JP2014087747A - 液間溶質移送装置及び液間溶質移送方法 - Google Patents

液間溶質移送装置及び液間溶質移送方法 Download PDF

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比呂司 瀬野
Yoko Miyazaki
陽子 宮崎
Yoshinori Hisayoshi
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Abstract

【課題】低コストであり、スラリーへの適用性にも優れ、液中の固形分を保持でき、膜の目詰まりを防止できる液間溶質移送装置及び液間溶質移送方法を提供すること。
【解決手段】除去対象となる溶質を含む原液が流通もしくは貯留される原液収容部と、前記溶質の濃度が前記原液よりも低い受容液が流通もしくは貯留される受容液収容部とが、微多孔膜又はイオン交換膜からなる隔膜を介して並設され、前記原液と前記受容液における前記溶質の濃度差を、前記隔膜を介して前記原液から前記受容液へと前記溶質を移動するための移動エネルギーとして、前記原液中の前記溶質を前記受容液中へ移送する液間溶質移送装置及び液間溶質移送。
【選択図】図1

Description

本発明は、液間溶質移送装置及び液間溶質移送方法に関し、より詳しくは、除去対象となる溶質を含む原液と受容液における該溶質の濃度差を、該原液から該受容液へと該溶質を移動するための移動エネルギーとして、該原液中の該溶質を該受容液中へと移送可能にした液間溶質移送装置及び溶質除去方法に関する。
液体中に含まれるイオンを除去し得る方法として、従来、電気透析法、透析法が知られている。
電気透析法は、電位勾配によって被処理液中イオンの電気泳動を行い、被処理液中のイオンをイオン交換膜の透過側に分離する方法である(特許文献1)。この方法は、装置コストや運転コストが高く、特に、被処理液がスラリーの場合は、その対応のために、さらにコストが上昇するという欠点があった。
圧力差を利用する透析法は、透析膜を介して被処理液と透析液とを接触させ、被処理液側を加圧するか、あるいは透析液側を減圧することにより、圧力を利用して、透過側(透析液側)にイオンを分離する方法である。この方法もまた、装置コストや運転コストが高く、また、被処理液がスラリーの場合、高価な透析膜が目詰まりし易いため適用が困難という欠点があった。
特開2004−8851号公報
そこで、本発明の課題は、低コストであり、スラリーへの適用性にも優れ、液中の固形分を保持でき、膜の目詰まりを防止できる液間溶質移送装置及び液間溶質移送方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
除去対象となる溶質を含む原液が流通もしくは貯留される原液収容部と、
前記溶質の濃度が前記原液よりも低い受容液が流通もしくは貯留される受容液収容部とが、
前記溶質が透過可能な微多孔膜又はイオン交換膜からなる隔膜を介して並設されており、
前記原液と前記受容液における前記溶質の濃度差を、前記隔膜を介して前記原液から前記受容液へと前記溶質を移動するための移動エネルギーとして、前記原液中の前記溶質を前記受容液中へ移送可能にしたことを特徴とする液間溶質移送装置。
2.
前記原液収容部が前記隔膜を介して前記受容液収容部に接する膜面区間において、前記原液の滞留時間T(min)と、前記原液の前記隔膜の膜面からの最大離間距離D(mm)とが、D/T≦0.5の条件を満たすように、前記原液を流通もしくは貯留させながら、前記原液中の前記溶質を前記受容液中へ移送するように構成されたことを特徴とする前記1記載の液間溶質移送装置。
3.
前記隔膜は、平膜又は筒状膜であることを特徴とする前記1又は2記載の液間溶質移送装置。
4.
除去対象となる溶質を含む原液と、該溶質の濃度が該原液よりも低い受容液とを、前記溶質が透過可能な微多孔膜又はイオン交換膜からなる隔膜を介して並設すると共に、該原液と該受容液における該溶質の濃度差を、該隔膜を介して該原液から該受容液へと該溶質を移動するための移動エネルギーとして、前記原液中の前記溶質を前記受容液中へ移送することを特徴とする液間溶質移送方法。
本発明によれば、低コストであり、スラリーへの適用性にも優れ、液中の固形分を保持でき、膜の目詰まりを防止できる液間溶質移送装置及び液間溶質移送方法を提供することができる。
本発明に係る液間溶質移送装置の一例を示す概略断面図 本発明に係る液間溶質移送装置の他の例を示す概略断面図 本発明に係る液間溶質移送装置の更なる他の例を示す概略断面図 平膜状の隔膜を備えた液間溶質移送装置の一例を示す説明図 平膜状の隔膜を備えた液間溶質移送装置の他の例を示す説明図 円筒状の隔膜を備えた液間溶質移送装置の一例を示す斜視説明図 図6に示した液間溶質移送装置の縦断面図 円筒状の隔膜を備えた液間溶質移送装置の他の例を示す斜視説明図 図8に示した液間溶質移送装置の縦断面図
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明に係る液間溶質移送装置の一例を示す概略断面図である。
図1において、1は、液間溶質移送装置であり、液間溶質移送装置本体10内に、除去対象となる溶質Sを含む原液が流通又は貯留される原液収容部11と、溶質Sの濃度が原液よりも低い受容液が流通又は貯留される受容液収容部12とを備えている。
111は、原液を原液収容部11に流入する流入口であり、112は、原液収容部11から原液を流出する流出口である。また、121は、受容液を受容液収容部12に流入する流入口であり、122は、受容液収容部12から受容液を流出する流出口である。
原液収容部11と受容液収容部12とは、除去対象となる溶質Sが通過可能な隔膜13を介して並設される。
本発明において、原液収容部11と受容液収容部12とが隔膜13を介して「並設」されるとは、具体的には、隔膜13を介する液流(膜透過流)の形成が防止された状態であることを意味するものである。これを具体的に実現するために、例えば、原液収容部11と受容液収容部12との間の浸透圧分を補償する(相殺する)ように各収容部11、12への流通液量を設定することも好ましいことである。
本発明において、原液収容部11と受容液収容部12は、各収容部11、12における原液と受容液のヘッドが同じ高さとなるように設けられることが好ましく、これにより、隔膜13を介した液流(膜透過流)の生成を抑えて、各収容部11、12の並設状態を好適に保持することができる。ただし、原液と受容液間の浸透圧差によって生じる膜間差圧を減じる目的で、原液と受容液のヘッド差を設定することは好ましいことである。
本発明に用いられる隔膜13としては、除去対象となる溶質Sが透過可能な微多孔膜又はイオン交換膜を用いる。本発明において、微多孔膜としては、MF膜、UF膜又はNF膜等を好ましく例示できる。イオン交換膜としては、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜を好ましく例示でき、除去目的の溶質が電荷を有する場合は、該電荷の極性に応じて、溶質が正電荷を帯びる場合は陽イオン交換膜を、溶質が負電荷を帯びる場合は陰イオン交換膜を選択することも好ましい。
このように構成された液間溶質移送装置1において、原液収容部11に形成された原液による原液流と、受容液収容部12に形成された受容液による受容液流とを、隔膜13を介して平行に接触させると、原液と受容液における溶質Sの濃度差によって、隔膜13を介して原液から受容液へと溶質Sが移動する。
その結果、原液収容部11を流れる原液中の溶質Sを、受容液収容部12を流れる受容液中へと移送せしめ、原液中からの溶質Sの除去、及び、受容液による溶質Sの回収を可能にしている。
本発明によれば、溶質の除去/回収に際して、隔膜として用いられる膜の汎用性が高く、特に安価な微多孔膜等を用いることができるため、低コスト化が可能であり、スラリーへの適用性にも優れ、また、溶質移送処理後まで原液、受容液共に、液中に固形分を好適に保持でき、膜の目詰まりも防止できる効果が得られる。また、溶質は、特に微多孔膜を用いた場合に、その孔を速やかに通過することができるため、移動効率を更に向上することができる。
本発明においては、図1に示したように、原液収容部11の少なくとも片側のみに、分離溶質を受容する液流のための受容液収容部12が設けられればよい。但し、溶質除去/回収効率の更なる向上のために、図2に示すように、原液収容部11の両側に隔膜13を介して受容液収容部12を設けること、更には、図3に示すように、隔膜13を介して原液収容部11及び受容液収容部12を交互に複数積層することも、本発明において好ましいことである。
隔膜13を介しての濃度拡散による溶質Sの移送に伴って、隔膜13の両側の各収容部11、12内では、隔膜13の近傍に濃度勾配が生じはじめる。これに対しては、隔膜13の両側の各収容部11、12内にそれぞれ対流を形成することによって、該収容部11、12内における濃度勾配の形成を防止することが好ましい。
但し、特に原液収容部11内の原液がスラリーなど高粘性流体であるときは、原液収容部11内に対流を作るための所要のエネルギーが大きくなってしまう。このような場合は、原液収容部11内に濃度勾配が形成されたままの状態(原液収容部11内に対流を形成しない状態)で溶質Sの移送を行うことが、結果的に、全体的な所要エネルギーを小さくすることにつながる。
従って、本発明においては、原液から受容液へと溶質Sを移動するための移動エネルギーの多くが、原液と受容液における溶質Sの平均濃度差に基づいていることが好ましい。これは、電気透析法における電位印加(電位勾配)や、透析法における圧力印加のような外部要因による移動エネルギーの供給を実質的に断つことを意味している。具体的には、電位印加(電位勾配)や圧力印加等を行うことなく、隔膜13を介する溶媒の移動をできるだけ抑えることが好ましい。本発明においては、原液から受容液へと溶質Sを移動するための駆動力としては大半、好ましくは95%以上が濃度拡散に基づくことが好ましい。つまり、本発明は、電気泳動や対流による溶質Sの移動は、実質的に意図していない。
本発明においては、原液収容部11が隔膜13を介して受容液収容部12に接する膜面区間において、原液の滞留時間T(min)と、原液の隔膜13の膜面からの最大離間距離D(mm)とが、D/T≦0.5の条件を満たすように、原液を流通もしくは貯留させながら、原液中の溶質Sを受容液中へ移送することにより、特に、流動性の乏しい原液を処理する場合においても、溶質Sの移送効率を向上することができる。
「膜面区間」とは、原液収容部11が筒状の隔膜13を介して受容液収容部12に接する領域のことであり、即ち、溶質Sの移送が行われる実質的な実効領域を指す。
「滞留時間T(min)」とは、膜面区間を流通する原液が、当該膜面区間内に存在し続ける時間である。一例として、ポンプ流量Q(mm/min)、膜面区間における流路の断面積S(mm)及び膜面区間における流路の長さL(mm)とした場合に、滞留時間T(min)は、T=L・S/Qにより算出される。「滞留時間T(min)」は、20min以上の範囲であることが好ましい。
「最大離間距離D(mm)」とは、膜面区間を流通する原液において、膜面と、「膜面からの距離が最大となる位置」との間の直線距離のことである。言い換えれば、膜面区間を流通する原液のどの部位においても、膜面までの直線距離がD(mm)以内であることを意味する。
以下に、「最大離間距離D(mm)」について、具体例を参照して詳しく説明する。
図4は、平膜状の隔膜13を備えた液間溶質移送装置1の一例を示している。
図4において、液間溶質移送装置1は、押さえ板14、カーボンプレート15、原液収容部を構成するスペーサー161、平膜状の隔膜13、受容液収容部を構成するスペーサー162、カーボンプレート15、押さえ板14を順に積層し、外側から不図示のボルトナットで締めた、所謂シングルセルの構成を備えている。
このように、原液収容部11の片側のみに、平膜状の隔膜13を介して受容液収容部12が設けられる場合は、最大離間距離D(mm)は、原液収容部11を構成するスペーサーの厚みに相当する(図7)。
図5は、平膜状の隔膜13を備えた液間溶質移送装置1の他の例を示している。
図5において、液間溶質移送装置1は、押さえ板14、カーボンプレート15、受容液収容部を構成するスペーサー162、平膜状の隔膜13、原液収容部を構成するスペーサー161、平膜状の隔膜13、受容液収容部を構成するスペーサー162、カーボンプレート15、押さえ板14を順に積層し、外側から不図示のボルトナットで締めた構成を備えている。
このように、原液収容部11の両側に、平膜状の隔膜13を介して受容液収容部12が設けられる場合は、両隔膜13からの中間の位置が、「膜面からの距離が最大となる位置」となる。従って、最大離間距離D(mm)は、原液収容部11を構成するスペーサーの厚みの半分の値に相当する。
図6は、円筒状の隔膜13を備えた液間溶質移送装置1の一例を示す斜視説明図であり、図7は、図6の縦断面図である。
図6及び7の例では、円筒状の隔膜13の内部に原液収容部11が設けられ、外部に受容液収容部12が設けられている。172は、受容液を収容する容器である。
この場合、円筒状の隔膜13の中心軸の位置が、「膜面からの距離が最大となる位置」となる。従って、円筒状の隔膜13の内径の半分の値、即ち半径が、最大離間距離D(mm)に相当する。
図8は、円筒状の隔膜13を備えた液間溶質移送装置1の他の例を示す斜視説明図であり、図9は、図8の縦断面図である。
図8及び9の例では、円筒状の隔膜13の外部に原液収容部11が設けられ、内部に受容液収容部12が設けられている。171は、原液を収容する容器である。
この場合、円筒状の隔膜13の外周面と、原液を収容する容器の内壁面との間の距離が最大になる距離が、最大離間距離D(mm)に相当する。
なお、膜面と、「膜面からの距離が最大となる位置」との間に、障害物が存在する場合であっても、最大離間距離D(mm)は、膜面と、「膜面からの距離が最大となる位置」とを結ぶ直線距離とする。
本発明において、最大離間距離D(mm)は、格別限定されないが、1.5mm以上であることが好ましく、2.0mm以上であることがより好ましく、2.1mm以上であることが最も好ましい。原液が局所的に滞留することを防止する観点では、10mm〜15mmの範囲であることが好ましい。
また、原液の原液収容部11における線速は、10mm/秒以下であることが好ましい。
本発明において、被処理液となる原液としては、除去対象となる何らかの溶質を含有するものであれば格別限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点で、固形分を含有するスラリーであることが好ましい。当該固形分は、処理後においても原液中に好適に保持することができる。
スラリーの具体例としては、直径100μm以上の粒子を含有する乳濁液及び又は懸濁液を好ましく例示できる。
また、原液としては、高粘性の液、具体的には粘度が100cp以上の液を好ましく用いることができる。
原液として、具体的には、バイオマス由来成分を含むスラリーを好ましく例示できる。
例えば、バイオマス由来成分を含むスラリーとしては、スラリー化した生ごみ(生ごみペースト)、家畜糞尿等を好ましく例示できる。
また、バイオマス由来成分を含むスラリーをメタン発酵させた後の消化液も原液として好ましく用いることができる。
更に、バイオマス由来成分を含むスラリーをメタン発酵に供する前の前処理としても、本発明を好ましく適用できる。
例えば、豚は、給餌に際して飼料に亜鉛を添加する場合があるため、家畜糞尿が豚の糞尿を含む場合は、比較的多量の亜鉛が含まれ、農地還元等の再利用に際して環境上の問題が大きいが、本発明によれば、このような重金属イオンも好適に除去できる。
また、本発明は、例えば、梅発酵残液等の食品加工残渣からの食塩除去や、焼酎粕濃縮液等の食品加工残渣からのカリウム塩除去にも好ましく用いることができる。もちろん、食品加工残渣に限らず、食品からの減塩等にも好適に用いることができる。
本発明によってイオンが除去された後の原液(処理液)は、例えばハウス栽培用の養液や、家畜用飼料として好適に用いることができる。特に、ハウス栽培用の養液として用いる場合には、ハウス内の土壌が雨に曝されないことによる蓄積塩害を防止できる効果に優れ、家畜用飼料に用いる場合には、家畜の尿管結石の原因となるカリウムを好適に除去できる効果が得られる。
また、本発明によれば、原液中に含まれる多価フェノール類、クエン酸、有機酸類、カリウムイオン等の有価物を、イオンとして受容液中に好適に回収でき、有価物の再利用を効率化することができる。
また更に、本発明では、原液として汚染土壌スラリーを好ましく処理できる。例えば、汚染土壌を水中に分散してスラリー化し、これを原液として、本発明の液間イオン移送装置で処理する。イオン化した汚染物質は受容液中に除去され、処理後の原液(処理液)から除染された土壌成分(固形分)を容易に回収できる。
以上に説明した本発明に係る液間溶質移送の処理例について詳しく説明する。
第1の例において、原液は、隔膜13を通過不可能な粒径を有する1又は複数種の固形物からなる固形物群Xを含有している。
一方、受容液は、隔膜13を通過不可能な粒径を有する1又は複数種の固形物からなる固形物群Xを含有している。ここで、受容液が含有する該固形物群Xは、原液が含有する固形物群Xとは異なる組成を有している。
また、原液は、溶質Sを濃度CS1で含有し、一方、受容液は、該溶質Sを濃度CS2で含有する。ここで、濃度CS2は、濃度CS1よりも低いものである。
これら原液及び受容液に対して、本発明に係る液間溶質移送処理を施すと、原液中の溶質Sの濃度CS1は減少し、受容液中の溶質Sの濃度CS2は増加する。その結果、2液間において、溶質Sの濃度が均質化(等濃度化)される。ここで、均質化(等濃度化)とは、必ずしも完全に等濃度にする場合に限定されず、等濃度に近づくように、処理前よりも濃度差が縮小される場合も含み得る。
また、本発明においては、かかる処理後の原液中には固形物群Xが保持され、受容液中にも固形物群Xが保持される。
このように、本発明は、各々固有の固形物組成を有する2以上の液間において、該固形物組成を各液ごとに保持しながら、溶質のみを各液間で均質化(等濃度化)する場合に好ましく適用できる。
また、第1の例において、更に電位勾配を溶質Sの移動エネルギーとして利用する場合には、溶質濃度の均質化(等濃度化)はもちろんのこと、受容液中の溶質Sの濃度CS2を、原液中の溶質Sの濃度CS1よりも高濃度化する処理も更に容易になる。
また、第2の処理例として、2以上の溶質を液間で相互移送する場合を好ましく例示できる。
この例において、原液は、溶質S’を濃度C’S1で含有し、溶質S’’を濃度C’’S1で含有している。
一方、受容液は、溶質S’を濃度C’S2で含有し、溶質S’’を濃度C’’S2で含有している。
ここで、濃度C’S1>濃度C’S2、且つ濃度C’’S1<濃度C’’S2である場合、これら原液及び受容液に対して、本発明に係る液間溶質移送処理を施すと、原液から受容液への溶質S’の移送と同時に、受容液から原液への溶質S’’の移送が起こる(相互移送)。
その結果、原液中の溶質S’の濃度C’S1は減少し、溶質S’’の濃度C’’S1は増加する。一方、原液中の溶質S’の濃度C’S2は増加し、溶質S’’の濃度C’’S2は減少する。
かかる第2の例においては、上述した原液乃至原液収容部11について説明した構成を、受容液乃至受容液収容部12の構成として好適に適用することができる。
第3の例では、溶質Sの濃度が所定値に維持された原液と、溶質Sの濃度が経時的に変動する受容液を用意する。
これら原液及び受容液を、本発明に係る液間溶質移送処理を施すと、受容液中の溶質Sの濃度が低下した場合に、より多くの溶質Sが原液から移送され、受容液中の溶質Sの濃度が上昇した場合に、より少ない溶質Sが原液から移送されることになる。その結果、処理後の受容液中の溶質Sの濃度を均一化することが可能になる。
本発明において、以上に説明した第1〜3の例に示した処理は、適宜組み合わせることができる。
更にまた、本発明の液間溶質移送装置及び方法は、任意の測定対象液中に含まれる任意の溶質Sの濃度を測定するための濃度測定装置及び方法として応用することができる。
かかる応用例においては、溶質Sの濃度が所定値に維持された原液を用いることが好ましい。
一方、受容液(測定対象液)は、溶質Sを、原液よりも低濃度であるが、正確な濃度が不明な状態で含有している。
これら原液及び受容液を、本発明の液間溶質移送装置及び方法により処理すると、原液中の溶質Sは、受容液中の溶質Sの濃度が小さいほど該受容液中に移送され、受容液中の溶質Sの濃度が大きいほど該受容液中に移送され難くなる。
従って、処理後に、原液中の溶質Sの減少量を測定することで、該減少量から、処理前の受容液に含まれていた溶質Sの濃度を間接的に求めることができる。その際、原液中の溶質Sの減少量と、処理前の受容液に含まれている溶質Sの濃度の対応表(検量線)を予め作成しておき、これを利用することも好ましいことである。
このようにして、液間溶質移送装置に連続的に導入される受容液の濃度を計測できる。特に、受容液の濃度変化を継続的に監視する用途に適している。
また、例えば、受容液中に懸濁物が多く含まれる場合は、該受容液中における溶質Sの濃度を光学的に直接測定することが困難となる。これに対して、本発明によれば、清澄な原液を用意して、該原液中の溶質Sの濃度減少量を光学的に測定することによって、受容液(懸濁液)中における溶質Sの濃度を正確且つ容易に計測できるようになる。
また、溶質Sが光学的に濃度測定困難(溶質Sの発光ないし蛍光特性が濃度測定に不適)なものである場合は、原液中の溶質Sの少なくとも一部又は全部を、あらかじめ放射性同位体による原子置換等によりラベルすることで対応できる。放射能カウンター等のラベル検出手段を用いて、原液中の溶質Sの減少量を測定することによって、受容液における溶質Sの濃度を容易に計測できるようになる。
このように、本発明の液間溶質移送装置及び方法を応用した濃度測定装置及び方法は、受容液中の溶質Sの濃度を直接測定することが困難な場合において、特に顕著な効果を発揮する。
以上の説明では、主に、原液を原液槽に流通させた状態で処理する場合について説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されず、原液を原液槽に貯留した状態(静止した状態)で処理を行ってもよい。受容液についても同様である。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例に限定されない。
図4に示したものと同様の小型シングルセルを用いて、原液としてメタン発酵消化液(粘度:0.3PaS、TS:2.8%、SS:1.3%、最大500μm程度の固形分を含む)中の食塩(ナトリウム(Na)イオン及び塩化物(Cl)イオン)の透過試験を行った。
隔膜として、微多孔膜(MF膜)(ユアサメンブレンシステム社製「ユミクロン」;実施例1〜4、7、及び参考例1)、陰イオン交換膜(旭硝子社製「セレミオンAMV」;実施例5)、又は陽イオン交換膜(旭硝子社製「セレミオンCMV」;実施例6)を使用した。
透過試験において、送液はチューブポンプにより行い、原液送液量(滞留時間)とスペーサー厚の設定によって、表1に示す「D/T比」に調整された。
試験に使用した消化液(原液)及び試験後の液(処理済みの消化液)の性状及び組成を表1に示した。
Figure 2014087747

<評価>
実施例1〜7、及び参考例1の結果より、原液中の溶質(ナトリウム(Na)イオン及び塩化物(Cl)イオン)が効率的に除去されたことがわかる。
特に、「D/T比」が0.5以下である実施例1〜7では、「D/T比」が0.5を超える参考例1と比べて、更に溶質の除去効率に優れることがわかる。
また、何れの実施例においても、原液が最大500μm程度の固形分を含むにもかかわらず、溶質の除去処理を安定して連続的に継続することができた。
1:液間溶質移送装置
10:液間溶質移送装置本体
11:原液収容部
111:原液流入口
112:原液流出口
12:受容液収容部
121:受容液流入口
122:受容液流出口
13:隔膜
S:(原液中から除去対象となる)溶質

Claims (4)

  1. 除去対象となる溶質を含む原液が流通もしくは貯留される原液収容部と、
    前記溶質の濃度が前記原液よりも低い受容液が流通もしくは貯留される受容液収容部とが、
    前記溶質が透過可能な微多孔膜又はイオン交換膜からなる隔膜を介して並設されており、
    前記原液と前記受容液における前記溶質の濃度差を、前記隔膜を介して前記原液から前記受容液へと前記溶質を移動するための移動エネルギーとして、前記原液中の前記溶質を前記受容液中へ移送可能にしたことを特徴とする液間溶質移送装置。
  2. 前記原液収容部が前記隔膜を介して前記受容液収容部に接する膜面区間において、前記原液の滞留時間T(min)と、前記原液の前記隔膜の膜面からの最大離間距離D(mm)とが、D/T≦0.5の条件を満たすように、前記原液を流通もしくは貯留させながら、前記原液中の前記溶質を前記受容液中へ移送するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の液間溶質移送装置。
  3. 前記隔膜は、平膜又は筒状膜であることを特徴とする請求項1又は2記載の液間溶質移送装置。
  4. 除去対象となる溶質を含む原液と、該溶質の濃度が該原液よりも低い受容液とを、前記溶質が透過可能な微多孔膜又はイオン交換膜からなる隔膜を介して並設すると共に、該原液と該受容液における該溶質の濃度差を、該隔膜を介して該原液から該受容液へと該溶質を移動するための移動エネルギーとして、前記原液中の前記溶質を前記受容液中へ移送することを特徴とする液間溶質移送方法。
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