JP2014089252A - 光走査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光走査装置1は、光ビームを反射させる反射面を有するミラー31と、ミラー31を捻り振動させるための回転軸kとなる弾性連結部16a,16bとを備え、回転軸kを中心にしてミラー31を揺動させることにより、反射面により反射された光ビームを走査する。また熱アクチュエータ34が、錘部材32が回転軸kを中心にしてミラー31と一体に揺動可能となるように錘部材32を連結し、温度が高くなるほど錘部材32の回転軸k周りの慣性モーメントが低くなるように錘部材32を変位させる。
【選択図】図1
Description
これに対して本願出願人は、反射面が表面に形成された第3フレームと、第3フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第2フレームと、第2フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第1フレームと、第1フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第0フレームとを備え、さらに、第3フレームと第2フレームと第1フレームとをそれぞれの回転軸を中心に捻り振動可能に構成されることで、3自由度連成振動系を構成した光走査装置を提案している(例えば、特許文献1を参照)。
そして、第1弾性変形部材のバネ定数kは、下式(2)で表される。
これに対し、請求項1に記載の光走査装置では、連結変位部が、錘部材が第1回転軸を中心にして反射部と一体に揺動可能となるように錘部材を連結する。
したがって、温度上昇に伴うヤング率の低下に対応して、錘部材の第1回転軸周りの慣性モーメントを低下させることにより、式(1)で表される共振周波数fにおける温度上昇に伴う変化を抑制することができる。これにより、温度変化による走査特性の変化を抑制することができる。
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
光走査装置1は、図1に示すように、光ビームを走査する光ビーム走査部2と、光ビーム走査部2を支持する支持部3と、光ビーム走査部2を回転駆動させる駆動部4とを備える。
これらのうち光反射部13は、ミラー31と錘部材32と支持弾性体33と熱アクチュエータ34とを備え、ミラー31により光ビームを反射するように構成されている。光反射部13の構成についての詳細は後述する。
また弾性連結部16aは、弾性変形可能な材料で構成されており、内ジンバル12の枠内に配置され、光反射部13と内ジンバル12とを連結する。また弾性連結部16bは、弾性変形可能な材料で構成されており、内ジンバル12の枠内に配置され、光反射部13を挟んで弾性連結部16aと反対側において、光反射部13と内ジンバル12とを連結する。なお、弾性連結部16aおよび弾性連結部16bは、光反射部13の重心JSを通る同一直線上に配置されており、光反射部13の回転軸kとなる。これにより光反射部13は、回転軸kを中心に捻り振動可能に構成される。
光走査装置1は、支持部3を固定端として、回転軸i,j,kに対しての捻り自由度を持つ3自由度捻り振動子になっている。
振動モード1の共振周波数f1を1000Hz、
振動モード2の共振周波数f2を5000Hz、
振動モード3の共振周波数f3を40000Hz、
振動モード1における外ジンバル11、内ジンバル12、光反射部13の振幅比r1を「1:−20:0.5」、
振動モード2における外ジンバル11、内ジンバル12、光反射部13の振幅比r2を「1:0.5:−0.1」、
振動モード3における外ジンバル11、内ジンバル12、光反射部13の振幅比r3を「1:0.01:−30」、
として設計した場合の、3自由度捻り振動子の動作を説明する。
光反射部13は、図2(a)に示すように、ミラー31と錘部材32と支持弾性体33と熱アクチュエータ34とを備える。
温度が変化しない場合には、印加される電圧値に応じて、圧電棒状部材43の長手方向(以下、X方向という)に沿って圧電棒状部材43が伸縮する。なお、圧電体の物性値である圧電定数d31の値は、温度が高くなるにつれて大きくなることが知られている。つまり、環境温度が変化すると圧電定数d31の値が変化し、これにより、圧電体の伸縮量が変化する。
光走査装置1を製造するために、まず図6(a)に示すように、SOI基板100に対して熱酸化処理を行う。SOI基板100は、シリコン基板110上に埋込酸化膜層120と単結晶シリコン層130が順次積層された構造を有する。このため、上記の熱酸化処理により、単結晶シリコン層130の表面に熱酸化膜140が形成されるとともに、シリコン基板110の裏面にも熱酸化膜150が形成される。
そして図6(c)に示すように、光ビーム走査部2の隙間に対応する領域(図6(c)では、ミラー31と熱アクチュエータ34との間の隙間)の単結晶シリコン層130をDRIEによりエッチングする。
これに対し、光走査装置1では、熱アクチュエータ34が、錘部材32が回転軸kを中心にしてミラー31と一体に揺動可能となるように錘部材32を連結し、温度が高くなるほど錘部材32の回転軸k周りの慣性モーメントが低くなるように錘部材32を変位させる。
なお、錘部材32が上記変位平面から外れる方向へ変位すると、光反射部13の重心が回転軸kから外れる。このために、光反射部13の揺動運動に伴い光反射部13に遠心力が働き、ミラー31の反射面が回転軸kから外れてしまう。すなわち、光反射部13が偏心運動をし、ミラー31へ向けて照射される光ビームがミラー31の反射面から外れてしまうおそれがある。
このため、経年変化に伴い弾性連結部16a,16bの剛性が変化して光走査装置1の共振周波数fが変化することや、圧電棒状部材43の剛性が変化して電極対向面に沿った伸縮量が変化することに対し、上部電極45と下部電極46との間に印加される電圧値を調整することにより光反射部13の回転軸k周りの慣性モーメントを変化させ、経年変化に伴う共振周波数fの変化を抑制することが可能となる。
以下に本発明の第2実施形態について図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
第2実施形態の光反射部13は、図8(a)に示すように、支持弾性体33が省略された点と、熱アクチュエータ34の代わりに熱アクチュエータ50が設けられた点以外は第1実施形態と同じである。
また、熱アクチュエータ50では、第1実施形態の熱アクチュエータ34と同様に、低温時における長手方向長さよりも、高温時における長手方向長さのほうが短くなる。したがって、第1実施形態と同様に、温度が高くなるほど回転軸k周りの慣性モーメントが小さくなるように構成することができる。
光走査装置1を製造するために、まず図9(a)に示すように、シリコン基板200に対して熱酸化処理を行う。これにより、シリコン基板200の表面に熱酸化膜210が形成されるとともに、シリコン基板200の裏面にも熱酸化膜220が形成される。
その後、Ti/Pt層240を堆積しパターニングする。さらに、Ti/Au層250を堆積しパターニングする。これにより、図9(d)に示すように、トレンチ221内にTi/Pt層240が埋め込まれるとともに、トレンチ222内にTi/Au層250が埋め込まれる。
その後、熱酸化処理を行うことにより、図10(a)に示すように、シリコン基板200の表面においてTi/Pt層240およびTi/Au層250が露出している領域以外に熱酸化膜320を形成する。
そして、棒状部材51の基板棒状部材53と棒状部材52の基板棒状部材53は、上記変位平面に沿って互いに平行となるように配置され、棒状部材52の圧電棒状部材54は、棒状部材52の基板棒状部材53を挟んで棒状部材51の圧電棒状部材54とは反対側に配置される。このため、上部電極45と下部電極46との間に一定値の電圧が印加されることによりZ方向に沿って突出する向きは、棒状部材51と棒状部材52とで逆となる。すなわち、錘部材32をX方向に沿って変位させることにより錘部材32がZ方向に沿って変位する向きは、棒状部材51と棒状部材52とで逆となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
また上記実施形態においては、3自由度連成振動系を構成する光走査装置1を適用したものを示したが、以下に示す光走査装置に本発明の連結変位部を適用してもよい。
これらのうち光反射部412は、第1実施形態の光反射部13と同様に、ミラー31と錘部材32と支持弾性体33と熱アクチュエータ34とから構成される。
また弾性連結部414aは、弾性変形可能な材料で構成されており、ジンバル411の枠内に配置され、光反射部412とジンバル411とを連結する。また弾性連結部414bは、弾性変形可能な材料で構成されており、ジンバル411の枠内に配置され、光反射部412を挟んで弾性連結部414aと反対側において、光反射部412とジンバル411とを連結する。なお、弾性連結部414aおよび弾性連結部414bは、光反射部412の回転軸kとなる。これにより光反射部412は、回転軸kを中心に捻り振動可能に構成される。
圧電ユニモルフ404a,404b,404c,404dは、矩形板状に形成されており、その長手方向が回転軸iに直交するように配置される。そして圧電ユニモルフ404aは、その長手方向の一端が左側支持部403cに固定され、他端がジンバル411の上辺411aに連結される。圧電ユニモルフ404bは、その長手方向の一端が左側支持部403cに固定され、他端がジンバル411の下辺411bに連結される。圧電ユニモルフ404cは、その長手方向の一端が右側支持部403dに固定され、他端がジンバル411の上辺411aに連結される。圧電ユニモルフ404dは、その長手方向の一端が右側支持部403dに固定され、他端がジンバル411の下辺411bに連結される。
Claims (7)
- 光ビームを反射させる反射面を有する反射部(31)と、
前記反射部を捻り振動させるための第1回転軸となる第1弾性変形部材(16a,16b,414a,414b)とを備え、
前記第1回転軸を中心にして前記反射部を揺動させることにより、前記反射面により反射された光ビームを走査する光走査装置(1,401)であって、
錘部材(32)と、
前記錘部材が前記第1回転軸を中心にして前記反射部と一体に揺動可能となるように前記錘部材を連結し、温度が高くなるほど前記錘部材の前記第1回転軸周りの慣性モーメントが低くなるように前記錘部材を変位させる連結変位部(34,50)とを備える
ことを特徴とする光走査装置。 - 前記連結変位部(34)は、予め設定された変位平面に沿って前記錘部材を変位させるように構成され、
前記連結変位部が前記錘部材を変位させることにより前記錘部材が前記変位平面に対して垂直方向に変位するのを抑制するように前記錘部材を支持する変位抑制部材(33)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。 - 前記連結変位部は、
前記第1弾性変形部材と同じ材料からなる基板部材(41)と、圧電体(44)を第1電極(45)と第2電極(46)との間で挟んで形成された圧電部材(43)とを積層して構成され、
前記第1電極と前記第2電極との間に、予め設定された一定値の電圧が常時印加される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光走査装置。 - 前記連結変位部(50)は、
前記基板部材と前記圧電部材とを積層して構成された第1積層部材(51)と、前記基板部材と前記圧電部材とを積層して構成された第2積層部材(52)とを備えて、前記第1積層部材および前記第2積層部材により、予め設定された変位平面上に沿って前記錘部材を変位させるように構成され、
前記第1積層部材および前記第2積層部材は、前記変位平面に対して垂直方向に前記基板部材と前記圧電部材が積層され、
前記第1積層部材の前記基板部材と前記第2積層部材の前記基板部材は、前記変位平面に沿って互いに対向するように配置され、
前記第2積層部材の前記圧電部材は、前記第2積層部材の前記基板部材を挟んで前記第1積層部材の前記圧電部材とは反対側に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。 - 前記圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光走査装置。 - 前記第1弾性変形部材(414a,414b)を支持する第1支持部(411)と、
前記第1支持部に連結された弾性変形可能な第2弾性変形部材(413a,413b)を有し、該第2弾性変形部材を第2回転軸として前記第1支持部を揺動可能に支持する第2支持部(403)とを備え、
前記第2回転軸は、前記第1回転軸と交差するように配置され、
前記第2回転軸を中心にして前記第1支持部を揺動させると共に、前記第1回転軸を中心にして前記反射部を揺動させることにより、前記反射面により反射された光ビームを2次元に走査する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の光走査装置(401)。 - 前記第1弾性変形部材(16a,16b)を支持する第1支持部(12)と、
前記第1支持部に連結された弾性変形可能な第2弾性変形部材(15a,15b)を有し、該第2弾性変形部材を第2回転軸として前記第1支持部を揺動可能に支持する第2支持部(11)と、
前記第2支持部に連結された弾性変形可能な第3弾性変形部材(14a,14b)を有し、該第3弾性変形部材を第3回転軸として前記第2支持部を揺動可能に支持する第3支持部(3)とを備え、
前記第2回転軸は、前記第1回転軸と交差するように配置され、
前記第3回転軸は、前記第1回転軸および前記第2回転軸と交差するように配置され、
前記反射部、前記第1支持部、前記第2支持部、前記第3支持部、前記第1弾性変形部材、前記第2弾性変形部材、および前記第3弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捻り振動する3自由度連成振動系を構成し、
前記3自由度連成振動系に前記固有の周期的外力を作用させることにより、前記第3回転軸を中心にして前記第2支持部を揺動させるとともに、前記第2回転軸を中心にして前記第1支持部を揺動させ、さらに前記第1回転軸を中心にして前記反射部を揺動させることにより、前記反射面により反射された光ビームを2次元に走査する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の光走査装置(1)。
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