JP2014087125A - 非接触電力伝送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝送効率の低下抑制に対する送電共振コイルと受電共振コイル間の相対角度の尤度が大きく、角度補正手段を用いることなく実用上十分に高い伝送効率の獲得を可能とする。
【解決手段】送電共振コイル3bを含む送電コイルユニット3を有する送電装置1と、受電共振コイル4bを含む受電コイルユニット4を有する受電装置2とを備え、送電共振コイルと受電共振コイルの間の磁界共鳴を介して送電装置から受電装置へ電力を伝送する非接触電力伝送装置。送電共振コイルまたは受電共振コイルのいずれか一方の共振コイルは、立体的に屈曲または湾曲した立体形状を有し、他方の共振コイルは平面形状を有する。立体形状の共振コイルは、コイルの巻き線の屈曲または湾曲部分により規定される部分平面領域が、少なくとも3箇所存在するように構成され、平面形状の共振コイルの平面に対する、各々の部分平面領域の平面の方向が互いに異なっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、送電コイルと受電コイル間の相互作用を介して非接触(ワイヤレス)で電力を伝送する非接触電力伝送装置に関する。
非接触で電力を伝送する方法として、電磁誘導(数100kHz以下)による電磁誘導型、電界または磁界共鳴を介したLC共振間伝送による電界・磁界共鳴型、電波(数GHz)によるマイクロ波送電型、あるいは可視光領域の電磁波(光)によるレーザ送電型が知られている。この中で既に実用化されているのは、電磁誘導型である。これは簡易な回路(トランス方式)で実現可能であるなどの優位性はあるが、送電距離が短いという課題もある。
そこで、最近になって近距離伝送(〜2m)が可能な電界・磁界共鳴型の電力伝送が注目を浴びてきた。このうち、電界共鳴型の場合、伝送経路中に手などを入れると、人体が誘電体であるため、エネルギーを熱として吸収して誘電体損失を生じる。これに対して磁界共鳴型の場合、人体がエネルギーをほとんど吸収せず、誘電体損失を避けられる。この点から磁界共鳴型に対する注目度が上昇してきている。
このような電磁誘導型や磁界共鳴型の構成により非接触で電力を送受電する場合、送電器に対して受電器が適切に配置されていないと、効率良く電力を伝送することは困難である。例えば、特許文献1に記載されているような磁界共鳴型の送受電装置は、電磁誘導を用いた送受電装置よりも比較的位置決め尤度が高いと言われているが、実用上、受電器に対する何らかの位置決め装置が必要である。
特許文献1には、給電施設に設けられた送電コイル(送電共振コイル)から、車両等の移動体に設けられた受電コイル(受電共振コイル)に非接触で電力を供給する際に、送電共振コイルと受電共振コイルの相互の位置関係を適切に調整するための構成が開示されている。すなわち、送電共振コイルの位置を検出するとともに、移動体の位置を検出し、送電共振コイルの位置及び移動体の位置に基づき、送電共振コイルが発生する磁界ベクトルの向きを算出する。これにより、磁界ベクトルの向きに一致するように、送電共振コイルあるいは受電共振コイルの向きを調整することで、任意の位置において高効率で給電を行うことを可能とする。
但し、特許文献1に記載されているような角度補正機構は、自動車等の大型機器には設置を許容出来るが、小型機器の場合は、装置スペースおよび装置コストの観点から、設置を許容できない。一方、小型機器に受電装置を組み込む場合、機器の形状によっては、送電装置の送電共振コイルと受電装置の受電共振コイルの角度が大きく傾く可能性がある。コスト増の許容値が小さい小型の民生機器に関しては、角度に対する尤度が少ない規制部材を配置する事により、コストを抑制した角度設定が可能である。しかし、受電共振コイルを備えた機器を決まった場所に正確に装着する操作を必要とするため、装置使用者の負担が大きい。近年、機器取り扱いに関してはユニバーサル化が叫ばれており、低コストでかつ使用者の負担が小さい機器構成が望まれる。
そこで特許文献2には、受電共振コイルの形状を改良して、小型機器に適した簡単な構成により、電子機器と充電装置の位置関係に関わりなく、効率よく充電を行うことを可能とする方法が開示されている。すなわち、直方体または立方体形状の鉄心(強磁性体コア)の隣接する3面の外周にコイルを巻いて受電共振コイルとし、鉄心各面に垂直な方向に関して電磁誘導により非接触で電力伝送を行うように構成する。
受電共振コイルの巻き線ループは、x軸y軸平面、y軸z軸平面、z軸x軸平面の全ての平面に対して投影面積を有することになる。これにより、x軸、y軸、z軸方向夫々の3軸方向からの電磁界が受電共振コイルのループと必ず交差するため、3軸方向で受電可能となる。すなわち、受電共振コイルの設置時の姿勢に依らない安定した受電が可能である。
特開2010−98896号公報 特開2010−80851号公報
しかしながら、特許文献2のように、受電共振コイルに強磁性体コアを用いた構成において、送電共振コイルにコアを用いない場合には、送電側の磁力線密度が足りず、高効率の送電は期待できない。また、送電共振コイルにコアを用いた場合、コア同士が十分に近接できるコア各面に垂直な方向に関しては高効率での送電が可能であるが、ギャップが大きいと、高効率な送電が困難であることが、一般に知られている。
すなわち、ギャップにより送電側と受電側の磁気抵抗が大きくなり、見掛けの透磁率が大幅に下がるため、コアがない場合と同様に受電側に有効に磁力線を伝達できず、高効率な送電が困難である。
このように、コアを用いた電磁誘導の場合、三次元的にコイルを巻くことで、複数の方向において高効率を得られる可能性はあるが、高効率が得られる方向はコアの形状に依存する。また、特許文献2のような直方体または立方体のコアにおいては、各面に垂直な三方向のみに高効率の得られる方向が限定される。
本発明は、伝送効率の低下抑制に対する送電共振コイルと受電共振コイル間の相対角度の尤度が大きく、角度補正手段を備えることなく実用上十分に高い伝送効率が得られる非接触電力伝送装置を提供することを目的とする。
本発明の非接触電力伝送装置は、送電共振コイルを含む送電コイルユニットを有する送電装置と、受電共振コイルを含む受電コイルユニットを有する受電装置とを備え、前記送電共振コイルと前記受電共振コイルの間の磁界共鳴を介して前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送する。前記送電共振コイルまたは前記受電共振コイルのいずれか一方の共振コイルは、立体的に屈曲または湾曲した立体形状を有し、他方の共振コイルは平面形状を有する。前記立体形状の共振コイルは、コイルの巻き線の屈曲または湾曲部分により規定される部分平面領域が、少なくとも3箇所存在するように構成され、前記平面形状の共振コイルの平面に対する、各々の前記部分平面領域の平面の方向が互いに異なっている。
上記構成の非接触電力伝送装置によれば、一方の共振コイルの立体形状に、少なくとも3箇所の面方向の異なる部分平面領域が存在することにより、送電共振コイルと受電共振コイルの相対角度が変化しても、平面形状の共振コイルに対する投影面積の変化が少なく、電力の伝送効率の変化が少ない相対角度の範囲が拡大される。従って、角度補正手段を備えることなく、実用上十分に高い伝送効率が得られる。これにより、小型で低コストかつ高効率な使い勝手の良い非接触電力伝送装置が得られる。
実施の形態1における非接触電力伝送装置の構成を概念的に示す図 同非接触電力伝送装置を構成する送電コイルユニット及び受電コイルユニットの形状の一例を示す正面図 同非接触電力伝送装置を構成する送電コイルユニットの形状の一例を示す斜視図 同非接触電力伝送装置を構成する受電共振コイルの形状の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図 同非接触電力伝送装置の受電コイルユニットを構成する受電コイルと受電共振コイルを積層配置した屈曲加工前の形状を示す斜視図 同非接触電力伝送装置の図5Aに示した受電コイルと受電共振コイルの積層体を屈曲加工した後の形状を示す斜視図 同非接触電力伝送装置の受電コイルユニットを構成する受電コイル及び受電共振コイルを一枚の基板上に形成した屈曲加工前の形状を示す斜視図 同非接触電力伝送装置の図6Aに示した受電コイル及び受電共振コイルの構造体を屈曲加工した後の形状を示す斜視図 同非接触電力伝送装置における送電コイルユニットに対して受電コイルユニットを傾けたときの、傾き角と電力伝送効率の関係を示す図 同非接触電力伝送装置における受電コイルユニットを傾けるときの回動中心軸の方向を説明する図 同非接触電力伝送装置の送電距離と伝送効率の関係を示す図 実施の形態2における非接触電力伝送装置を構成する送電コイルユニット及び受電コイルユニットの構造及び配置を示す斜視図 同非接触電力伝送装置における送電コイルユニットに対して受電コイルユニットを傾けたときの、傾き角と電力伝送効率の関係を示す図 比較例1の非接触電力伝送装置を構成する送電コイルユニット及び受電コイルユニットの構造及び配置を示す斜視図 同非接触電力伝送装置の受電コイルユニットの傾き角と伝送効率の関係を示す図 比較例2の非接触電力伝送装置を構成する送電コイルユニット及び受電コイルユニットの構造及び配置を示す斜視図 同非接触電力伝送装置の受電コイルユニットの第1方向における傾き角と伝送効率の関係の一例を示す図 同非接触電力伝送装置の受電コイルユニットの第2方向における傾き角と伝送効率の関係の一例を示す図 同非接触電力伝送装置の受電コイルユニットの第3方向における傾き角と伝送効率の関係の一例を示す図 実施の形態3における非接触電力伝送装置送電コイルユニット及び受電コイルユニットの構造及び配置を示す斜視図 同非接触電力伝送装置を構成する受電コイルと受電共振コイルを積層配置した受電コイルユニットの屈曲加工前の形状を示す斜視図 同非接触電力伝送装置の図18Aに示した受電コイル及び受電共振コイルの積層体の屈曲加工後の形状を示す斜視図 同非接触電力伝送装置を構成する受電コイル及び受電共振コイルを一枚の基板上に形成した受電コイルユニットの屈曲加工前の形状を示す斜視図 同非接触電力伝送装置の図19Aに示した受電コイル及び受電共振コイルの構造体を屈曲加工した後の形状を示す斜視図 同非接触電力伝送装置における送電コイルユニットに対して受電コイルユニットを傾けたときの、傾き角と電力伝送効率の関係を示す図
本発明の非接触電力伝送装置は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
すなわち、前記平面形状の共振コイルの平面に対する前記立体形状の共振コイルの投影領域は、前記平面形状の共振コイルの領域内に含まれる構成とすることができる。
また、前記立体形状の共振コイルは、平面形状が六角形のコイルを屈曲または湾曲させた形状であって、前記六角形の1個の頂点に隣接する一対の頂点を結んだ第1対角線、及び前記一対の頂点に隣接する一対の頂点を結んだ第2対角線を境界として屈曲または湾曲した、Z字型の側面形状を有する構成とすることができる。この場合、前記Z字型の側面形状の屈曲または湾曲の角度を90度とすることができる。
また、前記立体形状の共振コイルは、六面体の一頂点の周りで隣接する3面を展開したL字型平面の外形線に沿ったループを、前記六面体の前記3面に沿わせて屈曲させた形状を有する構成とすることができる。
また、前記送電コイルユニット及び前記受電コイルユニットはそれぞれ、基板上に形成された導電層パターンにより構成され、前記立体形状の共振コイルは、前記基板とともに屈曲または湾曲している構成とすることができる。
また、前記送電コイルユニットは、前記送電共振コイル、及び前記送電共振コイルと同様の形状を有し電磁誘導により前記送電共振コイルに給電する給電コイルにより構成され、前記受電コイルユニットは、前記受電共振コイル、及び前記受電共振コイルと同様の形状を有し電磁誘導により前記受電共振コイルから受電する受電コイルにより構成され、前記送電共振コイル及び前記給電コイルは、それぞれ異なる前記基板上に形成されて互いに重ね合わされており、前記受電共振コイル及び前記受電コイルは、それぞれ異なる前記基板上に形成されて互いに重ね合わされており、前記立体形状の共振コイルと組み合わされた前記給電コイルまたは前記受電コイルは、前記基板とともに屈曲または湾曲している構成とすることができる。
また、前記送電コイルユニットは、前記送電共振コイル、及び前記送電共振コイルと同様の形状を有し電磁誘導により前記送電共振コイルに給電する給電コイルにより構成され、前記受電コイルユニットは、前記受電共振コイル、及び前記受電共振コイルと同様の形状を有し電磁誘導により前記受電共振コイルから受電する受電コイルにより構成され、前記送電共振コイル及び前記給電コイルは、同一の前記基板上に前記給電コイルが前記送電共振コイルを包囲するように形成されており、前記受電共振コイル及び前記受電コイルは、同一の前記基板上に前記受電コイルが前記受電共振コイルを包囲するように形成されており、前記立体形状の共振コイルと組み合わされた前記給電コイルまたは前記受電コイルは、前記基板とともに屈曲または湾曲している構成とすることができる。
以下、本発明の実施の形態における非接触電力伝送装置について、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1における非接触電力伝送装置を構成する、送電装置1及び受電装置2の概略構成を示す図である。送電装置1は、給電コイル3aと送電共振コイル3bを組み合わせた送電コイルユニット3を備えている。受電装置2は、受電コイル4aと受電共振コイル4bを組み合わせた受電コイルユニット4を備えている。送電装置1の給電コイル3aには高周波電力ドライバー5が接続され、交流電源(AC100V)6の電力を送電可能な高周波電力に変換して供給する。受電装置2の受電コイル4aには、整流器7を介して負荷の一例として、充電池8が接続されている。
給電コイル3aは、高周波電力ドライバー5から供給される周波数f0の高周波電力により励起され、電磁誘導により送電共振コイル3bに高周波電力を伝送する。送電共振コイル3bは給電コイル3aから出力された高周波電力により磁界を発生させる。送電共振コイル3bに供給された高周波電力は、磁界共鳴により受電共振コイル4bに非接触で伝送される。伝送された高周波電力は、受電共振コイル4bから電磁誘導により受電コイル4aへ伝送され、整流器7により整流されて充電池8に供給される。
なお、給電コイル3a、受電コイル4aは、必ずしも必要ではなく、送電コイルユニット3を送電共振コイル3bのみにより、受電装置2を受電共振コイル4bのみにより構成することも可能である。その場合の送電共振コイル3bに対する給電、及び受電共振コイル4bからの受電には、周知のどのような構成を採ってもよい。
送電共振コイル3bにはキャパシタ9が接続されており、これにより送電共振器が構成される。また、受電共振コイル4bの両端間にもキャパシタ10が接続されており、受電共振器が構成される。キャパシタ9、10は、送電共振器および受電共振器の共振周波数を調整するために設けられる。但し、必ずしも、図示したように回路素子として可変コンデンサを設けた構成には限定されず、固定コンデンサを接続してもよいし、あるいは浮遊容量を利用した構成としてもよい。また受電装置2は、整流器の出力を、DC/DCコンバータにより電圧を調整して供給する構成とすることもできる。
図1に示した非接触電力伝送装置の構成は、基本的には従来例の装置と同様であるが、本実施の形態は、送電コイルユニット3および受電コイルユニット4の構成が、従来例とは異なる特徴を有する。図1では、送電コイルユニット3および受電コイルユニット4の形状は概念的に描かれているが、実際には、以下に説明するような形状を有する。
図2は、本実施の形態の送電コイルユニット3及び受電コイルユニット4の基本的な構成を示す正面図である。送電コイルユニット3の斜視図を、図3に示す。送電コイルユニット3を構成する給電コイル3a及び送電共振コイル3bは、ともに八角形の平面形状のループを形成し、給電コイル3aの上に送電共振コイル3bを重ねて構成されている。給電コイル3aは1ターン、送電共振コイル3bは複数ターン巻かれている。
一方、図2から判るように、受電コイルユニット4は、立体形状を有する。受電共振コイル4bの形状の一例を、図4に示す。同図において、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。受電共振コイル4bは、図4(a)に示すように、基本的には平面形状が六角形であり、頂点11a〜11fを形成している。そして、図4(b)、(c)に示すように、側面形状が例えば、頂点11bと11fを結んだ第1対角線、及び11cと11eを結んだ第2対角線を境界として、Z字型に屈曲した立体形状になっている。屈曲の角度αは、一例としては90度である。受電コイル4aは、受電共振コイル4bと同様な形状と外形寸法を有し、図2に示したように、受電共振コイル4bの外側に沿って配置されている。
上述の立体形状によれば、受電共振コイル4bでは、頂点11b、11d、11fの屈曲部分を挟む各々2本の稜線は、それぞれ異なる3箇所の部分平面領域A〜Cを規定している。例えば部分平面領域Aは、頂点11bの屈曲部分を挟む、稜線11a−11c及び稜線11b−11cにより規定される。これらの部分平面領域A〜Cの平面の方向は、平面形状の送電共振コイル3bの平面に対して互いに異なっている。これによって、後述するような効果が得られる。
また、図2に示したように、平面形状の送電共振コイル3bの平面に対する、立体形状の受電共振コイル4bの投影領域は、送電共振コイル3bの領域内に含まれている。言い換えれば、送電共振コイル3bの平面に垂直な方向で見た受電共振コイル4bの外形寸法は、送電共振コイル3bの外形寸法よりも小さい。
なお、屈曲箇所では、明瞭な角を形成せずに湾曲した状態になっていてもよい。従って、以下の説明で「屈曲」との記載は、湾曲して曲がっている態様も含むものとする。
また、受電共振コイル4b(受電コイル4aも同様)は、あらかじめ屈曲させた基材に線材を沿わせて巻回することにより、湾曲した形状とすることができる。あるいは、製造を容易にするためには、受電コイルユニット4を塑性変形可能な平面基板上に平面コイルとして形成した後、屈曲加工する方法を採ることが望ましい。平面コイルは、例えば、基板上に金属膜を形成し、エッチングによりパターニングした導電層パターンとして作製することができる。そのような態様の例を図5A、図5B、図6A、図6Bに示す。
図5A、図5Bの態様は、受電コイル4aと、受電共振コイル4bをそれぞれ、異なる基板上に形成したものである。図5Aは、屈曲させる前の形状である。受電コイル4aは基板12上に形成され、受電共振コイル4bは基板13上に形成されて、互いに重ねられる。図5Bは、屈曲させた後の形状である。屈曲加工は、例えば図5Aの状態の両共振コイル4a、4bを垂直に立てて、最下点になった頂点11aに隣接する2つの頂点11b、11fを境として、その下側の稜線を手前に90度屈曲させる。更に、最上点になった頂点11dに隣接する2つの頂点11c、11eを境として、その上側の稜線を奥側に90度屈曲させる。
また、受電コイル4aと受電側の負荷とのインピーダンス整合がとれている場合や、受電コイル4aと負荷との間に整合回路を設けている場合は、図6A、図6Bに示すように同じ基板14上に、受電共振コイル4bと受電コイル4aを形成した構成とすることができる。屈曲加工は、図5Bの場合と同様でもよいが、図6Bには、別の態様を示す。すなわち、基板14を水平に載置し、左側の頂点11aに隣接する2つの頂点11b、11fを境として、その左側の稜線を下方に90度屈曲させる。更に、右側の頂点11dに隣接する2つの頂点11c、11eを境として、その右側の稜線を上方に90度屈曲させる。
以上のように、受電共振コイル4bを屈曲あるいは湾曲させた形状とすることにより、送電コイルユニット3に対して、受電コイルユニット4が傾いた状態になったときの伝送効率の劣化を抑制することができる。何故ならば、受電コイルユニット4が傾いても、受電共振コイル4bの送電共振コイル3bに対する投影面積の変化は小さいからである。
すなわち、図4(a)に示したように、受電共振コイル4bには、3つの異なる部分平面領域A〜Cが存在する。これらの部分平面領域A〜Cは、送電共振コイル3bを含む平面に対して、平面の方向が互いに異なる。このため、受電コイルユニット4がどのように傾いても、送電共振コイル3bに対する部分平面領域A〜Cの投影面積には、減少する部分と増大する部分が発生し、受電共振コイル4bの送電共振コイル3bに対する投影面積の変化は小さい。この結果、送電共振コイル3bが形成する磁束が受電共振コイル4bに鎖交する磁束の量は、傾きの変化の影響を受け難くなり、伝送効率の劣化が抑制される。
送電コイルユニット3に対して、受電コイルユニット4を様々な方向の中心軸の周りに回動させたときの伝送効率の変化を比較した結果を、図7Aに示す。図中、凡例の角度θ(=0°,45°,135°)は、図7Bにおける、XY平面上の回動中心軸15とY軸のなす角度θである。給電コイル3aと送電共振コイル3bの外接円の直径はφ70mm、受電コイル4a及び受電共振コイル4bの一辺の長さは20mmとした。
送電コイルユニット3と受電コイルユニット4の距離を、図2に示したように、受電コイルユニット4の上下方向における中央部で測定した平均距離Dmにより表す。平均距離Dm=20mmで一定に維持して、回動中心軸15の周りに受電コイルユニット4を回動させた。図7Aから判るように、いずれの回動中心軸15の周りに回動させても、傾斜角度が±50度以下の範囲内であれば、実質的に一定の伝送効率が得られている。傾斜角度が±50度の範囲を若干超えても同等の効果が得られ、±60度以下であれば、伝送効率の変化幅は実用上十分に範囲に抑制されることが判る。
次に、送電コイルユニット3と受電コイルユニット4の平均距離Dmを変化させて、受電コイルユニット4を傾けたときの電力伝送効率の変化の様子を、図8に示す。平均距離Dmを変化させた値は、図中の凡例に示したとおり、20mm、25mm、30mm、35mmである。この場合、送電コイルユニット3と受電コイルユニット4の平均距離Dmが離れるほど、傾き角度に対する尤度は減少する傾向はあるが、傾き角0度の伝送効率と比べて伝送効率が半分になる角度は、±60度以上である。
なお、上述の構成においては、立体形状を、平面状に形成したコイルを二箇所の境界線で屈曲させて形成した例を示したが、屈曲の境界は、二箇所を超えても良い。
以上のように、本実施の形態によれば、送電共振コイルまたは受電共振コイルのいずれか一方の共振コイルは、立体的に屈曲または湾曲した立体形状を有し、他方の共振コイルは平面形状を有する。立体形状は、コイルの巻き線の屈曲または湾曲部分により規定される部分平面領域が、少なくとも3箇所存在するように構成され、平面形状の共振コイルの平面に対する、各々の部分平面領域の平面の方向が互いに異なるように構成される。
<実施の形態2>
実施の形態2における非接触電力伝送装置について、図9を参照して説明する。非接触電力伝送装置としての構成は、基本的には図1に示した実施の形態1の装置と同様であり、送電コイルユニットおよび受電コイルユニットの構成が、実施の形態1とは相違する。
図9は、送電コイルユニット16及び受電コイルユニット17の構成の一例を示す斜視図である。送電コイルユニット16は立体形状を有し、受電コイルユニット17は平面形状を有して外形が送電コイルユニット16よりも大きい。
給電コイル16a及び送電共振コイル16bは、実施の形態1における受電コイル4a及び受電共振コイル4bと同様の形状を有し、平面形状が六角形で、側面形状がZ字型に屈曲している。屈曲の角度αは、90度である。受電コイル17a及び受電共振コイル17bは、実施の形態1における送電コイルユニット3の給電コイル3a及び送電共振コイル3bと同様の平面形状を有する。
また、平面形状の受電共振コイル17bの平面に対する、立体形状の送電共振コイル16bの投影領域は、受電共振コイル17bの領域内に含まれている。
送電コイルユニット16に対して、受電コイルユニット17を様々な方向の中心軸の周りに回動させたときの伝送効率の変化を比較した結果を、図10に図示する。図中凡例の角度θ(=0°,45°,135°)は、図7Bに示した角度と同様、XY平面上の回動中心軸15とY軸のなす角度θを示している。給電コイル16aと送電共振コイル16bの一辺の長さは20mm、受電コイル17a及び受電共振コイル17bの外接円の直径はφ70mmとした。
送電コイルユニット16と受電コイルユニット17の距離を、図4に示した態様と同様、送電コイルユニット16の上下方向における中央部で測定した平均距離Dmにより表す。平均距離Dmを40mmで一定に維持して、回動中心軸15の周りに受電コイルユニット17を回動させた。
この場合、受電コイルユニット17を50度以上傾けると、送電共振コイル16bと受電共振コイル17bが物理的に干渉してしまうので、±50度の範囲内で測定を行った。測定した範囲では伝送効率の変化はほとんどなかった。
送電コイルユニット16、及び受電コイルユニット17の具体的な構造、屈曲、湾曲のさせ方は、実施の形態1の場合と同様の種々の態様を採ることができる。
<比較例1>
上述の各実施の形態による効果を検証するための、比較例1の非接触電力伝送装置に関する測定について説明する。比較例1の非接触電力伝送装置の基本的な構成は上述の実施の形態と同様であり、送電コイルユニットおよび受電コイルユニットの構成が実施の形態とは異なる。
比較例1の送電コイルユニットおよび受電コイルユニットの構成は、図11に示すとおりとした。この例では、実施の形態1と同様の平面形状の送電コイルユニット3を用い、また、小型の平面形状の受電コイルユニット18を用いた。給電コイル3aおよび送電共振コイル3bの外接円の直径はφ70mm、受電コイル18aおよび受電共振コイル18bの外接円の直径はφ20mmとした。
送電コイルユニット3と受電コイルユニット18の距離を変化させ、また、送電コイルユニット3に対して受電コイルユニット18を傾けたときの、伝送効率の変化の様子を、図12に図示した。
受電コイルユニット18を傾けたとき、実施の形態1〜2の場合とは異なり、電力伝送効率が変化しない領域が存在せず、受電コイルユニット18の傾き角の増大に応じて電力伝送効率が減少する。傾き角0度の場合の伝送効率と比べて伝送効率が半分になる角度は、±50度程度である。従って、上述の各実施の形態の装置の場合の伝送効率は、この比較例1と比べて、受電コイルユニットの傾きによる影響が抑制されていることが判る。
<比較例2>
上述の各実施の形態による効果を検証するための、比較例1の非接触電力伝送装置に関する測定について説明する。比較例2の非接触電力伝送装置の基本的な構成は上述の実施の形態と同様であり、送電コイルユニットおよび受電コイルユニットの構成が、実施の形態とは異なる。
比較例2の送電コイルユニットおよび受電コイルユニットの構成は、図13に示すとおりとした。この例では、実施の形態2と同様、送電コイルユニット19は平面形状が六角形の立体形状であり、受電コイルユニット18が平面形状である。但し、実施の形態2とは異なり、送電コイルユニット19の外形の方が、受電コイルユニット18の外形よりも大きい。
給電コイル19aおよび送電共振コイル19bの一辺は50mm、受電コイル18aおよび受電共振コイル18bの外接円の直径はφ20mmとした。
送電コイルユニット19と受電コイルユニット18の平均距離Dmを変化させ、また、送電コイルユニット19に対して受電コイルユニット18を傾けたときの、電力伝送効率の変化の様子を、図14〜図16に示す。
図13に示したY軸を中心として受電コイルユニット18を回動させたときの、送電コイルユニット19に対する受電コイルユニット18の傾き角と伝送効率の関係を、図14に示す。平均距離Dm=5、10、15、20mmの場合について示した。比較例1の場合と同様に、傾き角0度の場合の伝送効率と比べて伝送効率が半分になる角度は、±50度程度であることが判る。
次に、図13に示したX軸を中心として受電コイルユニット18を回動させたときの、送電コイルユニット19に対する受電コイルユニット18の傾き角と伝送効率の関係を、図15に示す。平均距離Dm=5、10、15、20mmの場合について示した。比較例1の場合と同様に、傾き角0度の場合の伝送効率と比べて伝送効率が半分になる角度は、±50度程度である。
次に、図13に示したX軸からβ=45度傾けた軸を中心として受電コイルユニット18を回動させたときの、送電コイルユニット19に対する受電コイルユニット18の傾き角と伝送効率の関係を、図16に示す。平均距離Dm=5、15、20mmの場合について示した。図14、図15に示した場合と比べて、傾き角依存は若干良好であるが、傾き角0度の場合の伝送効率と比べて伝送効率が半分になる角度は、±60度未満である。
以上のことから、上述の各実施の形態の装置の場合の伝送効率は、比較例2と比べて、受電コイルユニットの傾きによる影響が低減されていることが判る。
<実施の形態3>
実施の形態3における非接触電力伝送装置について、図17、図18A、図18B、図19A、図19Bを参照して説明する。非接触電力伝送装置としての構成は、基本的には図1に示した実施の形態1の装置と同様であり、送電コイルユニットおよび受電コイルユニットの構成が、実施の形態1及び2とは相違する。
図17は、本実施の形態の送電コイルユニット3及び受電コイルユニット20の基本的な構成を示す斜視図である。送電コイルユニット3は実施の形態1の構成と同様であり、給電コイル3a及び送電共振コイル3bは平面形状を有する。受電コイルユニット20は、立体形状を有する。立体形状を形成するための屈曲構造が、実施の形態1とは相違する。
但し、本実施の形態においても、受電コイル20a及び受電共振コイル20bの立体形状は、上述の実施の形態と同様の条件を満足するように設定される。すなわち、受電共振コイル20bの巻き線の屈曲または湾曲部分により規定される部分平面領域が、少なくとも3箇所存在するように構成される。そして、送電共振コイル3bの平面に対する、受電共振コイル20bの各々の部分平面領域の平面の方向が互いに異なるように構成されている。
また、図17に示されるように、平面形状の送電共振コイル3bの平面に対する、立体形状の受電共振コイル20bの投影領域は、送電共振コイル3bの領域内に含まれている。すなわち、送電共振コイル3bの平面に垂直な方向で見た受電共振コイル20bの外形寸法は、送電共振コイル3bの外形寸法よりも小さい。
具体的には、受電コイルユニット20の基本構造は、図17に示すように、六面体の一頂点の周りで隣接する3面の稜線に沿わせて、巻き線のループを形成した形状を有する。より正確には、その3面を展開したL字型平面の外形線に沿ったループを、元の六面体の位置に戻した当該3面に沿わせて屈曲させた状態のコイル形状を有する。
この受電コイルユニット20を作製するには、実施の形態1、2と同様、受電コイルユニット20を塑性変形可能な平面基板上に平面コイルとして形成した後、屈曲加工する方法を採ることが望ましい。そのような態様の例を図18A、図18B、図19A、図19Bに示す。
図18A、図18Bの例は、受電コイル20a及び受電共振コイル20bをそれぞれ、異なる平面基板上に形成したものである。図18Aは、屈曲させる前の形状であり、L字型である。受電コイル20aは塑性変形可能な基板21上に形成され、受電共振コイル20bは塑性変形可能な基板22上に形成されて、互いに重ねられている。図18Bは、屈曲させた後の形状である。屈曲加工は、六面体の3面を画定する稜線のうち、L字型の内部を横切る2箇所の稜線を境界として90度に折り曲げるものである。
受電コイル20aと受電側の負荷とのインピーダンス整合がとれている場合や、受電コイル20aと負荷との間に整合回路を設けている場合、図19A、図19Bに示すように同じ基板23上に、受電共振コイル20bと受電コイル20aを形成しても良い。屈曲加工は、図18Bの場合と同様でよい。
受電コイルユニット20を様々な方向の中心軸の周りに回動させたときの伝送効率を比較した結果を、図20に示す。給電電コイルと給電側共振コイルの直径はφ70、受電コイルおよび受電共振コイルの一辺の長さは20mmである。20mmの距離で送電コイルと受電コイルの平均距離が変化しないようにコイル中心に対して回動させた。
L字型のコイルの内側部分がコイルを折り曲げたときにパターンの折り返し部分となるため、実施の形態1に比べて3ポイントほど効率が低下するが、図示したように、いずれの方向の中心軸の周りに回動させても±60度以上の範囲でほぼ同程度の効率が得られている。
本発明の非接触電力伝送装置によれば、伝送効率の低下抑制に対する送電共振コイルと受電共振コイル間の相対角度の尤度が大きく、角度補正手段を用いることなく実用上十分に高い伝送効率が得られる。従って、携帯電話や補聴器等の小型機器、TVや電気自動車などでの非接触電力伝送に好適である。
1 送電装置
2 受電装置
3、16 送電コイルユニット
3a、16a 給電コイル
3b、16b 送電共振コイル
4、17 受電コイルユニット
4a、17a 受電コイル
4b、17b 受電共振コイル
5 高周波電力ドライバー
6 交流電源
7 整流器
8 充電池
9、10 キャパシタ
11a〜11f 頂点
12、13、14 基板
15 回動中心軸

Claims (8)

  1. 送電共振コイルを含む送電コイルユニットを有する送電装置と、
    受電共振コイルを含む受電コイルユニットを有する受電装置とを備え、
    前記送電共振コイルと前記受電共振コイルの間の磁界共鳴を介して前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送する非接触電力伝送装置において、
    前記送電共振コイルまたは前記受電共振コイルのいずれか一方の共振コイルは、立体的に屈曲または湾曲した立体形状を有し、他方の共振コイルは平面形状を有し、
    前記立体形状の共振コイルは、コイルの巻き線の屈曲または湾曲部分により規定される部分平面領域が、少なくとも3箇所存在するように構成され、
    前記平面形状の共振コイルの平面に対する、各々の前記部分平面領域の平面の方向が互いに異なっていることを特徴とする非接触電力伝送装置。
  2. 前記平面形状の共振コイルの平面に対する前記立体形状の共振コイルの投影領域は、前記平面形状の共振コイルの領域内に含まれる請求項1に記載の非接触電力伝送装置。
  3. 前記立体形状の共振コイルは、平面形状が六角形のコイルを屈曲または湾曲させた形状であって、
    前記六角形の1個の頂点に隣接する一対の頂点を結んだ第1対角線、及び前記一対の頂点に隣接する一対の頂点を結んだ第2対角線を境界として屈曲または湾曲した、Z字型の側面形状を有する請求項1または2に記載の非接触電力伝送装置。
  4. 前記Z字型の側面形状の屈曲または湾曲の角度が90度である請求項3に記載の非接触電力伝送装置。
  5. 前記立体形状の共振コイルは、六面体の一頂点の周りで隣接する3面を展開したL字型平面の外形線に沿ったループを、前記六面体の前記3面に沿わせて屈曲させた形状を有する請求項1または2に記載の非接触電力伝送装置。
  6. 前記送電コイルユニット及び前記受電コイルユニットはそれぞれ、基板上に形成された導電層パターンにより構成され、
    前記立体形状の共振コイルは、前記基板とともに屈曲または湾曲している請求項1〜5のいずれか1項に記載の非接触電力伝送装置。
  7. 前記送電コイルユニットは、前記送電共振コイル、及び前記送電共振コイルと同様の形状を有し電磁誘導により前記送電共振コイルに給電する給電コイルにより構成され、
    前記受電コイルユニットは、前記受電共振コイル、及び前記受電共振コイルと同様の形状を有し電磁誘導により前記受電共振コイルから受電する受電コイルにより構成され、
    前記送電共振コイル及び前記給電コイルは、それぞれ異なる前記基板上に形成されて互いに重ね合わされており、
    前記受電共振コイル及び前記受電コイルは、それぞれ異なる前記基板上に形成されて互いに重ね合わされており、
    前記立体形状の共振コイルと組み合わされた前記給電コイルまたは前記受電コイルは、前記基板とともに屈曲または湾曲している請求項6に記載の非接触電力伝送装置。
  8. 前記送電コイルユニットは、前記送電共振コイル、及び前記送電共振コイルと同様の形状を有し電磁誘導により前記送電共振コイルに給電する給電コイルにより構成され、
    前記受電コイルユニットは、前記受電共振コイル、及び前記受電共振コイルと同様の形状を有し電磁誘導により前記受電共振コイルから受電する受電コイルにより構成され、
    前記送電共振コイル及び前記給電コイルは、同一の前記基板上に前記給電コイルが前記送電共振コイルを包囲するように形成されており、
    前記受電共振コイル及び前記受電コイルは、同一の前記基板上に前記受電コイルが前記受電共振コイルを包囲するように形成されており、
    前記立体形状の共振コイルと組み合わされた前記給電コイルまたは前記受電コイルは、前記基板とともに屈曲または湾曲している請求項6に記載の非接触電力伝送装置。
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