JP2014081642A - 画像表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像表示部材とその表面側に配される光透過性カバー部材とを光硬化性樹脂組成物の硬化樹脂層を介して積層して画像表示装置を製造する際に、熱重合プロセスを利用せずに、遮光層と画像表示部材との間の光硬化性樹脂組成物を、そこから排除されることなく十分に光硬化させ且つ遮光層と光透過性カバー部材表面との間の段差をキャンセルできるようにすると共に、光重合プロセスだけで画像表示装置を製造できるようにする。
【解決手段】本発明の画像表示装置の製造方法においては、熱重合開始剤を含有していない液状の光硬化性樹脂組成物を、遮光層を含む光透過性カバー部材の表面又は画像表示部材の表面に、遮光層の厚さより厚く塗布した後、その状態で紫外線を照射して仮硬化させて仮硬化樹脂層を形成する。続いて、仮硬化樹脂層を介して画像表示部材と光透過性カバー部材とを積層した後に紫外線を照射して本硬化させて光透過性硬化樹脂層を形成する。
【選択図】図1G
【解決手段】本発明の画像表示装置の製造方法においては、熱重合開始剤を含有していない液状の光硬化性樹脂組成物を、遮光層を含む光透過性カバー部材の表面又は画像表示部材の表面に、遮光層の厚さより厚く塗布した後、その状態で紫外線を照射して仮硬化させて仮硬化樹脂層を形成する。続いて、仮硬化樹脂層を介して画像表示部材と光透過性カバー部材とを積層した後に紫外線を照射して本硬化させて光透過性硬化樹脂層を形成する。
【選択図】図1G
Description
本発明は、液晶表示パネル等の画像表示部材とその表面側に配される透明保護シート等の光透過性カバー部材とを、光透過性硬化樹脂層を介して接着・積層して画像表示装置を製造する方法に関する。
スマートフォーン等の情報端末に用いられている液晶表示パネル等の画像表示装置は、液晶表示パネルや有機ELパネル等の画像表示部材と光透過性カバー部材との間に、光硬化性樹脂組成物を配した後、その組成物に紫外線を照射して硬化させて光透過性硬化樹脂層とし、それにより画像表示部材と光透過性カバー部材とを接着・積層することにより製造されている(特許文献1)。
ところで、光透過性カバー部材の画像表示部側表面の周縁部には、表示画像の輝度やコントラスト向上のために遮光層が設けられているため、そのような遮光層と画像表示部材との間に挟まれた光硬化性樹脂組成物の硬化が十分に進行せず、そのため十分な接着力が得られず、光透過性カバー部材と画像表示部材との間の剥離や、その間隙への湿気の侵入により画像品質の低下等が生ずるということが懸念されている。
そこで、光硬化性樹脂組成物に熱重合開始剤を配合して熱及び光硬化性樹脂組成物とし、遮光層が形成された光透過性カバー部材の表面に、この熱及び光硬化性樹脂組成物を塗布し、この塗布面を画像表示部材に重ね、紫外線を照射して光硬化させた後に、全体を加熱することにより遮光層と画像表示部材との間に挟まれた熱及び光硬化性樹脂組成物を熱硬化させることが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献2の技術によれば、特許文献1で懸念された問題の解消は期待できるが、光重合開始剤に熱重合開始剤を同時に併用し、光重合プロセスに加えて熱重合プロセスとを実施しなければならないため、熱重合プロセスのための設備投資の負担が大きくなるという問題や、熱及び光硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下するという問題があった。更に、熱及び光硬化性樹脂組成物が塗布された光透過性カバー部材と画像表示部材とに重ねる際、その段階では硬化プロセスを経ていないため、遮光層と光透過性カバー部材の表面との間から樹脂組成物が排除されてしまい、遮光層と光透過性カバー部材表面との間の段差がキャンセルされず、気泡の発生や光透過性カバーと樹脂の層間剥離という問題の発生も懸念されている。
本発明の目的は、以上の従来の技術の問題点を解決することであり、画像表示部材とその表面側に配される光透過性カバー部材とを光硬化性樹脂組成物の硬化樹脂層を介して積層して画像表示装置を製造する際に、熱重合プロセスを利用することなく、遮光層と画像表示部材との間の光硬化性樹脂組成物を、そこから排除されることなく十分に光硬化させ且つ遮光層と光透過性カバー部材表面との間の段差をキャンセルできるようにすると共に、光重合プロセスだけで画像表示装置を製造できるようにすることである。
本発明者は、熱重合開始剤を含有していない液状の光硬化性樹脂組成物を、一旦、遮光層を含む光透過性カバー部材の表面又は画像表示部材の表面に、遮光層の厚さより厚く塗布した後、その状態で紫外線を照射して仮硬化させておくことにより、そのような仮硬化樹脂層を介して画像表示部材と光透過性カバー部材とを積層した後の紫外線照射による本硬化により、遮光層と画像表示部材との間の光透過性硬化樹脂層を、その間から排除することなく十分に光硬化させることでき、しかも遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面との間の段差をキャンセルできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、画像表示部材と、周縁部に遮光層が形成された光透過性カバー部材とが、液状の光硬化性樹脂組成物から形成された光透過性硬化樹脂層を介し、光透過性カバー部材の遮光層形成面が画像表示部材側に配置されるように積層された画像表示装置の製造方法において、以下の工程(A)〜(D)を有する製造方法を提供する。
<工程(A)>
液状の光硬化性樹脂組成物を、光透過性カバー部材の遮光層形成側表面又は画像表示部材の表面に、遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面とで形成される段差がキャンセルされるように、遮光層の厚さより厚く塗布する工程。
液状の光硬化性樹脂組成物を、光透過性カバー部材の遮光層形成側表面又は画像表示部材の表面に、遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面とで形成される段差がキャンセルされるように、遮光層の厚さより厚く塗布する工程。
<工程(B)>
塗布された光硬化性樹脂組成物に対し紫外線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層を形成する工程。
塗布された光硬化性樹脂組成物に対し紫外線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層を形成する工程。
<工程(C)>
画像表示部材に、遮光層と仮硬化樹脂層とが内側となるように光透過性カバー部材を貼り合わせる工程。
画像表示部材に、遮光層と仮硬化樹脂層とが内側となるように光透過性カバー部材を貼り合わせる工程。
<工程(D)>
画像表示部材と光透過性カバー部材との間に挟持されている仮硬化樹脂層に対し紫外線を照射して本硬化させることにより、画像表示部材と光透過性カバー部材とを光透過性硬化樹脂層を介して積層して画像表示装置を得る工程。
画像表示部材と光透過性カバー部材との間に挟持されている仮硬化樹脂層に対し紫外線を照射して本硬化させることにより、画像表示部材と光透過性カバー部材とを光透過性硬化樹脂層を介して積層して画像表示装置を得る工程。
本発明の画像表示装置の製造方法においては、熱重合開始剤を含有していない液状の光硬化性樹脂組成物を、遮光層を含む光透過性カバー部材の表面又は画像表示部材の表面に、遮光層の厚さより厚く塗布した後、その状態で紫外線を照射して仮硬化させて仮硬化樹脂層を形成する。続いて、仮硬化樹脂層を介して画像表示部材と光透過性カバー部材とを積層した後に紫外線を照射して本硬化させて光透過性硬化樹脂層を形成する。このため、遮光層と画像表示部材との間の光透過性硬化樹脂層をその間から排除することなく十分に光硬化させ且つ遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面との間の段差をキャンセルできる。
以下、工程(A)〜(D)を有する本発明の画像表示装置の製造方法を、図面を参照しながら工程毎に詳細に説明する。
<工程(A)(塗布工程)>
まず、図1Aに示すように、片面の周縁部に形成された遮光層1を有する光透過性カバー部材2を用意し、図1Bに示すように、光透過性カバー部材2の表面2aに、液状の光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1と光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面2aとで形成される段差4がキャンセルされるように、遮光層1の厚さより厚く塗布する。具体的には、遮光層1の表面も含め、光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面2aの全面に光硬化性樹脂組成物3を平坦になるように塗布し、段差が生じないようにする。従って、光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1の厚さの好ましくは1.2〜50倍、より好ましくは2〜30倍の厚さで塗布する。
まず、図1Aに示すように、片面の周縁部に形成された遮光層1を有する光透過性カバー部材2を用意し、図1Bに示すように、光透過性カバー部材2の表面2aに、液状の光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1と光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面2aとで形成される段差4がキャンセルされるように、遮光層1の厚さより厚く塗布する。具体的には、遮光層1の表面も含め、光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面2aの全面に光硬化性樹脂組成物3を平坦になるように塗布し、段差が生じないようにする。従って、光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1の厚さの好ましくは1.2〜50倍、より好ましくは2〜30倍の厚さで塗布する。
なお、この光硬化性樹脂組成物3の塗布は、必要な厚みが得られるように複数回行ってもよい。
光透過性カバー部材2としては、画像表示部材に形成された画像が視認可能となるような光透過性があればよく、ガラス、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等の板状材料やシート状材料が挙げられる。これらの材料には、片面又は両面ハードコート処理、反射防止処理などを施すことができる。光透過性カバー部材2の厚さや弾性などの物性は、使用目的に応じて適宜決定することができる。
遮光層1は、画像のコントラストを挙げるため等に設けられるものであり、黒色等に着色された塗料をスクリーン印刷法などで塗布し、乾燥・硬化させたものである。遮光層1の厚みとしては、通常5〜100μmであり、この厚みが段差4に相当する。
本工程で使用する光硬化性樹脂組成物3の性状は液状である。液状のものを使用するので、遮光層1と光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面2aとで形成される段差4をキャンセルできる。ここで、液状とは、B型粘度計で0.01〜100Pa・s(25℃)の粘度を示すものである。
このような光硬化性樹脂組成物3としては、ポリウレタン系(メタ)アクリレート、ポリイソプレン系(メタ)アクリレート等の光ラジカル重合性ポリ(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを主成分として含有するものが挙げられる。ここで、“(メタ)アクリレート”という用語は、アクリレートとメタクリレートとを包含する。
光ラジカル重合性ポリ(メタ)アクリレートの好ましい具体例としては、ポリイソプレン、ポリウレタン、ポリブタジエン等を骨格に持つ(メタ)アクリレート系オリゴマーを挙げることができる。
ポリイソプレン骨格の(メタ)アクリレートオリゴマーの好ましい具体例としては、ポリイソプレン重合体の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(UC102(ポリスチレン換算分子量17000)、(株)クラレ;UC203(ポリスチレン換算分子量35000)、(株)クラレ;UC−1(分子量約25000)、(株)クラレ)等を挙げることができる。
また、ポリウレタン骨格を持つ(メタ)アクリル系オリゴマーの好ましい具体例としては、脂肪族ウレタンアクリレート(EBECRYL230(分子量5000)、ダイセル・サイテック社;UA−1、ライトケミカル社)等を挙げることができる。
ポリブタジエン骨格の(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、公知のものを採用することができる。
光重合開始剤としても、公知の光ラジカル重合開始剤を使用することができ、例えば、1−ヒドロキシ−シクロへキシルフェニルケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ社)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2一ヒドロキシ−2−メチル−プロピロニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュア127、チバ・スペシャリティケミカルズ社)、ベンゾフェノン、アセトフェノン等を挙げることができる。
このような光重合開始剤は、光ラジカル重合性ポリ(メタ)アクリレート100質量部に対し、少なすぎると紫外線照射時に硬化不足となり、多すぎると開裂によるアウトガスが増え発泡不具合の傾向があるので、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜3質量部である。
液状の光硬化性樹脂組成物3は、更に、光ラジカル重合性ポリ(メタ)アクリレートと相溶する公知の可塑剤(柔軟性付与剤)、例えば、テルペン系水素添加樹脂やポリプタジエン、ポリイソプレン等を含有することができる。これらの可塑剤は、後述するように、粘着性付与剤としても使用可能なものである。
また、光硬化性樹脂組成物3は、反応性希釈剤を含有することができる。好ましい反応性希釈剤としては、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート等を挙げることができる。
光硬化性樹脂組成物3は、更に、必要に応じて、シランカップリング剤等の接着改善剤、酸化防止剤等の一般的な添加剤を含有することができる。
また、光硬化性樹脂組成物3は、分子量の調整のために連鎖移動剤を含有することができる。例えば、2−メルカプトエタノール、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノール、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
なお、後述する工程(B)における紫外線照射は、光硬化性樹脂組成物3の初期接着強度(いわゆるタック性)を低減させ、また最終的な接着強度を低下させるように働くことがある。そのために、光硬化性樹脂組成物3に、いわゆる粘着付与剤を配合することが望ましい。粘着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂等のテルペン系樹脂、天然ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、水素添加ロジン等のロジン樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の石油樹脂などを使用することができる。このような粘着付与剤の配合量は、光硬化性樹脂組成物100質量部中に好ましくは40〜70質量部である。なお、工程(B)における紫外線照射量が多くなるにつれ、光硬化性樹脂組成物3の硬化レベルも高くなる傾向があるので、粘着付与剤の配合量も上述の範囲で多くすることが好ましい。
なお、光硬化性樹脂組成物3のベース材料は、上述の光ラジカル重合性ポリ(メタ)アクリレートとなるが、粘着付与剤の粘着付与効果をより強く発現させるために、光ラジカル重合性ポリ(メタ)アクリレートを予めポリマー化した材料を含有させることもできる。そのようなポリマー化した材料としては、ブチルアクリレートと2−ヘキシルアクリレートおよびアクリル酸の共重合体やシクロヘキシルアクリレートとメタクリル酸の共重合体等を挙げることができる。
<工程(B)(仮硬化工程)>
次に、図1Cに示すように、工程(A)で塗布された光硬化性樹脂組成物3に対し紫外線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層5を形成する。ここで、仮硬化させるのは、光硬化性樹脂組成物3を液状から著しく流動しない状態にし、図1Dに示すように、天地逆転させても流れ落ちないようにして取り扱い性を向上させるためである。また、このように仮硬化させることにより、遮光層1と画像表示部材との間の光透過性硬化樹脂層を、その間から排除することなく十分に光硬化させることでき、硬化収縮も低減させることができる。このような仮硬化のレベルは、仮硬化樹脂層5の硬化率(ゲル分率)が好ましくは10〜80%、より好ましくは30〜60%となるようなレベルである。ここで、硬化率(ゲル分率)とは、紫外線照射前の光硬化性樹脂組成物3中の(メタ)アクリロイル基の存在量に対する紫外線照射後の(メタ)アクリロイル基の存在量の割合(消費量割合)と定義される数値であり、この数値が大きい程、硬化が進行していることを示す。
次に、図1Cに示すように、工程(A)で塗布された光硬化性樹脂組成物3に対し紫外線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層5を形成する。ここで、仮硬化させるのは、光硬化性樹脂組成物3を液状から著しく流動しない状態にし、図1Dに示すように、天地逆転させても流れ落ちないようにして取り扱い性を向上させるためである。また、このように仮硬化させることにより、遮光層1と画像表示部材との間の光透過性硬化樹脂層を、その間から排除することなく十分に光硬化させることでき、硬化収縮も低減させることができる。このような仮硬化のレベルは、仮硬化樹脂層5の硬化率(ゲル分率)が好ましくは10〜80%、より好ましくは30〜60%となるようなレベルである。ここで、硬化率(ゲル分率)とは、紫外線照射前の光硬化性樹脂組成物3中の(メタ)アクリロイル基の存在量に対する紫外線照射後の(メタ)アクリロイル基の存在量の割合(消費量割合)と定義される数値であり、この数値が大きい程、硬化が進行していることを示す。
なお、硬化率(ゲル分率)は、紫外線照射前の樹脂組成物層のFR−IR測定チャートにおけるベースラインからの1640〜1620cm−1の吸収ピーク高さ(X)と、紫外線照射後の樹脂組成物層のFR−IR測定チャートにおけるベースラインからの1640〜1620cm−1の吸収ピーク高さ(Y)とを、以下の数式(1)に代入することにより算出することができる。
紫外線の照射に関し、硬化率(ゲル分率)が好ましくは10〜80%となるように仮硬化させることができる限り、光源の種類、出力、累積光量などは特に制限はなく、公知の紫外線照射による(メタ)アクリレートの光ラジカル重合プロセス条件を採用することができる。
また、紫外線照射条件に関し、上述の硬化率の範囲内において、後述する工程(C)の貼り合わせ操作の際、仮硬化樹脂層5の液だれや変形が生じないような条件を選択することが好ましい。そのような液だれや変形が生じないような条件を粘度で表現すると、20Pa・S以上(コーンプレートレオメーター、25℃、コーン及びプレートC35/2、回転数10rpm)となる。
また、紫外線照射条件に関し、上述の硬化率の範囲内において、後述する工程(C)の貼り合わせ操作の際、仮硬化樹脂層5の表面のべとつき(タック性)を維持できるような条件を選択することが好ましい。そのようなべとつきを維持できるような条件をタッキング試験機(TAC−1000、レスカ社)を用いるプローブタック法(レスカ法:試料の粘着面を上にして置き、その上部からプローブを粘着面に押し付け、引き剥がす方法)により得られる測定数値で表現すると、30N/mm2以上である(http://www.rhesca.co.jp/main/technical/technical.htmlの「粘着物質の物性測定法」参照)。
<工程(C)(貼り合わせ工程)>
次に、図1Eに示すように、画像表示部材6に、光透過性カバー部材2をその仮硬化樹脂層5側から貼り合わせる。貼り合わせは、公知の圧着装置を用いて、10℃〜80℃で加圧することにより行うことができる。
次に、図1Eに示すように、画像表示部材6に、光透過性カバー部材2をその仮硬化樹脂層5側から貼り合わせる。貼り合わせは、公知の圧着装置を用いて、10℃〜80℃で加圧することにより行うことができる。
<工程(D)(本硬化工程)>
次に、図1Fに示すように、画像表示部材6と光透過性カバー部材2との間に挟持されている仮硬化樹脂層5に対し紫外線を照射して本硬化させる。さらに必要に応じて、光透過性カバー部材2の遮光層と画像表示部材6との間の樹脂層に紫外線を照射することにより、該樹脂層を本硬化させる。これにより、画像表示部材6と光透過性カバー部材2とを光透過性硬化樹脂層7を介して積層して画像表示装置10(図1G)を得る。
次に、図1Fに示すように、画像表示部材6と光透過性カバー部材2との間に挟持されている仮硬化樹脂層5に対し紫外線を照射して本硬化させる。さらに必要に応じて、光透過性カバー部材2の遮光層と画像表示部材6との間の樹脂層に紫外線を照射することにより、該樹脂層を本硬化させる。これにより、画像表示部材6と光透過性カバー部材2とを光透過性硬化樹脂層7を介して積層して画像表示装置10(図1G)を得る。
画像表示部材6としては、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、プラズマ表示パネル、タッチパネル等を挙げることができる。ここで、タッチパネルとは、液晶表示パネルのような表示素子とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた画像表示・入力パネルを意味する。
また、本工程において本硬化させるのは、仮硬化樹脂層5を十分に硬化させて、画像表示部材6と光透過性カバー部材2とを接着し積層するためである。このような本硬化のレベルは、光透過性硬化樹脂層7の硬化率(ゲル分率)が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上となるようなレベルである。
なお、光透過性硬化樹脂層7の光透過性のレベルは、画像表示部材6に形成された画像が視認可能となるような光透過性であればよい。
以上、図1A〜図1Gでは、光透過性カバー部材の遮光層側形成表面に光硬化性樹脂組成物を塗布した例を説明したが、以下の図2A〜図2Fでは、画像表示部材表面に光硬化性樹脂組成物を塗布した例を説明する。なお、図1A〜図1Gと図2A〜図2Fとにおいて同じ図番は同一の構成要素を表している。
<工程(AA)(塗布工程)>
まず、図2Aに示すように、画像表示部材6の表面に光硬化性樹脂組成物3を平坦になるように塗布する。この場合の塗布厚は、遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面とで形成される段差がキャンセルされるように、遮光層の厚さの好ましくは1.2〜50倍、より好ましくは2〜30倍の厚さである。
まず、図2Aに示すように、画像表示部材6の表面に光硬化性樹脂組成物3を平坦になるように塗布する。この場合の塗布厚は、遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面とで形成される段差がキャンセルされるように、遮光層の厚さの好ましくは1.2〜50倍、より好ましくは2〜30倍の厚さである。
なお、この光硬化性樹脂組成物3の塗布は、必要な厚みが得られるように複数回行ってもよい。
<工程(BB)(仮硬化工程)>
次に、図2Bに示すように、工程(AA)で塗布された光硬化性樹脂組成物3に対し紫外線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層5を形成する(図2C)。ここで、仮硬化させるのは、光硬化性樹脂組成物3を液状から著しく流動しない状態にし、取り扱い性を向上させると共に、光透過性カバー部材の遮光層を重ねた際にその段差がキャンセルされる程度には押し込めるようにするためである。また、このように仮硬化させることにより、遮光層と画像表示部材との間の光透過性硬化樹脂層を、その間から排除することなく十分に光硬化させることでき、硬化収縮も低減させることができる。このような仮硬化のレベルは、仮硬化樹脂層5の硬化率(ゲル分率)が好ましくは10〜80%、より好ましくは30〜60%となるようなレベルである。
次に、図2Bに示すように、工程(AA)で塗布された光硬化性樹脂組成物3に対し紫外線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層5を形成する(図2C)。ここで、仮硬化させるのは、光硬化性樹脂組成物3を液状から著しく流動しない状態にし、取り扱い性を向上させると共に、光透過性カバー部材の遮光層を重ねた際にその段差がキャンセルされる程度には押し込めるようにするためである。また、このように仮硬化させることにより、遮光層と画像表示部材との間の光透過性硬化樹脂層を、その間から排除することなく十分に光硬化させることでき、硬化収縮も低減させることができる。このような仮硬化のレベルは、仮硬化樹脂層5の硬化率(ゲル分率)が好ましくは10〜80%、より好ましくは30〜60%となるようなレベルである。
<工程(CC)(貼り合わせ工程)>
次に、図2Dに示すように、画像表示部材6の仮硬化樹脂層5に、光透過性カバー部材2をその遮光層1側から貼り合わせる。貼り合わせは、公知の圧着装置を用いて、10〜80℃で加圧することにより行うことができる。
次に、図2Dに示すように、画像表示部材6の仮硬化樹脂層5に、光透過性カバー部材2をその遮光層1側から貼り合わせる。貼り合わせは、公知の圧着装置を用いて、10〜80℃で加圧することにより行うことができる。
<工程(DD)(本硬化工程)>
次に、図2Eに示すように、画像表示部材6と光透過性カバー部材2との間に挟持されている仮硬化樹脂層5に対し紫外線を照射して本硬化させる。さらに必要に応じて,光透過性カバー部材2の遮光層と画像表示部材6との間の樹脂層に紫外線を照射することにより,該樹脂層を本硬化させる。これにより、画像表示部材6と光透過性カバー部材2とを光透過性硬化樹脂層7を介して積層して画像表示装置10(図2F)を得る。
次に、図2Eに示すように、画像表示部材6と光透過性カバー部材2との間に挟持されている仮硬化樹脂層5に対し紫外線を照射して本硬化させる。さらに必要に応じて,光透過性カバー部材2の遮光層と画像表示部材6との間の樹脂層に紫外線を照射することにより,該樹脂層を本硬化させる。これにより、画像表示部材6と光透過性カバー部材2とを光透過性硬化樹脂層7を介して積層して画像表示装置10(図2F)を得る。
画像表示部材6としては、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、プラズマ表示パネル、タッチパネル等を挙げることができる。
また、本工程において本硬化のレベルは、光透過性硬化樹脂層7の硬化率(ゲル分率)が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上となるようなレベルである。
なお、光透過性硬化樹脂層7の光透過性のレベルは、画像表示部材6に形成された画像が視認可能となるような光透過性であればよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
(工程(A)(塗布工程))
まず、45(w)×80(l)×0.4(t)mmのサイズのガラス板を用意し、このガラス板の周縁部全域に、乾燥厚で40μmとなるように4mm幅の遮光層を、熱硬化タイプの黒色インク(MRXインキ、帝国インキ製造社)を用いて、スクリーン印刷法により塗布し、乾燥させることにより、遮光層付きガラス板を用意した。
(工程(A)(塗布工程))
まず、45(w)×80(l)×0.4(t)mmのサイズのガラス板を用意し、このガラス板の周縁部全域に、乾燥厚で40μmとなるように4mm幅の遮光層を、熱硬化タイプの黒色インク(MRXインキ、帝国インキ製造社)を用いて、スクリーン印刷法により塗布し、乾燥させることにより、遮光層付きガラス板を用意した。
また、光ラジカル重合性ポリ(メタ)アクリレートとしてポリイソプレンメタクリレート(UC102、(株)クラレ)6重量部、反応性希釈剤としてジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート15重量部とラウリルメタクリレート5重量部、可塑剤としてポリブタジエン(Polyvest110、エボニックデグサ社製)20重量部、光重合開始剤(Irgacure184、BASF社)1重量部、及び粘着付与剤として水素添加テルペン樹脂(クリアロンM105、ヤスハラケミカル社製)53重量部を均一に混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。この光硬化性樹脂組成物の粘度(コーンプレートレオメーター、25℃、コーン及びプレートC35/2、回転数10rpm)は、約6000mPa・sであった。
次に、この光硬化性樹脂組成物を、樹脂用ディスペンサーを用いて遮光層付きガラス板の遮光層形成面の全面に吐出し、平均200μmの光硬化性樹脂組成物膜を形成した。この光硬化性樹脂組成物膜は、図1(B)のように遮光層のほぼ全域に跨るように形成されており、40μm厚mの遮光層よりも160μmほど厚く形成されていた。
(工程(B)(仮硬化工程))
次に、この光硬化性樹脂組成物膜に対して、紫外線照射装置(LC−8、浜松ホトニクス製)を使って、積算光量が300mJ/cm2となるように、50mW/cm2強度の紫外線を6秒照射することにより光硬化性樹脂組成物膜を仮硬化させ、仮硬化樹脂層を形成した。ここで、300mJ/cm2という積算光量は、光硬化性樹脂組成物膜を完全に硬化させるために必要な紫外線量の約10%に相当する。
次に、この光硬化性樹脂組成物膜に対して、紫外線照射装置(LC−8、浜松ホトニクス製)を使って、積算光量が300mJ/cm2となるように、50mW/cm2強度の紫外線を6秒照射することにより光硬化性樹脂組成物膜を仮硬化させ、仮硬化樹脂層を形成した。ここで、300mJ/cm2という積算光量は、光硬化性樹脂組成物膜を完全に硬化させるために必要な紫外線量の約10%に相当する。
なお、FR−IR測定チャートにおけるベースラインからの1640〜1620cm−1の吸収ピーク高さを指標として求めた、紫外線照射後の光硬化性樹脂組成物膜、即ち、仮硬化樹脂層の硬化率は約50%であった。
また、仮硬化樹脂層の粘度(コーンプレートレオメーター、25℃、コーン及びプレートC35/2、回転数10rpm)は、30Pa・sであった。このため、ガラス板の光硬化樹脂層が下面になるようにガラス板を反転させても、1分以内では液だれや膜変形は生じなかった。
更に、仮硬化樹脂層の表面のタック性は、タッキング試験機(TAC−II、(株)レスカ)を用いたプローブタック法測定によれば、90N/mm2であった。
(工程(C)(貼り合わせ工程))
次に、40(W)×70(L)mmのサイズの液晶表示素子の偏光板が積層された面に、工程(B)で得たガラス板をその仮硬化樹脂層側が偏光板側となるように載置し、ガラス板側からゴムローラで加圧して、ガラス板を貼り付けた。貼り付けられた状態でガラス板側から液晶表示素子を目視観察した場合、遮光層の周囲に気泡は確認されなかった。
次に、40(W)×70(L)mmのサイズの液晶表示素子の偏光板が積層された面に、工程(B)で得たガラス板をその仮硬化樹脂層側が偏光板側となるように載置し、ガラス板側からゴムローラで加圧して、ガラス板を貼り付けた。貼り付けられた状態でガラス板側から液晶表示素子を目視観察した場合、遮光層の周囲に気泡は確認されなかった。
(工程(D)(本硬化工程))
次に、この液晶表示素子に対し、ガラス板側から、紫外線照射装置(LC−8、浜松ホトニクス製)を使って紫外線(50mW/cm2)を60秒照射することにより仮硬化樹脂層を完全に硬化させ、光透過性硬化樹脂層を形成した。光透過性硬化樹脂層の硬化率は97%であった。これにより、液晶表示素子に、光透過性カバー部材としてのガラス板が光透過性硬化樹脂層を介して積層された液晶表示装置が得られた。
次に、この液晶表示素子に対し、ガラス板側から、紫外線照射装置(LC−8、浜松ホトニクス製)を使って紫外線(50mW/cm2)を60秒照射することにより仮硬化樹脂層を完全に硬化させ、光透過性硬化樹脂層を形成した。光透過性硬化樹脂層の硬化率は97%であった。これにより、液晶表示素子に、光透過性カバー部材としてのガラス板が光透過性硬化樹脂層を介して積層された液晶表示装置が得られた。
<評価>
実施例1の各工程の結果物における遮光層と光硬化性樹脂組成物膜、仮硬化樹脂層又は光透過性硬化樹脂層との境界の気泡の有無を以下に説明するように目視観察した。また、液晶表示装置の接着状態の評価を以下に説明するように行った。
実施例1の各工程の結果物における遮光層と光硬化性樹脂組成物膜、仮硬化樹脂層又は光透過性硬化樹脂層との境界の気泡の有無を以下に説明するように目視観察した。また、液晶表示装置の接着状態の評価を以下に説明するように行った。
(気泡の有無)
実施例1の各工程の結果物における遮光層と光硬化性樹脂組成物膜、仮硬化樹脂層又は光透過性硬化樹脂層との境界の気泡の有無を、目視観察した。その結果、いずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも気泡は観察されなかった。
実施例1の各工程の結果物における遮光層と光硬化性樹脂組成物膜、仮硬化樹脂層又は光透過性硬化樹脂層との境界の気泡の有無を、目視観察した。その結果、いずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも気泡は観察されなかった。
(接着状態の評価)
液晶表示装置を作成する際に、図3に示すように、液晶表示素子に代えて40(W)×70(L)mmのサイズのガラスベース30を使用し、そのガラスベース30に対し、仮硬化樹脂層が形成されたガラス板31を、仮硬化樹脂層側から十文字に貼り合わせることによりガラス接合体を得た。そして、その下側に位置するガラスベース30を固定し、上側に位置するガラス板31を直上方向に引き剥がし、その剥離性状を目視観察し、以下の基準で接着状態を評価したところ、“A”評価であった。
液晶表示装置を作成する際に、図3に示すように、液晶表示素子に代えて40(W)×70(L)mmのサイズのガラスベース30を使用し、そのガラスベース30に対し、仮硬化樹脂層が形成されたガラス板31を、仮硬化樹脂層側から十文字に貼り合わせることによりガラス接合体を得た。そして、その下側に位置するガラスベース30を固定し、上側に位置するガラス板31を直上方向に引き剥がし、その剥離性状を目視観察し、以下の基準で接着状態を評価したところ、“A”評価であった。
ランク 基準
A: 凝集剥離が生じた場合
B: 凝集剥離と界面剥離とが混在している場合
C: 界面剥離が生じた場合
A: 凝集剥離が生じた場合
B: 凝集剥離と界面剥離とが混在している場合
C: 界面剥離が生じた場合
実施例2
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、光硬化性樹脂組成物膜を、遮光層の幅に対して70%程度跨るように形成する以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、遮光層の幅に対して70%程度しか跨るように光硬化性樹脂組成物膜を形成した場合であっても、実施例2の各工程の結果物及び最終的な液晶表示装置に気泡は存在せず、また、接着状態もA評価であった。これは、工程(C)(貼り合わせ工程)において、仮硬化樹脂層が遮光層全体を覆うように拡がったためであると考えられる。
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、光硬化性樹脂組成物膜を、遮光層の幅に対して70%程度跨るように形成する以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、遮光層の幅に対して70%程度しか跨るように光硬化性樹脂組成物膜を形成した場合であっても、実施例2の各工程の結果物及び最終的な液晶表示装置に気泡は存在せず、また、接着状態もA評価であった。これは、工程(C)(貼り合わせ工程)において、仮硬化樹脂層が遮光層全体を覆うように拡がったためであると考えられる。
実施例3
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、光硬化性樹脂組成物膜を遮光層の厚みの1.2倍程度で形成した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、光硬化性樹脂組成物膜を遮光層の1.2倍程度の厚みで形成すれば、実施例3の各工程の結果物及び最終的な液晶表示装置に気泡は存在せず、また、接着状態も“A”評価であった。
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、光硬化性樹脂組成物膜を遮光層の厚みの1.2倍程度で形成した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、光硬化性樹脂組成物膜を遮光層の1.2倍程度の厚みで形成すれば、実施例3の各工程の結果物及び最終的な液晶表示装置に気泡は存在せず、また、接着状態も“A”評価であった。
実施例4
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、図4Aのように、光硬化性樹脂組成物3aを遮光層1と同じ厚みで遮光層1を跨らずに塗布した後、さらに光硬化性樹脂組成物3bを、図4Bのように遮光層1に跨るように塗布した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、光硬化性樹脂組成物を多層化しても、実施例4の各工程の結果物及び最終的な液晶表示装置に気泡は存在せず、また、接着状態も“A”評価であった。
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、図4Aのように、光硬化性樹脂組成物3aを遮光層1と同じ厚みで遮光層1を跨らずに塗布した後、さらに光硬化性樹脂組成物3bを、図4Bのように遮光層1に跨るように塗布した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、光硬化性樹脂組成物を多層化しても、実施例4の各工程の結果物及び最終的な液晶表示装置に気泡は存在せず、また、接着状態も“A”評価であった。
実施例5
実施例1の工程(B)における仮硬化樹脂層の硬化率を、10%、30%、60%、80%とし、工程(D)における紫外線の照射を、仮硬化樹脂層の硬化率が99%以上となるまで行った以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、仮硬化樹脂層の硬化率が10〜80%という範囲で変化しても、実施例5の各工程の結果物及び最終的な液晶表示装置に気泡は存在せず、また、接着状態についても、80%である場合(“B”評価)を除き、いずれも“A”評価であった。
実施例1の工程(B)における仮硬化樹脂層の硬化率を、10%、30%、60%、80%とし、工程(D)における紫外線の照射を、仮硬化樹脂層の硬化率が99%以上となるまで行った以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、仮硬化樹脂層の硬化率が10〜80%という範囲で変化しても、実施例5の各工程の結果物及び最終的な液晶表示装置に気泡は存在せず、また、接着状態についても、80%である場合(“B”評価)を除き、いずれも“A”評価であった。
なお、仮硬化樹脂層表面のタック性は、タッキング試験機(TAC−II、(株)レスカ)を用いたプローブタック法測定によれば、30〜120N/mm2の範囲であった。
比較例1
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、図5のように、光硬化性樹脂組成物3を遮光層1全域に跨るように形成するものの、遮光層1の厚みより薄い約30μm厚で形成した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、工程(A)の結果物においては気泡は観察されなかったものの、工程(C)の結果物並びに工程(D)の結果物(液晶表示装置)において気泡が観察された。また、接着状態は“A”評価であった。
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、図5のように、光硬化性樹脂組成物3を遮光層1全域に跨るように形成するものの、遮光層1の厚みより薄い約30μm厚で形成した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、工程(A)の結果物においては気泡は観察されなかったものの、工程(C)の結果物並びに工程(D)の結果物(液晶表示装置)において気泡が観察された。また、接着状態は“A”評価であった。
比較例2
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、図6のように、光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1よりも高いが遮光層1を跨らないように点状に塗布した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、紫外線を照射すると気泡を巻き込むことは明らかであるから、紫外線を照射することなく液晶表示装置に貼り合わせたところ、気泡は遮光層の周囲に限らず各領域に観察された。また、接着状態は“A”評価であった。
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、図6のように、光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1よりも高いが遮光層1を跨らないように点状に塗布した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、紫外線を照射すると気泡を巻き込むことは明らかであるから、紫外線を照射することなく液晶表示装置に貼り合わせたところ、気泡は遮光層の周囲に限らず各領域に観察された。また、接着状態は“A”評価であった。
比較例3
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、図7のように、光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1に跨るように形成せず且つその厚みを遮光層1より薄く塗布した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、工程(A)の結果物では気泡は確認できないものの、工程Cの貼り合わせ工程の結果物には気泡が確認され、工程(D)(本硬化工程)の結果物(液晶表示装置)においても確認された。また、接着状態は“A”評価であった。
実施例1の工程(A)(塗布工程)において、図7のように、光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1に跨るように形成せず且つその厚みを遮光層1より薄く塗布した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、工程(A)の結果物では気泡は確認できないものの、工程Cの貼り合わせ工程の結果物には気泡が確認され、工程(D)(本硬化工程)の結果物(液晶表示装置)においても確認された。また、接着状態は“A”評価であった。
比較例4
実施例1における工程(B)(仮硬化工程)において、仮硬化樹脂層の硬化率を90%とし、工程(D)(本硬化工程)における紫外線の照射時間を30秒とした以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、いずれの工程の結果物にも気泡は観察されなかったが、接着状態は“C”評価であった。
実施例1における工程(B)(仮硬化工程)において、仮硬化樹脂層の硬化率を90%とし、工程(D)(本硬化工程)における紫外線の照射時間を30秒とした以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、いずれの工程の結果物にも気泡は観察されなかったが、接着状態は“C”評価であった。
比較例5
実施例1における工程(A)において、光硬化性樹脂組成物をガラス板に塗布するのではなく、剥離フィルムに形成し、実施例1の工程(B)と同様の紫外線照射を行うことで、光硬化性樹脂組成物の仮硬化樹脂層が剥離フィルム上に形成し、その仮硬化樹脂層を遮光層が形成されたガラス板に転写したこと以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、仮硬化樹脂層の転写の際に遮光層の段差において気泡が確認された。その後の工程(C)、工程(D)の結果物においても気泡が観察された。また、接着状態は“B”評価であった。
実施例1における工程(A)において、光硬化性樹脂組成物をガラス板に塗布するのではなく、剥離フィルムに形成し、実施例1の工程(B)と同様の紫外線照射を行うことで、光硬化性樹脂組成物の仮硬化樹脂層が剥離フィルム上に形成し、その仮硬化樹脂層を遮光層が形成されたガラス板に転写したこと以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成し、気泡の有無を観察し、接着状態を評価した。その結果、仮硬化樹脂層の転写の際に遮光層の段差において気泡が確認された。その後の工程(C)、工程(D)の結果物においても気泡が観察された。また、接着状態は“B”評価であった。
本発明の画像表示装置の製造方法によれば、遮光層と画像表示部材との間の光透過性硬化樹脂層をその間から排除することなく十分に光硬化させ且つ光透過性カバー部材の遮光層形成側表面とで形成される段差をキャンセルできる。従って、本発明の製造方法は、タッチパネルを備えたスマートフォーンやタッチパッド等の情報端末の工業的製造に有用である。
1 遮光層
2 光透過性カバー部材
2a 光透過性カバー部材の遮光層形成側表面
3、3a、3b 光硬化性樹脂組成物
4 段差
5 仮硬化樹脂層
6 画像表示部材
7 光透過性硬化樹脂層
10 画像表示装置
30 ガラスベース
31 ガラス板
2 光透過性カバー部材
2a 光透過性カバー部材の遮光層形成側表面
3、3a、3b 光硬化性樹脂組成物
4 段差
5 仮硬化樹脂層
6 画像表示部材
7 光透過性硬化樹脂層
10 画像表示装置
30 ガラスベース
31 ガラス板
Claims (6)
- 画像表示部材と、周縁部に遮光層が形成された光透過性カバー部材とが、液状の光硬化性樹脂組成物から形成された光透過性硬化樹脂層を介し、光透過性カバー部材の遮光層形成面が画像表示部材側に配置されるように積層された画像表示装置の製造方法において、
以下の工程(A)〜(D):
<工程(A)>
液状の光硬化性樹脂組成物を、光透過性カバー部材の遮光層形成側表面又は画像表示部材の表面に、遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面とで形成される段差がキャンセルされるように、遮光層の厚さより厚く塗布する工程;
<工程(B)>
塗布された光硬化性樹脂組成物に対し紫外線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層を形成する工程;
<工程(C)>
画像表示部材に、遮光層と仮硬化樹脂層とが内側になるように光透過性カバー部材を貼り合わせる工程;
<工程(D)>
画像表示部材と光透過性カバー部材との間に挟持されている仮硬化樹脂層に対し紫外線を照射して本硬化させることにより、画像表示部材と光透過性カバー部材とを光透過性硬化樹脂層を介して積層して画像表示装置を得る工程
を有する製造方法。 - 画像表示部材が、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、プラズマ表示パネル又はタッチパネルである請求項1記載の製造方法。
- 工程(A)において、光硬化性樹脂組成物を、遮光層の厚さの1.2〜50倍の厚さで塗布する請求項1又は2記載の製造方法。
- 工程(B)において、仮硬化樹脂層の硬化率が10〜80%となるように、光硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して仮硬化させる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 工程(D)において、光透過性硬化樹脂層の硬化率が90%以上となるように、仮硬化樹脂層に紫外線を照射して本硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 液状の光硬化性樹脂組成物が、ポリウレタン系(メタ)アクリレート又はポリイソプレン系(メタ)アクリレートと粘着性付与剤とを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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CN114126849A (zh) * | 2019-07-29 | 2022-03-01 | 迪睿合株式会社 | 光学装置的制造方法 |
-
2013
- 2013-11-28 JP JP2013245819A patent/JP2014081642A/ja not_active Withdrawn
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