JP2014077362A - 密閉形スクリュー圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】弁収納部の低圧側保持部における圧縮室と低圧側とを連通する連通隙間の面積を、簡単な構造で小さくし、前記連通隙間から圧縮ガスが漏れるのを抑制する。
【解決手段】密閉形スクリュー圧縮機は、スクリューロータを収納するロータ収納部41と、設定容積比を調整する容積比調整弁と、この容積比調整弁を収納する弁収納部37と、該弁収納部の低圧側に設けられ容積比調整弁の低圧側を保持する低圧側保持部33とを備える。前記低圧側保持部は、ロータ収納部を形成している2つの円弧部分に対応する2つの円弧で形成され、これら2つの円弧の交点付近には圧縮室側と低圧側空間を連通する溝36が形成される。この溝の位置に対応するロータ収納部の低圧側端面には、前記溝よりも大きく形成された凹部44を設け、この凹部には前記容積比調整弁と前記溝により形成される連通隙間39を塞ぐようにピース45を設置する。
【選択図】図2
【解決手段】密閉形スクリュー圧縮機は、スクリューロータを収納するロータ収納部41と、設定容積比を調整する容積比調整弁と、この容積比調整弁を収納する弁収納部37と、該弁収納部の低圧側に設けられ容積比調整弁の低圧側を保持する低圧側保持部33とを備える。前記低圧側保持部は、ロータ収納部を形成している2つの円弧部分に対応する2つの円弧で形成され、これら2つの円弧の交点付近には圧縮室側と低圧側空間を連通する溝36が形成される。この溝の位置に対応するロータ収納部の低圧側端面には、前記溝よりも大きく形成された凹部44を設け、この凹部には前記容積比調整弁と前記溝により形成される連通隙間39を塞ぐようにピース45を設置する。
【選択図】図2
Description
本発明は密閉形スクリュー圧縮機に関し、特に空調調和機、チラーユニット、冷凍機などの冷凍空調装置に使用される密閉形スクリュー圧縮機に関する。
密閉形スクリュー圧縮機では、スクリューロータに隣接したスライド弁を用いた容量制御弁で容量(吐出量)を制御することが良く行なわれている。前記容量制御弁は、スクリューロータの軸方向に移動させて圧縮ガスを低圧側にバイパスさせることにより、容量を制御するもので、前記容量制御弁の移動量に応じて吐出量を変えるものである。
最近では、機械的に容量を制御する前記容量制御弁の代わりに、インバータによりスクリュー圧縮機の駆動モータを回転数制御することも行われている。このインバータを使用した回転数制御による容量制御は、油圧を用いて動作する前記容量制御弁による制御に比べて、応答性に優れ、負荷追従性を向上させることができる。
また、密閉形スクリュー圧縮機には吸入弁、吐出弁が無いので、運転圧力比に応じた最適な設定容積比があることが知られている。ここで、前記運転圧力比とは、吐出側圧力を吸込側圧力で割った値であり、また前記設定容積比とは、スクリューロータの最大空間容積を吐出直前のスクリューロータ空間容積で割った値である。所定の運転圧力比で最適な設定容積比になるように設計することは可能であるが、前記運転圧力比が前記設定容積比よりも大きくなると圧縮不足となり、前記運転圧力比が前記設定容積比よりも小さくなると過圧縮となって、余分な圧縮動力が費やされることになる。
そこで、任意の運転圧力比に応じて最適な設定容積比にできるように、スクリューロータに隣接したスライド弁を用いて設定容積比の調整を可能とした容積比調整弁を備えたスクリュー圧縮機も知られている。この容積比調整弁は、スクリューロータの軸方向に移動することで圧縮ガスの吐き出しのタイミングを調整すると共に、軸方向に移動しても低圧側空間に圧縮ガスをバイパス(流出)させないように構成したものである。この種の公知例としては、特許文献1(特開平5−231363号公報)や特許文献2(特開2011−80385号公報)に記載されたものなどがある。
上記容積比調整弁が軸方向に移動しても、圧縮ガスを前記低圧側空間にバイパスさせないようにするために、次のように構成している。即ち、圧縮機ケーシングの内部に前記容積比調整弁を収納するための弁収納部を設け、この弁収納部は、低圧側から高圧側まで連続するように構成されている。また、前記容積比調整弁は、前記スクリューロータの低圧側端面より前記低圧側に長くなるように構成され、この容積比調整弁の軸方向移動に係わらず、該容積比調整弁の一部が、常に前記弁収納部の低圧側に存在するように構成されている。これにより、圧縮室が前記低圧側空間に開口しないように構成することが可能となる。
チラーユニットや冷凍機に使用される密閉形スクリュー圧縮機では、スクリューロータを横向きにして、前記容積比調整弁を前記スクリューロータの上部に配置することが多い。これは、圧縮機を低重心にして、吐出口を圧縮機の上部に設置した方が、前記スクリュー圧縮機を搭載するチラーユニットや冷凍機のレイアウトが容易となるためである。このようなスクリュー圧縮機において、圧縮機ケーシングの内部に前記容積比調整弁を収納するための弁収納部を設けただけでは、前記容積比調整弁を前記スクリューロータに接触しないように構成することは困難になる。そこで、容積比調整弁を収納する前記弁収納部には、前記容積比調整弁を保持するための保持部を低圧側と高圧側に、即ち低圧側保持部と高圧側保持部の両方設ける必要がある。そして、前記低圧側保持部は、前記スクリューロータを収納するロータ収納部を形成している2つの円弧部分に対応する形状に形成されている。
ところが、前記2つの円弧部分の交点は鋭く切れ込んだ形状となっているため、前記低圧側保持部を、例えばエンドミルを使用して機械加工したのでは、前述したような交点が鋭く切れ込んだ形状に製作することは不可能である。このため、前述した2つの円弧部分の交点に対応する前記低圧側保持部の形状は、エンドミルの半径と同一のR部を有する溝に形成されてしまう。従って、前記低圧側保持部には、前記R部を有する溝と前記容積比調整弁との間に、前記R部の径の大きさに対応した隙間が形成され、この隙間は圧縮室と低圧側空間を連通する連通隙間になってしまう。
この連通隙間から、圧縮ガスが低圧側に常時漏れることになり、漏れ損失が増加し、スクリュー圧縮機の効率を低下させる。インバータを用いてスクリュー圧縮機の駆動モータを回転数制御する場合、特に中低速の運転範囲では、スクリューロータの1回転当りの漏れ量が増加するので、スクリュー圧縮機の効率が著しく低下する。
なお、容積比調整弁の前記収納部の低圧側を閉空間とすることにより、この収納部が前記低圧側空間に開口しない構成にすることも可能である。しかし、このように構成した場合、往復移動する前記容積比調整弁を収納する前記弁収納部の低圧側の閉空間は、前記容積比調整弁の移動により大きな容積が形成され、これがデッドスペースとなる。また、前記弁収納部の低圧側を閉空間に構成しても、前述した連通隙間を介して、大きな容積の前記弁収納部と圧縮室とは連通してしまうため、スクリュー圧縮機の効率はやはり低下することになる。
本発明の目的は、容積比調整弁を収納する弁収納部の低圧側保持部における圧縮室と低圧側とを連通する連通隙間の面積を、簡単な構造で小さくして前記連通隙間から圧縮ガスが漏れるのを抑制し、これにより漏れ損失を低減して効率向上を図ることのできる密閉形スクリュー圧縮機を得ることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、圧縮機ケーシングと、この圧縮機ケーシング内に設けられた雄雌一対のスクリューロータを収納するためのロータ収納部と、前記スクリューロータに隣接して配置され軸方向に往復移動することにより圧縮機の設定容積比を調整する容積比調整弁と、前記圧縮機ケーシング内に設けられ前記容積比調整弁を収納する弁収納部と、該弁収納部の低圧側に設けられ前記容積比調整弁の低圧側を保持する低圧側保持部と、を備える密閉形スクリュー圧縮機であって、前記低圧側保持部は、前記ロータ収納部を形成している2つの円弧部分に対応する2つの円弧で形成されることにより、前記2つの円弧の交点付近には、圧縮室側と低圧側空間を連通する溝が形成され、この溝の位置に対応する前記ロータ収納部の低圧側端面には、前記溝よりも大きく形成された凹部を設け、この凹部には、前記容積比調整弁と前記溝により形成される連通隙間を塞ぐようにピースを設置していることを特徴とする。
本発明によれば、容積比調整弁を収納する弁収納部の低圧側保持部における圧縮室と低圧側とを連通する連通隙間の面積を、簡単な構造で小さくすることができるから、前記連通隙間から圧縮ガスが漏れるのを抑制することができ、これにより漏れ損失を低減して効率向上を図ることのできる密閉形スクリュー圧縮機を得ることができる効果がある。
以下、本発明の密閉形スクリュー圧縮機の具体的実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
図1〜図5により本発明の密閉形スクリュー圧縮機の実施例1を説明する。なお、図6〜図8により本発明に対応する従来の密閉形スクリュー圧縮機についても、比較のために合せて説明する。
図1は本発明の実施例1を示す密閉形スクリュー圧縮機の縦断面図、図2は図1のII−II線矢視断面図で、容積比調整弁及びピースを設置する前の状態を示す図、図3は図1のII−II線矢視断面図で、容積比調整弁及びピースを設置した後の状態を示す図、図4は図2のA方向から見た低圧側保持部の構造を示す図、図5は図3に示すピース45の形状を示す正面図である。
図1は本発明の実施例1を示す密閉形スクリュー圧縮機の縦断面図、図2は図1のII−II線矢視断面図で、容積比調整弁及びピースを設置する前の状態を示す図、図3は図1のII−II線矢視断面図で、容積比調整弁及びピースを設置した後の状態を示す図、図4は図2のA方向から見た低圧側保持部の構造を示す図、図5は図3に示すピース45の形状を示す正面図である。
図1に示すように、密閉形スクリュー圧縮機は、互いに密封関係に接続されたモータケーシング1、主ケーシング2及び吐出ケーシング3を有している。
前記モータケーシング1には、スクリューロータを駆動させるための駆動用モータ4が収納されており、また冷媒ガスを吸入するための吸入口18が設けられている。
前記モータケーシング1には、スクリューロータを駆動させるための駆動用モータ4が収納されており、また冷媒ガスを吸入するための吸入口18が設けられている。
28は電源端子29を収納する端子箱であり、前記駆動用モータ4には前記電源端子29を介して商用電源などが供給されるように構成されている。また、前記駆動用モータ4はステータ4aとロータ4bなどから構成されている。更に、23は冷媒ガスを吸入するための吸入配管で、この吸入配管23は接続フランジ24を介して前記吸入口18が形成されている固定フランジ25に接続されている。この固定フランジ25はOリング26,27を介して、モータケーシング1の吸込側端部にボルトで固定されている。
前記主ケーシング2には、円筒状ボア5と、冷媒ガスを円筒状ボア5に導入するための吸入ポート6が形成されている。前記円筒状ボア5には前記スクリューロータが収納され、このスクリューロータは、ころ軸受(低圧側軸受)7,8ところ軸受(高圧側軸受)9、及び玉軸受(高圧側軸受)10で回転可能に支持されている。また、このスクリューロータは、雄ロータ11及び雌ロータ(図示せず)が互いに噛み合わせて構成され、前記雄ロータ11の軸は低圧側で前記駆動用モータ4に直結されている。
前記主ケーシング2には、前記スクリューロータに隣接して配置される容積比調整弁30も、その弁収納部37に収納されている。更に、前記主ケーシング2には、油分離器12と潤滑油を溜める油溜め14が一体に形成されている。
前記吐出ケーシング3には、軸受室16が設けられ、この軸受室16には前記ころ軸受9及び玉軸受10が収納されている。また、この吐出ケーシング3には、前記主ケーシング2に一体に形成されている前記油分離器12に連通する冷媒ガスの吐出通路15が形成されている。更に、前記吐出ケーシング3には、シリンダ室13が形成されており、このシリンダ室13には、ロッド31を介して前記容積比調整弁30に連結された油圧ピストン32が収納されている。
前記吐出ケーシング3はボルト等の手段により前記主ケーシング2に固定されており、また、前記吐出ケーシング3の一端側には、前記軸受室16と前記シリンダ室13を閉止するための遮蔽板17が取り付けられている。
前記主ケーシング2及び前記吐出ケーシング3内には給油通路(図示せず)が形成されており、前記主ケーシング2に形成されている前記油溜め14と前記各軸受部を連通するように構成されている。
前記主ケーシング2及び前記吐出ケーシング3内には給油通路(図示せず)が形成されており、前記主ケーシング2に形成されている前記油溜め14と前記各軸受部を連通するように構成されている。
次に、冷媒ガス及び油の流れを説明する。
前記モータケーシング1に設けられた前記吸入口18から吸入された低温、低圧の冷媒ガスは、前記吸入口18の下流側に設けたストレーナ19で異物が捕集された後、前記駆動用モータ4とモータケーシング1の間に設けられたガス通路、及び前記駆動用モータ4を構成しているステータ4aとロータ4bとの間のエアギャップを通過して、駆動用モータ4を冷却する。この冷却後の冷媒ガスは、前記主ケーシング2に形成された前記吸入ポート6から、前記雄ロータ11と前記雌ロータ(図示せず)で構成されたスクリューロータの噛み合い歯面、前記主ケーシング2及び前記容積比調整弁30により形成される吸入室に吸入される。その後、前記駆動用モータ4に連結された雄ロータ11の回転と共に、前記スクリューロータの噛み合い歯面と、前記主ケーシング2及び前記容積比調整弁30により形成される圧縮室に密閉され、該圧縮室の縮小により徐々に圧縮されて、高温、高圧の冷媒ガスとなり、前記吐出ケーシング3に形成されている前記吐出通路15を通り、前記主ケーシング2に一体に構成されている前記油分離器12内へ吐出される。
前記モータケーシング1に設けられた前記吸入口18から吸入された低温、低圧の冷媒ガスは、前記吸入口18の下流側に設けたストレーナ19で異物が捕集された後、前記駆動用モータ4とモータケーシング1の間に設けられたガス通路、及び前記駆動用モータ4を構成しているステータ4aとロータ4bとの間のエアギャップを通過して、駆動用モータ4を冷却する。この冷却後の冷媒ガスは、前記主ケーシング2に形成された前記吸入ポート6から、前記雄ロータ11と前記雌ロータ(図示せず)で構成されたスクリューロータの噛み合い歯面、前記主ケーシング2及び前記容積比調整弁30により形成される吸入室に吸入される。その後、前記駆動用モータ4に連結された雄ロータ11の回転と共に、前記スクリューロータの噛み合い歯面と、前記主ケーシング2及び前記容積比調整弁30により形成される圧縮室に密閉され、該圧縮室の縮小により徐々に圧縮されて、高温、高圧の冷媒ガスとなり、前記吐出ケーシング3に形成されている前記吐出通路15を通り、前記主ケーシング2に一体に構成されている前記油分離器12内へ吐出される。
前記圧縮時に前記スクリューロータに作用する圧縮反力のうち、ラジアル荷重については前記ころ軸受7,8,9により支持され、スラスト荷重については前記玉軸受10により支持される。これらの軸受の潤滑及び冷却用の油は、前記主ケーシング2内の高圧部に形成されている前記油溜め14から、前記各軸受部に連通されている前記給油通路を通って、差圧により前記各軸受部などに給油され、圧縮された冷媒ガス(圧縮冷媒ガス)と共に油分離器12の入口から該油分離器12内へ吐出される。油を含んだ前記圧縮冷媒ガスは、前記油分離器12内に設けられている内筒(図示せず)の外側で旋回流を形成することで、油は遠心力により前記冷媒ガスから分離され、主ケーシング2に一体に形成された前記油溜め14に溜められる。圧縮冷媒ガスは、油が分離された後、前記主ケーシング2に設けられた吐出口22から冷媒配管(図示せず)に吐出される。
密閉形スクリュー圧縮機にはレシプロ圧縮機で用いられるような吸入弁や吐出弁が無いので、前述したように、運転圧力比に応じて最適な設定容積比があることが知られている。所定の運転圧力比で最適な設定容積比になるように密閉形スクリュー圧縮機を設計することは可能であるが、運転圧力は外気温度や負荷容量によって変動し、運転圧力比が設定容積比より大きくなると圧縮不足となり、前記運転圧力比が前記設定容積比より小さくなると過圧縮となり、余分な圧縮動力が費やされることになる。
密閉形スクリュー圧縮機においても、スクリューロータに隣接して設置したスライド式の作動弁、即ち前記容積比調整弁30を用いることで、運転圧力比が変化しても、それに応じた設定容積比の調整が可能となる。この容積比調整弁30の具体的な作動原理を以下説明する。
前記容積比調整弁30は、前述したように、前記ロッド31を介して前記油圧ピストン32に連結されている。そして、前記シリンダ室13への油供給、及び前記シリンダ室13からの油排出により、前記油圧ピストン32を駆動させ、前記容積比調整弁30はスクリューロータの軸方向に往復移動する。前記容積比調整弁30には、前記スクリューロータで圧縮された圧縮ガスを半径方向に吐出させることのできる吐出ポート(ラジアル吐出ポート)が形成されており、この容積比調整弁30の移動により、圧縮ガスの吐出タイミングの調整、即ち設定容積比の調整が可能になっている。
ここで、前記容積比調整弁30が移動しても低圧側空間38に圧縮ガスをバイパス(流出)させないことが重要となる。本実施例では、前記低圧側空間38に圧縮ガスをバイパスさせないために次のように構成している。即ち、密閉形スクリュー圧縮機を構成する前記主ケーシング2内部に前記容積比調整弁30の弁収納部37を、図1〜図3に示すように設け、この弁収納部37は、低圧側から高圧側まで連続するように構成されている。また、前記容積比調整弁30を、スクリューロータの低圧側端面40よりも低圧側に長く形成し、この容積比調整弁30の軸方向移動に係わらず、前記弁収納部37の低圧側に前記容積比調整弁30の一部が常時存在するように構成している。
しかし、これだけの構成では、前述したように、前記低圧側空間38に圧縮ガスをバイパスさせないようにすることは困難である。
即ち、前述したように、前記主ケーシング2の容積比調整弁30の弁収納部37には、容積比調整弁30を保持するために、低圧側保持部33と高圧側保持部34を設ける必要がある。前記低圧側保持部33は、図2に示すように、スクリューロータを収納するロータ収納部41を形成している2つの円弧部分に対応する円弧で形成する必要がある。ところが、ロータ収納部41を形成している前記2つの円弧部分の交点は鋭く切れ込んだ形状となるため、エンドミルを使用した機械加工などでは、前記低圧側保持部33をこのような鋭く切れ込んだ形状に製作することは困難であった。
即ち、前述したように、前記主ケーシング2の容積比調整弁30の弁収納部37には、容積比調整弁30を保持するために、低圧側保持部33と高圧側保持部34を設ける必要がある。前記低圧側保持部33は、図2に示すように、スクリューロータを収納するロータ収納部41を形成している2つの円弧部分に対応する円弧で形成する必要がある。ところが、ロータ収納部41を形成している前記2つの円弧部分の交点は鋭く切れ込んだ形状となるため、エンドミルを使用した機械加工などでは、前記低圧側保持部33をこのような鋭く切れ込んだ形状に製作することは困難であった。
このことを、図6〜図8に示す従来の密閉形スクリュー圧縮機で説明する。図6は本実施例の上記図2に相当する断面図、図7は同じく上記図3に相当する断面図、図8は図6のB方向から見た低圧側保持部の構造を示す図である。
これらの図において、41はスクリューロータを収納するロータ収納部、37は前記ロータ収納部41の上部に設けられ容積比調整弁30を収納するための弁収納部、40は前記ロータ収納部41の低圧側端面、42はスクリューロータを構成する雄ロータ11の軸部、43はこの雄ロータ11と噛み合う雌ロータの軸部である。また、33は前記弁収納部37の低圧側に設けられ前記容積比調整弁30の低圧側を保持するための低圧側保持部である。
前記低圧側保持部33は、図6に示すように、エンドミル35がエンドミル軌跡35aで示すように移動することで加工されている。従来はこのような軌跡35aに沿って前記低圧側保持部33が加工されるため、この低圧側保持部33を形成している2つの円弧部分の交点には、前記エンドミル35の半径と同一の半径(R部)(或いはエンドミル半径より大きい半径)を有する溝36が形成されることになる。このため、図7に示すように、容積比調整弁30と前記溝36との間には軸方向に連通する連通隙間39が形成され、この連通隙間39は圧縮室と低圧側空間38を連通する。この連通隙間39から圧縮ガスが低圧側に常時漏れることになり、漏れ損失が増加してスクリュー圧縮機の効率を低下させるという課題があった。
また、前記弁収納部37の低圧側を閉空間として前記低圧側空間38に開口しない構成にした場合でも、前記弁収納部37は往復動する容積比調整弁30を収納するために大きな容積が必要となる。この大きな容積はデッドスペースになるだけでなく、この大きな容積のデッドスペース(低圧側)は圧縮ガス側と連通するため、やはりスクリュー圧縮機の効率を低下させるという課題があった。
これらの課題を解決するため、本実施例では図2〜図5に示すように構成している。なお、上記図6〜図8と重複する部分には同一符号を付しているので、重複する部分の説明は省略する。
本実施例でも、前記主ケーシング2に設けた弁収納部37には、その低圧側に前記容積比調整弁30を保持するための低圧側保持部33が形成されている。また、この低圧側保持部33には上記図6と同様に、前記エンドミル35の半径と同一の半径(R部)(或いは同等以上の半径)を有する溝36が形成されている。そして、本実施例においては、図2及び図4に示すように、主ケーシング2のロータ収納部41の低圧側端面40には、前記溝36よりも大きな径の任意の円弧47で形成された凹部44が設けられている。また、前記溝36の一端側は、図4に示すように、低圧側端面40に形成されている前記凹部44と接続され、前記溝36の他端側は前記低圧側空間38に接続されている。
本実施例でも、前記主ケーシング2に設けた弁収納部37には、その低圧側に前記容積比調整弁30を保持するための低圧側保持部33が形成されている。また、この低圧側保持部33には上記図6と同様に、前記エンドミル35の半径と同一の半径(R部)(或いは同等以上の半径)を有する溝36が形成されている。そして、本実施例においては、図2及び図4に示すように、主ケーシング2のロータ収納部41の低圧側端面40には、前記溝36よりも大きな径の任意の円弧47で形成された凹部44が設けられている。また、前記溝36の一端側は、図4に示すように、低圧側端面40に形成されている前記凹部44と接続され、前記溝36の他端側は前記低圧側空間38に接続されている。
前記凹部44は、容積比調整弁30と前記溝36で形成される前記連通隙間39(図7参照)より大きなサイズに形成されており、この凹部44には、図5に示すようなピース45を、図3に示すように嵌め込み、これによって前記連通隙間39を前記ピース45で塞ぐことができる。従って、圧縮室と低圧側空間38を連通する連通隙間39を塞ぐことが可能になるから、前記連通隙間39から圧縮ガスが低圧側に漏れるのを抑制することができ、漏れ損失を低減して効率向上を図れる密閉形スクリュー圧縮機を得ることができる。
なお、前記ピース45は、図5に示すように、前記ロータ収納部41を形成している2つの円弧部分に対応する2つの円弧46と、前記凹部44を構成している任意の円弧47と同じ円弧で形成されている。
前記ピース45を前記凹部44に嵌め込むことにより、ロータ収納部41を形成している2つの円弧部分に対応する円弧で形成されている前記低圧側保持部33の同一円弧延長上に、前記ピース45の2つの円弧46の部分を配置させることができる。そして、前記容積比調整弁30も前記ロータ収納部41を形成する2つの円弧部分に対応する2つの円弧で形成されているので、前記ピース45の設置により、圧縮室と低圧側空間38を連通する連通隙間39を完全に塞ぐことが可能になる。
前記主ケーシング2のような大型のワーク(加工品)は、エンドミルなどを使用した機械加工が必須であり、このため、前記低圧側支持部33の加工はエンドミルを使用した機械加工となるから、使用するエンドミルの半径以上の大きな溝36が形成されてしまう。
そこで本実施例では、エンドミルを使用して、前記低圧側支持部33、前記溝36及びこの溝36よりも大きな前記凹部44を加工する。また、前記ピース45のような小型のワークであれば、ワイヤカットやプレスなどによる機械加工が可能となるから、前記ロータ収納部41を形成している2つの円弧部分の交点部に対応するような鋭く切り込んだ形状に加工することが可能となる。従って、前記ピース45については、図5に示すような形状に加工することができる。
更に、前記凹部44は、前記ピース45を形成している任意の円弧47の部分を圧入可能なしまりばめの寸法公差に設定する。これにより、前記ピース45を前記凹部44に容易に設置することができる。なお、前記ピース45の前記凹部44への設置方法は、圧入に限定されるものではなく、ボルト等による締結、ろう付け等の溶接加工による締結、或いは接着剤を用いた接着接合でも良い。
以上説明したように、本実施例によれば、簡単な構造で、前記連通隙間39から圧縮ガスが低圧側に漏れるのを防止することができるから、漏れ損失を低減した効率の良い密閉形スクリュー圧縮機を得ることができる。
本発明の密閉形スクリュー圧縮機の実施例2を図9により説明する。図9は本実施例2の密閉形スクリュー圧縮機の縦断面図である。また、図9において、上述した図1〜図8と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、同一部分については、重複する説明を省略する。
本実施例2が上記実施例1と異なる点は、スクリューロータを駆動するために雄ロータ11に直結された駆動用モータ4を、インバータ49で駆動するように構成していることである。商用電源などの外部電源50から前記インバータ49を介して周波数変換された電源が前記駆動用モータ4に供給されることにより、該駆動用モータ4はその回転数が制御され、これによって吐出口22から吐出される圧縮ガスの量を制御することができるように構成されている。
この実施例でも、前記実施例1と同様に、図2〜図5に示すように、ロータ収納部41の低圧側端面40には連通隙間39(図7参照)よりも大きく形成した凹部44が形成され、この凹部44には、前記連通隙間39を塞ぐようにピース45が設置された構成となっている。
インバータ49を用いてスクリュー圧縮機を回転数制御する場合、特に中低速運転ではスクリューロータの1回転当りの漏れ量が増加するので、圧縮機の効率低下が著しくなる。しかし、本実施例の構成とすることで、圧縮室と低圧側空間38を連通する前記連通隙間39を塞ぐことが可能になるから、中低速運転での漏れ量を大幅に低減できる。従って、中低速運転でも効率低下を抑えることのできる高性能な密閉形スクリュー圧縮機を得ることができる効果がある。
このように、本実施例は、インバータで回転数制御される密閉形スクリュー圧縮機との組合せとしたことにより、特に大きな効果が得られるものである。
なお、図9において、II−II線の断面図は上記実施例1の図2や図3と同様である。また、他の構成は上記実施例1と同様である。
なお、図9において、II−II線の断面図は上記実施例1の図2や図3と同様である。また、他の構成は上記実施例1と同様である。
本発明の密閉形スクリュー圧縮機の実施例3を図10〜図13により説明する。図10は上記図2に相当する断面図、図11は上記図3に相当する断面図、図12は図10のC方向から見た低圧側保持部の構造を示す図、図13は図11に示すピース45の形状を示す正面図である。また、これらの図において、上述した図1〜図8と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、同一部分については、重複する説明を省略する。
本実施例3でも、ロータ収納部41の低圧側端面40に凹部44を設け、この凹部44に、前記連通隙間39(図7参照)を塞ぐようにピース45を設ける点では上記実施例1と同様であるが、以下説明する点が相違している。
本実施例では、容積比調整弁30を収納する弁収納部37の低圧側支持部33の加工において、図10の左側の低圧側支持部33bは、ロータ収納部41を形成している2つの円弧部分の交点位置を通過して若干延長した位置までエンドミルで加工することで形成され、前記交点位置よりも右側に、エンドミル半径と同等以上の半径を有する溝36が形成されている。また、図10の右側の低圧側支持部33aは、前記溝36の位置までエンドミルで加工することで形成されている。前記凹部44は、前記交点位置から右側の前記低圧側端面40上に、前記溝36よりも大きな任意の円弧47で形成されている。
一方、前記ピース45は、図13に示すように、前記ロータ収納部41を形成する2つの円弧のうち、右側の雄ロータを収納するロータ収納部41aの円弧と同じ形状に形成された円弧46aと、前記凹部44を形成している任意の円弧47と同じ円弧で構成されている。そして、このピース45は前記凹部44に圧入などの手段で設置される。
図10及び図12は、前記ピース45を前記凹部44に嵌め込む前の状態を示しており、前記溝36が圧縮室と低圧側空間38を連通する連通隙間39となっている。図11は図13に示すピース45を前記凹部44に嵌め込み、更に容積比調整弁30を弁収納部37に収納して、前記低圧側支持部33(33a,33b)で支持されている状態を示している。この図11に示すように、前記ピース45によって前記連通隙間39は塞がれた状態になるから、この連通隙間39から圧縮ガスが低圧側に漏れるのを防止することができる。従って、本実施例においても漏れ損失を低減した効率の良い密閉形スクリュー圧縮機を得ることができる。
また、上記実施例1の場合、前記ピース45は、2つの円弧の交点が鋭く切れ込んだ形状となっているため、ワイヤカットなどによる機械加工が必要になり、加工方法が限定されたものとなる。これに対し、本実施例3の場合、前記ピース45は、一方のロータ収納部41(本実施例においては雄ロータを収納するロータ収納部41a)を形成している円弧部分と同じ円弧46(46a)と、前記凹部44を形成している任意の円弧47の2つの円弧のみで形成されている。従って、前記ピース45は鋭く切れ込んだ形状とはならないため、エンドミルを用いた機械加工のみでも製作可能となる。特に、前記凹部44及び前記ピース45を大きく形成すれば、これらを加工するエンドミルの径も大きなものを使用できるから、加工速度をより速くできると共に工具寿命も延ばすことができる。即ち、本実施例3によれば、簡単な構造で作り勝手にも優れるという効果も得られるものである。
なお、上述した実施例3では、前記溝36及び前記凹部44を、ロータ収納部41を形成している2つの円弧部分の交点位置よりも右側に形成するようにしているが、前記溝36及び前記凹部44を前記交点位置よりも左側(雌ロータを収納するロータ収納部41b側)形成するようにしても良い。この場合には、前記ピース45の円弧46は左側の前記ロータ収納部41bの円弧部分と同じ形状に形成される。
本発明の密閉形スクリュー圧縮機の実施例4を図14〜図17により説明する。図14は上記図2に相当する断面図、図15は上記図3に相当する断面図、図16は図14のD方向から見た低圧側保持部の構造を示す図、図17は図15に示すピース45の形状を示す正面図である。また、これらの図においても、上述した図1〜図8と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、同一部分については、重複する説明を省略する。
本実施例4でも、ロータ収納部41の低圧側端面40に凹部44を設け、この凹部44に、前記連通隙間39(図7参照)を塞ぐようにピース45を設ける点では上記実施例1と同様であるが、以下説明する点が相違している。
上記実施例1では、凹部44は、エンドミルの半径と同一或いは同等以上の半径を有する溝36よりも大きな径の任意の円弧47で形成され、ピース45は、前記凹部44を形成している任意の円弧47と同じ円弧と、ロータ収納部41を形成している2つの円弧部分に対応する2つの円弧46とで構成されている。これに対し、本実施例4では、図14及び図17に示すように、前記凹部44及び前記ピース45を形成している前記任意の円弧47の一部を直線部48で構成しているものである。ここで、前記ピース45の任意の円弧47と直線部48は、前記凹部44を形成している任意の円弧47及び直線部48と同じに構成されており、前記ピース45は前記凹部44に圧入などで嵌め込まれて固定される。
従って、図15に示すように、前記ピース45を前記凹部44に設置することにより、連通隙間39(図7参照)を塞ぐことができるから、前記連通隙間39から圧縮ガスが低圧側空間38(図16参照)に漏れるのを抑制することができる。これにより、漏れ損失を低減可能な効率の良い密閉形スクリュー圧縮機を得ることができる。
また、上記実施例1のように、前記凹部44と前記ピース45が前記任意の円弧47だけで嵌合されている場合、前記ピース45は前記凹部44内で回転することが可能な構造になる。このため、前記ピース45の姿勢が回転方向にずれると、このピース45と容積比調整弁30とが干渉し、容積比調整弁30を主ケーシング2に収納することが困難となる。
これに対し、本実施例4では、前記凹部44及び前記ピース45を形成している前記任意の円弧47の一部を直線部48で構成しているので、前記ピース45が前記凹部44に嵌合設置されると、前記ピース45は周方向に回転できない構造になっている。従って、前記ピース45の姿勢が周方向にずれるのを防止でき、前記ピース45と前記容積比調整弁30とが干渉するのを防止することができる。また、本実施例によれば、前記ピース45を前記凹部44に設置するだけで、該ピース45を正しい姿勢で設置できるから、ピース45を設置する際の位置決め作業も容易になるという効果も得られる。
なお、本実施例4では、上記実施例1と同様に、前記溝36及び前記凹部44を、ロータ収納部41を形成する2つの円弧部分の交点位置に形成する例で説明したが、上記実施例3と同様に、前記溝39及び前記凹部44を、ロータ収納部41を形成する2つの円弧部分の交点位置よりも左右何れかの側にずらして形成することも可能であり、このようにすれば、上記実施例3と同様の効果も更に得ることができる。
また、本実施例4では、上記凹部44及びピース45は、任意の円弧47と直線部48を有しているが、必ずしも前記任意の円弧47と直線部48で形成される構成に限られるものではなく、前記溝36や連通隙間39を塞ぐことができる形状であれば良い。即ち、前記溝36よりも大きな任意の輪郭、例えば楕円形状、曲線や直線を組み合わせた任意形状の輪郭となるように構成することも可能である。
本発明の密閉形スクリュー圧縮機の実施例5を図18により説明する。図18は本発明の実施例5を示す密閉形スクリュー圧縮機の縦断面図である。また、図18において、上述した図1〜図8と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、同一部分については、重複する説明を省略する。
上記実施例1のものでは、密閉形スクリュー圧縮機を構成する圧縮機ケーシングを、モータケーシング1、主ケーシング2及び吐出ケーシング3で構成しているが、本実施例5では、前記圧縮機ケーシングを、図18に示すように、モータケーシング1、主ケーシング2及び吐出ケーシング3と、更にモータカバー1aで構成している。そして、本実施例5においては、前記モータケーシング1には駆動用モータ4などが収納され、前記モータカバー1aには、吸入口18を有する固定フランジ25及びストレーナ19等が設置されると共に前記駆動用モータ4のコイルエンド部4cが収納されている。また、前記主ケーシング2には、スクリューロータを収納する円筒状ボア5(ロータ収納部41)、容積比調整弁30を収納する弁収納部37及び吸入ポート6などが形成されると共に、油分離器12や油溜め14が一体に形成されている。前記吐出ケーシング3には、高圧側軸受9,10を収納する軸受室16や吐出通路15等が設けられている。
上記実施例1のもののように、低圧側のころ軸受7,8、スクリューロータ及び容積比調整弁30などは一つのケーシング、即ち主ケーシング2に収納することが一般的である。しかし、この構成では前記主ケーシング2に前記低圧側のころ軸受7,8を収納するための軸受収納部があるので、前記容積比調整弁30の低圧側保持部33を加工するためには、前記ロータ収納部41の高圧側から加工工具を挿入し、加工作業を実施しなければならない。そのため、前記加工工具にはロータ収納部41を考慮した長さが必要となり、加工時にびびり振動が発生する懸念がある。
そこで、本実施例5では、前記スクリューロータと容積比調整弁30を前記主ケーシング2に収納し、前記駆動用モータ4と低圧側のころ軸受(低圧側軸受)7,8をモータケーシング1に収納するように構成したものである。このように構成することにより、前記容積比調整弁30を支持する前記低圧側保持部33を、前記主ケーシング2の低圧側端部(前記モータケーシング1に面する部分)に存在させることができるようになる。このため、本実施例5のように構成することにより、前記低圧側保持部33を主ケーシング2の低圧側から加工することが可能になるから、加工が容易になり、加工性に優れた高性能の密閉形スクリュー圧縮機を得ることができる。
なお、図18において、II−II線の断面図は上記実施例1の図2や図3と同様であり、本実施例5においても上記実施例1と同様に、エンドミルの半径と同一或いは同等以上の半径を有する溝36、この溝36よりも大きな径の任意の円弧47で形成された凹部44、この凹部44を形成している任意の円弧47と同じ円弧及び前記ロータ収納部41を形成している2つの円弧部分に対応する2つの円弧46で構成され、前記凹部44に設置されるピース45を備えている。他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の効果が得られるものである。
また、前記溝36、凹部44及び前記ピース45の構成については、前記実施例3や実施例4と同様の構成にしても良い。更に、上記実施例2と同様に、前記駆動用モータ4をインバータ48で駆動するように構成しても良い。
なお、本実施例5に示したように、容積比調整弁30を備えるものにおいて、圧縮機ケーシングを軸方向に4分割し、スクリューロータと容積比調整弁30を主ケーシング2に収納すると共に、駆動用モータ4と低圧側軸受7,8をモータケーシング1に収納することで、前記容積比調整弁30を支持する低圧側保持部33を、前記主ケーシング2の低圧側端部に存在させ、この低圧側保持部33を主ケーシング2の低圧側から加工にできるようにすることは、前記凹部44や前記ピース45の有無に関係なく得られる特徴である。従って、この特徴は、前記凹部44や前記ピース45を備えていない密閉形スクリュー圧縮機にも同様に適用可能なものである。
上述した本発明の各実施例によれば、容積比調整弁30を保持するための低圧側保持部30に形成され、エンドミルの半径と同一或いは同等以上の半径を有する溝36よりも大きく形成された凹部44を、圧縮機ケーシングのロータ収納部41の低圧側端面40に備え、この凹部44に前記溝39を塞ぐようにピース45を設置するように構成している。これにより、前記容積比調整弁30と前記溝36で形成される連通隙間39を前記ピース45で塞ぐことができる。従って、前記連通隙間39から圧縮ガスが低圧側への漏れるのを抑制することができるから、漏れ損失を低減して効率向上を図れる高性能の密閉形スクリュー圧縮機を得ることができる効果がある。
1:モータケーシング、1a:モータカバー、
2:主ケーシング、3:吐出ケーシング、
4:駆動用モータ、4a:ステータ、4b:ロータ、4c:コイルエンド部
5:円筒状ボア、6:吸入ポート、
7,8:低圧側軸受(ころ軸受)、
9,10:高圧側軸受(9:ころ軸受、10:玉軸受)、
11:雄ロータ(スクリューロータ)、
12:油分離器、
13:シリンダ室、
14:油溜め、15:吐出通路、
16:軸受室、17:遮蔽板、
18:吸入口、19:ストレーナ、
22:吐出口、23:冷媒吸入用配管、24:接続フランジ、25:固定フランジ、
26,27:Oリング、
28:端子箱、29:電源端子、
30:容積比調整弁、
31:ロッド、32:油圧ピストン、
33,33a,33b:低圧側保持部、34:高圧側保持部
35:エンドミル、35a:エンドミルの軌跡、
36:R部を有する溝、
37:弁収納部、
38:低圧側空間、
39:連通隙間、40:低圧側端面、
41(41a,41b):ロータ収納部、
42:雄ロータ軸部、43:雌ロータ軸部、
44:凹部、45:ピース、
46:円弧、
46a:雄ロータを収納するロータ収納部を形成している円弧部分と同じ円弧、
47:任意の円弧、48:直線部、
49:インバータ、50:外部電源。
2:主ケーシング、3:吐出ケーシング、
4:駆動用モータ、4a:ステータ、4b:ロータ、4c:コイルエンド部
5:円筒状ボア、6:吸入ポート、
7,8:低圧側軸受(ころ軸受)、
9,10:高圧側軸受(9:ころ軸受、10:玉軸受)、
11:雄ロータ(スクリューロータ)、
12:油分離器、
13:シリンダ室、
14:油溜め、15:吐出通路、
16:軸受室、17:遮蔽板、
18:吸入口、19:ストレーナ、
22:吐出口、23:冷媒吸入用配管、24:接続フランジ、25:固定フランジ、
26,27:Oリング、
28:端子箱、29:電源端子、
30:容積比調整弁、
31:ロッド、32:油圧ピストン、
33,33a,33b:低圧側保持部、34:高圧側保持部
35:エンドミル、35a:エンドミルの軌跡、
36:R部を有する溝、
37:弁収納部、
38:低圧側空間、
39:連通隙間、40:低圧側端面、
41(41a,41b):ロータ収納部、
42:雄ロータ軸部、43:雌ロータ軸部、
44:凹部、45:ピース、
46:円弧、
46a:雄ロータを収納するロータ収納部を形成している円弧部分と同じ円弧、
47:任意の円弧、48:直線部、
49:インバータ、50:外部電源。
Claims (8)
- 圧縮機ケーシングと、この圧縮機ケーシング内に設けられた雄雌一対のスクリューロータを収納するためのロータ収納部と、前記スクリューロータに隣接して配置され軸方向に往復移動することにより圧縮機の設定容積比を調整する容積比調整弁と、前記圧縮機ケーシング内に設けられ前記容積比調整弁を収納する弁収納部と、該弁収納部の低圧側に設けられ前記容積比調整弁の低圧側を保持する低圧側保持部と、を備える密閉形スクリュー圧縮機であって、
前記低圧側保持部は、前記ロータ収納部を形成している2つの円弧部分に対応する2つの円弧で形成されることにより、前記2つの円弧の交点付近には、圧縮室側と低圧側空間を連通する溝が形成され、
この溝の位置に対応する前記ロータ収納部の低圧側端面には、前記溝よりも大きく形成された凹部を設け、
この凹部には、前記容積比調整弁と前記溝により形成される連通隙間を塞ぐようにピースを設置している
ことを特徴とする密閉形スクリュー圧縮機。 - 請求項1に記載の密閉形スクリュー圧縮機において、前記スクリューロータには駆動用モータが直結され、該駆動用モータをインバータで駆動して回転数を制御可能に構成していることを特徴とする密閉形スクリュー圧縮機。
- 請求項1に記載の密閉形スクリュー圧縮機において、前記凹部は、前記溝よりも大きな任意の円弧で形成され、前記ピースは、前記ロータ収納部を形成している2つの円弧部分に対応する円弧と、前記凹部を形成している任意の円弧により形成されていることを特徴とする密閉形スクリュー圧縮機。
- 請求項1に記載の密閉形スクリュー圧縮機において、前記凹部は、前記溝よりも大きな任意の円弧で形成され、前記ピースは、前記ロータ収納部を形成している2つの円弧部分に対応する円弧のうちの何れか一方の円弧と、前記凹部を形成している任意の円弧により形成されていることを特徴とする密閉形スクリュー圧縮機。
- 請求項3または4に記載の密閉形スクリュー圧縮機において、前記凹部及び前記ピースを形成している任意の円弧の一部を直線部で形成していることを特徴とする密閉形スクリュー圧縮機。
- 請求項1に記載の密閉形スクリュー圧縮機において、前記凹部は、前記溝よりも大きな任意の輪郭に形成され、前記ピースは、前記ロータ収納部を形成している2つの円弧部分に対応する円弧と、前記凹部を形成している任意の輪郭と同じ輪郭により形成されていることを特徴とする密閉形スクリュー圧縮機。
- 請求項1に記載の密閉形スクリュー圧縮機において、前記圧縮機ケーシング内に、前記スクリューロータを駆動する駆動用モータ、前記スクリューロータを低圧側で支持する低圧側軸受、及び前記スクリューロータを高圧側で支持する高圧側軸受を備えていることを特徴とする密閉形スクリュー圧縮機。
- 請求項7に記載の密閉形スクリュー圧縮機において、前記圧縮機ケーシングを、モータケーシング、主ケーシング、吐出ケーシング及びモータカバーで構成し、前記モータケーシングには、前記駆動用モータと前記低圧側軸受を収納し、前記主ケーシングには、前記スクリューロータと前記容積比調整弁を収納し、前記吐出ケーシングには、前記高圧側軸受を収納し、前記モータカバーには、前記駆動用モータのコイルエンド部が収納される構成とし、前記容積比調整弁を支持する前記低圧側保持部を前記主ケーシングの低圧側端部に存在させることにより、この低圧側保持部を主ケーシングの低圧側から加工可能に構成していることを特徴とする密閉形スクリュー圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012224006A JP2014077362A (ja) | 2012-10-09 | 2012-10-09 | 密閉形スクリュー圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012224006A JP2014077362A (ja) | 2012-10-09 | 2012-10-09 | 密閉形スクリュー圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014077362A true JP2014077362A (ja) | 2014-05-01 |
Family
ID=50782870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012224006A Pending JP2014077362A (ja) | 2012-10-09 | 2012-10-09 | 密閉形スクリュー圧縮機 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014077362A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016130483A (ja) * | 2015-01-14 | 2016-07-21 | ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド | スクリュー流体機械 |
-
2012
- 2012-10-09 JP JP2012224006A patent/JP2014077362A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016130483A (ja) * | 2015-01-14 | 2016-07-21 | ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド | スクリュー流体機械 |
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