JP2014074368A - ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベーンポンプにおいてベーン基端側空間の圧力低下によって起きるベーンの離間を防止すること。
【解決手段】流体圧力供給源として用いられるベーンポンプ1では、ベーン3の基端部に対峙するベーンリング61と、ロータ2の端面に環状に開口してベーンリング61が収容されるベーンリング収容溝22と、ベーンリング収容溝22の底部22Aに環状に開口する環状溝25と、環状溝25とベーンリング61の間に画成されるベーン基端側連通路と、を備える構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体圧力供給源として用いられるベーンポンプに関するものである。
この種のベーンポンプは、ロータの放射状のスリットに複数のベーンが収められる。各ベーンは、その基端部を押圧するベーン背圧室の流体圧力と、ロータの回転に伴って働く遠心力とによって、スリットから突出する方向に付勢され、その先端がカムリングの内周カム面に摺接する。ロータが回転するのに伴って内周カム面に摺接するベーンが往復動してポンプ室が拡張、収縮し、ポンプ室にて加圧された作動流体がサイドプレートに開口する吐出ポートからベーンポンプ内の吐出圧室に吐出され、この吐出圧室から流体圧力機器へと供給される。
このようなベーンポンプにあっては、ロータの回転停止状態が続くと、ロータの上部にあるベーンが重力によってスリットの奥に下降するため、起動時にベーンがスリットから突出する動作が遅れて、ポンプ吐出圧の立ち上がりが遅れる可能性があった。
この対策案として特許文献1に開示されたベーンポンプは、ロータ及びベーンが摺接する第一側方部材と、この第一側方部材から突出するベーンガイドを備える。このベーンガイドは、ロータの回転停止時にベーンの基端部に当接してベーンをベーン溝から強制的に突出させるものである。
上記のベーンガイドは、第一側方部材に形成された収容凹部に収容され、一対のピンを介して第一側方部材に取り付けられる。
上記の第一側方部材には、収容凹部の底壁に開口する環状の溝が形成され、この溝によって第1背圧通路が画成されている。この第1背圧通路によって吐出領域から吸入領域への移行域にあるベーン背圧室に背圧用作動油が供給されるようになっている。
特開2005−120893号公報
上記のベーンガイドのまわりには、各ベーンの基端部の間にベーン基端側空間(油室)が画成され、このベーン基端側空間がロータの回転に伴って収縮し、拡張する。
上記のベーン基端側空間は、吸込領域で収縮して高圧になる一方、吐出領域で拡張して低圧になる。このため、吐出領域にてベーン基端側空間の圧力低下によってベーンがベーン基端側空間に引き込まれ、ベーンの先端がカムリングの内周カム面から離れるベーンの離間が起きて、ベーンポンプの作動不良を招くという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ベーンポンプにおいてベーン基端側空間の圧力低下によって起きるベーンの離間を防止することを目的とする。
本発明は、流体圧力供給源として用いられるベーンポンプであって、回転駆動されるロータと、このロータに放射状に形成される複数のスリットと、このスリットに摺動自在に挿入される複数のベーンと、ロータが回転するのに伴ってベーンの先端が摺接する内周カム面を有するカムリングと、このカムリングとロータと隣り合うベーンとの間に画成されるポンプ室と、ベーンの基端部に対峙するベーンリングと、スリットの一端が開口してベーンリングが収容されるベーンリング収容溝と、このベーンリング収容溝の底部に環状に開口する環状溝と、この環状溝とベーンリングの間に画成されるベーン基端側連通路と、を備える構成とした。
本発明によれば、ベーンリングのまわりにて隣り合うベーンの基端部の間に画成されるベーン基端側空間がロータの回転に伴って収縮し、拡張する。収縮するベーン基端側空間にて上昇する作動流体の圧力がベーン基端側連通路を通じて拡張するベーン基端側空間に導かれて、拡張するベーン基端側空間の圧力低下が抑えられ、カムリングに対するベーンの離間が防止される。
本発明の第1実施形態に係るベーンポンプの断面図である。 ベーンポンプの通路構成を示す背面図である。 ロータ等の断面図である。 ロータ等の斜視図である。 ロータ等の正面図である。 ロータ等の断面図である。 本発明の第2実施形態に係るロータ等の断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜7に示すベーンポンプ1は、車両に搭載される油圧機器14として、例えば、パワーステアリング装置や変速機等の油圧供給源として用いられるものである。
ベーンポンプ1には、作動流体として、作動油(オイル)を用いるが、作動油の代わりに例えば水溶性代替液等の作動液を用いてもよい。
ベーンポンプ1の作動時に、駆動シャフト9の端部にエンジンまたは電動モータ(図示せず)の動力が伝達され、駆動シャフト9に連結されたロータ2が図2において矢印で示す方向に回転する。
駆動シャフト9は、ポンプボディ10とポンプカバー50に軸受16、17を介して回転自在に支持される。
ポンプボディ10のポンプ収容凹部10Aには、ロータ2、カムリング4、ボディ側サイドプレート30、カバー側サイドプレート40等が収容される。ポンプボディ10には、ポンプカバー50が締結され、このポンプカバー50によってポンプ収容凹部10Aが封止される。
ベーンポンプ1は、ロータ2の回転径方向に往復動自在に設けられる複数のベーン3と、ロータ2及びベーン3を収容するカムリング4とを備える。ベーンポンプ1の作動時に、ロータ2の回転に伴ってベーン3の先端がカムリング4の内周カム面4Aに摺接する。
図2にも示すように、ロータ2には、複数のスリット5が一定の間隔をもって放射状に形成される。
図3にも示すように、スリット5は、ロータ2の両端面2B、2C、及び外周部2Aに開口する。ベーン3は、略矩形の平板状に形成され、スリット5に摺動自在に挿入される。
カムリング4の内部には、ロータ2の外周部2A、カムリング4の内周カム面4A、及び隣り合うベーン3によって複数のポンプ室7が画成される。
カムリング4は、内周カム面4Aの断面が略長円形状をした環状の部材である。ロータ2が1回転するのに伴って、内周カム面4Aに追従する各ベーン3が2回往復動する。
ベーンポンプ1は、ベーン3が1回目の往復動をする第一の吸込領域、第一の吐出領域と、ベーン3が2回目の往復動をする第二の吸込領域、第二の吐出領域とを有する。ポンプ室7は、第一の吸込領域にて拡張し、第一の吐出領域にて収縮し、第二の吸込領域にて拡張し、第二の吐出領域にて収縮する。
このように、ベーンポンプ1は、2つの吸込領域及び2つの吐出領域を有するが、これに限らず、1つまたは3つ以上の吸込領域及び1つまたは3つ以上の吐出領域を有する構成としてもよい。
ボディ側サイドプレート30の端面39には、ロータ2の端面2Bが摺接する。この端面39には、第一の吸込領域に第一の吸込ポート31が開口され、第二の吸込領域に第二の吸込ポート32が開口される。
カバー側サイドプレート40の端面49には、ロータ2の端面2Cが摺接する。この端面49には、第一の吸込領域に第一の吸込ポート41が開口され、第二の吸込領域に第二の吸込ポート42が開口される。
ポンプカバー50によって吸込圧室51が画成される。この吸込圧室51は、吸込通路11を介してタンク12に連通されるとともに、第一の吸込ポート31、41、第二の吸込ポート32、42に連通される。
ベーンポンプ1の作動時に、タンク12内の作動流体が、図1に矢印で示すように、吸込通路11、吸込圧室51、第一の吸込ポート31、41及び第二の吸込ポート32、42を順に通って第一、第二吸込領域のポンプ室7に供給される。
ボディ側サイドプレート30の端面39には、第一の吐出領域に第一の吐出ポート43が開口され、第二の吐出領域に第二の吐出ポート44が開口される。
ポンプボディ10とボディ側サイドプレート30の間に吐出圧室18が画成される。この吐出圧室18には、第一の吐出ポート43及び第二の吐出ポート44がそれぞれ開口されるとともに、油圧機器(流体圧力供給先)14に連通する吐出通路13が接続される。
ベーンポンプ1の作動時に、第一、第二吐出領域にてポンプ室7から吐出される加圧作動流体は、第一の吐出ポート43及び第二の吐出ポート44、吐出圧室18、吐出通路13を順に通って油圧機器14に供給される。油圧機器14から排出される作動流体は、戻し通路15を通ってタンク12に戻される。
吐出圧室18に導かれるポンプ吐出圧によってボディ側サイドプレート30の端面39がカムリング4の後側の端面4B(図3参照)に押し付けられ、カムリング4の前側の端面4C(図3参照)がカバー側サイドプレート40の後側の端面49に押し付けられるとともに、カバー側サイドプレート40の前側の端面48がポンプカバー50に押し付けられる。
スリット5の奥側には、ベーン3の基端部によってベーン背圧室6が画成される。ベーンポンプ1の作動時に、ロータ2が回転するのに伴って内周カム面4Aに摺接するベーン3が往復動してベーン背圧室6が収縮し、拡張される。
ボディ側サイドプレート30の端面39には、2つの背圧ポート33が形成される。各背圧ポート33は、ロータ2の回転軸を中心とする円弧状に並んで延び、ベーン背圧室6にそれぞれ連通される。背圧ポート33は、第一の吸込領域、第二の吸込領域に設けられる。一方、第一の吐出領域、第二の吐出領域には、背圧ポートが設けられない。
ボディ側サイドプレート30には、吐出圧室18と各背圧ポート33とを連通する複数の吐出圧導入通孔34が形成される。ベーンポンプ1の作動時に、ロータ2の回転に伴って各ベーン背圧室6が背圧ポート33に間欠的に連通して、吐出圧室18に生じるポンプ吐出圧が各吐出圧導入通孔34から背圧ポート33を通って各ベーン背圧室6に導かれ、このポンプ吐出圧によってベーン3がスリット5から突出する方向に付勢される。
ベーンポンプ1の作動時に、ベーン3は、その基端部を押圧するベーン背圧室6の流体圧力と、ロータ2の回転に伴って働く遠心力とによって、スリット5から突出する方向に付勢され、その先端がカムリング4の内周カム面4Aに摺接する。ロータ2が回転するのに伴って内周カム面4Aに摺接するベーン3が往復動してポンプ室7が拡張、収縮し、ポンプ室7にて加圧された作動流体が吐出ポート43、44から吐出圧室18に吐出される。
ベーンポンプ1は、カバー側サイドプレート40からロータ2の内側に突出するベーンリング61を備える。このベーンリング61は、その外周部61A(図3参照)がベーン3の基端部に対峙し、ロータ2の回転停止時にベーン3の下降を係止する。
ベーンリング61の外周部61Aは、カムリング4の内周カム面4Aと略相似形状(略長円形状)をして、内周カム面4Aに対するロータ2の回転径方向の距離が略一定になるように形成される。ロータ2が回転し始めるベーンポンプ1の起動時に、ベーン3の基端部がベーンリング61の外周部61Aに摺接することによって、ベーン3がスリット5から強制的に突出する。
図3にも示すように、ベーンリング61は、カバー側サイドプレート40とは別部材によって形成され、一対のピン62を介してカバー側サイドプレート40に取り付けられる。なお、これに限らず、ベーンリング61は、カバー側サイドプレート40に一体形成される構成としてもよい。
また、ベーンリング61は、リング状(環状)に限らず、複数のガイド部材またはカバー側サイドプレート40に一体形成される複数の凸部によって構成してもよい。
図4は、ベーンリング61を外した状態でカムリング4、ロータ2等を示す斜視図である。図5は、ベーンリング61を取り付けた状態でカムリング4、ロータ2等の前側(図1にて右側)を示す正面図である。
ロータ2の端面2Cには、ベーンリング61が収容されるベーンリング収容溝22が形成される。円環状のベーンリング収容溝22は、ロータ2の回転中心軸と同心状に形成される。
ベーンリング収容溝22には、スリット5の奥部が開口する。スリット5に収容されるベーン3は、その基端部がベーンリング61の外周部61Aに当接可能に対峙する。
ロータ2の回転停止状態が続くと、ロータ2の上部に位置する第二の吸込領域と第二の吐出領域にあるベーン3が、重力によってわずかに下降して、その基端部がベーンリング61の外周部61Aに当接する。こうして、ベーン3の下降が係止されることにより、ベーン3の先端が内周カム面4Aに接近して対峙する状態が維持される。
ベーンポンプ1の起動時に、予めベーン3の先端が内周カム面4Aに接近してポンプ室7が画成されているため、ロータ2の回転に伴ってポンプ室7が収縮する動作が速やかに行われ、ポンプ吐出圧の立ち上がりを早められる。
ベーンリング収容溝22とカバー側サイドプレート40の端面49とロータ2との間には、ベーンリング収容室60が画成される。このベーンリング収容室60には、吐出圧室18に生じるポンプ吐出圧が各吐出圧導入通孔34、各ベーン背圧室6を通じて導かれる。
ロータ2が回転駆動されると、第一の吐出領域にてベーン3がスリット5に入り、第二の吸込領域にてベーン3がスリット5から突出し、第二の吐出領域にてベーン3がスリット5に入り、第一の吸込領域にてベーン3がスリット5から突出する動作が繰り返される。
第一の吸込領域と第二の吸込領域にて、拡張するベーン背圧室6は、ボディ側サイドプレート30に開口する背圧ポート33に連通する。この背圧ポート33を介してベーン背圧室6に導かれるポンプ吐出圧によってベーン3がスリット5から突出する方向に付勢される。
第一、第二の吐出領域にて、収縮するベーン背圧室6によって加圧される作動流体が、ボディ側サイドプレート30側でベーンリング反対側圧力室20に流出する一方、カバー側サイドプレート40側でベーンリング収容室60に流出する。
第一、第二の吐出領域には、ボディ側サイドプレート30に開口する背圧ポートが設けられていないため、ベーン背圧室6で加圧される作動流体がベーンリング反対側圧力室20を通って背圧ポート33に流出することを抑えられる。
図4に示すように、ロータ2には、ベーンリング収容溝22の底部22Aに環状に開口する環状溝25が形成される。円環状の環状溝25は、ロータ2の回転中心軸と同心状に形成される。
図5に示すように、ロータ2に対峙してベーンリング61が組み付けられた状態において、環状溝25は、ベーンリング61の背後に設けられる部位と、ベーンリング61の外周部61Aのまわりに開口される部位と、を有する。環状溝25とベーンリング61の間には、第一ベーン基端側連通路91と第二ベーン基端側連通路92がそれぞれ画成される。第一ベーン基端側連通路91は、第一吸込領域と第一吐出領域に渡って設けられる。第二ベーン基端側連通路92は、第二吸込領域と第二吐出領域に渡って設けられる。
環状溝25は、ベーンリング収容溝22の外周側に配置され、各スリット5の中程と交差するように設けられる。これにより、ロータ2の回転に伴って往復動するベーン3は、第二吐出領域から第一吸込領域への移行域で環状溝25を横切り、第一吸込領域から第一吐出領域への移行域で環状溝25から出て、第一吐出領域から第二吸込領域への移行域で環状溝25を横切り、第二吸込領域から第二吐出領域への移行域で環状溝25から出る動作を繰り返す。このように2カ所の移行域で環状溝25を横切るベーン3によって環状溝25が第一ベーン基端側連通路91側と第二ベーン基端側連通路92側に仕切られる。
図6に示すように、ロータ2には、ベーン背圧室6が環状溝25内に開口するようにスリット5が形成される。スリット5は、ベーン3の両側面3Aに摺接する対のガイド面5Cと、ベーン3の側面3Aから離れてベーン背圧室6を画成するベーン背圧室壁面5Dと、を有する。ガイド面5Cとベーン背圧室壁面5Dの境界部5Eは、環状溝25の内側(ロータ2の回転径方向について回転中心軸側)に設けられる。
図6に示す構成において、ベーン3が環状溝25を横切ってスリット5の奥に入る移行域では、ベーン背圧室壁面5Dとベーン3の間の隙間(ベーン背圧室6の一部)が、絞り部としてベーン3によって仕切られる環状溝25の第一ベーン基端側連通路91側と第二ベーン基端側連通路92側を連通している。
環状溝25の外周側壁部25Bは、ベーンリング収容溝22の外周側壁部22Bに連接して形成される。図3に示すように、ベーンリング収容溝22の外周側壁部22Bは、ロータ2の回転中心軸に対して傾斜するテーパ状に形成される。環状溝25の外周側壁部25Bは、ロータ2の回転中心軸に対して平行に延びる直円筒面状に形成される。
環状溝25の内周側壁部25Cは、ベーンリング収容溝22の底部22Aに開口する直円筒面状に形成される。
なお、上述した構成に限らず、ベーンリング収容溝22の外周側壁部22B、環状溝25の外周側壁部25B、内周側壁部25Cの断面形状は、ベーンポンプ1の仕様に応じて任意に設定される。
ベーンポンプ1の作動時に、ベーンリング収容室60において、各ベーン3の基端部がベーンリング61の外周部61Aに沿って移動することにより、隣り合うベーン3の基端部とベーンリング61の外周部61Aの間に画成されるベーン基端側空間(油室)81〜84が拡縮するが、第一ベーン基端側連通路91と第二ベーン基端側連通路92によって各ベーン基端側空間81〜84の圧力変動を抑えられ、ベーン3がカムリング4に円滑に追従する。
以下、上記のベーンポンプ1の作動について詳述する。各ベーン3の基端部がベーンリング61の外周部61Aに沿って第一の吸込領域から第一の吐出領域へと移動すると、第一の吸込領域におけるベーン基端側空間81が収縮し、第一の吐出領域におけるベーン基端側空間82が拡張する。ベーン基端側空間81にて高まる作動流体圧力が、図5に破線の矢印で示すように、第一ベーン基端側連通路91を通じてベーン基端側空間82に導かれ、ベーン基端側空間82の圧力低下が抑えられる。
同様に、各ベーン3の基端部がベーンリング61の外周部61Aに沿って第二の吸込領域から第二の吐出領域へと移動すると、第二の吸込領域におけるベーン基端側空間83が収縮し、第二の吐出領域におけるベーン基端側空間84が拡張する。ベーン基端側空間83にて高まる作動流体圧力が、図4に破線の矢印で示すように、第二ベーン基端側連通路92を通じてベーン基端側空間84に導かれ、ベーン基端側空間84の圧力低下が抑えられる。
一方、ベーン3の基端部が第一の吐出領域から第二の吸込領域へと移動する移行域では、ベーン3が環状溝25を横切り、環状溝25がベーン3によって仕切られる。これにより、環状溝25の作動流体がベーン背圧室6、背圧ポート33、吐出圧導入通孔34を通じて吐出圧室18へ流出することが抑えられて、第二の吐出領域で拡張し始めるベーン基端側空間84に導かれる作動流体圧力を高められる。
同様、ベーン3の基端部が第二の吐出領域から第一の吸込領域へと移動する移行域でも、ベーン3が環状溝25を横切り、環状溝25がベーン3によって仕切られる。これにより、環状溝25の作動流体がベーン背圧室6、背圧ポート33、吐出圧導入通孔34を通じて吐出圧室18へ流出することが抑えられて、第一の吐出領域で拡張し始めるベーン基端側空間82に導かれる作動流体圧力を高められる。
また、ベーンリング61の外周部61Aとベーンリング収容溝22の外周側壁部22Bの間にベーンリング外周間隙93(図3参照)が設けられる。ベーン基端側空間81、83にて高まる作動流体圧力が、ベーンリング外周間隙93を通じてベーン基端側空間82、84に導かれ、ベーン基端側空間82、84の圧力低下が抑えられる。上記したように第一、第二ベーン基端側連通路91、92によってベーン基端側空間82、84の圧力低下が抑えられるため、ベーンリング61の外周部61Aの外径(長径)を小さくしてベーンリング外周間隙93の流路断面積を大きくする必要がない。このため、ベーンリング61の外周部61Aの外径(長径)を大きく設定することが可能となり、ロータ2の回転停止時にベーン3の下降を係止することが有効に行われる。これによってベーンポンプ1の起動性能を高められる。
さらに、ベーンリング61の端面とベーンリング収容溝22の底部22Aの間にベーンリング端間隙94(図3参照)が設けられる。ベーン基端側空間81、83にて高まる作動流体圧力が、ベーンリング端間隙94を通じてベーン基端側空間82、84に導かれ、ベーン基端側空間82、84の圧力低下が抑えられる。上記したように第一、第二ベーン基端側連通路91、92によってベーン基端側空間82、84の圧力低下が抑えられるため、ベーンリング端間隙94の流路断面積を大きくする必要がなく、ベーンリング端間隙94の軸方向の開口幅を小さく設定することが可能となる。これにより、ベーンリング端間隙94の作動流体がベーン背圧室6、背圧ポート33、吐出圧導入通孔34を通じて吐出圧室18へ流出することが抑えられて、ベーン基端側空間82、84に導かれる作動流体圧力を高められる。
ロータ2が摺接する端面39に開口してポンプ吐出圧をベーン背圧室6に導く背圧ポート33を備え、背圧ポート33は、ポンプ室7が拡張する吸込領域のみに設けられて、ポンプ室7が収縮する吐出領域に設けられない。吐出領域にて収縮するベーン背圧室6で加圧される作動流体が背圧ポート33に流出することを抑えられることにより、ベーン背圧室6及び吐出領域にて拡張するベーン基端側空間82、84の流体圧力が高く保たれ、カムリング4に対するベーン3の離間が有効に防止される。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態のベーンポンプ1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
上記第1実施形態に係るベーンポンプ1のスリット5では、ベーン背圧室6が環状溝25に開口する構成であった。第2実施形態に係るベーンポンプのスリット95では、ベーン背圧室6が環状溝25に開口せず、ベーンリング収容溝22の底部22Aに開口する構成が、相違する。
スリット95は、ベーン3の両側面3Aに摺接する対のガイド面95Cと、ベーン3の側面3Aから離れてベーン背圧室6を画成するベーン背圧室壁面95Dと、を有する。ガイド面95Cとベーン背圧室壁面95Dの境界部95Eは、ベーンリング収容溝22の底部22Aに配置され、ベーン背圧室6がベーンリング収容溝22の底部22Aに開口する。
ポンプ室7が収縮する吐出領域からポンプ室7が拡張する吸込領域へ移行する移行域において、ベーン3が環状溝25を横切ってベーン背圧室壁面95Dによって画成されるベーン背圧室6に入るため、ベーン背圧室壁面95Dとベーン3の間の隙間(ベーン背圧室6の一部)が環状溝25内に開口せず、環状溝25がベーン3によって仕切られる部位の密封性を高められる。これにより、環状溝25の作動流体がベーン背圧室6、背圧ポート33、吐出圧導入通孔34を通じて吐出圧室18へ流出することが抑えられて、第一、第二の吐出領域で拡張し始めるベーン基端側空間82、84に導かれる作動流体圧力を高められる。これによって、カムリング4に対するベーン3の離間が有効に防止される。
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明のベーンポンプは、車両に搭載される流体圧力機器に限らず、例えば建設機械、作業機械、他の機械、設備等の負荷を駆動する流体圧力供給源として利用できる。
1 ベーンポンプ
2 ロータ
3 ベーン
4 カムリング
4A 内周カム面
5 スリット
6 ベーン背圧室
7 ポンプ室
22 ベーンリング収容溝
22A 底部
25 環状溝
33 背圧ポート
39 端面
61 ベーンリング
91、92 ベーン基端側連通路

Claims (4)

  1. 流体圧力供給源として用いられるベーンポンプであって、
    回転駆動されるロータと、
    前記ロータに放射状に形成される複数のスリットと、
    前記スリットに摺動自在に挿入される複数のベーンと、
    前記ベーンの基端部と前記スリットとの間に画成されるベーン背圧室と、
    前記ロータが回転するのに伴って前記ベーンの先端が摺接する内周カム面を有するカムリングと、
    前記カムリングと前記ロータと隣り合う前記ベーンとの間に画成されるポンプ室と、
    前記ベーンの基端部に対峙するベーンリングと、
    前記ロータの端面に環状に開口して前記ベーンリングが収容されるベーンリング収容溝と、
    前記ベーンリング収容溝の底部に環状に開口する環状溝と、
    前記環状溝と前記ベーンリングの間に画成されるベーン基端側連通路と、を備えることを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記環状溝は、前記ポンプ室が収縮する吐出領域から前記ポンプ室が拡張する吸込領域への移行域にて、前記ベーンによって仕切られることを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
  3. 前記ロータが摺接する端面に開口してポンプ吐出圧を前記ベーン背圧室に導く背圧ポートを備え、
    前記背圧ポートは、前記ポンプ室が拡張する吸込領域のみに設けられ、前記ポンプ室が収縮する吐出領域に設けられないことを特徴とする請求項1または2に記載のベーンポンプ。
  4. 前記ベーン背圧室の一端が前記環状溝に開口せず、前記ベーンリング収容溝の底部に開口することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のベーンポンプ。
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