JP2014074336A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレイグニッションの発生を検出した際に、ドライブラインでの共振の発生を適切に回避しつつ、プレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給を停止してそのプレイグニッションの発生に適切に対処する。
【解決手段】プレイグニッションの発生を検出したときにエンジン12の全気筒フューエルカット制御ができず、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御によってドライブライン48の共振が発生するときに、プレイグ検出気筒に加えてプレイグ検出気筒とは異なる所定の気筒のフューエルカット制御を実行することで、プレイグ検出気筒のフューエルカット制御を実行しつつエンジン入力周波数をドライブライン48の共振周波数帯域から外すことができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンの筒内におけるプレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給を停止する技術に関するものである。
エンジンの運転において、点火プラグによる正常な点火タイミング(着火タイミング)よりも前に筒内で混合気が自発火(自着火)するプレイグニッションと称される現象が発生することがある。このようなプレイグニッションが進行すると、筒内圧力が異常に高くされてエンジンの耐久性が低下させられる可能性がある。その為、プレイグニッションの発生に対処する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、プレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給を停止する技術が開示されている。
特開2009−133284号公報
ところで、上記特許文献1に記載された技術のように、一部気筒への燃料供給を停止すると、エンジンを起振源として生じるエンジンからの強制力(エンジンの回転変動、エンジン入力)の周波数(以下、エンジン入力周波数という)が、全気筒運転時(全気筒への燃料供給時)に対して変化させられる。このとき、そのエンジン入力周波数が、エンジンの回転変動が伝達されるエンジンから車体までの間の動力伝達経路(ドライブライン)の固有振動数帯域(共振周波数帯域)に入っていると、ドライブラインに共振が発生する。つまり、エンジンの回転変動が増幅されて、ドライブライン内で歯打ち音や振動が発生し、ドライバビリティが悪化する可能性がある。尚、上述したような課題は未公知であり、ドライブラインでの共振の発生を回避することを考慮して、プレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給を停止することについて未だ提案されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、プレイグニッションの発生を検出した際に、ドライブラインでの共振の発生を適切に回避しつつ、プレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給を停止してそのプレイグニッションの発生に適切に対処することができる車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) エンジンを備え、そのエンジンの筒内で発生するプレイグニッションを検出したときには、そのプレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給を停止する車両の制御装置であって、(b) 前記プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によって、前記エンジンの回転変動が伝達されるドライブラインに共振が発生する場合には、そのプレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給を停止することに加えて、その気筒とは異なる所定の気筒への燃料供給を更に停止するか或いはそのエンジンの回転速度を変更することにある。
このようにすれば、プレイグニッションの発生を検出した気筒とは異なる所定の気筒への燃料供給を更に停止するか或いはエンジンの回転速度を変更することで、プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によってドライブラインに共振が発生するときに、その気筒への燃料供給を停止しつつエンジン入力周波数をドライブラインの共振周波数帯域から外すことができる。よって、プレイグニッションの発生を検出した際に、ドライブラインでの共振の発生を適切に回避しつつ、プレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給を停止してそのプレイグニッションの発生に適切に対処することができる。つまり、プレイグニッション発生の防止と、プレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給の停止に伴う共振発生の防止とを両立し、ドライバビリティを向上することができる。
ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記エンジンからの動力を差動用電動機及び出力回転部材へ分配する差動機構と駆動輪に動力伝達可能に連結された走行用電動機とを有し、その差動用電動機の運転状態が制御されることによりその差動機構の差動状態が制御される電気式差動部を備え、前記プレイグニッションの発生を検出したときに、前記エンジンの全気筒への燃料供給を停止することができない場合には、少なくともそのプレイグニッションの発生を検出した気筒を含む一部気筒への燃料供給を停止するものであり、前記プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によって、前記共振が発生する場合には、そのプレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給を停止することに加えてその気筒とは異なる所定の気筒への燃料供給を更に停止することにある。このようにすれば、電気式差動部を備える車両において、プレイグニッションの発生を検出したときにエンジンの全気筒への燃料供給を停止することができず、プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によってドライブラインに共振が発生するときに、その気筒への燃料供給を停止しつつエンジン入力周波数をドライブラインの共振周波数帯域から外すことができる。
また、第3の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記エンジンからの動力を差動用電動機及び出力回転部材へ分配する差動機構と駆動輪に動力伝達可能に連結された走行用電動機とを有し、その差動用電動機の運転状態が制御されることによりその差動機構の差動状態が制御される電気式差動部を備え、前記プレイグニッションの発生を検出したときに、前記エンジンの全気筒への燃料供給を停止することができない場合には、少なくともそのプレイグニッションの発生を検出した気筒を含む一部気筒への燃料供給を停止するものであり、前記プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によって、前記共振が発生する場合には、そのプレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給を停止することに加えて前記エンジンの回転速度を変更することにある。このようにすれば、電気式差動部を備える車両において、プレイグニッションの発生を検出したときにエンジンの全気筒への燃料供給を停止することができず、プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によってドライブラインに共振が発生するときに、その気筒への燃料供給を停止しつつエンジン入力周波数をドライブラインの共振周波数帯域から外すことができる。
また、第4の発明は、前記第2の発明又は第3の発明に記載の車両の制御装置において、前記プレイグニッションの発生を検出したときに、前記エンジンの全気筒への燃料供給を停止することができない場合とは、前記走行用電動機を駆動力源として走行するモータ走行を実行することができない場合である。このようにすれば、プレイグニッションの発生を検出したときにエンジンの全気筒への燃料供給を停止してモータ走行することができない場合に、プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によってドライブラインに共振が発生するときであっても、その気筒への燃料供給を停止しつつエンジン入力周波数をドライブラインの共振周波数帯域から外すことができる。
また、第5の発明は、前記第1の発明乃至第4の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記共振が発生する場合とは、前記プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給を停止するときの前記エンジンの回転変動の周波数が、前記ドライブラインの所定の共振周波数帯域にある場合である。このようにすれば、プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によってドライブラインに共振が発生するときに、その気筒への燃料供給を停止しつつエンジン入力周波数をドライブラインの共振周波数帯域から外すことができる。
本発明が適用される車両における動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両に設けられた制御系統の要部を説明する図である。 図1のエンジンの概略構成を説明する図であると共に、エンジンの出力制御等を実行する為に車両に設けられた制御系統の要部を説明する図である。 電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 エンジンの回転変動が伝達されるドライブラインの「ばね−マス」の一例を示す概念図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわちプレイグニッションを検出した際にドライブラインでの共振の発生を適切に回避しつつプレイグ検出気筒のフューエルカット制御を実行してプレイグニッションの発生に適切に対処する為の制御作動を説明するフローチャートである。 図5のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートであって、対となる2気筒をフューエルカットすることで共振を回避する場合の一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわちプレイグニッションを検出した際にドライブラインでの共振の発生を適切に回避しつつプレイグ検出気筒のフューエルカット制御を実行してプレイグニッションの発生に適切に対処する為の制御作動を説明するフローチャートであって、図5とは別の実施例である。 図7のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートであって、エンジン回転速度を引き上げることで共振を回避する場合の一例を示す図である。
本発明において、好適には、前記車両は、前記ドライブラインの一部を構成する変速機を備えている。この変速機は、例えば複数のギヤ段が択一的に達成される公知の遊星歯車式自動変速機、2軸間に備えられた常時噛み合う複数対の変速ギヤの何れかを同期装置によって択一的に動力伝達状態とすることでギヤ段が切換られる公知の同期噛合型平行2軸式変速機、その同期噛合型平行2軸式変速機ではあるが上記同期装置がアクチュエータにより駆動されることでギヤ段が自動的に切換られる自動変速機、入力軸を2系統備えて各系統の入力軸にクラッチがそれぞれ繋がり更にそれぞれ偶数段と奇数段へと繋がっている型式の同期噛合型平行2軸式自動変速機である所謂DCT(Dual Clutch Transmission)、変速比が無段階に連続的に変化させられる公知のベルト式無段変速機やトラクション型無段変速機、或いは電気的に変速比が変更される公知の電気式無段変速機などにより構成される。
また、好適には、前記電気式差動部を備える車両では、前記出力回転部材と駆動輪とは動力伝達可能に連結され、前記走行用電動機は直接的に或いは歯車機構を介して間接的に前記差動機構の出力回転部材に動力伝達可能に連結される。また、上記歯車機構は、例えば2軸間を動力伝達可能に連結するギヤ対、遊星歯車やかさ歯車等の差動歯車装置にて構成された単段の減速機や増速機、或いは公知の遊星歯車式自動変速機などにより構成される。
また、好適には、前記差動機構は、前記エンジンに連結された第1回転要素と前記差動用電動機に連結された第2回転要素と前記出力回転部材に連結された第3回転要素との3つの回転要素を有する装置である。また、好適には、前記差動機構はシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、前記第1回転要素はその遊星歯車装置のキャリヤであり、前記第2回転要素はその遊星歯車装置のサンギヤであり、前記第3回転要素はその遊星歯車装置のリングギヤである。
また、好適には、前記エンジンと前記差動機構とは作動的に連結されればよく、例えばエンジンと差動機構との間には、脈動吸収ダンパー(振動減衰装置)、直結クラッチ、ダンパー付直結クラッチ、或いは流体伝動装置などが介在させられるものであっても良いが、エンジンと差動機構とが常時連結されたものであっても良い。また、前記エンジンとしては、内燃機関である公知のLPGエンジン、ガソリンエンジン、或いはディーゼルエンジンなどが広く用いられる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両としてのハイブリッド車両10(以下、車両10という)に備えられたエンジン12から駆動輪38までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両10に設けられた制御系統の要部を説明する図である。また、図2は、特に、図1のエンジン12の概略構成を説明する図であると共に、エンジン12の出力制御等を実行する為に車両10に設けられた制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、駆動力源としてのエンジン12から出力される動力を第1電動機MG1及び出力歯車14へ分配する動力分配機構16と、出力歯車14に連結される歯車機構18と、出力歯車14(延いては駆動輪38)に歯車機構18を介して動力伝達可能に連結された第2電動機MG2とを有する変速部20を備えて構成されている。
変速部20は、例えば車両10において横置きされるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、変速部20(動力分配機構16)の出力回転部材としての出力歯車14とカウンタドリブンギヤ22とで構成されるカウンタギヤ対24、ファイナルギヤ対26、差動歯車装置(終減速機)28、エンジン12に作動的に連結されるダンパー30、そのダンパー30に作動的に連結される入力軸32等とで、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース34内においてトランスアクスル(T/A)としての動力伝達装置36の一部を構成している。このように構成された動力伝達装置36では、ダンパー30及び入力軸32を介して入力されるエンジン12の動力や第2電動機MG2の動力が出力歯車14へ伝達され、その出力歯車14からカウンタギヤ対24、ファイナルギヤ対26、差動歯車装置28、一対の車軸(ドライブシャフト)29等を順次介して一対の駆動輪38へ伝達される。
入力軸32は、一端がダンパー30を介してエンジン12に連結されることでエンジン12により回転駆動させられる。また、他端には潤滑油供給装置としてのオイルポンプ40が連結されており入力軸32が回転駆動されることによりオイルポンプ40が回転駆動させられて、動力伝達装置36の各部例えば動力分配機構16、歯車機構18、不図示のボールベアリング等に潤滑油が供給される。
動力分配機構16は、サンギヤS1、キャリヤCA1、リングギヤR1を回転要素(回転部材)として備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、差動作用を生じる差動機構として機能する。この動力分配機構16においては、第1回転要素RE1としてのキャリヤCA1は入力軸32すなわちエンジン12に連結され、第2回転要素RE2としてのサンギヤS1は第1電動機MG1に連結され、第3回転要素RE3としてのリングギヤR1は出力歯車14に連結されている。これより、サンギヤS1、キャリヤCA1、リングギヤR1は、それぞれ相互に相対回転可能となることから、エンジン12の出力が第1電動機MG1及び出力歯車14に分配されると共に、第1電動機MG1に分配されたエンジン12の出力で第1電動機MG1が発電され、その発電された電気エネルギがインバータ42を介して蓄電装置44に蓄電されたりその電気エネルギで第2電動機MG2が回転駆動されるので、変速部20は例えば無段変速状態(電気的CVT状態)とされて、変速比γ(=エンジン回転速度Ne/出力回転速度Nout)が連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する。つまり、変速部20は、差動用電動機として機能する第1電動機MG1の運転状態が制御されることにより動力分配機構16の差動状態が制御される電気式差動部(電気式無段変速機)として機能する。
歯車機構18は、サンギヤS2、キャリヤCA2、リングギヤR2を回転要素として備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この歯車機構18においては、キャリヤCA2は非回転部材であるケース34に連結されることで回転が阻止され、サンギヤS2は第2電動機MG2に連結され、リングギヤR2は出力歯車14に連結されている。そして、この歯車機構18は、例えば減速機として機能するように遊星歯車装置自体のギヤ比(歯車比=サンギヤS2の歯数/リングギヤR2の歯数)が構成されている。
第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、電気エネルギから機械的な駆動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な駆動力から電気エネルギを発生させる発電機としての機能のうち少なくとも一方を備えた例えば同期電動機であって、好適には、発動機又は発電機として選択的に作動させられるモータジェネレータである。例えば、第1電動機MG1はエンジン12の反力を受け持つ為のジェネレータ(発電)機能及び運転停止中のエンジン12を回転駆動するモータ(電動機)機能を備え、第2電動機MG2は走行用の駆動力源として駆動力を出力する走行用電動機として機能する為の電動機機能及び駆動輪38側からの逆駆動力から回生により電気エネルギを発生させる発電機能を備える。
図2において、エンジン12は、例えば複数の気筒を有する公知の自動車用LPGエンジンであり、シリンダ(気筒)50内の燃焼室52の吸気ポートに接続された吸気管54と、燃焼室52の排気ポートに接続された排気管56と、燃焼室52に吸入される吸気(吸入空気)に燃料Fを噴射供給する燃料噴射装置58と、燃料噴射装置58により噴射供給された燃料Fと吸入された空気とから構成される燃焼室52内の混合気に点火プラグ60により点火する点火装置62とを備えている。
点火装置62は、例えばイグナイタ(点火回路)とイグニッションコイルとを一体的に備えると共に、燃焼時の火炎によって発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路64を含んで構成されている。イオン電流検出回路64は、例えば点火プラグ60の電極間に電圧を印加してその点火プラグ60を気筒内の燃焼検出センサとして利用することで、燃焼火炎に含まれるイオン(例えばC 、CHO等)をイオン電流として検出する。具体的には、点火プラグ60によるアーク放電終了後、イグニッションコイル2次側回路のチャージ電圧を点火プラグ60の中心電極に印加すると接地電極との電位差が生じ、燃焼火炎により電極間のガスがイオン化して流れるイオン電流が発生する。イオン電流検出回路64は、燃焼火炎中に検出される微小なイオン電流を増幅し、イオン電流信号Sionとして後述する電子制御装置80へ出力する。このイオン電流信号Sionは、電子制御装置80によるプレイグニッションの検出に用いられる。
図1,2において、車両10には、例えばエンジン12などの車両10の各部を制御する車両10の制御装置としての電子制御装置80が備えられている。電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2などに関するハイブリッド駆動制御等の車両制御を実行するようになっており、必要に応じてエンジン12の出力制御用や電動機MG1,MG2の出力制御用等に分けて構成される。また、電子制御装置80には、車両10に設けられた各種センサ(例えば各回転速度センサ66,67,68,69、アクセル開度センサ70、スロットル弁開度センサ72、エアフローメータ(吸入空気量センサ)74、バッテリセンサ76など)により検出された各種信号(例えばエンジン12の回転速度を表すエンジン回転速度Ne,車速Vに対応する出力歯車14の回転速度を表す出力回転速度Nout、第1電動機MG1の回転速度を表すMG1回転速度Nmg1,第2電動機MG2の回転速度を表すMG2回転速度Nmg2、車両10の駆動力(駆動トルク等も同意)に対する運転者の要求量を表すアクセル開度Acc、エンジン12の吸気管54内に設けられてスロットルアクチュエータ78により開閉作動させられる電子スロットル弁79の開き角度を表すスロットル弁開度θth、エンジン12の吸入空気量Qair、蓄電装置44のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbatなど)が、それぞれ入力される。加えて、電子制御装置80には、イオン電流検出回路64からイオン電流信号Sionが入力される。また、電子制御装置80からは、エンジン12(例えば燃料噴射装置58,点火装置62,スロットルアクチュエータ78)、インバータ42などの各装置に各種出力信号(例えばエンジン制御指令信号や電動機制御指令信号(変速制御指令信号)等のハイブリッド制御指令信号Shvなど)が出力される。尚、電子制御装置80は、例えば上記バッテリ温度THbat、バッテリ充放電電流Ibat、及びバッテリ電圧Vbatなどに基づいて蓄電装置44の充電状態(充電容量)SOCを逐次算出する。
図3は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図3において、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部82は、例えばエンジン12を効率のよい作動域で作動させる一方で、エンジン12と第2電動機MG2との駆動力の配分や第1電動機MG1の発電による反力を最適になるように変化させて変速部20の電気的な無段変速機としての変速比γを制御する。具体的には、ハイブリッド制御部82は、そのときの走行車速Vにおいて、アクセル開度Accや車速Vから車両10の目標出力(ユーザ要求パワー)を算出し、その目標出力と充電要求値(充電要求パワー)とから必要なトータル目標出力を算出し、そのトータル目標出力が得られるように伝達損失、補機負荷、第2電動機MG2のアシストトルク等を考慮して目標エンジン出力(要求エンジン出力、エンジン要求パワー)Petgtを算出し、その目標エンジン出力Petgtが得られるエンジン回転速度Neとエンジン12の出力トルク(エンジントルク)Teとなるようにエンジン12を制御すると共に第1電動機MG1及び第2電動機MG2の出力乃至発電を制御する。
また、ハイブリッド制御部82は、車両10の停止中又は走行中に拘わらず、すなわち車速V(駆動輪34)に拘束される出力回転速度Noutに拘わらず、変速部20の電気的CVT機能(差動作用)により、MG1回転速度Nmg1を制御することで、エンジン回転速度Neを略一定に維持したり任意の回転速度(例えば変化させたいエンジン回転速度Ne)に回転制御させられる。例えば、ハイブリッド制御部82は、車両走行中にエンジン回転速度Neを引き上げる場合には、出力回転速度Noutを略一定に維持しつつMG1回転速度Nmg1の引き上げを実行する。
また、ハイブリッド制御部82は、エンジン12の運転を停止した状態で蓄電装置44からの電力により第2電動機MG2を駆動してその第2電動機MG2のみを駆動力源として走行するモータ走行(EV走行)を実行することができる。このEV走行は、例えば目標出力が予め定められた閾値よりも小さなEV可能領域(すなわち要求駆動トルクの比較的低トルク域且つ車速Vの比較的低車速域)にあって、蓄電装置44の充電容量SOCがエンジン12の動力により蓄電装置44を充電する必要がある程の小さな充電容量として予め定められた閾値SOC1よりも大きなEV可能領域(すなわち充電容量SOCの比較的高充電容量域)にある場合に実行される。尚、上記要求駆動トルク(要求駆動力も同意)は、例えば目標出力と同様に、アクセル開度Accや車速Vから算出される。
ハイブリッド制御部82は、エンジン12の各気筒へのそれぞれの燃料供給を停止するフューエルカット制御を実行するフューエルカット制御手段すなわちフューエルカット制御部84を機能的に備えており、エンジン12の運転中に全気筒のフューエルカット制御を実行することでそのエンジン12を停止させる(すなわち全気筒休止させる)。このフューエルカット制御によるエンジン12の全気筒休止では、例えばエンジン12が回転停止させられる必要はないが、エンジン12の引き摺りを抑制して燃費を向上させる為に、第1電動機MG1を無負荷状態とすることにより空転させて、変速部20の差動作用により必要に応じてエンジン回転速度Neを零乃至略零に維持するようにしても良い。或いは、例えばエンジン12を回転停止させない場合には、エンジン12の吸排気弁及びピストンの少なくとも一方の動作を停止することによりエンジン12の回転抵抗を低減させても良い。
プレイグニッション検出手段すなわちプレイグニッション検出部86は、例えばエンジン12の筒内で発生するプレイグニッションを検出する。具体的には、プレイグニッション検出部86は、点火プラグ60によるアーク放電以前(点火プラグ60の点火時期以前)の所定期間にてイオン電流検出回路64から出力されるイオン電流信号Sionを検出した場合には、プレイグニッションが発生したと判定する。
ハイブリッド制御部82は、プレイグニッション検出部86によりプレイグニッションが発生したと判定されてプレイグニッションが検出された場合には、そのプレイグニッションの発生を検出した気筒(以下、プレイグ検出気筒ともいう)のフューエルカット制御を一時的に実行することで、温度上昇を抑制する。このプレイグ検出気筒のフューエルカット制御(以下、プレイグ検出気筒休止ともいう)は、少なくともプレイグ検出気筒が含まれていれば良い。
本実施例の車両10では、エンジン12を全気筒休止するEV走行が可能であるので、ハイブリッド制御部82は、プレイグニッションが検出された場合には、エンジン12の全気筒休止を実行することでプレイグ検出気筒休止を実行する。ハイブリッド制御部82は、要求駆動トルク、車速V、及び充電容量SOC等の車両状態がEV可能領域にあるか否かに基づいてEV走行が可能であるか否かを判断するEV走行可否判定手段すなわちEV走行可否判定部88を機能的に備えており、プレイグニッションの検出時にEV走行を実行することができる場合には、エンジン12を全気筒休止してEV走行に移行する。
一方で、ハイブリッド制御部82は、プレイグニッションの検出時にEV走行を実行することができない場合には(すなわちエンジン12の全気筒休止を実行できない場合には)、少なくともプレイグ検出気筒を含む一部気筒のフューエルカット制御(すなわちプレイグ検出気筒を含む部分気筒休止)を実行することでプレイグ検出気筒休止を実行する。このプレイグ検出気筒を含む部分気筒休止では、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御(部分気筒休止)を実行することが好ましい。
ところで、部分気筒休止を実行すると、エンジン12の回転変動の周波数(エンジン入力周波数)が、全気筒運転時に対して変化させられる。例えば、エンジン12が直列4気筒エンジンである場合において、エンジン回転速度Neが1500[rpm]のときのエンジン入力周波数は、全気筒運転時(回転2次)では50.0[Hz]となり、対となる2気筒休止時(回転1次)では25.0[Hz]となり、1気筒休止時(回転0.5次)では12.5[Hz]となる。このとき、エンジン入力周波数が、エンジン12の回転変動が伝達されるドライブライン(例えば図4に示すような、エンジン12からボデー(車体)46までの間の動力伝達経路)48の所定の共振周波数帯域に入っていると、そのドライブライン48に共振が発生する。このような共振は、エンジン12から駆動輪38までの動力伝達経路が直結されているような(すなわちクラッチ等による断接がないような)動力伝達装置36の構造上、発生し易いと考えられる。プレイグ検出気筒のみの部分気筒休止を実行した際に、エンジン入力周波数がドライブライン48の所定の共振周波数帯域に入ると、ドライブライン48に共振が発生し、ドライブライン48内で歯打ち音が発生したり車両振動が発生する可能性がある。このようにドライブライン48に共振が発生する場合には、プレイグ検出気筒のみの部分気筒休止を実行しないことが望ましい。尚、上記対となる2気筒とは、例えば直列4気筒エンジンにおいて点火順が連続しない2つの気筒であり、気筒の配列順が#1、#2、#3、#4であって点火順が#1、#3、#4、#2である場合には、#1と#4との2気筒、#3と#2との2気筒である。また、上記ドライブライン48の所定の共振周波数帯域は、例えば図4に示すようなドライブライン48の「ばね−マス」の諸元から決まるドライブライン48の共振周波数を中心とした周波数帯域であって、ドライブライン48内で歯打ち音や振動が発生してドライバビリティが悪化し易い周波数帯域として車両毎に予め定められている。
そこで、本実施例の電子制御装置80は、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御によってドライブライン48に共振が発生する場合には、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を実行することに加えて、エンジン入力周波数をドライブライン48の所定の共振周波数帯域から外す。例えば、プレイグ検出気筒とは異なる所定の気筒のフューエルカット制御を更に実行することで、エンジン入力周波数をドライブライン48の所定の共振周波数帯域から外す。上記所定の気筒とは、例えばドライブライン48に発生する共振を回避する為にプレイグ検出気筒に加えてフューエルカット制御する必要がある予め定められた気筒である。具体的には、所定の気筒は、プレイグ検出気筒が#1であるならば対となる2気筒の他方である#4であり、プレイグ検出気筒が#3であるならば対となる2気筒の他方である#2である。
より具体的には、図3に戻り、共振判定手段すなわち共振判定部90は、ハイブリッド制御部82によるプレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御によって、エンジン入力周波数がドライブライン48の所定の共振周波数帯域にあるか否かに基づいて、ドライブライン48に共振が発生するか否かを判定する。尚、エンジン入力周波数は、そのときのエンジン回転速度Ne、及びプレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を実行する際の気筒運転状態(気筒休止状態)に基づいて、電子制御装置80により算出される。
ハイブリッド制御部82は、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を実行する際に、共振判定部90によりドライブライン48に共振が発生すると判定された場合には、プレイグ検出気筒に加えて、プレイグ検出気筒とは異なる所定の気筒のフューエルカット制御を実行する。
図5は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわちプレイグニッションを検出した際にドライブライン48での共振の発生を適切に回避しつつプレイグ検出気筒のフューエルカット制御を実行してプレイグニッションの発生に適切に対処する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図6は、図5のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートであって、対となる2気筒をフューエルカットすることで共振を回避する場合の一例を示す図である。
図5において、先ず、プレイグニッション検出部86に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、例えばエンジン12のプレイグニッションが発生したか否かが判定される。プレイグニッションの発生が検出されない為に上記S10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。プレイグニッションの発生が検出された為に上記S10の判断が肯定される場合はEV走行可否判定部88に対応するS20において、要求駆動トルク、車速V、及び充電容量SOC等に基づいてEV走行が不可能であるか否かが判断される(図6のt1時点)。EV走行が可能である為に上記S20の判断が否定される場合はハイブリッド制御部82に対応するS30において、エンジン12が全気筒休止(全気筒フューエルカット制御)されてEV走行に移行させられる。一方で、EV走行が不可能である為に上記S20の判断が肯定される場合はハイブリッド制御部82に対応するS40において、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御(部分気筒休止)が実行される。例えば、プレイグ検出気筒が1気筒であればそのプレイグ検出気筒のみの1気筒休止が実行される(図6のt1時点以降)。この際、共振判定部90に対応するS50において、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御におけるエンジン入力周波数がドライブライン48の所定の共振周波数帯域にあるか否か、すなわちドライブライン48に共振が発生するか否かが判定される。このS50の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はハイブリッド制御部82に対応するS60において、プレイグ検出気筒に加えてそのプレイグ検出気筒とは異なる所定の気筒のフューエルカット制御が実行される。例えば、プレイグ検出気筒のみの1気筒休止に伴って共振が発生すると、動力伝達装置(トランスアクスル)36において比較的大きな振動や騒音が発生する(図6のt1時点乃至t2時点参照)。これに対して、プレイグ検出気筒を含む、対となる2気筒休止を実行することで、その共振の発生が回避される(図6のt2時点以降)。
上述のように、本実施例によれば、プレイグニッションの発生を検出したときにエンジン12の全気筒フューエルカット制御ができず、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御によってドライブライン48に共振が発生するときに、プレイグ検出気筒に加えてプレイグ検出気筒とは異なる所定の気筒のフューエルカット制御を実行することで、プレイグ検出気筒のフューエルカット制御を実行しつつエンジン入力周波数をドライブライン48の共振周波数帯域から外すことができる。よって、プレイグニッションの発生を検出した際に、ドライブライン48での共振の発生を適切に回避しつつ、プレイグ検出気筒のフューエルカット制御を実行してそのプレイグニッションの発生に適切に対処することができる。つまり、プレイグニッション発生の防止と、プレイグ検出気筒のフューエルカット制御に伴う共振発生の防止とを両立し、ドライバビリティを向上することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の実施例1では、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を実行することに加えて、プレイグ検出気筒とは異なる所定の気筒のフューエルカット制御を更に実行することで、エンジン入力周波数をドライブライン48の所定の共振周波数帯域から外した。本実施例では、それ(すなわちプレイグ検出気筒とは異なる所定の気筒のフューエルカット制御を更に実行すること)に替えて、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を実行することに加えて、エンジン回転速度Neを変更することで、エンジン入力周波数をドライブライン48の所定の共振周波数帯域から外す。
より具体的には、ハイブリッド制御部82は、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を実行する際に、共振判定部90によりドライブライン48に共振が発生すると判定された場合には、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を実行することに加えて、変速部20の電気的CVT機能(差動作用)によりMG1回転速度Nmg1を制御することでエンジン回転速度Neを変更する。例えば、ハイブリッド制御部82は、ドライブライン48の所定の共振周波数帯域からエンジン入力周波数を外す為に必要とされる予め定められたエンジン回転速度Neの変化分以上、エンジン回転速度Neを上昇させるか或いは下降させる。例えば、エンジン回転速度Neを上昇させる場合には、現在のエンジン回転速度Neに上記エンジン回転速度Neの変化分を加えた値が変化後のエンジン回転速度Neの下限値として設定される。或いは、エンジン回転速度Neを下降させる場合には、現在のエンジン回転速度Neから上記エンジン回転速度Neの変化分を引いた値が変化後のエンジン回転速度Neの上限値として設定される。
図7は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわちプレイグニッションを検出した際にドライブライン48での共振の発生を適切に回避しつつプレイグ検出気筒のフューエルカット制御を実行してプレイグニッションの発生に適切に対処する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図8は、図7のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートであって、エンジン回転速度Neを引き上げることで共振を回避する場合の一例を示す図である。この図7は、前述した実施例1における図5に対応する別の実施例であり、以下に図5と相違する点について主に説明する。
図7において、前記S50の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はハイブリッド制御部82に対応するS60’において、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御に加えて、MG1回転速度Nmg1が制御されることでエンジン回転速度Neが変更されてエンジン入力周波数がドライブライン48の所定の共振周波数帯域から外される。例えば、プレイグ検出気筒のみの1気筒休止に伴って共振が発生すると、動力伝達装置(トランスアクスル)36において比較的大きな振動や騒音が発生する(図8のt1時点乃至t2時点参照)。これに対して、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御に加えて、エンジン回転速度Neを下限値(下限Ne)以上に引き上げることで、その共振の発生が回避される(図8のt2時点以降)。
上述のように、本実施例によれば、プレイグニッションの発生を検出したときにエンジン12の全気筒フューエルカット制御ができず、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御によってドライブライン48に共振が発生するときに、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御に加えて、エンジン回転速度Neを変更することでエンジン入力周波数をドライブライン48の所定の共振周波数帯域から外すので、前述の実施例1と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、プレイグニッションの検出時にEV走行を実行することができない場合(すなわちエンジン12の全気筒休止を実行できない場合)に限って、プレイグ検出気筒を含む部分気筒休止を実行したが、これに限らない。例えば、プレイグニッションの検出時には常に、プレイグ検出気筒を含む部分気筒休止を実行しても良い。このような場合、図5、図7における各ステップS20、S30は備えられる必要はない。従って、車両10はEV走行を行うことが可能であるが、例えば車両走行は常にエンジン12を駆動力源として走行するエンジン走行で為されても差し支えない。このようにしても、本発明は適用され得る。
また、前述の実施例における図5乃至図8では、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を実行した後に共振の発生を判断したが、これに限らない。例えば、図5、図7におけるステップS50では、プレイグ検出気筒のみのフューエルカット制御を仮に実行するとしたら共振が発生するか否かを判断するようにしても良い。このような場合、図5、図7におけるステップS40は、ステップS50の判断が否定された場合に実行されると共に、ステップS60、S60’に組み込まれる。また、このような場合、図6,図8の各t1時点乃至t2時点に示したような共振現象は発生しないことは言うまでもない。
また、前述の実施例における図4で示したドライブライン48の「ばね−マス」の概念図は、飽く迄も一例であって、これに限らない。例えば、第2電動機MG2がフリー(無負荷状態)であるときには、MG2の慣性は図から除かれる。その為、ドライブライン48の共振周波数もMG2の慣性が有るときと無いときとでは異なる場合がある。従って、ドライブライン48の「ばね−マス」の各状態に対応する共振周波数帯域を予め定めておき、プレイグニッションの検出時の「ばね−マス」の状態に基づいて、ドライブライン48の共振周波数帯域を変更するようにしても良い。
また、前述の実施例では、イオン電流の検出に基づいてプレイグニッションを検出したが、これに限らず、例えば筒内圧力の変化に基づいてプレイグニッションを検出するなど、種々の方法によりプレイグニッションは検出される。
また、前述の実施例では、電気式差動部として機能する変速部20を備える車両10に本発明を適用させたが、これに限らない。例えば、エンジン12の動力が遊星歯車式自動変速機やベルト式無段変速機等の変速機を介して伝達される車両であっても本発明は適用され得る。このような変速機の場合、例えばその変速機の変速比を変更することでエンジン回転速度Neが変更させられる。また、EV走行ができない車両であっても本発明が適用され得ることは言うまでもない。
また、前述の実施例において、部分気筒休止を実行した場合には、例えば休止されない気筒の運転においてトルクアップを図ったり、他の駆動力源(例えば第2電動機MG2)によるトルクにて、要求駆動トルクを補償しても良い。
また、前述の実施例では、動力分配機構16は、シングルプラネタリの遊星歯車装置であるが、ダブルプラネタリの遊星歯車装置であっても良い。また、動力分配機構16は、例えばエンジン12によって回転駆動されるピニオンと、そのピニオンに噛み合う一対のかさ歯車が第1電動機MG1及び出力歯車14に作動的に連結された差動歯車装置であっても良い。
また、前述の実施例において、図1に示すように第2電動機MG2は、エンジン12が間接的に連結された駆動輪38に動力伝達可能に連結されているが、第2電動機MG2は駆動輪38とは別の車輪(駆動輪)に直接又は間接的に連結されていても差し支えない。要するに、エンジン12からの動力で駆動される駆動輪と第2電動機MG2からの動力で駆動される駆動輪とは、別個の車輪であっても差し支えない。
また、前述の実施例では、エンジン12として、直列4気筒の自動車用LPGエンジンを例示したが、これに限らない。要は、エンジン12は、複数の気筒を有して、プレイグニッションが発生する可能性のあるエンジンであれば、本発明は適用され得る。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド車両(車両)
12:エンジン
14:出力歯車(出力回転部材)
16:動力分配機構(差動機構)
20:変速部(電気式差動部)
38:駆動輪
48:ドライブライン
50:シリンダ(気筒)
80:電子制御装置(制御装置)
MG1:第1電動機(差動用電動機)
MG2:第2電動機(走行用電動機)

Claims (5)

  1. エンジンを備え、該エンジンの筒内で発生するプレイグニッションを検出したときには、該プレイグニッションの発生を検出した気筒への燃料供給を停止する車両の制御装置であって、
    前記プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によって、前記エンジンの回転変動が伝達されるドライブラインに共振が発生する場合には、該プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給を停止することに加えて、該気筒とは異なる所定の気筒への燃料供給を更に停止するか或いは該エンジンの回転速度を変更することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記エンジンからの動力を差動用電動機及び出力回転部材へ分配する差動機構と駆動輪に動力伝達可能に連結された走行用電動機とを有し、該差動用電動機の運転状態が制御されることにより該差動機構の差動状態が制御される電気式差動部を備え、
    前記プレイグニッションの発生を検出したときに、前記エンジンの全気筒への燃料供給を停止することができない場合には、少なくとも該プレイグニッションの発生を検出した気筒を含む一部気筒への燃料供給を停止するものであり、
    前記プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によって、前記共振が発生する場合には、該プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給を停止することに加えて該気筒とは異なる所定の気筒への燃料供給を更に停止することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記エンジンからの動力を差動用電動機及び出力回転部材へ分配する差動機構と駆動輪に動力伝達可能に連結された走行用電動機とを有し、該差動用電動機の運転状態が制御されることにより該差動機構の差動状態が制御される電気式差動部を備え、
    前記プレイグニッションの発生を検出したときに、前記エンジンの全気筒への燃料供給を停止することができない場合には、少なくとも該プレイグニッションの発生を検出した気筒を含む一部気筒への燃料供給を停止するものであり、
    前記プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給の停止によって、前記共振が発生する場合には、該プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給を停止することに加えて前記エンジンの回転速度を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記プレイグニッションの発生を検出したときに、前記エンジンの全気筒への燃料供給を停止することができない場合とは、前記走行用電動機を駆動力源として走行するモータ走行を実行することができない場合であることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記共振が発生する場合とは、前記プレイグニッションの発生を検出した気筒のみへの燃料供給を停止するときの前記エンジンの回転変動の周波数が、前記ドライブラインの所定の共振周波数帯域にある場合であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
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