JP2014077392A - 自動二輪車用エンジンの潤滑構造 - Google Patents

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弓弦 信太
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Abstract

【課題】無段変速機構(CVT)を備える自動二輪車において、エンジン内の潤滑性能を確保しつつ、エンジンの小型化及び製造コストの低減を実現すること。
【解決手段】駆動力が入力される駆動プーリ(200)及びこの駆動プーリ(200)に無端ベルトを介して連結された従動プーリを有し、クランクシャフト(111)の一端側に配置される無段変速機構と、オイルポンプ(190)及びオイルフィルタを含み、エンジン(10)内の各部に潤滑オイルを供給する潤滑系統部品とを備え、上記潤滑系統部品をエンジン(10)のシリンダを挟んで無段変速機構と反対側に集約して配置したことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動二輪車用エンジンの潤滑構造に関し、特に、動力伝達機構として無段変速機構(CVT:Continuously Variable Transmission)を備える自動二輪車に好適な自動二輪車用エンジンの潤滑構造に関する。
従来、エンジンの車幅方向中心線に対して一方側に偏在してストレーナ、オイルポンプ及びオイルフィルタを配置する自動二輪車用エンジンの潤滑構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動二輪車用エンジンの潤滑構造によれば、オイル通路の配置を簡素化でき、エンジン製造時の加工性が改善されると共にエンジン重量の増加が抑制される。
一方、ビジネスタイプ等の自動二輪車においては、エンジンで発生した動力の伝達機構として無段変速機構(CVT)を備えるものが普及している。CVTを備える自動二輪車においては、エンジン内の潤滑性能を改善すべく、CVTが配置されるエンジンの一方側(例えば、車両右方側)にオイルポンプを配置することで、オイル通路を短縮してエンジン内の各部へのオイル供給量を確保している。
特開2010−65667号公報
しかしながら、上述したようなCVTを備える自動二輪車においては、オイルポンプに駆動軸(例えば、クランクシャフト)の駆動力を伝達するための駆動力伝達機構(例えば、オイルポンプギヤ)をCVT側に設ける必要がある。このため、CVT側の駆動軸の軸長が長くなり、エンジンを小型化できず、その製造コストを低減することができないという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、無段変速機構(CVT)を備える自動二輪車において、エンジン内の潤滑性能を確保しつつ、エンジンの小型化及び製造コストの低減を実現できる自動二輪車用エンジンの潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明の自動二輪車用エンジンの潤滑構造は、駆動力が入力される駆動プーリ及び当該駆動プーリに無端ベルトを介して連結された従動プーリを有し、クランクシャフトの一端側に配置される無段変速機構と、オイルポンプ及びオイルフィルタを含み、エンジン内の各部に潤滑オイルを供給する潤滑系統部品とを具備し、前記潤滑系統部品をエンジンのシリンダを挟んで前記無段変速機構と反対側に集約して配置したことを特徴とする。
この構成によれば、潤滑系統部品がエンジンのシリンダを挟んで無段変速機構(CVT)と反対側に集約して配置されることから、シリンダ近傍からCVT側のクランクシャフトに潤滑系統部品を設置するための部分を確保する必要がなくなる。これにより、クランクシャフトの軸長を短縮できるので、エンジンを小型化すると共にその製造コストを低減できる。また、オイルポンプ及びオイルフィルタを含む潤滑系統部品がCVTと反対側に集約的に配置されることから、エンジン内の各部へ潤滑オイルを供給するためのオイル通路を短縮できるので、流路抵抗が低減でき、より小容量のオイルポンプを採用することができる。この結果、エンジン内の潤滑性能を確保しつつ、エンジンのメカロスの低減を実現することが可能となる。
上記自動二輪車用エンジンの潤滑構造においては、前記クランクシャフトの他端側に配置され、当該クランクシャフトの回転に応じて発電する発電体と、前記クランクシャフトの駆動力を前記オイルポンプに伝達するオイルポンプギヤとを更に具備し、前記オイルポンプギヤを、前記シリンダを挟んで前記無段変速機構と反対側に配置される前記クランクシャフトのうち、前記発電体と前記シリンダとの間の一部に設けることが好ましい。この場合には、発電体とシリンダとの間にオイルポンプに駆動力を伝達するオイルポンプギヤが配置されることから、CVT側のクランクシャフトの一部にオイルポンプギヤを装着するための部分を省略できるので、CVT側のクランクシャフトの軸長を短縮することが可能となる。
また、上記自動二輪車用エンジンの潤滑構造においては、前記クランクシャフトに連結されるカムチェーン駆動用のスプロケットを更に具備し、前記スプロケットを、前記シリンダを挟んで前記無段変速機構と反対側に配置される前記クランクシャフトのうち、前記発電体と前記シリンダとの間の一部に設けることが好ましい。この場合には、発電体とシリンダとの間にカムチェーン駆動用のスプロケットが配置されるので、CVT側のクランクシャフトの一部にカムチェーン駆動用のスプロケットを装着するための部分を省略でき、CVT側のクランクシャフトの軸長を短縮することが可能となる。
さらに、上記自動二輪車用エンジンの潤滑構造においては、前記クランクシャフトの軸内にオイル通路を形成すると共に、前記潤滑系統部品は、前記クランクシャフトの他端側から前記オイル通路に潤滑オイルを供給することが好ましい。この場合には、潤滑系統部品が配置されているクランクシャフトの他端側から軸内に潤滑オイルが供給されることから、軸端給油方式のクランクシャフトを搭載するエンジンにおいても、クランクシャフト内のオイル通路までの潤滑オイルの経路を短くでき、エンジン内の潤滑性能を向上することが可能となる。
例えば、上記自動二輪車用エンジンの潤滑構造は、前記無段変速機構が、前記無端ベルトとして乾式ベルトを用いた乾式無段変速機構である場合に好適に用いられる。上記自動二輪車用エンジンの潤滑構造においては、潤滑系統部品がシリンダを挟んでCVTと反対側の領域に配置されることから、乾式無段変速機構の周囲に潤滑オイルが付着する事態を防止できるので、潤滑オイルの付着に起因する不具合の発生を防止することが可能となる。
また、上記自動二輪車用エンジンの潤滑構造は、単気筒エンジンを備え、前記クランクシャフトが軸受けを介して軸支される場合に好適に用いられる。上記自動二輪車用エンジンの潤滑構造においては、シリンダを挟んでCVTと反対側に潤滑系統部品が配置されることから、潤滑系統部品がCVT側に配置される場合と比べ、シリンダの両側に配置されるエンジンの構成部品の重量バランスを調整できるので、クランクシャフトを軸支する軸受けに掛かる負荷を適度に分散でき、軸受けの損傷を抑止することが可能となる。
本発明によれば、無段変速機構(CVT)を備える自動二輪車において、エンジン内の潤滑性能を確保しつつ、エンジンのメカロスの低減を実現することが可能となる。
本実施の形態に係る自動二輪車用エンジンの潤滑構造が適用される自動二輪車の外観を示す左側面図である。 本実施の形態に係る自動二輪車用エンジンの周辺部分を示す左側面図である。 図2に示す実線A−Aにおける断面図である。 本実施の形態に係る自動二輪車用エンジンのクランクケース内の拡大図である。 本実施の形態に係る自動二輪車用エンジンのクランクケース内の拡大図である。 本実施の形態の変形例に係る自動二輪車用エンジンの断面図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る自動二輪車用エンジンの潤滑構造をビジネスタイプの自動二輪車に適用した形態について説明するが、本発明の適用対象となる車両はこれに限定されることなく適宜変更可能である。例えば、本発明に係る自動二輪車用エンジンの潤滑構造を、他のタイプの自動二輪車用エンジンに適用しても良い。
図1を参照して、本実施の形態に係る自動二輪車用エンジンの潤滑構造が適用される自動二輪車全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動二輪車用エンジンの潤滑構造が適用される自動二輪車の左側面図である。なお、図1においては、自動二輪車における車体前方を矢印FR、車体後方を矢印REでそれぞれ示すものとする。図2以降の図面についても同様である。
図1に示すように、ビジネスタイプの自動二輪車1は、鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム(不図示)に車体外装としての各種カバーを装着して構成されている。この自動二輪車1は、前方に運転者の足回りを保護するレッグシールド21が設けられており、レッグシールド21の後方にはセンターフレームカバー22が設けられている。また、自動二輪車1の左右後方にはサイドフレームカバー23が設けられている。
車体前方には、ステアリングシャフト(不図示)を介してフロントフォーク31が回転可能に支持されている。フロントフォーク31の上方には、前輪3を操舵するためのハンドルバー32が設けられている。ハンドルバー32の右前方にはブレーキレバー(不図示)が配置されており、ハンドルバー32の前方にはヘッドランプ33が設けられている。フロントフォーク31の下部には前輪3が回転可能に支持されると共に、前輪3の上部を覆うフロントフェンダ34が設置されている。前輪3には、ブレーキディスク35とブレーキディスク35を挟持するキャリパー36とが設けられている。
サイドフレームカバー23の下側には、スイングアーム41が上下方向に揺動可能に支持されており、車体フレームとスイングアーム41との間にはサスペンション42が取り付けられている。スイングアーム41の後部には、後輪4が回転可能に支持されている。後輪4の左側には、リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)及びチェーンが格納されるチェーンカバー43が設けられている。このリヤスプロケット及びチェーンによってエンジン10の動力が後輪4に伝達される。サイドフレームカバー23の後部にはテールランプ44及びリヤフェンダ45が設けられている。
ここで、本実施の形態に係る自動二輪車1が備えるエンジン10の周辺の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係るエンジン10の周辺部分を示す左側面図である。なお、本実施の形態に係る自動二輪車1においては、エンジン10として単気筒エンジンが搭載されると共に、動力伝達機構として無段変速機構(CVT)が搭載されている。特に、CVTには、無端ベルトとして乾式ベルトを用いた乾式CVTが搭載される。
図2に示すように、エンジン10は、ステアリングシャフトを支持するヘッドパイプ(不図示)から後方に延びるメインフレーム(フレーム)2の下方に懸架されている。この場合、エンジン10は、シリンダ120を前方に向けて略水平方向に倒した状態でメインフレーム2に懸架されている。エンジン10には、エアクリーナ140及びインテークパイプ141を通じて空気が取り込まれ、燃料供給装置にて空気と燃料とが混合されて燃焼室に供給される。燃焼後の燃焼ガスは、エンジン10の右側面において後方に延出された不図示のエキゾーストパイプを経てマフラから排気ガスとして排出される。
また、エンジン10は、回転軸が車幅方向に対して平行になるように、クランクシャフト111が配置されるクランクケース110を備えている。なお、クランクシャフト111は、クランクケース110に軸受け(ベアリング)を介して回転可能に軸支される。クランクケース110の前方には、シリンダ120及びシリンダヘッド130が取り付けられている。シリンダ120内の筒状空間には、不図示のピストンがシリンダ120の軸線方向に往復可能に収容されている。
シリンダヘッド130の前方上側には、レッグシールド21の前方から流れ込む空気を取り込むエアクリーナ140が配置されている。エアクリーナ140は、インテークパイプ141を介してシリンダヘッド130と接続されている。エアクリーナ140により取り込まれた空気は、インテークパイプ141を通じてシリンダ120内の燃焼室に供給される。
クランクケース110の左側面には、マグネト室を区画するマグネトカバー150が取り付けられている。マグネト室には、エンジン10から発生する動力に応じて発電する発電体180が設けられている(図3参照)。一方、クランクケース110の右側面には、無段変速機構のベルト室を形成する不図示の変速機ケースが取り付けられている。この変速機ケースの右側に不図示のベルトカバーが取り付けられている。
エンジン10の上方には、冷却風として外気を取り込むベルト室用エアクリーナ(吸気部材)160が設けられている。ベルト室用エアクリーナ160から取り込まれた空気は、吸入ダクトを介して無段変速器のベルト室に送られる。また、エンジン10の後方には、ベルト室内に取り込まれた空気を排出するための排出ダクトが設けられている。
マグネト室の後方には、クラッチ機構を収納するクラッチケース170が設けられている。クラッチ機構は、エンジン10から発生する動力の断続を制御する。クラッチケース170は、クランクケース110の一部を構成するものである。クラッチケース170の一部には、クランクケース110の左側面の一部を構成するクラッチカバー171が設けられている。
ここで、エンジン10内の構成について図3を参照しながら説明する。図3は、図2に示す実線A−Aにおける断面図である。なお、図3においては、説明の便宜上、クランクケース110に取り付けられるシリンダ120、シリンダヘッド130及びシリンダ120内のピストンについて省略している。また、図3においては、自動二輪車1における車体左方側を矢印L、車体右方側を矢印Rでそれぞれ示すものとする。以下に示す図6においても同様である。
図3に示すように、クランクシャフト111は、クランクケース110の内壁面110a、110bに一対の軸受け110c、110dを介して回転可能に軸支されている。これらの内壁面110a、110bの内側に配置されるクランクシャフト111には、一対のクランクウェブ111a、111bが設けられると共に、これらのクランクウェブ111a、111bの間にクランクピン111cが設けられている。シリンダ120内に収容されるコンロッド112は、小端部(上端部)で不図示のピストンに連結される一方、大端部(下端部)でクランクピン111cに連結される。このようにシリンダ120内のピストンとクランクシャフト111とを連結することにより、ピストンの往復運動がコンロッド112を介してクランクシャフト111の回転運動に変換される。
クランクシャフト111の一端側(図3に示す左端側)には、マグネト室に配置される発電体180が設けられている。発電体180は、マグネット181を備えてクランクシャフト111に装着されるアウターロータ182と、コイルを備えてマグネトカバー150に装着される不図示のステータとを含んで構成される。クランクシャフト111の回転に伴ってアウターロータ182が回転することで電力が発電される。このように発電体180で発電された電力は、不図示のバッテリに充電される。
発電体180と、クランクケース110の内壁面110aとの間に配置される空間には、潤滑系統部品を構成するオイルポンプ190が設けられている。オイルポンプ190は、クランクシャフト111に装着されたオイルポンプギヤ191を備える。オイルポンプ190は、オイルポンプギヤ191を介してクランクシャフト111からの回転力の供給を受け、不図示のオイルストレーナを介して後述するオイルパン192に溜められた潤滑オイルを吸い上げる(図4参照)。オイルポンプ190に吸い上げられた潤滑オイルは、クランクケース110等に形成されたオイル通路を介してエンジン10を構成する各部を潤滑及び冷却する。なお、このオイル通路については後述する。
一方、クランクシャフト111の他端側(図3に示す右端側)には、無段変速機構(CVT)を構成する駆動プーリ200が装着されている。無段変速機構(CVT)は、駆動力が入力される駆動プーリ200と、この駆動プーリ200に無端ベルトを介して連結される不図示の従動プーリとを含んで構成される。駆動プーリ200は、円錐面201aが形成された固定シーブ201と、円錐面201aと対向する円錐面202aが形成された可動シーブ202とを有する。固定シーブ201は、クランクシャフト111に固定される。一方、可動シーブ202は、スプラインを介してクランクシャフト111に取り付けられ、クランクシャフト111の軸方向に移動可能に構成される。
クランクシャフト111には、可動シーブ202における外壁面と対向してカム部材203が装着されている。このカム部材203と可動シーブ202との間には、例えば、球形状を有する不図示の遠心ウェイトが配置されている。クランクシャフト111が所定の回転数以上となると、遠心ウェイトは、これに加わる遠心力により径方向の外側に向けて移動すると共に、可動シーブ202側に押し出される。これにより、可動シーブ202が固定シーブ201側に押圧され、駆動プーリ200の溝幅が狭くなる。
以下、エンジン10内に形成されるオイル通路について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4及び図5は、本実施の形態に係るエンジン10のクランクケース110内の拡大図である。なお、図4においては、マグネトカバー150及びクラッチカバー171を取り外した状態のクランクケース110の左側面図を示している。図5においては、クランクケース110内に形成されるオイル通路に沿った断面図を示している。なお、図5においては、説明の便宜上、オイルポンプ190を破線にて示している。
図4に示すように、オイルポンプ190は、クランクシャフト111の下方側であって、僅かに車両後方側に配置されている。クランクケース110の下端部近傍であって、オイルポンプ190の僅かに前方側には、オイルパン192が設けられている。オイルパン192には、クランクケース110内の潤滑オイルが溜められる。オイルパン192の上方には、オイルストレーナによる吸い込み口が設けられている。また、オイルパン192の前方側には、潤滑系統部品を構成するオイルフィルタ193が設けられている。オイルフィルタ193の内部は、例えば、潤滑オイルに含まれる不純物を取り除くろ紙が備えられる。
このように構成されたエンジン10において、燃料供給装置から供給された空気と燃料との混合気が燃焼室で燃焼され、シリンダ120内のピストンが往復移動すると、コンロッド112を介して連結されたクランクシャフト111が回転する。このクランクシャフト111の回転に伴ってオイルポンプ190が駆動されると、図4の矢印A〜Cで示すように、不図示のオイルストレーナを介してオイルパン192から潤滑オイルが吸い上げられ、オイルフィルタ193に送出される。
オイルポンプ190により吸い上げられた潤滑オイルは、図5に示すように、クランクケース110内に形成されたオイル通路OP1を介してオイルフィルタ193に供給される。オイルフィルタ193に供給された潤滑オイルは、ろ紙により不純物が取り除かれた後、クランクケース110内に形成されたオイル通路OP2、OP3に送出される。
オイル通路OP2に送出された潤滑オイルは、適所で分岐されたオイル通路を通じてクランクシャフト111、シリンダヘッド130やシリンダ120内のピストンに供給される。例えば、クランクシャフト111に供給される潤滑オイルは、図3に示すように、クランクケース110の内壁面110aに形成されたオイル通路OP4を介してクランクピン111c内の開口部111dに送出される。そして、この開口部111dの内壁に形成されるオイル噴出孔111eを介してクランクシャフト111の外周面に供給される。また、ピストンに供給される潤滑オイルは、ピストンに形成されるオイル噴出孔(ピストンジェット)からピストンの周囲に供給される。
一方、オイル通路OP3に送出された潤滑オイルは、オイル通路0P3に接続されるオイル通路OP5に送出される。オイル通路OP5に供給された潤滑オイルは、車幅方向に延在して設けられたオイル通路OP6を介してクラッチケース170の内部に送出される。オイル通路OP6に送出された潤滑オイルは、図4に示すように、クランクケース110内に配置されるギヤボックスカバー210に形成されたオイル通路OP7を送出される。そして、このオイル通路OP7の端部(後端部)に形成されたオイル噴出孔210aを介してクラッチ機構を構成するクラッチシャフトに供給される。
このように本実施の形態に係るエンジン10の潤滑構造においては、潤滑系統部品を構成するオイルポンプ190及びオイルフィルタ193が、シリンダ120を挟んでCVTと反対側に集約して配置されている。このため、シリンダ120の近傍からCVT側のクランクシャフト111に潤滑系統部品のための部分を確保する必要がなくなる。これにより、クランクシャフト111の軸長を短縮できるので、エンジン10を小型化すると共にその製造コストを低減できるものとなっている。
特に、本実施の形態に係るエンジン10の潤滑構造においては、発電体180とシリンダ120との間にオイルポンプ190に駆動力を伝達するオイルポンプギヤ191が配置されている。これにより、CVT側のクランクシャフト111の一部にオイルポンプギヤ191を装着するための部分を省略できるので、CVT側のクランクシャフト111の軸長を短縮することが可能となる。しかも、オイルポンプギヤ191がシリンダ120を挟んでCVTと反対側に配置されることから、オイルポンプギヤ191に対するCVTの駆動に伴う振動の影響を低減できるので、オイルポンプ191の耐久性を改善すると共に、ギヤ音などの異音の発生などの不具合を改善することができる。
一般に、CVTは、一部にクランクシャフト111の軸方向に移動する可動プーリを備えるため、そのような可動部品を備えない発電体180に比べて、その装着に必要となるスペースが軸方向に長くなる。このようなCVTが配置される側に潤滑系統部品の一部を配置する場合には、CVT側のクランクシャフト111の軸長が長くなると共に、車幅方向におけるエンジン10の構成部品の重量バランスが悪くなる。本実施の形態に係る自動二輪車用エンジンの潤滑構造においては、シリンダ120を挟んでCVTと反対側の領域に潤滑系統部品を構成するオイルポンプギヤ191を配置したことから、シリンダ120の近傍からCVT側に延出するクランクシャフト111の軸長と、発電体180側に延出するクランクシャフト111の軸長とを同等の長さに設計し易くなる。これにより、クランクシャフト111の軸長の調整を通じてエンジン10の重心を中央近傍に配置できるので、車両の直進性能を向上することが可能となる。
しかも、本実施の形態に係るエンジン10の潤滑構造においては、エンジン10として、単気筒エンジンを備え、この単気筒エンジンの一部(クランクケース110の内壁面110a、110b)にクランクシャフト111が軸受け110c、110dを介して軸支されている。上述したように、潤滑系統部品は、シリンダ120を挟んでCVTと反対側の領域に配置されることから、潤滑系統部品がCVT側に配置される場合と比べ、シリンダ120の両側に配置されるエンジン10の構成部品の重量バランスを調整できるので、クランクシャフト111を軸支する軸受け110c、110dに掛かる負荷を適度に分散でき、これらの軸受け110c、110dの損傷を抑止することが可能となる。
また、本実施の形態に係るエンジン10においては、オイルポンプ190及びオイルフィルタ193を含む潤滑系統部品がCVTと反対側の領域に配置されることから、エンジン10内の各部へ潤滑オイルを供給するためのオイル通路OP1〜OP7を短縮できるので、オイル通路が長くなることに起因する各部の潤滑不良を抑制でき、エンジン内の潤滑性能を確保できるものとなっている。
一般に、潤滑オイルを搬送するオイル通路が長くなると、搬送される潤滑オイルがオイル通路内の空気を巻き込むことによって、潤滑オイルの本来の油膜圧力を確保できない事態が想定される。本実施の形態に係るエンジン10の潤滑構造においては、このような事態を想定し、オイル通路OP1〜OP7を短縮することで、潤滑オイルの油膜圧力を確保し、各部の潤滑不良を抑制する。また、オイル通路OP1〜OP7が短縮されることから、エンジン10の各部への潤滑オイルの充填速度を向上できるので、エンジン10の始動から給油までのタイムラグを短縮でき、始動直後の焼き付きを抑制することができる。さらに、オイル通路OP1〜OP7が短縮されることから、オイルポンプ190の容量を縮小できるので、メカロスを低減することができる。
さらに、エンジン10においては、CVTとして、乾式ベルトを用いた乾式CVTを備えている。この場合において、本実施の形態に係るエンジン10の潤滑構造においては、潤滑系統部品がシリンダ120を挟んでCVTと反対側の領域に配置されることから、乾式CVTの周囲に潤滑オイルが付着する事態を防止できるので、潤滑オイルの付着に起因する不具合の発生を防止することが可能となる。
なお、本発明に係る自動二輪車用エンジンの潤滑構造は、上述したような構成のオイル通路を備えるエンジン10に限定されず、クランクシャフトの軸端給油方式のオイル通路を備えるエンジンにも適用することができる。図6は、本実施の形態の変形例に係る自動二輪車用エンジンの断面図である。なお、図6においては、図3に示す断面図と同等の箇所における断面を示している。また、図6に示す自動二輪車用エンジン(エンジン)100においては、上記実施の形態に係るエンジン10と共通する構成要素について同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示すエンジン100においては、クランクシャフト111の軸端給油方式のオイル通路を備える点、オイルポンプ190がタイミングチェーン194を介してクランクシャフト111に連結される点及びタイミングチェーン194の近傍にカムチェーン220が設けられる点において、上記実施の形態に係るエンジン10と相違する。以下、本実施の形態の変形例に係るエンジン100において、上記実施の形態に係るエンジン10との相違点を中心に説明する。
図6に示すように、変形例に係るエンジン100においては、クランクシャフト111とオイルポンプ190とにタイミングチェーン194が架け渡されると共に、クランクシャフト111と不図示のカムシャフトとにカムチェーン220が架け渡されている。これらのタイミングチェーン194及びカムチェーン220は、クランクケース110の内壁面110aと発電体180との間に配置されるクランクシャフト111の一部に配置されている。
カムチェーン220は、カムチェーン駆動用スプロケット220aを介してクランクシャフト111に取り付けられている。カムシャフトには、このカムチェーン駆動用スプロケット220a及びカムチェーン220を介してクランクシャフト111の駆動力が伝達される。クランクシャフト111の回転に伴い、カムシャフトが駆動されると、シリンダ120内の燃焼室に設けられる吸気バルブ及び排気バルブが所望のタイミングで開閉可能に構成されている。
このように変形例に係るエンジン100の潤滑構造においては、カムチェーン駆動用スプロケット220aが、発電体180とシリンダ120との間に配置されている。これにより、CVT側のクランクシャフト111の一部にカムチェーン駆動用スプロケット220aを装着するための部分を省略でき、CVT側のクランクシャフト111の軸長を短縮できるものとなっている。
一方、タイミングチェーン194は、タイミングチェーン駆動用スプロケット194aを介してクランクシャフト111に取り付けられている。オイルポンプ190には、このタイミングチェーン駆動用スプロケット194a及びタイミングチェーン194を介してクランクシャフト111の駆動力が伝達される。クランクシャフト111の回転に伴い、オイルポンプ190が駆動されると、上記実施の形態と同様に、不図示のオイルストレーナを介してオイルパン192から潤滑オイルが吸い上げられ、オイルフィルタ193に送出される(図4の矢印A、B参照)。
オイルポンプ190により吸い上げられた潤滑オイルは、図5に示すオイル通路OP1を介してオイルフィルタ193に供給され、ろ紙により不純物が取り除かれた後、クランクケース110内に形成されたオイル通路OP2、OP3に送出される。オイル通路OP3による潤滑オイルの潤滑経路は、上記実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
一方、オイル通路OP2に送出された潤滑オイルは、適所で分岐されたオイル通路を通じてクランクシャフト111、シリンダヘッド130やシリンダ120内のピストンに供給される。例えば、クランクシャフト111に供給される潤滑オイルは、図6に示すように、クランクケース110の内壁面110aに形成されたオイル通路OP4及び不図示のマグネトカバー150に形成されたオイル通路を介してクランクピン111の一端側(例えば、車両左方側)の軸端部に導かれる。
クランクシャフト111の軸端部に導かれた潤滑オイルは、クランクシャフト111内に形成されたオイル通路OP7に送出される。オイル通路OP7は、クランクピン111cの中央近傍まで延在して設けられている。オイル通路OP7内を流れる潤滑オイルは、その先端部に形成されたオイル噴出孔111fを介してクランクシャフト111の外周面に供給される。
このように変形例に係るエンジン100の潤滑構造においては、クランクシャフト111の軸内にオイル通路OP7が形成されると共に、図6に示すクランクシャフト111の左端部側からオイル通路OP7に潤滑オイルが供給される。このように潤滑系統部品が集約して配置されているクランクシャフト111の左端部側から軸内に潤滑オイルが供給されることから、軸端給油方式のクランクシャフト111を搭載するエンジン100においても、クランクシャフト111内のオイル通路OP7までの潤滑オイルの経路を短くでき、エンジン100内の潤滑性能を向上することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、潤滑系統部品を構成する部品として、オイルポンプ190及びオイルフィルタ193を一例として説明している。しかしながら、潤滑系統部品については、これらに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、オイルパン192やオイルパン192から潤滑オイルを吸い上げるオイルストレーナは、潤滑系統部品に含まれる。
また、上記実施の形態では、無段変速機構(CVT)として乾式CVTを備える場合について説明しているが、CVTの種別については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、乾式以外のCVTを搭載する自動二輪車用エンジンにも適用することが可能である。
さらに、上記実施の形態では、エンジン10として単気筒エンジンを備える場合について説明しているが、エンジン10の種別については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、2気筒以上の多気筒エンジンにも適用することが可能である。
本発明に係る自動二輪車用エンジンの潤滑構造は、無段変速機構(CVT)を備える自動二輪車において、エンジン内の潤滑性能を確保しつつ、エンジンの小型化及び製造コストの低減を実現でき、例えば、クランクケース内で利用可能な空間が限られるスクータタイプのエンジンの潤滑構造として有用である。
1 自動二輪車
2 メインフレーム(フレーム)
10、100 エンジン
110 クランクケース
110a、110b 内壁面
111 クランクシャフト
111a、111b クランクウェブ
111c クランクピン
120 シリンダ
130 シリンダヘッド
150 マグネトカバー
170 クラッチケース
171 クラッチカバー
180 発電体
181 マグネット
182 アウターロータ
190 オイルポンプ
191 オイルポンプギヤ
192 オイルパン
193 オイルフィルタ
194 タイミングチェーン
194a タイミングチェーン駆動用スプロケット
200 駆動プーリ
210 ギヤボックスカバー
220 カムチェーン
220a カムチェーン駆動用スプロケット
OP1〜OP7 オイル通路

Claims (6)

  1. 駆動力が入力される駆動プーリ及び当該駆動プーリに無端ベルトを介して連結された従動プーリを有し、クランクシャフトの一端側に配置される無段変速機構と、オイルポンプ及びオイルフィルタを含み、エンジン内の各部に潤滑オイルを供給する潤滑系統部品とを具備し、
    前記潤滑系統部品をエンジンのシリンダを挟んで前記無段変速機構と反対側に集約して配置したことを特徴とする自動二輪車用エンジンの潤滑構造。
  2. 前記クランクシャフトの他端側に配置され、当該クランクシャフトの回転に応じて発電する発電体と、前記クランクシャフトの駆動力を前記オイルポンプに伝達するオイルポンプギヤとを更に具備し、
    前記オイルポンプギヤを、前記シリンダを挟んで前記無段変速機構と反対側に配置される前記クランクシャフトのうち、前記発電体と前記シリンダとの間の一部に設けたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用エンジンの潤滑構造。
  3. 前記クランクシャフトに連結されるカムチェーン駆動用のスプロケットを更に具備し、
    前記スプロケットを、前記シリンダを挟んで前記無段変速機構と反対側に配置される前記クランクシャフトのうち、前記発電体と前記シリンダとの間の一部に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車用エンジンの潤滑構造。
  4. 前記クランクシャフトの軸内にオイル通路を形成すると共に、前記潤滑系統部品は、前記クランクシャフトの他端側から前記オイル通路に潤滑オイルを供給することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動二輪車用エンジンの潤滑構造。
  5. 前記無段変速機構は、前記無端ベルトとして乾式ベルトを用いた乾式無段変速機構であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動二輪車用エンジンの潤滑構造。
  6. 単気筒エンジンを備え、前記クランクシャフトを転がり軸受けを介して軸支することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の自動二輪車用エンジンの潤滑構造。
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