JP2014084911A - 電磁ブレーキおよび電磁ブレーキの組立方法、並びにステッピングモータ用電磁ブレーキの組立方法 - Google Patents

電磁ブレーキおよび電磁ブレーキの組立方法、並びにステッピングモータ用電磁ブレーキの組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 軸方向寸法を縮小し、かつ製造が容易な電磁ブレーキおよび電磁ブレーキの組立方法、並びにステッピングモータ用電磁ブレーキの組立方法を提供する。
【解決手段】 アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除する電磁ブレーキにおいて、
前記アーマチュア組立体3を、環状の磁性体を軸方向に分割したアーマチュア要素3A,3Bと、これらアーマチュア要素3A,3B相互間に配置され、軸方向に着磁された環状に構成した永久磁石8と、前記永久磁石8が介在しないアーマチュア要素3A,3B相互間に設けられた空隙または非磁性体11とで構成した電磁ブレーキ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸方向寸法を縮小し、かつ製造が容易な電磁ブレーキおよび電磁ブレーキの組立方法、並びにステッピングモータ用電磁ブレーキの組立方法に関する。
一般に、ACサーボモータの普及や安全性が重視されるのに伴い、無励磁作動型のブレーキ/クラッチの需要が増えつつあり、その中の電磁石組立体のヨークの部分に永久磁石を組み込んだ永久磁石型のものは、下記に示すような特徴を有することから広く利用されている。
1)ばね式のものに比較して小形で制動トルクが大きく応答性がよい。
2)コイルの励磁状態での電流(電圧)の大きさを調整することにより保持トルクを制御できる。
3)ブレーキ解放時の通電極性と逆の電圧をコイルに印加すれば、永久磁石の磁束と電磁コイルの磁束とが重合して定格トルク以上の制動トルクを発生させることができる。
4)放熱特性に優れ、スリップサービスが出来、トルク容量が大きい。
従来、この種の永久磁石型のブレーキとしては、永久磁石を、電磁石組立体側に設け、しかも従来の永久磁石はマグネット組立体(電磁石組立体)の構成上から軸方向に着磁されるため軸方向寸法(L)が過大になるなどの問題点があった。
そこで、アーマチュア組立体内に環状または円周方向に複数に分割された強力で薄型の永久磁石を配置するようにした先行技術が知られている(特許文献1参照)。
また、特許文献1のアーマチュアの解放動作が不安定という問題を解決するために、バイパスギャップを設けた先行技術が知られている(特許文献2参照)。
特許文献1に開示された技術を図10(A)、(B)によって説明すると、磁性体製のアーマチュア組立体100は、回転軸101に設けられたスプラインハブ102のスプライン102aに結合して回転軸101に対して軸方向に移動可能に装着されている。このスプライン102aと、アーマチュア組立体100との間には、ばねプレート104が配置され、アーマチュア組立体100は常時、制動状態から解放される方向(図で左方)に押圧されている。一方、アーマチュア組立体100に対向して軸方向の図示右側に静止体に固定して配置されたマグネット組立体103は、磁性体製でアウタポールPoと、インナポールPiと、これらを連結する底部105bとを有し、断面形状が底付き2重円筒状のヨーク105と、このヨーク105の前記アーマチュア組立体100に対向する側のアウタポールPoとインナポールPiとの間の空隙内105aに電磁コイル106が配置されている。
アーマチュア組立体100は、環状のアーマチュア107と、アーマチュア107の側面に形成された軸方向の溝108に内装された環状の永久磁石109とで構成されている。マグネット組立体103に対向する永久磁石109の軸方向内側には溝108よりも幅の狭いバイパスギャップ110が設けられている。
永久磁石109は、径方向に着磁されており、マグネット組立体103の電磁コイル106に通電しない状態では、永久磁石109の磁束φmによりアーマチュア組立体100がマグネット組立体103に吸着して一定の制動トルクを発生する。一方、マグネット組立体103の電磁コイル106に通電して所定の電流を流すと、永久磁石109の磁束φmと大きさが等しく方向が逆の磁束φcが発生し、永久磁石109の磁束φmを打ち消すので、ばねプレート104の反発手段の反発力でアーマチュア組立体100はマグネット組立体103との吸着から解放され、ブレーキトルクは零となる。また、φm>φcの範囲で調整して通電することで、無励磁作動型電磁ブレーキと同様に、トルクを制御することができる。
特開平7ー197965号公報(特許第3218833号公報) 特開平7ー259905号公報(特許第3082565号公報)
前記のような従来技術によると、アーマチュア107の側面に形成した軸方向の溝108に環状の永久磁石109を内装するため、アーマチュア107の溝108の内周面の仕上げに精度を必要とし、かつ着磁された永久磁石109の組付け作業が厄介であった。
また、溝108の先に幅の狭いバイパスギャップ110を設けるため、加工が厄介であった。またアーマチュア107を製造するためには、鉄などの磁性材で厚みの薄い円筒状のアーマチュア107の片側平面に永久磁石109が入るリング状の溝加工を施し、その溝108の底部に更に溝108の幅より狭い幅でバイパス用の溝108a加工を施したのち、銅などの非磁性材でバイパス用の溝108aをブレージング(ロー付け)して固定し直す必要がある。そして、加工された溝108に嵌合できるように、永久磁石109をリング状寸法に仕上げた後、溝108内に接着する必要があった。1つのリング状の磁石ではなく、分割された複数の円弧状をした磁石の場合も同様である。
このような、アーマチュア107の溝108の幅に合わせて、薄いリング状の永久磁石109の内周面と外周面を研削加工などにより、高精度に仕上げる必要があり、コストアップに繋がっていた。
アーマチュア107のバイパスギャップ110に銅を流し込んだ後に、溝108aからはみ出した銅を取り除く仕上げ加工が必要で、コストアップに繋がっている。
永久磁石109はラジアル方向に着磁されている必要があるため、着磁された永久磁石109を固定する必要がある。
バイパスギャップ110を空隙にした場合は、リング状永久磁石109の内面と外面に、それぞれ鉄などの磁性材料からなるリング状の部品を接着材等により固定してアーマチュア組立体100を構成することになるが、永久磁石109が着磁されているため、接着後にアーマチュア組立体100の端面の平面度を出すための仕上げ加工を施すことができない。(切粉がバイパスギャップに入ってしまう)。個々の部品を高精度に仕上げ、仕上げ加工を不要としてもアーマチュアが磁化されているため、バイパスギャップ溝に鉄粉などが入り込む可能性があり、扱いに注意が必要になる。
本発明は、軸方向寸法を縮小し、かつ製造が容易な電磁ブレーキおよび電磁ブレーキの組立方法、並びにステッピングモータ用電磁ブレーキの組立方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、外周壁と内周壁を同心状に形成して環状空隙部を形成したヨークを静止体に固定し、前記環状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、この電磁石組立体の前記環状空隙部に対向してアーマチュア組立体を前記電磁石組立体に対して接離可能に配置すると共に、該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体の軸線上に挿通した回転軸に一体的に設け、かつ該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する反発手段を設け、前記アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除する電磁ブレーキにおいて、前記アーマチュア組立体を、環状の磁性体を軸方向に分割したアーマチュア要素と、これらアーマチュア要素相互間に配置され、軸方向に着磁された環状に構成した永久磁石と、前記永久磁石が介在しないアーマチュア要素相互間に設けられた空隙または非磁性体とで構成したことにある。
また、本発明は、前記アーマチュア要素の一方を、軸方向に大径部と小径部を有する環状体Aで構成し、前記アーマチュア要素の他方を、内周面が前記小径部に嵌合し、外周面が前記大径部に合致する環状体Bで構成し、前記環状体Aと環状体Bとで前記永久磁石を軸方向に挟持したことにある。
さらに、本発明は、前記環状体Aの小径部と環状体Bの内周面との間に非磁性体部を介在したことにある。
またさらに、本発明は、前記永久磁石の外径を前記環状体A,Bよりも小さく形成し、前記永久磁石の外周面の前記環状体Aと環状体B相互間に非磁性体部を介在したことにある。
また、本発明は、前記アーマチュア要素の一方を、内周面の軸方向に小径部と大径部を有する環状体Cで構成し、前記アーマチュア要素の他方を、外周面が前記大径部に嵌入し、内周面が前記小径部に合致する環状体Dで構成し、前記環状体Cと環状体Dとで、外径を前記環状体Cの大径部内周面に合致するように形成した前記永久磁石を軸方向に挟持したことにある。
さらに、本発明は、前記環状体Cの大径部内周面と環状体Dの外周面との間に非磁性体部を介在したことにある。
またさらに、本発明は、前記永久磁石の内径を前記環状体Cの小径部内径および前記環状体Dの内径よりも小さく形成し、前記永久磁石の内周面側の前記環状体Cと環状体D相互間に非磁性体部を介在したことにある。
また、本発明は、外周壁と内周壁を同心状に形成して環状空隙部を形成したヨークを静止体に固定し、前記環状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、この電磁石組立体の前記環状空隙部に対向してアーマチュア組立体を前記電磁石組立体に対して接離可能に配置すると共に、該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体の軸線上に挿通した回転軸に一体的に設け、かつ該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する反発手段を設け、前記アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除する電磁ブレーキの組立方法において、前記アーマチュア組立体の組立時には、着磁前の永久磁石素材で組立て、アーマチュア組立体の組立後に永久磁石素材を着磁することにある。
さらに、本発明は、外周壁と内周壁を同心状に形成して環状空隙部を形成したヨークを静止体に固定し、前記環状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、この電磁石組立体の前記環状空隙部に対向してアーマチュア組立体を前記電磁石組立体に対して接離可能に配置すると共に、該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体の軸線上に挿通した回転軸に一体的に設け、かつ該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する反発手段を設け、前記アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除する電磁ブレーキの組立方法において、前記アーマチュア組立体の組立時には、着磁前の永久磁石素材で組立て、回転軸に電磁ブレーキを組付けた状態で永久磁石素材を着磁することにある。
またさらに、本発明は、外周壁と内周壁を同心状に形成して環状空隙部を形成したヨークを静止体に固定し、前記環状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、この電磁石組立体の前記環状空隙部に対向してアーマチュア組立体を前記電磁石組立体に対して接離可能に配置すると共に、該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体の軸線上に挿通した回転軸に一体的に設け、かつ該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する反発手段を設け、前記アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除するステッピングモータ用電磁ブレーキの組立方法において、ステッピングモータに、上記着磁前の永久磁石素材を組み込んだ前記電磁ブレーキを組付け、ステッピングモータのロータの永久磁石素材と電磁ブレーキの永久磁石素材とを同時に着磁することにある。
本発明によれば、次のような効果を奏する。
アーマチュア組立体を、環状の磁性体を軸方向に分割したアーマチュア要素と、これらアーマチュア要素相互間に配置され、軸方向に着磁された環状に構成した永久磁石と、前記永久磁石が介在しないアーマチュア要素相互間に設けられた空隙または非磁性体とで構成したので、従来必要であったアーマチュアの溝加工、および永久磁石の内周面と外周面の研削加工などの高精度の仕上げ加工の必要性がなくなり、永久磁石の組付けが容易で、アーマチュア要素の仕上げ精度を要求されず、組立作業が容易である。
アーマチュア要素の一方を、軸方向に大径部と小径部を有する環状体Aで構成し、アーマチュア要素の他方を、内周面が前記小径部に嵌合し、外周面が前記大径部に合致する環状体Bで構成し、環状体Aと環状体Bとで永久磁石を軸方向に挟持したので、永久磁石の組付けが容易で、アーマチュア要素である環状体Aおよび環状体Bの仕上げ精度を要求されず、環状体Aおよび環状体Bと永久磁石の組立作業が容易である。
環状体Aの小径部と環状体Bの内周面との間に非磁性体部を介在したので、永久磁石の磁気特性に影響を及ぼすことがなく、環状体Aおよび環状体Bと永久磁石の組立作業が容易である。
永久磁石の外径を前記環状体A,Bよりも小さく形成し、前記永久磁石の外周面の前記環状体Aと環状体B相互間に非磁性体部を介在したので、永久磁石の磁気特性に影響を及ぼすことがなく、環状体Aおよび環状体Bと永久磁石の組立作業が容易である。
アーマチュア組立体の組立時には、着磁前の永久磁石素材で組立て、アーマチュア組立体の組立後に永久磁石素材を着磁することができるので、組立前のアーマチュア組立体の精度を要求されず、安価に製造することができる。
アーマチュア組立体の組立時には、着磁前の永久磁石素材で組立て、回転軸に電磁ブレーキを組付けた状態で永久磁石素材を着磁することができるので、組立前のアーマチュア組立体の精度を要求されず、安価に製造することができる。
ステッピングモータに、上記着磁前の永久磁石素材を組み込んだ前記電磁ブレーキを組付け、ステッピングモータのロータの永久磁石素材と電磁ブレーキの永久磁石素材とを同時に着磁することができるので、組立前のアーマチュア組立体の精度を要求されず、安価に製造することができる。
本発明による電磁ブレーキの第1の実施形態で、図1(A)は永久磁石による磁束状態を示す縦半断面図で、図1(B)はコイル電流による磁束状態を示す縦半断面図である。 図1(B)に示したよりもコイル電流による磁界が大になった状態での磁束状態を示す縦半断面図である。 図3(A)は1図に示す永久磁石の断面図で、矢印が着磁方向を示す。図3(B)は図3(A)のA方向矢視正面図である。 コイルを励磁した状態での電流(電圧)値と吸引力(+P)と反発力(ーP)との関係を示すグラフである。 本発明による電磁ブレーキの第2の実施形態で、図5(A)は永久磁石による磁束状態を示す縦半断面図で、図5(B)はコイル電流による磁束状態を示す縦半断面図である。 本発明による電磁ブレーキの第3の実施形態で、図6(A)は永久磁石による磁束状態を示す縦半断面図で、図6(B)はコイル電流による磁束状態を示す縦半断面図である。 本発明による電磁ブレーキの第4の実施形態で、図7(A)は永久磁石による磁束状態を示す縦半断面図で、図7(B)はコイル電流による磁束状態を示す縦半断面図である。 本発明の変形例を示す実施形態で、永久磁石による磁束状態を示す縦断面図である。 図8をB方向から見たアーマチュアの磁束状態を示す図である。 従来の電磁ブレーキを示すもので、図10(A)は永久磁石による磁束状態を示す縦半断面図で、図10(B)はコイル電流による磁束状態を示す縦半断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(A)、(B)ないし図3(A)、(B)において、1はモータ等の回転軸2に装備された電磁ブレーキで、この電磁ブレーキ1は、回転軸2に一体に設けられたアーマチュア組立体3と、静止体4に固定され、前記アーマチュア組立体3と一定の間隙Gaを置いて対向して配置された電磁石組立体5とで構成されている。前記アーマチュア組立体3は、回転軸2の軸方向先端に装着されたスプラインハブ6のスプライン6aにスプライン結合されて軸方向に移動可能に装着されている。前記アーマチュア組立体3は、磁性体で成形され、前記スプラインハブ6に装着されたばねプレート7に支持されており、アーマチュア組立体3は、ばねプレート7の弾発力により、常時、制動状態から解放される方向(図示左方向)に押圧されている。なお、スプライン6aによってスプライン結合しない場合には、ばねプレート7のみでアーマチュア組立体3を支持しても良い。
前記アーマチュア組立体3は、環状の磁性体を軸方向に分割したアーマチュア要素3A,3Bと、アーマチュア要素3A,3B相互間に配置され、軸方向に着磁された環状に構成した永久磁石8とで構成されている。
アーマチュア要素3Aは、軸方向に大径部3Aaと小径部3Abを有する環状体Aで構成され、アーマチュア要素3Bは、内周面3Bbが前記小径部3Abに非磁性体からなるバイパスギャップ12(Gb)を挟んで嵌合し、外周面3Baが前記大径部3Aaに合致する環状体Bで構成され、環状体Aと環状体Bとで永久磁石8を軸方向に挟持している。
永久磁石8は、図3(A)、(B)に示すように、矢印で示す軸方向に着磁される、厚みの薄い、外径がアーマチュア組立体3と同じ、中空円筒形状となっている。
アーマチュア内の磁路の磁束密度を均一に設定するために、アーマチュア要素3Aを中空円筒状で大径部と小径部のある凸形状として、アーマチュア要素3Bを厚みの薄い中空円筒形状として、永久磁石8を中空円筒形状で、アーマチュア要素3Aの大径部とアーマチュア要素3Bとに挟まれた位置に配置することで、小型で高保持力の電磁プレーキを得ることができる。
前記電磁石組立体5は、静止体4に固定された底部9bを有し、前記回転軸2に同心状に配置された2重円筒状の磁性体で成形されたヨーク9と、ヨーク9内の空隙内9aに配置された電磁コイル10とで構成されている。2重円筒状のヨーク9は、底部9bによって連結された円筒状の外側ヨーク(アウタポールPo)9cと内側ヨーク(インナポールPi)9dを同心状に有し、開口側9eを前記アーマチュア組立体3に対向して配置されている。ヨーク9はアウタポールPoとインナポールPi間の環状空隙内に電磁コイル10を収容してモータのブラケットなどの静止体4に固定されている。
こうして、図1(A)点線矢印のように永久磁石8による磁束φmが、永久磁石8、アーマチュア要素3A、インナポールPi、底部9b、アウタポールPo、アーマチュア要素3B、の順で生じる。
電磁コイル10に通電しない状態では、永久磁石8の磁束φmによりアーマチュア組立体3を吸着して一定の制動トルクを発生する。
永久磁石8の内周面と前記小径部3Ab外周面との間には、軸方向をアーマチュア要素3A、3B相互間に挟まれて磁気遮断部11が設けられており、この磁気遮断部11は、空隙、または銅、ステンレス、樹脂モールド等の非磁性体で構成されている。この磁気遮断部11とアーマチュア要素3Bの内周面側には、前記電磁石組立体5側に向けてバイパスギャップ12が設けられている。バイパスギャップ12には接着剤を充填して非磁性体部を形成している。同時に、磁気遮断部11にも接着剤を充填し、磁気遮断部11及びバイパスギャップ12の非磁性体部を形成しても良い。
次に上記実施の形態の動作を説明すると、
電磁コイル10に通電しない状態(無励磁状態)では、永久磁石8によりアーマチュア組立体3とヨーク9を還流する磁束φmが形成されるので、ばねプレート7の反発力に抗して永久磁石8の磁束φmによりアーマチュア組立体3をヨーク9に吸着して一定の制動トルクを発生する(図1(A)参照)。電磁コイル10に永久磁石8による磁束φmを打ち消す方向に所定値の電流を流す(励磁状態になる)と、前述した永久磁石8により形成されていた磁束φmに対して、逆方向にアーマチュア組立体3とヨーク9とを還流する磁束φcを形成する方向に磁界が形成されることから、ヨーク9においては励磁電流による磁束φcと永久磁石8による磁束φmとが打消し合う。こうして、アーマチュア組立体3とヨーク9とを相互に吸着していた磁束φmが減少され、または零になって、ばねプレート7などの反発手段の力でアーマチュア組立体3はヨーク9との吸着から解放されるので、ブレーキトルクは零となる(図1(B)参照)。
次に、電磁コイル10に流す電流をさらに増加すると、電磁石組立体5に形成される磁力によってアーマチュア組立体3は図2に示すように再び吸引される。従って、励磁電流より形成される磁界の強さと永久磁石8により形成される磁界の強さとをばねプレート7などによる解放手段の力に対応させ適切な方向と値に調整して通電することにより、トルクを制御することができる。
図4は吸引力(+)と反発力(ーP)と電流との関係を示すグラフで、図1(A)(B)に示す本発明の特性を実線で示している。
また、図2は図1(B)に示したよりも大きな電流で電磁コイル10を励磁した状態を示す横断面図である。即ち、図2に示すように電磁コイル10の電流を増加していくと、アーマチュア組立体3とヨーク9とを還流する磁束φmが減少するので吸引力が減少する。電磁コイル10に流す電流が増加して永久磁石8による磁束φmがヨーク9で励磁電流による磁束φcに打ち消され、吸引力は零になる。さらに電磁コイル10の電流を増加すると、磁束φcは永久磁石8による磁束φmに打ち勝って図2に示すようにアーマチュア組立体3内に侵入し、永久磁石8より通り易いバイパスギャップ12を通りヨーク9とを還流する磁束が形成され、この磁束φcによる吸引力が増大する。
上記の実施の形態によると以下のような各効果を奏することができる。
アーマチュア組立体3の製造において、接着剤を使用してアーマチュア要素3A,3B、永久磁石8を固定すると共に、バイパスギャップ12と磁気遮断部11に接着剤を充填することで、バイパスギャップ12と磁気遮断部11の非磁性体部も兼ねることができる。接着剤の塗布量の管理をすることで、バイパスギャップ12からの接着剤のはみ出しを防ぐことができる。
また、アーマチュア要素3A,3B、永久磁石8の固定のみ接着剤で行い、バイパスギャップ12又は磁気遮断部11を空隙としても良い。
接着剤の代わりに、樹脂モールドを用いることで、アーマチュア組立体3を製造することもできる。
アーマチュア組立体3の製造時には、着磁されていない永久磁石8を組付け、アーマチュア組立体3の状態にしてから、永久磁石8に軸方向に着磁することもできる。さらには、電磁石組立体5と共に、モータなどの回転軸に組付けた後に、永久磁石8に軸方向に着磁することもできる。
このように、アーマチュア組立体3の製造時には、着磁されていない永久磁石8を用いることにより、接着固定後のアーマチュア組立体3の端面の仕上げ加工が可能になり、永久磁石8およびアーマチュア要素3A,3Bの部品精度を高く仕上げる必要がなく、ステッピングモータに使用している永久磁石などの流用も可能になり、安価に製作が可能になる。
また、アーマチュア要素3Aを断面を凸形状としたことで、アーマチュア小径側の厚みが厚くなることで、外周側3Aaと内周側3Abとの磁束密度の差を減らすことにより、アーマチュア組立体3全体の厚みを薄くし、電磁ブレーキの軸方向の寸法が過大になることを解消している。
つまり、磁力の強力な永久磁石8を使用し、磁気抵抗は少なくて、アーマチュア要素3Aとヨーク9それぞれの厚みを薄くできれば、小型で高保持力の電磁ブレーキを得ることができる。
図5(A)(B)は、本発明の第2の実施形態であり、図1(A)(B)と同一部分は、同符号を付して同一部分の説明は省略して説明する。
図5(A)は図1(A)に対応する吸引状態における永久磁石8による磁束φm、図5(B)は図1(B)に対応する電磁コイル10の電流による磁束φcの状況を示している。
アーマチュア組立体13は、環状の磁性体を軸方向に分割したアーマチュア要素13A,13Bと、アーマチュア要素13A,13B相互間に配置され、軸方向に着磁された環状に構成した永久磁石14とで構成されている。
アーマチュア要素13Aは、内周面側の軸方向に小径部13aと大径部13bを有する環状体Cで構成されている。また、アーマチュア要素13Bは、外周面13Baが前記大径部13bに非磁性体からなるバイパスギャップ22(Gb)を挟んで挿入または嵌入し、内周面13Bbが前記小径部13aに合致する環状体Dで構成されている。これら環状体Cと環状体Dとで外径を前記環状体Cの大径部13b内周面に磁気遮断部16を挟んで合致するように形成した永久磁石15を軸方向に挟持している。アーマチュア要素13Aの内周面の大径部13bには、前記磁気遮断部11と同様の磁気遮断部16が接着等により内装されている。この磁気遮断部16の内側に永久磁石15が接着等により装着されている。この実施形態の場合も図1の実施形態と同様に磁気遮断部16の電磁石組立体5側にバイパスギャップ22が設けられている。
図6(A)(B)は、本発明の第3の実施形態であり、図1(A)(B)と同一部分は、同符号を付して同一部分の説明は省略して説明する。
アーマチュア組立体23は、環状の磁性体を軸方向に分割したアーマチュア要素23A,23Bと、アーマチュア組立体23の軸方向の中間にアーマチュア要素23A,23Bに挟持されて配置され、軸方向に着磁された環状に構成した永久磁石17とで構成されている。
アーマチュア要素23Aは、軸方向に大径部23Aaと小径部23Abを有する環状体Aで構成され、アーマチュア要素23Bは、内周面23Bbが前記小径部23Abに嵌合または組付けられ、外周面23Baが前記大径部23Aaに合致する環状体Bで構成され、環状体Aと環状体Bとで永久磁石17を軸方向に挟持している。
永久磁石17の内周面より軸方向ヘヨーク側端面まで伸びた所定幅の空隙、または銅、ステンレス、樹脂モールドなどの非磁性体からなる磁気遮断部18が設けられ、永久磁石17外周面に永久磁石17の厚みより狭い非磁性体からなるバイパスギャップ19(Gb)が設けられている。アーマチュア要素23Bは、磁気遮断部18を介して前記アーマチュア要素23Aの小径部23Abに組付けられている。
この実施の形態では、電磁コイル10に通電しない状態(無励磁状態)では、永久磁石17によりアーマチュア組立体23とヨーク9を還流する磁束φmが形成されるので、ばねプレート7の反発力に抗して永久磁石17の磁束φmによりアーマチュア組立体23をヨーク9に吸着して一定の制動トルクを発生する(図6(A)参照)。電磁コイル10に永久磁石17による磁束φmを打ち消す方向に所定値の電流を流す(励磁状態になる)と、前述した永久磁石17により形成されていた磁束φmに対して、逆方向にアーマチュア組立体23とヨーク9とを還流する磁束φcを形成する方向に磁界が形成されることから、ヨーク9においては励磁電流による磁束φcと永久磁石17による磁束φmとが打消し合う。こうして、アーマチュア組立体23とヨーク9とを相互に吸着していた磁束φmが減少され、または零になって、ばねプレート7などの反発手段の力でアーマチュア組立体23はヨーク9との吸着から解放されるので、ブレーキトルクは零となる(図6(B)参照)。
次に、電磁コイル10に流す電流をさらに増加すると、電磁石組立体5に形成される磁力によってアーマチュア組立体23は図6(A)に示すように再び吸引される。従って、励磁電流より形成される磁界の強さと永久磁石17により形成される磁界の強さとをばねプレート7などによる反発手段の力に対応させ適切な方向と値に調整して通電することにより、トルクを制御することができる。
図7(A)(B)は、本発明の第4の実施形態であり、図6(A)(B)と同一部分は、同符号を付して同一部分の説明は省略して説明する。
この実施の形態では、図6の実施形態とは逆に永久磁石27をアーマチュア組立体33の内周側に配置したものである。
アーマチュア組立体33は、環状の磁性体を軸方向に分割したアーマチュア要素33A,33Bと、アーマチュア要素33A,33B相互間に配置され、軸方向に着磁された環状に構成した永久磁石27とで構成されている。
アーマチュア要素33Aは、内周面側の軸方向に小径部33aと大径部33bを有する環状体Cで構成されている。また、アーマチュア要素33Bは、外周面33Baが前記大径部33bに挿入または嵌入し、内周面33Bbが前記小径部33aに合致する環状体Dで構成されている。これら環状体Cと環状体Dとで永久磁石27の両側面を軸方向に挟持している。アーマチュア要素33Aの内周面の大径部33bには、永久磁石27の外周面より軸方向ヘヨーク側端面まで伸びた所定幅の空隙、または銅、ステンレス、樹脂モールドなどの非磁性体からなる磁気遮断部28が設けられ、永久磁石27内周面側に永久磁石27の厚みより狭い非磁性体からなるバイパスギャップ29(Gb)が設けられている。
この実施の形態の場合にも電磁コイル10に通電しない状態(無励磁状態)では、永久磁石27によりアーマチュア組立体33とヨーク9を還流する磁束φmが形成されるので、ばねプレート7の反発力に抗して永久磁石27の磁束φmによりアーマチュア組立体33をヨーク9に吸着して一定の制動トルクを発生する(図7(A)参照)。一方、電磁コイル10に永久磁石27による磁束φmを打ち消す方向に所定値の電流を流す(励磁状態になる)と、前述した永久磁石27により形成されていた磁束φmに対して、逆方向にアーマチュア組立体33とヨーク9とを還流する磁束φcを形成する方向に磁界が形成されることから、ヨーク9においては励磁電流による磁束φcと永久磁石27による磁束φmとが打消し合う。こうして、アーマチュア組立体33とヨーク9とを相互に吸着していた磁束φmが減少され、または零になって、ばねプレート7などの反発手段の力でアーマチュア組立体33はヨーク9との吸着から解放されるので、ブレーキトルクは零となる(図7(B)参照)。
次に、電磁コイル10に流す電流をさらに増加すると、電磁石組立体5に形成される磁力によってアーマチュア組立体33は図7(A)に示すように再び吸引される。従って、励磁電流より形成される磁界の強さと永久磁石27により形成される磁界の強さとをばねプレート7などによる反発手段の力に対応させ適切な方向と値に調整して通電することにより、トルクを制御することができる。
これらの第2,3,4の実施の形態によると第1の実施形態と同様に以下のような各効果を奏することができる。
アーマチュア組立体13,23,33の製造において、接着剤を使用してアーマチュア要素13A,13B、23A,23B、33A,33B、永久磁石15,17,27を固定すると共に、磁気遮断部16,18,28とバイパスギャップ22、19,29に接着剤を充填することで、磁気遮断部16,18,28とバイパスギャップ22、19,29の非磁性体部も兼ねることができる。接着剤の塗布量の管理をすることで、バイパスギャップ22、19,29からの接着剤のはみ出しを防ぐことができる。
また、アーマチュア要素13A,13B、23A,23B、33A,33B、永久磁石15,17,27の固定のみ接着剤で行い、磁気遮断部16,18,28、またはバイパスギャップ22、19,29を空隙としても良い。
接着剤の代わりに、非磁性材の樹脂モールドを用いることで、アーマチュア組立体13,23,33を製造することもできる。
アーマチュア組立体13,23,33の製造時には、着磁されていない永久磁石15,17,27を組付け、アーマチュア組立体13,23,33の状態にしてから、永久磁石15,17,27に軸方向に着磁することもできる。さらには、電磁石組立体5と共に、モータなどの回転軸に組付けた後に、永久磁石15,17,27に軸方向に着磁することもできる。
このように、アーマチュア組立体13,23,33の製造時には、着磁されていない永久磁石15,17,27を用いることにより、接着固定後のアーマチュア組立体13,23,33の端面の仕上げ加工が可能になり、永久磁石15,17,27およびアーマチュア要素13A,13B、23A,23B、33A,33Bの部品精度を高く仕上げる必要がなく、ステッピングモータに使用している永久磁石15,17,27などの流用も可能になり、安価に製作が可能になる。
図8および図9において永久磁石による磁束φmが効率良く磁路を形成するためには、アウタポールPoの厚みは薄く、インナポールPiの厚みは厚くすることで、アウタポールPoのアーマチュア側端面の面積Pos、インナポールPiのアーマチュア側端面面積Pisとを、Pos≒Pisになるように設定することで、ヨーク9内の磁路の磁束密度を均一に設定することができる。
以上述べたように本発明によれば以下のような効果を奏することができる。
従来例では、アーマチュアの溝幅に合わせて、薄いリング状の永久磁石の内周面と外周面を研削加工などにより、高精度に仕上げる必要があり、コストアップに繋がっていたが、本願発明では、軸方向に着磁した永久磁石を採用することにより、アーマチュア組立体のアーマチュアを軸方向に2分割し、永久磁石を挟み込む構造にできるので、アーマチュアの溝加工、永久磁石の内周面と外周面の研削加工などの高精度の仕上げ加工の必要がなくなる。
また、アーマチュアの製造において接着剤の使用が可能で、アーマチュア要素、永久磁石を固定すると共にバイパスギャップと磁気遮断部に接着剤を充填することで、バイパスギャップと磁気遮断部の非磁性体部材も兼ねることができる。接着剤の塗布量の管理をすることで、バイパスギャップからの接着剤のはみ出しを防ぐこともできる。また、バイパスギャップや磁気遮断部を空隙にすることもできる。
同じアキシャル(軸)方向に着磁された永久磁石をヨーク側に配置した特許文献2の従来技術と比較すると、永久磁石からヨークとアーマチュアとの吸着面までの距離(磁路)が短いので、同じ磁石でも強い吸引力を得ることができる。
また、大型のアーマチュア要素を凸形状としたことで、アーマチュア内周側の厚みが厚くなることで、外周側と内周側との磁束密度の差を減らすことにより、アーマチュア全体の厚みを薄くし、電磁ブレーキの小型化が可能となる。
従来例では、永久磁石がラジアル(半径)方向に着磁されているので、着磁された永久磁石を固定する必要がある。さらに、バイパスギャップを空隙にした場合は、リング状永久磁石の内面と外面に、それぞれ鉄などの磁性材料からなるリング状の部品を接着材等により固定してアーマチュア組立体を構成することになるが、永久磁石が着磁されているため、接着後にアーマチュア組立体の端面の平面度を出すための仕上げ加工を施すことができない。(切粉がバイパスギャップに入ってしまう〉。個々の部品を高精度に仕上げ、仕上げ加工を不要としてもアーマチュアが磁化されているため、バイパスギャップ溝に鉄粉などが入り込む可能性があり、扱いに注意が必要になる。本願では、着磁されていない永久磁石を生産時に使用し、アーマチュア組立体とした後、または、アーマチュア組立体と電磁石組立体をモータ等に組付けた後で、永久磁石に軸方向に着磁することができるので、接着固定後にアーマチュアの端面の仕上げ加工が可能となり、接着前の永久磁石およびアーマチュア要素の部品精度を高く仕上げる必要がなくなり、安価に製造が可能である。また、銅などの非磁性金属でバイパスギャップを構成する場合、必ずしもブレージングする必要はなく、円筒状の非磁性金属を挿入することでも良い。したがって、ステンレス等の非磁性金属も使用できる。
またさらに、アーマチュアに使用する永久磁石を軸方向に着磁することで、ハイブリット型ステッピングモータのロータに使用されている永久磁石と同様に、ボビン型のヨーク内での着磁が可能になり、電磁ブレーキとして組立完成後に、永久磁石を着磁することが可能になる。また、ステッピングモータに電磁ブレーキを組み付けた後に、ロータの永久磁石と電磁ブレーキの永久磁石との両方を1度に着磁することができ、生産性をアップすることが可能でコストを低減できる。
さらに、ステッピングモータに使用している永久磁石などの流用も可能になり、より安価に製作が可能になる。
なお、上記実施の形態では、アーマチュア組立体3内での永久磁石8の配置は、薄い中空円筒状の1個で示したが、円周方向に所定の間隔で円弧状に分割した複数の永久磁石8でも、本発明の効果は変わらない。
1 電磁ブレーキ
2 回転軸
3,13,23,33 アーマチュア組立体
4 静止体
5 電磁石組立体
6 スプラインハブ
6a スプライン
7 ばねプレート
8,15,17,27 永久磁石
9 ヨーク
10 電磁コイル
11,16,18,28 磁気遮断部
12,19,22,29 バイパスギャップ
Ga アーマチュアギャップ
Gb アーマチュアに形成したギャップ(バイパスギャップ)
Po アウタポール(外側ヨーク)
Pi インナポール(内側ヨーク)
φc 電磁コイルによる磁束
φm 永久磁石による磁束

Claims (10)

  1. 外周壁と内周壁を同心状に形成して環状空隙部を形成したヨークを静止体に固定し、前記環状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、この電磁石組立体の前記環状空隙部に対向してアーマチュア組立体を前記電磁石組立体に対して接離可能に配置すると共に、該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体の軸線上に挿通した回転軸に一体的に設け、かつ該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する反発手段を設け、前記アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除する電磁ブレーキにおいて、
    前記アーマチュア組立体を、環状の磁性体を軸方向に分割したアーマチュア要素と、
    これらアーマチュア要素相互間に配置され、軸方向に着磁された環状に構成した永久磁石と、
    前記永久磁石が介在しないアーマチュア要素相互間に設けられた空隙または非磁性体とで構成したことを特徴とする電磁ブレーキ。
  2. 前記アーマチュア要素の一方を、軸方向に大径部と小径部を有する環状体Aで構成し、
    前記アーマチュア要素の他方を、内周面が前記小径部に嵌合し、
    外周面が前記大径部に合致する環状体Bで構成し、
    前記環状体Aと環状体Bとで前記永久磁石を軸方向に挟持したことを特徴とする請求項1に記載の電磁ブレーキ。
  3. 前記環状体Aの小径部と環状体Bの内周面との間に非磁性体部を介在したことを特徴とする請求項2に記載の電磁ブレーキ。
  4. 前記永久磁石の外径を前記環状体A,Bよりも小さく形成し、
    前記永久磁石の外周面の前記環状体Aと環状体B相互間に非磁性体部を介在したことを特徴とする請求項3に記載の電磁ブレーキ。
  5. 前記アーマチュア要素の一方を、内周面の軸方向に小径部と大径部を有する環状体Cで構成し、
    前記アーマチュア要素の他方を、外周面が前記大径部に嵌入し、
    内周面が前記小径部に合致する環状体Dで構成し、
    前記環状体Cと環状体Dとで、外径を前記環状体Cの大径部内周面に合致するように形成した前記永久磁石を軸方向に挟持したことを特徴とする請求項1に記載の電磁ブレーキ。
  6. 前記環状体Cの大径部内周面と環状体Dの外周面との間に非磁性体部を介在したことを特徴とする請求項5に記載の電磁ブレーキ。
  7. 前記永久磁石の内径を前記環状体Cの小径部内径および前記環状体Dの内径よりも小さく形成し、
    前記永久磁石の内周面側の前記環状体Cと環状体D相互間に非磁性体部を介在したことを特徴とする請求項6に記載の電磁ブレーキ。
  8. 外周壁と内周壁を同心状に形成して環状空隙部を形成したヨークを静止体に固定し、
    前記環状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、
    この電磁石組立体の前記環状空隙部に対向してアーマチュア組立体を前記電磁石組立体に対して接離可能に配置すると共に、該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体の軸線上に挿通した回転軸に一体的に設け、
    かつ該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する反発手段を設け、
    前記アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、
    前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、
    前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除する電磁ブレーキの組立方法において、
    前記アーマチュア組立体の組立時には、着磁前の永久磁石素材で組立て、
    アーマチュア組立体の組立後に永久磁石素材を着磁することを特徴とする電磁ブレーキの組立方法。
  9. 外周壁と内周壁を同心状に形成して環状空隙部を形成したヨークを静止体に固定し、前記環状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、この電磁石組立体の前記環状空隙部に対向してアーマチュア組立体を前記電磁石組立体に対して接離可能に配置すると共に、該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体の軸線上に挿通した回転軸に一体的に設け、かつ該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する反発手段を設け、前記アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除する電磁ブレーキの組立方法において、
    前記アーマチュア組立体の組立時には、着磁前の永久磁石素材で組立て、
    回転軸に電磁ブレーキを組付けた状態で永久磁石素材を着磁することを特徴とする電磁ブレーキの組立方法。
  10. 外周壁と内周壁を同心状に形成して環状空隙部を形成したヨークを静止体に固定し、前記環状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、この電磁石組立体の前記環状空隙部に対向してアーマチュア組立体を前記電磁石組立体に対して接離可能に配置すると共に、該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体の軸線上に挿通した回転軸に一体的に設け、かつ該アーマチュア組立体を前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する反発手段を設け、前記アーマチュア組立体内に配置された永久磁石によって、前記電磁石組立体が励磁されない状態では、前記アーマチュア組立体を前記反発手段の反発力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて制動するとともに、前記電磁石組立体が励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁力が発生し、前記反発手段の付勢力によりアーマチュア組立体を解放して制動を解除するステッピングモータ用電磁ブレーキの組立方法において、
    ステッピングモータに、上記着磁前の永久磁石素材を組み込んだ前記電磁ブレーキを組付け、
    ステッピングモータのロータの永久磁石素材と電磁ブレーキの永久磁石素材とを同時に着磁することを特徴とするステッピングモータ用電磁ブレーキの組立方法。
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