JP2014075311A - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱効果が優れた光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置100は、円形状の反射板10、反射板10の中央に配置された光源としてのLEDモジュール、反射板10のLEDモジュールが配置された反射面と反対側の面に取り付けられたヒートパイプ20などを備える。反射板10の中央部には、熱伝導部材30を嵌合してある。ヒートパイプ20は、アルミニウム、アルミニウム合金又は銅などの熱伝導性に優れた金属製の管であり、流路を真空に排気して流路体積の半分程度の液体(例えば、水など)を充填してある。ヒートパイプ20は、反射板10の中央部と周縁部との間を往復してあり、LEDモジュールを中心にして放射状に配置してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源とヒートパイプとを備える光源装置に関する。
近年、LED(発光ダイオード)の高輝度化に伴い、白熱電球や蛍光灯などの光源に代えて、低消費電力、長寿命等の特性を有するLEDが光源として照明装置などに用いられるようになりつつある。
例えば、照射開口部を有し、この照射開口部に向けて拡開するように形成されるとともに、内面側に反射面が設けられ、外周面が外方に露出する熱伝導性の反射体、反射体の内周面に設けられ、反射体と熱的に結合された熱伝導性の放熱部材、及びLEDが配設され、放熱部材に基板面が面接触状態で熱的に結合されて取付けられた基板などを備える発光素子ランプが開示されている(特許文献1参照)。
特開2009−117342号公報
特許文献1に記載のLEDランプは、放熱部材を介してLEDで発生した熱を反射体へ伝導させることにより放熱するものである。しかし、反射板の照射開口部と反対側の端部にLEDを設けてあるので、LEDで発生した熱が反射体の照射開口部側まで十分に伝わらないという問題がある。また、LEDの高輝度化に伴い、LEDの発熱密度が増大し、ヒートシンク又は反射板などの従来の放熱方法では、LEDで発生する熱を効果的に放熱することが困難になってきている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、放熱効果が優れた光源装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光源装置は、光源と、該光源の近傍領域と該近傍領域よりも前記光源から離隔した離隔領域との間を往復してあるヒートパイプとを備え、該ヒートパイプは、前記光源を中心にして放射状に配置してあることを特徴とする。
本発明にあっては、光源と、光源の近傍領域と当該近傍領域よりも光源から離隔した離隔領域との間を往復してあるヒートパイプとを備え、ヒートパイプは、光源を中心にして放射状に配置してある。光源の近傍領域は高温領域であり、離隔領域は低温領域である。ヒートパイプを高温領域と低温領域との間で往復した構造とすることにより、ヒートパイプ内部に充填された流体(例えば、液スラグ)が往復運動(振動)を繰り返すため、光源の熱を光源から離隔した低温領域へ効率良く輸送することができる。また、光源を中心にして放射状にヒートパイプを配置することにより、光源の周囲に低温領域を設け、光源の熱を周囲に効率良く伝えることができ、優れた放熱効果を実現することができる。
本発明に係る光源装置は、前記ヒートパイプは、前記近傍領域で湾曲させた第1湾曲部と、前記離隔領域で湾曲させた第2湾曲部とを備え、前記第1湾曲部の曲率は、前記第2湾曲部の曲率よりも大きいことを特徴とする。
本発明にあっては、ヒートパイプは、近傍領域で湾曲させた第1湾曲部と、離隔領域で湾曲させた第2湾曲部とを備え、第1湾曲部の曲率は、第2湾曲部の曲率よりも大きい。すなわち、高温領域である近傍領域でヒートパイプの第1湾曲部の曲率を相対的に大きく(曲率半径を相対的に小さく)することにより、光源に近接してヒートパイプを配置することができ、光源からの熱をヒートパイプへ伝導しやすくすることができる。また、低温領域である離隔領域でヒートパイプの第2湾曲部の曲率を相対的に大きくすることにより、往復してあるヒートパイプ間の間隔を相対的に広くすることができるので、ヒートパイプの低温領域で放熱しやすくなる。
本発明に係る光源装置は、底部に前記光源を配置した椀状の反射板を備え、該反射板に前記ヒートパイプを取り付けてあることを特徴とする。
本発明にあっては、底部に光源を配置した椀状の反射板を備え、反射板にヒートパイプを取り付けてある。ヒートパイプは、反射板の反射面と反対側の面に取り付けることができる。光源で発生した熱を反射板からも放熱させることができる。
本発明に係る光源装置は、前記第1湾曲部は、前記光源の光軸を中心とする円の接線に直交する方向に湾曲してあることを特徴とする。
本発明にあっては、第1湾曲部は、光源の光軸を中心とする円の接線に直交する方向に湾曲してある。ヒートパイプを光源の光軸を中心とする円に平行な面内で湾曲させた場合、1つの湾曲部で必要とする寸法は、往復のヒートパイプ2つ分の外径と往復のヒートパイプの曲げ径との合計に相当する。一方、ヒートパイプを光源の光軸を中心とする円の接線に直交する方向に湾曲させた場合、1つの湾曲部で必要とする寸法はヒートパイプ1つ分の外径に相当する。これにより、光源の周囲で往復させる回数を多くすることができる。すなわち、高温領域と低温領域との間での光源を囲むヒートパイプの輪の数を多くすることができ、ヒートパイプ内の流体の往復運動(振動)を安定させることができる。
本発明に係る光源装置は、前記ヒートパイプは、閉ループをなすようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、ヒートパイプは、閉ループをなすようにしてある。これにより、ヒートパイプ内の流体が、ヒートパイプの端部で移動が起こりにくくなることを防ぎ、ループ全体で往復運動を発生させることができる。また、高温領域と低温領域の間の距離を等しくできるので、ヒートパイプ内の流体の往復運動(振動)を安定化し、光源からの熱をヒートパイプから効率よく放熱することができる。
(付記1)光源装置は、前記反射板は、平面状をなし、前記ヒートパイプは、前記光源を中心にして前記反射板上に配置してあることを特徴とする。
本光源装置にあっては、反射板は、平面状をなし、ヒートパイプは、光源を中心にして反射板上に配置してある。例えば、反射板が円形状である場合、ヒートパイプを反射板上に取り付けるとともに、反射板の中央部(光源の近傍領域)でヒートパイプを180度弱湾曲させ、反射板の周縁部(離隔領域)でヒートパイプを180度強湾曲させることにより、円形状の反射板の中央部と周縁部との間でヒートパイプを往復した状態にすることができる。なお、反射板の形状は円形状に限定されるものではない。
(付記2)光源装置は、前記反射板は、半球面状をなし、前記ヒートパイプは、前記光源を中心にして前記反射板上に配置してあることを特徴とする。
本光源装置にあっては、反射板は、半球面状をなし、ヒートパイプは、光源を中心にして反射板上に配置してある。例えば、半球面状の反射板の内面中央に光源を配置し、反射板の外面(反射面と反対側の面)にヒートパイプを取り付ける。反射板の中央部(光源の近傍領域)でヒートパイプを180度湾曲させ、反射板の周縁部(離隔領域)でヒートパイプを180度湾曲させることにより、半球面状の反射板の中央部と周縁部との間でヒートパイプを往復した状態にすることができる。
(付記3)光源装置は、前記離隔領域で前記ヒートパイプに取り付けられた放熱部を備えることを特徴とする。
本光源装置にあっては、離隔領域でヒートパイプに取り付けられた放熱部を備える。光源で発生した熱を低温領域の放熱部からも放熱させることができる。
(付記4)光源装置は、前記ヒートパイプは、前記離隔領域での内断面積が前記近傍領域での内断面積よりも大きいことを特徴とする。
本光源装置にあっては、ヒートパイプは、離隔領域での内断面積が近傍領域での内断面積よりも大きい。すなわち、ヒートパイプの内断面積が、高温領域で相対的に小さく、低温領域で相対的に大きい。光源からの熱により加熱された液体が気化して体積が膨張し、膨張した気体が低温領域の方へ移動する際に、低温領域のヒートパイプの内断面積を大きくすることにより、気体の移動を容易にすることができ、ヒートパイプ内の流体が移動しやすくなる。
(付記5)光源装置は、前記光源は、基板に実装したLEDモジュールであり、前記基板及び前記近傍領域にあるヒートパイプに近接させた熱伝導部材を備えることを特徴とする。
本光源装置にあっては、光源は、基板に実装したLEDモジュールであり、基板及び近傍領域にあるヒートパイプに近接させた熱伝導部材を備える。これにより、熱伝導部材を介して光源からの熱をヒートパイプへ伝えることができる。
(付記6)光源装置は、前記近傍領域と離隔領域との間に断熱部材を備えることを特徴とする。
本光源装置にあっては、近傍領域と離隔領域との間に断熱部材を備える。断熱部材を設けることにより、ヒートパイプの高温領域と低温領域との間の温度差を大きくすることができ、ヒートパイプ内の流体の往復運動(振動)を安定化させることができる。
本発明によれば、優れた放熱効果を実現することができる。
実施の形態1の光源装置の一例を示す外観斜視図である。 実施の形態1の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態1の光源装置の一例を示す側面図である。 実施の形態1の光源装置の一例を示す正面図である。 実施の形態2の光源装置の一例を示す外観斜視図である。 実施の形態2の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態2の光源装置の一例を示す要部拡大図である。 実施の形態3の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態4の光源装置の一例を示す外観斜視図である。 実施の形態4の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態5の光源装置の一例を示す外観斜視図である。 実施の形態5の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態5の光源装置の一例を示す側面図である。 実施の形態5の光源装置の一例を示す正面図である。 実施の形態6の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態7の光源装置の一例を示す背面側から見た外観斜視図である。 実施の形態7の光源装置の一例を示す正面側から見た外観斜視図である。 実施の形態7の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態7の光源装置の一例を示す側面図である。 実施の形態7の光源装置の一例を示す正面図である。 実施の形態8の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態9の光源装置の一例を示す背面側から見た外観斜視図である。 実施の形態9の光源装置の一例を示す正面側から見た外観斜視図である。 実施の形態9の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態9の光源装置の一例を示す側面図である。 実施の形態9の光源装置の一例を示す正面図である。 実施の形態10の光源装置の一例を示す背面側から見た外観斜視図である。 実施の形態10の光源装置の一例を示す正面側から見た外観斜視図である。 実施の形態10の光源装置の一例を示す背面図である。 実施の形態10の光源装置の一例を示す側面図である。
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は実施の形態1の光源装置100の一例を示す外観斜視図であり、図2は実施の形態1の光源装置100の一例を示す背面図であり、図3は実施の形態1の光源装置100の一例を示す側面図であり、図4は実施の形態1の光源装置100の一例を示す正面図である。
実施の形態1の光源装置100は、円形状の反射板10、反射板10の中央に配置された光源としてのLEDモジュール50、反射板10のLEDモジュール50が配置された一面(LEDモジュール50の光を反射させる反射面)と反対側の他面に取り付けられたヒートパイプ20などを備える。光源装置100は、反射板10を装着可能な所要の照明装置に組み込むことができる。
反射板10は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金などの熱伝導性に優れた金属製である。なお、反射板10の形状は、円形状に限定されるものではなく、正方形状、長方形状、三角形状、五角形状、六角形状、八角形状などの多角形、楕円形状などであってもよい。反射板10の材質はアルミニウムに限定されるものではなく、熱伝導性に優れた金属であれば、他の金属を用いることもできるが、アルミニウムを用いることにより、軽量化を図ることができる。
反射板10の中央部には、銅などの熱伝導性に優れた熱伝導部材30を嵌合してある。なお、図の例では、熱伝導部材30は、円形状をなすが、形状は円形状に限定されるものではなく、反射板10の形状又はヒートパイプ20の配置などに応じて他の形状とすることができる。
図4に示すように、反射板10の反射面側には、基板51上にLEDチップ52を実装したLEDモジュール50を配置してある。また、基板51は、上述の熱伝導部材30に当接又は近接してある。また、ヒートパイプ20も熱伝導部材30に当接又は近接してある。これにより、熱伝導部材30を介してLEDモジュール50からの熱をヒートパイプ20へ伝えることができる。
図2に示すように、反射板10の反射面と反対側の面には、ヒートパイプ20を取り付けてある。ヒートパイプ20は、アルミニウム、アルミニウム合金又は銅などの熱伝導性に優れた金属製の管である。ヒートパイプ20は、接着剤などにより反射板10の表面に装着することができる。図2の例では、さらに同心円状の支持板41、42により、ヒートパイプ20を反射板10に取り付けてある。
ヒートパイプ20は、反射板10の中央部と周縁部との間を径方向に往復してあり、LEDモジュール50を中心にして放射状に配置してある。図2の例では、ヒートパイプ20を12回往復してあり、反射板10の中央部と周縁部との間を往復しLEDモジュールを囲む輪の数は12である。
図2に示すように、LEDモジュール50が配置された反射板10の中央部を光源の近傍領域S1と称し、反射板10の周縁部を光源から離隔した離隔領域S3と称し、近傍領域S1と離隔領域S3との間の領域を断熱領域S2と称する。近傍領域S1は高温領域(発熱領域、加熱領域)であり、離隔領域S3は低温領域(放熱領域、冷却領域)である。
ヒートパイプ20は、例えば、内径が2〜3mm程度の細い流路を有する管であり、流路を真空に排気して流路体積の半分程度の液体(例えば、水など)を充填する。ヒートパイプ20を高温領域と低温領域との間で往復した構造とすると、ヒートパイプ20内に充填した液体の一部が高温側で気化し、流路内の表面張力効果により、流路内で液体の微小な塊(液スラグ)と蒸気泡(蒸気プラグ)とが形成される。ヒートパイプ20が高温領域で加熱されると加熱量の増加に応じて、液スラグの振動が自励的に発生し、高温領域から低温領域へ熱を輸送する。
また、断熱領域S2にあるヒートパイプ20を、例えば、熱可塑性の樹脂で覆うこともできる。これにより、ヒートパイプ20の高温側と低温側とを断熱して、流体の振動を一層安定にすることができる。また、ヒートパイプ20を断熱領域S2に固定する効果も備える。
また、図2に示すように、ヒートパイプ20は、近傍領域S1で湾曲させた第1湾曲部201と、離隔領域S3で湾曲させた第2湾曲部202とを備える。より具体的には、反射板10の中央部(近傍領域S1)の第1湾曲部201でヒートパイプを180度強(180度よりわずかに大きい角度)湾曲させ、反射板10の周縁部(離隔領域S3)の第2湾曲部202でヒートパイプ20を180度弱(180度よりわずかに小さい角度)湾曲させることにより、円形状の反射板10の中央部と周縁部との間でヒートパイプ20を往復した状態にすることができる。
また、第1湾曲部201の曲率は、第2湾曲部202の曲率よりも大きい。すなわち、高温領域である近傍領域S1でヒートパイプ20の第1湾曲部201の曲率を相対的に大きく(曲率半径を相対的に小さく)することにより、高温領域の中心にヒートパイプ20を密集して配置することができ、LEDモジュール50からの熱をヒートパイプ20へ伝導しやすくすることができる。また、低温領域である離隔領域S3でヒートパイプ20の第2湾曲部202の曲率を相対的に小さく(曲率半径を相対的に大きく)することにより、往復した状態のヒートパイプ20間の間隔(図2の符号dで示す)を相対的に広くすることができるので、ヒートパイプ20の低温領域で効率よく放熱することができる。
また、反射板10にヒートパイプ20を取り付けてあるので、LEDモジュール50で発生した熱を反射板10からも放熱させることができる。また、光源で発生する熱を放熱させるためのヒートシンクと反射板を兼用できるので、光源装置100又は照明装置を軽量化することができる。さらに、LEDモジュール50で発生する熱を効率よく放熱することにより、LEDモジュール50の温度上昇を抑えることができ、結果としてLEDの出力光束を大きくすることができ、さらにLEDモジュール50の信頼性を向上させることができる。
また、ヒートパイプ20は、閉ループをなす。つまり、LEDモジュール50の周囲を囲む複数の輪からなるヒートパイプ20は始点から終点の一周が繋がった1本のパイプよりなる。これにより、ヒートパイプ20内の流体が、ヒートパイプ20の端部で移動しにくくなることを防ぎ、ループ全体で往復運動を発生させることができる。また、LEDモジュール50を囲む複数の輪の高温領域と低温領域の間の距離を等しくできるので、ヒートパイプ20内の流体の往復運動(振動)を安定化し、LEDモジュール50からの熱をヒートパイプ20から効率よく放熱することができる。
また、ヒートパイプ20を、離隔領域S3での内断面積が近傍領域S1での内断面積よりも大きくなるようにしてもよい。例えば、近傍領域S1でのヒートパイプ20の内径を2mm程度とし、離隔領域S3でのヒートパイプ20の内径を3mm程度とすることができる。すなわち、ヒートパイプ20の内断面積が、高温領域で相対的に小さく、低温領域で相対的に大きい。これにより、LEDモジュール50からの熱により加熱された液体が気化して体積が膨張し、膨張した気体が低温領域の方へ移動する際に、低温領域のヒートパイプ20の内断面積を大きくすることにより、気体の移動を容易にすることができ、ヒートパイプ20内の流体(液スラグ、蒸気プラグなど)が移動しやすくなる。ヒートパイプ20の熱輸送量はパイプの直径が大きい方が大きくなるが、一方でパイプの直径が大きくなると近傍領域にパイプを配置するのが困難になる。上記のようにすれば、流体の体積変化を利用して、パイプを近傍領域に密に配置したままで、パイプの径を大きくするのと同様の効果を得ることができる。
従来の1本の棒状のパイプ形状のヒートパイプの場合には、熱輸送量に限界があった。また、従来のパイプ形状のヒートパイプの場合には、高温側で液体が気化し、気化した蒸気が管内の中心を通って低温側へ移動し、低温側で凝縮した液体は管壁に沿って流れる。したがって、光源装置又は照明装置の取付状態に応じて、例えば、ヒートパイプが上下方向に配置され、高温側(光源に近い方)が下側になるときは、管内の液体は重力方向に移動できる。しかし、高温側(光源に近い方)が上側になるときは、管内の液体は重力に逆らって移動しなければならず、効率よく熱輸送することができない。しかし、上述のヒートパイプ20は、いわゆる自励振動型であるため、ヒートパイプ20の上下方向の配置に依存せずに、重力の影響を受けにくく、どのような取付状態の照明装置にも使用することができるとともに、高い熱伝導効率が得られ、熱輸送限界も高いという優れた効果を有する。
(実施の形態2)
図5は実施の形態2の光源装置120の一例を示す外観斜視図であり、図6は実施の形態2の光源装置120の一例を示す背面図であり、図7は実施の形態2の光源装置120の一例を示す要部拡大図である。図5〜図7に示すように、実施の形態1との相違は、ヒートパイプ21の第1湾曲部211の湾曲方向が異なる。なお、実施の形態1と同様の箇所は同一符号を付して説明を省略する。
すなわち、図7に示すように、第1湾曲部211は、LEDモジュール50を中心にした反射板10上の円の円周方向(図7の符号Aで示す方向、反射板10の面に平行な方向)に対して直交する方向(図7の符号Bで示す方向、すなわち反射板10に対して垂直な方向)に湾曲してある。
実施の形態1のように、ヒートパイプ20を反射板10と平行な面内で湾曲させた場合、1つの湾曲部で必要とする寸法は、往復のヒートパイプ2つ分の外径と往復のヒートパイプの曲げ径との合計に相当する。
一方、実施の形態2のように、ヒートパイプ21を反射板10上の円の円周方向に対して直交する方向に湾曲させた場合、1つの湾曲部で必要とする寸法はヒートパイプ1つ分の外径に相当する。これにより、LEDモジュール50の周囲で往復させる回数を多くすることができる。実施の形態1では、LEDモジュールを囲む輪の数が12であったが、実施の形態2では、図6に示すように、輪の数を18に増やすことができる。すなわち、高温領域と低温領域との間でのヒートパイプ21の輪の数を多くすることができ、ヒートパイプ21内の流体の往復運動(振動)を安定させることができる。また、実施の形態1と比較して、LEDモジュール50の中心に近接してヒートパイプ21を配置することが可能となり、効率よく放熱することができる。
(実施の形態3)
図8は実施の形態3の光源装置140の一例を示す背面図である。実施の形態2(図6)との相違点は、ヒートパイプ22を渦巻状に配置した点である。すなわち、実施の形態2では、ヒートパイプ21は、LEDモジュール50を中心にした反射板10上の径方向に沿って配置してある。これに対して、実施の形態3では、ヒートパイプ22は、LEDモジュール50を中心にした反射板10上の径方向とヒートパイプ22とのなす角が、ヒートパイプ22の第2湾曲部222に向かうに応じて大きくなり、ヒートパイプ22は略U字状をなすように配置してある。
ヒートパイプ22を渦巻状に配置することにより、放熱部分での温度分布を均一化し、放熱性を高めることができる。また、反射板10の大きさ(例えば、直径)が同等である場合には、実施の形態2のヒートパイプ21よりもヒートパイプ22の長さ(第1湾曲部221と第2湾曲部222との間の長さ)を長くすることができ、ヒートパイプ22の離隔領域S3における密度を大きくすることができるので、放熱性を高めることができる。
(実施の形態4)
図9は実施の形態4の光源装置160の一例を示す外観斜視図であり、図10は実施の形態4の光源装置160の一例を示す背面図である。実施の形態4の光源装置160は、実施の形態1のヒートパイプ20と実施の形態2のヒートパイプ21との2系列のヒートパイプ20、21を併せて用いる構成をなす。
図9、図10に示すように、LEDモジュール50を中心にした反射板10上の周方向に沿って、離隔領域においてはヒートパイプ20とヒートパイプ21とが交互に併設した状態とし、近傍領域ではヒートパイプ20が下段、ヒートパイプ21が上段で熱伝導部材30に当接又は近接して配置してある。これにより、さらに放熱性を高めることができる。
(実施の形態5)
図11は実施の形態5の光源装置180の一例を示す外観斜視図であり、図12は実施の形態5の光源装置180の一例を示す背面図であり、図13は実施の形態5の光源装置180の一例を示す側面図であり、図14は実施の形態5の光源装置180の一例を示す正面図である。実施の形態1の光源装置100との相違点は、円形状の反射板10に代えて、略半球面状の反射板60を備える点である。
実施の形態5の光源装置180は、略半球面状の反射板60、反射板60の中央に配置された光源としてのLEDモジュール50(不図示)、反射板60のLEDモジュール50が配置された一面(LEDモジュール50の光を反射させる反射面)と反対側の他面に取り付けられたヒートパイプ23などを備える。すなわち、光源装置180は、底部にLEDモジュール50を配置した椀状の反射板60を備え、反射板60にヒートパイプ23を取り付けてある。光源装置180は、反射板60を装着可能な所要の照明装置(例えば、高圧水銀灯又は高圧ナトリウム灯などの代替となる照明装置)に組み込むことができる。
すなわち、反射板60は、略半球面状をなし、ヒートパイプ23は、LEDモジュール50を中心にして反射板60上に配置してある。具体的には、略半球面状の反射板60の内面中央にLEDモジュール50を配置し、反射板60の外面(反射面と反対側の面)にヒートパイプ23を取り付ける。反射板60の中央部(LEDモジュール50の近傍領域)でヒートパイプ23を約180度弱湾曲させ(第1湾曲部231)、反射板60の周縁部(離隔領域)でヒートパイプ23を約180度強湾曲させる(第2湾曲部232)ことにより、略半球面状の反射板60の中央部と周縁部との間でヒートパイプ23を往復した状態にすることができる。
実施の形態1〜4の場合の平面上の反射板に比較して、略半球面状の反射板60では、周縁部におけるヒートパイプ23の間隔が短くなるので、放射状にヒートパイプ23を配置したときのLEDモジュール50を囲む輪の数が多くなり、反射板60の面積当たりのヒートパイプ23の配置効率を向上させることができる。
実施の形態1と同様、第1湾曲部231の曲率は、第2湾曲部232の曲率よりも大きい。すなわち、高温領域である近傍領域でヒートパイプ23の第1湾曲部231の曲率を相対的に大きく(曲率半径を相対的に小さく)することにより、LEDモジュール50からの熱をヒートパイプ23へ伝導しやすくすることができる。また、低温領域である離隔領域でヒートパイプ23の第2湾曲部232の曲率を相対的に大きくすることにより、往復した状態のヒートパイプ23間の間隔を相対的に広くすることができるので、ヒートパイプ23の低温領域で効率よく放熱することができる。
また、反射板60にヒートパイプ23を取り付けてあるので、LEDモジュール50で発生した熱を反射板60からも放熱させることができる。また、光源で発生する熱を放熱させるためのヒートシンクなどの部材が必要ないので、光源装置180又は照明装置を軽量化することができる。さらに、LEDモジュール50で発生する熱を効率よく放熱することにより、LEDモジュール50の温度上昇を抑えることができ、LEDモジュール50の出力光束を高めることができると共に、LEDモジュール50の信頼性を向上させることができる。
なお、反射板60の開口面にガラスを設けて内部を封止することにより、水又は埃などが侵入することを防止することができる。
反射板60の形状は、略半球面状に限定されるものではない。すなわち、椀状には、略半球面状だけでなく、底部から反射板の開口面に向かって拡径する形状であれば、光源の配光に応じた曲面をなすものも含まれる。
(実施の形態6)
図15は実施の形態6の光源装置200の一例を示す背面図である。実施の形態5との相違は、ヒートパイプ24の第1湾曲部241の湾曲方向が異なる。なお、実施の形態5と同様の箇所は同一符号を付して説明を省略する。
すなわち、図15に示すように、第1湾曲部241は、LEDモジュール50を中心にした反射板60上の円周方向(反射板60の面に平行な方向)に対して直交する方向(反射板60に対して垂直な方向)に湾曲してある。第1湾曲部241の湾曲方向は、実施の形態2の第1湾曲部211の湾曲方向と同様である。
実施の形態5のように、ヒートパイプ23を円周方向に平行な面内で湾曲させた場合、1つの湾曲部で必要とする寸法は、往復のヒートパイプ2つ分の外径と往復のヒートパイプの曲げ径との合計に相当する。
一方、実施の形態6のように、ヒートパイプ24を円周方向に対して直交する方向に湾曲させた場合、1つの湾曲部で必要とする寸法はヒートパイプ1つ分の外径に相当する。これにより、LEDモジュール50の周囲で往復させる回数を多くすることができる。実施の形態5では、LEDモジュール50を囲む輪の数が12であったが、実施の形態6では、図15に示すように、輪の数を18に増やすことができる。すなわち、高温領域と低温領域との間でのヒートパイプ24の輪の数を多くすることができ、ヒートパイプ24内の流体の往復運動(振動)を安定させることができる。また、実施の形態5と比較して、LEDモジュール50の中心に近接してヒートパイプ24を配置することが可能となり、効率よく放熱することができる。
(実施の形態7)
上述の実施の形態では、光源装置は反射板を備える構成であったが、反射板を具備しない構成とすることもできる。
図16は実施の形態7の光源装置220の一例を示す背面側から見た外観斜視図であり、図17は実施の形態7の光源装置220の一例を示す正面側から見た外観斜視図であり、図18は実施の形態7の光源装置220の一例を示す背面図であり、図19は実施の形態7の光源装置220の一例を示す側面図であり、図20は実施の形態7の光源装置220の一例を示す正面図である。光源装置220は、例えば、スポットライト、ダウンライトなどの照明装置に組み込むことができる。
光源装置220は、LEDモジュール50、LEDモジュール50に当接した熱伝導部材30、LEDモジュール50の近傍領域と当該近傍領域よりもLEDモジュール50から離隔した離隔領域との間を往復してあるヒートパイプ25などを備える。ヒートパイプ25は、熱伝導部材30に当接又は近接させた状態で、LEDモジュール50を中心にして放射状に配置してある。LEDモジュール50の近傍領域は高温領域(発熱部分)であり、離隔領域は低温領域(放熱部分)である。
ヒートパイプ25を高温領域と低温領域との間で往復した構造とすることにより、ヒートパイプ25内部に充填された流体(例えば、液スラグ)が往復運動(振動)を繰り返すため、LEDモジュール50の熱をLEDモジュール50から離隔した低温領域へ効率良く輸送することができる。また、LEDモジュール50を中心にして放射状にヒートパイプ25を配置することにより、LEDモジュール50の周囲に低温領域を設け、LEDモジュール50の熱を周囲に効率良く伝えることができ、優れた放熱効果を実現することができる。
また、ヒートパイプ25は、LEDモジュール50の近傍領域で湾曲させた第1湾曲部251と、LEDモジュール50から離隔した離隔領域で湾曲させた第2湾曲部252とを備える。また、第1湾曲部251の曲率は、第2湾曲部252の曲率よりも大きい。すなわち、高温領域である近傍領域でヒートパイプ25の第1湾曲部251の曲率を相対的に大きく(曲率半径を相対的に小さく)することにより、LEDモジュール50からの熱をヒートパイプ25へ伝導しやすくすることができる。また、低温領域である離隔領域でヒートパイプ25の第2湾曲部252の曲率を相対的に小さく(曲率半径を相対的に大きく)することにより、往復した状態のヒートパイプ25間の間隔を相対的に広くすることができるので、ヒートパイプ25の低温領域で効率よく放熱することができる。
(実施の形態8)
図21は実施の形態8の光源装置240の一例を示す背面図である。実施の形態7(図18)との相違点は、ヒートパイプ26を捻った状態にしてある点である。すなわち、実施の形態7の光源装置220では、1つの輪を構成するヒートパイプ25同士が、正面視又は背面視でほぼ重なるようにヒートパイプ25を形成してある。これに対して、実施の形態8の光源装置240では、1つの輪を構成するヒートパイプ26同士が、正面視又は背面視で離隔するようにヒートパイプ25を捻った状態で形成してある。
ヒートパイプ25を捻った状態で配置することにより、ヒートパイプ26の長さ(第1湾曲部261と第2湾曲部262との間の長さ)を長くすることができ、放熱性を高めることができる。
(実施の形態9)
図22は実施の形態9の光源装置260の一例を示す背面側から見た外観斜視図であり、図23は実施の形態9の光源装置260の一例を示す正面側から見た外観斜視図であり、図24は実施の形態9の光源装置260の一例を示す背面図であり、図25は実施の形態9の光源装置260の一例を示す側面図であり、図26は実施の形態9の光源装置260の一例を示す正面図である。実施の形態7との相違点は、光源装置260が、放熱部としての放熱フィン70、断熱部材71、熱伝導部材72を備える点である。
例えば、図22に示すように、ヒートパイプ25の第2湾曲部252を含む離隔領域(低温領域、放熱部分)には、ヒートパイプ25を外周部に設けた状態で放熱フィン70を取り付けてある。これにより、LEDモジュール50で発生した熱を低温領域の放熱フィン70からも放熱させることができ、放熱性を高めることができる。
また、ヒートパイプ25の第1湾曲部251を含む近傍領域と離隔領域との間に断熱部材71を備える。断熱部材71を設けることにより、ヒートパイプ25の高温領域と低温領域との間の温度差を大きくすることができ、ヒートパイプ25内の流体の往復運動(振動)を安定化させることができる。断熱部材71は、例えば、熱可塑性の樹脂を用いることができる。また、断熱部材71は、ヒートパイプ25を固定する効果も備える。
また、ヒートパイプ25の第1湾曲部251を含む近傍領域には、熱伝導部材72を備える。これにより、LEDモジュール50の熱をヒートパイプ25へ伝えやすくすることができる。熱伝導部材72は、高熱伝導性の樹脂を用いることができる他、金属でヒートパイプ25の外側を被覆してもよい。なお、放熱フィン70、断熱部材71、熱伝導部材72の形状は、図に例示したものに限定されるものではない。
(実施の形態10)
図27は実施の形態10の光源装置280の一例を示す背面側から見た外観斜視図であり、図28は実施の形態10の光源装置280の一例を示す正面側から見た外観斜視図であり、図29は実施の形態10の光源装置280の一例を示す背面図であり、図30は実施の形態10の光源装置280の一例を示す側面図である。
光源装置280は、円形状の熱伝導部材31、熱伝導部材31の一面に載置された複数のLEDモジュール50、熱伝導部材31の他面に、一部を当接又は近接させたヒートパイプ27、28などを備える。
ヒートパイプ27、28は、いずれもソレノイド状又は3次元のコイル状に形成してある。すなわち、ヒートトパイプ27は、螺旋状に閉じたループとするとともに両端部で湾曲したヒートパイプを比較的径の大きい環状に形成したものであり、ヒートトパイプ28は、螺旋状に閉じたループとするとともに両端部で湾曲したヒートパイプを比較的径の小さい環状に形成したものである。熱伝導部材31の他面に、それぞれの環状部分を同心円状にしてヒートパイプ27、28を配置してある。
螺旋状にループしたヒートパイプ27、28の一方の湾曲部(LEDモジュール50の近傍領域)が熱伝導部材31に当接又は近接させてある。これにより、LEDモジュール50の熱を効率よく放熱させることができる。
上述の各実施の形態では、ヒートパイプが、いわゆる自励振動型であるので高い熱伝導効率が得られ、熱輸送限界も高く、LEDモジュールで生じる熱を効率よく放熱することができる。また、反射板を具備する構成では、例えば、反射板の背面(反射面と反対側の面)にヒートパイプを併設することにより、従来のようなヒートシンクを用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、高い放熱性の結果、LEDモジュールの温度上昇を低く抑えることができるので、LEDモジュールの信頼性も向上する。また、自励振動型であるため、照明装置の取付状態、取付方向に関わらず、重力の影響を受けることがない。
上述の各実施の形態又は実施例において記載されている構成は、お互いに組み合わせることが可能であり、組み合わせをすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
上述の実施の形態では、光源としてLEDモジュールを備える照明装置について説明したが、光源はLEDモジュールに限定されるものではなく、EL(Electro Luminescence)などでもよい。
10、60 反射板
20、21、22、23、24、25、26、27、28 ヒートパイプ
201、211、221、231、241、251、261 第1湾曲部
202、212、222、232、242、252、262 第2湾曲部
30、31、72 熱伝導部材
50 LEDモジュール
70 放熱フィン
71 断熱部材

Claims (5)

  1. 光源と、
    該光源の近傍領域と該近傍領域よりも前記光源から離隔した離隔領域との間を往復してあるヒートパイプと
    を備え、
    該ヒートパイプは、
    前記光源を中心にして放射状に配置してあることを特徴とする光源装置。
  2. 前記ヒートパイプは、
    前記近傍領域で湾曲させた第1湾曲部と、
    前記離隔領域で湾曲させた第2湾曲部と
    を備え、
    前記第1湾曲部の曲率は、前記第2湾曲部の曲率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 底部に前記光源を配置した椀状の反射板を備え、
    該反射板に前記ヒートパイプを取り付けてあることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の光源装置。
  4. 前記第1湾曲部は、
    前記光源の光軸を中心とする円の接線に直交する方向に湾曲してあることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
  5. 前記ヒートパイプは、
    閉ループをなすようにしてあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光源装置。
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