JP2014076161A - 膀胱留置カテーテル - Google Patents

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Junya Kojima
潤也 小島
Takanobu Ishizuka
隆伸 石塚
Hiroaki Kasukawa
博明 粕川
Toshiaki Takagi
俊明 高木
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Abstract

【課題】先端部を膀胱内に留置した状態で膀胱内の所定の領域に薬剤を供給することができる膀胱留置カテーテルを提供する。
【解決手段】バルーン2は後部8の一部に凹部9を形成して拡張し、カテーテル本体1の基端部から先端部近傍まで送液された薬液を外部に放出する薬液放出口13が、拡張されたバルーン2の凹部9内に配置されることにより、薬液放出口13から放出される薬液の拡散を抑制する。
【選択図】図2

Description

この発明は、膀胱留置カテーテルに係り、特に、先端部近傍に配置されたバルーンを膀胱内で拡張することにより先端部が膀胱内に留置される膀胱留置カテーテルに関する。
従来から、医療分野において、例えば、膀胱腫瘍切除の手術後または全身麻酔を用いた手術後などにおいて、膀胱内に溜まった尿や血液を排出するための膀胱留置カテーテルが利用されている。膀胱留置カテーテルは、尿道を介して先端部が膀胱内に挿入された後、先端部近傍に拡張可能に配置されたバルーンを膀胱内で大きく拡張させることにより、その先端部が膀胱内に留置される。膀胱留置カテーテルの先端部が膀胱内に留置されることで、先端部近傍に形成された尿排出孔から基端部まで延びる尿排出路を介して、膀胱内に溜まった尿などを体外に排出する。
このように、膀胱留置カテーテルを膀胱内に留置することにより、膀胱内に溜まった尿などを長期間にわたって自動的に排出することができる。
近年では、膀胱留置カテーテルは、尿道等の疾患を治療する目的でも利用されている。例えば、特許文献1には、加熱された流体が供給される流体リザーバを中間部に有する膀胱留置カテーテルが開示されている。この膀胱留置カテーテルでは、先端部が膀胱内に留置された際に、流体リザーバが尿道内に位置するように設計されており、流体リザーバ内に加熱された流体を供給して尿道を温めることにより、慢性骨盤痛症候群などの症状を緩和することができる。さらに、膀胱留置カテーテルには、加熱された流体を膀胱内に供給するための流体供給口が先端部近傍に形成されており、加熱された流体を供給して膀胱組織を温めることにより、尿道疾患の症状をさらに緩和することができる。
特許第4602322号
このように、膀胱留置カテーテルは、手術後の尿排出や疾患治療など、幅広い目的で利用されている。しかしながら、膀胱留置カテーテルを留置した際に膀胱などが刺激されて、患者が高い頻度で不快を感じることが問題となっている。一般的に、前述の手術後において、膀胱留置カテーテルは、数時間から30日間と長期間にわたって留置されるため、患者は長期間にわたって不快を感じることになる。
この膀胱留置カテーテルの留置による不快感は、頻尿、尿意逼迫、尿失禁および痛みなど過活動膀胱(OAB)に類似した症状が認められている。現在、過活動膀胱の症状を緩和する方法としては、例えば、抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬、α1アドレナリン遮断薬、平滑筋弛緩薬および三環系抗うつ薬の経口摂取、レジニフェラトキシの膀胱投与、またはボツリヌス毒素の膀胱壁内投与などが知られている。しかしながら、これらの方法では、膀胱留置カテーテルの留置による不快感を大きく改善することができないのが現状である。
ここで、図12に示す膀胱Bにおいて、膀胱底部および下側壁の粘膜固有層には自律神経がほぼ存在しない一方で、内尿道口Iに近づくに従って知覚神経が増加し、膀胱三角部T付近では多数の知覚神経が集合して神経叢が形成されている。膀胱留置カテーテルの先端部が膀胱内に留置された時には、拡張されたバルーンが膀胱三角部T付近に位置しており、膀胱留置カテーテルの留置による不快感には、バルーンなどが膀胱三角部Tに接触することが大きく関わっていると考えられる。
このため、膀胱留置カテーテルを留置した際に、膀胱Bの膀胱三角部Tに局所麻酔薬や過活動膀胱の治療で用いられる薬などを集中的に投与することにより、患者の不快感を大きく低減できるものと考えられる。しかしながら、例えば、特許文献1に記載の膀胱留置カテーテルでは、カテーテル本体に流体供給口が形成されているが、この流体供給口から薬剤を放出しても膀胱B内の所定の領域に薬剤を投与することができず、膀胱Bの内尿道口I付近に広がる膀胱三角部Tに対して、薬剤を効果的に投与することが困難である。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、先端部を膀胱内に留置した状態で膀胱内の所定の領域に薬剤を供給することができる膀胱留置カテーテルを提供することを目的とする。
この発明に係る膀胱留置カテーテルは、膀胱内において拡張されるバルーンをカテーテル本体の先端部近傍に配置した膀胱留置カテーテルであって、前記バルーンは、後部の一部に凹部を形成して拡張するとともに、前記カテーテル本体の先端部近傍が前記凹部内を通るように配置され、且つ、基端部から先端部近傍まで送液された薬液を外部に放出する薬液放出口が前記バルーンの前記凹部内に配置されるものである。
また、前記バルーンが膀胱内で拡張された時に、前記凹部は膀胱三角部の一部を覆うように形成するのが好ましい。また、前記凹部は、後方に向かって拡がるように傾斜した側面を有するのが好ましい。
また、前記バルーンは、前記凹部から前部に向かって延びる複数の溝を側部に形成して拡張し、前記薬液放出口から前記凹部内に放出された薬液の一部を前記複数の溝を介して前方に供給することができる。また、前記バルーンは、前記凹部から側部の所定の位置まで延びる複数の溝を形成して拡張し、前記薬液放出口から前記凹部内に放出された薬液の一部を前記複数の溝を介して所定の位置に供給してもよい。
また、前記薬液放出口は、逆止弁構造を有することができる。また、前記薬液放出口は伸縮性を有する放出口シールで覆われ、薬液が送液される一定の圧力が前記放出口シールに加わることにより前記放出口シールが変形し、前記薬液放出口から薬液を放出させてもよい。
また、前記カテーテル本体は、基端部から前記薬液放出口まで延びて薬液を送液するための薬液送液路を有し、前記薬液送液路を送液される薬液を尿道内に放出するための少なくとも1つの尿道内薬液放出口を形成することができる。また、前記カテーテル本体は、基端部から前記薬液放出口まで延びて薬液を送液するための薬液送液路と、基端部から中間部まで延びて薬液を送液するための尿道内薬液送液路とを有し、前記尿道内薬液送液路と外部とを連通して薬液を尿道内に放出するための少なくとも1つの尿道内薬液放出口を形成してもよい。
この発明によれば、バルーンが後部の一部に凹部を形成して拡張すると共に薬液放出口から放出される薬液が拡散しないように薬液放出口が拡張されたバルーンの凹部内に配置されるので、先端部を膀胱内に留置した状態で膀胱内の所定の領域に薬剤を供給することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る膀胱留置カテーテルの構成を示す図である。 実施の形態1に係る膀胱留置カテーテルの先端部近傍の構成を示す断面図である。 実施の形態1の膀胱留置カテーテルの先端部近傍の構成を示す図である。 膀胱内に留置された膀胱留置カテーテルの様子を段階的に示す図である。 実施の形態2に係る膀胱留置カテーテルの先端部近傍の構成を示し、(A)は斜視図、(B)は横断面図である。 実施の形態2の変形例に係る膀胱留置カテーテルの先端部近傍の構成を示す図である。 実施の形態3に係る薬液放出口の構成を示し、(A)は上面図、(B)は横断面図である。 実施の形態3の変形例に係る薬液放出口の構成を示す断面図である。 実施の形態3の変形例に係る膀胱留置カテーテルの先端部近傍の構成を示す図である。 実施の形態4に係る膀胱留置カテーテルの先端部近傍の構成を示す断面図である。 実施の形態4の変形例に係る膀胱留置カテーテルの先端部近傍の構成を示す断面図である。 膀胱内における膀胱三角部の位置を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る膀胱留置カテーテルの構成を示す。この膀胱留置カテーテルは、カテーテル本体1と、カテーテル本体1の先端部近傍に拡張可能に配置されたバルーン2とを有する。
カテーテル本体1は、尿道を介して先端部が膀胱内に挿入されるもので、細長く延びたシャフト3を備え、その先端部近傍の側部には膀胱内に溜まった尿などを排出するための尿排出孔4が形成されている。また、シャフト3の基端部には、尿排出孔4から流入する尿を体外へ排出するための尿排出用ポート5と、バルーン2を拡張させる拡張液を注入するための拡張液用ポート6と、膀胱の治療を行う薬液を注入するための薬液用ポート7とが配置されている。
ここで、シャフト3は、弾性を有する素材から構成することができ、例えば、熱可塑性エラストマー、ラテックス(天然ゴム)、シリコン、および合成ゴムなどから構成することができる。また、拡張液用ポート6からの拡張液の注入および薬液用ポート7からの薬液の注入は、例えば、シリンジ、インデフレーターおよびシリンジポンプなどを用いて行うことができる。
また、薬液は、膀胱留置カテーテルを膀胱内に留置することによる不快感を緩和するものを使用することができ、例えば、局所麻酔薬(ロピバカイン塩酸塩、ブピバカイン塩酸塩、リドカイン塩酸塩)、抗コリン薬(オキシブチニン塩酸塩、酒石酸トルテロジン、プロピベリン塩酸塩)、アドレナリン受容体作動薬(ミラベグロン)、筋弛緩剤(フルボキサート塩酸塩)、および抗炎症剤(ジクロフェナクナトリウム)などを用いることができる。また、薬液は、懸濁液などの液体として供給、あるいは、ゼリーや粘性液などのゲル状態として供給することができる。また、拡張液は、滅菌水や生理食塩水などを使用することができる。
図2に、カテーテル本体1の先端部近傍に配置されたバルーン2が拡張された状態を示す。バルーン2は、シャフト3の外周面を囲むように配置され、その後部8の一部に凹部9が形成されている。この凹部9は、膀胱B内においてバルーン2が拡張された時に、膀胱三角部Tの一部に対向してその領域を覆うような位置および大きさに形成される。また、凹部9は、後方に向かって拡がるように傾斜した側面15を有する。そして、凹部9の中央部を通るように、シャフト3の先端部近傍が配置されている。
なお、バルーン2は、拡張性を有する素材から構成することができ、熱可塑性エラストマー、ラテックス(天然ゴム)、シリコン、および合成ゴムなどから構成することができる。
シャフト3の内部には、尿排出孔4から尿排出用ポート5まで延びて、尿排出孔4から流入される尿を尿排出用ポート5へと導く尿排出路10が形成されている。また、シャフト3には、バルーン2の内側に拡張液を送出するための拡張液送出口11が先端部近傍の側部に形成されると共に、拡張液用ポート6から拡張液送出口11まで延びて拡張液用ポート6から注入される拡張液を拡張液送出口11へと送液するための拡張液送液路12が内部に形成されている。拡張用ポート6から注入された拡張液が拡張液送出口11からバルーン2内に供給されることにより、バルーン2を膀胱内において内尿道口より大きく拡張させることができる。
さらに、シャフト3には、薬液を外部に放出するための薬液放出口13が先端部近傍の側部に形成されると共に、薬液用ポート7から薬液放出口13まで延びて薬液用ポート7から注入される薬液を薬液放出口13へと送液するための薬液送液路14が内部に形成されている。ここで、薬液放出口13は、外部に放出された薬液が広く拡散しないように、拡張されたバルーン2の凹部9内に位置するように形成されている。なお、薬液放出口13は、膀胱内に溜まった尿が薬液送液路14内に流入するのを抑制する逆流防止機構を備えるのが好ましい。
このように、シャフト3は、尿排出路10、拡張液送液路12および薬液送液路14がそれぞれ形成された3Wayのものが使用される。
このようにして、図3に示すように、拡張液用ポート6から注入された拡張液が拡張液送出口11を介してバルーン2内に送出されることにより、バルーン2が拡張され、続いて薬液用ポート7から注入された薬液が薬液放出口13を介して、バルーン2の後部に形成された凹部9内に放出される。
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
まず、図1に示すように、膀胱留置カテーテルは、カテーテル本体1の先端部近傍に配置されたバルーン2がシャフト3に沿って折りたたまれた状態で、その先端部が被験者の尿道内に挿入されていく。そして、図4(A)に示すように、膀胱留置カテーテルの先端部が膀胱内まで挿入され、その先端部近傍に配置されたバルーン2も膀胱内に位置される。
続いて、図2に示すように、拡張液用ポート6から拡張液が注入され、拡張液送液路12を介して送液された拡張液が拡張液送出口11からバルーン2内へと供給される。バルーン2内に拡張液が供給されることにより、バルーン2は、図4(B)に示すように、膀胱B内において内尿道口Iよりも大きく拡張される。また、バルーン2の拡張に伴ってバルーン2の後部に凹部9が形成される。そして、バルーン2が所定の大きさまで拡張されると、拡張液用ポート6からの拡張液の注入が停止される。
このように、バルーン2が、膀胱Bの内尿道口Iよりも大きく拡張することにより、膀胱留置カテーテルの先端部を膀胱B内に留置することができる。また、内尿道口Iよりも大きく拡張されたバルーン2の後部8が、内尿道口Iを堰き止めるように配置されることにより、膀胱B内に溜まった尿が内尿道口Iを通って尿道U内に流入するのを防ぐことができる。さらに、シャフト3の側部が内尿道口Iの一部に当接され、膀胱B内に溜まった尿が尿道U内に流入するのを抑制することができる。
膀胱留置カテーテルの先端部が膀胱B内に留置されると、膀胱B内に溜まった尿などがシャフト3の先端部近傍に形成された尿排出孔4に流入し、尿排出路10に導かれて尿排出用ポート5から尿が自動的に体外へと排出される。
このように、膀胱留置カテーテルを膀胱内に留置することにより、例えば、膀胱腫瘍切除の手術後や全身麻酔を用いた手術後において排尿が困難な場合などに、膀胱内に溜まった尿を長期間にわたって自動的に体外に排出することができる。
ここで、図4(B)に示すように、膀胱Bの膀胱三角部Tは内尿道口I付近に位置するため、膀胱留置カテーテルの先端部が膀胱内に留置された状態では、拡張されたバルーン2が膀胱Bの膀胱三角部Tを覆うように位置することになる。このため、バルーン2の表面が、知覚神経を多数有する膀胱三角部Tに接触して、患者が不快を感じてしまう。
そこで、薬液用ポート7から薬液が注入される。注入された薬液は、薬液送液路14を介して送液され、図4(C)に示すように、薬液放出口13から膀胱B内に放出される。この時、薬液放出口13は、バルーン2の後部に形成された凹部9内に位置されている。この凹部9は、膀胱Bの内尿道口I付近において、膀胱三角部Tの一部を含む一定の領域に対向して、その領域を上から覆うように配置される。このため、薬液放出口13から放出された薬液は、膀胱三角部Tの一部を含む一定の領域と凹部9との間で閉じ込められた状態となり、薬液がその領域以外に広く拡散するのを抑制することができる。このように、膀胱三角部の一部を含む一定の領域に薬液を閉じ込めることにより、薬液放出口13から放出された薬液をその領域のみに限定的に投与することができる。また、凹部9は、後方に向かって側面15が拡がるように形成されており、薬液の移動を阻害せずに、膀胱三角部Tに向かってスムーズに薬液を投与することができる。なお、内尿道口Iはシャフト3の側部が当接しており、内尿道口Iに薬液が流入するのを抑制している。
このようにして、薬液放出口13から放出された薬液を膀胱三角部Tに多数存在する知覚神経に直接的に投与することができ、膀胱留置カテーテルの留置に伴う患者の不快感を効果的に抑制することができる。また、膀胱三角部Tを狙って薬液が投与されるため、余分な薬液を膀胱B内に放出することがなく、少ない薬液量で患者の不快感を抑制することができる。
なお、薬液は、例えば、患者が不快を感じた時に薬液用ポート7にシリンジ等を接続して間欠投与してもよく、また、薬液用ポート7にシリンジポンプ等を接続して一定圧で制御することで持続投与することもできる。
このようにして、患者の不快感を抑制しつつ、膀胱Bに溜まった尿を長期間にわたって体外に排出することができる。
所定の期間が経過して治療が完了した時点で、拡張液用ポート6から拡張液がシリンジ等で抜き取られ、バルーン2が、図4(A)に示す状態に折りたたまれる。そして、尿道Uを介して膀胱留置カテーテルが患者の体内から抜去される。
本実施の形態によれば、膀胱三角部Tの一部を含む領域を覆うように形成された凹部9内に薬液放出口13を配置することにより、薬液放出口13から放出された薬液を膀胱三角部の一部を含む一定の領域との間で閉じ込めてその領域のみに薬液を限定的に投与することができ、膀胱留置カテーテルの留置に伴う被験者の不快感を効果的に抑制することができる。
実施の形態2
図5(A)および(B)に、実施の形態2に係る膀胱留置カテーテルの先端部近傍の構成を示す。この膀胱留置カテーテルは、実施の形態1で用いられたバルーン2に対して、凹部9から前部21に向かって延びる複数の溝22が側部23に形成されたバルーン24を有するものである。
このようなバルーン24をシャフト3の先端部近傍に配置した膀胱留置カテーテルを膀胱内に留置する際には、実施の形態1と同様にして、膀胱留置カテーテルの先端部が膀胱B内に挿入され、拡張液の供給によりバルーン24が拡張される。これにより、図5(A)および(B)に示すように、バルーン2の後部に凹部9が形成されると共に、バルーン24の側部23において、凹部9から前部21に向かって延びる複数の溝22が形成される。この拡張されたバルーン24の後部8が膀胱B内の内尿道口Iを堰き止めるように配置されることにより、膀胱留置カテーテルの先端部が膀胱B内に留置され、その先端部近傍に形成された尿排出孔4を介して膀胱B内に溜まった尿を体外に排出することができる。
この時、拡張されたバルーン24の表面が膀胱Bの膀胱三角部Tに接触して被験者が不快を感じないように、シャフト3の内部に形成された薬液送液路14を介して薬液が送液され、薬液放出口13から薬液が放出される。ここで、薬液放出口13は、バルーン24の後部に形成された凹部9内に位置されている。この凹部9は、膀胱三角部Tの一部を含む一定の領域を覆うように配置されているため、薬液放出口13から放出された薬液をその領域との間で閉じ込めて、膀胱段各部Tに向けて集中的に多くの薬液を投与することができる。また、薬液放出口13から放出された薬液の一部は、バルーン24の凹部9から前部21に向かって形成された複数の溝22に沿って移動され、例えば膀胱三角部T以外で膀胱留置カテーテルの留置に伴う不快感に影響する領域に対しても薬液を効果的に投与することができる。
このようにして、膀胱留置カテーテルの留置に伴う患者の不快感を抑制しつつ、膀胱B内に溜まった尿を長期間にわたって体外に排出することができる。
本実施の形態によれば、薬液放出口13から放出された薬液の一部を複数の溝22に沿って移動させるため、膀胱三角部Tに対して集中的に薬液を投与すると共にそれ以外の所望の領域に対しても一部の薬液を投与することができ、膀胱留置カテーテルの留置に伴う被験者の不快感をより効果的に抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、バルーン24の凹部9から前部21まで複数の溝22が形成されたが、薬液放出口13から放出された薬液の一部を所望の領域に移動させることができればよく、これに限定されるものではない。
例えば、図6に示すように、バルーン24は、凹部9から側部23の所定の位置まで延びる複数の溝25を形成するように拡張され、薬液放出口13から凹部9内に放出された薬液の一部を複数の溝25を介して所定の位置に投与することができる。
また、上記の実施の形態では、複数の溝がバルーン24の周囲を囲むように形成されているが、バルーン24の側部の一部において凹部9から前部21に延びる複数の溝を形成することもできる。
実施の形態3
実施の形態1および2において、薬液放出口13は、膀胱内に溜まった尿が薬液送液路14内に流入するのを抑制する逆流防止機構を備えることができる。
例えば、図7(A)および(B)に示すように、実施の形態1の薬液放出口13において、その開口部に外部方向にのみ変形可能な逆止弁31を逆流防止機構として備えることができる。すなわち、薬液送液路14から薬液放出口13に向かって薬液が送液されない時には逆止弁31は閉じられているのに対し、薬液送液路14から薬液放出口13に向かって薬液が送液された時にはその圧力により逆止弁31が外部に向かって変形する。そして、逆止弁31が変形することにより薬液放出口13が開放され、薬液が薬液放出口13から外部に放出される。このように、逆止弁31は、薬液の放出時にのみ外部に向かって開放され、内側には開かないように構成されているため、膀胱B内の尿が薬液送液路14内に流入することを抑制することができる。
また、図8に示すように、実施の形態1の薬液放出口13において、その開口部を伸縮性を有する放出口シール32で覆うことで逆流防止機構を構成することができる。この放出口シール32は、シャフト3に密着することにより、膀胱B内の尿が薬液送液路14内に流入することを抑制している。そして、薬液送液路14内に薬液が注入されて一定の圧力が放出口シール32に加わることにより放出口シール32が変形し、これにより薬液放出口13が密閉状態から開放される。薬液放出口13が開放されることにより、図9に示すように、薬液放出口13から送出された薬液は、シャフト3に沿って移動し、バルーン2の凹部9内に放出される。
このようにして、薬液放出口13から凹部9内に放出された薬液は、膀胱三角部Tの一部を含む一定の領域と凹部9との間で閉じ込められ、薬液を膀胱三角部Tの一部を含む領域に限定的に投与して膀胱留置カテーテルの留置に伴う被験者の不快感を効果的に抑制することができる。
さらに、薬液放出口13の逆流防止機構は、例えば1nmから10μmの微小な大きさの複数の孔を有する膜素材から構成することもできる。すなわち、膜素材の孔径を10μm以下とすることで膀胱B内の尿が薬液放出口13から薬液送液路14内に流入するのを防ぐことができ、孔径を1nm以上とすることで薬液が放出される際の流通が遮断されるのを抑制することができる。ここで、膜素材としては、精密ろ過や限外ろ過などに利用されるような多孔膜あるいは透析膜を用いることができる。
実施の形態4
上記の実施の形態1〜3では、薬液は薬液放出口から膀胱内のみで放出されたが、膀胱と尿道の両方に薬液を放出することもできる。
例えば、図10に示すように、実施の形態1の膀胱留置カテーテルにおいて、シャフト3の中間部に薬液送液路14と外部を連通する少なくとも1つの尿道内薬液放出口41を形成することができる。これにより、薬液送液路14を送液された薬液は、シャフト3の先端部近傍に形成された薬液放出口13から膀胱B内に放出されると共に、シャフト3の中間部に形成された尿道内薬液放出口41から尿道U内に放出される。このように、膀胱Bと尿道Uの両方に薬液を投与することにより、膀胱留置カテーテルの留置に伴う被験者の不快感をより効果的に抑制することができる。
なお、図11に示すように、薬液放出口16から膀胱B内に放出するための薬液を送液する薬液送液路14とは別に、シャフト3の内部に少なくとも1つの尿道内薬液送液路42を形成し、シャフト3の中間部に尿道内薬液送液路42と外部を連絡する尿道内薬液放出口43を形成することができる。これにより、薬液送液路14を送液された薬液がシャフト3の先端部近傍に形成された薬液放出口13から膀胱B内に放出される一方、尿道内薬液送液路42を送液された薬液がシャフト3の中間部に形成された尿道内薬液放出口43から尿道U内に放出される。このように、薬液送液路14と尿道内薬液送液路42から薬液を薬液放出口13と尿道内薬液放出口43にそれぞれ送液することにより、膀胱Bと尿道Uに放出される薬液量を精度よく調整することができ、それぞれの部位に適量の薬液を投与することができる。なお、シャフト3は、上記のように膀胱留置カテーテルの使用目的に応じて送液路を増やすことができ、本発明では3Way以上のものを使用することができる。
1 カテーテル本体、2,24 バルーン、3 シャフト、4 尿排出孔、5 尿排出用ポート、6 拡張液用ポート、7 薬液用ポート、8 後部、9 凹部、10 尿排出路、11 拡張液送出口、12 拡張液送液路、13 薬液放出口、14 薬液送液路、15 側面、21 前部、22,25 複数の溝、23 側部、31 逆止弁、32 放出口シール、41,43尿道内薬液放出口、42尿道内薬液送液路、B 膀胱、T 膀胱三角部、I 内尿道口、U 尿道。

Claims (9)

  1. 膀胱内において拡張されるバルーンをカテーテル本体の先端部近傍に配置した膀胱留置カテーテルであって、
    前記バルーンは、後部の一部に凹部を形成して拡張するとともに、前記カテーテル本体の先端部近傍が前記凹部内を通るように配置され、
    且つ、基端部から先端部近傍まで送液された薬液を外部に放出する薬液放出口が前記バルーンの前記凹部内に配置されることを特徴とする膀胱留置カテーテル。
  2. 前記バルーンが膀胱内で拡張された時に、前記凹部は膀胱三角部の一部を覆うように形成される請求項1に記載の膀胱留置カテーテル。
  3. 前記凹部は、後方に向かって拡がるように傾斜した側面を有する請求項1または2に記載の膀胱留置カテーテル。
  4. 前記バルーンは、前記凹部から前部に向かって延びる複数の溝を側部に形成して拡張し、前記薬液放出口から前記凹部内に放出された薬液の一部を前記複数の溝を介して前方に供給する請求項1〜3のいずれか一項に記載の膀胱留置カテーテル。
  5. 前記バルーンは、前記凹部から側部の所定の位置まで延びる複数の溝を形成して拡張し、前記薬液放出口から前記凹部内に放出された薬液の一部を前記複数の溝を介して所定の位置に供給する請求項1〜3のいずれか一項に記載の膀胱留置カテーテル。
  6. 前記薬液放出口は、逆止弁構造を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の膀胱留置カテーテル。
  7. 前記薬液放出口は伸縮性を有する放出口シールで覆われ、薬液が送液される一定の圧力が前記放出口シールに加わることにより前記放出口シールが変形し、前記薬液放出口から薬液が放出される請求項1〜5のいずれか一項に記載の膀胱留置カテーテル。
  8. 前記カテーテル本体は、基端部から前記薬液放出口まで延びて薬液を送液するための薬液送液路を有し、前記薬液送液路を送液される薬液を尿道内に放出するための少なくとも1つの尿道内薬液放出口が形成される請求項1〜7のいずれか一項に記載の膀胱留置カテーテル。
  9. 前記カテーテル本体は、基端部から前記薬液放出口まで延びて薬液を送液するための薬液送液路と、基端部から中間部まで延びて薬液を送液するための尿道内薬液送液路とを有し、前記尿道内薬液送液路と外部とを連通して薬液を尿道内に放出するための少なくとも1つの尿道内薬液放出口が形成される請求項1〜7のいずれか一項に記載の膀胱留置カテーテル。
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