示すように、SOI基板100に対して熱酸化処理を行う。SOI基板100は、シリコン基板110上に埋込酸化膜層120と単結晶シリコン層130が順次積層された構造を有する。このため、上記の熱酸化処理により、単結晶シリコン層130の表面に熱酸化膜140が形成されるとともに、シリコン基板110の裏面にも熱酸化膜150が形成される。
そして、熱酸化膜140上にTi/Pt層160を堆積し、さらにTi/Pt層160上にPZT層170を堆積し、その後にパターニングする。これにより、図6(b)に示すように、熱アクチュエータ34の圧電膜44と下部電極46が形成される。
さらに、Ti/Au層180を堆積しパターニングする。これにより、熱アクチュエータ34の上部電極45と、ミラー31の鏡面部185が形成される。
そして図6(c)に示すように、光ビーム走査部2の隙間に対応する領域(図6(c)では、ミラー31と熱アクチュエータ34との間の隙間)の単結晶シリコン層130をDRIEによりエッチングする。
その後、図6(d)に示すように、シリコン基板110の裏面の熱酸化膜150のうち光ビーム走査部2に対応する領域をエッチングにより除去し、その後、除去されなかった熱酸化膜150をマスクとしてシリコン基板110をエッチングすることにより、シリコン基板110に凹部190が形成される。
また図6(e)に示すように、埋込酸化膜層120のうち凹部190の領域と、シリコン基板110の裏面の熱酸化膜150をエッチングにより除去する。これにより光走査装置1は、光ビーム走査部2が回転可能となるように構成される。
このように構成された光走査装置1は、光ビームを反射させる反射面を有するミラー31と、ミラー31を捻り振動させるための回転軸kとなる弾性連結部16a,16bとを備え、回転軸kを中心にしてミラー31を揺動させることにより、反射面により反射された光ビームを走査する。
ところで、弾性連結部16a,16bを回転軸としてミラー31を捻り振動させる場合の共振周波数fは、下式(1)で表される。
なお式(1)において、kは弾性連結部16a,16bのバネ定数、Jは光反射部13の慣性モーメントである。
そして、弾性連結部16a,16bのバネ定数kは、下式(2)で表される。
なお式(2)において、βは、弾性連結部16a,16bの断面の形状から決まる係数である。また、aは、弾性連結部16a,16bの断面の長辺の長さである。また、bは、弾性連結部16a,16bの断面の短辺の長さである。また、Eはヤング率(横弾性係数)である。また、νはポアソン比である。また、lは弾性連結部16a,16bの長さである。すなわち、ヤング率Eが低下するとバネ定数kが低下する。
さらに、ヤング率Eは、温度をTとして、下式(3)で表される。
なお式(3)において、E0は、0℃でのヤング率である。また、Δhtは温度係数である。すなわち、温度が高くなるほどヤング率Eは低下する。
したがって、温度の上昇に伴いヤング率Eが低下し、弾性連結部16a,16bのバネ定数kが低下すると、共振周波数fが低下する。
これに対し、光走査装置1では、熱アクチュエータ34が、錘部材32が回転軸kを中心にしてミラー31と一体に揺動可能となるように錘部材32を連結し、温度が高くなるほど錘部材32の回転軸k周りの慣性モーメントが低くなるように錘部材32を変位させる。
したがって、温度上昇に伴うヤング率Eの低下に対応して、光反射部13の回転軸k周りの慣性モーメントを低下させることにより、温度上昇に伴う共振周波数fの変化を抑制することができる。これにより、温度変化による走査特性の変化を抑制することができる。
例えば図7に示すように、温度変化に伴いヤング率が変化すると共振周波数が変化する(図7の曲線L11を参照)。このときの仕様共振周波数からのずれ量をΔfaとする。一方、ヤング率が一定という条件の下で、温度変化に伴い光反射部13の回転軸k周りの慣性モーメントが変化すると、共振周波数が変化する(図7の曲線L12を参照)。このときの仕様共振周波数からのずれ量をΔfbとする。
したがって、温度変化によりヤング率と慣性モーメントが同時に変化した場合の仕様共振周波数からのずれ量は|Δfa―Δfb|となる。このため、|Δfa―Δfb|が、許容誤差Δεより小さくなるように設計することによって(図7の曲線L13を参照)、温度上昇に伴う共振周波数fの変化を抑制することができる。
また、光反射部13の慣性モーメントを変化させるためにミラー31を変位させる必要がなくなる。このため、ミラー31を変位させることに起因して、光走査装置1が光ビームを走査するときの走査方向が変動してしまうということがなく、光ビームの走査を安定して行うことができる。
また熱アクチュエータ34は、ミラー31の反射面に対して平行な面(以下、変位平面という)に沿って錘部材32を変位させるように構成され、支持弾性体33は、熱アクチュエータ34が錘部材32を変位させることにより錘部材32が上記変位平面に対して垂直方向に変位するのを抑制するように錘部材32を支持する。
これにより、ミラー31と錘部材32を一体とした光反射部13の重心が回転軸kから外れるのを抑制することができる。
なお、錘部材32が上記変位平面から外れる方向へ変位すると、光反射部13の重心が回転軸kから外れる。このために、光反射部13の揺動運動に伴い光反射部13に遠心力が働き、ミラー31の反射面が回転軸kから外れてしまう。すなわち、光反射部13が偏心運動をし、ミラー31へ向けて照射される光ビームがミラー31の反射面から外れてしまうおそれがある。
これに対し光走査装置1では、上述のように、光反射部13の重心が回転軸kから外れるのを抑制することができるため、光反射部13の偏心運動を抑制し、光ビームがミラー31の反射面から外れてしまう事態の発生を抑制することができる。
また熱アクチュエータ34は、弾性連結部16a,16bと同じ材料からなる棒状部材41と、圧電膜44を上部電極45と下部電極46との間で挟んで形成された圧電棒状部材43とを積層して構成され、上部電極45と下部電極46との間に、予め設定された一定値の電圧が常時印加される。
そして圧電棒状部材43は、上部電極45と下部電極46との間に一定値の電圧が印加されることにより、上部電極45から下部電極46へ向かう方向に対して垂直な面(以下、電極対向面という)に沿って伸び又は縮みが発生する。
なお、圧電体の物性値の一つである圧電定数d31は、圧電体に電圧が印加されたときの電極対向面に沿った伸縮のし易さを示す値であり、温度が高くなるほど、圧電定数d31の値が大きくなることが知られている。つまり、温度が変化すると、圧電定数d31の値が変化し、圧電体における電極対向面に沿った伸縮量が変化する。
このため、温度が高くなると、圧電棒状部材43が電極対向面に沿って棒状部材41よりも縮むため、圧電棒状部材43と棒状部材41とが積層されて構成されている熱アクチュエータ34は上部電極45から下部電極46へ向かう方向へ撓む。すなわち熱アクチュエータ34は、温度が高くなるほど、電極対向面に沿った長さが短くなり、温度に応じた位置に自動的に錘部材32を変位させることができる。
これにより、温度を検出する温度センサ、および温度検出結果に基づいて温度補正を行う制御回路などを用いることなく錘部材32を変位させることができるため、光走査装置1の構成を簡略化することができる。
また圧電棒状部材43は、上部電極45と下部電極46との間に印加される電圧値が大きくなるほど、電極対向面に沿った伸縮量が大きくなる。
このため、経年変化に伴い弾性連結部16a,16bの剛性が変化して光走査装置1の共振周波数fが変化することや、圧電棒状部材43の剛性が変化して電極対向面に沿った伸縮量が変化することに対し、上部電極45と下部電極46との間に印加される電圧値を調整することにより光反射部13の回転軸k周りの慣性モーメントを変化させ、経年変化に伴う共振周波数fの変化を抑制することが可能となる。
また圧電膜44は、一般に利用されている圧電体のなかで圧電定数d31が最も大きいチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなるため、熱アクチュエータ34による錘部材32の変位量を大きくすることができる。
以上説明した実施形態において、ミラー31は本発明における反射部、回転軸kは本発明における第1回転軸、弾性連結部16a,16bは本発明における第1弾性変形部材、熱アクチュエータ34は本発明における連結変位部である。
また、支持弾性体33は本発明における変位抑制部材、棒状部材41は本発明における基板部材、圧電膜44は本発明における圧電体、上部電極45は本発明における第1電極、下部電極46は本発明における第2電極、圧電棒状部材43は本発明における圧電部材である。
また、内ジンバル12は本発明における第1支持部、弾性連結部15a,15bは本発明における第2弾性変形部材、回転軸jは本発明における第2回転軸、外ジンバル11は本発明における第2支持部、弾性連結部14a,14bは本発明における第3弾性変形部材、回転軸iは本発明における第3回転軸、支持部3は本発明における第3支持部である。
(第2実施形態)
以下に本発明の第2実施形態について図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
第2実施形態における光走査装置1は、光反射部13の構成が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
第2実施形態の光反射部13は、図8(a)に示すように、支持弾性体33が省略された点と、熱アクチュエータ34の代わりに熱アクチュエータ50が設けられた点以外は第1実施形態と同じである。
熱アクチュエータ50は、直線状に形成された2本の棒状部材51,52を備える。棒状部材51,52は、その長手方向が回転軸kに対して垂直方向になるようにして、且つミラー31の鏡面に対して平行な面に沿って互いに平行となるようにして、一端が弾性連結部16aまたは弾性連結部16bに接続されるとともに他端が錘部材32に接続されている。
また棒状部材51,52は、図8(b)に示すように、シリコンを材料として棒状に形成された基板棒状部材53と、酸化膜(不図示)と、圧電膜(本実施形態では、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))を上部電極と下部電極とで挟んで棒状に形成された圧電棒状部材54とが、その長手方向に直交する方向に沿って積層されて構成されている。
但し、棒状部材51では、基板棒状部材53を挟んでミラー31の鏡面と同じ側に圧電棒状部材54が配置され、棒状部材52では、基板棒状部材53を挟んでミラー31の鏡面とは反対側に圧電棒状部材54が配置される。
このため、X方向へ縮むことによりZ方向に沿って突出する向きは、棒状部材51と棒状部材52とで逆となる。
また、熱アクチュエータ50では、第1実施形態の熱アクチュエータ34と同様に、低温時における長手方向長さよりも、高温時における長手方向長さのほうが短くなる。したがって、第1実施形態と同様に、温度が高くなるほど回転軸k周りの慣性モーメントが小さくなるように構成することができる。
次に、光走査装置1の製造方法を図9および図10を用いて説明する。
光走査装置1を製造するために、まず図9(a)に示すように、シリコン基板200に対して熱酸化処理を行う。これにより、シリコン基板200の表面に熱酸化膜210が形成されるとともに、シリコン基板200の裏面にも熱酸化膜220が形成される。
そして図9(b)に示すように、シリコン基板200の裏面側において棒状部材52が形成される部分に、棒状部材52の下部電極と上部電極に電圧を印加するためのトレンチ221,222を形成する。なおトレンチ221,222は、熱酸化膜220を貫通し、シリコン基板200内に底面を有する。
そして、熱酸化処理を行うことにより、図9(c)に示すように、トレンチ221,222の側壁に熱酸化膜230を形成する。
その後、Ti/Pt層240を堆積しパターニングする。さらに、Ti/Au層250を堆積しパターニングする。これにより、図9(d)に示すように、トレンチ221内にTi/Pt層240が埋め込まれるとともに、トレンチ222内にTi/Au層250が埋め込まれる。
さらに、Ti/Pt層260を堆積しパターニングし、その後にPZT層270を堆積しパターニングする。さらに、Ti/Au層280を堆積しパターニングする。これにより、図9(e)に示すように、トレンチ221の開口部上に棒状部材52の圧電棒状部材54が形成されるとともに、トレンチ222内のTi/Au層250と圧電棒状部材54の上部電極とが電気的に接続される。
そして図9(f)に示すように、シリコン基板200の裏面側となる熱酸化膜220上に有機樹脂290を塗布する。その後、有機樹脂290を接着剤として、図9(g)に示すように、裏面に熱酸化膜300が形成されたシリコン基板310をシリコン基板200に張り合わせる。
さらに図9(h)に示すように、トレンチ221内のTi/Pt層240とトレンチ222内のTi/Au層250が露出するまで、シリコン基板200の表面を研削研磨する。
その後、熱酸化処理を行うことにより、図10(a)に示すように、シリコン基板200の表面においてTi/Pt層240およびTi/Au層250が露出している領域以外に熱酸化膜320を形成する。
そして、シリコン基板200の表面側にTi/Pt層330を堆積しパターニングする。その後、シリコン基板200の表面側にPZT層340を堆積しパターニングする。さらに、シリコン基板200の表面側にTi/Au層350を堆積しパターニングする。
これにより、図10(b)に示すように、シリコン基板200の裏面側のTi/Pt層240と電気的に接続されるTi/Pt層330のパターンがシリコン基板200の表面側に形成される。また、シリコン基板200の裏面側のTi/Au層250と電気的に接続されるTi/Au層350のパターンがシリコン基板200の表面側に形成される。さらに、シリコン基板200の表面側に、棒状部材51の圧電棒状部材54と、ミラー31の鏡面部355が形成される。
そして図10(c)に示すように、光ビーム走査部2の隙間に対応する領域(図10(c)では、ミラー31と熱アクチュエータ50との間の隙間)のシリコン基板200をDRIEによりエッチングする。
その後、図10(d)に示すように、シリコン基板310の裏面の熱酸化膜300のうち光ビーム走査部2に対応する領域をエッチングにより除去し、その後、除去されなかった熱酸化膜300をマスクとしてシリコン基板310をエッチングすることにより、シリコン基板310に凹部360が形成される。
また図10(e)に示すように、有機樹脂290のうち凹部360の領域をエッチングにより除去する。そして図10(f)に示すように、熱酸化膜220のうち凹部360の領域と、シリコン基板310の裏面の熱酸化膜300をエッチングにより除去する。これにより、光走査装置1は、光ビーム走査部2が回転可能となるように構成される。
このように構成された光走査装置1では、熱アクチュエータ50は、基板棒状部材53と圧電棒状部材54とを積層して構成された棒状部材51と、基板棒状部材53と圧電棒状部材54とを積層して構成された棒状部材52とを備えて、棒状部材51,52により、ミラー31の反射面に対して平行な面(以下、変位平面という)に沿って錘部材32を変位させるように構成され、棒状部材51,52は、上記変位平面に対して垂直方向に基板棒状部材53と圧電棒状部材54が積層される。
このため棒状部材51,52は、上部電極45と下部電極46との間に一定値の電圧が印加されることによりZ方向へ撓み、これにより、X方向に沿って伸び又は縮みが発生する。
そして、棒状部材51の基板棒状部材53と棒状部材52の基板棒状部材53は、上記変位平面に沿って互いに平行となるように配置され、棒状部材52の圧電棒状部材54は、棒状部材52の基板棒状部材53を挟んで棒状部材51の圧電棒状部材54とは反対側に配置される。このため、上部電極45と下部電極46との間に一定値の電圧が印加されることによりZ方向に沿って突出する向きは、棒状部材51と棒状部材52とで逆となる。すなわち、錘部材32をX方向に沿って変位させることにより錘部材32がZ方向に沿って変位する向きは、棒状部材51と棒状部材52とで逆となる。
このため熱アクチュエータ50は、熱アクチュエータ50が錘部材32をX方向に沿って変位させることにより錘部材32が上記変位平面に対して垂直方向(すなわちZ方向)に変位するのを抑制するように錘部材32を支持することができる。
これにより、第1実施形態の支持弾性体33を用いることなく、ミラー31と錘部材32を一体とした光反射部13の重心が回転軸kから外れるのを抑制することができ、光ビームがミラー31の反射面から外れてしまう事態の発生を抑制することができる。
以上説明した実施形態において、熱アクチュエータ50は本発明における連結変位部、棒状部材51は本発明における第1積層部材、棒状部材52は本発明における第2積層部材である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記第1実施形態では、支持弾性体33が錘部材32と弾性連結部16a,16bとを連結するものを示したが、支持弾性体33が錘部材32とミラー31とを連結するようにしてもよい。ただし、支持弾性体33が錘部材32とミラー31とを連結するようにした場合には、錘部材32が上記変位平面から外れる方向へ変位するとミラー31の平面度が保たれなくなり、光ビームの集光性が悪化し、光走査により形成される表示の劣化が生じる。従って、ミラー31の平面度に影響を及ぼさないようにするために、支持弾性体33は錘部材32と弾性連結部16a,16bとを連結するようにすることが望ましい。
また上記第1実施形態においては、支持弾性体33を備えているものを示したが、図11(a)および図11(b)に示すように、支持弾性体33を省略するようにしてもよい。
また上記実施形態においては、3自由度連成振動系を構成する光走査装置1を適用したものを示したが、以下に示す光走査装置に本発明の連結変位部を適用してもよい。
光走査装置401は、図12に示すように、光ビームを走査する光ビーム走査部402と、光ビーム走査部402を支持する支持部403と、光ビーム走査部402を回転駆動させる駆動部404とを備える。
光ビーム走査部402は、ジンバル411と光反射部412と弾性連結部413a,413bと弾性連結部414a,414bとから構成される。
これらのうち光反射部412は、第1実施形態の光反射部13と同様に、ミラー31と錘部材32と支持弾性体33と熱アクチュエータ34とから構成される。
またジンバル411は、矩形枠状であり、枠内に光反射部412が配置される。
また弾性連結部414aは、弾性変形可能な材料で構成されており、ジンバル411の枠内に配置され、光反射部412とジンバル411とを連結する。また弾性連結部414bは、弾性変形可能な材料で構成されており、ジンバル411の枠内に配置され、光反射部412を挟んで弾性連結部414aと反対側において、光反射部412とジンバル411とを連結する。なお、弾性連結部414aおよび弾性連結部414bは、光反射部412の回転軸kとなる。これにより光反射部412は、回転軸kを中心に捻り振動可能に構成される。
また弾性連結部413aは、弾性変形可能な材料で構成されており、ジンバル411の上辺411aと支持部403とを連結する。また弾性連結部413bは、弾性変形可能な材料で構成されており、ジンバル411を挟んで弾性連結部413aと反対側において、ジンバル411の下辺411bと支持部403とを連結する。なお、弾性連結部413aおよび弾性連結部413bは、ジンバル411の回転軸iとなる。これによりジンバル411は、回転軸iを中心に捻り振動可能に構成される。
次に支持部403は、上辺411aと連結されていない側の弾性連結部413aの端部と連結される上側支持部403aと、下辺411bと連結されていない側の弾性連結部413bの端部と連結される下側支持部403bと、駆動部4を支持する左側支持部403cおよび右側支持部403dとから構成される。
さらに駆動部404は、圧電ユニモルフ404a,404b,404c,404d,404e,404f,404g,404hから構成される。
圧電ユニモルフ404a,404b,404c,404dは、矩形板状に形成されており、その長手方向が回転軸iに直交するように配置される。そして圧電ユニモルフ404aは、その長手方向の一端が左側支持部403cに固定され、他端がジンバル411の上辺411aに連結される。圧電ユニモルフ404bは、その長手方向の一端が左側支持部403cに固定され、他端がジンバル411の下辺411bに連結される。圧電ユニモルフ404cは、その長手方向の一端が右側支持部403dに固定され、他端がジンバル411の上辺411aに連結される。圧電ユニモルフ404dは、その長手方向の一端が右側支持部403dに固定され、他端がジンバル411の下辺411bに連結される。
また圧電ユニモルフ404e,404f,404g,404hは、矩形板状に形成されており、その長手方向が回転軸kに直交するように配置される。そして圧電ユニモルフ404eは、その長手方向の一端がジンバル411に固定され、他端が弾性連結部414bに連結される。また圧電ユニモルフ404fは、光反射部412を挟んで圧電ユニモルフ404eと反対側に配置され、その長手方向の一端がジンバル411に固定され、他端が弾性連結部414aに連結される。また圧電ユニモルフ404gは、弾性連結部414bを挟んで圧電ユニモルフ404eと反対側に配置され、その長手方向の一端がジンバル411に固定され、他端が弾性連結部414bに連結される。また圧電ユニモルフ404hは、弾性連結部414aを挟んで圧電ユニモルフ404fと反対側に配置され、その長手方向の一端がジンバル411に固定され、他端が弾性連結部414aに連結される。
なお、圧電ユニモルフ404a,404b,404c,404d,404e,404f,404g,404hにはそれぞれ給電線FL11,FL12,FL13,FL14,FL15,FL16,FL17,FL18を介して電圧が印加される。また光反射部412の熱アクチュエータ34には給電線FL19を介して電圧が印加される。
そして、圧電ユニモルフ404aと圧電ユニモルフ404bとが同位相で曲げ振動するとともに圧電ユニモルフ404cと圧電ユニモルフ404dとが同位相で曲げ振動するように且つ圧電ユニモルフ404a,404bと圧電ユニモルフ404c,404dとが逆位相で曲げ振動するように、圧電ユニモルフ404a,404b,404c,404dへの電圧印加が制御される。これにより、ジンバル411が回転軸iを中心にして回転振動する。
また、圧電ユニモルフ404eと圧電ユニモルフ404fとが同位相で曲げ振動するとともに圧電ユニモルフ404gと圧電ユニモルフ404hとが同位相で曲げ振動するように且つ圧電ユニモルフ404e,404fと圧電ユニモルフ404g,404hとが逆位相で曲げ振動するように、圧電ユニモルフ404e,404f,404g,404hへの電圧印加が制御される。これにより、光反射部412が回転軸kを中心にして回転振動する。
このように構成された光走査装置401によれば、回転軸kを中心とした揺動と、回転軸iを中心とした揺動によって、ミラー31で反射する光ビームを2次元的に走査することができる。さらに、光走査装置401では、熱アクチュエータ34が、錘部材32が回転軸kを中心にしてミラー31と一体に揺動可能となるように錘部材32を連結し、温度が高くなるほど錘部材32の回転軸k周りの慣性モーメントが低くなるように錘部材32を変位させることができる。したがって、温度上昇に伴うヤング率の低下に対応して、光反射部412の回転軸k周りの慣性モーメントを低下させることにより、温度上昇に伴う共振周波数の変化を抑制することができる。これにより、温度変化による走査特性の変化を抑制することができる。
なお、弾性連結部414a,414bは本発明における第1弾性変形部材、ジンバル411は本発明における第1支持部、弾性連結部413a,413bは本発明における第2弾性変形部材、回転軸iは本発明における第2回転軸、支持部403は本発明における第2支持部である。
1,401…光走査装置、16a,16b,414a, 414b…弾性連結部、31…ミラー、32…錘部材、34,50…熱アクチュエータ

Claims (7)

  1. 光ビームを反射させる反射面を有する反射部(31)と、
    前記反射部を捻り振動させるための第1回転軸となる第1弾性変形部材(16a,16b,414a,414b)とを備え、
    前記第1回転軸を中心にして前記反射部を揺動させることにより、前記反射面により反射された光ビームを走査する光走査装置(1,401)であって、
    錘部材(32)と、
    前記錘部材が前記第1回転軸を中心にして前記反射部と一体に揺動可能となるように前記錘部材を連結し、温度が高くなるほど前記錘部材の前記第1回転軸周りの慣性モーメントが低くなるように前記錘部材を変位させる連結変位部(34,50)とを備える
    ことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記連結変位部(34)は、予め設定された変位平面に沿って前記錘部材を変位させるように構成され、
    前記連結変位部が前記錘部材を変位させることにより前記錘部材が前記変位平面に対して垂直方向に変位するのを抑制するように前記錘部材を支持する変位抑制部材(33)を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記連結変位部は、
    前記第1弾性変形部材と同じ材料からなる基板部材(41)と、圧電体(44)を第1電極(45)と第2電極(46)との間で挟んで形成された圧電部材(43)とを積層して構成され、
    前記第1電極と前記第2電極との間に、予め設定された一定値の電圧が常時印加される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記連結変位部(50)は、
    前記基板部材と前記圧電部材とを積層して構成された第1積層部材(51)と、前記基板部材と前記圧電部材とを積層して構成された第2積層部材(52)とを備えて、前記第1積層部材および前記第2積層部材により、予め設定された変位平面上に沿って前記錘部材を変位させるように構成され、
    前記第1積層部材および前記第2積層部材は、前記変位平面に対して垂直方向に前記基板部材と前記圧電部材が積層され、
    前記第1積層部材の前記基板部材と前記第2積層部材の前記基板部材は、前記変位平面に沿って互いに対向するように配置され、
    前記第2積層部材の前記圧電部材は、前記第2積層部材の前記基板部材を挟んで前記第1積層部材の前記圧電部材とは反対側に配置される
    ことを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 前記圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記第1弾性変形部材(414a,414b)を支持する第1支持部(411)と、
    前記第1支持部に連結された弾性変形可能な第2弾性変形部材(413a,413b)を有し、該第2弾性変形部材を第2回転軸として前記第1支持部を揺動可能に支持する第2支持部(403)とを備え、
    前記第2回転軸は、前記第1回転軸と交差するように配置され、
    前記第2回転軸を中心にして前記第1支持部を揺動させると共に、前記第1回転軸を中心にして前記反射部を揺動させることにより、前記反射面により反射された光ビームを2次元に走査する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の光走査装置(401)。
  7. 前記第1弾性変形部材(16a,16b)を支持する第1支持部(12)と、
    前記第1支持部に連結された弾性変形可能な第2弾性変形部材(15a,15b)を有し、該第2弾性変形部材を第2回転軸として前記第1支持部を揺動可能に支持する第2支持部(11)と、
    前記第2支持部に連結された弾性変形可能な第3弾性変形部材(14a,14b)を有し、該第3弾性変形部材を第3回転軸として前記第2支持部を揺動可能に支持する第3支持部(3)とを備え、
    前記第2回転軸は、前記第1回転軸と交差するように配置され、
    前記第3回転軸は、前記第1回転軸および前記第2回転軸と交差するように配置され、
    前記反射部、前記第1支持部、前記第2支持部、前記第3支持部、前記第1弾性変形部材、前記第2弾性変形部材、および前記第3弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捻り振動する3自由度連成振動系を構成し、
    前記3自由度連成振動系に前記固有の周期的外力を作用させることにより、前記第3回転軸を中心にして前記第2支持部を揺動させるとともに、前記第2回転軸を中心にして前記第1支持部を揺動させ、さらに前記第1回転軸を中心にして前記反射部を揺動させることにより、前記反射面により反射された光ビームを2次元に走査する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の光走査装置(1)。
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