JP2014080524A - 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ - Google Patents

粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ Download PDF

Info

Publication number
JP2014080524A
JP2014080524A JP2012229787A JP2012229787A JP2014080524A JP 2014080524 A JP2014080524 A JP 2014080524A JP 2012229787 A JP2012229787 A JP 2012229787A JP 2012229787 A JP2012229787 A JP 2012229787A JP 2014080524 A JP2014080524 A JP 2014080524A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylate
meth
pressure
sensitive adhesive
adhesive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012229787A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6103748B2 (ja
Inventor
Shoichi Matsumoto
章一 松本
Eriko Sato
絵理子 佐藤
Akinori Morino
彰規 森野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Osaka University NUC
Osaka City University
Original Assignee
DIC Corp
Osaka University NUC
Osaka City University
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, Osaka University NUC, Osaka City University, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2012229787A priority Critical patent/JP6103748B2/ja
Publication of JP2014080524A publication Critical patent/JP2014080524A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6103748B2 publication Critical patent/JP6103748B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】簡易に製造でき、好適に被着体への貼付けや部品間の固定が可能で、かつ、解体時には温水等の水を使用しなくとも、加熱やエネルギー線照射により容易に解体可能な易解体性粘着テープ及び当該易解体性粘着テープを実現可能な粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】アクリル系重合体、および、酸触媒又は酸発生剤を含有する粘着剤組成物であって、アクリル系重合体が、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、水酸基含有ビニルモノマーをモノマー成分として含有し、水酸基含有ビニルモノマーの含有量が、アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の10質量%以上であり、アクリル系重合体が、質量平均分子量が10万以上のアクリル系ランダム重合体である粘着剤組成物により、好適な接着性と解体性を実現できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、被着体への貼付け、物品間の固定を行った後、一定期間経過後に当該貼付けや固定を容易に解体できる易解体性粘着テープ及び当該易解体性粘着テープを与える易解体性粘着剤組成物に関する。
粘着テープは、作業性に優れる接着信頼性の高い接合手段として、OA機器、IT・家電製品、自動車等の各産業分野での部品固定用途や、部品の仮固定用途、製品情報を表示するラベル用途等に使用されている。近年、地球環境保護の観点から、これら家電や自動車等の各種の産業分野において、使用済み製品のリサイクル、リユースの要請が高まっている。各種製品をリサイクル、リユースする際には、部品の固定やラベルに使用されている粘着テープを剥離する作業が必要となるが、当該粘着テープは製品中の各所に設けられているため、簡易な除去工程による作業コストの低減が要望されている。
易解体性の粘着テープとしては、例えば、接着力が相違する2層以上の粘着層を有する粘着部材が開示されている(特許文献1参照)。当該粘着テープは、重畳構造の粘着層を有する粘着部材における弱粘着層を介して被着体を接合処理することにより、被着体の強固な固着と、当該弱粘着層を剥離面とする容易な解体を実現するとの粘着部材である。しかし、当該粘着部材は、複数の粘着剤層を必須の構成とするため製造コストが高くなる問題があった。また、弱粘着層により被着体との接着が行われる構成であるため接着力を高めるには制限があり、強固に物品を固定する用途への展開が困難であった。特に、OA機器、IT・家電製品、自動車等での部品固定用途においては、粘着テープに熱がかかる環境下で使用されることも多く、高温下での良好な接着性能も求められる場合があった。
他の易解体性の粘着剤組成物として、脂肪族ポリエステルを含有する粘着剤組成物が開示されている(特許文献2参照)。当該粘着剤組成物は、温水浸漬での剥離作業においてポリカプロラクトンの加水分解促進作用により容易に剥離できることが開示されている。しかし当該粘着剤組成物は、剥離時に温水浸漬が必要であることから、解体作業を行う部材が大きい場合には設備コストが大きく、電子部品等を再利用する際などの水を使用できない部品へは適用できないものであった。
また、解体時に粘着テープの接着力が大幅に低下した場合にも、粘着テープの被着体からの剥離や基材からの粘着剤層の剥離に際しては、解体時に粘着剤層が凝集破壊すると残存する粘着剤層の除去が必要となり、多量の工業製品等の解体時には作業性に劣る場合があった。
また、アクリル系のブロック共重合体を使用した易解体性の粘着剤組成物として、カルボキシル前駆基含有(メタ)アクリレートモノマーからなるポリ(メタ)アクリレート鎖を有するアクリル系ブロック共重合体を含有する粘着剤組成物が開示されている(特許文献3参照)。当該粘着剤組成物は、カルボキシル前駆基含有(メタ)アクリレートモノマーからなるポリ(メタ)アクリレート鎖の側鎖分解により、好適な解体性を有するものであるが、ブロック共重合体を使用するため、製造上のコストが高くなる傾向があった。
特開平10−140093号公報 特開平9−137145号公報 特開2012−126879号公報
本発明が解決しようとする課題は、簡易に製造でき、好適に被着体への貼付けや部品間の固定が可能で、かつ、解体時には温水等の水を使用しなくとも、加熱やエネルギー線照射により容易に解体可能な易解体性粘着テープ及び当該易解体性粘着テープを実現可能な粘着剤組成物を提供することにある。
本発明の粘着剤組成物は、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、極性基含有モノマーとをモノマー成分として含有するアクリル系共重合体、および、酸触媒又は酸発生剤を含有し、アクリル系共重合体が、極性基含有モノマーをモノマー成分中の10質量%以上含有し、かつ、質量平均分子量が10万以上のアクリル系ランダム重合体である粘着剤組成物を使用する。当該構成を有する粘着剤組成物により形成される粘着剤層は、ランダム重合体であることから製造が容易であり、貼付け時には、アクリル系重合体による粘着特性を発現し、解体を行う際には、加熱や露光等の外部刺激により好適に解体できる。
本発明の易解体性粘着剤組成物によれば、製造が簡易なランダム重合体を使用しながらも、好適な接着性と共に、解体時には熱や光等の簡易な手段により、好適に解体することができる。このため、リサイクルやリユースに適用されるOA機器、IT・家電製品、自動車等の各産業分野での部品固定用途や部品の仮固定用途、製品情報を表示するラベル用途等に特段の制限なく好適に適用でき、解体時にも簡易な加熱設備やエネルギー線照射設備等により容易に解体できる。
[アクリル系重合体]
本発明の易解体性粘着剤組成物に使用するアクリル系重合体は、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを主たるモノマー成分として使用するアクリル系重合体である。炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート及びn−テトラデシル(メタ)アクリレート等を好ましく例示できる。なかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートの少なくとも一種を使用することが好ましく、n−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートの少なくとも一種を使用することが、好適な接着性を付与しやすいため特に好ましい。
アクリル系重合体に使用するモノマー成分中の炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。また、n−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートを使用する場合には、n−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートの総量が、アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。
また、アクリル系重合体には、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとして、酸や加熱によりオレフィン脱離を生じやすい、カルボキシル基とそれに隣接した第二級又は第三級炭素原子を有するアルキル基とから構成されるエステル基や、ベンジル基等のカルボキシル前駆基を含有する(メタ)アクリレートの使用量を低くすることで、貼り付け時の接着安定性を確保しやすいため好ましい。アクリル系重合体に使用するカルボキシル前駆基含有(メタ)アクリレートの使用量は、アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることがさらに好ましい。特に、カルボキシル前駆基含有(メタ)アクリレートを実質的に含有せず、上記例示した炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートから選択して使用することが好ましい。
カルボキシル基前駆基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、sec−ヘキシル(メタ)アクリレート、sec−オクチル(メタ)アクリレート、sec−ノニル(メタ)アクリレート、sec−デシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、tert−ノニル(メタ)アクリレート、tert−デシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が例示できる。
本発明に使用するアクリル系重合体は、上記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと併用して、水酸基含有ビニルモノマーを、アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の10質量%以上使用する。本発明においては、当該水酸基含有ビニルモノマーを10質量%以上使用することで、被着体への好適な接着性と、好適な再剥離性とを実現できる。
水酸基含有ビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等を使用することができる。なかでも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを好ましく使用でき、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを特に好ましく使用できる。
水酸基含有ビニルモノマーの含有量としては、アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の10質量%以上、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜30質量%である。水酸基含有ビニルモノマーを当該含有量にて使用することで、好適な接着力と良好な解体性を実現できる。
本発明のアクリル系重合体においては、上記以外の他のモノマーを使用することもできる。他のモノマーとしては、上記水酸基含有ビニルモノマー以外の極性基含有モノマーを好適に使用でき、例えば、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基又はアミド基等の極性基を有するビニルモノマーを例示できる。これらモノマーは、分子間相互作用により、接着性や解体時の粘着剤層の凝集力の向上に寄与しやすいため好ましい。
カルボキシル基含ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アクリル酸ダイマー、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレートなどのカルボキシル基を有するモノマー等を使用することができる。
また、アミド基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等を使用でき、アミノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
また、イミノ基含有モノマーとしては、例えばシクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、イタコンイミド等を使用することができる。
これら水酸基含有ビニルモノマー以外の極性基含有モノマーの含有量は、アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。
本発明に使用するアクリル系重合体は、上記モノマー成分のランダム重合体を使用する。本発明においては、ブロック重合体を使用せずとも好適な接着性と解体性を実現できることから、製造が簡便であり、製造コストの低減に著しく優位である。
本発明に使用するアクリル系重合体の重量平均分子量は、10万以上、好ましくは10万〜200万、より好ましくは15万〜150万、さらに好ましくは20万〜120万、特に好ましくは30万〜120万とすることで好適な接着力と解体性とを実現できる。
前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算である。測定条件の例として、HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いてカラムはTSKgel GMHXL[東ソー製]を用い、カラム温度は40℃、溶離液はテトラヒドロフラン、流量は1.0mL/分とし、標準ポリスチレンはTSK標準ポリスチレンを用いることで測定できる。
分子量を調整するために、重合には連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動剤、例えばラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが使用できる。
[酸触媒、酸発生剤]
本発明に使用する酸触媒としては、例えばp−トルエンスルホン酸やベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン酸などの有機酸や、塩酸や硫酸等の無機酸、及び、それらの水和物を使用することができる。
本発明で使用する酸発生剤は、例えば紫外線等のエネルギー線による光照射によりカチオン重合を開始することのできる酸を発生する光酸発生剤や、加熱等によって酸を発生する熱酸発生剤である。なかでも光酸発生剤は、光と熱の二種の外部刺激により粘着剤層を好適に解体できる一方で、粘着剤組成物として保管する際や、粘着テープとして物品を固定した際には容易に分解や解体が生じにくく、安定した保存性や粘着特性を保持できるため、特に好ましく使用できる。
前記光酸発生剤としては、例えばN−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホナート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホナート、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホナート、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、フェニル−(3−ヒドロキシ−ペンタデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニル−(3−ヒドロキシペンタデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシ−α[[[4−メチルフェニル]スルフォニル]オキシ]イミノ]ベンゼンアセトニトリル(4−ヒドロキシ−1−ナフチル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4,7−ジヒドロキシ−1−ナフチル)ジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート(4,8−ジヒドロキシ−ナフチル)ジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等を使用することができる。
これら光酸発生剤は、使用する用途に応じて適宜好適なものを選択すればよい。例えば、これら酸発生剤は粘着剤との混合により熱分解温度が低下する場合があるため、これらのなかでも、N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホナートやビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等の酸発生剤単独での熱分解温度が概ね150℃以上のものを使用することが、保存時等に熱の影響によって酸が発生し、粘着剤組成物の解体が進行することを防止するうえで好ましい。
また、光酸発生剤の中でも、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等の加熱により気体を発生する光酸発生剤は、光による酸発生と加熱による気体発生により、特に高い解体性を実現しやすいため好ましい。N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホナート等の100℃程度の加熱よっても気体を発生しにくい光酸発生剤は、熱安定性の高い粘着剤層を得ることができるため好ましい。
さらに、光酸発生剤の中でも、骨格中にベンゼン環やナフタレン環構造等の光吸収性の構造を有する光酸発生剤は、少ない光照射時間や少ない含有量で好適な解体性を実現できるため、製造コストや解体コストを低減しやすいため好ましい。一方で、これら光吸収性の構造を有さない光酸発生剤は、光照射に対する安定性が求められる場合に好ましく使用できる。
また、前記熱酸発生剤としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩を使用することができ、例えば4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウム ヘキサフルオロアンチモネート等を使用することができる。
[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤組成物は、上記アクリル系重合体と、酸触媒又は酸発生剤を含有することで、得られる粘着剤層は、貼付け時には粘着特性を十分に発現でき、解体を行う際には、酸触媒や、加熱や光等の外部刺激により酸を発生する酸発生剤の存在下で、加熱や光照射を行うことにより、粘着力を大きく低減でき容易に解体可能となる。
粘着剤組成物中の酸触媒又は酸発生剤の含有量としては、使用する酸発生剤の種類や、所望の解体性に応じて適宜調整すればよいが、カルボキシル前駆基含有(メタ)アクリレートが有するカルボキシル前駆基1モルに対して10モル%以下で使用することが好ましく、1〜10モル%の範囲で使用することが特に好ましい。なかでも、光酸発生剤の場合には、光吸収性の構造を有する光酸発生剤を使用する際には0.1〜5モル%程度が好ましく、0.1〜3モル%が特に好ましい。一方、光吸収性の構造を有さない光酸発生剤を使用する際には、3〜10モル%程度が好ましく、4〜8モル%が特に好ましい。
使用するアクリル系重合体に対しては、上記アクリル系重合体100質量部に対し、15質量部以下にて使用することが好ましい。なかでも、光酸発生剤の場合には、光吸収性の構造を有する光酸発生剤を使用する際には0.1〜5重量部程度が好ましく、0.2〜3重量部が特に好ましい。一方、光吸収性の構造を有さない光酸発生剤を使用する際には、5〜15重量部程度が好ましく、7〜12重量部が特に好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系重合体を主たる構成成分として含有するアクリル系粘着剤組成物であり、アクリル系重合体として上記のアクリル系重合体のみを含有する粘着剤組成物であっても、他のアクリル系重合体を含有する粘着剤組成物で有ってもよい。また、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤、その他の添加剤等を含有していてもよい。
(粘着付与樹脂)
本発明の粘着剤組成物においては、得られる粘着剤層の強接着性を調整するために粘着付与樹脂を使用しても良い。本発明に使用する粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系、重合ロジン系、重合ロジンエステル系、ロジンフェノール系、安定化ロジンエステル系、不均化ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、石油樹脂系等が例示できる。
(架橋剤)
本発明の粘着剤組成物においては、得られる粘着剤層の凝集力を向上させる目的で、架橋剤を使用することも好ましい。架橋剤としては、公知のイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、多価金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤、ケト・ヒドラジド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、シラン系架橋剤、グリシジル(アルコキシ)エポキシシラン系架橋剤等が使用できる。
(添加剤)
本発明の粘着剤組成物においては、添加剤として、必要に応じて本発明の所望の効果を阻害しない範囲で、pHを調整するための塩基(アンモニア水など)や酸、発泡剤、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ・金属粉末等の充填剤、顔料・染料等の着色剤、pH調整剤、皮膜形成補助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の公知のものを粘着剤組成物に任意で添加することができる。
前記発泡剤は、粘着剤の解体を進行するうえで使用することができ、例えば加熱することにより体積膨張する、無機発泡剤、有機発泡剤及び熱膨張性中空球体等を使用することができる。
[易解体性粘着テープ]
本発明の易解体性粘着テープは、上記の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープである。粘着剤層は単層の粘着剤の層であっても良く、両面粘着テープのような複数の粘着剤の層及びシートからなる多層であっても良い。二以上の部材固定用途においては、両面粘着テープが好適に使用できる。
本発明の易解体性粘着テープに基材を使用する場合には、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ABS、ポリカーボネート、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリビニルアルコール等からなるプラスチック系フィルム、パルプ、レーヨン、マニラ麻、アクリロニトリル、ナイロン、ポリエステル等からなる不織布、紙、布、又は金属箔等が挙げられる。両面粘着テープを形成する際には、再剥離性と接着性を両立しやすいことから、中芯としてポリエステル系フィルム、不織布を好適に用いることが出来る。
また、基材、中芯と粘着剤層と密着性を向上させることを目的に、片面または両面に、コロナ処理、プラズマ処理、アンカーコート処理等を施しても良い。
本発明の易解体性粘着テープは、基材を有する場合には、粘着剤溶液をロールコーターやダイコーター等を用い、直接基材に塗布した後、乾燥工程を経て、セパレーターを貼り合わせる直塗り法や、セパレーター上にいったん粘着剤溶液をコーティングし、乾燥工程を経た後、基材に転写する転写法により製造できる。基材を有さない場合には、セパレーター上に粘着剤溶液をコーティングし、他のセパレーターを貼り合わせる方法により製造できる。
本発明の易解体性粘着テープは、上記易解体性粘着剤をギャップ20milli−inchのアプリケータを使用して、厚さが50μmのPETフィルム上に塗布・乾燥して粘着テープを形成し、23℃50%環境下で、SUS板上に、重さ2kgのハンドローラーを1往復させて圧着して1時間静置後、引っ張り試験器を用いて30mm/分の速度で、180°方向に引き剥がした際の接着力が、1N/20mm以上であることが好ましく、2〜30N/20mmであることがより好ましく、3〜20N/20mmであることが特に好ましい。本発明の易解体性粘着テープは、部品間固定に際して好適な高い接着力であっても、好適な解体性を実現できる。
(解体方法)
本発明の易解体性粘着テープは、貼付け時には良好に被着対象への接着や、部品間固定がなされ、解体、剥離を行う際には、熱や光による外部刺激により良好に剥離が可能となる。熱や光の外部刺激は、使用する酸発生剤により適宜調整されれば良いが、貼付け時の通常の使用態様において発生しない温度や強度の熱、光条件にて剥離可能となることが好ましい。
本発明の易解体性粘着テープが酸触媒を含有する場合には、加熱により、カルボキシル前駆基の脱離反応を促進すると共に、粘着剤層の流動性増加により酸を好適に粘着剤層中に拡散させることで、粘着テープを好適に解体できる。また、熱や光により酸を発生する酸発生剤を含有する場合には、光照射や加熱を行うことで酸が発生して粘着テープを好適に解体できるが、当該酸の存在下で必要に応じてさらに加熱等を行うことで、カルボキシル前駆基の脱離反応の更なる促進や、粘着剤層の流動性増加による酸の拡散により、さらに好適に粘着テープを解体できる。特に本発明では、光酸発生剤を使用し、紫外線等の光を照射することによって粘着剤を解体しうる酸を発生させ、次いで、加熱することによって、前記酸による粘着剤の解体を効率よく進行させることが好ましい。
紫外線等の光の強度は使用する光酸発生剤が好適に酸を生じるエネルギー以上であればよく、また、加熱温度は熱酸発生剤が好適に酸を生じる温度以上で加熱すればよい。また、酸存在下での加熱温度は、粘着剤のガラス転移温度に基づき粘着剤層の流動性を上昇させ、酸を効果的に拡散できる温度や、カルボキシル前駆基の脱離反応を促進させ効率的に側鎖分解できる温度で調整すればよい。
本発明の易解体性粘着テープは、部品間固定に良好な接着性、特に優れた高温接着性を有する。また、作業工程における接着不備や、リサイクル時の部材間の分離に際して、熱や光等の外部刺激により容易に解体できる再剥離性を有する。このため、自動車、建材、OA、家電業界などの工業用途における各種製品の部品間固定を行う粘着テープとして好適に使用できる。
(製造例1)
<アクリル系ランダム共重合体(1)の合成>
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下「AMVN」ともいう。)0.91mg、n−ブチルアクリレート(以下、「tBA」ともいう。)7.83g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「HEA」ともいう。)1.69gおよび酢酸エチル9.53gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。有機モノテルル化合物3.36μLを、マイクロシリンジを用いて試験管に添加し、50℃のオイルバスで3.5時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、n−ブチルアクリレートの重合率は64%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は75%であった。
反応終了後、重合溶液をクロロホルム20mLで希釈し、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム40mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、アクリル系ランダム共重合体(1)を得た。GPC分析をした結果、Mn=318,000、Mw=617,000、PD=1.94であった。アクリル重合体中の重合体を構成するモノマー成分の質量比は、nBA/HEA=76.0/24.0であった。
(製造例2)
<アクリル系ランダム共重合体(2)の合成>
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)5.45mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、「AIBN」ともいう。)2.15mg、ジフェニルジテルリド(以下、「DPDT」ともいう。)5.21mg、メチルアクリレート(以下、「MA」ともいう。)1.31g、n−ブチルアクリレート(nBA)5.71g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)1.18gおよびアニソール6.00gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。60℃のオイルバスで4時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、メチルアクリレートの重合率は100%、n−ブチルアクリレートの重合率は97%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は98%であった。
反応終了後、重合溶液をクロロホルム15mLで希釈し、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム30mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、アクリル系ランダム共重合体(2)を得た。GPC分析の結果、Mn=254,000、Mw=533,000、PD=2.10であった。アクリル重合体中の重合体を構成するモノマー成分の質量比は、MA/nBA/HEA=14.3/68.9/16.8であった。
(製造例3)
<アクリル系ランダム共重合体(3)の合成>
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)4.82mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)2.14mg、ジフェニルジテルリド(DPDT)5.32mg、n−ブチルアクリレート(nBA)5.00g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)1.36gおよびアニソール6.36gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。60℃のオイルバスで2.5時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、n−ブチルアクリレートの重合率は87%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は92%であった。
反応終了後、重合溶液をクロロホルム15mLで希釈し、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム30mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、アクリル系ランダム共重合体(3)を得た。GPC分析の結果、Mn=121,000、Mw=190,000、PD=1.57であった。アクリル重合体中の重合体を構成するモノマー成分の質量比は、nBA/HEA=76.4/23.6であった。
(比較製造例1)
<アクリル系ランダム共重合体(H1)の合成>
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)5.42mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)2.07mg、ジフェニルジテルリド(DPDT)5.14mg、メチルアクリレート(MA)1.80g、n−ブチルアクリレート(nBA)5.50g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.22gおよびアニソール7.52gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。60℃のオイルバスで4.5時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、メチルアクリレートの重合率は83%、n−ブチルアクリレートの重合率は84%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は86%であった。
反応終了後、重合溶液をクロロホルム15mLで希釈し、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム30mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、アクリル系ランダム共重合体(H1)を得た。GPC分析の結果、Mn=178,000、Mw=279,000、PD=1.57であった。アクリル重合体中の重合体を構成するモノマー成分の質量比は、MA/nBA/HEA=19.5/76.5/4.0であった。
(比較製造例2)
<アクリル系ランダム共重合体(H2)の合成>
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMVN)19.9mg、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)7.50mg、ジフェニルジテルリド(DPDT)18.9mg、n−ブチルアクリレート(nBA)4.01g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)1.19gおよびアニソール5.20gの混合溶液を試験管に入れ、30分間のアルゴンガスバブリングにより脱気した。60℃のオイルバスで5時間反応させた。H−NMR(300MHz)分析より、n−ブチルアクリレートの重合率は85%、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合率は92%であった。
反応終了後、重合溶液をクロロホルム10mLで希釈し、重合溶液をメタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを沈澱させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた沈澱をクロロホルム20mLに溶解し、メタノール:水(80:20体積分率)中に注ぎポリマーを再沈澱させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、減圧下40℃で10時間真空乾燥し、アクリル系ランダム共重合体(H2)を得た。GPC分析の結果、Mn=55,900、Mw=76,600、PD=1.37であった。アクリル重合体中の重合体を構成するモノマー成分の質量比は、nBA/HEA=74.8/25.2であった。
(実施例1)
上記製造例1にて得られたアクリル系ランダム共重合体(1)に光酸発生剤としてN−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホナート(以下、「NIT」ともいう。)をアクリル系ランダム共重合体(1)100質量部に対して0.3質量部加え、トルエンで希釈して15重量%トルエン溶液からなる粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物をギャップ8milli−inchのアプリケータを使用して、厚さが50μmのPETフィルム上に塗布し、12時間減圧乾燥して粘着シートを作成した。
(実施例2)
上記製造例1にて得られたアクリル系ランダム共重合体(1)に光酸発生剤として(4,8−ジヒドロキシ−1−ナフチル)ジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート(以下、「NDS−155」ともいう。)をアクリル系ランダム共重合体(1)100質量部に対して0.32質量部加え、アセトン:トルエン(23:77重量分率)で希釈して12重量%溶液からなる粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物をギャップ10milli−inchのアプリケータを使用して、厚さが50μmのPETフィルム上に塗布し、12時間減圧乾燥して粘着シートを作成した。
(実施例3)
アクリル系ランダム共重合体(1)に代えて、上記製造例2にて得られたアクリル系ランダム共重合体(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
(実施例4)
アクリル系ランダム共重合体(1)に代えて、上記製造例3にて得られたアクリル系ランダム共重合体(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
(比較例1)
アクリル系ランダム共重合体(1)に代えて、上記比較製造例1にて得られたアクリル系ランダム共重合体(H1)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
(比較例2)
アクリル系ランダム共重合体(1)に代えて上記比較製造例2にて得られたアクリル系ランダム共重合体(H2)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作成した。得られた粘着剤組成物について、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。
上記実施例及び比較例にて得られた粘着シートにつき、以下の評価を行った。得られた結果を下記表1に示した。
<解体性試験>
粘着シートを幅20mm、長さ250mmの短冊状に切断し、幅50mm、長さ150mm、厚さ0.5mmのSUS板上に、23℃50%RH環境下で、重さ2kgのハンドローラーを2往復させて圧着して、同様の試験片を2個作成した。
圧着した試験片のうち1個は、23℃50%RH環境下で1時間静置した後、引っ張り試験器を用いて30mm/分の速度で引き剥がし、180°剥離強度を測定した(初期)。
圧着した試験片のうち1個は、23℃50%RH環境下で30分静置後、室温で紫外線を1時間照射した後、100℃で1時間加熱し、23℃まで放冷した(約30分)(UV1h→加熱)。
これらの試験片について、引っ張り試験器を用いて30mm/分の速度で引き剥がし、180°剥離強度を測定した。表1中には、剥離距離30〜120mmにて測定された剥離強度の平均値を示した。
なお、紫外線照射は、光源として東芝理化学用水銀ランプ「SHL−100UVQ−2」(75W)を使用し、光源と試料の距離を10cmとして、ランプ点灯後15分以上経過してから試料に照射した(以下の実施例、比較例においても同条件にて照射)。
Figure 2014080524
上記表1から明らかなように、実施例1〜4の本願発明の粘着剤組成物は、好適な接着性と解体性を有するものであった。一方、比較例1の粘着剤組成物は、解体時に接着力の低下が少なく好適な解体性が得られなかった。また、比較例2の粘着剤組成物は、十分な接着力が得られないものであった。

Claims (5)

  1. アクリル系重合体、および、酸触媒又は酸発生剤を含有する粘着剤組成物であって、
    前記アクリル系重合体が、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、水酸基含有ビニルモノマーをモノマー成分として含有し、
    前記水酸基含有ビニルモノマーの含有量が、前記アクリル系重合体を構成するモノマー成分中の10質量%以上であり、
    前記アクリル系重合体が、質量平均分子量が10万以上のアクリル系ランダム重合体であることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 前記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが、
    メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート及びn−テトラデシル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記水酸基含有ビニルモノマーが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記酸触媒又酸発生剤が、光酸発生剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する易解体性粘着テープ。
JP2012229787A 2012-10-17 2012-10-17 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ Active JP6103748B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012229787A JP6103748B2 (ja) 2012-10-17 2012-10-17 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012229787A JP6103748B2 (ja) 2012-10-17 2012-10-17 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014080524A true JP2014080524A (ja) 2014-05-08
JP6103748B2 JP6103748B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=50785024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012229787A Active JP6103748B2 (ja) 2012-10-17 2012-10-17 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6103748B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016128546A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 積水化学工業株式会社 粘着剤組成物、粘着テープ、及び、ウエハの処理方法
WO2017130896A1 (ja) * 2016-01-26 2017-08-03 株式会社Adeka 熱酸発生剤およびこれを用いたレジスト組成物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004043732A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Three M Innovative Properties Co 発泡性接着剤組成物
JP2005023205A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Jsr Corp 感放射線性接着剤組成物およびこれを用いたウェハーの加工方法
WO2011099474A1 (ja) * 2010-02-09 2011-08-18 王子製紙株式会社 導電性積層体およびそれを用いたタッチパネル
JP2012107194A (ja) * 2010-10-26 2012-06-07 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤組成物及び半導体加工用粘着テープ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004043732A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Three M Innovative Properties Co 発泡性接着剤組成物
JP2005023205A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Jsr Corp 感放射線性接着剤組成物およびこれを用いたウェハーの加工方法
WO2011099474A1 (ja) * 2010-02-09 2011-08-18 王子製紙株式会社 導電性積層体およびそれを用いたタッチパネル
JP2012107194A (ja) * 2010-10-26 2012-06-07 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤組成物及び半導体加工用粘着テープ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016128546A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 積水化学工業株式会社 粘着剤組成物、粘着テープ、及び、ウエハの処理方法
WO2017130896A1 (ja) * 2016-01-26 2017-08-03 株式会社Adeka 熱酸発生剤およびこれを用いたレジスト組成物
JPWO2017130896A1 (ja) * 2016-01-26 2018-11-15 株式会社Adeka 熱酸発生剤およびこれを用いたレジスト組成物
US11307495B2 (en) 2016-01-26 2022-04-19 Adeka Corporation Thermal acid generator and resist composition using same
US11754920B2 (en) 2016-01-26 2023-09-12 Adeka Corporation Thermal acid generator and resist composition using same

Also Published As

Publication number Publication date
JP6103748B2 (ja) 2017-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5174217B2 (ja) 易解体性粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
JP6008604B2 (ja) 接着剤の可逆的な共有結合性架橋のための方法
JP5577463B2 (ja) 易解体性粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
JP6296583B1 (ja) 粘着剤、粘着テープ、及び粘着剤の製造方法
JP5577461B2 (ja) 易解体性粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
JP6103748B2 (ja) 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
JPWO2015053041A1 (ja) 粘着テープ及び部材の製造方法
WO2012169501A1 (ja) 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
JP5577462B2 (ja) 易解体性粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
JP2013116935A (ja) 粘着剤組成物及び粘着テープ
WO2015155829A1 (ja) 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
JP5836535B2 (ja) 粘着剤組成物及び易解体性粘着テープ
JP2017193624A (ja) 易解体性粘着テープ、物品及び物品の解体方法
JP6225377B2 (ja) 粘着テープ及び積層粘着テープ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150924

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6103748

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250