JP2014075652A - 画像符号化装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
画像又はスライス境界の上端又は左端に位置する画像部分のイントラ予測符号化による画質劣化を抑制する。
【解決手段】
位置検出部(112)は、マクロブロック情報及びスライス境界情報に従い符号化対象ブロックが画像上で、画像又はスライス境界の上端又は左端である予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する。イントラ予測部(102)は、位置検出部(112)の検出結果に従い、符号化対象ブロックが予測方向制限位置に位置する場合に、イントラ4×4予測で予測モードを決定し、それ以外の場合には、イントラ4×4予測、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測の中で予測モードを決定する。
【選択図】 図1
画像又はスライス境界の上端又は左端に位置する画像部分のイントラ予測符号化による画質劣化を抑制する。
【解決手段】
位置検出部(112)は、マクロブロック情報及びスライス境界情報に従い符号化対象ブロックが画像上で、画像又はスライス境界の上端又は左端である予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する。イントラ予測部(102)は、位置検出部(112)の検出結果に従い、符号化対象ブロックが予測方向制限位置に位置する場合に、イントラ4×4予測で予測モードを決定し、それ以外の場合には、イントラ4×4予測、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測の中で予測モードを決定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は画像符号化装置及び方法に関し、特にイントラ予測符号化で画像を符号化する画像符号化装置及び方法に関する。
近年、デジタルビデオカメラやハードディスクレコーダなど、動画像を記録できるデジタル機器が普及している。これらのデジタル機器では、情報量の多い動画像を容量の制限されたフラッシュメモリやハードディスクといった記録メディアに効率的に記録するため、動画像データの圧縮符号化を行っている。
動画像圧縮符号化方式にはさまざまな方式が提案され、標準化されている。代表的な動画像圧縮符号化方式の一つにH.264符号化方式が挙げられる。H.264符号化方式は、ビデオカメラのハイビジョン(商標)記録方式であるAVCHDと、地上デジタル放送のワンセグ放送に採用されており、一般に広く普及している動画像圧縮符号化方式である。
H.264符号化方式の後継フォーマットとして提案されている次世代動画像圧縮符号化方式として、HEVC(High Efficiency Video Coding)と呼ばれる方式がある。HEVCは、現在標準化作業が行われており、今後標準規格として策定される見込みである。
H.264符号化方式やHEVCで用いられている圧縮技術の一つに、イントラ予測符号化がある。イントラ予測符号化は、同一フレーム内で、符号化対象ブロックの周囲の符号化済みのローカルデコード画像を参照画素として符号化対象ブロックの画像データを符号化する方式である。
H.264符号化方式を例に、イントラ予測符号化を簡単に説明する。予測単位として4×4画素のブロック、8×8画素のブロック及び16×16画素ブロックが用意され、それぞれがイントラ4×4予測、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測と呼ばれる。イントラ4×4予測とイントラ8×8予測には9種類の予測モードが用意され、イントラ16×16予測には4種類の予測モードが用意されている。
イントラ予測符号化では、符号化対象ブロックの周りの符号化済みの画像を参照画素として用いるので、符号化対象ブロックが画像の上端又は左端に位置する場合、ある方向の参照画素が存在しない。例えば、符号化対象ブロックが画像の上端に位置している場合、上方向の参照画素は存在しないので、それらの参照画素を用いた予測方向を選択できない。すなわち、予測方向が制限される。
例えば、縦方向に相関が強い画像で、符号化対象ブロックが画像の上端に位置している場合、上方からの予測を使用できないことにより、画質劣化が目立つことがある。このような問題に対し、特許文献1には、存在しない位置の参照画素の代わりに、その近辺の画素から計算された画素値を用いて予測を行う方法が記載されている。
特許文献1に記載の方法は、H.264符号化方式等の標準規格では用いられていない技術であり、標準規格に準拠した画像符号化装置には適用できない。
H.264符号化方式やHEVC等の標準規格に準拠しつつ、画像の上端又は左端に位置する符号化対象ブロックを画質劣化が目立たないようにイントラ予測符号で符号化する技術が望まれる。
本発明は、このような要望を満たす画像符号化装置及び方法を提示することを目的とする。
本発明に係る画像符号化装置は、入力画像をイントラ予測符号化する画像符号化装置であって、符号化すべき画像の符号化対象ブロックが前記画像の予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果に従い、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置する場合のイントラ予測のブロックサイズを、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置しない場合にイントラ予測の選択できる最大のブロックサイズより小さいサイズに制限して、前記イントラ予測の予測モードを決定する予測モード決定手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る画像符号化装置は、入力画像をイントラ予測符号化する画像符号化装置であって、符号化すべき画像の符号化対象ブロックが前記画像の予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する位置検出手段と、前記符号化対象ブロックの画像の相関方向を検出する相関検出手段と、前記位置検出手段の検出結果及び前記相関検出手段の検出結果に従い、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置し、且つ前記相関検出手段の検出する相関方向が特定の方向を示す場合のイントラ予測のブロックサイズを、それ以外の場合にイントラ予測の選択できる最大のブロックサイズより小さいサイズに制限して、前記イントラ予測の予測モードを決定する予測モード決定手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る画像符号化方法は、入力画像をイントラ予測符号化する画像符号化方法であって、符号化すべき画像の符号化対象ブロックが前記画像の予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する位置検出ステップと、前記位置検出ステップの検出結果に従い、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置する場合のイントラ予測のブロックサイズを、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置しない場合にイントラ予測の選択できる最大のブロックサイズより小さいサイズに制限して、前記イントラ予測の予測モードを決定する予測モード決定ステップと、前記予測モード決定ステップで決定された前記予測モードで前記符号化対象ブロックをイントラ予測符号化するステップとを具備することを特徴とする。
本発明に係る画像符号化方法は、入力画像をイントラ予測符号化する画像符号化方法であって、符号化すべき画像の符号化対象ブロックが前記画像の予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する位置検出ステップと、前記符号化対象ブロックの画像の相関方向を検出する相関検出ステップと、前記位置検出ステップの検出結果及び前記相関検出ステップの検出結果に従い、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置し、且つ前記相関検出ステップで検出する相関方向が特定の方向を示す場合のイントラ予測のブロックサイズを、それ以外の場合にイントラ予測の選択できる最大のブロックサイズより小さいサイズに制限して、前記イントラ予測の予測モードを決定する予測モード決定ステップと、前記予測モード決定ステップで決定された前記予測モードで前記符号化対象ブロックをイントラ予測符号化するステップとを具備することを特徴とする。
本発明によれば、画像の上端や左端等の予測方向制限位置に位置する符号化対象ブロックに対してイントラ予測のブロックサイズを小さくするので、予測方向の制限を受ける範囲を狭くすることできる。これにより、画像の上端や左端における画質の劣化を抑制でき、良好な画質の画像を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像符号化装置の一実施例の概略構成ブロック図を示す。ここでは、H.264符号化方式を実現する符号化装置を例に構成を示してあるが、その他の符号化方式(例えばHEVC)であっても同様に適用可能である。また、本実施例ではイントラ予測符号化の理解を容易にするため、インター予測符号化に関する機能ブロック部分とその説明は省略する。
符号化しようとする入力画像の画像データ(符号化対象画像データ)は、フレームバッファ101に格納される。位置検出部112は、フレームバッファの画像データの符号化対象ブロック(例えばマクロブロック)の空間的な位置情報とスライス境界情報からイントラ予測で予測方向が制限される画素位置にあるかどうかを検出する。例えば、フレーム等の画像の上端、左端、又はスライスの境界の上端若しくは左端に位置する符号化対象ブロックは、予測方向を制限される。換言すると、画像の上端、左端、又はスライスの境界の上端若しくは左端は、符号化対象ブロックにとって予測方向制限位置である。位置検出部112は、符号化対象ブロックが予測方向制限位置にあるかどうか、及び予測方向制限位置にある場合にどの予測方向制限位置かを示す検出結果をイントラ予測部102に出力する。
イントラ予測部102の予測モード決定手段は、位置検出部112の検出結果に従い、フレームバッファ101に格納されている符号化対象画像データに適用すべきイントラ予測の予測モードを決定する。この予測モード決定方法の詳細は、後述する。イントラ予測部102は、決定したイントラ予測モードで参照フレームバッファ111の参照画像から生成される予測画像データと符号化対象画像データとの間で画素ごとに差分をとり、その差分画像データを直交変換部103に出力する。
直交変換部103は、イントラ予測部102からの差分画像データを離散コサイン変換等により直交変換し、得られる変換係数データを量子化部104に出力する。量子化部104は、直交変換部103からの変換係数データを、量子化制御部105により指定される量子化パラメータに従い量子化する。量子化部104で量子化された変換係数データは、エントロピー符号化部106と逆量子化部107に供給される。
エントロピー符号化部106は、量子化された変換係数データをジグザグスキャン又はオルタネートスキャン等を行い可変長符号化する。エントロピー符号化部106は、可変長符号化で得られる符号データに動きベクトル、量子化パラメータ及びブロック分割情報などの符号化方式情報を付加して、符号化ストリームを生成する。エントロピー符号化部106はまた、ブロックごとの発生符号量を算出し、量子化制御部105に送る。
量子化制御部105は、エントロピー符号化部106からの発生符号量情報を参照して、目標とする符号量になるように量子化部104の量子化パラメータを決定し、量子化部104に出力する。
逆量子化部107は、量子化部104からの量子化された変換係数データを逆量子化し、逆直交変換部108は、逆量子化部107の出力を逆離散コサイン変換等により逆直交変換する。これにより、イントラ予測部102の出力に相当する差分画像データが復元される。
動き補償部109は、イントラ予測に用いた参照画像を参照フレームバッファ111から読み出して予測画像とし、逆直交変換部108からの差分画像データに加算する。これにより、ローカルデコードされた画像データが生成される。動き補償部109は、生成したローカルデコード画像データをデブロッキングフィルタ部110に出力する。
デブロッキングフィルタ部110は、動き補償部109からのローカルデコード画像データにデブロッキングフィルタをかける。デブロッキングフィルタ後の画像データは、参照画像としての利用のために、参照フレームバッファ111に格納される。なお、このデブロッキングフィルタ部110はフィルタ処理のオン・オフを選択できる構成であり、参照画像としての用途に応じて選択できるようになっている。例えば、参照画像をインター予測に用いる場合はオンに、イントラ予測に用いる場合はオフに、切り換えることができる。
本実施例の特徴的な動作であるイントラ予測部102における予測モード決定方法を説明する。
H.264符号化方式のイントラ予測では、参照画像として符号化対象ブロックの周辺の画素が用いられる。イントラ予測に用いられる参照画像用の画素を図2に示す。イントラ予測モードにはイントラ4×4予測、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測があり、それぞれに、垂直予測モード、水平予測モード及びDC予測モード等の複数の予測モード又は予測方向が存在する。イントラ4×4予測は4画素×4画素サイズのブロックで予測を行うものである。イントラ8×8予測は8画素×8画素サイズのブロックで予測を行うものである。イントラ16×16予測は16画素×16画素サイズのブロックで予測を行うものである。
図2を参照して、イントラ4×4予測モードを説明する。イントラ予測を行う4×4ブロックの画素a〜pに対して、周辺の画素A〜Mが予測画像用の画素、いわゆる参照画素として用いられる。画素A〜Dは符号化を行う4×4ブロックの上方向に隣接する4画素である。画素E〜Hは画素Dの右方向に続く4画素である。画素I〜Lは、符号化を行う4×4ブロックの左方向に隣接する4画素である。画素Mは画素Iの上方に隣接して位置する画素である。これら周辺画素A〜Mには、原画像の画素値ではなく、符号化されローカルで復号化されたローカルデコード画像の画素値が用いられる。
周辺画素を用いて作成される予測画像は、予測モード又は予測方向によって異なる。図3は、イントラ4×4予測の予測モードとその名称を示す。イントラ4×4予測には、予測モード0から予測モード8までの9つの予測モードが用意されている。なお、予測モード又は予測方向に、図3に示す例以外のものを含んでも良い。
図4は、イントラ4×4予測の9つの予測モード(予測方向)を示す。予測モード0では垂直方向に隣接する画素A〜Dから予測画像を生成する。すなわち、符号化を行う4×4ブロックの画素a〜pに対して、画素Aを1列目の画素a、e、i、mに対する予測画像とする。同様に、画素Bを2列目の画素b、f、j、nに対する予測画像とし、画素Cを3列目の画素c、g、k、oに対する予測画像とし、画素Dを4列目の画素d、h、l、pに対する予測画像とする。
予測モード2はDC予測であり、画素A,B,C,D,I,J,K,Lの平均画素値を全画素a〜pに対する予測画像とする。その他の予測モード3〜8では、周辺画素A〜Lを図4に矢印で示した予測方向に予測して予測画像を生成する。
イントラ予測部102はまず、各予測モードで生成された予測画像と符号化対象画像との間で減算を行い、その差分値により、適用すべき予測モードを決定する。具体的には、符号化対象画像と予測画像の差分値をベースにするコスト関数を導入し、得られたコスト値が最小になる予測モードを選択する。そのようなコスト関数は、例えば、
Cost=SATD+Qp×Predcost
である。SATDは、符号化対象画像と予測画像の差分値をアダマール変換した結果の差分絶対値和である。Qpは後述する量子化処理で使用される量子化値である。Predcostは、イントラ予測モードを符号化するのに必要な符号量相当のコスト値である。
Cost=SATD+Qp×Predcost
である。SATDは、符号化対象画像と予測画像の差分値をアダマール変換した結果の差分絶対値和である。Qpは後述する量子化処理で使用される量子化値である。Predcostは、イントラ予測モードを符号化するのに必要な符号量相当のコスト値である。
イントラ4×4予測では、符号化対象ブロックを4×4画素の16個のブロックに分割し、その16個のブロックに対してイントラ予測を行う。一方、イントラ8×8予測では4個のブロックを、イントラ16×16予測では1個のブロックをそれぞれイントラ予測するので、Predcostは、
イントラ4×4予測>イントラ8×8予測>イントラ16×16予測
の順で大きくなる。
イントラ4×4予測>イントラ8×8予測>イントラ16×16予測
の順で大きくなる。
通常の符号化時には、上記したコスト関数を用い、イントラ4×4予測、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測の全ての予測モードに対してコスト計算を行い、最もコスト値の小さい予測モードをイントラ予測モードとして決定する。
図5に示すように、符号化対象ブロックが画像の上端に位置している場合を考える。また、符号化対象ブロックは縦に相関が強い絵柄(例えば縦縞模様)であるとする。このとき、図2において参照画素として用いられる画素A〜H,Mは存在しない。そのため上部からの予測モードは用いることができない。すなわち、図4に示す予測モード0から予測モード8のうち、予測モード1、予測モード2及び予測モード8しか用いることができない。DC予測である予測モード2は、左の参照画素のみで予測画像を生成できるので、符号化対象ブロックが上端に位置しても採用できる。
図5に示すような位置の符号化対象ブロックに対してイントラ16×16予測が選択された場合、縦に相関が強い絵柄にもかかわらず上方向からの予測が使用できず、画質劣化が比較的目立ってしまう。また、イントラ8×8予測が選択された場合でも、符号化対象ブロックのうちの上の2つの8×8ブロックは上方向の予測が使用できないので、画質劣化が目立つ。但し、符号化対象ブロックのうちの下の2つの8×8ブロックに対しては上方向の予測を使用できるので、画質劣化を抑えることができる。同様に、イントラ4×4予測が選択された場合、符号化対象ブロック中の一番上の4つの4×4ブロックでは画質劣化が目立つが、その下の12個の4×4ブロックでは画質劣化を抑制できる。
このように利用できる予測方向が制限されている場合、本実施例では、イントラ予測のブロックサイズを最大又は標準のサイズよりも小さいサイズに制限する。例えば、所定のブロックサイズ(例えば4×4)に固定するようにするとよい。このようにすることで、本実施例では、画質劣化が及び範囲を小さくすることができる。
イントラ予測部102は、位置検出部112からの検出結果に従い、符号化対象ブロックが予測方向制限位置にあるかどうかによりイントラ予測モードの決定方法を変更する。先に説明したように、符号化対象画像の上端、左端並びにスライス境界の上端及び左端が、予測方向制限位置となる。
符号化対象ブロックが符号化対象画像の予測方向制限位置に位置しない場合、イントラ予測部102は、通常の方法でイントラ予測モードを決定する。すなわち、イントラ予測部102は、上述のコスト関数を用いて、イントラ4×4予測、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測の全ての予測モードに対してコスト計算を行い、最もコスト値の小さい予測モードをイントラ予測モードとして決定する。
他方、符号化対象ブロックが符号化対象画像の何れかの予測方向制限位置に位置する場合、イントラ予測部102は、必ずイントラ4×4予測で予測モードを決定する。このとき、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測に対する予測モード決定に係るコスト計算を省略する。すなわち、上述のコスト関数を用いてイントラ4×4予測の9つの予測モードに対してのみコスト計算を行い、そのうちで最もコスト値の小さい予測モードをイントラ予測モードとして決定する。
このように符号化対象ブロックが特定の位置にあるときにイントラ予測モードのブロックサイズとして通常よりも小さいサイズを設定することで、画質劣化を生じやすい部分をより狭い範囲に留めることができる。
符号化対象ブロックが予測方向制限位置に位置する場合にイントラ4×4予測を強制する動作を説明したが、例えばコスト関数の重み付けを調整してイントラ4×4予測が選ばれやすいようにしてもよい。この構成でも、従来に比べ、画質劣化を生じやすい部分をより狭い範囲に留めることができる。また本実施例は、予測方向が制限されている場合のブロックサイズとして、4×4に限定されるものではない。例えば、最大サイズが64×64である場合などでは、8×8や16×16に設定した場合であっても同様に効果が期待できる。
このように、本実施例では、イントラ予測の予測方向が制限される符号化対象ブロックに対してイントラ4×4予測が選択され,又は選択されやすくすることにより、画質劣化を最小限に抑えた良好なイントラ予測符号化を実現できる。
本実施例では、イントラ予測の予測方向が制限されるブロック位置として画像の上端、左端並びにスライス境界の上端及び左端を例示した。しかし、例えば画像を分割して符号化する場合の画像の分割境界など、予測方向が制限されるブロック位置であれば、どのようなブロック位置にも適用可能である。
また画像圧縮符号化方式としてH.264符号化方式を例に説明したが、符号化方式はこれに限ったものではなく、例えばHEVCなどのようにイントラ予測符号化を用いるものであれば同様に適用でき、同様の効果が得られる。
図6は、本発明の第2実施例の概略構成ブロック図を示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付してあり、本実施例の特徴部分を説明する。
本実施例では、相関検出部601が、フレームバッファ101から出力される符号化対象ブロックが縦方向に相関が強いのか横方向に相関が強いのかを検出する。縦方向と横方向の相関の強さを検出する方法には様々な方法が知られている。例えば、符号化対象ブロックに対してDCT変換又はアダマール変換などの周波数変換を行う。その変換結果で、縦方向の高周波成分が少なく、横方向の高周波成分が多ければ縦方向に相関が強く、逆に、縦方向の高周波成分が多く、横方向の高周波成分が少なければ横方向に相関が強いことになる。
イントラ予測部602は、位置検出部112の検出結果と、相関検出部601の検出結果に従い、適用すべきイントラ予測のブロックサイズと予測モード(予測方向)を決定する。
符号化対象ブロックが画像の上端又はスライス境界の上端に位置する場合、縦方向の予測モードを採用できない。しかし、縦方向に相関の強い符号化対象ブロックの場合、縦方向の予測モードを採用できないと、画質劣化が目立ってしまう。符号化対象ブロックが画像の上端又はスライス境界の上端に位置する場合でも、横方向に相関が強いときには、横方向の予測モードを採用することで画質劣化を回避できる。
また、符号化対象ブロックが画像の左端又はスライス境界の左端に位置する場合、横方向の予測モードを採用できない。しかし、横方向に相関の強い符号化対象ブロックの場合、横方向の予測モードを採用できないと、画質劣化が目立ってしまう。符号化対象ブロックが画像の左端又はスライス境界の左端に位置する場合でも、縦方向に相関が強いときには、縦方向の予測モードを採用することで画質劣化を回避できる。
このような画質劣化が目立ちがちになるケースについては、より小さいサイズでイントラ予測符号化を行うのが好ましいので、イントラ予測部602は、イントラ4×4予測を強制する。その他のケースについては、イントラ予測部602は、イントラ4×4予測、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測の全ての予測モードの中から適用すべき予測モードを決定する。
図7は、イントラ予測部602における予測モード決定の動作フローチャートを示す。
イントラ予測部602は、フレームバッファ101から入力する符号化対象ブロックに対して、その位置情報(位置検出部112の検出結果)と、相関情報(相関検出部601の検出結果)を取り込む(S701)。
符号化対象ブロックが画像の上端又はスライス境界の上端に位置し、且つ、縦方向に相関が強い場合(S702)、イントラ予測部602は、4×4イントラ予測の各予測モードについてコスト計算を行い、適用すべき予測モードを決定する(S703)。
ステップS702の条件が成立しない場合、イントラ予測部602は、符号化対象ブロックが画像の左端又はスライス境界の左端に位置し、且つ、横方向に相関が強いかどうかを判断する(S704)。ステップS704の条件が成立する場合にも、イントラ予測部602は、4×4イントラ予測の各予測モードについてコスト計算を行い、適用すべき予測モードを決定する(S703)。
ステップS704の条件が成立しない場合(S704)、イントラ予測部602は、通常の方法でイントラ予測モードを決定する(S705)。即ち、イントラ予測部102は、上述のコスト関数を用いて、イントラ4×4予測、イントラ8×8予測及びイントラ16×16予測の全ての予測モードに対してコスト計算を行い、最もコスト値の小さい予測モードをイントラ予測モードとして決定する。符号化対象ブロックがどの予測方向制限位置にも位置しない場合には、実施例1と同様に、イントラ予測部602は、通常の方法でイントラ予測モードを決定することになる。
以上のようにして、ブロック位置と相関方向に従い、画質劣化が目立つと予想されるケースについてイントラ4×4予測の予測モードに制限することで、効率的な圧縮を維持しつつ、画質の劣化を抑制できる。また本実施例は、予測方向が制限されている場合のブロックサイズとして、4×4に限定されるものではない。例えば、最大サイズが64×64である場合などでは、8×8や16×16に設定した場合であっても同様に効果が期待できる。
Claims (11)
- 入力画像をイントラ予測符号化する画像符号化装置であって、
符号化すべき画像の符号化対象ブロックが前記画像の予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段の検出結果に従い、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置する場合のイントラ予測のブロックサイズを、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置しない場合にイントラ予測の選択できる最大のブロックサイズより小さいサイズに制限して、前記イントラ予測の予測モードを決定する予測モード決定手段
とを具備することを特徴とする画像符号化装置。 - 前記予測モード決定手段は、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置する場合のイントラ予測のブロックサイズを、選択できるブロックサイズの内で最小のサイズに設定することを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
- 前記予測モード決定手段は、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置する場合に、選択できるブロックサイズの内でより小さいサイズを選択する方法で、採用すべき予測モードを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
- 入力画像をイントラ予測符号化する画像符号化装置であって、
符号化すべき画像の符号化対象ブロックが前記画像の予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する位置検出手段と、
前記符号化対象ブロックの画像の相関方向を検出する相関検出手段と、
前記位置検出手段の検出結果及び前記相関検出手段の検出結果に従い、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置し、且つ前記相関検出手段の検出する相関方向が特定の方向を示す場合のイントラ予測のブロックサイズを、それ以外の場合にイントラ予測の選択できる最大のブロックサイズより小さいサイズに制限して、前記イントラ予測の予測モードを決定する予測モード決定手段
とを具備することを特徴とする画像符号化装置。 - 前記予測モード決定手段は、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置し、且つ前記相関検出手段の検出する相関方向が特定の方向を示す場合のイントラ予測のブロックサイズを、選択できるブロックサイズの内で最小のサイズに設定することを特徴とする請求項4に記載の画像符号化装置。
- 前記予測モード決定手段は、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置し、且つ前記相関検出手段の検出する相関方向が特定の方向を示す場合に、選択できるブロックサイズの内でより小さいサイズを選択する方法で、採用すべき予測モードを決定することを特徴とする請求項4に記載の画像符号化装置。
- 前記予測方向制限位置は、前記入力画像の上端、左端、並びに、スライス境界の上端及び左端のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像符号化装置。
- 前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置し、且つ前記相関検出手段の検出する相関方向が特定の方向を示す場合は、前記符号化対象ブロックが前記入力画像の上端及びスライス境界の上端の何れかに位置し、前記相関検出手段の検出する相関方向が縦方向を示す場合を含む請求項4乃至6の何れか1項に記載の画像符号化装置。
- 前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置し、且つ前記相関検出手段の検出する相関方向が特定の方向を示す場合は、前記符号化対象ブロックが前記入力画像の左端及びスライス境界の左端の何れかに位置し、前記相関検出手段の検出する相関方向が横方向を示す場合を含む請求項4、5、6又は8に記載の画像符号化装置。
- 入力画像をイントラ予測符号化する画像符号化方法であって、
符号化すべき画像の符号化対象ブロックが前記画像の予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する位置検出ステップと、
前記位置検出ステップの検出結果に従い、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置する場合のイントラ予測のブロックサイズを、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置しない場合にイントラ予測の選択できる最大のブロックサイズより小さいサイズに制限して、前記イントラ予測の予測モードを決定する予測モード決定ステップと、
前記予測モード決定ステップで決定された前記予測モードで前記符号化対象ブロックをイントラ予測符号化するステップ
とを具備することを特徴とする画像符号化方法。 - 入力画像をイントラ予測符号化する画像符号化方法であって、
符号化すべき画像の符号化対象ブロックが前記画像の予測方向制限位置に位置するかどうかを検出する位置検出ステップと、
前記符号化対象ブロックの画像の相関方向を検出する相関検出ステップと、
前記位置検出ステップの検出結果及び前記相関検出ステップの検出結果に従い、前記符号化対象ブロックが前記予測方向制限位置に位置し、且つ前記相関検出ステップで検出する相関方向が特定の方向を示す場合のイントラ予測のブロックサイズを、それ以外の場合にイントラ予測の選択できる最大のブロックサイズより小さいサイズに制限して、前記イントラ予測の予測モードを決定する予測モード決定ステップと、
前記予測モード決定ステップで決定された前記予測モードで前記符号化対象ブロックをイントラ予測符号化するステップ
とを具備することを特徴とする画像符号化方法。
Priority Applications (1)
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JP2012220878A JP2014075652A (ja) | 2012-10-03 | 2012-10-03 | 画像符号化装置及び方法 |
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