JP2014076976A - アルコキシトリハロシランの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テトラハロシランA1とアルコールB1とを気相で反応させることによる、アルコキシトリハロシランの製造方法及び生成物の回収装置D1、と排出ガスの除害装置D2,D3。
【選択図】図1
Description
本発明のアルコキシトリハロシランの製造方法で用いる原料の一つは式〔1〕で表すものである。
SiX4 〔1〕
(但し、Xはハロゲンである。)
Xは同一でも異なっても良く、式〔1〕で表される複数の原料を併用することもできる。式〔1〕で表される化合物の具体例としては、テトラフルオロシラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨードシラン、モノフルオロトリクロロシラン、ジフルオロジクロロシラン、モノクロロトリフルオロシラン、モノブロモトリクロロシラン、ジブロモジクロロシランなどが例示される。このうち好ましいものは、沸点が低くて気化しやすいテトラフルオロシランおよびテトラクロロシランであり、より好ましくは工業的に安価に入手できるテトラクロロシランである。
R1OH 〔2〕
(R1は炭素数1〜6の炭化水素基である。)
R1は直鎖状でも分枝状でも良く、構造としては第1級アルコール、第2級アルコール、第3級アルコールのいずれでも用いることができる。式〔2〕で表される化合物の具体例としては、メタノール、エタノール,1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2-メチル−1−プロパノール、2-メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどが挙げられ、複数の原料を併用することもできる。このうち好ましいものは、反応性の高い第1級アルコールまたは第2級アルコールであり、具体例としては、メタノール、エタノール,1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2-メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどを挙げることができる。より好ましくは低沸点で気化しやすく、工業的に安価に入手できる炭素数1〜4の、第1級アルコールまたは第2級アルコールであり、具体例としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2-メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールが例示できる。さらに好ましくは、得られるモノアルコキシトリハロシランの選択率が高くなる第2級アルコールであり、2−プロパノール、2−ブタノールなどを例示することができる。
X3 Si(OR1) 〔3〕
(但し、Xは同じでも互いに異なっても良い。)
X2 Si(OR1)2 〔4〕
(但し、Xは同じでも互いに異なっても良い。)
X Si(OR1)3 〔5〕
Si(OR1)4 〔6〕
メトキシトリフルオロシラン、エトキシトリフルオロシラン、1−プロポキシトリフルオロシラン、2−プロポキシトリフルオロシラン、メトキシトリブロモシラン、エトキシトリブロモシラン、メトキシモノフルオロジクロロシラン、エトキシモノフルオロジクロロシランなどを挙げることができる、このうち好ましいものはメトキシトリクロロシラン、エトキシトリクロロシラン、1−プロポキシトリクロロシラン、2−プロポキシトリクロロシランであり、さらに好ましくはメトキシトリクロロシランおよびエトキシトリクロロシラン、2−プロポキシトリクロロシランである。
実施例1では、図1に示す反応装置を用いて、式〔1〕で表される化合物としては四塩化ケイ素(SiCl4)を用い、式〔2〕で表される化合物としては、メタノールを用いた。実施例1で用いた反応容器の寸法は、直径20mm長さ300mmで肉厚2mmの合成石英管であり、1端にはバブリング装置で気化されたSiCl4とメタノールの供給管が並行して備えてある。
そして反応容器の他方の1端は排出管に接続し、その先はドライアイスメタノール混合寒剤で−78℃に冷却された生成物回収容器D1に導入した。D2は逆流防止の空容器であり、D3には水を入れて排出ガスが大気に漏えいするのを防いだ。不活性ガスとして露点−70℃(水分2.6体積ppm以下)の窒素ガスを用いた。
選択率(wt%)=アルコキシトリハロシランピーク面積/(テトラハロシラン+アルコキシトリハロシラン+ジアルコキシジハロシラン+トリアルコキシハロシランのピーク面積)×100 〔7〕
収率(wt%)=生成物収量×アルコキシトリハロシラン選択率/(テトラハロシランの消費量×M1/M2)×100 〔8〕
(テトラハロシランの消費量とは、供給装置におけるテトラハロシランの重量減少から、生成物中の未反応テトラハロシランの重量を差し引いた重量を意味する。また、M1はアルコキシトリハロシランの分子量、M2はテトラハロシランの分子量である。)
反応温度を150℃とした他は実施例1と同じにして合成実験を行い、結果を表1及び表2に記載した。
反応温度を100℃とした他は実施例1と同じにして合成実験を行い、結果を表1及び表2に記載した。
反応温度を70℃とした他は実施例1と同じにして合成実験を行い、結果を表1及び表2に記載した。
反応温度を20℃とした他は実施例1と同じにして合成実験を行い、結果を表1及び表2に記載した。
メタノール供給装置のバブリング窒素の流量を60ml/分に変えた他は実施例2と同じにして反応器内温150℃で合成実験を行った。反応終了後、原料供給装置の原料容器の残液量を測定した結果、反応に供給されたメタノール/四塩化ケイ素のモル比は0.88であった。反応の結果を解析し表1及び表2に記載した。
メタノール供給装置のバブリング窒素の流量を100ml/分に変えた他は実施例2と同じにして反応器内温150℃で合成実験を行った。反応終了後、原料供給装置の原料容器の残液量を測定した結果、反応に供給されたメタノール/四塩化ケイ素のモル比は1.13であった。反応の結果を解析し表1及び表2に記載した。
メタノール供給装置のバブリング装置の水浴の温度を50℃に上げ、窒素の流量を100ml/分に変えた他は実施例2と同じにして反応器内温150℃で合成実験を行った。反応終了後、原料供給装置の原料容器の残液量を測定した結果、反応に供給されたメタノール/四塩化ケイ素のモル比は3.12であった。反応の結果を解析し表1及び表2に記載した。
式〔2〕で表される化合物として、メタノールの代わりにエタノールを用い、原料供給装置の原料容器の水浴を40℃にした他は実施例2と同じにして反応器内温150℃で合成実験を行った。反応終了後、原料供給装置の原料容器の残液量を測定した結果、反応に供給されたエタノール/四塩化ケイ素のモル比は1.02であった。反応の結果を解析し表1及び表2に記載した。
反応温度を350℃とした他は実施例1と同じにして合成実験を行い、結果を表1及び表2に記載した。
実施例11では、図2に示す反応装置を用いて、式〔1〕で表される化合物としてはSiCl4を用い、式〔2〕で表される化合物としては、エタノールを用いた。反応容器の寸法は、直径20mm長さ300mmで肉厚2mmの合成石英管であり、1端には原料供給装置で気化されたSiCl4の供給管と、メタノールを液体状態で供給管とそれを囲む窒素吹き込み管との2重管とが並行して備えてあるが、エタノール供給管はエタノール供給管を囲む窒素吹き込み管はよりも長く反応容器内に突き出す構造になっている。そして反応容器の他方の1端は、実施例1と同様に排出管に接続し、その先はドライアイスメタノール混合寒剤で−78℃に冷却された生成物回収容器D1に導入した。D2は逆流防止の空容器であり、D3には水を入れて排出ガスが大気に漏えいするのを防いだ。
式〔2〕で表される化合物として、2−プロパノールを用いた他は実施例11と同じにして実施例12を行い、結果を表1及び表2に記載した。
<比較例1>
窒素シールした、容量2Lのガラス製三ツ口フラスコを氷冷して、メタノール320gを仕込み、フラスコ内を撹拌しながら四塩化ケイ素580gを3時間間かけて滴下した。その後、液温を40℃まで上昇して4時間撹拌を続けて反応を終了し、フラスコ内の液を分析したところ、表1のようになった。実施例1と同じように結果を解析し、結果を表1及び表2に載せた。
図1、2の(A1)はハロシランの供給装置を示す。
図1の(B1)はアルコールの供給装置を示す。
図2の(B2)はアルコールの供給装置を示す。
図2の(A0)は不活性ガスの供給管を示す。
図1、2の(D1)は生成物の回収装置を示す。
図1、2の(D2、D3)は排出ガスの除害装置を示す。
Claims (7)
- 式〔1〕で表されるテトラハロシランと式〔2〕で表されるアルコールとを、気相で反応させて、式〔3〕で表されるアルコキシトリハロシランを含む生成物を得る、アルコキシトリハロシランの製造方法。
SiX4 〔1〕
(但し、Xはハロゲンである。)
R1OH 〔2〕
(R1は炭素数1〜6の炭化水素基である。)
(R1O)SiX3 〔3〕
(但し、Xは同じでも互いに異なっていても良い。)
- 反応温度が50℃以上300℃以下の範囲である、請求項1に記載のアルコキシトリハロシランの製造方法。
- 式〔1〕で表されるテトラハロシランと式〔2〕で表されるアルコールとを、アルコール/テトラハロシラン のモル比で、0.1〜10の範囲で反応させる、請求項1または2に記載のアルコキシトリハロシランの製造方法。
- 式〔2〕で表されるアルコールが第1級アルコール、または第2級アルコールである、請求項1〜3のいずれかに記載のアルコキシトリハロシランの製造方法。
- 水分量が10体積ppm以下である不活性ガスを用いて、反応雰囲気を水分10体積ppm以下に保って反応を行う、請求項1〜4のいずれかに記載のアルコキシトリハロシランの製造方法。
- 水分量が10体積ppm以下である不活性ガスを、式〔1〕で表されるテトラハロシランと式〔2〕で表されるアルコールの少なくとも一方を充填した供給装置内をバブリングすることによって原料を気化させる、請求項1〜5のいずれかに記載のアルコキシトリハロシランの製造方法。
- アスペクト比が3以上1000以下の管状反応容器を用いて、反応容器の1端から原料を供給し、他の1端から生成物を排出する、請求項1〜6のいずれかに記載のアルコキシトリハロシランの製造方法。
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---|---|---|---|---|
WO2003040156A1 (fr) * | 2001-11-08 | 2003-05-15 | Hokko Chemical Industry Co., Ltd. | Procedes de production de triorganomonoalkoxysilanes et de triorganomonochlorosilanes |
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- 2012-10-12 JP JP2012226507A patent/JP5915493B2/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003040156A1 (fr) * | 2001-11-08 | 2003-05-15 | Hokko Chemical Industry Co., Ltd. | Procedes de production de triorganomonoalkoxysilanes et de triorganomonochlorosilanes |
Non-Patent Citations (1)
Title |
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JPN6015029809; BULLETIN OF THE ACADEMY OF SCIENCES OF THE USSR, DIVISION OF CHEMICAL SCIENCES Vol. 14, No. 12, 1965, 2156-2159 * |
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