JP2014079223A - エストロゲン活性を評価する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確性と簡便性を兼ね備えるエストロゲン類似活性の評価方法を提供する。
【解決手段】評価方法は、培養容器10を用いて細胞を培養してスフェロイド形状の細胞(スフェロイド9)を複数形成させる第1工程と、スフェロイド形状の細胞それぞれに対して、検査する化学物質を含む第1溶液、エストロゲン活性を有することが知られている化学物質を含む第2溶液、及び、第1溶液から前記検査する化学物質を除いた第3溶液のうちのいずれかを作用させる第2工程と、第1乃至第3溶液を作用させた各スフェロイド形状の細胞に対して、UDP−グルクロン酸転移酵素活性測定溶液を作用させて、各スフェロイド形状の細胞のUGT活性を測定する第3工程と、測定結果に基づいて、第1溶液に含む化学物質がエストロゲン類似活性を有するか否かを判定する第4工程と、を含む。
【選択図】図5A

Description

本発明は、環境中に存在する、または合成された化学物質について、エストロゲン類似活性を評価する方法を提供する。
エストロゲンは生体内に存在するステロイドホルモンの一種で、様々な生理作用を有する物質である。このエストロゲンとは異なる化学物質であって、環境中に存在する、または合成された化学物質が体内でエストロゲンと類似した作用を及ぼすことがある。このような化学物質は一般に内分泌攪乱物質と呼ばれ問題になっている。例えば、非特許文献1には、ある化学物質がエストロゲン類似活性を示すかどうか調べるための方法として、ヒト乳がん由来細胞株MCF−7(以降適宜、「ヒト乳がん由来細胞株MCF−7」を「MCF−7細胞」と称する)の細胞増殖を指標とする方法が開示されている。また、非特許文献2には、MCF−7細胞のようにエストロゲン受容体を有するエストロゲン類似活性化合物の活性評価方法が開示されている。特許文献1には、エストロゲン類似活性を評価する方法が開示されている。この方法では、まず、エストロゲン類似活性化合物において、標準物質である17β−エストラジオールにより発現量が3倍以上に上昇することが確認された遺伝子及び/またはEST(expressed sequence tag 、発現遺伝子配列断片)をマイクロアレイ基板上に固定する。そして、エストロゲン類似活性を評価したい化学物質で処理した細胞から調製した核酸試料を、このマイクロアレイ基板に接触させることによってハイブリダイズした核酸を検出、比較する。
特許第4832412号公報
Ana M. Soto, Carlos Sonnenschein, Kerrie L. Chung, Mariana F. Fernandez, Nicolas Olea, Fatima Olea Serrano著、"The E-SCREEN Assay as a Tool to Identify Estrogens: An Update on Estrogenic Environmental Pollutants"、Environmental Health Perspectives volume 103、1995年10月、pp.113−122 J. Odum, S. Tittensor, J. Ashby著、"Limitations of the MCF-7 Cell Proliferation Assay for Detecting Xenobiotic Oestrogens"、Toxicology in Vitro 12、1998年、pp.273−278 Athena Starlard-Davenport, Beverly Lyn-Cook, Anna Radominska-Pandya著、"Novel identification of UDP-glucuronosyltransferase 1A10 as an estrogen-regulated target gene"、steroids 73、2008年、pp.139−147 Nobumitsu Hanioka, Hiroyuki Iwabu, Hiroyuki Hanafusa, Shintaro Nakada, Shizuo Narimatsu著、"Expression and Inducibility of UDP-glucuronosyltransferase 1As in MCF-7 Human Breast Carcinoma Cells"、Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology 110、2012年、pp.253-258
非特許文献1に開示されているMCF−7細胞の増殖を指標とする方法は、非特許文献2において、エストロゲン無添加の状態でMCF−7細胞を長期間培養した場合、環境の変化に適応してエストロゲン無添加の状態でも高い増殖活性を示す細胞が現れることが指摘されている。従って、非特許文献1の方法を用いる場合には、誤った評価結果を招く恐れがある。
特許文献1は、エストロゲン存在下で発現量が増大することが確認された遺伝子及び/またはESTを指標とする点で非特許文献1の技術よりに優れるが、検査したい化合物1つに対して1つのマイクロアレイを作製する必要がある。このため、多数の化合物を検査する場合、多大な費用がかかる。
従来の技術では、評価結果の信頼性を向上させようとすると、手続は煩雑になるとともにコストがかかるという問題があった。
このように、正確性と簡便性を兼ね備えるエストロゲン類似活性の評価方法が見出されていなかった。
発明者らは、細胞のUDP−グルクロン酸転移酵素(UGT)の酵素活性を指標とすることで、エストロゲン類似活性が生体に与える影響をより正確かつ簡便に評価する方法を見いだした。
本発明に係る評価方法の一態様は、被験物質が細胞に対してエストロゲン活性を有するものであるか評価する評価方法であって、少なくとも次の工程を実施する。
・細胞を培養してスフェロイド形状の細胞を複数形成させる第1工程。
・前記スフェロイド形状の細胞それぞれに対して、第1乃至第3溶液のいずれかを作用させる第2工程。第1溶液は、検査する化学物質(被験化学物質)を含む。第2溶液は、エストロゲン活性を有することが知られている化学物質を含む。第3溶液はエストロゲン活性を持たないことが知られている化学物質を含む。言い換えると第3溶液は、前記第1溶液から前記検査する化学物質を除いた溶液である。
・前記第1乃至第3溶液のうちのいずれかを作用させた各スフェロイド形状の細胞に対して、UDP−グルクロン酸転移酵素活性測定溶液を作用させて、各スフェロイド形状の細胞のUGT活性を測定する第3工程。
・測定結果に基づいて、第1溶液が含む化学物質のエストロゲン類似活性を判定する工程。具体的には、(1)前記第1溶液を作用させた前記スフェロイド形状の細胞のUGT活性が、前記第2溶液を作用させた前記スフェロイド形状の細胞のUGT活性と同等あるいはそれ以上に高い場合、前記第1溶液に含まれる化学物質は前記第2溶液に含まれる化学物質と等しいあるいはそれ以上のエストロゲン類似活性を有すると判定する。(2)前記第1溶液を作用させた細胞のUGT活性が、前記第3溶液の活性よりも高く、前記第2溶液の活性よりも低い場合、前記第1溶液に含まれる化学物質はゼロから前記第2溶液の活性値の間のエストロゲン類似活性を有すると判定する。(3)前記第1溶液を作用させた細胞のUGT活性が、前記第3溶液の活性と同等あるいはそれよりも低い場合、前記第1溶液に含まれる化学物質はエストロゲン類似活性をもたないと判定する。
これにより、正確性と簡便性とを備えるエストロゲン類似活性の評価方法を提供することができる。
また、本発明に係る評価方法の一態様において、前記培養する細胞がエストロゲン受容体を有することが好ましい。さらに、前記培養容器が、複数のウェルを有する培養プレートの各ウェル内に、微細な凹凸構造により前記複数の培養空間を有するように形成され、前記複数の培養空間内でスフェロイド形状の細胞を形成することが好ましい。
本発明によれば、正確性と簡便性を兼ね備えるエストロゲン類似活性の評価方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態で用いる培養プレートの全体を示す図である。 図1に示す培養プレートのII−II線断面図である。 図1に示す培養プレートの他のII−II線断面図である。 本発明の一実施形態で用いる培養容器の全体を示す図である。 図3に示す培養容器のIV−IV線断面図である。 培養空間でスフェロイドを培養する状態を表す概略図である。 培養空間で培養したスフェロイドの好ましいサイズの一例を説明する模式図を示す図である。 培養空間の他の形状例を示す図である。 培養空間のさらに他の形状例を示す図である。 培養空間の他の側面の形状例を示す断面図である。 培養空間のさらに他の側面の形状例を示す断面図である。 培養空間のさらに他の側面の形状例を示す断面図である。 実施例1で用いる培養プレートの一例を示す写真である。 実施例1の培養後の細胞の写真である。 実施例1の活性測定結果を示すグラフである。 実施例2の活性測定結果を示すグラフである。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
本明細書では次の用語を用いる。
用語「スフェロイド」は、細胞が多数凝集して細胞塊を形成し、3次元状態になったものである。
用語「ウェルプレート」は、多数のくぼみ(穴またはウェル)のついた平板からなる実験・検査器具であり、各ウェルを試験管あるいはシャーレとして利用するものをいう。ウェルの数には例えば、6、24、96、384などがあり、それ以上の数のものもある。ウェルの底は平らなもの、丸いもののほか、細長いマイクロチューブを多数組み合わせた形式のもの(ディープウェルプレート)もある。
以下の説明において、「値Aから値Bの範囲」という場合には、特に明記していない限り、「値A以上値B以下」を意味する。
加えて、「A、B、・・・、C、及びこれらの組合せ」という記載の「これらの組合せ」は、その前に記載のA、B、・・・、Cのうちの二つ以上の任意の数の組合せであることを意味する。言い換えると、「A、B、・・・、C、及びこれらの組合せ」は、A、B、・・・、Cのうちのいずれか一つと、これらの任意の数の組合せとのうちの一方、ということもできる。
一実施形態では、細胞のUDP−グルクロン酸転移酵素(以下適宜、「UDP−グルクロン酸転移酵素」を「UGT」と称する)の酵素活性を指標とすることで、エストロゲン類似活性が生体に与える影響をより正確かつ簡便に評価する方法を提供する。ここで、まず上述した二つの課題を解決する手法について、その概略を説明する。
一つ目の課題である正確な評価方法は、UGT活性を指標とすることによって実現する。UGTは生体内でエストロゲンおよびエストロゲン類似物質の代謝・排出に関わる酵素である。例えば、非特許文献3ではMCF−7細胞にエストロゲンまたはエストロゲン類似物質を作用させた場合、UGT1A10の発現量が増大することが報告されている。しかし、非特許文献3にはエストロゲンによる発現誘導が濃度依存的ではないことが示されている。そのため、UGTの発現量を指標とした場合、検査したい化学物質の濃度によっては、エストロゲン類似活性があるにも関わらず検出できない可能性がある。一方、MCF−7細胞に対して一般的にUGT誘導効果が知られている化学物質を作用させた場合、UGT発現量に大きな変化が見られないにも関わらず、UGT活性は8〜9倍に向上することを、発明者らは非特許文献4で報告している。
即ち、検査したい化学物質を細胞に作用させたときのUGT活性の向上を調べることで、遺伝子発現量を指標とする従来技術よりも正確に、その化学物質がエストロゲン類似活性を有するものであるかどうか評価することができる。そのため、検査する化学物質を細胞に作用させる工程が必要であり、この工程の手法を見出した。
二つ目の課題である簡便な評価方法は、細胞に対して検査物質を作用させる工程と酵素活性測定用試薬を作用させる工程とを同一の細胞培養ウェルプレート上で行なうことで提供される。一般にUGT酵素活性は代謝産物であるグルクロン酸抱合体の生成量を薄層クロマトグラフィー(TLC)や液体クロマトグラフィーによって測定することで表される。しかし薄層クロマトグラフィーを行なうためには放射性同位体で標識されたUDP−グルクロン酸を用意する必要がある。その結果、放射線物質漏洩を防ぐため、RI(Radioisotope)施設の設置や、届出などの特別なケアが必要となり、汎用性に課題がある。また液体クロマトグラフィーと比較した場合、薄層クロマトグラフィーは、定量性に劣るという欠点がある。一方、液体クロマトグラフィーはグルクロン酸抱合体の生成量を精度よく測定することができるが、直接測るためには検査対象の検出波長が既知である必要がある。このため、未知の化学物質を速やかに調べることができない。
そこで、まず、検査する化学物質を細胞に作用させてUGT活性を変化させた後に、UDP−グルクロン酸抱合によって蛍光波長がシフトすることが知られている試薬を作用させる。次に、プレートリーダーまたは液体クロマトグラフィーによって、シフトした蛍光波長を測定する。この手順によって、UGT活性を評価する方法を見いだした。しかしながら、この方法では作用させたエストロゲン濃度に依存的なUGT活性の上昇は見られない、またはわずかな上昇幅であるため精度よく検出することができない。そのため、ウェルプレート内で細胞を三次元的に培養し、UGT活性を高めることで、プレートリーダーや液体クロマトグラフィーで充分測定可能な蛍光を検出できる方法を発見した。
続いて、一実施形態の評価方法の詳細を説明する。評価方法は、被験物質(被験化学物質)が細胞に対してエストロゲン活性を有するものであるか否かを評価する。例えば、第1乃至第4工程の手順を実施することにより実現する。以下に第1乃至第4工程の概略を説明する。なお、第1乃至第4工程は説明を容易にするために工程を分けたものであり、これに限られるものではない。
第1工程は、細胞を培養してスフェロイド形状の細胞を形成する培養処理である。以降の説明において、「スフェロイド形状の細胞」を「スフェロイド」と称することもある。
第2工程は、培養したスフェロイド形状の細胞へ、化学物質を含む溶液を作用させる作用処理である。
第3工程は、第1乃至第3溶液のいずれかを作用させた各スフェロイド形状の細胞に対して、UDP−グルクロン酸転移酵素活性測定溶液を作用させて、各スフェロイド形状の細胞のUGT活性を測定する測定処理である。
第4工程は、測定結果に基づいて、被験物質がエストロゲン類似活性を有するか否かを判定する判定処理である。
以下、一実施形態の評価方法について、最初に、培養処理で用いる培養容器について説明し、次に、培養処理から判定処理までを実施する評価方法の手順について詳細に説明する。
1.培養容器
* 培養容器の概略
図1は、本発明の一実施形態で用いる培養プレートの全体を示す図である。図2Aは、図1に示す培養プレートのII−II線断面図であり、図2Bに、他の態様の断面図を示す。培養プレート1は、複数のウェル21を備える。複数のウェル21は、仕切り部22によって、隣り合うウェル21と隔てられる。複数のウェル21それぞれには、培養容器10が形成されている。
図3に、本発明の実施形態で用いる培養容器の構成例を示す。図4は、図3に示す培養容器のIV−IV線断面図である。
培養容器10は、培養空間11と、壁12と、底部13とを有する。
培養空間11は、壁12と底部13とで仕切られた領域であり、細胞を培養する三次元の空間領域(培養領域)となる。培養空間11は、単に「空間」、または「マイクロ空間」とも称する。
壁12は、培養空間11を仕切る隔壁であり、培養容器10に凹凸パターンを形成する凸部ともいえる。培養空間11が仕切り部22に隣接する場合、壁12は、図2Aに示すように、仕切り部22の壁面の一部分と同じになってもよいし、図2Bに示すように、仕切り部22の壁面に隣接して壁12が配置されてもよい。
底部13は、培養容器10の基板として機能するとともに、培養空間11が配置される側の表面は、培養領域(培養表面)の一部となる。底部13は、培養プレート1に形成された各ウェル21の底部と同じ領域であり、各ウェル21の底部が用いられる。底部13は、培養空間11の底を形成する。底部13のうち、培養空間11を形成する面の一部分であり、かつ、培養領域となる底部の表面を、「底部培養面14」とも称する。
図3,4では、培養容器10に形成される培養空間11に関して、相当直径D、高さ(深さ)H、壁12の幅(厚さ)W、及び、底部13の厚さTを示す。図3,4では、底部13は、壁12と一体として作製された場合を示している。
相当直径Dは、培養空間11に内接する内接円の直径をいう。より詳しくは、相当直径Dは、培養空間11の底部13と平行する面の形状(正面の形状)、言い換えると、培養空間11の高さHの方向と垂直になる面の形状の内接円の直径をいう。培養空間11の正面の形状が、高さHに応じて異なる場合、株化肝細胞を培養する空間領域の最大値を相当直径の相当直径とする。
高さHは、培養空間11の底(底部培養面14)から壁12の上面までの長さであり、培養空間11の深さでもあるともいえる。また、底部培養面14が平面の場合、高さHは、壁12の高さと同じである。
壁12の幅Wは、壁12の厚さであるとともに、隣接する培養空間11間を隔てる距離であるともいえる。
培養容器10内(言い換えると、各ウェル21内)において、複数の培養空間11は、図3に示すようにアレイ状に配置される。培養容器10に含まれる培養空間11の数または大きさは、培養プレート1に作製されるウェル21の数(ウェル21の大きさ)と培養空間11及び壁12の大きさに依存するものである。具体的には、ウェル21の数が多くなるに従って、培養空間11の数が小さくなる関係にある。同じ大きさのウェル21のとき、ウェル21の中の培養空間11の数は、相当直径Dが大きい場合や幅Wが大きい場合に小さくなる関係にある。図1乃至4では、構成をわかりやすく説明するため、培養空間11の数を少なくして表した概略図であり、培養容器10に含まれる培養空間11の数は実際とは異なる。加えて、図3,4では、9個の培養空間11を示している。これは説明のために示したものであり、実際の培養容器10(各ウェル21)に含まれる培養空間11の数に対応するものではない。
発明者らは、相当直径Dが所望するスフェロイドの直径の1〜5倍であり、高さHが相当直径Dの0.3倍〜2倍である培養空間11を複数有するとともに、該培養空間表面の水接触角が45度以下である培養容器10を使用し、各培養空間11で株化肝細胞を培養することによって、均一な直径の株化肝細胞のスフェロイドを培養することができることを見出した。従って、所望するスフェロイドの大きさに応じて、培養容器10に配置される培養空間11の大きさを選択することにより、培養するスフェロイドの大きさを制御することが可能になる。一実施形態では、株化肝細胞として、ヒト由来の株化肝細胞を培養してスフェロイド形成させる。以下に詳細を説明する。
図1乃至4を参照して、所望のスフェロイドを形成させるためのマイクロオーダの培養空間11の大きさ、形状等と、培養表面の特性を説明する。
* 培養空間の大きさ、形状等
培養空間11の相当直径Dについて、細胞が増殖するに従いスフェロイドの直径が大きくなることを考慮する必要がある。そこで重要なことは、スフェロイドが隣り合う培養空間11の細胞と接触しないような培養空間11を確保することである。このため、培養空間11の相当直径Dは、所望するスフェロイドの直径の1〜5倍の範囲が好ましく、1.2〜4倍の範囲がより好ましい。
例えば、直径100μmの株化肝細胞のスフェロイドを形成させるために、所望するスフェロイドの直径の1〜5倍の範囲、即ち、相当直径Dが100〜500μmの範囲で、高さHを相当直径Dで割った値が0.3〜2の範囲の培養空間11が規則的に配置されている底部13を有する培養容器10を用いる。
株化肝細胞の培養空間11の表面との細胞接着性を強めることで、増殖・維持させているような場合は、十分に細胞が底面に接着性していることから培地交換時に細胞が剥離することがない。そのため、本実施形態のような、培養空間11の相当直径Dが所望するスフェロイドの直径の1〜5倍の範囲、高さHが相当直径Dの0.3〜2倍の範囲という、深い空間は必要ないため、そのような空間での培養は行わない。
一方、一実施形態では、後述するように細胞接着性を抑制しているため、アミノ酸や酸素などの供給が可能、かつ、スフェロイドが脱離しない最適な高さHを設計する必要がある。好ましい範囲のスフェロイドを形成させるために好ましい高さH、相当直径Dを検討した結果、細胞増殖によりスフェロイドが過剰に大きくなることを防ぐためには、相当直径Dが100μm〜200μmの範囲、高さHが50μm〜100μmの範囲が好ましい。培養空間11の底までアミノ酸等の栄養分を十分に供給するため、かつ老廃物の蓄積を防ぐために、培養空間11の高さHは、培地交換や試験溶液交換時にスフェロイドが剥離しない限り低い方が好ましい。具体的には、培養空間11の高さHを相当直径Dで割った値が0.3〜2の範囲が好ましく、0.5〜1の範囲がより好ましいことを見いだした。
一実施形態では、試験溶液をスフェロイド中心部まで拡散または輸送させるためには、スフェロイドの直径は最大200μm未満、好ましくは150μm以下が好ましい。さらに加えて、細胞間の相互作用の効果を最大限に引き出すためには、スフェロイドの直径は、最小50μmが好ましく、60μm〜150μmの範囲がより好ましい。ここで、細胞間の相互作用は、細胞同士の接着、あるいは細胞間での物質のやり取りのことを指す。また細胞間の相互作用による効果とは、本発明においては、検査する化学物質(例えば、エストラジオール)の吸収、代謝、排出機能の向上を指す。
壁12の幅Wは、培養空間11と隣接する培養空間11を隔てる壁12の厚みである。従って、壁12の幅Wは、壁12の上面での細胞増殖を防ぐため、かつ、細胞が培養空間11内に入りやすくするため、2〜50μmの範囲がよく、好ましくは、細胞体1個以下の大きさ、即ち5〜30μmの範囲が好ましく、5〜10μmの範囲がより好ましい。さらに、同様の観点から、壁12の上面と培養空間11の側面とのなす角θは、90〜135度の範囲が好ましく、90度〜120度の範囲がより好ましい。
図5Aに、培養空間11でスフェロイドを培養する状態を表す概略図を示す。図5Aでは、図4に示す断面図を用い、スフェロイド9を、○印で示す。スフェロイド9は、複数の培養空間11それぞれにおいて培養される。
図1に示す培養プレート1で培養する場合、ウェル21毎に培養条件の設定、培地の交換等を実施することになる。そのため、各ウェル21に複数の培養空間11を形成するため、各ウェル21において、同条件で複数のスフェロイドを培養することが可能になる。加えて、ウェルプレートを用いてスフェロイドを培養することができるため、従来の細胞培養で用いる装置等を利用することが可能になる。
スフェロイド9の直径DSPを値dsp(dspは正の数値)とすると、培養空間11の相当直径Dは、値dspから値dspの5倍の範囲(dsp≦D≦5dsp)が好ましい範囲となる。また、培養空間11の高さHは、値dspの0.3倍から値dspの25倍(5×5)の範囲(0.3dsp≦H≦25dsp)が好ましい範囲となる。
図5Bに、培養空間で培養したスフェロイドの好ましいサイズの一例を説明する模式図を示す。図5Bは、スフェロイド9の相当直径Dに沿って切断した切断部端面を模式的に示した図である。上述したように、スフェロイドの直径の平均が50μm以上200μm未満であることが好ましく、特に、60μm〜150μmの範囲が好ましい。図5Bでは、スフェロイド9の切断部端面が5個の細胞8により形成されている様子を示す。例えば、細胞8の直径DCLが20μmであり、スフェロイド9の直径DSPが60μmのスフェロイド9を形成する場合には、例えば、細胞8が直線上に3個並ぶことにより形成される。同様に、スフェロイド9の直径DSPが150μmのスフェロイド9を形成する場合には、例えば、細胞8が直線上に5個並ぶことにより形成される。図5Bは説明を容易にするために細胞8を直線上に並べて模式的に示したものであり、細胞8は必ずしも直線上に並ぶとは限らない。
加えて、1試験領域(1ウェル、1シャーレ)にあるスフェロイドは、その直径が半値幅の範囲内にあるものが全体の70%以上含まれることが好ましい。言い換えると、スフェロイドの直径の大きさがそろっていることが好ましい。その理由は以下の通りである。まず、スフェロイドの大きさによって代謝活性値が異なることが知られていることから、様々な直径のスフェロイドが混在していると精度の高い結果が得られない。また、小さい(50μm以下の)スフェロイドの代謝機能は極端に低いことが知られている。そのため、このようなスフェロイドが多く含まれている場合、代謝機能を減衰させるようなサイトカインを評価する際に測定限界値以下となり、代謝機能の減衰の有無が判定できない可能性がある。
「半値幅の範囲」とは、1試験領域にあるスフェロイドの総個数NTうち、直径の大きさと存在する個数との対応を取ったときに、存在する個数が最大となる直径D1の個数N1に対して、個数N1の半分の個数(N1/2)となる複数の直径のうち、最小の直径D2から最大の直径D3までの範囲に存在するスフェロイドの個数N2をいう。
スフェロイドの大きさを一様にするために、上述した総個数NTに対して個数N2が70%以上であることが好ましく、総個数NTに対する個数N2の割合が高くなることがより好ましい。
培養空間11の形状(正面の形状)、あるいは、底部13と平行な面の形状は、図3に示す形状に限定されるものではなく、例えば、図6A〜6Bに示すような形状であっても、その他の形状(楕円や菱形など)であってもよい。より高密度で均一な直径を有するスフェロイドを形成させるためには、左右対称構造であることが好ましい。
培養空間11の側面の形状は、図4に示す形状に限定されるものではなく、例えば、図7A〜7Cに示すような形状であってもよい。
培養容器10を構成する材料としては、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂、シリコン樹脂、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
培養容器10の底部13の厚さTは、観察性の観点から、1mm以下が好ましい。ただし、顕微鏡での観察に支障をきたさない限り、1mm以上であってもよく、底部13の厚さTを限定するものではない。培養容器の底部13の観察性を確保することにより、培養プレートをそのまま用いて、培養したスフェロイドを観察することが可能になる。培養容器の観察性を確保することにより、培養容器をそのまま用いて、免疫組織学法による蛍光染色観察や、Green Fluorescent Protein(GFP)などのレポータ遺伝子を使用したin situ法が可能となる。
加えて、培養容器10の底部13を構成するポリマーの全光線透過率が、85%以上99%未満であることが好ましい。全光線透過率(total luminous transmittance)は、日本工業規格(JIS K7375)により測定する。全光線透過率を高くすることにより、底部13の上に培養されたスフェロイドの観察性を確保することができる。
* 培養表面の特性
次に、細胞を培養する培養表面、すなわち、培養空間11を囲む壁12及び底部培養面14の特性、特に親水化処理について説明する。培養表面は、各培養空間11内に培地を入れるため、また、コーティング溶液を用いる場合には、その溶液が培養空間11内に入り込まなければ表面を覆うことができない。このため、水接触角を45度以下にすることが好ましい。より好ましくは0度〜20度の範囲である。また、水接触角の値は、培養空間11と壁12の凹凸パターンが形成されていない平板を、培養容器10と同条件で作製して測定した値を前提とする。
培養空間11をアレイ状に配置した表面に関して、当該表面の疎水性が高く水接触角が45度を超えると、すなわち濡れ性が低い場合は、培地やコート溶液を添加した際、空間に気泡が入りやすくなり、細胞が培養できない空間が生じることがある。そのため、水接触角が45度以下になるよう、親水化を行うことが必要である。親水化する方法としては、SiOを蒸着する方法や、プラズマ処理を行う方法が挙げられる。
加えて、培養容器10で効率よくスフェロイドを形成させるため、細胞接着性を抑制することが好ましい。細胞接着性を抑制するためには、水接触角が45度以下、好ましくは40度以下、より好ましくは20度以下になるような表面を用いることで可能になる。細胞接着性を抑制することと、水接触角との関係については、例えば、Y Ikada著、"Surface modification of polymers for medical applications"、 Biomaterials 1994, vol.15 No.10, pp. 725-736に記載されている。水接触角を45度以下にする方法としては、ガラスを底部培養面14に蒸着する方法、プラズマ処理法を用いて、表面に官能基を形成させる方法が挙げられる。プラズマ処理などにより、表面に官能基を形成させる。
また、水接触角を45度以下にすることで、細胞接着性を抑制する物質をコートしてより接着性を抑制することにより、効率よくスフェロイドを形成させることができる。例えば、プラズマ処理を施し、水接触角を45度以下にした後、リン脂質・高分子複合体やポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)をコートしてもよい。
上述したように培養空間11を有する培養容器10で効率よくスフェロイドを形成させるためには、細胞接着を抑制する方が好ましい。一方、培地交換や試験溶液交換の際にスフェロイドが培養空間11から離脱することを防ぐ目的から、スフェロイドの一部は培養表面(壁12の表面または底部培養面14)に接着している方が好ましい。そのため、培養表面への細胞の接着を阻害するポリマーと、培養表面への細胞の接着を促進するポリマーとの混合物を培養表面にコートしてもよい。培養表面への細胞の接着を阻害するポリマーは、細胞接着を阻害する親水性のポリマー鎖、リン脂質、リン脂質・高分子複合体、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン、及びこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーである。細胞接着性を促進するポリマーは、ポリ−L−リシン、ポリ−D−リシン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、及びこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーである。コート溶液の一例として、リン脂質、リン脂質・高分子複合体である2−メタ クリロイルオキシエチルホスホリスコリン(MPC)ポリマーとポリ−L−リシン溶液との混合物が挙げられる。MPC溶液濃度は0.001%〜1%の範囲が好ましく、0.01%〜0.1%の範囲がより好ましい。ポリ−L−リシン溶液の濃度は0.001〜0.1%の範囲が好ましく、0.005〜0.015%の範囲がより好ましい。MPC溶液とポリ−L−リシン溶液の混合比は50:50〜100:0の範囲が好ましく、75:25〜90:10の範囲がより好ましい。
2.培養処理から判定処理までの手順
一実施形態の評価方法は、操作性の観点から、複数のウェルを備える培養プレートを用いることが好ましい。特に、培養処理(第1工程)と、作用処理(第2工程)とを同一のウェル内で行うことが好ましい。さらに加えて、測定処理(第3工程)を培養処理及び作用処理と同一のウェル内で行うことがより好ましい。そのため、一実施形態では、例えば、図1に示す培養プレート1の複数のウェル21を用い、複数のウェル21のうち、一つのウェル21内で培養処理から測定処理までの各工程を実施する場合を説明する。言い換えると、一つのウェル内で培養から測定までの処理において、処理の途中で細胞を別のウェル21に移動させることはない。培養プレート1が有するウェル21の数は、検査したい化学物質の種類等に応じて選択する。
* 培養処理
培養処理では、上述した培養容器10によって形成される培養空間11を用いて、ウェルプレート内で細胞を培養してスフェロイドを複数形成させる。言い換えると、ウェルプレート内で細胞を三次元的に培養し、所望の大きさの複数のスフェロイドを形成する。
一実施形態の評価方法では、培養する細胞として、エストロゲンレセプターを有するヒトがん細胞由来の株化細胞および初代細胞を用いる。株化細胞の例として、乳がん由来のMCF−7細胞やT−47D細胞、子宮がん由来のRL−95−2細胞、腺管がん由来のZR−75−1細胞などを用いることができる。エストロゲンレセプターの発現有無はATCC(American Type Culture Collection)などの細胞資源バンクが提供する細胞のデータシートによって確認することができる。
細胞を維持するための培養液には、pH6.8から8.4の間に緩衝作用のある培地または緩衝液を用いる。さらにグルコース及びアミノ酸、ビタミン類などの栄養素が含まれているものが好ましい。またFBS(Fetal Bovine Serum)などの血清を含んでいても良い。例えば、RPMI1640、MEM(Minimum essential medium)、L−15(L-15 medium modified)、及びDMEM(Dulbecco Modify Eagle Medium)などを用いることができる。
細胞を培養する際は、温度37℃、気相の二酸化炭素濃度5vol%に維持することが好ましい。
上述した細胞容器を用いることにより、細胞が本来有する接着性を利用して、スフェロイドと呼ばれる凝集塊を形成させる。スフェロイドを形成させることによって、UGT活性を向上させることができる。
検査する化学物質を細胞に作用させる際には、スフェロイドの相当直径が50μm以上200μm未満、より好ましくは60μm以上150μm以下であるものを用いる。このような直径が好ましい理由は、上述の培養容器で説明した通りである。
培養容器10を形成する凹凸パターン(凹凸構造)により形成される複数の培養空間11の相当直径を、複数の培養空間の深さで割った値が1以上2未満であることが好ましい。
加えて、培養容器10を形成する凹凸パターンにより形成される複数の培養空間11の深さが1〜1000μmの範囲であることが好ましい。さらに加えて、一つの培養空間の一端から、一つの培養空間に隣接する培養空間の一端までである、凹凸パターンの凸形状及び凹形状の組合せのピッチが1〜1000μmの範囲であることが好ましい。
スフェロイド形状の株化肝細胞を得る方法として、ローラーボトル培養、スピナーフラスコ培養、ハンギングドロップ培養など特に限定されない。しかし、これらの方法では培養方法に応じた装置を使用するため、スフェロイド形成処理と接触処理とを別々の容器で行う必要が生じる。発明者らは、上述した培養容器10が形成されたウェル21を用いることにより、同一の容器でスフェロイド形成処理と接触処理とを実施できることを発見した。これにより、操作が簡便になり、形成したスフェロイドを移動させることなく、細胞に第1乃至第3溶液を作用させることが可能になる。特に、多くの化合物を一度に評価するような医薬品のスクリーニングにおいて、自動培養装置に利用することが可能となる。加えて、細胞の損傷や汚染を防止することが可能になる。
スフェロイドを形成するための培養容器10の好ましいサイズについては上述したが、スフェロイド形成処理から接触処理を実施する場合には、特に次の培養容器10のサイズが好ましいことを発見した。
培養容器10は、高さHを相当直径Dで割った値が0.5〜2の範囲であって、相当直径Dが100μm〜1000μmの範囲の培養空間11が、少なくとも2個以上配置されていることが好ましい。加えて、培養空間11を隔てる壁12の幅Wは2μmから50μmの範囲であることが好ましい。このような培養容器10を用いることで、簡単にかつ均一な直径のスフェロイドを得ることができる。
培養容器10を用いてスフェロイド形成を行う場合の細胞播種密度は特に限定されないが、5000個/cm〜1,000,000個/cmの範囲が好ましく、50〜150μmの直径のスフェロイドを形成させるためには、50個〜250個の細胞が11の区画に存在していることが好ましいことから、100,000個/cm〜500,000個/cmの範囲がより好ましい。スフェロイドを形成させるための培養時間は1日〜15日であればよい。
* 作用処理
作用処理では、培養したスフェロイドに評価したい化学物質を作用させる。
スフェロイドは、評価したい化学物質を作用させる前の、少なくとも24時間以上、より好ましくは24時間以上120時間未満、培地または緩衝液で培養されたものを用いる。
評価したい化学物質に加え、当該化学物質を評価するために必要となる他の化学物質をスフェロイドに作用させる。例えば、検査する化学物質を含む第1溶液、エストロゲン活性を有することが知られている化学物質を含む第2溶液、及び、エストロゲン活性を持たないことが知られている化学物質を含む第3溶液を用いる。第3溶液は、例えば、化学物質を含まず、DMSO(Dimethyl Sulfoxide)などの溶媒のみを含む溶液を用意する。
効率や信頼性の観点から、一度に第1乃至第3溶液に含まれる化学物質を、2以上のサンプリング数で検査することが好ましい。このために細胞はあらかじめウェルプレート上で培養されていることが好ましい。また検査する化学物質を含む溶液を細胞に対して作用させる処理も、同一のウェルプレートで行なうことが好ましい。
第2溶液として、異なるエストロゲン活性を有する2つ以上の化学物質溶液を用意することが好ましい。これにより、第1溶液のエストロゲン類似活性をより詳細に評価することができる。例えば、3種類の第2溶液A〜Cを用いる場合には、第2溶液Aとしてエストラジオール、第2溶液Bとしてエストロン、第2溶液Cとしてエストリオールを含む溶液を用意する。この場合、それぞれの化学物質のエストロゲン活性は相対的に第2溶液Aが100、第2溶液Bが50、第2溶液Cが10であり、第3溶液がゼロと表現することができる。これらの溶液をスフェロイドに作用させたときのUGT活性と、第1溶液を作用させたときのUGT活性を比較する。これにより、第1溶液に含まれる評価する化学物質がゼロから100の間でどの程度のエストロゲン活性を有するのかを評価することができる。
なお、化学物質のエストロゲン活性値は独立行政法人国立環境研究所から「化学物質のエストロゲン活性データ」(http://www.nies.go.jp/archiv-edc/estrogen/index.html)として公開されている。
第1乃至第3溶液に含まれる化学物質は、まずDMSOなどの有機溶媒に溶かし、これを浸透圧200mOsm/kg・HO以上315mOsm/kg・HO未満、pHが6.8から8.4の間に緩衝作用をもつバッファー液に希釈する。このとき最終的な有機溶媒の濃度は体積分率0.1vol%以下となるように調製する。また希釈に用いるバッファー液は、細胞培養に用いた培地または緩衝液を用いても良い。
スフェロイドを形成した細胞に対して、第1乃至第3溶液のいずれかを、1時間以上72時間以下、より好ましくは1時間以上24時間以下、作用させる。スフェロイドを形成した細胞へ第1乃至第3溶液のいずれかを作用させる時間を「化学物質作用時間」と称する。化学物質作用時間は、化学物質の活性が上昇するまでに要する時間を考慮すると、1時間以上であることが好ましい。加えて、化学物質作用時間が長時間になると、細胞が死に至ることが懸念されるため、24時間以下であることが好ましい。
* 測定処理
測定処理では、上述した化学物質作用時間終了後、スフェロイドを形成した細胞に作用させた第1乃至第3溶液を取り除き、スフェロイドを形成した細胞をバッファー液で洗浄する。その後、速やかにUGT代謝基質およびUDPグルクロン酸を含むUGT活性測定溶液を少なくとも1時間、より好ましくは1時間以上2時間以下、各細胞に作用させる。スフェロイドを形成した細胞へUGT活性測定溶液を作用させる時間を「測定溶液作用時間」と称する。測定溶液作用時間は、UGT活性測定溶液が細胞に作用するまでにかかる時間と、UGT活性測定溶液が細胞に悪影響を及ぼす時間とを考慮して決定する。
UGT代謝基質は、UGTによってグルクロン酸抱合を受ける物質であり、抱合体が発光を示すもの、あるいは抱合体の吸収波長または励起/蛍光波長があらかじめ知られているものを用いる。例えば4-Methylumbelliferone、p-Nitrophenol、7-hydroxy-4-(trifluoromethyl)coumarin(7-HFC)、Estradiolなどを用いることができる。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いる場合は、測定溶液作用時間内にUGTの代謝反応を停止させた後、速やかに溶液を回収し、遠心分離とフィルター濾過によって精製する。その後、HPLCによってグルクロン酸抱合体の産生量を測定する。代謝反応を停止するためには、用いたUGT代謝基質に適したものを選択すればよく、例えば7-hydroxy-4-(trifluoromethyl)coumarin(7-HFC)を用いた場合、アセトニトリル/酢酸(94vol%/6vol%)溶液を用いる。
マイクロプレートリーダーを用いる場合は、測定溶液作用時間内にUGTの代謝反応を停止させた後、UGT活性測定溶液に含まれるUGT代謝基質のグルクロン酸抱合体由来の発光または吸光または蛍光を測定する。この際、同一のマイクロプレート内に測定対象であるグルクロン酸抱合体の希釈系列を設けることで、得られた発光強度または吸光度または蛍光強度からグルクロン酸抱合体の産生量を算出することができる。
マイクロプレートリーダーを用いて発光を測定する場合は、側面および底面が白色不透明なプレートを用いて細胞を培養することが望ましい。あるいは側面が白色不透明で底面が透明なプレートを用いて細胞を培養し、UGT活性を測定する際に底面に白色シールを貼り付けてもよい。またはUGT活性測定溶液を回収し、速やかに側面および底面が白色不透明なプレートに移し変えて発光を測定してもよい。
マイクロプレートリーダーを用いて吸光を測定する場合は、底面が透明なプレートを用いて細胞を培養しなければならない。あるいは細胞の培養からUGT活性測定を作用させる処理までを底面が不透明なプレートで実施し、UGT活性測定溶液を回収して速やかに底面が透明なプレートに移し変えて吸光度を測定してもよい。
マイクロプレートリーダーを用いて蛍光を測定する場合は、側面が黒色不透明で底面が透明なプレートを用いて細胞を培養することが望ましい。あるいは細胞の培養からUGT活性測定を作用させる処理までを底面が不透明なプレートで実施し、UGT活性測定溶液を回収して速やかに底面が透明かつ側面が黒色不透明なプレートに移し変えて蛍光強度を測定してもよい。
*判定処理
判定処理では、具体的には次のように判定する。UGT活性は、言い換えると、グルクロン酸抱合体産生量である。
(1)第1溶液を作用させたスフェロイド形状の細胞のUGT活性が、第2溶液を作用させたスフェロイド形状の細胞のUGT活性と同等あるいはそれ以上に高い場合、第1溶液に含まれる化学物質は第2溶液に含まれる化学物質と等しいあるいはそれ以上のエストロゲン類似活性を有すると判定する。例えば、第2溶液のエストロゲン活性値を[B−Activity]として、第1溶液に含まれる化学物質のエストロゲン類似活性は[B−Activity]以上と評価される。
(2)第1溶液を作用させた細胞のUGT活性が、第3溶液の活性よりも高く、第2溶液の活性よりも低い場合、第1溶液に含まれる化学物質はゼロから第2溶液の活性値の間のエストロゲン類似活性を有すると判定する。第1溶液に含まれる化学物質のエストロゲン類似活性はゼロから[B−Activity]の間であると評価される。
(3)第1溶液を作用させた細胞のUGT活性が、第3溶液の活性と同等あるいはそれよりも低い場合、第1溶液に含まれる化学物質はエストロゲン類似活性をもたないと判定する。
実施例及び比較例について説明する。一実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
マイクロ空間が形成された3次元(3D)の培養プレートを用いる場合(実施例1)と、培養領域(培養底面)が平坦な2次元(2D)の平板プレートを用いる場合(比較例1)とにおいて、グルクロン酸抱合酵素活性の測定をおこなった。さらに実施例1と比較例1で培養した細胞に対してエストロゲンを作用させ、UGT活性上昇の濃度依存性を検証した(実施例2)。
[実施例1]
1.試験条件
(Step1−1)細胞の準備(培養処理)
培養する細胞はヒト乳がん由来細胞MCF−7を使用した。
培養容器は、図8に示す24個のウェル21aを有する培養プレート(24ウェル培養プレート)1a(3D)を使用した。各ウェル21aの底部培養面には、凹凸パターン(微細パターン)によって培養容器10aが形成されている。各培養容器10aは、相当直径Dが200μm、高さHが100μmで形成される培養空間11aを有する。また、壁12aの幅Wは10μmである。
細胞間接着を促進し立体的な組織構造を作製するために、底部培養面を0.05vol%MPCポリマーでコートした。
培地はグルコース濃度0.35vol%のRPMI培地を用いた。細胞播種密度が1×10個/cmとなるように、各ウェルに細胞懸濁液を導入し、37℃、5vol%CO環境下で3日間培養した。
実施例1の比較対象として、培養プレートを変更した比較例1を実施した。
比較例1の培養容器は市販の細胞培養グレード品であって、培養面が平坦な平板プレート(2D)を使用した。平板プレートを用いる以外は実施例1と同じ条件で実施した。
(Step1−2)(測定処理:UGT活性測定溶液の作用)
実施例、比較例ともに次の条件で試験を実施した。
細胞を培養後、培地(上澄み)を取り除いた後、7-hydroxy-4-(trifluoromethyl)coumarin(7-HFC)を10μmol/L含む培地を添加した。さらに20mmol/LのUDPGA(ウリジン二リン酸グルクロン酸)をそれぞれ添加し37℃、5vol%CO環境下で1時間インキュベートした。
(Step1−3)(測定処理:活性測定)
ウェル内の培地をマイクロピペットで回収し、0.45μm孔径のメンブレンフィルターによって精製した。精製したものをHPLC装置に導入した。カラムはInertsil ODS-SP(5μm 4.6mm i.d. × 150 mm)を使用し、移動相は20mmol/L KHPO(pH3.5)/アセトニトリル/メタノール(68:26:6,v/v/v)とした。波長328nmにて励起を行い、波長410nmの蛍光を検出した。
2.試験結果
図9に培養後の細胞の形態写真を、図10に活性測定結果を示した。
図10の活性測定結果から立体的に細胞を培養(3D)することで、グルクロン酸抱合酵素活性が飛躍的に向上することが明らかになった。
[実施例2]
1.試験条件
(Step2−1)細胞の準備(培養処理)
実施例1のStep1−1と同様の操作方法で培養細胞を準備した。比較対象も同様に市販の平板プレート(2D)を用いた。
(Step2−2)作用処理
化学物質添加群はエストロゲン活性を有する化学物質17β−エストラジオール)を250、500、1000nmol/L含む培地に、非添加群は17β‐エストラジオールの溶媒であるDMSOを含む培地に交換して、37度4時間インキュベートした。
(Step2−3)(測定処理:UST活性測定溶液の作用)
上澄みを取り除いた後、7-hydroxy-4-(trifluoromethyl)coumarin(7-HFC)を10μmol/L含む培地を添加し、さらに20mmol/LのUDPGA(ウリジン二リン酸グルクロン酸)をそれぞれ添加し37℃、5vol%CO2環境下で1時間インキュベートした。
(Step2−4)(測定処理:活性測定)
実施例1のStep1−3と同様の方法で分析を行った。
2.試験結果
平板プレートで培養した細胞にDMSOを含む培地を作用させたときのUGT活性値を1として、立体培養した細胞と平板培養した細胞に各濃度の17β‐エストラジオールを作用させたときのUGT活性値を図11に示した。図11の測定結果から立体的に細胞を培養することで17β‐エストラジオールの濃度依存的にUGT活性値が上昇することが明らかになった。一方、比較対象の平板プレートの活性値は17β‐エストラジオールの濃度依存的なUGT活性の上昇傾向が小さく、差が明らかではなかった。
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
1、1a 培養プレート
8 細胞
9 スフェロイド
10、10a 培養容器
11、11a 培養空間
12 壁
13 底部
14 底部培養面
21、21a ウェル
22 仕切り部

Claims (13)

  1. 被験物質が細胞に対してエストロゲン活性を有するものであるか評価する評価方法であって、
    培養容器に形成される複数の培養空間内で、細胞を培養してスフェロイド形状の細胞を複数形成させる第1工程と、
    前記スフェロイド形状の細胞それぞれに対して、検査する化学物質を含む第1溶液、エストロゲン活性を有することが知られている化学物質を含む第2溶液、及び、前記第1溶液から前記検査する化学物質を除いた第3溶液のうちのいずれかを作用させる第2工程と、
    前記第1乃至第3溶液のうちのいずれかを作用させた各スフェロイド形状の細胞に対して、UDP−グルクロン酸転移酵素活性測定溶液を作用させて、各スフェロイド形状の細胞のUGT活性を測定する第3工程と、
    前記第1溶液を作用させた前記スフェロイド形状の細胞のUGT活性が、前記第2溶液を作用させた前記スフェロイド形状の細胞のUGT活性と同等あるいはそれ以上に高い場合、前記第1溶液に含まれる化学物質は前記第2溶液に含まれる化学物質と等しいあるいはそれ以上のエストロゲン類似活性を有すると判定し、前記第1溶液を作用させた細胞のUGT活性が、前記第3溶液の活性よりも高く、前記第2溶液の活性よりも低い場合、前記第1溶液に含まれる化学物質はゼロから前記第2溶液の活性値の間のエストロゲン類似活性を有すると判定し、前記第1溶液を作用させた細胞のUGT活性が、前記第3溶液の活性と同等あるいはそれよりも低い場合、前記第1溶液に含まれる化学物質はエストロゲン類似活性をもたないと判定する第4工程と、
    を含むことを特徴とする評価方法。
  2. 前記培養する細胞がエストロゲン受容体を有することを特徴とする請求項1記載の評価方法。
  3. 前記培養容器が、複数のウェルを有する培養プレートの各ウェル内に、微細な凹凸構造により前記複数の培養空間を有するように形成され、前記複数の培養空間内でスフェロイド形状の細胞を形成することを特徴とする請求項1または2記載の評価方法。
  4. 前記第2工程では、前記第2溶液として、エストロゲン活性値が異なる2つ以上の化学物質を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の評価方法。
  5. 前記第2工程では、前記第1乃至第3溶液を1時間以上72時間以下、前記スフェロイド形状の細胞に作用させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の評価方法。
  6. 前記第3工程では、前記UGT活性を測定する試薬が、少なくとも1つ以上のUGT1A種および/または少なくとも1つ以上のUGT2B種によってグルクロン酸抱合を受ける基質を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の評価方法。
  7. 前記第3工程では、前記UGT活性を測定する試薬がウリジン二リン酸グルクロン酸を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の評価方法。
  8. 前記第3工程では、前記UGT活性を測定する試薬を1時間以上2時間以下、細胞に作用させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の評価方法。
  9. 前記第3工程では、UGT代謝反応によるグルクロン酸抱合体に由来する発光強度または蛍光強度または吸光度を用いて、前記UGT活性を算出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の評価方法。
  10. 前記第1及び第2工程、または前記第1乃至第3工程を同一のマイクロウェルプレートを用いて実施することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の評価方法。
  11. 前記凹凸構造により形成される前記複数の培養空間の相当直径を、前記複数の培養空間の深さで割った値が1以上2未満であることを特徴とする請求項3記載の評価方法。
  12. 前記凹凸構造により形成される前記複数の培養空間の深さが1〜1000μmの範囲であり、一つの培養空間の一端から、前記一つの培養空間に隣接する培養空間の一端までである、凸形状及び凹形状の組合せのピッチが1〜1000μmの範囲であることを特徴とする請求項3記載の評価方法。
  13. 前記培養容器がポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、シリコン樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、アクリル・スチレン系共重合樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性エラストマー、及びこれらの組合せからなる群から選択される樹脂成形品であることを特徴とする請求項3記載の評価方法。
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