JP2014078028A - 消色性トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】消去可能な色材微粒子のトナーからの離脱による微粉の発生を抑制した消色性トナーの製造を可能とする。
【解決手段】水性媒体中において、少なくとも呈色性化合物、顕色剤および消色剤を含みマイクロカプセル化された色材微粒子分散体と、バインダー樹脂を含有する微粒子分散体とが凝集したコア粒子を形成し、その後、少なくともカルボキシ基を有するシェル用バインダー樹脂を添加して、コア粒子の表面に前記カルボキシル基を有するバインダー樹脂のシェルを有するマイクロカプセル化されたトナー粒子を形成し、更に、シェル用バインダー樹脂のカルボキシル基と反応性のカルボジイミド基またはエポキシ基を有する化合物を添加して、前記トナー粒子を表面処理することにより消色性トナーを製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トナー、特に消去可能なトナー、およびその製造方法に関するものである。
コンピューター、ソフト、ネットワークの普及により、情報処理の迅速化、共有化が可能になった。本来情報の電子化は、情報の保存、蓄積、検索等には優れているが、情報の表示(特に一覧性)、伝達には紙媒体に優位性があるので、情報のデジタル化が進むにつれて、紙の使用量が増加しているのが実情である。一方、CO排出に代表される消費エネルギーの削減は各分野で急務である。情報の一時的な表示、伝達のために使用している紙媒体をリサイクルできれば、消費エネルギーの削減に大きく貢献できる。特許文献1は、可逆的感熱記録媒体を用いて、発色と消色を加熱によって行なう方法を開示している。しかし、この方法では、記録媒体側に発色性組成物を存在させるため、一般の紙媒体が使用できない欠点がある。特許文献2は粉砕法で製造した消去可能なトナーを開示しているが、呈色剤、顕色剤、消色剤等の成分を溶融混練する過程で、成分間の反応が起こり、発色濃度が低下するとともに、消色反応も遅くなるという難点がある。混練粉砕法以外の製造方法として、消去可能な色材微粒子とバインダー樹脂等の微粒子を水性媒体中で凝集融着することによりトナーを得る湿式の製法も提案されている(下記特許文献3)。この方法によれば、消去可能な色材微粒子を、溶融混練による機械的せん断や高い熱履歴を経ることなくバインダー樹脂等と混合一体化することが可能である。しかしながら、この方法においては、トナー粒子中に色材微粒子を完全に取り込むことが困難であり、トナー粒子から遊離した色材微粒子が微粉として、トナー中に残り、カブリ等の画像欠陥を与えるという不都合が見出された。この傾向は、色材微粒子がマイクロカプセル化されている場合に、特に顕著である。
他方、トナー樹脂を、反応性高分子を用いて架橋させることにより、主としてトナーの定着性、熱的特性および機械的特性の向上を図ることが提案されている(特許文献4〜6)。
特開2004−42635号公報 特許第3457538号公報 特開2010−191430号公報 特開2004−163854号公報 特開2010−48954号公報 特開2010−78828号公報
本発明は、上記問題点を改善し、消去可能な色材微粒子のトナー粒子からの離脱による微粉の発生を抑制した消色性トナーの製造を可能とすることを目的とする。
本発明によれば、バインダー樹脂と、呈色性化合物、顕色剤及び消色剤を含みマイクロカプセル化された色材微粒子とを含むコア粒子と、
このコア粒子の表面に設けられたカルボキシル基を有するシェル用バインダー樹脂を含むシェルと、を有するマイクロカプセル化されたトナー粒子を有し、
該トナー粒子の表面が、シェル用バインダー樹脂のカルボキシル基と反応性のカルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物で表面処理されたことを特徴とする消色性トナーが提供される。
また本発明によれば、水性媒体中において、少なくとも呈色性化合物、顕色剤および消色剤を含みマイクロカプセル化された色材微粒子分散体と、バインダー樹脂を含有する微粒子分散体とが凝集したコア粒子を形成し、
その後、少なくともカルボキシ基を有するシェル用バインダー樹脂を添加して、コア粒子の表面に前記カルボキシル基を有するバインダー樹脂のシェルを有するマイクロカプセル化されたトナー粒子を形成し、
更に、シェル用バインダー樹脂のカルボキシル基と反応性のカルボジイミド基またはエポキシ基を有する化合物を添加して、前記トナー粒子を表面処理することを特徴とする消色性トナーの製造方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下の記載において、組成を表す「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準とする。
(バインダー樹脂)
本発明で用いるバインダー樹脂としては、後述する反応性化合物の有するカルボジイミド基またはエポキシ基と反応性のカルボキシル基を有する樹脂が用いられる。より具体的には、ポリエステル系樹脂、スチレン・アクリル共重合体などのスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びマレイン酸系樹脂などが挙げられる。中でも定着性の良いポリエステル系樹脂あるいはスチレン・アクリル共重合体が好ましい。
ポリエステル樹脂としては、特にジカルボン酸成分とジオール成分をエステル化反応を経て、重縮合して得られるものが望ましい。酸成分としてテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ピメリン酸、シュウ酸、マロン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の脂肪族カルボン酸、等が挙げられる。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチングリコール、トリメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールA等のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物等をあげることができる。
また、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)やグリセリン等の3価以上の多価のカルボン酸や多価のアルコール成分を用いて、上記のポリエステル成分を架橋構造にしてもよい。ポリエステル樹脂は組成の異なる2種類以上を混合して使用してもよい。ポリエステル樹脂は非晶性でも結晶性でも良い。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は45℃以上70℃以下が望ましい。50℃以上65℃以下がより望ましい。ガラス転移温度が35℃より低いとトナーの耐熱保存性が悪化し、また消去時の樹脂の光沢が目だって好ましくない。70℃より高いと低温定着性が悪化し、また加熱時の消去性が劣って好ましくない。オキサゾリン基との架橋反応性の観点と乳化の容易さの観点から、ポリエステル樹脂は5〜35 mgKOH/g、特に15〜35mgKOH/g、の酸価(JIS K0070)を有するものが好ましい。また6000〜25000の範囲の重量平均分子量を有するものが好ましい。6000未満では、消色後の光沢が目立ち、25000を超えると定着温度が上昇して、定着後の画像濃度が低下するおそれがある。
また本発明では、芳香族ビニル成分と(メタ)アクリル酸エステル成分とを共重合させたスチレン・アクリル系樹脂も好ましく用いられる。芳香族ビニル成分としては、スチレン、α-メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられる。またp−スチレンスルフォン酸ナトリウム等のスルフォン酸系芳香族ビニル成分を用いても良い。アクリル酸エステル成分として、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート等が挙げられる。この中ではブチルアクリレートを用いるのが一般的である。重合方法としては、一般的に乳化重合法が採られ、各成分の単量体を、乳化剤を含んだ水相中でラジカル重合することにより得られる。
スチレン・アクリル系樹脂としては、30〜100mgKOH/g、特に40〜100mgKOH/gの酸価を有するものが好ましい。また、消色後の光沢の発生防止と、定着後の画像濃度の維持の観点から、重量平均分子量が1万〜10万の範囲のものが好ましい。
(呈色性化合物)
呈色性化合物は、文字や図形などを表示する色素の電子供与性の前駆体化合物である。電子供与性呈色剤としては、主にロイコ染料を用いることができる。ロイコ染料とは、顕色剤により発色することが可能な電子供与性の化合物である。例えば、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられる。
具体的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,6−ジフェニルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、2−N,N−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等である。さらに、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。これらは、2種以上混合して使用してもよい。
(顕色剤)
顕色剤は、呈色性化合物との相互作用により呈色剤を着色させる電子受容性の化合物である。そして、電子受容性顕色剤は、電子供与性呈色剤であるロイコ染料にプロトンを与えて発色させる作用を有する
顕色剤としては、例えば、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、ベンゾフェノン類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類、モノフェノール類、ポリフェノール類、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体等を用いる。
顕色剤は、ロイコ染料1部に対して、0.5〜10部、特に1〜5部の割合で用いることが好ましい。0.5部未満では、発色濃度が低くなり、10部を超えると完全に消色させるのが困難になる。
(消色剤)
本発明に用いられる消色剤は、ロイコ染料(呈色性化合物)、顕色剤、消色剤の3成分系において、熱によりロイコ染料と顕色剤による発色反応を阻害し、無色にすることができるものであれば、公知のものが使用できる。
消色剤は、特に、特開昭60−264285号公報、特開2005−1369号公報、特開2008−280523号公報で公知である消色剤の温度ヒステリシスを利用した発色消色機構を形成可能なものが、瞬時消去性において優れている。この発色した3成分系の混合物を、特定の消色温度Th以上に加熱すると、消色化させることができる。さらに、消色した混合物をTh以下の温度に冷却しても消色状態が維持される。さらに温度を下げると特定の復色温度Tc以下においてロイコ染料と顕色剤による発色反応が再度復活し、発色状態に戻るという可逆的な発色消色反応を起こすことが可能である。特に、本発明で使用する消色剤は、室温をTrとするとTh>Tr>Tcという関係を満たすことが好ましい。
この温度ヒステリシスを引き起こすことが可能な消色剤としては、例えばアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類が挙げられる。
特にエステル類が良い。具体的には、置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、脂肪酸と分岐脂肪族アルコールのエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等があげられる。これらは、2種以上混合して使用しても良い。
これら消色剤は、ロイコ染料1部に対して、1〜500部、特に4〜99部の割合で用いることが好ましい。1部未満では完全な消色状態の発現が困難であり、500部を超えて用いると、発色濃度が低下するおそれがある。
本発明の好ましい態様によれば、上記ロイコ染料、顕色剤および消色剤の3成分を含む色材微粒子のコア成分をカプセル化して用いる。カプセル化の方法は、界面重合法、コアセルベーション法、in situ重合法、液中乾燥法、液中硬化被膜法等がある。
特に、メラミン樹脂をシェル成分として使用するin situ重合法、ウレタン樹脂をシェル成分として使用する界面重合法等が好ましく用いられる。
in situ重合法の場合、まず、上記3成分を溶解混合し、水溶性高分子または界面活性剤水溶液中に乳化させる。その後、メラミンホルマリンプレポリマー水溶液を添加し、加熱し重合することによりカプセル化することができる。
界面重合法の場合は、上記3成分と多価のイソシアネートプレポリマーを溶解混合し、水溶性高分子または界面活性剤水溶液中に乳化させる。その後、ジアミンまたはジオール等の多価塩基を添加し、加熱重合することによりカプセル化することができる。
かくして、レーザー法による体積中位粒径(粒径分布における小粒径あるいは大粒径側からの累積体積が50%に相当する粒径)が、0.5〜3.5μm,好ましくは1.0〜3.0μmで、粒度分布がシャープなカプセル化色材微粒子の水分散液が得られる。このように、消去可能な色材微粒子がカプセル化されることにより、色材微粒子を構成するロイコ染料(呈色性化合物)、顕色剤、消色剤の3成分がカプセル内で緊密に共存し、バインダー樹脂が介在することがないので、濃度が高い発色状態と、消色状態との転換が速やかに達成される発色―消色系が形成される。
(離型剤成分)
本発明のトナーには、必要に応じて離型剤を含めることができる。離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスおよびそれらの変性物、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックスなどの植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうのなどの動物系ワックス、モンタンワックス、オゲソライト、セレシンなどの鉱物系ワックス、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのなどの脂肪酸アミド、機能性合成ワックス、シリコーン系ワックス等が挙げられる。
本発明においては、離型剤は特にアルコール成分とカルボン酸成分からなる成分のエステル結合を持つものが好ましい。アルコール成分としては高級アルコール、カルボン酸成分としては直鎖アルキル基を持つ飽和脂肪酸、モノエン酸、ポリエン酸等の不飽和脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸等が挙げられる。また不飽和多価カルボン酸としてマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。またこれらの無水物でも良い。離型剤の軟化点は低温定着性の観点から、50℃〜120℃、より望ましくは60℃〜110℃である。
本発明の好ましい態様に従う場合、離型剤は、バインダー樹脂との混合物として微粒子状分散体として供給されることが好ましく、バインダー樹脂は必要に応じて用いられる離型剤との合計量として、最終的にトナー中において、色材微粒子分散体1部当たり、1〜99部、特に2〜19部の割合で用いることが好ましい。
(帯電制御剤)
本発明においては、バインダー樹脂には、摩擦帯電電荷量を制御するための帯電制御剤などを配合しても良い。帯電制御剤としては、含金属アゾ化合物が用いられ、金属元素が鉄、コバルト、クロムの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。また、含金属サリチル酸誘導体化合物も用いられ、金属元素がジルコニウム、亜鉛、クロム、ボロンの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。
上記バインダー樹脂、離型剤、荷電制御剤等を含む微粒子を形成するためには、これら成分を溶融混合し、必要に応じて粗砕して後、高圧ポンプからノズルを通して吐出して微細化する方法、乳化重合法等、特許文献3に記載の方法により行うことができる。
(カルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物)
本発明のトナーの主要成分として、バインダー樹脂のカルボキシル基と反応性のカルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物を用いる。消色温度以下で反応させる必要性があることから、常温から80℃程度の温度範囲で反応するものが望ましい。また本発明の好ましい態様によれば、カルボジイミド基またはエポキシ基を有する化合物は、水性分散媒体中で、色材微粒子分散体と、少なくともポリエステル樹脂からなるバインダー樹脂を含有する微粒子分散体とで凝集体を形成する前後、より好ましくは後に、添加され、ポリエステル樹脂との反応に供される。したがって、水溶性であることが好ましい。
これらカルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物は、上記凝集体上に皮膜を形成する能力を有することが好ましく、そのため、必ずしも高分子である必要はないが、少なくとも2〜3官能性のオリゴマー程度の分子量を有することが好ましい。
また、これらカルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物は、色材微粒子の取り込み効果の向上及び得られるトナーの保存安定性を考慮して、ポリエステル系バインダー樹脂100部に対して、(カルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物の有効成分ベースで)0.3〜10.0部、特に0.5〜5.0部の範囲が好ましい。
カルボジイミド基を有する反応性化合物としては、カルボジイミド当量が300〜800程度、のポリカルボジイミド樹脂が好ましい。市販品の例としては、日清紡ケミカル社製SV-02,V-02,V-02-L2,V-04などが挙げられる。
また、エポキシ基を有する反応性化合物としては、エポキシ当量が100〜1000程度、の多価アルコール類が好ましい。市販品の例としては、ナガセケムテック社製デナコルEX313,314,421,512,521等が挙げられる。これらエポキシ基を有する化合物は、単独でルボキシル基を有するバインダー樹脂との反応に供されるほか、例えば、アミノ基やヒドロキシ基を有する物質(たとえば、エチレンアミン類)を、エポキシ基含有化合物1部当たり、0.1〜1.0部併用添加することにより、カルボキシル基を有するバインダー樹脂との反応温度を低下させるのも好ましい態様である。
(凝集剤)
好ましくはカプセル化された色材微粒子分散体および少なくともカルボキシル基を有するバインダー樹脂を含有する微粒子分散体を含む固形微粒子分散体を、水分散媒体中で、好ましくは界面活性剤の存在下に、凝集剤を添加して、凝集させる。この時点での水分散液中での固形分濃度は、10〜50%、特に20〜30%、とすることが好ましい。凝集剤の添加に際しては、水分散液を20℃から50℃程度の温度で凝集剤を添加するのが好ましい。
好ましい凝集剤の例としては、4級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤;例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、塩化亜鉛、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等、あるいはポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体等を含む無機金属塩;例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等が用いられる。
凝集剤は、色材微粒子およびバインダー含有樹脂微粒子を含む固形分100部当たり、3〜40部、特に5〜30部、の割合で用いることが好ましい。3部未満では、凝集力が不足するおそれがあり、40部を超えると凝集時に粗粒が発生したり、得られるトナーの帯電性が損なわれるおそれがある。
(凝集)
凝集は、色材微粒子分散体と、カルボキシル基を有するバインダー樹脂(および離型剤)を含有する微粒子分散体とを含む水性分散液中に、撹拌下で上記凝集剤を添加し、25〜80℃程度に保持することにより行う。
しい。
(反応・融着)
上記のように、色材微粒子分散体と、バインダー樹脂を含有する微粒子分散体との凝集を行った後、オキサゾリン基を有する反応性高分子を添加し、更に必要に応じてポリカルボン酸ナトリウム塩水溶液等の融着安定化剤を添加後、望ましくは撹拌下に徐々に温度をバインダー樹脂のガラス転移温度〜90℃程度まで上昇させることにより、凝集粒子中のバインダー樹脂のカルボキシル基と反応性化合物のカルボジイミド基またはエポキシ基との反応を起させ、且つ凝集粒子の融着を促進させる。効果的な架橋反応および融着のためには、50〜90℃の温度範囲で、0.5〜5時間保持することが好ましい。次いで、凝集融着粒子を、水洗、乾燥すれば、消色性トナー粒子が得られる。
(外添剤)
本発明においては、上記のようにして得られたトナー粒子に対して流動性や帯電性を調整するために、トナー粒子に対して0.01〜20%の無機微粒子を外添混合してもよい。このような無機微粒子としてはシリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム、酸化錫等を単独であるいは2種以上混合して使用することができる。無機微粒子は疎水化剤で表面処理されたものを使用することが環境安定性向上の観点から好ましい。また、このような無機酸化物以外に1μm以下の樹脂微粒子をクリーニング性向上のために外添してもよい。
以下、実施例、参考例および比較例を参照して、本発明を更に具体的に説明する。
(非晶性ポリエステル樹脂Aの製造)
テレフタル酸39部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物61部、ジブチルスズ0.2部をエステル化反応槽に投入し、窒素雰囲気下で260℃、50KPa(減圧系)で5時間重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(酸価:30mgKOH/g、分子量:8000)を得た。
(ポリエステル系樹脂分散液Aの製造)
非晶性ポリエステル樹脂A94.4部、離型剤としてライスワックス5.6部を、2軸混練機で混練したものを粉砕して、粗粉砕物を得た。この粗粉砕物100部、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤「ネオゲンR」(第一工業製薬社製)3部、ジメチルアミノエタノール5部、脱イオン水150部を添加し、パドル翼付きの1L攪拌槽で115℃まで昇温し、攪拌翼回転数200rpmで2時間攪拌した。その後常温まで冷却し樹脂分散液Aを製造した。該樹脂分散液の体積中位粒径を レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製「SALD7000」;測定粒径範囲10nm〜300μm)で測定したところ、260nmであった。
(ポリエステル系樹脂分散液Bの製造)
上記樹脂分散液Aからライスワックス成分を除いたものを樹脂分散液Bとした。
(スチレン-アクリル共重合体樹脂分散液Cの製造)
スチレン85.0部、n-ブチルアクリレート13.0部、アクリル酸2.0部、連鎖移動剤としてターシャリードデシルメルカプタン1.5部、乳化剤として花王製ラテムルPSを0.5部加え、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを0.8部、脱イオン水200部を加え、60℃で乳化重合を実施してスチレン-アクリル共重合体樹脂分散液Cを得た。得られた樹脂の重量平均分子量は32000、酸価は45mgKOH/gであった。
(離型剤分散液Dの製造)
ライスワックス (NSケミカル社製)20部、アニオン性界面活性剤(花王社製、ネオペレックスG-65)1部をイオン交換水79部と混合し、加熱しながらホモジナイザー(IKA社)にて10
分処理し、体積中位粒径152nm(島津製作所製SALD7000により測定した粒径分布に基づく)の離型剤の分散液Dを得た。
(参考例1)
色材形成のために、ロイコ染料としてCVL(Crystal violet lactone)5部、顕色剤として顕色剤として4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル5部、変色温度調整剤(消色剤)としてラウリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを50部からなる成分を加温溶解した。さらに、この加温溶解物を、カプセル化剤としての芳香族多価イソシアネートプレポリマー20部、酢酸エチル40部を混合した溶液とともに、8%ポリビニルアルコール水溶液250部中に投入し、乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、反応剤として水溶性脂肪族変性アミン2部を添加し、さらに液温を90℃に保って約3時間攪拌を続けて無色のカプセル粒子を得た。さらに、このカプセル粒子分散体を冷凍庫(−30℃)に入れて発色させ、青色の発色粒子分散体を得た。この発色粒子を島津製作所製「SALD7000」にて測定したところ、その体積中位粒径は2μmであった。また、完全消色温度Thは79℃で、完全発色温度Tcは−20℃であった。
完全消色温度とは、呈色性化合物と顕色剤の結合による発色状態から加熱していって完全消色状態(呈色性化合物および顕色剤が結合しておらず、当該結合に基づく発色が生じていない状態)に到達する温度である。さらに、完全発色温度とは、消色状態から冷却していって、完全発色状態(その組成のトナーにおいてほぼ最高の画像濃度となる状態)に到達する温度である。
上記のカプセル化した色材10部を含む分散液100部とトナーバインダー樹脂分散液A300部(樹脂分90部を含む)を混合し、更に硫酸アンモニウム〔(NHSO〕11%水溶液181部を添加して、凝集しトナー粒子分散液を生成した。その後50℃まで昇温し、カルボジイミド基含有水溶液(日清紡ケミカル製「SV-02」;有効成分40%)をトナー固形分に対して有効成分として3.6%の割合で添加した後、2.5重量%濃度のアニオン性界面活性剤(花王社製エマールE-27C)を250部加え、65℃まで昇温して2時間保持することにより、トナー分散液を作成した。冷却後、分散液から脱水、洗浄、乾燥して回収したトナー粒子の、コールターカウンター(アパーチャー径:50μm、測定粒径範囲:1.0〜30μm)により測定した体積中位粒径は7.5μmであった。
このトナー粒子100部に対し、日本アエロジル社製疎水性シリカ「NAX50」(平均粒径:30nm)3.5部、日本アエロジル社製酸化チタン「NKT90」(平均粒径:20nm)0.5部を外添混合して、参考例1のトナーを得た。
(参考例2)
参考例1のカルボジイミド基含有水溶液(日清紡ケミカル製「SV-02」)の添加量をトナー固形分に対して有効成分として6.8%に変更した以外は参考例1と同様にしてトナー粒子を作成した。トナー粒子の体積中位粒径は7.1μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(参考例3)
参考例1のカルボジイミド基含有水溶液(日清紡ケミカル製「SV-02」)の添加量をトナー固形分に対して有効成分として2.5%に変更した以外は参考例1と同様にしてトナー粒子を作成した。トナー粒子の体積中位粒径は6.5μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(実施例4)
参考例1と同様にして生成したカプセル化した色材10部を含む分散液100部とトナーバインダー樹脂分散液A200部(樹脂分60部を含む)を混合し、更に硫酸アンモニウム〔(NHSO〕11%水溶液164部を添加して、凝集しコア粒子分散液を生成した。さらに50℃で、シェル形成用に上記トナーバインダー樹脂分散液B100部(樹脂分30部を含む)を添加し、3時間保持することによりカプセル化トナー分散液を作成した。その後日清紡ケミカル製「SV-02」をトナー固形分に対して有効成分として1.5%の割合で添加した後、2.5重量%のアニオン性界面活性剤(花王社製エマールE-27C)を250部加え、65℃まで昇温して、2時間保持することによりトナー粒子を作成した。その後は参考例1と同様に、トナー粒子の脱水、洗浄、乾燥による回収、および疎水性シリカおよび酸化チタンの外添を行うことにより、カプセル化トナー粒子を得た。参考例1と同様にして測定したこのトナー粒子の体積中位粒径は、7.2μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(参考例5)
参考例1のカプセル化した色材10部を含む分散液100部とスチレンアクリル系樹脂分散液C255部(樹脂分85部を含む)と離型剤分散液D25部(離型剤5部を含む)を混合し、更に硫酸アルミニウム〔Al(SO)〕10%水溶液50部を添加して、凝集しトナー粒子分散液を生成した。その後50℃まで昇温し、カルボジイミド基含有水溶液(日清紡ケミカル製「SV-02」;有効成分40%)をトナー固形分に対して有効成分として8.5%の割合で添加した後、2.5重量%濃度のアニオン性界面活性剤(花王社製エマールE-27C)を250部加え、70℃まで昇温して2時間保持することにより、トナー分散液を作成した。冷却後、分散液から脱水、洗浄、乾燥して回収したトナー粒子の、コールターカウンターにより測定した体積中位粒径は9.4μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(参考例6)
参考例1のカプセル化した色材10部を含む分散液100部とトナーバインダー樹脂分散液A300部(樹脂分90部を含む)を混合し、更に硫酸アンモニウム〔(NHSO〕11%水溶液181部を添加して、凝集しトナー粒子分散液を作成した。45℃に昇温し、5wt%濃度のKOH水溶液を用いてトナー粒子分散液のPHを7.0に調整した。そこに、トナー固形分に対する添加量としてジエチレントリアミン0.2%、エポキシ化合物デナコールEX313(ナガセケムテック社製)1.0%を加え、5時間加熱を行いその後2.5重量%濃度のアニオン性界面活性剤(花王社製エマールE-27C)を250部加え、65℃まで昇温して2時間保持することにより、トナー粒子分散液を作成した。冷却後、分散液から脱水、洗浄、乾燥して回収したトナー粒子の、コールターカウンターにより測定した体積中位粒径は6.3μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(参考例7)
参考例6において、トナー固形分に対する添加量をジエチレントリアミン0.4%、エポキシ化合物デナコールEX313(ナガセケムテック社製)2.0%に変更した以外は参考例6と同様にしてトナー粒子を作成した。トナー粒子の体積中位粒径は6.5μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(参考例8)
参考例1のカプセル化した色材10部を含む分散液100部とスチレンアクリル系樹脂分散液C255部(樹脂分85部を含む)と離型剤分散液D25部(WAX分5部を含む)を混合し、更に硫酸アルミニウム〔Al(SO)〕10%水溶液50部を添加して、凝集しトナー粒子分散液を生成した。その後45℃まで昇温し、トナー固形分に対する添加量としてジエチレントリアミン0.4%、エポキシ化合物デナコールEX313(ナガセケムテック社製)2.0%を加え、5時間加熱を行いその後2.5重量%濃度のアニオン性界面活性剤(花王社製エマールE-27C)を250部加え、70℃まで昇温して2時間保持することにより、トナー粒子分散液を作成した。冷却後、分散液から脱水、洗浄、乾燥して回収したトナー粒子の、コールターカウンターにより測定した体積中位粒径は8.5μmであった。その後、参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(実施例9)
参考例1と同様にして生成したカプセル化した色材10部を含む分散液100部とトナーバインダー樹脂分散液A200部(樹脂分60部を含む)を混合し、更に硫酸アンモニウム〔(NHSO〕11%水溶液164部を添加して、凝集しコア粒子分散液を生成した。さらに50℃で、シェル形成用に上記トナーバインダー樹脂分散液B100部(樹脂分30部を含む)を添加し、3時間保持することによりカプセル化トナー粒子分散液を作成した。その後、トナー固形分に対する添加量としてジエチレントリアミン0.2%、エポキシ化合物デナコールEX313(ナガセケムテック社製)1.0%を加え、5時間加熱を行い2.5重量%濃度のアニオン性界面活性剤(花王社製エマールE-27C)を250部加え、65℃まで昇温して、2時間保持することによりトナー粒子を作成した。その後は参考例1と同様に、トナー粒子の脱水、洗浄、乾燥による回収、および疎水性シリカおよび酸化チタンの外添を行うことにより、カプセル化トナー粒子を得た。参考例1と同様にして測定したこのトナー粒子の体積中位粒径は、7.0μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(参考例10)
参考例6と同様にして、カプセル化した色材10部を含む分散液100部とトナーバインダー樹脂分散液A300部(樹脂分90部を含む)を混合し、更に硫酸アンモニウム〔(NHSO〕11%水溶液181部を添加して、凝集しトナー粒子分散液を生成した。45℃に昇温し、5wt%のKOH水溶液を用いてトナー粒子分散液のPHを7.0に調整した。そこに、トナー固形分に対する添加量としてエポキシ化合物デナコールEX313(ナガセケムテック社製)2.0%を加え、45℃で5時間の加熱を行いその後2.5重量%濃度のアニオン性界面活性剤(花王社製エマールE-27C)を250部加え、85℃まで昇温して5時間保持することにより、トナー粒子分散液を作成した。冷却後、分散液から脱水、洗浄、乾燥して回収したトナー粒子の、コールターカウンターにより測定した体積中位粒径は6.8μmであった。その後参考例1と同様に外添剤を添加してトナーを得た。
(比較例1)
参考例1において、凝集トナー粒子分散液に対して、カルボジイミド基含有水溶液を加えることなく、直ちに65℃まで昇温して、トナー粒子分散液を形成する以外は、参考例1と同様にして、トナー粒子を得た。コールターカウンターにより測定した体積中位粒径は6.2μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
(比較例2)
参考例5において、凝集トナー粒子分散液に対して、カルボジイミド基含有水溶液を添加することなく、直ちに65℃まで昇温して、トナー粒子分散液を形成する以外は、参考例1と同様にして、トナー粒子を得た。コールターカウンターにより測定した体積中位粒径は6.8μmであった。その後参考例1と同様の外添剤を添加してトナーを得た。
上記実施例、参考例及び比較例で得られたトナーについては、以下の評価を行なった。
(トナー微粉)
洗浄、乾燥、外添したトナーをアパチャー径50μm(測定粒径範囲:1.0〜30μm)のコールター粒径測定器で粒径を測定する。個数分布における1.0μm〜2.0μmの累積個数%の値を採用する。
(トナー保存性)
外添したトナー20.0gを50℃の温水中に8時間浸し、その後ホソカワミクロン社製「パウダーテスター」で10秒間振とうした後、篩(42メッシュ、目開き:0.351mm)上に残ったトナーの固まりの量の割合(WT%)をトナー保存性の指標として表記した。
上記実施例、参考例および比較例の概要および評価結果をまとめて、下表1に示す。
Figure 2014078028
上記表1の結果を見ると、トナー粒子をカルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物により処理することにより、トナーの保存性が改善されるだけでなく、マイクロカプセル化によりトナー中に取り込まれることが特に困難化した消色性トナー色材微粒子(比較例1、2)の、トナー粒子中への取り込み性が顕著に向上し、トナー微粉の発生が抑制されている(参考例1〜3,5〜8及び10ならびに実施例4及び9)ことが分る。また、カルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物による処理に先立って、主としてバインダー樹脂からなるシェル材によりトナー粒子をカプセル化することにより、少ない量のカルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物による処理でも、マイクロカプセル化消色性トナー色材微粒子のトナー中への取り込み性の一段の向上が達成されること(参考例4、9)が分る。
本参考例にかかるトナーにおいては、色剤の完全消色温度が、79℃であり、これよりも低い温度で定着する必要がある。架橋によりトナーの機械的強度を上げることは、樹脂の高分子化ひいては、定着温度の上昇にもつながる。従って、低温かつ発色した状態で定着可能なトナーとするためには、トナーの内部、つまり凝集体には架橋反応をさせずに、シェル領域、つまりトナーの表面および表面に近い領域だけが、架橋されていることが望ましい。そのため、実施例4および9のごとく、凝集粒子の形成の後に、ポリエステル樹脂粒子にて凝集粒子全体を薄く被覆したうえで、架橋反応を起こすことが望ましい。
色剤の完全消去温度にもよるが、色剤の完全消去温度を高くすることおよび、発色温度と消去温度との温度差を十分に広げることは材料の制約上難しい。こうした観点から、消去温度を85〜120℃、定着温度を85℃〜70℃程度、消去温度と定着温度との差が10℃以上あることが望まれている。このようなに低温定着性を要求されるものにおいては、実施例4および9のような表面領域だけを架橋させることが特に重要となる。
評価用に改造した電子写真複合機(東芝テック社製「e−STUDIO 3520c」)に投入し、未定着画像を作成し、評価用に改造した定着機(30mm/s)にて、を定着温度75℃、消去温度85℃に設定して、参考例1〜3,5〜8及び10ならびに実施例4及び9のトナーを定着、消去したところ、十分な定着性と、消去性を示した。

Claims (5)

  1. バインダー樹脂と、呈色性化合物、顕色剤及び消色剤を含みマイクロカプセル化された色材微粒子とを含むコア粒子と、
    このコア粒子の表面に設けられたカルボキシル基を有するシェル用バインダー樹脂を含むシェルと、を有するマイクロカプセル化されたトナー粒子を有し、
    該トナー粒子の表面が、シェル用バインダー樹脂のカルボキシル基と反応性のカルボジイミド基またはエポキシ基を有する反応性化合物で表面処理されたことを特徴とする消色性トナー。
  2. 前記コア粒子を形成するバインダー樹脂はカルボキシ基を有する請求項1に記載のトナー。
  3. 前記カルボキシ基を有するバインダー樹脂が、ポリエステル系樹脂またはスチレンアクリル系樹脂である請求項1または2に記載のトナー。
  4. 水性媒体中において、少なくとも呈色性化合物、顕色剤および消色剤を含みマイクロカプセル化された色材微粒子分散体と、バインダー樹脂を含有する微粒子分散体とが凝集したコア粒子を形成し、
    その後、少なくともカルボキシ基を有するシェル用バインダー樹脂を添加して、コア粒子の表面に前記カルボキシル基を有するバインダー樹脂のシェルを有するマイクロカプセル化されたトナー粒子を形成し、
    更に、シェル用バインダー樹脂のカルボキシル基と反応性のカルボジイミド基またはエポキシ基を有する化合物を添加して、前記トナー粒子を表面処理することを特徴とする消色性トナーの製造方法。
  5. 前記コア粒子を形成するバインダー樹脂はカルボキシ基を有する請求項4に記載の方法。
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