JP2014085308A - 電子ペン用感圧素子保持装置 - Google Patents

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一三 小林
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伸夫 北島
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Abstract

【課題】感圧素子を押圧するための押圧部材を、感圧素子に対して高精度に組付けることが容易であり、感圧素子を高精度に押圧することが可能な電子ペン用感圧素子保持装置を提供すること。
【解決手段】
第1端子30aおよび第2端子30bは、コア体4の第1コア端4bに装着されるコア端接合片31b,31bと、コア端接合片31b,31bに一体的に形成され、ワイヤ22のリード端22a,22bが接続されるワイヤ接続部34a,34bと、コア端接合片31a,31bに一体的に形成され、軸方向に延在する端子ベース36a,36bと、端子ベース36a,36bに一体的に形成され、感圧素子50の両面にそれぞれ軸方向から接触する素子接続片44a,44bと、を有する。感圧素子の感圧面を押圧するための押圧部材60が、軸方向と略垂直方向から装着可能になっている。
【選択図】図5B

Description

本発明は、たとえばコンピュータに所望の情報を入力するための電子ペンの内部に装着される電子ペン用感圧素子保持装置に関する。
コンピュータに所望の情報を入力するための電子ペンの内部には、たとえば特許文献1に示すように、ペン先の筆圧を電気信号に変換する感圧素子が内蔵してある場合がある。このような感圧素子が内蔵してある電子ペンにおいては、ペン先に加わる筆圧を感圧素子に高精度に伝達する構造が必要となる。
特に最近では、電子ペンの小径化が求められる場合があり、たとえば特許文献1などに示す従来の電子ペンでは、ペン先が具備してある芯体の後端に押圧部材を軸方向から挿入して組み付けるために、その組み付け作業時に、押圧部材と感圧素子との間の位置決めなどの初期設定が難しいという課題を有している。押圧部材を精度良く組み付けないと、押圧部材と感圧素子との間に隙間が生じ、押圧部材と芯体が、電子ペンの内部で軸方向にがたつき、落下衝撃にも弱いなどの課題も有する。
特開平5−275283号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、感圧素子を押圧するための押圧部材を、感圧素子に対して高精度に組付けることが容易であり、感圧素子を高精度に押圧することが可能な電子ペン用感圧素子保持装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子ペン用感圧素子保持装置は、
電子ペンの内部に配置され、軸方向の反対側にそれぞれ位置する第1コア端と第2コア端とを持つコア体の第1コア端から前記軸方向に沿って各々配置される第1端子および第2端子を有する電子ペン用感圧素子保持装置であって、
前記第1端子は、
前記コア体の前記第1コア端に装着される第1コア端接合片と、
前記第1コア端接合片に一体的に形成され、前記軸方向に延在する第1端子ベースと、
前記第1端子ベースに一体的に形成され、前記第1コア端接合片に対して前記軸方向に所定距離で離れて配置される感圧素子の第1面に前記軸方向から接触する第1素子接続片と、を有し、
前記第2端子は、
前記第1コア端接続片とは絶縁されて前記コア体の前記第1コア端に装着される第2コア端接合片と、
前記第2コア端接合片に一体的に形成され、前記第1端子ベースと絶縁されて略平行に延在する第2端子ベースと、
前記第2端子ベースに一体的に形成され、前記感圧素子の前記第1面と反対側の第2面に前記軸方向から接触する第2素子接続片と、を有し、
前記第1コア端接続片および第2コア端接合片と、前記第1素子接続片との間には、前記感圧素子の第1面を押圧するための押圧部材が、前記軸方向と略垂直方向から装着可能になっていることを特徴とする。
本発明に係る電子ペン用感圧素子保持装置では、第1コア端接続片および第2コア端接合片は、第1コア端に沿って同一平面状にあり、第1コア端接合片と第1素子接続片との間は、第1端子ベースにより一定間隔に保たれている。そのため、第1コア端接続片および第2コア端接合片と、前記第1素子接続片との間には、感圧素子の第1面を押圧するための押圧部材を、軸方向と略垂直方向から容易に、しかも高精度で装着することができる。そのため、押圧部材により、感圧素子の第1面を、高精度に押圧することができる。その結果、ペン先に加わる筆圧を感圧素子に高精度に伝達することができる。
また、第1コア端接合片と第1素子接続片との間は、第1端子ベースにより一定間隔に保たれていることから、これらの間に、押圧部材を軸方向にがたつかせることなく容易に装着することができる。そのため、電子ペンの落下衝撃に対しても強い構造になっている。
さらに、第1端子および第2端子を、金属板材などから、それぞれ一体成形することで、押圧部材は、第1コア端接続片と第1素子接続片との間で、がたつくことなく高精度に弾力保持される。
好ましくは、前記第1素子接続片には、前記押圧部材に形成してある押圧先端が前記軸方向と略垂直方向から装着可能な取付孔が形成してあり、
前記押圧先端が、前記感圧素子の第1面に接触して押圧可能に構成してある。
押圧部材の押圧先端を感圧素子の第1面に接触させて押圧可能に構成することで、感圧素子の感圧精度が向上する。また、取付孔が軸方向と略垂直方向(側方)に開口していることから、押圧部材を側方から取り付ける際に、第1素子接合片が邪魔にならない。
好ましくは、前記コア体には、軸方向に貫通する軸孔が形成してあり、
前記軸孔に芯体が軸方向移動に装着され、
前記第1コア端側の前記芯体の端部が前記押圧部材に着脱自在に装着され、
前記第2コア端から飛び出している前記芯体の先端に具備してあるペン先に作用する圧力に応じて、前記押圧部材が前記感圧素子の第1面を押圧する。
このような構成にすることで、押圧部材に対して、ペン先が具備してある芯体を着脱自在に構成することが可能になり、芯体の交換が容易になる。また、押圧部材が、第1コア端接合片と第1素子接続片との間で高精度に位置決めされて保持されることから、押圧部材に取り付けられる芯体も、電子ペンの内部で、がたつくことなく所定位置に装着される。
好ましくは、前記第1コア端接続片と前記第2コア端接続片とは、それぞれ前記軸孔を塞がないように円弧片形状を有する。このように構成することで、第1コア端接続片と第2コア端接続片との間を通して、芯体を押圧部材に着脱自在に装着することができる。
好ましくは、前記第1端子ベースには、前記軸方向に略直交する第1連結片が一体に形成してあり、
前記第1連結片と前記第1素子接続片との間には、第1湾曲片が形成してあり、前記第1素子接続片を前記軸方向に弾力保持してあり、
前記第2端子ベースには、前記軸方向に略直交する第2連結片が一体に形成してあり、
前記第2連結片と前記第2素子接続片との間には、第2湾曲片が形成してあり、前記第2素子接続片を前記軸方向に弾力保持してあり、
前記第1連結片と前記第2連結片とが、前記軸方向に沿って異なる位置に配置してある。
このように構成することで、第1素子接続片と第2素子接続片との間で、感圧素子を弾力的に保持することが可能となり、これらの間の接続がより確実なものとなる。また、感圧素子の取付も容易である。また、押圧部材は、第1コア端接続片と第1素子接続片との間で、がたつくことなく高精度に弾力保持される。
本発明に係る電子ペン用コイル装置は、
電子ペンの内部に配置され、軸方向の反対側にそれぞれ位置する第1コア端と第2コア端とを持つコア体と、
前記コア体の外周に巻回されてコイル部を形成するワイヤと、
前記ワイヤの第1端が接続される第1端子と、
前記ワイヤの第2端が接続される第2端子と、を有する電子ペン用コイル装置であって、
前記第1端子は、
前記コア体の前記第1コア端に装着される第1コア端接合片と、
前記第1コア端接合片に一体的に形成され、前記ワイヤの第1端が接続される第1ワイヤ接続部と、
前記第1コア端接合片に一体的に形成され、前記軸方向に延在する第1端子ベースと、
前記第1端子ベースに一体的に形成され、感圧素子の第1面に前記軸方向から接触する第1素子接続片と、を有し、
前記第2端子は、
前記第1コア端接続片とは絶縁されて前記コア体の前記第1コア端に装着される第2コア端接合片と、
前記第2コア端接合片に一体的に形成され、前記ワイヤの第2端が接続される第2ワイヤ接続部と、
前記第2コア端接合片に一体的に形成され、前記第1端子ベースと絶縁されて略平行に延在する第2端子ベースと、
前記第2端子ベースに一体的に形成され、前記感圧素子の前記第1面と反対側の第2面に前記軸方向から接触する第2素子接続片と、を有することを特徴とする。
本発明に係る電子ペン用コイル装置では、第1端子の第1コア端接続片と、第2端子の第2コア端接続片とを、コア体の第1コア端に装着するのみで、第1素子接続片と第2素子接続片との間に、感圧素子を挟み込むための空間が形成される。その空間に感圧素子を差し込むことにより、コイル部と感圧素子とを並列に接続することができる。このため、コイル部と感圧素子との配線がきわめて容易であり、電子ペンの小径化を図ることができる。
好ましくは、前記第1端子ベースの前記第1コア端接合片とは反対側に、第1基板接続部が形成してあり、
前記第2端子ベースの前記第2コア端接合片とは反対側に、第2基板接続部が形成してあり、
前記第1基板接続部と第2基板接続部とが、回路基板の軸方向の一端に各々接続される。
このように構成することで、コイル部および感圧素子と回路基板との接続も容易になり、回路基板に設けたコンデンサとの接続も容易になり、電子ペンの位置検出などに用いられる共振回路の形成も容易である。また、第1端子および第2端子以外の配線も不要であり、この点でも電子ペンの小型化に寄与する。
好ましくは、前記第1コア端には、第1端子と第2端子とが装着してあり、
前記コア体の外周で前記第1コア端の近くには、第1ワイヤガイドが装着してあり、前記コア体の外周で前記第2コア端の近くには、第2ワイヤガイドが装着してあり、
前記第1ワイヤガイドは、前記コア体の外周から径方向外方に突出し、周方向に沿って少なくとも1つの凹状の第1ワイヤ通路を有し、
前記第2ワイヤガイドは、前記コア体の外周から径方向外方に突出し、周方向に沿って少なくとも1つの凹状の第2ワイヤ通路を有し、
前記ワイヤの第1端は、前記第1端子に接続され、
前記ワイヤは、前記第1ワイヤ通路を通して、前記第1ワイヤガイドと前記第2ワイヤガイドとの間に位置する前記コア体の外周にコイル状に巻回されて前記コイル部を形成し、前記第2通路を通して、前記第2ワイヤガイドに係止され、
前記ワイヤの第2端は、前記第2通路から前記第1通路を通して、前記第2端子に戻されて前記第2端子に接続されている。
コア体の外周にワイヤを巻き付けてコイル部を形成するには、まず、ワイヤの第1端を、コア体の第1コア端に装着してある第1端子に接続する。次に、ワイヤを、第1ワイヤガイドの第1ワイヤ通路を通して、第1ワイヤガイドと前記第2ワイヤガイドとの間に位置するコア体の外周にコイル状に巻回してコイル部を形成する。
ワイヤを巻回する際には、ワイヤを巻回する軸方向の長さが、2つのワイヤガイドにより仕切られた所定長さにより決定され、ワイヤを自動巻きしやすいと共に、ワイヤの位置決め精度が向上し、所定のインダクタンス、Q特性および周波数特性などを高精度で実現することが可能になり、電子ペンによる位置検出精度も向上する。また、第1通路をワイヤが通過することにより、ワイヤが第1ワイヤガイドに引っかかることからも、コア体の外周に、ワイヤを自動巻きしやすい。
さらに、第1ワイヤガイドと前記第2ワイヤガイドとの間に位置するコア体の外周にコイル状に巻回してコイル部を形成した後は、第2通路を通して、ワイヤを第2ワイヤガイドの外側(第2コア端側)に出し、そこで、たとえば略1周巻回してから第2通路に戻すことで、ワイヤが第2ワイヤガイドに係止され、自動作業により、ワイヤの第2端は、コイル部の外周で第2通路から第1通路を通して、第2端子に戻されて第2端子に接続し易い。すなわち、コア体の外径を小さくしても、ワイヤの自動巻作業がきわめて容易になる。
また、巻線の終了と同時に、ワイヤの両端を第1端子と第2端子に接続することができる。しかも、これらの端子に連続して、感圧素子(圧力または変位の変化を電気信号に変換する素子)の一対の端子電極に接続するための電極接続部が形成されている場合には、感圧素子との特別な配線が不要となり、コイル装置と感圧素子との配線がシンプルになり、この点でも、ペンの小径化を図ることができる。
好ましくは、前記第1端子は、間に第1係止溝が形成してある一対の第1爪部(第1ワイヤ接続部の一例)を有し、
前記第2端子は、間に第2係止溝が形成してある一対の第2爪部(第2ワイヤ接続部の一例)を有し、
前記第1係止溝に、前記ワイヤの第1端が挟まれて固定してあり、
前記第2係止溝に、前記ワイヤの第2端が挟まれて固定してある。
このような構造を有することにより、ワイヤの自動巻回作業が、さらに容易になる。
好ましくは、これらの係止溝は、入口から底部に向けて幅が狭くなっており、ワイヤの端部を入口から底部に向けて挿入するのみで、ワイヤ端が各端子に固定されるようになっている。このような構造である場合には、ワイヤの自動巻回作業が、さらに容易になる。
好ましくは、前記第1通路と前記第2通路とは、前記コア体の周方向で同じ位置に形成してある。このような構造である場合には、第2通路から第1通路を通して、巻回後のコイル部の上でワイヤを戻す際に、ワイヤを直線上に移動させれば良く、その作業が容易である。
好ましくは、前記第1係止溝および第2係止溝の前記コア体の周方向に沿っての位置が、前記第1通路の周方向位置と略一致する。このような構造である場合には、第1係止溝から第1通路へ向けてワイヤを引き出す際と、第1通路から第2係止溝に向けてワイヤを引き出す際に、ワイヤを直線上に移動させれば良いので、ワイヤの自動巻作業がさらに容易になる。
前記第2コア端と前記第2コア端との間に位置する前記コア体の外周に、前記ワイヤを1/8周以上で巻回させることにより、ワイヤを第2ワイヤガイドに係止させてもよい。
第2通路が第2ワイヤガイドの周方向に沿って単一である場合には、第2通路を通して第2ワイヤガイドの外側に出したワイヤは、同じ第2通路を通して第2端子の方向に戻す必要がある。その場合には、第2ワイヤガイドと第2コア端との間に位置するコア体の外周に、ワイヤを約1周以上で巻回させることにより、ワイヤを第2ワイヤガイドに係止させることができる。
しかしながら、第2通路が第2ワイヤガイドの周方向に沿って2つ以上である場合には、一方の第2通路を通して第2ワイヤガイドの外側に出したワイヤは、別の第2通路を通して第2端子の方向に戻すことができる。そのため、第2ワイヤガイドと第2コア端との間に位置するコア体の外周に、ワイヤを少なくとも約1/8周で巻回させることにより、ワイヤを第2ワイヤガイドに係止させることができる。
図1は本発明の一実施形態に係る電子ペン用コイル装置の全体斜視図である。 図2は図1に示すII−II線に沿う要部断面図である。 図3は図2に示すIII−III線に沿う断面図である。 図4は図2に示すIV−IV線に沿う要部断面図である。 図5Aは図1に示すコイル装置のハウジングを取り除いた要部斜視図である。 図5Bは図1に示すコイル装置の要部分解斜視図である。 図5Cは図5Aに示すコイル装置において、感圧素子および押圧部材を取り付ける前の要部斜視図である。 図6は図5Bに示すVI-VI線に沿う一対の端子の底面図である。 図7は図1に示すコイル装置の製造過程を示す端子の爪部の概略図である。 図8(A)および図8(B)は本発明の他の実施形態に係るコイル装置に用いられるコア体の斜視図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示す本発明の一実施形態に係る電子ペン用感圧素子保持装置を有するコイル装置2は、電子ペンの内部に装着され、電子ペンの位置情報と共に、その使用状態の変化情報、たとえば電子ペンに加わる圧力または変位などに関する情報を、たとえばタブレットなどの入力用表示画面に非接触式に伝達する装置の一部として使用される。
まず、本実施形態において、電子ペンの位置情報と電子ペンの使用状態とを検出する原理を簡単に説明する。
電子ペンが具備する同調回路(図1に示すコイル部20を含む)は、タブレット(図示略)などの入力用表示画面から所定の同調周波数、例えば周波数f0の電波が発信されると、該電波を受けて励振され、図1に示すコイル部20には誘導電圧が誘起される。そして、該電波の発信が停止されると、前記誘導電圧に基づく電流により、コイル部20から所定の周波数の電波が発信される。このコイル部20を含む同調回路から発信された電波をタブレット(図示略)で受信することで、タブレット(図示略)上における電子ペン(コイル装置2を含む)の位置を検知できる。
また、電子ペン用芯体6のペン先6aは、タブレットの表面に押しつけるように操作される。この操作時には、芯体6がコイル部20の内部を軸方向に移動し、図2に示す押圧部材60を感圧素子50の一面を押圧する。感圧素子50は、本実施形態では、容量可変コンデンサで構成してあり、素子50に作用する押圧力(押圧変位)に応じて、静電容量が変化する。
この素子50は、コイル部20と、回路基板100に実装してあるコンデンサとから成る同調回路に並列に接続してあり、素子に加わる圧力に応じて、同調回路の同調周波数が変化させる。この場合、タブレット(図示略)から周波数f0の無線信号を発信すると、同調回路の同調周波数が変化しているため、コイル部20に生じる誘導電圧は、非操作時とは位相がずれたものとなる。このため、同調回路からは、タブレット(図示略)から発信された電波とは位相がずれた電波が発信される。このため、タブレット(図示略)から電波を発信して同調回路を励振するとともに、同調回路から発せられる電波における位相差を検知すれば、電子ペンの操作を検知することができる。電子ペンから検出された位相ズレに応じて、電子ペンにより実現しようとしている線の太さ、指定位置あるいは指定領域の色相や濃度(明度)等を検出することが可能である。
このような電子ペンの機能を実現するための本実施形態に係るコイル装置2は、電子ペンの内部に装着可能なコア体4を有する。コア体4は、その長手方向(X軸)に沿って貫通している軸孔4aを有し、中空筒体で構成してある。コア体4は、磁性体で構成してあり、たとえばフェライト材、パーマロイなどの軟磁性材、金属圧粉成形の磁性材などで構成される。
図5Bに示すように、円筒状のコア体4は、図示省略してある電子ペンの内部に沿ってX軸方向に細長く、軸方向の反対側にそれぞれ位置する第1端としての基端4bと、第2端としての先端4cとを有する。基端4bには、下述する第1端子30aの第1コア端接合片31aと、第2端子30bの第2コア端接合片とが、たとえば接着によりそれぞれ接合してある。
図6にも示すように、これらの第1端子30aおよび第2端子30bは、完全に分離されて絶縁された2つの金属端子で構成してあり、金属板から打ち抜き成形された端子片を折り曲げ成形することで形成される。図5Bに示すように、第1端子30aは、円弧片状の第1コア端接合片31aを有し、コア体4の基端4bに、軸孔4aを塞がないように接合される。
図5Aに示すように、第1コア端接合片31aのZ軸方向の上部は、X軸方向に沿って基端4bから離れる方向に折り曲げられて湾曲片33aが形成され、その上部に、間に第1係止溝32aが形成してある一対の第1爪部(第1ワイヤ接続部の一例)34aが一体に形成してある。第1係止溝32aは、図7に示すように、入口から底部に向けてテーパ状に幅が狭くなっており、ワイヤ22の第1リード22aの端部を入口から底部に向けて挿入するのみで、ワイヤ22の第1リード22aが端子30aに固定されるようになっている。
すなわち、第1係止溝32aの入口幅は、ワイヤ22の外径と同等以上であり、第1係止溝32aの底部幅は、ワイヤ22の外径と同等以下であることが好ましい。好ましくは、第1係止溝32aは、その底部が湾曲片33aの一部まで形成してある。
図5Bに示すように、第1コア端接合片31aのZ軸方向の下部には、X軸方向に延在する第1端子ベース36aが一体に形成してあり、第1端子ベース36aの第1コア端接合片31aとは反対側に、第1基板接続爪(第1基板接続部の一例)38aが形成してある。第1基板接続爪38aは、後述するハウジング70が第1端子30aおよび第2端子30bの外側に取り付けられた後に折り曲げられて、図1に示すように、回路基板100のX軸方向の一端に設けられた接続孔104aの内部に挿入され、そこで、回路基板100の回路に接続される。回路基板100には、コンデンサやその他の回路素子106などが装着してあり、第1基板接続爪38aは、接続孔104aに接続するのみで、それらの回路や素子に電気的に接続される。
第1端子ベース36aのX軸方向の途中には、Y軸方向に突出する第1連結片40aが一体に形成してある。図6に示すように、第1連結片40aは、Y軸方向に隣接する第2端子30bの第2端子ベース36bには接続されない突出長さを有する。第1連結片40aには、図5Cにも示すように、X軸方向に向けて湾曲してX軸方向およびZ軸方向の弾力的な撓みを許容するがY軸方向には強度を増大させる第1湾曲片42aが一体に形成してある。
第1湾曲片42aのZ軸方向の上部には、Z軸およびY軸を含む平面方向に延在する第1素子接続片44aが一体に形成してある。第1素子接続片44aは、図5Bに示す感圧素子50のX軸方向の感圧側端面である第1素子電極面52を保持するようになっており、第1素子電極面52の全体形状と同様に、全体としては四角形を有している。ただし、第1素子接続片44aには、後述する押圧部材60の押圧ピン(押圧先端の一例)64が、Y軸方向から着脱自在に挿入可能な押圧ピン取付孔46が形成してある。
次に、第2端子30bについて説明する。第2端子30bは、第1端子30aと対にして用いられる。図5Bに示すように、第2端子30bは、円弧片状の第2コア端接合片31bを有し、コア体4の基端4bに、軸孔4aを塞がないように接合される。
第2コア端接合片31bのZ軸方向の上部は、図5Aに示すように、X軸方向に沿って基端4bから離れる方向に折り曲げられて湾曲片33bが形成され、その上部に、間に第2係止溝32bが形成してある一対の第2爪部(第2ワイヤ接続部の一例)34bが一体に形成してある。第2係止溝32bは、第1係止溝32aと同様に形成される。
図5Bに示すように、第2コア端接合片31bのZ軸方向の下部には、X軸方向に延在する第2端子ベース36bが一体に形成してあり、第2端子ベース36bの第2コア端接合片31bとは反対側に、第2基板接続爪(第1基板接続部の一例)38bが形成してある。第2基板接続爪38bは、第2基板接続爪38aと同様な構成を有しており、後述するハウジング70が第1端子30aおよび第2端子30bの外側に取り付けられた後に折り曲げられて、図1に示すように、回路基板100のX軸方向の一端に設けられた接続孔104bの内部に挿入され、そこで、回路基板100の回路に接続される。
第2端子ベース36bのX軸方向の途中には、Y軸方向に突出する第2連結片40bが一体に形成してある。図6に示すように、第2連結片40bは、第1連結片40aとはX軸方向に離れて形成され、Y軸方向に隣接する第1端子30aの第1端子ベース36aには接続されない突出長さを有する。
第2連結片40bには、図5Cにも示すように、X軸方向に向けて湾曲してX軸方向およびZ軸方向の弾力的な撓みを許容するがY軸方向には強度を増大させる第2湾曲片42bが一体に形成してある。図4にも示すように、第1湾曲片42aと第2湾曲片42bとは、略同一の曲率半径で相互に反対方向に湾曲してある。
第2湾曲片42bのZ軸方向の上部には、Z軸およびY軸を含む平面方向に延在する第2素子接続片44bが一体に形成してある。第2素子接続片44bは、図5Bに示す感圧素子50の第1素子電極面52と反対側の第2素子電極面54を保持するようになっており、第2素子電極面54の全体形状と同様に、全体としては四角形を有している。第2素子接続片44bには、第1素子接続片44aとは異なり、押圧ピン取付孔46は形成されていない。
なお、図面において、X軸、Y軸およびZ軸は、相互に垂直であり、この実施形態では、X軸は、コア体4および端子ベース36aの長手方向であり、Y軸は、第1端子30aと第2端子30bとが分離する方向であり、Z軸は、端子ベース36aに対してコア端接合片31aが折れ曲がる方向である。
本実施形態では、第1素子接続片44aと第2素子接続片44bとの間の隙間幅W1(図4参照)は、感圧素子50の厚みT1(図2参照)以下の幅に設定してあることが好ましい。そうすることで、第1素子接続片44aと第2素子接続片44bとの間に素子50が挟み込まれた場合に、湾曲片42aおよび42bの弾力性により、素子50を保持することができる。
なお、素子50の第1素子電極面52と第2素子電極面54は、それぞれ接続片44a,44bに電気的に接続してあれば良く、接続片44a,44bおよび/または湾曲片42aおよび42bの弾力性のみで、素子50を保持しても良い。または素子の電極面52,54と接続片44a,44bとを、それぞれ導電性接着剤、あるいは導電性フィルムなどで接続しても良い。
また、第1端子30aにおいて、第1コア端接合片31aの背面(コア端との接合面の反対面)から素子接続片44aの素子接続面との間の距離L1(図2参照)は、後述する押圧部材60のX軸方向の長さL2(図4参照)と同等以下に設定されることが好ましい。このように構成することで、押圧部材60は、第1コア端接続片31aと第1素子接続片44あとの間で、がたつくことなく高精度に弾力保持される。
また、図6に示すように、第1端子30aのコア端接合片31aと第2端子30bのコア端接合片31bとが、コア体4の基端4bに接合された状態では、第1端子ベース36aと第2端子ベース36bとの間の外側幅W2は、コア体4の外径D0よりも小さく設計されることが好ましい。さらに、基板接続爪38aおよび38bの間の外側幅W3は、外側幅W2よりも狭いことが好ましい。
本実施形態では、感圧素子50は、圧力または変位の変化を電気信号に変換する素子であるが、容量可変コンデンサで構成してあり、素子50の感圧面側である第1素子電極面52に作用する押圧部材60の押圧力(押圧変位)に応じて、静電容量が変化する。変化した静電容量の電気信号は、第1素子電極面52および第2素子電極面54に各々接続してある接続片44aおよび44bを介して、接続爪38aおよび38bから回路基板100の回路に伝達される。
図5Bに示すように、押圧部材60は、芯体基端取付孔62を有する。取付孔62には、図1に示すペン先6aが取り付けられた芯体6の後端が、着脱可能に取り付けられる(図4参照)。押圧部材60に形成された取付孔62が、コア端接合片31a,31bにより塞がれないように、これらのコア端接合片31a,31bには、取付孔62に対応する円形の切り欠きが形成してある。
図2および図4に示すように、取付孔62の内径は、芯体6の後端が着脱自在に固定されるように決定され、コア体4に形成してある軸孔4aの内径よりも小さい。芯体6は、押圧部材60と共にX軸方向に移動可能に、コア体4の軸孔4aの内部に装着してある。
押圧部材60の取付孔62に対してX軸方向の反対側には、押圧ピン64がX軸方向に突出して一体的に形成してある。押圧ピン64の先端は、感圧素子50の感圧面である第1素子電極面52に接触して押圧可能になっている。押圧ピン64の外径は、図5Bに示す押圧ピン取付孔46のZ軸方向幅よりも少し狭く形成してあり、押圧ピン64による素子50への押圧を、第1素子接続片44aが妨げないようになっている。
図1に示すペン先6aに筆圧が加わると、その筆圧に応じて、芯体6がコア体4の内部をX軸方向に移動し、押圧部材60の押圧ピン64が感圧素子50の感圧面である第1素子電極面52を押圧する。押圧部材60は、たとえば滑り特性が良い合成樹脂で構成してあり、その外周には、他の部部よりも外径が大きい断面円形の大径部66が一体的に形成してある。
図3に示すように、押圧部材60の大径部66は、後述するケーシング70のカバー部82の内側に形成してある収容内周面88により、Y軸およびZ軸方向にずれないように、しかもX軸方向に移動可能に保持してある。
図5Cに示すように、コア体4の基端4bに端子30a,30bの接合片31a,31bが接合された状態で、図5Bに示すように、押圧部材60は、接合片31a,31bと接続片44aとの間にY軸方向から挿入され、その際に、押圧ピン64は、接続片44aの取付孔46に挿入される。押圧部材60は、第1端子30a,30bには固定せずに、これらの端子30a,30bに対してX軸方向に相対移動可能に装着される。
ただし、押圧部材は、図2および図4に示すように、湾曲片42a、42bの弾力性などにより、感圧素子50と接合片31a,31bとの間に挟まれて仮固定され、芯体6の後端が取付孔62に取り付けられて芯体6が移動しない限りは移動しない。なお、押圧部材60の装着は、接続片44a,44bの間に、感圧素子50を挟み込んで固定した後が良い。
ハウジング70は、押圧部材60を端子30a,30bに装着した後に、爪部38a.38bがZ軸方向に折り曲げられる前に、X軸方向から装着され、図3に示すように、押圧部材60における大径部66の周囲3方向をカバー部82が覆う。ただし、ハウジング70のカバー部82は、大径部66のZ軸方向の下方部を覆わないように構成してある。この理由については後述する。
次に、ハウジング70について詳細に説明する。ハウジング70は、たとえば合成樹脂で構成され、図4に示すように、Z軸方向の基端側に、基板取付ベース72を有する。ベース72のZ軸方向の上面は、平坦面に形成してあるが、その平坦な上面に、基板取付ピン74がZ軸方向の上方に突出して一体に形成してある。
基板取付ベース72の上面には、図1に示す回路基板100の一端が設置され、基板100の一端に形成してある基板取付孔102にベース72の取付ピン74が嵌合することで位置決めされ、接着などの手段により回路基板100の一端をハウジング70のベース72の上面に取り付けることができる。
回路基板100を、ベース72の上面に取り付ける際には、基板接続爪38a,38bは、図4に示すように、Z軸方向の上方に向けて折り曲げられていることが好ましい。そのようにしておけば、図1に示すように基板100の一端をハウジング70に取り付ける際に、基板接続爪38a,38bが、基板100の接続孔104a,104bに同時に入り込み、作業性が良い。
図4に示すように、ベース72のZ軸方向の下方には、下方凸部76が一体的に形成してある。下方凸部76には、X軸方向に沿ってコア体4の方向に軸方向に突出する端子下端保持部78が一体に形成してある。保持部78は、ハウジング70がコア体4に取り付けられた状態で、端子30a,30bにおける湾曲片42a,42bおよび連結片40a,40bのZ軸方向の下方に位置し、湾曲片42a,42bおよび連結片40a,40bを下から保持している。
ベース72のX軸方向に沿ってコア体4の側には、素子接続片保持部80が一体に形成してある。保持部80は、保持部78と共に、後端側の湾曲部42bの周囲を囲むように構成してある。また、保持部80は、そのX軸方向壁面が、端子30bにおける素子接続片44bの反素子側面に接触し、素子接続片44bおよび素子50が、押圧ピン64によりX軸方向の回路基板100側に押圧されても素子50をX軸方向に移動させないようになっている。
保持部80には、X軸方向に沿ってコア体4に向けて突出するカバー部82が一体に形成してある。カバー部82は、円周方向に沿って保持部78とは分離されているが、カバー部82と保持部78とで、素子50、湾曲片42a,42b、連結片40a,40bを、周囲から覆うようになっている。
カバー部82は、X軸方向に沿って開口端86までコア体4の方向に伸び、図3に示すように、押圧部材60の大径部66を、Y−Z平面で3方向から囲んでX軸方向に移動自在に保持するようになっている。図4に示す保持部78は、湾曲片42aのZ軸方向下方に位置する開口端78aまでX軸に沿って延在し、大径部60のZ軸方向の下方は覆っていない。
そのため、カバー部材82により覆われていないZ軸方向の下方から何らかの治具が入り込むことが可能であり、押圧ピン60の大径部66を治具で保持した状態で、芯体6の後端を押圧部材60の取付孔62に取り付けることが容易である。しかもその際に、押圧部材60を治具で押さえることができるために、ハウジング70をコア体4に取り付けた状態で、芯体6の後端を押圧部材60の取付孔62に取り付けたり交換したとしても、素子50に過度な力が作用することを抑制することができる。
図1、図2および図5Bに示すように、カバー部82には、X軸方向に沿ってコア体4の方向に伸びる一対のコア接続片84が一体に形成してある。これらのコア接続片84は、Y軸方向に相互に配置され、これらの間に位置するZ軸方向の上方および下方には、開口部が形成してある。コア接続片84の先端部は、コア体4の外周をY軸方向から挟み込み、接着などの手段でコア体4に接合される。コア体4の基端4bに接合してある接合片31a,31bは、接続片84の内側に配置される。
コア接続片84,84の間に位置するZ軸方向上方の開口部からは、各端子30a,30bの爪部34a、34bが突出して配置される。爪部34a,34bのZ軸方向の突出量は、図4に示すように、コア体4の外周から飛び出すが、カバー部82の外周からは飛び出さない程度が好ましい。また、図2に示すように、カバー部84の外径は、後述する第1ワイヤガイド10aの外径と同等であることが好ましい。ハウジング70には、カバー部82の外周から径方向の外方に突出する部分は存在しない。
次に、コア体4およびコイル部20について詳細に説明する。図5Bに示すように、コア体4の外周で基端4bの近くには、コア体4の外周から突出する全体としてリング状の第1ワイヤガイド10aが装着してある。第1ワイヤガイド10aと基端4bとの間に位置するコア体4の外周には、前述したように、図2に示すように、ハウジング70の接続片84が接合される。
また、コア体4の外周で先端4cの近くには、第1ワイヤガイド10aと同様な第2ワイヤガイド10bが装着してある。第1ワイヤガイド10aと先端4Cとの間に位置するコア体4の外周面には、ワイヤ22が少なくとも1周巻回できる程度のX軸方向隙間があることが好ましい。
第1ワイヤガイド10aは、コア体4の外周から径方向外方に突出し、周方向に沿って少なくとも1つの凹状の第1ワイヤ通路12aを有する。第2ワイヤガイド10bも、第1ワイヤガイド10aと同様に、コア体4の外周から径方向外方に突出し、周方向に沿って少なくとも1つの凹状の第2ワイヤ通路12bを有する。
本実施形態では、ガイド10a,10bは、リング状の絶縁性リングを、周方向に沿って一箇所で切り欠き、ワイヤ通路12a,12bを形成し、不連続に成形したリングで構成してある。これらのガイド10a,10bは、フェライトなどで構成してあるコア体4の外周のX軸方向の所定位置に接着剤などで固定され、これらのガイド10a,10b間に位置するコア体4の外周がワイヤを巻回してコイル部20を形成するための空間となる。
通路12a,12bが相互に周方向位置が同じになるように、ガイド10a,10bがコア体4の外周に固定される。コイル部20を形成するワイヤ22としては、特に限定されず、たとえばリッツ線、USTC線、ウレタンワイヤなどが用いられる。特に、リッツ線などの撚り線を用いることで、高周波におけるQ特性などが向上し、電子ペン用コイル装置として特に好ましい。
ワイヤ22の第1リード22aの端部は、図5Aに示すように、第1端子30aの爪部34a,34a間の係止溝32aに接続される。また、ワイヤの第2リード22bの端部は、第2端子30bの爪部34b,34b間の係止溝32bに接続される。相互に最も離れた爪部34a,34b間における係止溝32aと係止溝32bとの間の隙間W5は、第1ワイヤガイド10aにおける第1通路12aの周方向幅W4と同等以下であることが好ましい。
本実施形態では、巻始めである第1リード22aの端部が爪部34a間の係止溝32aに固定されたワイヤ22は、第1ワイヤ通路12aを通して、第1ワイヤガイド10aと第2ワイヤガイド10bとの間に位置するコア体4の外周にコイル状に巻回されてコイル部20を形成する。コイル部20を形成した後のワイヤ22は、第2通路12bを通して、一端、第2ワイヤガイド10bよりも先端4c側に出され、コア体4の外周を約一周以上で巻回した後、再び、第2ワイヤ通路12bを通して、コイル部20側に戻される。そしてワイヤ22の巻き終わり端である第2リード22bは、第2通路12bから第1通路12aを通して、第2端子の第2係止溝32bに接続される。
なお、図示する例では、第2通路12bから第1通路12aを一直線上にワイヤ22のリード部22bを戻しているが、ガイド10a,10b間に位置するコイル部20の上を、一周以上巻回してからワイヤ22のリード部22bを第1通路12aを通して、第2端子30bに接続するようにしても良い。
本実施形態に係る電子ペン用コイル装置2において、コア体4の外周にワイヤ22を巻き付けてコイル部20を形成するには、まず、ワイヤ22の第1リード22aの端を、コア体4の基端4bに装着してある第1端子30aの爪部34a間の係止溝32aに差し込んで接続する。次に、ワイヤ22を、第1ワイヤガイド10aの第1ワイヤ通路12aを通して、第1ワイヤガイド10aと第2ワイヤガイド10bとの間に位置するコア体4の外周にコイル状に巻回してコイル部20を形成する。
ワイヤ22を巻回する際には、ワイヤ22を巻回する軸方向の長さが、2つのワイヤガイド10a,10bにより仕切られた所定長さにより決定され、ワイヤ22を自動巻きしやすいと共に、ワイヤ22の位置決め精度が向上し、所定のインダクタンス、Q特性および周波数特性などを高精度で実現することが可能になり、電子ペンによる位置検出精度も向上する。また、第1通路12aをワイヤ22の第1リード22aが通過することにより、ワイヤ22が第1ワイヤガイド10aに引っかかることからも、コア体4の外周に、ワイヤ22を自動巻きしやすい。
さらに、第1ワイヤガイド10aと第2ワイヤガイド10bとの間に位置するコア体4の外周にコイル状に巻回してコイル部20を形成した後は、第2通路12bを通して、ワイヤ22を第2ワイヤガイド10bの外側(先端4c側)に出し、そこで、たとえば略1周巻回してから第2通路12bに戻すことで、ワイヤ22が第2ワイヤガイド10bに係止され、自動作業により、ワイヤ22の第2リード22bは、コイル部20の外周で第2通路12bから第1通路12aを通して、第2端子30bの爪部34b間の係止溝32bに戻されて第2端子30bに接続し易い。すなわち、コア体4の外径を小さくしても、ワイヤ22の自動巻作業がきわめて容易になる。
また、巻線の終了と同時に、ワイヤ22の両端を第1端子30aと第2端子30bに接続することができる。しかも、これらの端子30a,30bには、感圧素子50の一対の端子電極52,54に接続するための接続片44a,44bが一体的に形成されていることから、感圧素子50との特別な配線が不要となり、コイル部20と感圧素子50との配線がシンプルになり、この点でも、ペンの小径化を図ることができる。
また、本実施形態では、各端子30a,30bの係止溝32a,32bは、図7に示すように、入口から底部に向けて幅が狭くなっており、ワイヤ22のリード22a,22bの端を入口から底部に向けて挿入するのみで、ワイヤ端が各端子に固定されるようになっている。その点でも、ワイヤの自動巻回作業が容易である。
さらに本実施形態では、第1通路12aと前記第2通路12bとは、コア体4の周方向で同じ位置に形成してある。このような構造であるため、第2通路12bから第1通路12aを通して、巻回後のコイル部20の上でワイヤ22の巻き終わり端である第2リード22bを戻す際に、ワイヤ22bを直線上に移動させれば良く、その作業が容易である。
本実施形態では、図5Aに示すように、第1係止溝12aおよび第2係止溝12bのコア体4の周方向に沿っての位置が、第1通路12aの周方向位置と略一致する。このような構造であるため、第1係止溝32aから第1通路12aへ向けてワイヤ22の第1リード22aを引き出す際と、第1通路12aから第2係止溝32bに向けてワイヤ22の第2リード22bを引き出す際に、ワイヤ22を直線上に移動させれば良いので、ワイヤ22の自動巻作業がさらに容易になる。
また、本実施形態に係る電子ペン用コイル装置2では、第1端子30aの第1コア端接続片31aと、第2端子30bの第2コア端接続片31bとを、コア体4の基端4bに接着などで固定するのみで、第1素子接続片44aと第2素子接続片44bとの間に、感圧素子50を挟み込むための空間が形成される。その空間に感圧素子50を差し込むことにより、コイル部20と感圧素子50とを並列に接続することができる。このため、コイル部20と感圧素子50との配線がきわめて容易であり、しかも電子ペンの小径化を図ることができる。
しかも本実施形態では、第1基板接続爪38aと第2基板接続爪38bが、それぞれ第1端子ベース36aおよび第2端子ベース36bに一体に形成してあり、それぞれが回路基板100に接続してある。このため、コイル部20および感圧素子50と回路基板100との接続も容易になり、回路基板100に設けたコンデンサとの接続も容易になり、電子ペンの位置検出などに用いられる共振回路の形成も容易である。また、第1端子30aおよび第2端子30b以外の配線も不要であり、この点でも電子ペンの小型化に寄与する。
また、本実施形態では、図5Bに示すように、第1コア端接続片31aおよび第2コア端接合片31bは、第1コア端4bに沿って同一平面状にあり、第1コア端接合片31aと第1素子接続片44aとの間は、第1端子ベース36aにより一定間隔に保たれている。そのため、第1コア端接続片31aおよび第2コア端接合片31bと、第1素子接続片44aとの間には、感圧素子50の第1素子電極面52を押圧するための押圧部材60を、X軸方向と略垂直方向から容易に、しかも高精度で装着することができる。そのため、押圧部材60の押圧ピン64により、感圧素子50の第1素子電極面52を、高精度に押圧することができる。その結果、ペン先6a(図1参照)に加わる筆圧を感圧素子50に高精度に伝達することができる。
また、第1コア端接合片31aと第1素子接続片44aとの間は、第1端子ベース36aにより一定間隔に保たれていることから、これらの間に、押圧部材60を軸方向にがたつかせることなく容易に装着することができる。そのため、電子ペンの落下衝撃に対しても強い構造になっている。
さらに、第1端子30aおよび第2端子30bを金属板材などから、それぞれ一体成形してあるため、押圧部材60は、第1コア端接続片31aと第1素子接続片44aとの間で、がたつくことなく高精度に弾力保持される。
さらにまた本実施形態では、第1素子接続片44aには、押圧部材60に形成してある押圧ピン64がY軸方向から装着可能な取付孔46が形成してあり、押圧ピン64が、感圧素子50の第1素子電極面52に接触して押圧可能に構成してある。そのため、感圧素子の感圧精度が向上する。また、取付孔46がX軸方向と略垂直方向で、ワイヤ接続部である爪部34a,34bの突出方向(X軸方向)とは異なるY軸方向(側方)に開口していることから、押圧部材60を側方から取り付ける際に、第1素子接合片44aや爪部34a,34bが邪魔にならない。
また本実施形態では、コア体4には、軸方向に貫通する軸孔4aが形成してあり、軸孔4aに芯体6が軸方向移動に装着され、図2に示すように、基端4b側の芯体6の端部が押圧部材60の芯体基端取付孔62に着脱自在に装着される。そのため、図1に示す先端4cから飛び出している芯体6の先端に具備してあるペン先6aに作用する圧力に応じて、図2に示す押圧部材60の押圧ピン52が感圧素子50の第1素子電極面52を押圧する。
このような構成にすることで、本実施形態では、押圧部材60に対して、ペン先6aが具備してある芯体6を着脱自在に構成することが可能になり、芯体6の交換が容易になる。また、図2に示すように、押圧部材60が、第1コア端接合片31aと第1素子接続片44aの素子保持面との間の空間(距離L1)で高精度に位置決めされて保持されることから、押圧部材60に取り付けられる芯体6も、電子ペンの内部で、がたつくことなく所定位置に装着される。
また本実施形態では、第1コア端接続片31aと第2コア端接続片31bとは、それぞれ軸孔4aを塞がないように円弧片形状を有するので、第1コア端接続片31aと第2コア端接続片31bとの間を通して、芯体6を押圧部材60の芯体基端取付孔62に着脱自在に装着することができる。
さらに本実施形態では、第1連結片40aと第1素子接続片44aとの間には、第1湾曲片42aが形成してあり、第2連結片40bと第2素子接続片44bとの間には、第2湾曲片42bが形成してあり、第1連結片40aと第2連結片40bとが、X軸方向に沿って異なる位置に配置してある。
このように構成することで、第1素子接続片44aと第2素子接続片44bとの間で、感圧素子50を弾力的に保持することが可能となり、これらの間の接続がより確実なものとなる。また、感圧素子50の取付も容易である。また、押圧部材60は、第1コア端接続片aと第1素子接続片44aとの間で、がたつくことなく高精度に弾力保持される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、図8(A)に示すように、第1ワイヤガイド10cに形成する第1通路12cと、第2ワイヤガイド10dに形成する第2通路12dとは、リングの周方向一部を完全に切り欠くことなく、溝底部13を残して切り欠いて形成しても良い。これらの通路12c,12dを形成するための凹状溝の溝深さは、図1〜図7に示す実施形態における通路12a,12bの溝深さよりも浅くなることが考えられるが、ワイヤ22の線径以上の溝深さであれば問題ない。図8(A)に示す実施形態では、その他の構成および作用効果は、図1〜図7に示す実施形態と同様であり、その他の説明は省略する。
さらに、図8(B)に示す実施形態では、第1ワイヤガイド10eの周方向に沿って2つ以上の第1ワイヤ通路12e1,12e2が形成してある。また、第2ワイヤガイド10fの周方向に沿って2つ以上の第2ワイヤ通路12f1,12f2が形成してある。この実施形態では、第2通路12f1,12f2が第2ワイヤガイド10fの周方向に沿って2つ以上である。このため、一方の第2通路12f1を通して第2ワイヤガイド10fの外側に出したワイヤ(図示省略)は、別の第2通路12f2を通して第2端子(図示省略)の方向に戻すことができる。そのため、第2ワイヤガイド10fと先端4cとの間に位置するコア体4の外周に、ワイヤを少なくとも約1/8周で巻回させることにより、ワイヤを第2ワイヤガイド10fに係止させることができる。
前述した図1〜図7に示す実施形態では、第2通路12bが第2ワイヤガイド10bの周方向に沿って単一であるため、第2通路12bを通して第2ワイヤガイド10bの外側に出したワイヤは、同じ第2通路12bを通して第2端子30bの方向に戻す必要がある。その場合には、第2ワイヤガイド10bと先端4cとの間に位置するコア体4の外周に、ワイヤを約1周以上で巻回させることにより、ワイヤ22を第2ワイヤガイド10bに係止させることができる。
図8(B)に示す実施形態では、一方の第2通路12f1を通して第2ワイヤガイド10fの外側に出したワイヤ(図示省略)は、別の第2通路12f2を通して第2端子(図示省略)の方向に戻すことができる。そのため、第2ワイヤガイド10fと先端4cとの間に位置するコア体4の外周に、ワイヤを少なくとも約1/8周で巻回させることにより、ワイヤを第2ワイヤガイド10fに係止させることができる。図8(B)に示す実施形態において、その他の構成と作用効果は、前述した実施形態と同様である。
なお、ガイド10a〜10fにおけるコア体4の外周面からの突出高さは、ワイヤ22の線径の1.5〜2.5倍程度であることが好ましい。コイル部20の外周が、ワイヤガイド10a〜10fの最大径を超えないようにするためである。ガイド10a〜10fの外周は、電子ペンの外装筒体の内周面に接触するように構成しても良く、電子ペンの外径の縮小化に寄与する。
さらに、上述した実施形態では、コア体4とガイド10a〜10fとは、別々に成形して組み立てて構成してあるが、コア体4とガイド10a〜10fとは、同一材質(磁性材)で一体に成形しても良いと共に、たとえばインサート成形などにより別材質で一体成形しても良い。インサート成形では、たとえばフェライトで構成されたコア体4を樹脂成形用金型に取り付けて、金型内に樹脂を射出成形することにより、合成樹脂製のガイド10a〜10fを、コア体4の所定位置に一体成形することができる。
また、本発明では、前述した実施形態におけるコア体4の軸孔4aは無くても良い。コンデンサの容量ではなくインダクタンスを変化させて位置検出を行うタイプの電子ペンでは、コア体の内部に軸孔を形成する必要がないからである。
さらに上述した実施形態では、ワイヤ接続部を、間に係止溝32a,32bが形成してある一対の爪部34a,34bで構成してあるが、本発明は、これに限定されず、その他の接続部の形状であっても良い。また、上述した実施形態では、基板接続部を、接続爪38a,38bで構成したが、その他の接続構造であっても良い。
また、上述した実施形態では、ワイヤガイド10a〜10fを用いてコア体4の外周にワイヤ22を巻回してコイル部を形成しているが、本発明では、ワイヤガイド10a〜10f以外の手段で、ワイヤ22をコア体4の外周に巻回してコイル部20を形成しても良い。たとえばワイヤの巻始めと巻き終わりとを接着剤で固定することで巻回作業を行っても良い。ただし、コイル部の巻数や位置を正確に制御してコイル部20のインダクタンス、Q特性および高周波特性を向上させるためには、ワイヤガイド10a〜10fをコア体4の外周に形成してあることが好ましい。
さらに、上述した実施形態では、第1端子30aの第1コア端接合片31aと、第2端子30bの第2コア端接合片31bとを、コイル部20が形成してあるコア体4の基端4bに接合したが、本発明は、これに限定されず、コイルが形成されていないコア体の基端に接合しても良い。また、その場合において、コア体は、必ずしも磁性体である必要はなく、磁性体以外の材質で構成してあっても良い。
さらに、上述した実施形態では、第1端子30aおよび第2端子30bが、感圧素子50とコイル部20との並列的な電気的接続と、これらを回路基板100に接続するための配線とを兼ねている。しかしながら、本発明では、第1端子30aおよび第2端子30bは、感圧素子50と押圧部材60の保持機能だけを受け持たせ、導電性部材以外のバネ材で構成し、これらの電気的接続は、別にすることも考えられる。ただし、この場合には、配線が別に必要になるため、上述した実施形態が好ましい。
2… 電子ペン用コイル装置
4… コア体
4a… 軸孔
4b… 基端(第1コア端)
4c… 先端(第2コア端)
6… 芯体
6a… ペン先
10a,10c,10e… 第1ワイヤガイド
10b,10d,10f… 第2ワイヤガイド
12a,12c,12e1,12e2… 第1通路
12b,12d,12f1,12f2… 第2通路
20… コイル部
22… ワイヤ
22a… 第1リード(第1端)
22b… 第2リード(第2端)
30a… 第1端子
30b… 第2端子
31a… 第1コア端接合片
31b… 第2コア端接合片
32a… 第1係止溝
32b… 第2係止溝
34a… 第1爪部
34b… 第2爪部
36a… 第1端子ベース
36b… 第2端子ベース
38a… 第1基板接続爪
38b… 第2基板接続爪
40a… 第1連結片
40b… 第2連結片
42a… 第1湾曲片
42b… 第2湾曲片
44a… 第1素子接続片
44b… 第2素子接続片
46… 押圧ピン取付孔
50… 感圧素子
52… 第1素子電極面
54… 第2素子電極面
60… 押圧部材
62… ペン基端取付孔
64… 押圧ピン
66… 大径部
70… ハウジング
72… 基板取付ベース
74… 基板取付ピン
76… 下方凸部
78… 端子下端保持部
80… 素子接続片保持部
82… カバー部
84… コア接続片
86… 開口端
88… 収容内周面
100… 回路基板
102… 基板取付孔
104a,104b… 接続孔
106… 回路素子

Claims (5)

  1. 電子ペンの内部に配置され、軸方向の反対側にそれぞれ位置する第1コア端と第2コア端とを持つコア体の第1コア端から前記軸方向に沿って各々配置される第1端子および第2端子を有する電子ペン用感圧素子保持装置であって、

    前記第1端子は、
    前記コア体の前記第1コア端に装着される第1コア端接合片と、
    前記第1コア端接合片に一体的に形成され、前記軸方向に延在する第1端子ベースと、
    前記第1端子ベースに一体的に形成され、前記第1コア端接合片に対して前記軸方向に所定距離で離れて配置される感圧素子の第1面に前記軸方向から接触する第1素子接続片と、を有し、

    前記第2端子は、
    前記第1コア端接続片とは絶縁されて前記コア体の前記第1コア端に装着される第2コア端接合片と、
    前記第2コア端接合片に一体的に形成され、前記第1端子ベースと絶縁されて略平行に延在する第2端子ベースと、
    前記第2端子ベースに一体的に形成され、前記感圧素子の前記第1面と反対側の第2面に前記軸方向から接触する第2素子接続片と、を有し、

    前記第1コア端接続片および第2コア端接合片と、前記第1素子接続片との間には、前記感圧素子の第1面を押圧するための押圧部材が、前記軸方向と略垂直方向から装着可能になっている
    ことを特徴とする電子ペン用感圧素子保持装置。
  2. 前記第1素子接続片には、前記押圧部材に形成してある押圧先端が前記軸方向と略垂直方向から装着可能な取付孔が形成してあり、
    前記押圧先端が、前記感圧素子の第1面に接触して押圧可能に構成してある請求項1に記載の電子ペン用感圧素子保持装置。
  3. 前記コア体には、軸方向に貫通する軸孔が形成してあり、
    前記軸孔に芯体が軸方向移動に装着され、
    前記第1コア端側の前記芯体の端部が前記押圧部材に着脱自在に装着され、
    前記第2コア端から飛び出している前記芯体の先端に具備してあるペン先に作用する圧力に応じて、前記押圧部材が前記感圧素子の第1面を押圧する請求項1または2に記載の電子ペン用感圧素子保持装置。
  4. 前記第1コア端接続片と前記第2コア端接続片とは、それぞれ前記軸孔を塞がないように円弧片形状を有する
    請求項3に記載の電子ペン用感圧素子保持装置。
  5. 前記第1端子ベースには、前記軸方向に略直交する第1連結片が一体に形成してあり、
    前記第1連結片と前記第1素子接続片との間には、第1湾曲片が形成してあり、前記第1素子接続片を前記軸方向に弾力保持してあり、

    前記第2端子ベースには、前記軸方向に略直交する第2連結片が一体に形成してあり、
    前記第2連結片と前記第2素子接続片との間には、第2湾曲片が形成してあり、前記第2素子接続片を前記軸方向に弾力保持してあり、

    前記第1連結片と前記第2連結片とが、前記軸方向に沿って異なる位置に配置してある
    請求項1〜4のいずれかに記載の電子ペン用感圧素子保持装置。
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