JP2014077180A - アルミニウム材料の表面処理方法及びこれを用いた熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡便な手順によりアルミニウム材料の表面の親水性、防汚性を向上させることが可能なアルミニウム材料の表面処理方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム材料の表面処理方法は、アルミニウム基材の表面に対してアルミニウムめっきを施すめっき工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明はアルミニウム材料の表面処理方法に関する。また、本発明はアルミニウム材料で形成された構成要素に対して前記アルミニウム材料の表面処理方法を用いて製造される熱交換器に関する。
従来、例えば空気調和機の蒸発器といった熱交換器において、空気中の水蒸気が凝縮することにより熱交換器のフィンの表面に水滴が付着して所謂結露したり、その水滴が霜になり所謂着霜したりすることが懸念されている。これにより、それら水滴及び霜がフィンの表面における熱交換を阻害するとともに熱交換器のフィンの隙間が狭くなり、その隙間を通る空気の抵抗(通風抵抗)が増大する。その結果、フィンの間を通過する空気の量が減少して熱交換器の熱交換効率が低下することが問題となっていた。熱交換器に生じた霜や氷を除去するために除霜運転を実行するという対策も取られているが、除霜運転のために余計なエネルギーを消費してしまうという課題もあった。
そこで、熱交換器のフィンの表面に親水性の高い塗装を施すという表面処理が提案された。これにより、フィンの表面において水滴が流れ落ちる作用を高めたり、霜が付着するまでの時間を延長させたりしている。このような熱交換器の表面処理に関して、従来の表面処理方法が特許文献1及び2に開示されている。
特許文献1に記載された従来の表面処理方法はアルミニウム材料からなる熱交換器用フィンの表面に、板状無機粒子が分散配置された耐食性皮膜と、この耐食性皮膜上に形成した親水性皮膜とを設け、板状無機粒子の一部を親水性皮膜上に露出させている。これにより、親水性と耐食性とを兼ね備えた熱交換器用フィンを得ることができるとしている。
特許文献2に記載された従来の表面処理方法はジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水塩を混合した混合物を加熱し、めっき皮膜内に分散相を形成させるための不活性微粒子を添加し撹拌混合しためっき液を用いて金属表面に複合めっきを施している。複合めっきにSiO2等の酸化物微粒子が使われることから、表面にSiO2を露出させれば親水性を付与することができると考えられる。また、この表面処理方法では基材として銅、鉄などの材料を用い、これらの基材の表面に平滑なめっき膜ができることが知られている。
特開2011−122755号公報 特開2004−76031号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の表面処理方法は、アルミニウム材料からなるフィンの表面に吸着するろう材などを洗浄、除去する工程、化成処理により表面に防食処理を施す工程、親水性材料を塗布して膜厚を均一化させる工程及び乾燥する工程など、性能を向上させるために複雑な処理を行う必要があった。このように、特許文献1に記載された従来の表面処理方法を用いて熱交換器表面の親水性を向上させる場合、多数の工程が必要であり、より簡便に処理できる方法が必要であることが課題となっていた。
また、特許文献2に記載された従来の表面処理方法は、めっき皮膜中に不活性微粒子を分散させることで、めっき皮膜に耐磨耗性、耐熱性、自己潤滑性やその他の機能性を付加している。しかしながら、このめっきは鉄や銅などの基材の表面に形成されることが一般的であり、基材としてアルミニウムが用いられることはなかった。その理由として、アルミニウムは表面に非導電性の酸化被膜が形成されるので、表面に均一なめっき皮膜を形成するために酸化被膜を除去して導電性の亜鉛を析出させるジンケート処理などが必要であった。これにより、時間と手間が掛かりコスト高になるという問題があった。さらに、アルミニウムに親水性処理を施す目的でアルミニウムめっきが適用されることは従来なかった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、より簡便な手順によりアルミニウム材料の表面の親水性、防汚性を向上させることが可能なアルミニウム材料の表面処理方法を提供することを目的とする。また、このアルミニウム材料の表面処理方法を用いることにより、アルミニウム材料で形成された構成要素の表面の親水性、防汚性が高められた熱交換器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のアルミニウム材料の表面処理方法は、アルミニウム基材の表面に対してアルミニウムめっきを施すめっき工程を含むことを特徴としている。
この構成によれば、表面が酸化被膜で覆われているアルミニウム基材において球形状のめっき析出物が形成される。さらにこの球形状の析出物はめっき工程でアイランド状に成長し、アルミニウム基材の表面において凹凸構造をなす。このめっき析出物による凹凸構造がアルミニウム基材の表面の親水性を向上させる。
なお、ここで述べた「アルミニウム基材」はアルミニウムろう材であっても良いし、アルミニウムの表面にアルミニウムろう材を設置した構成の材料であっても良い。
また、上記構成のアルミニウム材料の表面処理方法において、前記めっき工程の後に、前記めっき工程後の前記アルミニウム基材の表面に高分子材料を融着させる融着工程を含むことを特徴としている。
高分子材料には陽イオン性の官能基が結合しており、アルミニウム基材と結合することができる。したがって、上記構成によれば、高分子材料がめっき工程で形成され成長した析出物とアルミニウム基材とを接合させる。この高分子材料を用いることでアルミニウム基材とめっき析出物との密着性が向上し、めっき析出物の凹凸構造は親水性、防汚性の両方の性能を兼ね備えるようになる。
また、上記構成のアルミニウム材料の表面処理方法において、前記融着工程は、前記高分子材料が含まれる溶液に前記アルミニウム基材を浸漬させる浸漬工程と、前記浸漬工程で前記アルミニウム基材の表面に付着した前記高分子材料を加熱して溶融させる加熱工程と、を含むことを特徴としている。
この構成によれば、高分子材料によるめっき析出物とアルミニウム基材との接合が発展し易くなる。したがって、より一層簡便な手順によりアルミニウム材料の表面の親水性、防汚性が向上する。
また、上記構成のアルミニウム材料の表面処理方法において、前記高分子材料がポリアミン系の材料からなることを特徴としている。
この構成によれば、ポリアミン系の高分子材料には例えばアミノ基、4級アンモニウム基などの陽イオン性の官能基が結合している。したがって、高分子材料とアルミニウム基材との結合が容易になる。
また、本発明は、アルミニウム材料で形成された構成要素に対して上記方法を用いて製造される熱交換器を特徴としている。
この構成によれば、熱交換器において、アルミニウム材料で形成された構成要素の表面にアルミニウムめっきのめっき析出物による凹凸構造が形成される。したがって、熱交換器の表面の親水性、防汚性が向上する。
本発明の構成によれば、より簡便な手順によりアルミニウム材料の表面の親水性、防汚性を向上させることが可能なアルミニウム材料の表面処理方法を提供することができる。また、このアルミニウム材料の表面処理方法を用いることにより、アルミニウム材料で形成された構成要素の表面の親水性、防汚性が高められた熱交換器を提供することができる。
本発明の第1実施形態のアルミニウム材料の表面処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態のアルミニウム材料の表面処理方法のエッチング工程及びめっき工程を示す概略説明図である。 本発明の第1実施形態のアルミニウム材料の表面処理方法のめっき工程後のアルミニウム基材の表面を撮影したSEM画像である。 本発明の第2実施形態のアルミニウム材料の表面処理方法を用いて製造される熱交換器を示す外観概略図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図4に基づき説明する。
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態のアルミニウム材料の表面処理方法について、図1に示す手順に沿って、図2及び図3を用いて説明する。図1はアルミニウム材料の表面処理方法の手順を示すフローチャートである。図2はアルミニウム材料の表面処理方法のエッチング工程及びめっき工程を示す概略説明図、図3はアルミニウム材料の表面処理方法のめっき工程後のアルミニウム基材の表面を撮影したSEM(Scanning Electron Microscope)画像である。
なお、アルミニウム基材としてはアルミニウムろう材付きアルミニウム基板(日本軽金属社製)を用いる。
アルミニウム基材の表面処理を開始すると(図1のスタート)、まずアルミニウム基材の表面に付着した汚れなどを除去する除去工程を実行する(図1のステップ#101)。この除去工程では、アルミニウム基材を塩基性界面活性剤(M−250L:シャープマニュファクチャリングシステム社製)の1%水溶液に浸漬して2分間超音波洗浄を行う。除去工程ではアルミニウム基材の表面に付着した汚れ、油脂、酸化被膜などの被除去物質を除去する。
除去工程の後、洗浄工程を実行する(ステップ#102)。この洗浄工程では例えば純水によりアルミニウム基材を水洗してアルミニウム基材の表面に付着した洗浄液や被除去物質などを洗い流す。なお、洗浄工程では、アルミニウム基材の表面を流水にさらして洗浄しても良いし、純水が貯められた水槽に浸漬させて洗浄しても良い。
洗浄工程の後、乾燥工程を実行する(ステップ#103)。この乾燥工程では例えばアルミニウム基材の表面に空気を吹き付けて水分を乾燥させる方法や、アルミニウム基材を100℃程度に加熱する方法などを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
乾燥工程の後、図2に示す表面処理装置1にアルミニウム基材2を取り付けてエッチング工程(ステップ#104)及びめっき工程(ステップ#105)を順次実行する。
続いて、図2に示す表面処理装置1の詳細について説明する。表面処理装置1は処理槽3、取付電極4、対向電極5、電源部6及びヒータ7を備える。また、処理槽3の内部には電解液Mを撹拌するための不図示の撹拌部が設けられる。
処理槽3はその内部に電解液Mが貯留される。電解液Mはジメチルスルホン(和光純薬社製)と、無水塩化アルミニウム(キシダ化学社製)とをモル比で10 : 3になるように調整している。
取付電極4は電解液Mに浸漬され、被処理物であるアルミニウム基材2が取り付けられる。取付電極4はアルミニウム基材2を導電状態で保持することが可能な電極である。
対向電極5は電解液Mに浸漬され、取付電極4及びアルミニウム基材2と対向して配置される。対向電極5は電解液Mに不純物が混入するのを抑制するため、純度の高いアルミニウムA1050(日本軽金属社製)で形成される。
電源部6は取付電極4及び対向電極5に電気を供給する電源であり、極性を切り替えることが可能な構成となっている。すなわち、取付電極4を陽極とし対向電極5を陰極とする場合と、取付電極4を陰極とし対向電極5を陽極とする場合とを切り替えることができる。
ヒータ7は処理槽3の下方に配置され、その上面に処理槽3が載置される。ヒータ7は処理槽3の内部に貯留された電解液Mを加熱することができる。ヒータ7としては、例えばホットプレートを挙げることができるが、これに限定されるわけではない。
このような構成の表面処理装置1を用いてアルミニウム基材2のエッチング工程及びめっき工程を実行する場合、電解液Mを処理槽3の内部で撹拌しながら90℃以上115℃以下の温度範囲を保つように加熱し、ジメチルスルホンと塩化アルミニウムとを加熱溶融する。
エッチング工程(図1のステップ#104)ではアルミニウム基材2を取り付けた取付電極4を陽極とし、対向電極5を陰極として電源部6を作動させる。このとき、120秒間、電流密度を400A/m2の状態に保持する。
次に、めっき工程(図1のステップ#105)ではアルミニウム基材2を取り付けた取付電極4を陰極とし、対向電極5を陽極として電源部6を作動させる。このとき、300秒間、電流密度を400A/m2の状態に保持する。
続いて、アルミニウム基材2を電解液Mから引き上げてめっき工程を終了し、乾燥工程を実行する(ステップ#106)。この乾燥工程ではめっき工程後のアルミニウム基材2を乾燥窒素雰囲気中に480秒間放置し、その表面を乾燥させる。その後、洗浄工程を実行する(ステップ#107)。
洗浄工程の後、浸漬工程(ステップ#108)と加熱工程(ステップ#109)とを含む高分子材料の融着工程を実行する。
浸漬工程(ステップ#108)ではめっき工程後のアルミニウム基材2を高分子材料が含まれる水溶液に浸漬させる。そして、浸漬させたアルミニウム基材2を高分子材料の水溶液から引き上げ、その表面の余分な水溶液をエアーブローにより除去する。高分子材料としては特に限定されないが、例えばポリアミン系の材料が好ましい。ポリアミン系の高分子材料としては、例えばポリアリルアミン(日東紡績社登録商標)、ポリアリルスルフィド(ニットーボーメディカル社製)が挙げられる。
加熱工程(ステップ#109)では浸漬工程後のアルミニウム基材2を例えば200℃に温度設定したホットプレート上で15分加熱する。これにより、アルミニウム基材2の表面に付着した高分子材料を溶融させて融着させる。このような融着工程により、アルミニウム基材2の表面においてめっき工程の析出物と高分子材料とを接合させ膜化させる。
高分子材料の融着工程(浸漬工程及び加熱工程)が完了すると、アルミニウム基材2の表面処理は終了となる(図1のエンド)。
次に、本実施形態に係るアルミニウム材料の表面処理方法を用いて作製したアルミニウムめっきを施したアルミニウム基材の親水性を評価した。この親水性の評価は評価対象物の表面に1μLの純水を滴下したときの水滴の接触角を測定することにより評価した。接触角の測定は試験片を汚染する前と、汚染して流水洗浄した後との2段階で測定した。
親水性の評価では本発明に係る実施例1に対して、比較対象である比較例1及び2を準備した。実施例1はアルミニウム基材(アルミニウムろう材付きアルミニウム基板(日本軽金属社製))に上記めっき工程及び高分子材料の上記融着工程を実施したものである。比較例1は表面処理を適用していないアルミニウムA1050(日本軽金属社製)そのものである。比較例2は表面処理を適用していないアルミニウム基材(アルミニウムろう材付きアルミニウム基板(日本軽金属社製))そのものである。
実施例1、比較例1及び2の評価結果を表1に示す。なお、実施例1は試験片5点について評価を行い、その平均も表1に示す。
表1によれば、汚染前において、比較例1のアルミニウムA1050は接触角が68〜80°であり、撥水性の傾向がある。比較例1は表面に酸化被膜が形成されていると考えられる。これに対して、汚染前の比較例2及び実施例1は親水性が高く、実施例1の接触角は平均22°であった。
そして、汚染、流水洗浄後において、比較例2の表面処理を適用していないアルミニウム基材そのものは接触角が73°であった。これに対して、汚染、流水洗浄後の実施例1は接触角が平均17°であり、親水性がさらに向上していた。
また、アルミニウム基材を浸漬させるポリアミン系の高分子材料の水溶液の濃度とアルミニウム基材の表面の親水性(水滴の接触角)とめっき被膜の密着性との関係について評価した。その結果を表2に示す。ポリアミン系の高分子材料としてポリアリルアミン(日東紡績社登録商標)を使用し、0%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%の5種類の濃度の水溶液について評価した。
表2に示したように、ポリアリルアミンの濃度が高いと接触角が大きくなるものの密着性が向上し、ポリアリルアミンの濃度が低いと密着性が低下するものの接触角が小さくなり親水性が向上するという関係が得られた。
上記実施形態のように、アルミニウム材料の表面処理方法はアルミニウム基材の表面に対してアルミニウムめっきを施すめっき工程を含む。これにより、図3のSEM画像に示すように、アルミニウム基材の表面に球形状のめっき析出物が形成される。この球形状のめっき析出物はアルミニウム基材などの表面が酸化被膜で覆われている金属材料に形成される。表面が酸化被膜で覆われていると、電解液中で電圧を印加したときにリーク電流の流れる箇所から析出する。さらに、アルミニウム基材の電極を陰極に切り替えると、球形状のめっき析出物はアイランド状に成長していく。小さなアイランド部分は平坦面と比較して電界集中し易いので、平坦なめっき被膜には成長せずアイランド状のまま大きくなっていく。このように、アルミニウム基材の表面にアイランド状の箇所が多数存在することで、めっき析出物は凹凸構造をなす。このめっき析出物による凹凸構造がアルミニウム基材の表面の親水性を向上させことができる。
また、上記アルミニウム材料の表面処理方法はアルミニウムめっきによるめっき工程の後に、めっき工程後のアルミニウム基材の表面に高分子材料を融着させる融着工程を含む。ここで、酸化被膜で覆われているアルミニウム基材の表面にめっき工程で形成され成長した析出物はアルミニウム基材との接触点が少ないので密着性が悪く、その表面から剥がれ易い。一方、高分子材料には陽イオン性の官能基が結合しており、アルミニウム基材と結合することができる。したがって、上記構成によれば、高分子材料がめっき工程で形成され成長しためっき析出物とアルミニウム基材とを接合させる。さらに、めっき析出物による凹凸構造の表面を高分子材料でコーティングすると、例えば家庭内で浮遊する油脂系の汚染物が表面に付着しても、コーティングした表面と油脂系の汚染物との間での密着性が悪いために汚染物が容易に除去されるようになる。この高分子材料を用いることで、アルミニウム基材と凹凸構造をなすめっき析出物との密着性が向上する。さらに、この高分子を表面にコーティングした凹凸構造によって、親水性だけでなく防汚性を兼ね備えることができる。
そして、高分子材料の融着工程は、高分子材料が含まれる溶液にアルミニウム基材を浸漬させる浸漬工程と、浸漬工程でアルミニウム基材の表面に付着した高分子材料を加熱して溶融させる加熱工程と、を含む。これにより、高分子材料によるめっき析出物とアルミニウム基材との接合が発展し易くなる。したがって、より一層簡便な手順によりアルミニウム材料の表面の親水性、防汚性を向上させることができる。
さらに、アルミニウムめっきによるめっき工程後のアルミニウム基材の表面に融着させる高分子材料がポリアミン系の材料からなる。ポリアミン系の高分子材料には例えばアミノ基、4級アンモニウム基などの陽イオン性の官能基が結合している。したがって、高分子材料とアルミニウム基材との結合を容易にすることができる。
ここで、アルミニウムめっきによるめっき工程後のアルミニウム基材の表面に対して、ポリアミン系の高分子材料を融着させる融着工程を実施した場合と、実施しなかった場合とでめっき被膜の密着性を評価した。このめっき被膜の密着性の評価にはJIS規格のクロスカット法を用いた。これによれば、ポリアミン系の高分子材料による融着工程を実施しなかった場合には一部に膜剥がれが確認できたが、融着工程を実施した場合には膜剥がれが確認できなかった。すなわち、ポリアミン系の高分子材料による融着工程を実施することにより、めっき被膜の密着性を向上させることができた。
そして、本発明の上記実施形態の構成によれば、より簡便な手順によりアルミニウム材料の表面の親水性、防汚性を向上させることが可能なアルミニウム材料の表面処理方法を提供することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態のアルミニウム材料の表面処理方法を用いて製造される熱交換器について、図4を用いて説明する。図4は熱交換器の外観概略図である。
図4に示す熱交換器101はアルミニウム板の片面または両面にアルミニウムろう材をクラッドしたブレージングシートを用いて製造される。熱交換器101は第1ヘッダパイプ102、第2ヘッダパイプ103、偏平チューブ104及びフィン105を備える。
第1ヘッダパイプ102、第2ヘッダパイプ103及び偏平チューブ104を製造するときは片面にろう材がクラッドされたブレージングシートを用いる。このとき、アルミニウムろう材がクラッドされた面が外面となり、アルミニウムろう材がクラッドされていない面が内面となる、すなわち冷媒流路側となるように形成される。
そして、第1ヘッダパイプ102と第2ヘッダパイプ103とを複数本の偏平チューブ104で接続する。さらに、偏平チューブ104の間にフィン105を配置して、熱交換器101の形状を組み立てる。その後、熱交換器101の形状を保ったまま専用冶具で固定して加熱する。これにより、熱交換器101は表面のアルミニウムろう材が溶融するとともにその温度が低下することで各部材がアルミニウムろう付けで固定される。そのため、熱交換器101の表面には大量のアルミニウムろう材フラックスの残渣が付着する。
アルミニウムろう材フラックスの残渣が付着している状態で親水性被膜を形成すると、アルミニウムろう材フラックスの凹凸により親水性被膜の表面にも凹凸が形成される。つまり、ろう付け工程後の熱交換器101の表面にはアルミニウムろう材のフラックスの残渣が全面的に付着している。このアルミニウムろう材の表面はそれ自体の親水性が高いが、さらにその表面に対してアルミニウムめっきを施した後に高分子材料を融着させると、防汚性が向上して水とびが発生し難くなる。
このようにして、熱交換器101はアルミニウム材料で形成された構成要素に対して第1実施形態で説明したアルミニウム材料の表面処理方法を用いて製造される。これにより、熱交換器101において、アルミニウム材料で形成された構成要素の表面に高分子材料によりアルミニウム基材に接合されためっき析出物による凹凸構造が形成される。したがって、熱交換器101の表面の親水性、防汚性を高めることが可能である。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明はアルミニウム材料の表面処理方法において利用可能である。また、本発明は熱交換器において利用可能である。
1 表面処理装置
2 アルミニウム基材
3 処理槽
4 取付電極
5 対向電極
6 電源部
7 ヒータ
101 熱交換器
102 第1ヘッダパイプ
103 第2ヘッダパイプ
104 偏平チューブ
105 フィン
M 電解液

Claims (5)

  1. アルミニウム基材の表面に対してアルミニウムめっきを施すめっき工程を含むことを特徴とするアルミニウム材料の表面処理方法。
  2. 前記めっき工程の後に、前記めっき工程後の前記アルミニウム基材の表面に高分子材料を融着させる融着工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材料の表面処理方法。
  3. 前記融着工程は、
    前記高分子材料が含まれる溶液に前記アルミニウム基材を浸漬させる浸漬工程と、
    前記浸漬工程で前記アルミニウム基材の表面に付着した前記高分子材料を加熱して溶融させる加熱工程と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム材料の表面処理方法。
  4. 前記高分子材料がポリアミン系の材料からなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のアルミニウム材料の表面処理方法。
  5. アルミニウム材料で形成された構成要素に対して請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表面処理方法を用いて製造される熱交換器。
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