JP2014076587A - 微細構造形成用母型およびその製造方法 - Google Patents

微細構造形成用母型およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モールドの表面に溝部の幅が100nm以下の微細凹凸構造だけでなく、比較的広い溝部の幅(好ましくは100〜10000nm)を有する微細凹凸構造も形成することが可能であり、かつ、微細凹凸構造を連続して形成することが可能である微細構造形成用母型を提供すること。
【解決手段】 2種以上の樹脂層を備える円柱状積層体からなり、該円柱状積層体の外周表面に、溝部を備える凹凸構造を有し、前記溝部の底面が、前記2種以上の樹脂層のうちの1種の樹脂層(A)の端面の少なくとも一部を含むものであり、前記溝部の底面の長手方向が前記樹脂層(A)の端面の長手方向と略平行であることを特徴とする微細構造形成用母型。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細構造形成用母型およびその製造方法に関し、より詳しくは、ナノインプリント用モールドなど、ラインアンドスペース構造などの微細な凹凸構造を表面に備えるモールドを作製するための微細構造形成用母型およびその製造方法に関する。
ラインアンドスペース構造などの微細な凹凸構造を表面に形成する技術は、光学素子、光学フィルム、記録メディア、ディスプレイといった光学部材、半導体素子、バイオチップなど、様々な分野で注目されている。従来、このような微細凹凸構造は、フォトリソグラフィ技術を利用して形成されていたが、フォトリソグラフィ技術は、装置が高価であり、また、微細凹凸構造を形成できる面積が小さいため、その利用範囲はMicro Electro Mechanical Systems(MEMS)などの小型で付加価値の高い用途に限られていた。
近年、このフォトリソグラフィ技術に比べて低コストで微細凹凸構造を形成できる技術として、ナノインプリント技術が注目されている。このナノインプリント技術は、表面に微細凹凸構造を備えるモールドを基板上の樹脂膜に押し付けることによって、モールド表面の微細凹凸構造を樹脂膜表面に転写する技術である。
このようなナノインプリントに用いられるモールドは、例えば、特開2005−186189号公報(特許文献1)や特開2010−5723号公報(特許文献2)に記載の超精密切削工具を用いてNi−P基板などの基材表面に直接切削加工を施して微細凹凸構造を形成することにより作製することができる。また、切削加工を施して形成した微細凹凸構造を備える母型を用いて転写技術により作製することも可能である。しかしながら、この切削加工は、幅が数μm程度の溝を形成する場合には有効であるが、数百nm以下の幅の溝を形成することは困難であった。
このため、溝幅が数百nm以下の微細凹凸構造を備えるモールドや母型を作製する場合には、前述のリソグラフィ技術を利用する必要があり、低コスト化が十分に図られているとは言えなかった。特に、幅が50nm以下の溝を形成する場合には、ArF液浸露光やダブルパターニング、極紫外線(EUV)露光といった高コストの露光方法を利用する必要があり、モールドや母型の製造コストがさらに高くなるという問題があった。
また、上記のように、切削加工やリソグラフィ技術によりモールドや母型の表面に直接微細凹凸構造を形成する場合、微細凹凸構造を形成できる領域は装置の可動範囲に制限される。このため、それより大面積の微細凹凸構造を形成する場合には、切削加工やリソグラフィ技術により作製された小面積の微細凹凸構造を備えるモールドや母型を繋ぎ合わせる必要があり(月刊ディスプレイ、テクノタイムズ社、2009年1月号、71−74頁(非特許文献1)参照)、従来の方法では、モールドを繋ぎ合わせる技術についても高い精度が要求されていた。
特開2005−186189号公報 特開2010−5723号公報
宮内昭浩ら、「シートナノインプリントによる微細構造の形成」、月刊ディスプレイ、テクノタイムズ社、2009年1月号、71−74頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、所望の幅および長さの微細凹凸構造をモールドの表面に形成することができる微細構造形成用母型およびその製造方法を提供することを目的とする。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 2種以上の樹脂層を備える積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体を円柱状積層体に加工する円柱状加工工程と、
前記円柱状積層体の外周表面にエッチング処理を施して前記2種以上の樹脂層のうちの少なくとも1種の樹脂層の一部を除去することにより、除去した樹脂層のうちの1種の樹脂層(A)の端面の少なくとも一部を含み且つ長手方向が前記樹脂層(A)の端面の長手方向と略平行である底面を有する溝部を備える凹凸構造を形成する凹凸構造形成工程と、を含むことを特徴とする微細構造形成用母型の製造方法。
(2) 前記エッチング処理により除去される前記樹脂層の厚さが50〜10000nmの範囲内にあり、前記積層体の積層方向の長さが10mm以上であることを特徴とする前記(1)に記載の微細構造形成用母型の製造方法。
(3) 前記エッチング処理において、前記樹脂層(A)の一部を除去することにより、前記溝部の底面全体を前記樹脂層(A)の端面の少なくとも一部により形成させることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の微細構造形成用母型の製造方法。
(4) 前記エッチング処理において、前記溝部の底面の幅が前記樹脂層(A)の厚さと略同一となるように前記樹脂層(A)の一部を除去することを特徴とする前記(3)に記載の微細構造形成用母型の製造方法。
(5) 前記樹脂層(A)が、前記2種以上の樹脂層のうちのエッチング速度が最も速い樹脂組成物により形成された樹脂層であることを特徴とする前記(1)〜(4)のうちのいずれか一項に記載の微細構造形成用母型の製造方法。
(6) 2種以上の樹脂層を備える円柱状積層体からなり、
該円柱状積層体の外周表面に、溝部を備える凹凸構造を有し、
前記溝部の底面が、前記2種以上の樹脂層のうちの1種の樹脂層(A)の端面の少なくとも一部を含むものであり、
前記溝部の底面の長手方向が前記樹脂層(A)の端面の長手方向と略平行であることを特徴とする微細構造形成用母型。
(7) 前記溝部の幅が50〜10000nmの範囲内にあり、前記凹凸構造の前記積層方向の長さが10mm以上であることを特徴とする前記(6)に記載の微細構造形成用母型。
(8) 前記溝部の底面全体が、前記樹脂層(A)の端面の少なくとも一部であることを特徴とする前記(6)または(7)に記載の微細構造形成用母型。
(9) 前記溝部の底面の幅が前記樹脂層(A)の厚さと略同一であることを特徴とする前記(8)に記載の微細構造形成用母型。
(10) 前記樹脂層(A)が、前記2種以上の樹脂のうちのエッチング速度が最も速い樹脂により形成されたものであることを特徴とする前記(6)〜(9)のうちのいずれか一項に記載の微細構造形成用母型。
本発明によれば、所望の幅および長さの微細凹凸構造をモールドの表面に形成することができる微細構造形成用母型およびその製造方法を提供することができる。
本発明の微細構造形成用母型の外周表面の一例を示す斜視図である。 本発明の微細構造形成用母型の外周表面の他の一例を示す斜視図である。 本発明の微細構造形成用母型の外周表面のさらに他の一例を示す斜視図である。 本発明の微細構造形成用母型の外周表面のさらに他の一例を示す斜視図である。 本発明の微細構造形成用母型の製造方法における積層体形成工程の一例を模式的に示す図である。 本発明の微細構造形成用母型の製造方法における積層体形成工程の他の一例を模式的に示す図である。 本発明の微細構造形成用母型の製造方法における積層体形成工程の更に他の一例を模式的に示す図である。 本発明の微細構造形成用母型の製造方法におけるエッチング処理工程一例を模式的に示す図である。 本発明の微細構造形成用母型の製造方法におけるエッチング処理工程の他の一例を模式的に示す図である。 本発明の微細構造形成用母型の製造方法におけるエッチング処理工程の更に他の一例を模式的に示す図である。 本発明の微細構造形成用母型の外周表面の一例を示す断面図である。 本発明の微細構造形成用母型の外周表面の他の一例を示す断面図である。 本発明の微細構造形成用母型の外周表面の更に他の一例を示す断面図である。 溝部および凸部の長手方向の形状が直線状である凹凸構造を有する本発明の微細構造形成用母型の外周表面の展開図である。 溝部の断面形状がU字型である凹凸構造を有する本発明の微細構造形成用母型の外周表面の断面図である。 溝部の断面形状がV字型である凹凸構造を有する本発明の微細構造形成用母型の外周表面の断面図である。 凸部の断面形状が逆U字型である凹凸構造を有する本発明の微細構造形成用母型の外周表面の断面図である。 凸部の断面形状が逆V字型である凹凸構造を有する本発明の微細構造形成用母型の外周表面の断面図である。 本発明の微細構造形成用母型の一例を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は前記図面に限定されるものではない。なお、以下の説明および図面中、同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(積層体形成工程)
まず、本発明の微細構造形成用母型の製造方法における積層体形成工程について説明する。本発明の積層体は、2種以上の樹脂層を備えるものである。さらに各種樹脂層をそれぞれ1層以上備えることが好ましい。詳細は後述するが、図11に示すように、本発明における微細構造形成用母型は円柱状であり、その外周表面8において前記樹脂層の少なくとも一部がエッチングされたことにより転写面が形成される。ここで、外周表面8とは、円柱の表面のうち、底面、上面を除く円柱側面の領域を指す。各種樹脂層のうち、少なくとも1種の樹脂層が他の樹脂層とエッチング速度が異なることにより、微細構造形成用母型の外周表面8に凹凸構造を形成することができる。
樹脂層を構成する樹脂組成物や、エッチング速度の制御については後述する。
2種以上の樹脂層を積層する方法について説明する。
本発明にかかる積層体を形成する方法としては、2種以上の樹脂層を備える積層体が形成できる方法であれば特に制限はなく、例えば、2種以上の樹脂フィルムを交互にラミネートする方法、1種以上の樹脂フィルムを、この樹脂フィルムと異なる接着剤を用いて接着して多層化する方法、2種以上の樹脂を共押出や共射出する方法などが挙げられる。中でも、層数が増加しても容易に積層体を形成できるという観点から、共押出法が好ましく、フィードブロック法(松原弘明ら、「共押出多層キャストフィルム概要」、DICテクニカルレビュー、2008年、第14巻、9−16頁参照)がより好ましい。
また、予め、フィードブロック法などにより多層フィルムを複数作製し、これらをラミネートすることによって所望の層数の積層体を形成することができる。これにより、共押出法や共射出法において、一度に形成することができる層数に制限がある場合でも、それを超える層数の積層体を形成することができる。このような層数としては特に制限はないが、例えば、1000層以上(好ましくは10000層以上)の樹脂層を備える積層体を形成することができる。
上述のように、多層フィルムをラミネートして積層体を形成する場合、同種の多層フィルムをラミネートすると、接合部分の層厚が厚くなるため、最外層が異なる2種以上の多層フィルムを交互にラミネートすることが好ましい。図5Aは、2種類の多層フィルムをラミネートして、2種類の樹脂層(A)と樹脂層(B)とを交互に備える積層体を形成する方法を模式的に示した図である。なお、図5A中のx軸方向は樹脂層の積層方向を示す。図5Aに示すように、先ず、2種類の樹脂層(A)と樹脂層(B)とを交互に備える多層フィルムをフィードブロック法などによって作製する。このとき、多層フィルムとして、樹脂層(B)が最外層である多層フィルム11と、樹脂層(A)が最外層である多層フィルム12とを作製する。次に、得られた多層フィルム11と多層フィルム12とを交互にラミネートすることにより、接合部分の層厚化が抑制された、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが交互に積層された積層体13を得ることができる。
また、3種以上の樹脂層を備える積層体を形成する場合においても、樹脂層の種類が増加する点を除いて、2種類の樹脂層の場合と同様に形成することができる。例えば、3種類の樹脂層(A)と樹脂層(B)と樹脂層(C)とを一定の周期で備える積層体を形成する場合、図5Bに示すように、先ず、3種類の樹脂層(A)と樹脂層(B)と樹脂層(C)とを一定の周期で備える2種類の多層フィルム21および22をフィードブロック法などによって作製する。次に、得られた多層フィルム21と多層フィルム22とを交互にラミネートすることにより、接合部分の層厚化が抑制された、樹脂層(A)と樹脂層(B)と樹脂層(C)とが一定の周期で積層された積層体23を得ることができる。
また、2種類の樹脂層(B)および樹脂層(C)を交互に備える部分と、2種類の樹脂層(A)および樹脂層(C)を交互に備える部分とを一定の周期で備える、3種類の樹脂層を備える積層体を形成する場合、図5Cに示すように、先ず、2種類の樹脂層(B)および樹脂層(C)を一定の周期で備える多層フィルム31と、2種類の樹脂層(A)および樹脂層(C)を一定の周期で備える多層フィルム32とをそれぞれフィードブロック法などによって作製する。次に、得られた多層フィルム31と多層フィルム32とを交互にラミネートすることにより、接合部分の層厚化が抑制された、2種類の樹脂層(B)および樹脂層(C)を交互に備える部分と、2種類の樹脂層(A)および樹脂層(C)を交互に備える部分とを一定の周期で備える積層体33を得ることができる。
多層フィルムをラミネートする方法としては、特に制限はないが、真空プレスを施しながら多層フィルムを熱圧着する方法が好ましい。これにより、熱圧着の際に、樹脂層に気
泡が混入することを防ぐことができる。
このようにして得られる積層体において、各樹脂層の厚さ(実測値、図5A、図5Bおよび図5Cにおいては、x軸方向の長さの実測値)は、所望の微細な凹凸構造における溝部や凸部の幅に応じて適宜設定することができるが、本発明の微細構造形成用母型の製造方法においては、50〜10000nmの範囲内にあることが好ましく、75〜9000nmの範囲内にあることがより好ましく、100〜8000nmの範囲内にあることが特に好ましい。このような厚さの樹脂層を備える積層体を使用することによって、比較的幅の広い(好ましくは50〜10000nm、より好ましくは75〜9000nm、特に好ましくは100〜8000nmの幅(実測値)を有する)溝部や凸部を有する凹凸構造を形成することが可能となる。また、各樹脂層の厚さの比についても、凹凸構造の凸部と溝部の幅の比に応じて適宜設定することができる。
また、積層体の厚さ(積層方向の長さ(実測値、図5A、図5Bおよび図5Cにおいては、x軸方向の長さの実測値))は、所望の微細な凹凸構造のサイズに応じて適宜設定することができるが、本発明の微細構造形成用母型の製造方法においては、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、30mm以上であることがさらに好ましく、100mm以上であることが特に好ましい。このような厚さの積層体を使用することによって、つぎ目のない、大面積の微細な凹凸構造を形成することができる。
このような樹脂層の厚さや積層体の厚さは、使用するフィルムの厚さ、共押出や共射出の際の成形条件などを調整することによって制御することができる。また、得られた積層体に延伸処理を施すことによって、樹脂層の厚さや積層体の厚さを薄くすることも可能である。さらに、上述したように多層フィルムを熱圧着する場合には、熱圧着条件(特に、圧着温度と圧着時間)を調整することによって制御することも可能である。
(円柱状加工工程)
次に、円柱状加工工程について説明する。円柱状加工工程では、前記積層体を円柱状積層体に加工する。本発明は、円柱状である微細構造形成母型を回転軸にそって回転させることで、大面積の凹凸構造を繋ぎ目なく形成することが可能である。
前記積層体を円柱状に加工する方法としては、公知の方法を適宜用いることができる。たとえば、研削加工、切削加工および研磨加工等の機械加工、電子ビーム加工、イオン加工、放電加工、レーザー加工、プラズマ加工、ウォータージェット加工等が挙げられる。特に、ウォータージェット加工により円柱状に加工する方法が好ましい。ウォータージェット装置を用いて、前記積層体表面へ研磨剤入りの超高圧水(300MPa以上)を円を描きながら噴射することで円柱状積層体を作製することができる。
また、前記積層体を形成する各樹脂層をほぼ合同となる円(円柱)状に成形した後に、積層して円柱状の積層体を得てもよい。
本発明の微細構造形成用母型は、モールドや樹脂膜等の基材に凹凸構造を形成するものである。基材に凹凸構造を形成する際の前記微細構造形成用母型の回転軸は、たとえば、前記樹脂層の積層方向と略平行である回転軸、前記樹脂層の積層方向と略垂直である回転軸および前記樹脂層の積層方向と90度以外の角度で交わる回転軸等が挙げられる。回転軸は、所望の凹凸構造の形状にあわせて、適宜選択することができる。なお、本発明の微細構造形成用母型は円柱形状であり、外周表面8に転写面となる凹凸構造を有するものである。(図11)。
また、前記回転軸は、円柱状の前記微細構造形成用母型の重心を含む中心軸9であることが好ましい。これにより、凹凸構造形成時にモールドや樹脂膜等の対象に均一な圧力で前記微細構造形成用母型を押し当てることが容易となり、前記凹凸構造の溝の深さが均一
な繰り返しパターンを形成することが容易となる。
前記円柱状加工工程において、前記微細構造形成用母型の外周表面が粗い場合、前記外周表面を平滑とする加工を施すことが好ましい。これにより、次行程におけるエッチング処理において、溝部の深さの調整を容易にすることができ、かつ、同種の樹脂層毎にエッチングによる除去量を均一なものとし、凹凸構造の溝の深さを同種の樹脂層において一律にすることが容易となる。このような外周表面の平滑加工の方法としては、公知の方法を適宜用いることができる。たとえば、研磨処理、研削加工、切削加工および研磨加工等の機械加工、電子ビーム加工、イオン加工、放電加工、レーザー加工、プラズマ加工等が挙げられる。なお、平滑化処理条件は、各種樹脂層の組み合わせ、前記外周表面の粗さの程度により、適宜調整することが好ましい。
前記積層方向と略平行な外表面を平滑にする方法としては特に制限はないが、研磨処理が好ましい。なお、研磨処理条件については、樹脂層の種類に応じて適宜設定することができる。また、前記外表面の平滑性については、凸部の高さが所望の均一性を有する凹凸構造が形成できる程度であれば特に制限はない。
(凹凸構造形成工程)
次に、凹凸構造形成工程について説明する。
前記円柱状積層体の外周表面にエッチング処理を施して前記2種以上の樹脂層のうちの少なくとも1種の樹脂層の一部を除去することにより、除去した樹脂層のうちの1種の樹脂層(A)の端面の少なくとも一部を含み且つ長手方向が前記樹脂層(A)の端面の長手方向と略平行である底面を有する溝部を備える凹凸構造を形成する。
本発明にかかるエッチング処理は、前記積層体の外周表面にエッチング処理を施して、前記2種以上の樹脂層のうちの少なくとも1種の樹脂層の一部を除去する処理である。この処理においては、各種樹脂層のうちエッチング速度が速い樹脂層から優先的にその一部が除去される。これにより、除去された樹脂層のうちの1種の樹脂層(A)の端面の少なくとも一部を含み且つ長手方向が前記樹脂層(A)の端面の長手方向と略平行である底面を有する溝部を備える凹凸構造が形成される。
また、前記エッチング処理においては、前記樹脂層(A)の一部を除去することにより、前記溝部の底面全体を前記樹脂層(A)の端面の少なくとも一部により形成させることが好ましく、前記溝部の底面の幅が前記樹脂層(A)の厚さと略同一となるように前記樹脂層(A)の一部を除去することがより好ましい。さらに、前記樹脂層(A)としては、前記2種以上の樹脂のうちのエッチング速度が最も速い樹脂により形成されたものが好ましい。
図6Aおよび図7Aは、2種類の樹脂層(A)と樹脂層(B)とを交互に備え、前記樹脂層の積層方向と略平行である回転軸を有する微細構造形成用母型の外周表面(図11における外周表面8)にエッチング処理を施す方法を模式的に示した図である。具体的には、樹脂層の積層方向(x軸方向)に略平行な外周表面(上面のxy平面)に対して、図6Aは、エッチング処理を施す前の円柱状積層体13の外周表面の断面図であり、図7Aは、エッチング処理を施した後の微細構造形成用母型13の外周表面の断面図である。なお、図6Aおよび図7A中のx軸方向は樹脂層の積層方向を示す。
図6Aに示すように、積層体13の外周表面(上面のxy平面)にエッチング処理を施すと、エッチング速度が速い樹脂により形成された樹脂層(A)の一部が選択的に除去され、図7Aに示すように、樹脂層(A)の端面を底面とする溝部および樹脂層(B)の端面を上面とする凸部を有する凹凸構造が積層体14の表面に形成され、目的とする微細構造形成用母型を得ることができる。図5A、図6Aおよび図7Aに示した製造方法は、前
記樹脂層の積層方向と略平行である回転軸を有する微細構造形成用母型の製造方法であるが、本発明の微細構造形成用母型の製造方法はこれに限定されるものではなく、例えば、前記樹脂層の積層方向と略垂直である回転軸を有する微細構造形成用母型、前記樹脂層の積層方向と90度以外の角度で交わる回転軸を有する微細構造形成用母型等も同様にして製造することができる。
また、3種以上の樹脂層を備える積層体にエッチング処理を施す場合も、樹脂層の種類が増加する点を除いて、2種類の樹脂層の場合と同様にエッチング処理を施すことができる。例えば、3種類の樹脂層(A)と樹脂層(B)と樹脂層(C)とを一定の周期で備える積層体にエッチング処理を施す場合、図6Bに示すように、積層体23の外周表面(上面のxy平面)にエッチング処理を施すと、樹脂層(B)を形成する樹脂に比べてエッチング速度が速い樹脂により形成された樹脂層(A)および樹脂層(C)の一部が選択的に除去され、図7Bに示すように、樹脂層(A)の端面を底面とする溝部、樹脂層(C)の端面を底面とする溝部および樹脂層(B)の端面を上面とする凸部を有する凹凸構造が積層体の外周表面に形成され、目的とする微細構造形成用母型24を得ることができる。このとき、樹脂層(A)を形成する樹脂が、樹脂層(C)を形成する樹脂に比べてエッチング速度が速い樹脂である場合には、図7Bに示すように、深さが異なる溝部が形成される。図5B、図6Bおよび図7Bに示した製造方法は、図4に示した微細構造形成用母型の製造方法であるが、本発明の微細構造形成用母型の製造方法はこれに限定されるものではない。
また、2種類の樹脂層(B)および樹脂層(C)を交互に備える部分と、2種類の樹脂層(A)および樹脂層(C)を交互に備える部分とを一定の周期で備える、3種類の樹脂により形成された3種類の樹脂層を備える積層体にエッチング処理を施す場合、図6Cに示すように、積層体33の上面のxy平面にエッチング処理を施すと、樹脂層(B)を形成する樹脂に比べてエッチング速度が速い樹脂により形成された樹脂層(A)および樹脂(C)の一部が選択的に除去され、図7Cに示すように、樹脂層(A)の端面を底面とする溝部、樹脂層(C)の端面を底面とする溝部および樹脂層(B)の端面を上面とする凸部を有する凹凸構造が積層体の表面に形成され、目的とする微細構造形成用母型34を得ることができる。このとき、樹脂層(A)を形成する樹脂が、樹脂層(C)を形成する樹脂に比べてエッチング速度が速い樹脂である場合には、図7Cに示すように、深さが異なる溝部が形成される。特に、2種類の樹脂層(B)および樹脂層(C)を交互に備える部分と2種類の樹脂層(A)および樹脂層(C)を交互に備える部分との境界部においては、階段状の凹凸構造が形成される。
このようにして形成される凹凸構造の溝部および凸部の幅は、樹脂層の厚さを調整することによって制御することができる。また、溝部の深さ(凸部の高さ)は、樹脂層を構成する樹脂のエッチング速度に応じてエッチング処理条件(特に、エッチング処理時間)を調整することによって制御することができる。
本発明にかかるエッチング処理方法としては、前記2種以上の樹脂層のうちの少なくとも1種の樹脂層の一部を除去して凹凸構造を形成できる方法であれば特に制限はなく、例えば、反応性ガスエッチング、ガスエッチング、反応性イオンエッチング、イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング、イオンビームエッチング、反応性レーザービームエッチングなどのドライエッチング処理、ディップ式ウェットエッチング、スプレー式ウェットエッチング、スピン式ウェットエッチングなどのウェットエッチング処理が挙げられる。このようなエッチング処理方法のうち、溝部の底面および凸部の上面に対して垂直な溝部の内壁(凸部の側面)を形成しやすいという観点から、イオンエッチング処理が好ましく、バレル式のプラズマエッチング処理がより好ましい。なお、エッチング処理条件については、樹脂層の種類に応じて適宜設定することができる。
(微細構造形成用母型)
本発明の微細構造形成用母型について説明する。
本発明における製造方法により得られた微細構造形成用母型は、円柱状の積層体である(図11)。前記円柱状積層体である微細構造形成用母型44の回転軸9まわりに回転させながら、前記積層体の外周表面8を基材に押し当てることにより、前記基材上に繰り返しパターンの微細構造を繋ぎ目なく広範囲に形成することができる。
図1〜3は、前記樹脂層の積層方向と略平行である回転軸を有する微細構造形成用母型の一実施形態における外周表面の断面図の概略図である。本発明の微細構造形成用母型について、図1〜3にそって、2種類の樹脂組成物により形成された2種類の樹脂層(A)および(B)を備える積層体からなる微細構造形成用母型を例にさらに詳細に説明する。
図1〜3に示した微細構造形成用母型において、樹脂層の積層方向、溝部の底面の長手方向および溝部の深さ方向は互いに直交しており、これらをそれぞれx軸方向、y軸方向、z軸方向とする。なお、図1〜3は弧を描く微細構造形成用母型の外周表面のごく一部の領域を簡略化して示すものであり、微細構造形成用母型の上面のxy平面が、本発明にかかる「外周表面」に該当する。通常、本発明において転写面となる外周表面は曲面であるが、図面では簡略化し平面とした。図1〜3に示した微細構造形成用母型においては、上面のxy平面に、直線状の溝部を備える凹凸構造が形成されているが、本発明の微細構造形成用母型は、これに限定されるものではなく、波線等の曲線状の溝部を有するものであってもよい。
また、図1〜3に示すように、前記溝部の底面は、2種類の樹脂層のうちの樹脂層(A)の端面の少なくとも一部を含むものである。さらに、前記樹脂層(A)の端面の長手方向は、前記溝部の底面の長手方向、すなわち、y軸方向と略平行である。
特に、図1に示した微細構造形成用母型においては、前記溝部の底面全体が樹脂層(A)の端面全体1により形成されたものであり、前記溝部の底面の幅(x軸方向の長さ)は前記樹脂層(A)の厚さ(x軸方向の長さ)と略同一である。また、凸部の上面全体が樹脂層(B)の端面全体2により形成されたものであり、前記凸部の上面の幅(x軸方向の長さ)は前記樹脂層(B)の厚さ(x軸方向の長さ)と略同一である。さらに、溝部の内壁(凸部の側壁)は樹脂層(B)のyz平面の一部3により形成されている。
また、図2に示した微細構造形成用母型においては、前記溝部の底面全体が樹脂層(A)の端面の一部1aにより形成されたものであり、前記溝部の底面の幅(x軸方向の長さ)は前記樹脂層(A)の厚さ(x軸方向の長さ)より小さくなっている。一方、凸部の上面については、その一部が樹脂層(B)の端面全体2により形成されたものであり、残りの部分は樹脂層(A)の端面の一部1bにより形成されたものであり、前記凸部の上面の幅(x軸方向の長さ)が前記樹脂層(B)の厚さ(x軸方向の長さ)より大きくなっている。また、溝部の内壁(凸部の側壁)は樹脂層(A)のyz平面の一部4により形成されている。
さらに、図3に示した微細構造形成用母型においては、前記溝部の底面のうちの一部が樹脂層(A)の端面全体1により形成され、残りの部分が樹脂層(B)の端面の一部2aにより形成されたものであり、前記溝部の底面の幅(x軸方向の長さ)が前記樹脂層(A)の厚さ(x軸方向の長さ)より大きくなっている。一方、凸部の上面については、その全体が樹脂層(B)の端面の一部2bにより形成されたものであり、前記凸部の上面の幅(x軸方向の長さ)が前記樹脂層(B)の厚さ(x軸方向の長さ)より小さくなっている。また、溝部の内壁(凸部の側壁)は樹脂層(B)のyz平面の一部3により形成されて
いる。
図1〜3に示した微細構造形成用母型の外周表面の一部のうち、溝部の底面および凸部の上面に対して垂直な溝部の内壁(凸部の側壁)が形成されやすいという観点から、図1〜2に示した微細構造形成用母型が好ましく、図1に示した微細構造形成用母型がより好ましい。
以上、本発明の微細構造形成用母型について、2種類の樹脂により形成された2種類の樹脂層(A)および(B)を備える積層体からなる母型を例に詳細に説明したが、本発明の微細構造形成用母型はこれに限定されるものではなく、3種以上の樹脂により形成された3種以上の樹脂層を備える積層体からなる母型も、樹脂層の種類が増加する点を除いて、その構成は2種類の樹脂層の場合と同様である。
例えば、図4には、3種類の樹脂層(A)、(B)および(C)を備える積層体からなる微細構造形成用母型の斜視図を示す。この微細構造形成用母型においては、底面全体が樹脂層(A)の端面全体1により形成された溝部に加えて、底面全体が樹脂層(C)の端面全体5により形成された溝部を備えているが、この点を除いて、溝部および凸部の構成などは、図1に示した2種類の樹脂層(A)および(B)を備える積層体からなる微細構造形成用母型と同様である。
本発明の微細構造形成用母型において、前記溝部の幅(実測値、図1〜4においては、x軸方向の長さの実測値)が50〜10000nmの範囲内にあることが好ましく、75〜9000nmの範囲内にあることがより好ましく、100〜8000nmの範囲内にあることが特に好ましい。また、前記凸部の幅(実測値、図1〜4においては、x軸方向の長さの実測値)としては特に制限はないが、50〜10000nmの範囲内にあることが好ましく、75〜9000nmの範囲内にあることがより好ましく、100〜8000nmの範囲内にあることが特に好ましい。さらに、隣接する前記凸部と前記溝部の幅の比(凸部/溝部、実測値の比)としては特に制限はないが、0.2〜5の範囲内にあることが好ましく、0.5〜3の範囲内にあることがより好ましい。また、前記凹凸構造の前記積層方向の長さ(実測値、図1〜4においては、x軸方向の長さの実測値)としては特に制限はないが、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、30mm以上であることがさらに好ましく、100mm以上であることがより特に好ましい。このようなサイズの溝部、凸部および凹凸構造を有する微細構造形成用母型は、上述した通り、従来の方法では簡便に形成することはできなかった。一方、本発明においては、前記溝部および前記凸部の幅は樹脂層の厚さを調整することによって、また、凹凸構造の積層方向の長さは、樹脂層の厚さや層数を調整することによって、容易に制御することができる。
本発明にかかる2種以上の樹脂層は、互いにエッチング速度が異なる樹脂組成物により形成されたものである。特に、前記樹脂層(A)としては、前記2種以上の樹脂層のうちのエッチング速度が最も速い樹脂組成物により形成されたものであることが好ましい。例えば、図1〜3に示した微細構造形成用母型においては、樹脂層(A)は、樹脂層(B)を形成する樹脂組成物に比べてエッチング速度が速い樹脂組成物により形成されたものである。また、図4に示した微細構造形成用母型においては、樹脂層(C)は、樹脂層(B)を形成する樹脂に比べてエッチング速度が速い樹脂組成物により形成されたものであり、樹脂層(A)は、樹脂層(B)および(C)を形成する樹脂組成物に比べてエッチング速度が速い樹脂により形成されたものである。このように、本発明においては、積層体を構成する樹脂層が、エッチング速度が異なる樹脂組成物により形成されているため、エッチング処理によって溝部が形成される。
本発明の微細構造形成用母型において、このような樹脂組成物のエッチング速度差は大きいことが好ましい。これにより、エッチング処理により容易に溝部を有する凹凸構造を形成することができる。さらに、前記溝部の深さを深くすることが可能となり、溝部の深さと幅との比(幅/深さ、以下、「アスペクト比」という)が大きい溝部を有する凹凸構造を形成することが可能となる。前記溝部の深さ(実測値、図1〜4においては、z軸方向の長さの実測値)としては特に制限はないが、10〜5000nmの範囲内にあることが好ましく、100〜2000nmの範囲内にあることがより好ましい。また、前記アスペクト比(幅/深さ、実測値の比)としては特に制限はないが、0.5〜10の範囲内にあることが好ましく、1〜5の範囲内にあることがより好ましい。本発明において、溝部の深さは、後述するように、樹脂層を形成する樹脂の組み合わせや、エッチング処理条件を調整することによって、容易に制御することができる。
本発明にかかる各種樹脂層を形成する樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1などのポリオレフィン、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン系重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリレート、スチレン/ポリ(メタ)アクリレート共重合体などのビニルモノマー重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカプロラクトンなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン系共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体、ポリフルオロ(メタ)アクリレート系重合体、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン/ビニルアルコール系共重合体、クロロトリフルオロエチレン/エチレン系共重合体、クロロトリフルオロエチレン/炭化水素系アルケニルエーテル系共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体やエチレン/アクリル酸共重合体の分子間をナトリウムやカリウム、亜鉛などの金属イオンで分子間結合したアイオノマーといった熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、前記各種樹脂層を構成する樹脂組成物には、前述の樹脂のほかに各種添加剤を添加することができる。必要に応じて滑り性やブロッキングを防止、防曇性を付与する目的で適宜、公知の滑剤や添加剤を付与してもよい。本発明はこれらに限定されるものではないが好ましい例として、滑り性やブロッキング防止では、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の有機系滑剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機系滑剤を挙げることができる。その添加量としては0.1〜5重量%が好適であり、通常マスターバッチの形
で加える。また、防曇性を付与する為には、既に公知の界面活性剤等を適宜、添加し使用することができる。
各種樹脂層のエッチング速度の制御には、各種樹脂層にそれぞれ異なる樹脂を用いる、各種樹脂層に用いる樹脂組成を変化させる、添加剤を加える、エッチングに用いるガス種を適宜選択する等の方法が挙げられる。また、上述の方法を適宜組み合わせて用いてもよい。
これらの方法のうち、各種樹脂層にそれぞれ異なる樹脂を用いる方法では、エッチング速度が異なり且つ互いの接着性が良好な2種以上の樹脂を選択して使用する。例えば、樹脂にベンゼン環などの剛直な構造があればエッチングの進行が抑制される。樹脂の組み合わ
せを適宜選択することによって、凹凸構造の溝部の深さを容易に制御することができる。また、容易に積層体を形成できるという観点から、融点が異なる樹脂を組み合わせて使用することが好ましい。このような樹脂の組み合わせ(前者が高エッチング速度)としては、エッチング速度差が大きいという観点から、例えば、エチレン/ビニルアルコール共重合体とナイロン6、エチレン/ビニルアルコール共重合体とアイオノマー、ナイロン6とアイオノマーといった組み合わせが好ましく、エチレン/ビニルアルコール共重合体とナイロン6といった組み合わせがより好ましい。
以上、本発明の微細構造形成用母型およびその製造方法の好適な実施態様を、溝部および凸部の長手方向の形状が直線状であり、溝部の断面形状がコの字型(溝部の底面と溝部の内壁とが垂直構造)であり、凸部の断面形状が逆コの字型(凸部の上面と凸部の側面とが垂直構造)である凹凸構造を例として説明したが、本発明の微細構造形成用母型は、このような凹凸構造のものに限定されるものではない。例えば、凹凸構造を形成する溝部および凸部の長手方向の形状としては、ラインアンドスペース型構造のような直線状(図8)の他、曲線状であってもよい。本発明の微細構造形成用母型は円柱状であるため、このような形状の微細構造を横方向(図8におけるY方向)に連続して形成することができる。
直線状(図8)の微細構造は樹脂層の積層方向と略平行である回転軸を有する微細構造形成用金型により形成することができるが、同様の積層構造を有する積層体を樹脂層の積層方向と略垂直である回転軸となる円柱状に加工した微細構造形成用金型の場合、図8をXY平面において90度回転させた微細構造を横方向(図8におけるX方向)に連続して形成することが可能となる。
また、溝部の断面形状としては、ラインアンドスペース型構造のようなコの字型(図7A)の他、U字型(溝部の底面が曲面(図9A、ただし、一部が平面になっているものも含む)、V字型(図9B)などであってもよい。さらに、凸部の断面形状としては、ラインアンドスペース型構造のような逆コの字型(図7A)の他、逆U字型(凸部の上面が曲面(一部が平面になっているものも含む)、図10A)、逆V字型(図10B)などであってもよい。また、本発明にかかる凹凸構造は、このような溝部および凸部の長手方向の形状および断面形状を適宜組み合わせたものであってもよい。
また、溝部の断面形状がU字型やV字型である凹凸構造や凸部の断面形状が逆U字型や逆V字型凹凸構造は、積層体の樹脂層の積層方向と略平行な外表面に、溝部や凸部の断面形状が所望の形状となるようにエッチング処理を施すことによって形成することができる。
(基材)
前記微細構造形成用金型により微細構造を形成する基材には、微細構造形成用金型に用いた樹脂によって変形可能な樹脂を用いることが好ましい。例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、UV硬化性樹脂、シリコーンゴム等のエラストマーおよびスピンオンガラス等が使用することができる。微細構造を転写する際に微細構造形成用金型に加熱が不要であるため、UV硬化性樹脂がより望ましい。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(厚さ測定)
多層フィルムの厚さは、デジタルマイクロメータ((株)ミツトヨ製 MDQ−30)
を用いて測定した。また、樹脂層の厚さについては、樹脂層の端面を共焦点レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9710 )を用いて観察し、得られた画像に基づいて、画像計測ソフト(Media Cybernetics社製 Image−Pro PLUS)を用いて測定した。
(実施例1)
<積層体形成工程>
ナイロン6(宇部興産(株)製「ウベナイロン1022B」、ガラス転移温度50℃、融点220℃、以下、「Ny6」と略す)とエチレン/ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製「エバールJ171B」、ガラス転移温度56℃、融点183℃、以下、「EvOH」と略す)とを押出機を用いてフィードブロック法により多層化し、最外層がNy6層である2種17層の多層フィルムAおよび最外層がEvOH層である2種17層の多層フィルムBをそれぞれ作製した。得られた多層フィルムAおよびBについては、それぞれに延伸処理を施して厚さを100μmに調整した。
前記多層フィルムA(250枚)と前記多層フィルムB(251枚)とを交互に積層し、真空加圧装置(北川精機(株)製 KVHC−PRESS)を用いて、圧着温度を95℃、圧着時間を2時間、圧着圧力を500MPaの条件で熱圧着することにより、最外層がEvOH層である2種8500層の積層体を得た。なお、熱圧着の際、圧着温度まで加熱しながら、真空度10Torrで真空プレスすることにより脱気処理を施した。
<円柱状加工工程>
前記積層体をウォータージェット装置(スギノマシン製 コンパクト・ウォータージェット加工機 Varuna)を用いて水圧300MPa、切断速度10cm/minの設定で積層体を半径2.5cm、高さ28mmの円柱状積層体に加工した。
<研磨処理>
得られた円柱状積層体の外周表面に、自動研磨機(Struers社製 Tegra−Force−5)および#800〜#4000の研磨紙を用いて、研磨速度400rpmで、研磨処理を施して、平滑な外周表面を形成させた。
<凹凸構造形成工程>
実施例1で得られた積層体の研磨処理を施した外表面に、プラズマクリーナー(Harrick Plasma社製 PDC−001)を用いてプラズマエッチング処理を施した。このプラズマエッチング処理は、内部圧力を1600Torrに調整した酸素とアルゴン(体積比=1:1)の混合ガス中、RF出力29.6W、5分間隔で円柱状積層体を90°回転させながら、外周表面全体に均等にプラズマ照射を行い(プラズマ照射時間合計40分間)、微細構造形成用母型を作製した。
図11に示す通り、作製した微細構造形成用母型に中心軸を通し回転体とした後、オプツールHD−1100TH(ダイキン工業株式会社製)で離型処理を行った。ポリカーボネートフィルムの上にUV硬化性樹脂(東洋合成工業株式会社製 PAK−02)を滴下し、フィルムの下側からUV光を照射しながら微細構造形成用母型を回転させた。微細構造形成用母型の底面の円周(15.7cm)以上の距離である約18cmの長さの微細構造形成用母型の外周表面のパターンを反転した微細構造をフィルム上に形成した。
微細構造形成後のフィルムを共焦点レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9710)により観察したところ、上記18cmの長さに形成された深さ約1.5μmの溝部をつぎ目なく形成されていることを確認した。
(実施例2)
<積層体形成工程>
Ny6とエチレン−メタクリル酸共重合体系樹脂(三井・デュポン ポリケミカル(株)
、ガラス転移温度43〜49℃、以下、「ION」と略す)とを押出機を用いてフィードブロック法により多層化し、最外層がNy6層であるNy6、ION2種17層の多層フィルムCを作製した。得られた多層フィルムCについては、多層フィルムA、多層フィルムBと同様に延伸処理を施して厚さを100μmに調整した。
多層フィルムC(60枚)と多層フィルムB(61枚)とを交互に積層し、真空加圧装置(北川精機(株)製 KVHC−PRESS)を用いて、圧着温度を95℃、圧着時間を10分、圧着圧力を500MPaの条件で熱圧着することにより、最外層がEvOH層である2種2057層の積層体を得た。なお、熱圧着の際、圧着温度まで加熱しながら、真空度10Torrで真空プレスすることにより脱気処理を施した。
<円柱状加工工程>
前記積層体をウォータージェット装置(株式会社スギノマシン製 コンパクト・ウォータージェット加工機 Varuna)を用いて水圧300MPa、切断速度10cm/minの設定で積層体を半径2.5cm、高さ13mmの円柱状積層体に加工した。
<研磨処理>
得られた円柱状積層体の外周表面に、自動研磨機(Struers社製「Tegra−Force−5」)および#800〜#4000の研磨紙を用いて、研磨速度400rpmで、研磨処理を施して、平滑な外表面を形成させた。
<凹凸構造形成工程>
実施例1で得られた積層体の研磨処理を施した外表面に、プラズマクリーナー(Harrick Plasma社製 PDC−001)を用いてプラズマエッチング処理を施した。このプラズマエッチング処理は、内部圧力を1600Torrに調整した酸素とアルゴン(体積比=1:1)の混合ガス中、RF出力29.6W、5分間隔で円柱状積層体を90°回転させながら、外周表面全体に均等にプラズマ照射を行い(プラズマ照射時間合計40分間)、微細構造形成用母型を作製した。
図11に示す通り、作製した微細構造形成用母型に中心軸を通し回転体とした後、オプツールHD−1100TH(ダイキン工業製)で離型処理を行った。ポリカーボネートフィルムの上にUV硬化性樹脂(東洋合成工業株式会社製 PAK−02)を滴下し、フィルムの下側からUV光を照射しながら微細構造形成用母型を回転させた。微細構造形成用母型の底面の円周(15.7cm)以上の距離である約20cmの長さの微細構造形成用母型の外周表面のパターンを反転した微細構造をフィルム上に形成した。
微細構造形成後のフィルムを共焦点レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9710)により観察したところ、上記微細構造において凸部となるEvOH層に対し、Ny6層が深さ約1.7μmの溝部の底面となり、ION層が深さ約2.0μmの溝部の底面となり、それらの溝部が全長20cmにおいて継ぎ目なく形成されていることを確認した。
(実施例3)
<積層体形成工程>
Ny6とEvOHとを押出機を用いてフィードブロック法により多層化し、最外層がNy6層である2種17層の多層フィルムAおよび最外層がEvOH層である2種17層の多層フィルムBをそれぞれ作製した。得られた多層フィルムAおよびBについては、それぞれに延伸処理を施して厚さを100μmに調整した。
多層フィルムA(300枚)と多層フィルムB(301枚)とを交互に積層し、真空加圧装置(北川精機(株)製 KVHC−PRESS)を用いて、圧着温度を95℃、圧着時
間を2時間30分、圧着圧力を500MPaの条件で熱圧着することにより、最外層がEvOH層である2種10217層の積層体を得た。なお、熱圧着の際、圧着温度まで加熱しながら、真空度10Torrで真空プレスすることにより脱気処理を施した。
<円柱状加工工程>
前記積層体をウォータージェット装置(株式会社スギノマシン製 コンパクト・ウォータージェット加工機 Varuna)を用いて水圧300MPa、切断速度10cm/minの設定で積層体を半径2.5cm、高さ35mmの円柱状積層体に加工した。
<研磨処理>
得られた円柱状積層体の外周表面に、自動研磨機(Struers社製 Tegra−Force−5)および#800〜#4000の研磨紙を用いて、研磨速度400rpmで、研磨処理を施して、平滑な外表面を形成させた。
<凹凸構造形成工程>
実施例3で得られた積層体の研磨処理を施した外表面に、プラズマクリーナー(Harrick Plasma社製 PDC−001)を用いてプラズマエッチング処理を施した。このプラズマエッチング処理は、内部圧力を1600Torrに調整した酸素とアルゴン(体積比=1:1)の混合ガス中、RF出力29.6W、5分間隔で円柱状積層体を90°回転させながら、外周表面全体に均等にプラズマ照射を行い、プラズマ照射時間合計40分間の条件でおこない、微細構造形成用母型を作製した。
図11に示す通り、作製した微細構造形成用母型に中心軸を通し回転体とした後、オプツールHD−1100TH(ダイキン工業製)で離型処理を行った。ポリカーボネートフィルムの上にUV硬化性樹脂(東洋合成工業株式会社製 PAK−02)を滴下し、フィルムの下側からUV光を照射しながら微細構造形成用母型を回転させた。微細構造形成用母型の底面の円周(15.7cm)以上の距離である約18.5cmの長さの微細構造形成用母型の外周表面のパターンを反転した微細構造をフィルム上に形成した。
微細構造形成後のフィルムを共焦点レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9710)により観察したところ、上記18cmの長さに形成された深さ約1.6μmの溝部をつぎ目なく形成されていることを確認した。
(比較例1)
<積層体の作製>
Ny6とEvOHとを押出機を用いてフィードブロック法により多層化し、最外層がNy6層である2種17層の多層フィルムAおよび最外層がEvOH層である2種17層の多層フィルムBをそれぞれ作製した。得られた多層フィルムAおよびBについては、それぞれに延伸処理を施して厚さを100μmに調整した。
前記多層フィルムA(250枚)と前記多層フィルムB(251枚)とを交互に積層し、真空加圧装置(明昌機工(株)製 NM−0401)を用いて、圧着温度95℃、圧着時間2時間、圧着圧力500MPaの条件で熱圧着することにより、最外層がEvOH層である2種8500層の積層体を得た。なお、熱圧着の際、圧着温度まで加熱しながら、真空度10Torrで真空プレスすることにより脱気処理を施した。
<研磨処理>
得られた積層体の積層方向と平行な外表面の1つに、自動研磨機(Struers社製Tegra−Force−5)および#800〜#4000の研磨紙を用いて、研磨速度400rpmで、研磨処理を施して、平滑な外表面を形成させた。
<凹凸構造形成工程>
比較例1で得られた積層体の研磨処理を施した外表面(縦28mm、横50mm)に、プラズマクリーナー(Harrick Plasma社製 PDC−001)を用いてプラズマエッチング処理を施した。このプラズマエッチング処理は、内部圧力を1600Torrに調整した酸素とアルゴン(体積比=1:1)の混合ガス中、RF出力29.6W、プラズマ照射時間60分の条件で行ない、微細構造形成用母型を作製した。
作製した微細構造形成用母型に、オプツールHD−1100TH(ダイキン工業株式会社
製)で離型処理を行った。ポリカーボネートフィルムの上にUV硬化性樹脂(東洋合成工
業株式会社製 PAK−02)を滴下し、フィルムの下側からUV光を照射しながら、転写される微細構造が連続するように転写位置を変更しながら、微細構造形成用母型を4回おしあて、約20cmの長さの微細構造形成用母型のパターンを反転した微細構造をフィルム上に形成した。
微細構造形成後のフィルムを共焦点レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9710)により観察したところ、深さ約1.6μmの溝部が約20cm形成されているものの、微細構造形成用母型の横幅である50mmごとに、つぎ目(溝部の断裂、溝部の幅の変化、位置ずれ等)があることが確認された。
これらの結果から明らかなように、実施例1で得られた積層体のNy6層とEvOH層の厚さが、それぞれ凹凸構造の溝部と凸部の幅にほぼ一致しており、交互に積層する多層フィルムの枚数を増加して積層方向と平行な外周表面の面積が増大した積層体を形成し、前記外周表面にエッチング処理を施すことによって、積層体の各樹脂層の厚さに対応した幅を有する溝部と凸部を備える大面積の微細な凹凸構造を有する微細構造形成用母型を製造できることが確認された。したがって、このような大面積かつ微細な凹凸構造を有する微細構造形成用母型を製造できたことから、大面積かつ微細な凹凸構造を有する各種部材をナノインプリントで製造できると考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、溝部の幅が100nm以下の微細な凹凸構造だけでなく、さらに広い幅(好ましくは100〜10000nm)の溝部を有する微細な凹凸構造を、つぎ目なく、大面積で形成することができる微細構造形成用母型を得ることができる。
本発明の微細構造形成用母型は、各種部材に微細な凹凸構造を所望の範囲に広く形成することができるため、たとえば、導光板、偏光板、偏光素子、カラーフィルター、拡散板、回折格子、反射防止膜といった大面積の微細な凹凸構造を備える光学部材、バイオチップなどを高精度で製造することが可能となる。
1:樹脂層(A)の端面全体
1a、1b:樹脂層(A)の端面の一部
2:樹脂層(B)の端面全体
2a、2b:樹脂層(B)の端面の一部
3:樹脂層(B)のyz平面の一部
4:樹脂層(A)のyz平面の一部
5:樹脂層(C)の端面全体
6:溝部の底面
7:凸部の上面
8:外周表面(凹凸構造を図示せず)
9:中心軸(回転軸)
11、12、21、22、31、32:多層フィルム
13、23、33:積層体
14、24、34、44:微細構造形成用母型
A:樹脂層(A)
B:樹脂層(B)
C:樹脂層(C)

Claims (10)

  1. 2種以上の樹脂層を備える積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体を円柱状積層体に加工する円柱状加工工程と、
    前記円柱状積層体の外周表面にエッチング処理を施して前記2種以上の樹脂層のうちの少なくとも1種の樹脂層の一部を除去することにより、除去した樹脂層のうちの1種の樹脂層(A)の端面の少なくとも一部を含み且つ長手方向が前記樹脂層(A)の端面の長手方向と略平行である底面を有する溝部を備える凹凸構造を形成する凹凸構造形成工程と、を含むことを特徴とする微細構造形成用母型の製造方法。
  2. 前記エッチング処理により除去される前記樹脂層の厚さが50〜10000nmの範囲内にあり、前記積層体の積層方向の長さが10mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の微細構造形成用母型の製造方法。
  3. 前記エッチング処理において、前記樹脂層(A)の一部を除去することにより、前記溝部の底面全体を前記樹脂層(A)の端面の少なくとも一部により形成させることを特徴とする請求項1または2に記載の微細構造形成用母型の製造方法。
  4. 前記エッチング処理において、前記溝部の底面の幅が前記樹脂層(A)の厚さと略同一となるように前記樹脂層(A)の一部を除去することを特徴とする請求項3に記載の微細構造形成用母型の製造方法。
  5. 前記樹脂層(A)が、前記2種以上の樹脂層のうちのエッチング速度が最も速い樹脂組成物により形成された樹脂層であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の微細構造形成用母型の製造方法。
  6. 2種以上の樹脂層を備える円柱状積層体からなり、
    該円柱状積層体の外周表面に、溝部を備える凹凸構造を有し、
    前記溝部の底面が、前記2種以上の樹脂層のうちの1種の樹脂層(A)の端面の少なくとも一部を含むものであり、
    前記溝部の底面の長手方向が前記樹脂層(A)の端面の長手方向と略平行であることを特徴とする微細構造形成用母型。
  7. 前記溝部の幅が50〜10000nmの範囲内にあり、前記凹凸構造の前記積層方向の長さが10mm以上であることを特徴とする請求項6に記載の微細構造形成用母型。
  8. 前記溝部の底面全体が、前記樹脂層(A)の端面の少なくとも一部であることを特徴とする請求項6または7に記載の微細構造形成用母型。
  9. 前記溝部の底面の幅が前記樹脂層(A)の厚さと略同一であることを特徴とする請求項8に記載の微細構造形成用母型。
  10. 前記樹脂層(A)が、前記2種以上の樹脂のうちのエッチング速度が最も速い樹脂により形成されたものであることを特徴とする請求項6〜9のうちのいずれか一項に記載の微細構造形成用母型。
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