以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[システム構成]
図1は、本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システムの構成の一例を示す図である。図1に示すアドレス情報管理システム1は、画像形成装置10a、10b、10c、10d、10e、・・・10n(以下、それぞれを区別しない場合「画像形成装置10」という。)と管理装置20とルータ30a、30b、30c(以下、それぞれを区別しない場合「ルータ30」という。)とを有する。セグメント(ネットワーク)90はルータ30によって分割されている。ルータ30aはセグメント90aを有し、ルータ30bはセグメント90b1・90bを有し、ルータ30cはセグメント90cを有している。図1に示すように、セグメント90aに属する管理装置20と画像形成装置10a及び10bとは直接(ハブやL2スイッチにより)通信する。管理装置20は、管理装置20が属するセグメント90aと異なるセグメント90b1、90b2、90cに属する画像形成装置10とルータ30を経由して通信する。
アドレス情報管理システム1は、ネットワークに接続されている管理対象の通信端末のアドレス情報を管理するシステムである。またアドレス情報管理システム1は管理する通信端末のアドレス情報が変更された場合、変更されたアドレス情報を予測し、その予測したアドレス情報に対して接続確認を行うことで通信端末の変更後のアドレス情報を管理できる。ここで、本発明の実施の形態においてアドレス情報はIPv6アドレスである。但し、アドレス情報はIPv6アドレスに限らず、例えばIPv4アドレスや機器間の通信に用いる宛先を示す情報であってもよい。
画像形成装置10は、印刷、スキャン、コピー及びファクス(FAX)通信等のうちの二以上の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、いずれか一つの機能を単体で有する機器が画像形成装置10として用いられてもよい。また、本発明の実施の形態における画像形成装置10は、IPv6での通信機能をサポートしている。なお、画像形成装置10は本発明の実施の形態における通信端末の一例であって、画像形成装置10に限らず、IPv6通信機能を有するネットワーク機器、例えばPC(Personal Computer)やスマートフォン等であってもよい。
管理装置20は、画像形成装置10とIPv6で通信する通信機能、IPv6通信に用いられるIPv6アドレスや画像形成装置10を識別するMACアドレス等を管理する情報管理機能及び定期的に画像形成装置10の状態を監視する監視機能等を有する情報処理装置である。機器管理装置20は、例えばPC、PDA(Personal Digital Assistance)、タブレット型端末又はスマートフォン等である。
ルータ30は、異なるセグメント間でパケットを転送する転送機能、転送する際の経路を選択する経路選択機能、特定のパケットを破棄するフィルタ機能、QoS機能及び帯域制御機能等を有する。本発明の実施の形態のルータ30はIPv6通信をサポートしている。なお、ルータ30は、イーサネット(登録商標)により通信する有線LAN通信機能、IEEE802.11規格に準拠する無線LAN通信機能又はその両方の通信機能を備える。
[ハードウェア構成]
<画像形成装置>
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2において、画像形成装置10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、HDD114、及びNVRAM115等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記憶される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記憶される。
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。ネットワークインタフェース16は、有線又は無線LAN等のネットワークに接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記憶されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置10では、ROM113に記憶されたプログラムだけでなく、SDカード80に記憶されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード80が代替されてもよい。すなわち、SDカード80の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット17は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
<管理装置>
図3は、本発明の実施の形態における管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図3の管理装置20は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置200と、補助記憶装置202と、メモリ装置203と、CPU204と、インタフェース装置205と、表示装置206と、入力装置207とを有する。
管理装置20での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従って管理装置20に係る機能を実行する。インタフェース装置205は、有線又は無線LAN等のネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置206は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のユーザに情報を表示出力するハードウェアである。入力装置207は、例えばマウスやキーボード等のユーザからの情報の入力を受け付けるためのハードウェアである。
[動作概要]
本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システム1の動作概要を説明する。
まず本発明の実施の形態においてアドレス情報管理システム1が適用される場面を説明する。
図4は、本発明の実施の形態においてアドレス情報管理システム1が適用される場面の一例を説明するための概要図である。
図4(a)は、図1と同じ構成のシステム構成図である。ここで管理装置20と画像形成装置10aとはルータ30a配下の同一のセグメント90aに属している。アドレス情報管理システム1の有するネットワークが構築された時点で、アドレス情報管理システム1の管理者等により管理装置20に各画像形成装置10のIPアドレスが登録されている。なお、管理装置20が初めに画像形成装置10のIPアドレスを記憶する際に、DNS(DDNS)等を用いてもよい。管理装置20は各画像形成装置10のIPアドレスを宛先アドレスとして定期的に画像形成装置10に対して通信を行い、画像形成装置10の故障発生等の状態を監視している。管理装置20による画像形成装置10の状態の監視は、例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)が用いられる。また、管理装置20は管理対象の画像形成装置10の名称、IPアドレス及びMACアドレスを対応付けて記憶している。IPアドレスはIPv6アドレスである。MACアドレスは画像形成装置10が備えるLANアダプタ(イーサネット(登録商標)カードや無線LANカード)のMACアドレスである。MACアドレスは、例えばSNMPを用いて取得される。なお、管理装置20と同一セグメント内の画像形成装置10のMACアドレスは例えばNDP(Neighbor Discovery Protocol)を用いて取得されてもよい。また、本発明の実施の形態においてIPアドレスは、MACアドレスを用いて図5のように生成される。なお図5に示すIPアドレスの生成方法は、IPv6 Stateless Address Autoconfiguration(IETF RFC4862)に基づく。
図5は、本発明の実施の形態におけるMACアドレスを用いたIPv6アドレスの生成方法を示す図である。図5に示すように、IPv6アドレスはプレフィックス(上位64ビット)とインタフェースID(下位64ビット)とから構成される。ここで例えば、新たに画像形成装置10がルータ30の配下のセグメントに追加される場合のIPv6アドレスが生成される手順を説明する。
まず画像形成装置10のIPv6アドレスのプレフィックスの生成方法を説明する。ルータ30からは定期的にRA(Router Advertisement)パケットがセグメント90に広告される。ルータ30のセグメント90向けインタフェースではRAの設定が有効にされている。RAパケットには、そのセグメント90のプレフィックス等の情報が含まれている。そして、画像形成装置10は、このRAパケットを受信すると、RAパケットに含まれるプレフィックスを取り出す(手順1)。ここで、図5に示すようにRAパケットに含まれるプレフィックスは、「2001:0db8:bd05:a」である。この取り出したプレフィックスが、画像形成装置10のIPv6アドレスのプレフィックスとなる。なお、ルータ30からのRAパケットの送出契機は、ルータ30からの定期的な送出に限らず、画像形成装置10から送信されるRS(Router Solicitation)パケットのルータ30における受信を契機としてもよい。
次に画像形成装置10のIPv6アドレスのインタフェースIDの生成方法を説明する。ここで画像形成装置10のMACアドレスは「00−22−44−66−88−AA」とする。MACアドレスの先頭から24ビット目と25ビット目との間に「FF−FE」を挿入し、「00−22−44−FF−FE−66−88−AA」を得る(手順2)。次いで、先頭から7ビット目を「0」から「1」に反転させた「02−22−44−FF−FE−66−88−AA」をIPv6アドレスの形式にした「0222:44ff:fe66:88aa」が画像形成装置10のIPv6アドレスのインタフェースIDとなる(手順3)。
そして、(手順1)で得られたプレフィックスと(手順3)で生成されたインタフェースIDとを組合せた「2001:0db8:bd05:a:0222:44ff:fe66:88aa」が画像形成装置10のIPv6アドレスとなる(手順4)。
上述した手順により、画像形成装置10のMACアドレスを用いて、画像形成装置10のIPv6アドレスが生成される。
図4に戻り説明する。
図4(b)は、図4(a)から遷移した構成であって、図4(a)においてセグメント90aに属していた画像形成装置10aをルータ30c配下のセグメント90cに移動させた構成のシステム構成図である。図4(b)の例では、管理装置20は定期的に各画像形成装置10に対して接続を確認するための応答要求パケットを送信している。このとき管理装置20は応答要求パケットの宛先アドレスを、図4(a)において取得していた画像形成装置10aのIPアドレスに設定している。そのためセグメント90aに存在しない(IPアドレスが変更された)画像形成装置10aに応答要求パケットは到達せず、画像形成装置10aからの応答がない。したがって、管理装置20は画像形成装置10aのIPアドレスが不明であるとして管理する。但し、LANアダプタ等に固定的に割り当てられる画像形成装置10aのMACアドレスは、図4(a)において取得しているため、図4(b)においても保持されている。また、図4(b)に示す状態では、画像形成装置10aはルータ30cからのRAパケットを受信し、上述した図5に示す方法によってセグメント90cのプレフィックスに対応するIPアドレスを生成している。
本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システム1によれば、図4(b)に示すように管理装置20が画像形成装置10aのIPアドレスを管理できていない状態から、次の(1)〜(4)の動作手順により、管理装置20が変更後の画像形成装置10aのIPアドレスを管理できるようになる。
(1)管理装置20から画像形成装置10aに送信した応答要求パケットがタイムアウトになり、その結果画像形成装置10aの(変更後の)IPアドレスが不明となっている(図4(b)に示す状態)。
(2)管理装置20は指定したルータ30からルータ30が有するインタフェース(セグメント90)に対応するIPアドレス(プレフィックス)を取得する。ここでIPアドレスを取得するルータ30の指定は、例えばホップ数により指定できる。本発明の実施の形態におけるホップ数とは、管理装置20と直接接続するルータ30を基準(ホップ数を「1」)としたとき、他のルータへ最短経路で到着するまでに経由するルータ30の数である。ホップ数が指定されると、指定したホップ数以下のルータ30が有するセグメント90のIPアドレス(プレフィックス)が取得される。
図6は、本発明の実施の形態におけるルータ30からセグメント90のIPアドレスを取得するために指定するホップ数の一例を説明するための概要図である。図6に示すように、管理装置20と直接接続するルータ30aのホップ数を「1」とする。ルータ30aに隣接するルータ30bのホップ数は「2」である。ルータ30bに隣接するルータ30c、30d、30eのホップ数は「3」である。なおルータ30eはルータ30dに接続(隣接)するが、ルータ30aからの最短経路ではないため、ホップ数はルータ30bを経由した経路の「3」となる。そして、管理装置20は、指定したホップ数のルータ30のセグメント90のIPアドレス(プレフィックス)を取得する。図6において例えばホップ数「1」に対応するセグメント90は、ルータ30aが保持するセグメント90a1、90a2である。同様にホップ数「3」に対応するセグメント90は、セグメント90c1、90c2、90d、90eである。なお、指定するホップ数は予め管理者により設定されていてもよいし、例えば、管理装置20において画像形成装置10aへの応答要求のタイムアウト等を契機にアドレス情報管理システム1の監視者等によって都度設定されてもよい。また、IPアドレスを取得する対象のルータ30の指定は直接ルータ30の名称等により指定してもよい。
このようにルータ30の有するセグメント90のIPアドレス(プレフィックス)の取得にあたり、IPアドレスの取得対象のルータ30を指定することにより、例えばマルチキャストの場合に比べ、ネットワークの負荷を大幅に軽減することができる。また、IPv6を用いた環境ではルータ30のフィルタリング機能によりそもそもマルチキャストを非許容と設定されている場合も多いため、このようにルータ30を特定しなければルータ30からIPアドレスを取得できない場合がある。
(3)管理装置20は、上述した(2)でルータ30から取得されたIPアドレス(プレフィックス)と、画像形成装置10aのMACアドレスから図5の方法により生成したインタフェースIDとを合成し、画像形成装置10aのIPアドレスを予測(生成)する。IPアドレスの予測(生成)は、ルータ30から取得したIPアドレス(プレフィックス)の数だけ予測される。
(4)管理装置20は、予測したIPアドレスを宛先アドレスとして応答要求を送信する。そして応答要求に対する応答パケットに含まれる(応答パケットの送信元の)IPアドレスを、画像形成装置10aのIPアドレスとし管理する。一方、応答がなかった場合は、画像形成装置10aを管理対象外とする。なお、応答がなかった場合の管理装置20の動作は、画像形成装置10のIPアドレスを管理対象外として記憶しておく動作に限らず、例えば管理装置20の記憶領域から画像形成装置10aを削除したりしてもよい。
以上の(1)〜(4)の手順により、本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システム1は、画像形成装置10が当初と異なるセグメントに設置されIPアドレスが変更されても、管理装置20が予測した変更後の画像形成装置10のIPアドレスに基づく接続確認を行うことで、画像形成装置10のIPアドレスを管理できる。
[機能構成]
図7は、本発明の実施の形態における管理装置20の機能構成の一例を示す図である。各機能はCPU204(図3)がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
<管理装置>
管理装置20は、応答要求手段221、応答受付手段222、プレフィックス取得ルータ指定手段223、プレフィックス取得手段224、IPアドレス予測手段225、管理対象情報記憶手段226、プレフィックス記憶手段227及び通信手段228等を有する。
応答要求手段221は、定期的(例えば10分周期)に管理装置20の管理対象である画像形成装置10に対して、通信手段228を介して応答要求パケットを送信する。このときの応答要求の宛先アドレスは、管理対象情報記憶手段226に記憶される画像形成装置20のIPアドレスである。また、応答要求手段221は、IPアドレス予測手段225から予測(生成)されたIPアドレスが通知された場合にも、予測されたIPアドレスに基づき応答要求パケットを送信する。応答要求は管理装置20と画像形成装置10との接続性の確認のために画像形成装置10に送信される。応答要求に例えばSNMPが用いられる。なお、応答要求はSNMPに限らず、例えばPingやTCP等が用いられてもよい。また、応答要求には例えば画像形成装置10の装置状態(例えば、「用紙切れ」や「紙詰まり」、「トナー切れ」等)の情報の取得要求を含めてもよい。
応答受付手段222は、応答要求手段221が送信した応答要求に対する画像形成装置10の応答を、通信手段228を介して受け付ける。応答受付手段222は、画像形成装置10からの応答パケットを受信すると、接続性が確認されたとして管理装置20は次の応答要求の送信に対する応答を受け付けるまで待機する。一方、応答要求の送信後、所定の時間内(例えば30秒間)に応答を受け付けることができず応答タイムアウトが検出された場合、応答受付手段222は管理対象情報記憶手段226に記憶される応答タイムアウトが検出された画像形成装置10に対応するIPアドレスの項目を「N/A」に書き換える。そして、応答受付手段222は、プレフィックス取得ルータ指定手段223に、応答要求がタイムアウトしたことを通知する。また、IPアドレス予測手段225により予測されたIPアドレスに基づき送信された応答要求のタイムアウトが検出されると、応答受付手段222は管理対象情報記憶手段226に記憶される管理対象を示す情報を、管理対象外を示す情報に変更する。
管理対象情報記憶手段226は、管理装置20が管理する対象の画像形成装置10に関する情報を記憶する。
図8は、本発明の実施の形態における管理対象情報記憶手段226に記憶される情報の一例を示す図である。図8に示すように、管理対象情報記憶手段226には「管理ID」と「装置名」と「IPアドレス」と「MACアドレス」と「管理対象フラグ」とが含まれる。「管理ID」は管理対象情報記憶手段226において一意に割り当てられる管理対象の装置(画像形成装置10)を識別するIDである。「装置名」は管理装置20が管理する対象の画像形成装置10の名称であり、いわゆるホスト名である。「装置名」は任意に設定・変更可能であり、管理者や監視者等が識別しやすい名称であることが望ましい。「IPアドレス」は128ビットのIPv6アドレスであり、画像形成装置10において図5に示す生成方法により生成されたものである。また「IPアドレス」は、応答要求に対する応答が画像形成装置10からなかった場合「N/A」に変更される。「MACアドレス」は画像形成装置10のLANアダプタに設定されているMACアドレスである。「MACアドレス」は一度記憶されてからは保持され続ける。「管理対象フラグ」は管理装置20が管理対象である画像形成装置10であるか否かを識別する情報であり、管理「対象」又は「対象外」が設定される。なお、「管理対象フラグ」が変更(「対象」から「対象外」)される契機は、応答要求のタイムアウト検出後、IPアドレス予測手段225により予測されたIPアドレスに対する応答要求がタイムアウトしたときである。よって、図8に示す管理ID「1」の画像形成装置10aでは当初記憶していたIPアドレスに基づき送信した応答要求がタイムアウトしたが、予測されたIPアドレスに対する応答要求のタイムアウトが検出される前の状態である。一方、管理ID「4」の画像形成装置10dでは、予測されたIPアドレスに基づく応答要求のタイムアウトが検出された状態である。なお、管理対象情報記憶手段226には、例えばSNMPを用いて取得する装置状態を示す情報(例えば、「用紙切れ」や「紙詰まり」、「トナー切れ」等)が記憶されてもよい。
プレフィックス取得ルータ指定手段223は、応答受付手段222から画像形成装置10に送信した応答要求がタイムアウトしたことの通知を受けると、ホップ数(図6参照)を指定し、ルータ30の有するインタフェース(セグメント90)毎のIPアドレス(プレフィックス)の取得処理の実行をプレフィックス取得手段224に要求する。ここで、プレフィックス取得ルータ指定手段223により指定されるホップ数は、管理者等により予め指定されていてもよいし、監視者等により応答受付手段222からのタイムアウト検出の通知の受付時に指定するようにしてもよい。
プレフィックス取得手段224は、プレフィックス取得ルータ指定手段223により指定されたホップ数以下のルータ30から、ルータ30が有するセグメント90のIPアドレス(プレフィックス)を取得する。なお、ルータ30が有するインタフェース(セグメント90)のIPアドレスは、ルータ30においてアドレス情報管理システム1のネットワーク構築時等に管理者等により設定されており、ルータ30のMIB(Management Information Base)情報として記憶されている。そして、管理装置20はSNMPを用いて、ルータ30のMIB情報(ルータ30が有するセグメント90のIPアドレス)を取得できる。プレフィックス取得手段224は、指定されたホップ数以下のルータ30から、ルータ30が有するセグメント90のIPアドレスを取得すると、プレフィックス記憶手段227に記憶する。そして、プレフィックス取得手段224は、IPアドレス予測手段224に、取得したセグメント90のIPアドレスに基づく画像形成装置10のIPアドレスの予測(生成)処理の実行を要求する。
プレフィックス記憶手段227は、プレフィックス取得手段224により取得されたルータ30が有するセグメント90のIPアドレスを記憶する。
図9は、本発明の実施の形態におけるプレフィックス記憶手段227に記憶される情報の一例を示す図である。図9に示すように、プレフィックス記憶手段227には、「管理ID」と「ルータ名」と「IPアドレス」とが含まれる。「管理ID」はプレフィックス記憶手段227において一意に割り当てられる管理対象の装置を識別するIDである。「ルータ名」はルータ30の名称(ホスト名)であり、任意に設定や変更が可能である。「IPアドレス」はルータ30のインタフェースに設定されているセグメント90毎のIPv6アドレス(プレフィックス)である。図9に示すように、例えばルータ30bが複数のセグメント90を有している場合は「2001:0db8:bd05:b1::/64」及び「2001:0db8:bd05:b2::/64」のIPアドレスを有する。
IPアドレス予測手段225は、プレフィックス取得手段224からのタイムアウトを検出した画像形成装置10のIPアドレスの予測処理の実行要求を受け付けると、画像形成装置10のIPアドレスの予測(生成)処理を実行する。予測するIPアドレスは、プレフィックス記憶手段227に記憶されるプレフィックス取得手段224が取得したIPアドレス(プレフィックス)と、管理対象情報記憶手段226に記憶される要求応答に対する応答がなかった画像形成装置10のMACアドレスとを用いて生成される。予測するIPアドレスのプレフィックスには、プレフィックス記憶手段227に記憶されるプレフィックス取得手段224が取得したIPアドレス(プレフィックス)が用いられる。予測するIPアドレスのインタフェースIDは、図5に示すインタフェースIDの生成の方法に基づき、管理対象情報記憶手段226に記憶されるMACアドレスから生成される。予測するIPアドレスの生成処理は、プレフィックス取得手段224により取得されたルータ30が有するセグメント90のIPアドレスそれぞれに対して実行される。IPアドレス予測手段225は、応答要求手段221に予測したIPアドレスに対する応答要求パケットの送信処理を要求する。
通信手段228は、通信手段226はインタフェース装置205(図3)を制御し、直接又はルータ30を介して画像形成装置10とデータの送受信を行う。通信手段228は、画像形成装置10に応答要求パケット等を送信したり、画像形成装置10から送信される応答パケット等を受信したりする。通信手段228が用いる通信規格は、例えばIEEE802.3規格に準拠するイーサネット(登録商標)又はIEEE802.11規格に準拠する無線LANである。
<画像形成装置>
図10は、本発明の実施の形態における画像形成装置10の機能構成の一例を示す図である。各機能はCPU111(図2)がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
画像形成装置10は、RAパケット処理手段121、IPアドレス生成手段122、応答要求受付手段123、応答手段124、装置情報記憶手段125及び通信手段126等を有する。
RAパケット処理手段121は、通信手段126を介して接続するルータ30から送信されるRAパケットを受信すると、IPアドレス生成手段122にIPアドレスの生成処理の実行を要求する。RAパケットには、ルータ30のインタフェースに設定されているIPv6プレフィックスの情報が含まれている。
IPアドレス生成手段122は、RAパケット処理手段121からのIPアドレスの生成処理の実行要求を受け付けると、RAパケットに含まれるプレフィックスと自機のMACアドレスとを用いて図5に示す方法によりIPアドレスを生成する。IPアドレス生成手段122は、生成したIPアドレスを装置情報記憶手段125に記憶する。
装置情報記憶手段125は、IPアドレス生成手段122により生成された画像形成装置10のIPアドレス及び自機が備えるLANアダプタのMACアドレス等を記憶する。
応答要求受付手段123は、管理装置から送信される応答要求を、通信手段126を介して受け付けると、応答パケットの送信処理を応答手段124に要求する。
応答手段124は、応答要求受付手段123からの処理要求に基づき、自機のIPアドレスを含む応答パケットを生成し、通信手段126を介して送信する。なお、応答パケットには自機の装置状態(例えば「用紙切れ」等)を含めてもよい。
通信手段126は、ネットワークインタフェース16(図2)を制御し、直接又はルータ30を介して管理装置20とデータの送受信を行う。通信手段126は、ルータ30から送信されるRAパケットや管理装置20から送信されるや応答要求パケット等を受信したり、管理装置20に応答パケットを送信したりする。通信手段126が用いる通信規格は、例えばIEEE802.3規格に準拠するイーサネット(登録商標)又はIEEE802.11規格に準拠する無線LANである。
[動作手順]
本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システム1の動作手順について図11及び図12を用いて説明する。
図11は、本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システム1の通常時の動作手順の一例を示すシーケンス図である。ここで通常時とは、管理装置20において管理される各画像形成装置10のIPアドレスに対して、管理装置20から応答要求パケットが送信され、画像形成装置10から管理装置20に応答パケットが送信される場合である。また図11に示す画像形成装置10、管理装置20及びルータ30の接続構成は、図4(a)に対応している。すなわち管理装置20及び画像形成装置10aはルータ30aにより分割されたセグメント90aに属しており、画像形成装置10eはルータ30cにより分割されたセグメント90cに属している。
S101:ルータ30aは定期的にセグメント90aのプレフィックスを含むRAパケットを送信している。ここでルータ30aから送信されるRAパケットに含まれるセグメント90aのプレフィックスは「2001:0db8:bd05:a::/64」である。同様にルータ30cからセグメント90cのプレフィックス「2001:0db8:bd05:c::/64」を含むRAパケットが送信されている。
S102:画像形成装置10aがセグメント90aに接続されると、画像形成装置10aはRAパケットを受信する。そして画像形成装置10aはRAパケットに含まれるプレフィックスと画像形成装置10aのMACアドレス(「00−22−44−66−88−AA」)とを用いて、図5に示す手順により、画像形成装置10aのIPアドレス「2001:0db8:bd05:a:0222:44ff:fe66:88aa」を生成する。画像形成装置10eについても同様な方法でIPアドレスを生成する。生成したIPアドレスは、管理者等により管理装置20の管理対象情報記憶手段226に記憶される。
S103:管理装置20の応答要求手段221は画像形成装置10との接続性の確認のため、管理対象情報記憶手段226に記憶される画像形成装置10のIPアドレスを宛先アドレスに設定した応答要求パケットを生成する。応答要求手段221が応答要求パケットを生成すると、通信手段228に応答要求パケットの送信処理の実行を要求する。
S104:通信手段228は応答要求パケットを送信する。管理装置20と画像形成装置10aとは同一のセグメント90aに属しているため、画像形成装置10aのIPアドレスが宛先アドレスに設定された応答要求パケットは、管理装置20から画像形成装置10aに直接送信される。同様に、画像形成装置10eのIPアドレスが宛先アドレスに設定された応答要求パケットは、ルータ30の保持する経路情報に基づき、ルータ30a・30b・30cを介してセグメント90cに属する画像形成装置10eに送信される。なお、管理対象情報記憶手段226に記憶される他の管理対象のIPアドレスに対しても同様に応答要求が送信される。
S105:画像形成装置10aが応答要求パケットを受信すると、応答手段124は応答パケットを生成する。応答手段124が応答パケットを生成すると、通信手段126に応答パケットの送信処理の実行を要求する。画像形成装置10eについても同様な処理が実行される。
S106:通信手段126は応答パケットを送信する。
S107:管理装置20の応答受付手段222が画像形成装置10a・10eからの応答パケットを受信すると、応答パケットを解析する。応答パケットの受信により管理装置20と画像形成装置10a・10eとの接続が確認されたため、次回の応答パケットの受信まで待機する。
なお、ステップS103〜S107の処理は定期的(例えば10分周期)に繰り返される。
上述した動作手順により本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システム1は、管理対象の画像形成装置10のIPアドレスを管理できる。
次に、図4(a)又は図11に示すセグメント90aに属する画像形成装置10aがルータ30c配下のセグメント90cに接続された場合(図4(b)参照)、すなわち画像形成装置10aのIPアドレスが変更された場合のアドレス情報管理システム1の動作手順について図12を用いて説明する。
図12は、本発明の実施の形態における画像形成装置10のIPアドレスが変更された場合のアドレス情報管理システム1の動作手順の一例を示すシーケンス図である。
S201:ルータ30cは定期的にセグメント90cのプレフィックス「2001:0db8:bd05:c::/64」を含むRAパケットを送信している。
S202:画像形成装置10aがセグメント90cに接続されると、画像形成装置10aはRAパケットを受信する。そして画像形成装置10aはRAパケットに含まれるプレフィックスと画像形成装置10aのMACアドレス(「00−22−44−66−88−AA」)とを用いて、図5に示す手順により、画像形成装置10aのIPアドレス「2001:0db8:bd05:c:0222:44ff:fe66:88aa」を生成する。
S203:管理装置20の応答要求手段123は応答要求パケットを生成する。ここで画像形成装置10aの宛先アドレスは図11の場合(セグメント90aに属している場合)の「2001:0db8:bd05:a:0222:44ff:fe66:88aa」として設定される。
S204:通信手段228は応答要求パケットを送信する。画像形成装置10aの宛先アドレスは、セグメント90aに属していたときのIPアドレスであるため、画像形成装置10aは応答要求パケットを受信できない。一方、画像形成装置10eのIPアドレスは変更されておらず、画像形成装置10e宛の応答要求パケットは画像形成装置10eにおいて受信される。
S205:画像形成装置10eが応答要求パケットを受信すると、応答手段124は応答パケットを生成し、通信手段126に応答パケットの送信処理の実行を要求する。
S206:画像形成装置10eの通信手段126は応答パケットを送信する。
S207:管理装置20の応答受付手段222が画像形成装置10eからの応答パケットを受信すると、応答パケットを解析する。応答パケットの受信により管理装置20と画像形成装置10eとの接続が確認されたため、次回の応答パケットの受信まで待機する。
S208:管理装置20の応答受付手段222は、所定の時間内(例えば30秒)に画像形成装置10a宛てに送信した応答要求に対する応答を受け付けておらず、応答タイムアウトが検出される。応答受付手段222は、管理対象情報記憶手段226に記憶される画像形成装置10aのIPアドレスの項目を「N/A」に変更する。そして応答受付手段222は、プレフィックス取得ルータ指定手段223に画像形成装置10aに対する応答要求の応答タイムアウトが検出されたことを通知する。
S209:プレフィックス取得ルータ指定手段223は、応答タイムアウトが通知されるとセグメント90のプレフィックスの取得対象とするルータ30を指定するため、ホップ数を指定する。ここでホップ数は例えば「3」と指定される。すなわち管理装置20と接続するルータ30aを起点(ホップ数「1」)とし、ルータ30cまでのルータ30がセグメント90のプレフィックスの取得対象となる。またこの場合、ホップ数は予め設定されている。但し、ホップ数は任意のパラメータであり、都度指定されてもよい。そしてプレフィックス取得ルータ指定手段223は、指定されたホップ数「3」をプレフィックス取得手段224に通知する。
S210:プレフィックス取得手段224は指定されたホップ数に基づき、ホップ数「3」以下の範囲内のルータ30のプレフィックスを例えばSNMPを用いて取得する。なお、管理装置20はルータ30のIPアドレスをアドレス情報管理システム1のネットワーク構築時に管理者等により登録されている。
S211:ホップ数「3」以下のルータ30a、30b、30cは、管理装置20からのプレフィックスの取得要求を受け付けると、それぞれが有するインタフェース(セグメント)のIPアドレス(プレフィックス)を含む応答を送信する。ここで例えば、ルータ30aから「2001:0db8:bd05:a::/64」(セグメント90aのプレフィックス)、ルータ30bから「2001:0db8:bd05:b1::/64」(セグメント90b1のプレフィックス)及び「2001:0db8:bd05:b2::/64」(セグメント90b2のプレフィックス)、ルータ30cから「2001:0db8:bd05:c::/64」(セグメント90cのプレフィックス)のIPアドレス(プレフィックス)を取得する。
管理装置20のプレフィックス取得手段224は、ルータ30a、30b、30cからそれぞれが有するセグメント90のプレフィックスを取得すると、取得したプレフィックスをプレフィックス記憶手段227に記憶する。プレフィックス取得手段224は、IPアドレス予測手段225に、画像形成装置10aのIPアドレスの予測処理の実行を要求する。
S212:IPアドレス予測手段225は、プレフィックス取得手段224により取得された各セグメント90のプレフィックスと、管理対象情報記憶手段226に記憶される画像形成装置aのMACアドレスとを用いてIPアドレスを予測(生成)する。その結果、次のIPアドレスが予測(生成)される。
−「2001:0db8:bd05:a:0222:44ff:fe66:88aa」
−「2001:0db8:bd05:b1:0222:44ff:fe66:88aa」
−「2001:0db8:bd05:b2:0222:44ff:fe66:88aa」
−「2001:0db8:bd05:c:0222:44ff:fe66:88aa」
そしてIPアドレス予測手段225は、応答要求手段221に、予測されたIPアドレスが宛先アドレスに設定される応答要求の生成処理を要求する。
S213:応答要求手段221は、予測されたIPアドレスが宛先アドレスに設定された応答要求パケットを生成し、通信手段228に応答要求パケットの送信処理を要求する。
S214:画像形成装置10aにはステップS202で生成されたIPアドレスが設定されている。したがって、画像形成装置10aは、ステップS202で生成されたIPアドレスと一致する予測されたIPアドレス「2001:0db8:bd05:c:0222:44ff:fe66:88aa」を宛先アドレスとした応答要求パケットを受信する。
S215:画像形成装置10aの応答手段124は応答パケットを生成する。応答手段124は、通信手段126に応答パケットの送信処理の実行を要求する。
S216:通信手段126は応答パケットを送信する。
S217:管理装置20の応答受付手段222が画像形成装置10aからの応答パケットを受信すると、応答パケットに含まれている送信元である画像形成装置10aのIPアドレスを管理対象情報記憶手段226に記憶する。
一方、ステップS214において、例えば予測されたIPアドレスと画像形成装置10aに設定されているIPアドレスとが一致しない場合、すなわち画像形成装置10aからの応答がなくタイムアウトとなる場合、管理対象情報記憶手段226に記憶される画像形成装置aの「管理対象フラグ」は管理「対象外」に変更される。なお、この場合、例えば画像形成装置aの情報を削除等してもよい。
上述した動作手順により本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システム1は、画像形成装置10が当初存在していたセグメントと異なるセグメントに変更された場合においても、変更された画像形成装置10のIPアドレスを予測し、この予測したIPアドレスに基づく接続確認により適切かつ効率的に画像形成装置10のIPアドレスを管理できる。
[処理手順]
図13は、本発明の実施の形態において画像形成装置10のIPアドレスが不明となったときの管理装置20の処理手順の一例を示すフローチャート図である。
図13の初期状態では管理装置20は画像形成装置10aと通信できている状態である。そのため、管理装置20の管理対象情報記憶手段226には、画像形成装置10aのMACアドレスが記憶されている。
S11:管理装置20の応答要求手段221によって定期的に応答要求が管理対象の画像形成装置10に送信されている。図13の例では、応答受付手段222は画像形成装置10aへの応答要求に対する応答を所定の時間内(例えば30秒)に受信していないため、応答タイムアウトを検出する。すなわち、管理装置20において画像形成装置10aのIPアドレスが不明であり、画像形成装置10aが当初と異なるセグメント90に接続された可能性があることを示している。
S12:プレフィックス取得ルータ指定手段223は、画像形成装置10aの変更後のIPアドレスの予測に用いるルータ30が有するセグメント90のプレフィックスを取得するため、画像形成装置10aが接続している可能性があるルータ30をホップ数として指定する。ここでホップ数は予め指定されており、ステップS11において応答タイムアウトを検出すると自動的にプレフィックスの取得処理が実行される。なお、ホップ数は応答タイムアウト検出を契機に、管理者や監視者等により指定できるようにしてもよい。
S13:プレフィックス取得手段224は、指定されたホップ数以下のルータ30からルータ30の有するセグメント90のプレフィックスを取得する。ルータ30は隣接する他のルータ30のIPアドレスを経路情報として保持している。そのため管理装置20は、管理装置20と直接接続するルータ30(ホップ数「1」)から次のホップ数のルータ30へと順繰りにIPアドレスを取得できる。
S14:IPアドレス予測手段225は、画像形成装置10aの変更後のIPアドレスの予測に用いるインタフェースIDを生成するため、管理対象情報記憶手段226から応答タイムアウトが検出された画像形成装置10aのMACアドレスを取得する。
S15:IPアドレス予測手段225は、画像形成装置10aのMACアドレスを、図5に示す(手順2)、(手順3)に基づき、画像形成装置10aの変更後のIPアドレスの予測に用いるインタフェースIDを生成する。
S16:IPアドレス予測手段225は、ステップS13において取得されたセグメント90のプレフィックスと、ステップS15において生成したインタフェースIDとを合成し、変更後の画像形成装置10aのIPアドレスを予測(生成)する。
S17:応答要求手段225は予測した変更後の画像形成装置10aのIPアドレスに対して応答要求パケットを送信する。ここで、予測されたIPアドレスが複数ある場合は一斉又は所定の時間差で応答要求パケットを送信する。
S18:応答受付手段222は応答要求の送信後、所定の時間内(例えば30秒)に、画像形成装置10aからの応答パケットを受信するか否か、すなわちタイムアウトを検出するか否かを判定する。
S19:応答受付手段222が所定の時間内に応答パケットを受信した場合(ステップS18においてYES)、すなわち予測したIPアドレスが画像形成装置10aのIPアドレスと一致した場合、応答パケットに含まれる画像形成装置10aのIPアドレスを管理対象情報記憶手段226に記憶する。これにより管理装置20は変更後の画像形成装置10aのIPアドレスを管理し、このIPアドレスに基づいて画像形成装置10aと通信できる。
S20:一方、応答受付手段222が所定の時間内に応答パケットを受信しなかった場合(ステップS18においてNO)、すなわち予測したIPアドレスが画像形成装置10aのIPアドレスと一致しなかった場合、セグメント90のプレフィックスの取得対象のルータ30を拡大するか否かが判定される。なお、取得対象のルータ30を拡大するか否かの判断は、管理者や監視者等に選択させてもよいし、予めホップ数の上限値を定め上限に達するまで繰り返すようにしてもよい。
S21:セグメント90のプレフィックスの取得対象のルータ30を拡大する場合(ステップS20においてYES)、「1」カウントアップされたホップ数を指定する。カウントアップされたホップ数が指定されると、ステップS13のプレフィックスの取得処理が実行される。なお、既にセグメント90のプレフィックスを取得したルータ30からはプレフィックスを取得しないようにしてもよい。これによりネットワークの負荷を軽減することができる。
S22:ステップS20においてセグメント90のプレフィックスの取得対象のルータ30を拡大しない場合(ステップS20においてNO)、管理対象情報記憶手段226に記憶される画像形成装置10aを管理対象外に設定する。これにより管理装置20は応答要求パケットの画像形成装置10aへの送信を停止する。
上述した処理手順により本発明の実施の形態のアドレス情報管理システム1は、管理する画像形成装置10のIPアドレスが変更になったとしても、変更後のIPアドレスを予測しその予測したIPアドレスに対する接続を確認することにより画像形成装置10のIPアドレスを効率的かつ適切に管理できる。
また、本発明の実施の形態によれば、マルチキャストを用いてIPアドレスが変更された画像形成装置10を発見する場合に比べ、ネットワークで発生するトラフィックを抑えることができ、ネットワーク負荷を軽減できる。また、ルータ30においてマルチキャストを許容しない設定がされている場合においても、管理装置20は画像形成装置10に応答要求パケットを送信でき、画像形成装置10を安定的に管理できる。
また、本発明の実施の形態によれば、DNS(DDNS)を用いてIPアドレスが変更された画像形成装置10を発見する場合に比べ、変更後のIPアドレスをDNSサーバにおいて管理する手間を省け、運用コストを削減できる。
[変形例]
本発明の実施の形態の変形例では、複数のセグメント90のプレフィックスが取得された場合、すなわち複数のIPアドレスが予測される場合、取得したプレフィックス毎にIPアドレスを予測(生成)し、その予測されたIPアドレスに対して接続確認(応答要求の送信)を行う。つまり取得したプレフィックスの数だけIPアドレスの予測、接続確認の処理が繰り返される。
図14は、本発明の実施の形態の変形例において画像形成装置10のIPアドレスが不明となったときの管理装置20の処理手順の一例を示すフローチャート図である。なお、図14において図13の処理と同一の処理は図13と同一のステップ番号を付与しており、詳細な説明は省略する。
S31:セグメント90のプレフィックスが取得され(S13)、画像形成装置10aのMACアドレスからインタフェースIDが生成されると(S15)、IPアドレスの予測のために選択されていないプレフィックスが存在するか否かが判定される。初回の予測時は未選択のルータが存在するため「YES」のルートになる。プレフィックスが複数取得された場合の二回目以降は、取得されたプレフィックスの数とIPアドレスの予測の回数とに基づき判定される。ここで選択されていないプレフィックスが存在しない場合(NO)、図13と同様のステップS20の処理が実行される。
S32:IPアドレスの予測のために選択されていないプレフィックスが存在する場合(ステップS31においてYES)、未選択のプレフィックスのうちホップ数の最も小さいルータ30が有するセグメント90のプレフィックスが選択される。そして、次に実行されるステップS16では選択したプレフィックスをプレフィックスとして、IPアドレスが予測される。
S33:予測されたIPアドレスに対する応答要求パケットの送信後、所定の時間内に応答があるか否かが判定される。ここで所定の時間内に応答がある場合(YES)、図13の場合同様にステップS19の処理が実行される。一方、所定の時間内に応答がない場合(NO)、ステップS31の処理が実行され、未選択のプレフィックスが存在するか否かが判定される。
上述した処理手順により本発明の実施の形態の変形例におけるアドレス情報管理システムは、取得した複数のセグメント90のプレフィックスに順次応答要求パケットを送信するため、複数のプレフィックスに同時に送信する場合に比べネットワークの負荷を軽減できる。
[その他の変形例]
なお、本発明の実施の形態におけるアドレス情報管理システム1は、ルータ30から取得したプレフィックスと管理装置20が記憶する画像形成装置10のMACアドレスとに基づきIPv6アドレスを予測(生成)したが、例えば画像形成装置10を一意に識別する識別情報とネットワークアドレス(IPv4)とに基づきIPアドレスを生成する規則があれば、IPv4アドレスの生成にも適用できる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。