以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリアとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入(通過)可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右側方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置7A、7Bが設けられている。すなわち、特別可変入賞球装置7A、7Bは、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに設けられている。
特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。
特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉を備え、その下大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す下大入賞口スイッチ23Bや特定領域スイッチ24によって検出される。
特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。上皿の下方には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82Bへと伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ23Aおよび下大入賞口スイッチ23B)、特定領域スイッチ24といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態となる開放状態や拡大開放状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図5に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
画像表示装置5による飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」とならない場合に、可変表示結果が「ハズレ」となる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が上大入賞口または下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、上大入賞口または下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御を行う確変状態となることがある。この実施の形態において、確変状態は、所定回数(例えば「70」など)の可変表示が実行されたという所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続するように制御されてもよい。確変状態であるときには、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御も行われる。
確変状態であるときには、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させて遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる制御は、高開放制御や高ベース制御、あるいは有利制御と称される。このような確変状態となることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて上大入賞口や下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」(「突然確変」ともいう)であるとも称される。そして、高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。また、時短制御や高開放制御が行われる一方で、確変制御が行われない時短状態となることがあってもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」以外であるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、下大入賞口に進入した遊技球が図2に示す特定領域スイッチ24によって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、特別可変入賞球装置7Bの内部における特定領域スイッチ24の設置箇所を特定領域とし、この特定領域を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、確変状態に制御するための確変制御条件(特別条件)を成立させることができる。
大当り遊技状態には、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」(第14ラウンド)に達するか否かに対応して、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されるか否かを異ならせた複数種類の大当り種別がある。一例として、大当り種別が「第1大当り」の場合には、ラウンド遊技の実行回数が「13」(第13ラウンド)となったときに、ラウンド上限判定値に達したとして、大当り遊技状態を終了させる。一方、大当り種別が「第2大当り」の場合には、ラウンド遊技の実行回数が「14」(第14ラウンド)となったときに、ラウンド上限判定値に達したとして、大当り遊技状態を終了させる。すなわち、大当り種別が「第1大当り」である場合には、ラウンド遊技の実行回数が特定回数に達するより前に大当り遊技状態が終了する。これに対して、大当り種別が「第2大当り」である場合には、ラウンド遊技の実行回数が特定回数に達するまで大当り遊技状態が終了しない。このように、大当り遊技状態のうちには、ラウンド遊技の上限回数が特定回数以上となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態と、ラウンド遊技の上限回数が特定回数未満となる第2特定遊技状態としての大当り遊技状態とがあるようにしてもよい。
ラウンド遊技の上限回数が特定回数未満となる大当り遊技状態では、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されない。そのため、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させて確変制御条件を成立させることができず、確変状態に制御することが不可能となる。一方、ラウンド遊技の上限回数が特定回数以上となる大当り遊技状態では、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。そのため、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させて確変制御条件を成立させることができ、確変状態に制御することが可能となる。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」に対応する大当り遊技状態となった場合には、その大当り遊技状態が終了した後に確変状態へと制御することが不可能となる。一方、大当り種別が「第2大当り」に対応する大当り遊技状態となった場合には、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させることで大当り遊技状態が終了した後に確変状態へと制御することが可能となる。大当り種別を複数種別のうちでいずれとするかは、例えば特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたことに対応して、所定割合で決定される。
この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態の終了後に確変状態となって確変制御が開始されるときには、大当り回数のカウントが開始される。その後、確変制御が行われる確変状態(高確率状態)であるときに可変表示結果が「大当り」に決定されるごとに、大当り回数を1加算するように更新する。こうしてカウントされる大当り回数は、所定の上限値である「10」に達したときや、大当り種別が「第1大当り」に対応する大当り遊技状態の終了後に確変状態とならないとき、あるいは確変状態にて所定回(例えば70回)の特図ゲームが実行されて確変状態が終了するときに、初期化されて「0」に設定される。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた大当り回数カウンタを用いて大当り回数のカウントが行われればよい。CPU103は、特図表示結果が「大当り」に決定されるごとに、大当り回数カウンタの格納値である大当り回数カウント値を、1加算するように更新する。そして、更新後の大当り回数カウント値が「10」といった上限値に達したときには、大当り回数カウンタに初期データとなる「0」のカウント値を設定することで初期化すればよい。
確変状態とする制御が開始された後、大当り回数が上限値としての「10」に達したときには、大当り遊技状態が終了した後に、確変制御による確変状態への制御が制限(禁止)される。このように、大当り回数が上限値に達して確変状態への制御が禁止されることは、「確変リミッタが作動する」ともいう。確変リミッタが作動する大当り回数の上限値である「10」は、リミッタ作動判定値として予め定められていればよい。
なお、確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、一旦終了する。そして、大当り遊技状態の終了時に、大当り回数が上限値に達しておらず確変リミッタが作動しなければ、確変制御条件が成立した場合に確変制御が再開されて、さらに継続して確変制御が行われる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や上大入賞口スイッチ23Aまたは下大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数などに基づいて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、上大入賞口または下大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に記憶されている第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを優先して実行することになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図5(A)は、ステップS239の処理における特図表示結果の決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種別のうちでいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。変動特図は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで用いられる第1特図と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで用いられる第2特図とのうちで、開始条件の成立に基づいて可変表示が行われる特別図柄である。CPU103は、変動特図指定バッファ値が「1」であれば変動特図が第1特図であり、変動特図指定バッファ値が「2」であれば変動特図が第2特図であると特定すればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図5(B)は、ステップS242の処理における大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。図5(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、50/100の割合で大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」に決定される。一方、変動特図が第2特図であるときには、常に(100/100の割合で)大当り種別が「第2大当り」に決定される。すなわち、第1特図を用いた特図ゲームの実行を開始するための第1開始条件が成立したときには、大当り種別を「第1大当り」と「第2大当り」とのうちでいずれとするかを所定割合で決定する。これに対して、第2特図を用いた特図ゲームの実行を開始するための第2開始条件が成立したときには、大当り種別を「第2大当り」とすることに決定する。
なお、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。一例として、変動特図が第1特図である場合と第2特図である場合のいずれであっても大当り種別を「第1大当り」と「第2大当り」とのうちでいずれかに決定する一方で、変動特図が第1特図であるときよりも、変動特図が第2特図であるときには高い割合で、大当り種別が「第2大当り」に決定されてもよい。
この実施の形態では、大当り種別が「第2大当り」の場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の上限回数が「14」となり、下大入賞口を開放状態とする第14ラウンドのラウンド遊技が実行されて、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立可能となる。図5(B)に示すような決定割合で大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立可能となる。すなわち、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも確変制御条件が成立しやすい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。このときには、大当り回数のカウント値を1加算(+1)する(ステップS244)。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS240;No)、ステップS244の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS245)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS245の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS246にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図6に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図6は、変動パターン設定処理として図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、図7に示すような変動パターンが予め用意されている。より具体的には、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図7に示す変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して、確変転落演出を実行するための変動パターンPB3−1と、確変継続演出を実行するための変動パターンPB3−2と、リミッタ作動演出を実行するための変動パターンPB3−3とが含まれている。確変転落演出と確変継続演出は、遊技状態が確変状態であるときに可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定された場合に、その大当り遊技状態が第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に報知するための演出である。
確変転落演出は、確変状態にて可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」に決定されたことに対応して、ラウンド遊技の上限回数が特定回数である「14」(第14ラウンド)未満となる第2特定遊技状態としての大当り遊技状態であることを報知する特殊演出である。すなわち、確変転落演出が実行されたときには、大当り遊技状態にて下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技(第14ラウンド)が実行されないために、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させて確変制御条件を成立させることができず、確変状態に制御することが不可能となる。確変転落演出が実行されることにより、遊技者は、大当り遊技状態が終了した後には確変状態に制御されないことを認識できる。一例として、確変転落演出では、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて、同一の数字を示す飾り図柄が揃って導出されて停止表示(確定表示)されるリーチ演出が実行されればよい。
確変継続演出は、確変状態にて可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」に決定されたことに対応して、ラウンド遊技の上限回数が特定回数である「14」(第14ラウンド)以上となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態であることを報知する特定演出である。すなわち、確変継続演出が実行されたときには、大当り遊技状態にて下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技(第14ラウンド)が実行されるために、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させて確変制御条件を成立させることができ、確変状態に制御することが可能となる。確変継続演出が実行されることにより、遊技者は、大当り遊技状態が終了した後には確変状態に制御可能であることを認識できる。一例として、確変継続演出では、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて、数字とは異なる同一の所定キャラクタを示す飾り図柄が揃って導出されて停止表示(確定表示)されるリーチ演出が実行されればよい。
リミッタ作動演出は、確変状態にて加算更新される大当り回数が所定の上限値である「10」に達したことに対応して、大当り遊技状態が終了した後には確変状態に制御されないことを報知する終了報知演出である。すなわち、リミッタ作動演出が実行されたときには、大当り遊技状態にて下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技(第14ラウンド)が実行されるか否かにかかわらず、大当り回数が所定の上限値である「10」に達して確変リミッタが作動することにより、確変状態への制御が制限(禁止)される。リミッタ作動演出が実行されることにより、遊技者は、確変リミッタが作動して大当り遊技状態が終了した後には確変状態に制御されないことを認識できる。一例として、リミッタ作動演出では、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて、確変継続演出の場合と同様に同一の所定キャラクタを示す飾り図柄が揃って導出されてから、飾り図柄とは異なる所定のアニメーション画像や動画像となる演出画像の再生表示を行うことで、確変リミッタが作動して確変状態への制御が禁止されることを、遊技者が認識可能に報知すればよい。
このように、確変転落演出や確変継続演出、リミッタ作動演出が実行されたときには、大当り組合せを構成する確定飾り図柄の表示態様や、その他のアニメーション画像や動画像といった演出画像の表示態様、スピーカ8L、8Rによる効果音出力、遊技効果ランプ9および装飾用LEDにおける点灯動作、遊技領域の内部または外部に設けられた演出用の可動部材における動作態様、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態へと制御するための確変制御条件が成立可能か否かを、遊技者が認識可能に報知できればよい。
図7に示す変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、確変転落煽り演出を実行するための変動パターンPB2−1と、確変継続煽り演出を実行するための変動パターンPB2−2と、リミッタ作動煽り演出を実行するための変動パターンPB2−3とが含まれている。確変転落煽り演出は、確変転落演出と同様の演出態様で第2特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される期待感を煽った後、リーチ組合せの確定飾り図柄が導出表示されることなどにより、大当り遊技状態には制御されないことを報知する演出である。確変継続煽り演出は、確変継続演出と同様の演出態様で第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される期待感を煽った後、リーチ組合せの確定飾り図柄が導出表示されることなどにより、大当り遊技状態には制御されないことを報知する演出である。リミッタ作動煽り演出は、リミッタ作動演出と同様の演出態様で確変リミッタが作動する大当り遊技状態となる期待感を煽った後、リーチ組合せの確定飾り図柄が導出表示されることなどにより、大当り遊技状態には制御されないことを報知する演出である。
図6に示す変動パターン設定処理は、このように大当り遊技状態が第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを報知するための確変転落演出や確変継続演出を含む複数種類の演出などに対応して、予め用意された複数の変動パターンのうちでいずれかを選択して、使用パターンに設定する処理などを含んでいる。こうした変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、例えば予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の変動パターン決定テーブルのうちから、使用テーブルとなるものを選択する(ステップS261)。複数の変動パターン決定テーブルでは、それぞれ、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数などの保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターン決定テーブルの構成例を示している。変動パターン決定テーブルとしては、テーブルTB1〜テーブルTB6が予め用意されている。図9は、ステップS261の処理における変動パターン決定テーブルの選択例を示している。この実施の形態において、CPU103は、遊技状態が通常状態と確変状態のいずれであるかや、大当り回数、可変表示結果などに応じて図7に示されたテーブルTB1〜テーブルTB6のいずれかを選択する。なお、この実施の形態において、遊技状態が通常状態であるときには、大当り回数のカウント値が「0」となっている。
図8(A)に示すテーブルTB1は、通常状態にて可変表示結果が「ハズレ」に決定されたときに選択される。テーブルTB1では、保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が「0」または「1」、「2」または「3」、「4」のいずれであるかに応じた所定割合で、図7に示す変動パターンPA1−1〜PA1−3、変動パターンPA2−1〜PA2−3のいずれかに決定されるように、決定値が割り当てられている。なお、保留記憶数は、変動特図が第1特図であれば第1特図保留記憶数を参照し、変動特図が第2特図であれば第2特図保留記憶数を参照すればよい。図8(B)に示すテーブルTB2は、通常状態にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに選択される。テーブルTB2では、図7に示す変動パターンPA3−1〜PA3−3のいずれかに所定割合で決定されるように、決定値が割り当てられている。
図8(C)に示すテーブルTB3は、確変状態にて大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であり可変表示結果が「ハズレ」に決定されたときに選択される。テーブルTB3では、保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)に応じた所定割合で、図7に示す変動パターンPB1−1、PB1−2、変動パターンPB2−1、PB2−2のいずれかに決定されるように、決定値が割り当てられている。図8(D)に示すテーブルTB4は、確変状態にて大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であり可変表示結果が「大当り」に決定されたときに選択される。テーブルTB4では、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれに決定されたかに応じて、確変転落演出を実行する変動パターンPB3−1と、確変継続演出を実行する変動パターンPB3−2のいずれかに決定されるように設定されている。
図8(E)に示すテーブルTB5は、確変状態にて大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値であり可変表示結果が「ハズレ」に決定されたときに選択される。テーブルTB5では、保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)に応じた所定割合で、図7に示す変動パターンPB1−1、PB1−2、変動パターンPB2−3のいずれかに決定されるように、決定値が割り当てられている。なお、大当り回数のカウント値は、可変表示結果が「大当り」に決定されたときに1加算され、リミッタ作動判定値に達したと判定されたときに、そのカウント値がクリアされて「0」に初期化される。したがって、実際には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値となることはない。一方、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値よりも1少ないときに、可変表示結果が「ハズレ」に決定されたことに基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されたかのような演出を行うことで、確変リミッタが作動する大当り遊技状態となる期待感を煽ることができる。すなわち、図9に示す選択例において、遊技状態が確変状態で可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値よりも1少ないときに、リミッタ作動判定値となる場合と同様にテーブルTB5が選択され、さらに少ないカウント値であるときに、リミッタ作動判定値未満となる場合と同様にテーブルTB3が選択されればよい。図8(F)に示すテーブルTB6は、確変状態にて大当り回数カウント値がリミッタ作動判定値であり可変表示結果が「大当り」に決定されたときに選択される。テーブルTB6では、変動パターンPB3−3のみに決定されるように設定されている。
図8(A)〜(F)に示すようなテーブルTB1〜テーブルTB6の構成例や、図9に示すような変動パターン決定テーブルの選択例により、確変状態にて大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であり可変表示結果が「大当り」に決定されたときは、大当り種別が「第1大当り」であれば第2特定遊技状態であることを報知する確変転落演出を実行するための変動パターンPB3−1に決定し、大当り種別が「第2大当り」であれば第1特定遊技状態であることを報知する確変継続演出を実行するための変動パターンPB3−2に決定することができる。また、確変状態にて大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値であり可変表示結果が「大当り」に決定されたときは、大当り種別にかかわらず大当り遊技状態の終了後に確変状態には制御されないことを報知するリミッタ作動演出を実行するための変動パターンPB3−3に決定することができる。
図6に示すステップS261にて以上のような変動パターン決定テーブルを選択した後には、その選択された変動パターン決定テーブルや変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、変動パターンを決定する(ステップS262)。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ステップS261の処理により選択された変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを決定すればよい。
ステップS262にて変動パターンを決定した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS263)。特図変動時間は、図7に示すような変動パターンに対応して予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS264)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS264の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS265)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS265の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS266)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS266にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図10は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS281)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS285の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS281にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS281;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS282)。また、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS283)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。さらに、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS284)。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS285)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS281にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS281;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS286)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS286;No)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS286にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS286;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS287)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS288)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS288;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS289)。このときには、大当り開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS290)。例えば、大当り開始指定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。
ステップS290の処理を実行した後には、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS291)。続いて、確変制御を終了するための設定を行う(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理として、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変中変動カウンタをクリアする処理などが、実行されればよい。確変中変動カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「70」)が設定されればよい。また、CPU103は、高ベース制御を終了するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理として、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた高ベースフラグをクリアしてオフ状態とする処理などが、実行されればよい。
ステップS293の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS294)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS288にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS288;No)、確変中変動カウンタの格納値である確変中変動カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS295)。このとき、確変中変動カウント値が「0」以外であれば(ステップS295;No)、そのカウント値を1減算するように更新する(ステップS296)。そして、更新後の確変中変動カウント値が「0」になったか否かを判定する(ステップS297)。そして、確変中変動カウント値が「0」になったと判定された場合には(ステップS297;Yes)、ステップS292の処理と同様に、確変制御を終了するための設定を行う(ステップS298)。また、ステップS293の処理と同様に、高ベース制御を終了するための設定を行う(ステップS299)。その後、確変状態の終了時に対応したコマンドの送信設定が行われる(ステップS300)。例えば、遊技状態が確変状態から通常状態となったことを示す遊技状態指定コマンドとなる演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。
ステップS295にて確変中変動カウント値が「0」である場合や(ステップS295;Yes)、ステップS297にて確変中変動カウント値が「0」以外である場合(ステップS297;No)、あるいはステップS300の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS301)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図11は、大当り開放前処理として、図3のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS311)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図10に示すステップS291の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS311にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS311;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS312)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS312;No)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS312にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS312;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS313)、例えば大当り種別バッファなどから大当り種別の記憶データを読み出す(ステップS314)。そして、ラウンド上限判定値を決定する(ステップS315)。ラウンド上限判定値は、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の上限回数である。図12(A)は、ステップS315の処理によるラウンド上限判定値の決定例を示している。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」であるときに、ラウンド上限判定値が「13」に決定される。一方、大当り種別が「第2大当り」であるときには、ラウンド上限判定値が「14」に決定される。ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」に達したときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されるところ、大当り種別が「第1大当り」であるときには、ラウンド遊技の上限回数が「13」となり、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されない。したがって、大当り種別が「第1大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させることが不可能であり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しない。これに対して、大当り種別が「第2大当り」であるときには、ラウンド遊技の上限回数が「14」となり、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。したがって、大当り種別が「第2大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させることが可能であり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立可能になる。このようなステップS315の処理を実行した後には、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS316)。
ステップS311にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS311;No)、ステップS316の処理を実行した後には、ラウンド遊技にて開放状態とする大入賞口を、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口または特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定する(ステップS317)。図12(B)は、ステップS317の処理により開放する大入賞口の決定例を示している。この実施の形態では、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかであるときに、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。これにより、ラウンド遊技の実行回数が特定回数以外の「1」(第1ラウンド)〜「13」(第13ラウンド)であるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンドカウント値が「14」であるときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」(第14ラウンド)となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
ステップS317の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。例えば、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかであるときには、上大入賞口が開放状態となることにあわせて、上大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出を有効にする。一方、ラウンドカウント値が「14」であるときには、下大入賞口が開放状態となることにあわせて、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を有効にする。下大入賞口スイッチ23Bが有効化されるとともに、特定領域スイッチ24による遊技球の検出も有効にすればよい。
ステップS317の処理に続いて、大入賞口開放上限時間を設定する(ステップS318)。大入賞口開放上限時間は、大当り遊技状態にて実行される各回のラウンド遊技において、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とする上限時間である。この実施の形態では、大当り種別やラウンド遊技の実行回数にかかわらず、一定の大入賞口開放上限時間として29.5秒が設定される。
ステップS318の処理を実行した後には、大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態から開放状態とするための開放開始制御が行われる(ステップS319)。このときには、ステップS317の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに駆動信号を送信するための設定が行われる。一例として、上大入賞口を開放状態とする場合には、上大入賞口扉用のソレノイド82Aに駆動信号を送信するための設定を行う。一方、下大入賞口を開放状態とする場合には、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信するための設定を行う。
その後、特図プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS320)、大当り開放前処理を終了する。ステップS320にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
図13は、大当り開放中処理として、図3のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS331)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS331;No)、上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bのうちで、遊技球の検出が有効な大入賞口スイッチから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS332)。例えば、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかであるときには、上大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出が有効となることから、ステップS332の処理では、上大入賞口スイッチ23Aから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する。一方、ラウンドカウント値が「14」であるときには、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出が有効となることから、ステップS332の処理では、下大入賞口スイッチ23Bから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する。
ステップS332にて大入賞口スイッチがオンである場合には(ステップS332;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS333)。入賞個数カウント値は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行されるあいだに大入賞口スイッチにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、大入賞口スイッチにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS334)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
ステップS332にて大入賞口スイッチがオフである場合や(ステップS332;No)、ステップS334の処理を実行した後には、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS335)。このとき、確変確定フラグがオフであれば(ステップS335;No)、特定領域スイッチ24から伝送された検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS336)。そして、特定領域スイッチ24がオンであるときには(ステップS336;Yes)、確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS337)。また、確変確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS338)。
ステップS335にて確変確定フラグがオンであるときや(ステップS335;Yes)、ステップS336にて特定領域スイッチ24がオフであるとき(ステップS336;No)、あるいはステップS338の処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(例えば「10」)に達したか否かを判定する(ステップS339)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS339;No)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS331にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS331;Yes)、ステップS339にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS339;Yes)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS340)。このときには、開放した大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS340の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS341)。そして、特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS342)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかにかかわらず、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「1」(第1ラウンド)〜「13」(第13ラウンド)のいずれかである場合には、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。一方、大当り種別が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかに応じて、ラウンド遊技の実行回数が特定回数の「14」となる第14ラウンドが実行されるか否かを、異ならせるように設定する。より具体的には、大当り種別が「第1大当り」の場合には、ラウンド上限判定値が「13」に決定され、第14ラウンドが実行されない。これに対して、大当り種別が「第2大当り」の場合には、ラウンド上限判定値が「14」に決定され、第14ラウンドにて下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。
図14は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行例を示す説明図である。図14(A1)および(A2)は、大当り種別が「第1大当り」に決定されたことに基づくラウンド遊技の実行例を示している。図14(B1)および(B2)は、大当り種別が「第2大当り」に決定されたことに基づくラウンド遊技の実行例を示している。図14(A1)および(B1)に示すように、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」である第1ラウンド(1R)〜第13ラウンド(13R)では、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」である第14ラウンド(14R)では、例えば図14(B2)に示すように、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。ただし、大当り種別が「第1大当り」の場合には、ラウンド上限判定値が「13」であることから、図14(A2)に示すように、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されない。すなわち、第14ラウンドとなるより前に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行が終了する。したがって、大当り種別が「第1大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させることが不可能であり、確変制御条件が成立しない。
このように、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」(第14ラウンド)となったときに、開放状態とした下大入賞口を通過(進入)した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに基づいて、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を確変状態とするための確変制御条件が成立可能になる。これにより、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口と、特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口とのうち、いずれの大入賞口を遊技球が通過(進入)するかに対して遊技者を注目させ、遊技興趣を向上させることができる。また、大当り種別が「第2大当り」である場合には、大当り種別が「第1大当り」である場合とは異なり、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」(第14ラウンド)となって下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されることで、確変制御条件が成立可能になる。これにより、特定回数のラウンド遊技に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
大当り種別は、図4に示すステップS242の処理により、図5(B)に示すような変動特図に応じて異なる割合で決定される。第1特図を用いた特図ゲームは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて実行される。一方、第2特図を用いた特図ゲームは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて実行される。第2始動入賞口は、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片が開放状態または拡大開放状態になることで遊技球が通過(進入)しやすくなり、閉鎖状態または通常開放状態になることで遊技球が通過(進入)不可能あるいは通過(進入)困難になる。普通可変入賞球装置6Bは、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったときに、開放状態または拡大開放状態になる。確変状態にて高ベース制御が行われるときには、高ベース制御が行われない通常状態などよりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態または拡大開放状態に変化させる。
高ベース制御が行われていない通常状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となる場合が多い。この場合、大当り種別が所定割合(50/100)で「第1大当り」に決定されることで、確変制御条件が成立不可能になる。一方、確変状態にて高ベース制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となる場合が多い。この場合、大当り種別が常に「第2大当り」に決定されることで、確変制御条件が成立しやすくなる。したがって、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(いわゆる「連チャン率」)が抑制される。ただし、大当り種別が「第1大当り」の場合でも、第1ラウンド(1R)〜第13ラウンド(13R)のラウンド遊技では、上大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)が十分に長い時間(29.5秒)に設定される。これにより、遊技者には多くの賞球(または対応する得点)を得る機会が与えられ、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣が高められる。
通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に連チャン率を抑制するものとして、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数を少なくするとともに、各回のラウンド遊技にて大入賞口を開放状態とする上限時間を短くすることにより、遊技球が大入賞口に進入しにくい大当り遊技状態を設け、その大当り遊技状態の終了後には確変制御を行う一方で、高ベース制御が行われないようにすることがある。この場合、遊技球が大入賞口に進入しにくい大当り遊技状態が頻発することで、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣が低下するおそれがあった。この発明の実施の形態によれば、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に連チャン率を抑制しつつ、上大入賞口は遊技球が進入しやすい開放状態となるラウンド遊技が実行されることから、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣の低下を防止することができる。
図15は、大当り開放後処理として、図3のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた次ラウンド待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS351)。次ラウンド待ちフラグは、大当り遊技状態における次回のラウンド遊技が開始されるまで待機することに対応して、後述するステップS354の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS351にて次ラウンド待ちフラグがオフであるときには(ステップS351;No)、ラウンドカウント値が予め定められたラウンド上限判定値に達したか否かを判定する(ステップS352)。ラウンド上限判定値は、図11に示すステップS315の処理により、大当り種別が「第1大当り」であれば「13」に決定され、大当り種別が「第2大当り」であれば「14」に決定される。ステップS352にて、ラウンド上限判定値に達していなければ(ステップS352;No)、次ラウンド待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS353)。そして、次ラウンド待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS354)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行される。
ステップS352にてラウンド上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS352;Yes)、大当り終了前時間として予め定められた時間(例えば5000ミリ秒)を設定する(ステップS355)。その後、ラウンドカウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS356)。また、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS357)。そして、特図プロセスフラグの値を“7”に更新してから(ステップS358)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“7”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS117の大当り終了処理が実行される。
ステップS351にて次ラウンド待ちフラグがオンであるときには(ステップS351;Yes)、次ラウンド待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS359)。このとき、次ラウンド待ち時間が経過していなければ(ステップS359;No)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行され、次ラウンド待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS359にて次ラウンド待ち時間が経過した場合には(ステップS359;Yes)、次ラウンド待ちフラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS360)、ラウンドカウント値を1加算するように更新する(ステップS361)。そして、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS362)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。こうして、ラウンドカウント値がラウンド上限判定値に達していない場合には、次ラウンド開始待ち時間が経過するまで待機してから、新たなラウンド遊技の実行を開始させることができる。
図16は、図3のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS371)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS371;No)、大当り終了処理の実行を終了させて待機する。
ステップS371にて大当り終了演出待ち時間が経過した場合には(ステップS371;Yes)、大当り回数のカウント値が予め定められたリミッタ作動判定値(例えば「10」)に達したか否かを判定する(ステップS372)。このとき、リミッタ作動判定値に達していなければ(ステップS372;No)、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS373)。ステップS372にて大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達している場合や(ステップS372;Yes)、ステップS373にて確変確定フラグがオフである場合には(ステップS373;No)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御されないことに対応して、大当り回数のカウント値をクリアして「0」に初期化する(ステップS374)。
ステップS373にて確変確定フラグがオンである場合には(ステップS373;Yes)、確変制御を開始して遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS375)。一例として、ステップS375の処理では、確変フラグをオン状態にセットする。また、確変状態における高ベース制御を開始するための設定を行う(ステップS376)。一例として、ステップS376の処理では、高ベースフラグをオン状態にセットする。高ベースフラグがオンであるときには、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100にてタイマ割込みが発生するごとに実行される普通図柄プロセス処理にて、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御のうちで、一部または全部の制御が行われるようにすればよい。これにより、確変状態では、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させて、通常状態よりも遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる高ベース制御(有利制御)が行われる。
ステップS376の処理に続いて、確変状態であるときに実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「70」)を、確変中変動カウンタに設定する(ステップS377)。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS378)。また、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS379)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図17は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図18(A)は、可変表示開始設定処理として、図17のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS501)。ステップS501の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。
例えばステップS501の処理では、可変表示結果が「ハズレ」で変動パターンが「非リーチ」に対応した変動パターン(非リーチ変動パターン)である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。一方、可変表示結果が「ハズレ」で変動パターンが「リーチ」に対応した変動パターン(リーチ変動パターン)である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)飾り図柄と「中」の飾り図柄表示エリアにて異なる(不一致の)飾り図柄とを最終停止図柄に決定する。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合には、遊技状態が通常状態であるか否かや、遊技状態が確変状態であるときに確変リミッタが作動するか否か、あるいは確変状態において確変リミッタが作動しない場合に可変表示結果が「大当り」になるときの大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかなどに応じて、異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定してもよい。一例として、遊技状態が通常状態であるときや、確変状態において確変リミッタが作動しない場合に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」となるときは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)数字を示す飾り図柄を最終停止図柄に決定する。他方、確変状態であるときに確変リミッタが作動するときや、確変リミッタは作動しないが大当り種別が「第2大当り」となるときは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて数字とは異なる同一の(一致する)キャラクタ等を示す飾り図柄を最終停止図柄に決定する。
このように、確変状態において確変リミッタが作動しない場合に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」となるときには、確変転落演出が実行されることに対応した大当り組合せの確定飾り図柄が決定されればよい。また、確変状態において確変リミッタが作動しない場合に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となるときや、確変状態において確変リミッタが作動する場合には、確変継続演出やリミッタ作動演出が実行されることに対応した大当り組合せの確定飾り図柄が決定されればよい。なお、確変転落演出や確変継続演出、リミッタ作動演出の演出態様が、いずれも飾り図柄の可変表示結果に関連しない演出態様である場合には、いずれの演出が実行されるかにかかわらず、所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が決定されればよい。
ステップS501にて最終停止図柄などを決定した後には、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに基づいて、各種演出実行期間を設定する(ステップS502)。図18(B)は、ステップS502の処理による演出実行期間の設定例を示している。この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときに可変表示結果が「ハズレ」に決定されるとともに、変動パターンPB2−1〜PB2−3のいずれかに決定されることがある。そして、変動パターンPB2−1に決定された場合には、確変転落煽り演出を実行するための確変転落煽り演出実行期間を設定する。変動パターンPB2−2に決定された場合には、確変継続煽り演出を実行するための確変継続煽り演出実行期間を設定する。変動パターンPB2−3に決定された場合には、リミッタ作動煽り演出を実行するためのリミッタ作動煽り演出実行期間を設定する。
この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときに可変表示結果が「大当り」に決定されるとともに、変動パターンPB3−1〜PB3−3のいずれかに決定されることがある。そして、変動パターンPB3−1に決定された場合には、特殊演出となる確変転落演出を実行するための確変転落演出実行期間を設定する。変動パターンPB3−2に決定された場合には、特定演出となる確変継続演出を実行するための確変継続演出実行期間を設定する。変動パターンPB3−3に決定された場合には、終了報知演出となるリミッタ作動演出を実行するためのリミッタ作動演出実行期間を設定する。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS503)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。なお、各種演出実行期間を設定する処理は、ステップS502の処理により演出制御パターンを決定する処理とは別個に実行されてもよいし、変動パターンに対応した演出制御パターンを決定することにより各種演出実行時間が設定されて、別個に各種演出実行期間を設定する処理が実行されないようにしてもよい。
ステップS503の処理に続き、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS504)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS505)。このときには、例えばステップS503にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS506)、可変表示開始設定処理を終了する。
図19は、可変表示中演出処理として、図17のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、ステップS521の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、図18(A)に示すステップS502の処理などで設定した各種演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS522)。ステップS522にて各種演出実行期間であるときには(ステップS522;Yes)、例えば確変転落煽り演出、確変継続煽り演出、リミッタ作動煽り演出、確変転落演出、確変継続演出、リミッタ作動演出のうちでいずれかの演出といった、飾り図柄の可変表示中での演出実行期間に対応する各種演出を実行するための演出制御を行う(ステップS523)。ステップS523の処理では、例えば図18(A)に示すステップS503の処理にて選択された特図変動時演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて各種演出を実行できればよい。
ステップS522にて各種演出実行期間ではないと判定された場合や(ステップS522;No)、ステップS523の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示を含めたその他の演出制御を行ってから(ステップS524)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
ステップS521にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS525)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS525;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS525にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS525;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS526)。このときには、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS527)。また、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS528)、可変表示中演出処理を終了する。
図20(A)は、可変表示停止処理として、図17のステップS173にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20(A)に示す可変表示停止処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。このとき、大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していなければ(ステップS541;No)、主基板11から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS542)。そして、大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS543)、可変表示停止処理を終了する。ここでは、演出プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに可変表示停止処理が再び実行され、大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまで、または大当り開始指定コマンドを受信するまで、待機する。
ステップS542にて大当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS542;Yes)、例えば受信した大当り開始指定コマンドの通知内容に基づいて、確変開放予告演出があるか否かを判定する(ステップS543)。確変開放予告演出は、通常状態にて可変表示結果が「大当り」に決定されたことに対応して、ラウンド遊技が実行される大当り遊技状態中に、その大当り遊技状態が第1特定遊技状態(大当り種別が「第2大当り」に対応)と第2特定遊技状態(大当り種別が「第1大当り」に対応)のいずれであるかを報知する状態報知演出である。一例として、確変開放予告演出は、自分のキャラクタが対戦相手のキャラクタと対戦(バトル)を行い、最終的に勝利するか否かに応じて、下大入賞口が開放状態となるラウンド遊技が実行されるか否かを遊技者が認識可能に報知する演出(いわゆるバトル演出)であればよい。
図20(B)は、この実施の形態における大当り開始指定コマンドによる通知内容の設定例などを示している。大当り開始指定コマンドは、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が図10に示すステップS290の処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12へと伝送される。この大当り開始指定コマンドは、可変表示結果が「大当り」となるときの遊技状態(大当り前の遊技状態)や、大当り種別などに応じて、異なる通知内容を示している。例えば大当り前の遊技状態が通常状態であり、大当り種別が「第1大当り」であるときには、確変開放予告演出の実行があるものの、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行がない第2特定遊技状態であることを通知する大当り開始指定コマンドとして、コマンドA000H(添え字Hは16進数であることを示す)が送信される。一方、大当り前の遊技状態が通常状態であり、大当り種別が「第2大当り」であるときには、確変開放予告演出の実行があるとともに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行がある第1特定遊技状態であることを通知する大当り開始指定コマンドとして、コマンドA001Hが送信される。また、大当り前の遊技状態が確変状態であるときには、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかにかかわらず、確変開放予告演出の実行がないことを通知する大当り開始指定コマンドとして、コマンドA002Hが送信される。
演出制御用CPU120は、このような大当り開始指定コマンドによる通知内容に基づいて、確変開放予告演出の実行があると判定した場合に(ステップS543;Yes)、確変開放予告演出実行期間を設定する(ステップS544)。一方、確変開放予告演出の実行がないと判定した場合には、ステップS544の処理を実行せず、確変開放予告演出実行期間の設定を行わない。
その後、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知の開始設定を行う(ステップS545)。そして、演出プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS546)、可変表示停止処理を終了する。大当り開始指定コマンドを受信することなく、ステップS541にて大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したと判定された場合には(ステップS541;Yes)、演出プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS547)、可変表示停止処理を終了する。演出プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図17に示すステップS170の可変表示開始待ち処理が実行される。
図21(A)は、大当り中演出処理として、図17のステップS175にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21(A)に示す大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、大当り終了指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、図20(A)に示すステップS544の処理で設定した確変開放予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS562)。ステップS562にて確変開放予告演出実行期間であるときには(ステップS562;Yes)、確変開放予告演出を実行するための演出制御を行ってから(ステップS563)、大当り中演出処理を終了する。
ステップS562にて確変開放予告演出実行期間ではないと判定された場合には(ステップS562;No)、確変確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS564)。確変確定コマンドは、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行中に、下大入賞口を通過(進入)した遊技球が特定領域スイッチ24で検出されたことにより、図13に示すステップS338の処理における送信設定などに基づいて、主基板11から演出制御基板12へと伝送される。ステップS564にて確変確定コマンドの受信があった場合には(ステップS564;Yes)、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させた入賞タイミングに基づく入賞演出を実行するための設定を行う(ステップS565)。
例えばラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」に達して、第14ラウンドとなるラウンド遊技が実行されるときには、開放状態となった下大入賞口を通過(進入)した遊技球が検出される期間として、第1期間となる期間T1と、期間T1の終了後に開始する第2期間となる期間T2といった、複数の期間が予め定められていればよい。より具体的に、期間T1は、特定回数のラウンド遊技にて下大入賞口を開放状態としてから1秒(1000ミリ秒)が経過するまでの期間として予め設定されている。一方、期間T2は、特定回数のラウンド遊技にて下大入賞口が開放状態となって1秒(1000ミリ秒)が経過してから下大入賞口が開放状態から閉鎖状態に戻りラウンド遊技が終了するまでの期間として予め設定されている。ここで、ラウンド遊技にて開放状態となった下大入賞口を遊技球が通過(進入)した入賞タイミングが期間T1に含まれるか期間T2に含まれるかに応じて、遊技者に付与される遊技価値の有利度を異ならせるようにしてもよい。一例として、期間T1にて下大入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された場合には、期間T2にて通過(進入)した遊技球が検出された場合よりも、確変状態において可変表示結果が「大当り」に決定される確率が高くなるように設定してもよい。あるいは、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を異ならせたり、高ベース制御が行われる特図ゲームの上限回数を異ならせたり、下大入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて払い出される遊技球(賞球)の個数あるいは付与される特典を異ならせたり、これらの一部または全部を組み合わせることにより、遊技者に付与される遊技価値の有利度を異ならせることができればよい。他方、ラウンド遊技にて開放状態となった下大入賞口を遊技球が通過(進入)した入賞タイミングが期間T1に含まれるか期間T2に含まれるかにかかわらず、遊技者に付与される遊技価値の有利度は同一になるようにしてもよい。
図21(B)は、ステップS565の処理による入賞演出の決定例を示している。図21(B)に示す決定例では、下大入賞口を遊技球が通過(進入)した入賞タイミングが期間T1と期間T2のいずれに含まれるかに応じて異なる割合で、入賞演出が複数種類のいずれかに決定される。より具体的に、入賞タイミングが期間T1に含まれる場合には、入賞演出Aに決定される割合が高く、入賞タイミングが期間T2に含まれる場合には、入賞演出Bに決定される割合が高い。このような決定割合の設定により、期間T1と期間T2とのうちでいずれの期間において下大入賞口を遊技球が通過(進入)したかに応じて異なる割合で、複数種類の入賞演出のうちでいずれかを実行することができる。
入賞演出は、例えば下大入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたときに、確変制御条件が成立したことを遊技者が認識可能に報知する確変報知演出として実行されてもよい。また、入賞演出は、例えば下大入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された後に、大当り遊技状態が終了するまでの所定期間や、大当り遊技状態が終了するときの所定期間にて、確変制御条件が成立したことを遊技者が認識可能に報知する演出として実行されてもよい。なお、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動することにより、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されない場合には、確変報知演出としての入賞演出が実行されないようにしてもよい。
ステップS564の処理にて確変確定コマンドの受信がないと判定された場合や(ステップS564;No)、ステップS565の処理を実行した後には、大当り中におけるその他の演出制御を行ってから(ステップS566)、大当り中演出処理を終了する。
ステップS561にて大当り終了指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、大当り遊技状態の終了を報知する大当り終了報知の開始設定を行う(ステップS567)。そして、演出プロセスフラグの値を大当り終了演出に対応した値である“6”に更新してから(ステップS568)、大当り中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な動作例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。このときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が、まずは図4に示すステップS231の処理を実行して第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、第2特図保留記憶数が「0」である場合にステップS235の処理を実行して第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。したがって、第2特図保留記憶数が「0」以外である場合には、第1特図保留記憶数が「0」以外であっても、第1始動入賞と第2始動入賞のいずれが先に発生したかにかかわらず、まずは第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが実行される。このように、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。
こうして、第1始動入賞が発生した後には、第1特別図柄表示装置4Aにおける特別図柄(第1特図)の可変表示の開始を許容する第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始される。一方、第2始動入賞が発生した後には、第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄(第2特図)の可変表示の開始を許容する第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特図ゲームの実行が開始されるときには、図4に示すステップS239の処理が実行される。これにより、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが、特図ゲームにおける特別図柄の表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定される。そして、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、図4に示すステップS242の処理が実行されて、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに決定される。このときには、図5(B)に示すように、変動特図が第1特図であれば、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに所定割合で決定される。一方、変動特図が第2特図であれば、大当り種別が「第2大当り」に決定される。
大当り種別が「第1大当り」に決定された場合には、図11に示すステップS315の処理にて、図12(A)に示すように、ラウンド上限判定値が「13」に決定される。一方、大当り種別が「第2大当り」に決定された場合には、図12(A)に示すように、ラウンド上限判定値が「14」に決定される。そして、ステップS317の処理では、図12(B)に示すように、ラウンドカウント値が「1」〜「13」であれば上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行する一方、ラウンドカウント値が「14」であれば下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。こうして、大当り種別が「第1大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させることが不可能であり、確変制御条件が成立しない。これに対して、大当り種別が「第2大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を通過(進入)させることが可能であり、確変制御条件を成立させることができる。
大当り遊技状態が終了するときには、図16に示すステップS375の処理により確変制御を開始するための設定を行って遊技状態を確変状態とする場合に、ステップS376の処理が実行されて高ベース制御を開始するための設定が行われる。これにより、遊技状態が確変状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる高ベース制御(有利制御)が行われる。
パチンコ遊技機1の遊技領域2には、第1遊技領域としての左遊技領域2Aと、第2遊技領域としての右遊技領域2Bとが設けられ、遊技者がいずれかの遊技領域に遊技球を打ち分けて発射可能となっている。そして、左遊技領域2Aには普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口が設けられ、右遊技領域2Bには普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が設けられている。また、変動特図が第1特図であれば、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに所定割合で決定される一方、変動特図が第2特図であれば、大当り種別が「第2大当り」に決定される。したがって、遊技状態が通常状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくいことから、遊技者は左遊技領域2Aに向けて遊技球を発射させることが多くなり、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した後に第1開始条件の成立に基づき実行される第1特図を用いた特図ゲームにおいて、可変表示結果を「大当り」とし大当り種別を「第2大当り」として確変状態に制御される割合が抑制される。これに対して、遊技状態が確変状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすいことから、遊技者は右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射させることが多くなり、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した後に第2開始条件の成立に基づき実行される第2特図を用いた特図ゲームにおいて、可変表示結果を「大当り」とし大当り種別を「第2大当り」として確変状態に制御される割合が高められる。このように、遊技状態が通常状態であるか確変状態であるかに応じて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる割合を異ならせることで、遊技状態に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図6に示すステップS261の処理では、例えば図9に示すように、遊技状態や大当り回数のカウント値、可変表示結果に応じて、図8(A)〜(F)に示すテーブルTB1〜テーブルTB6のいずれかが選択される。こうして選択された変動パターン決定テーブルを用いて、ステップS262の処理により変動パターンが決定される。例えば遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であるときに、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、図8(D)に示すテーブルTB4が選択される。したがって、大当り種別が「第1大当り」であれば変動パターンPB3−1に決定され、大当り種別が「第2大当り」であれば変動パターンPB3−2に決定される。また、例えば遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値であるときに、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、図8(F)に示すテーブルTB6が選択される。したがって、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかにかかわらず、変動パターンPB3−3に決定される。
変動パターンPB3−1に決定された場合には、演出制御基板12の側において、演出制御用CPU120が図18(A)に示すステップS502の処理を実行することで、図18(B)に示すような確変転落演出実行期間が設定される。また、変動パターンPB3−2に決定された場合には確変継続演出実行期間が設定され、変動パターンPB3−3に決定された場合にはリミッタ作動演出実行期間が設定される。その後、図19に示すステップS522の処理にて、それぞれの演出実行期間であると判定されることにより、ステップS523の処理が実行されて、演出実行期間に対応する演出制御が行われる。
可変表示結果が「大当り」となった場合には、図10に示すステップS290の処理における大当り開始時のコマンド送信設定により、例えば図20(B)に示すような大当り開始指定コマンドのいずれかが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。演出制御基板12の側において、演出制御用CPU120が図20(A)に示すステップS542の処理を実行したときに、このような大当り開始指定コマンドの受信があったと判定すれば、続いてステップS543の処理を実行することで確変開放予告演出の実行があるか否かを判定する。大当り開始指定コマンドによる通知内容に応じて、確変開放予告演出の実行がある場合には、ステップS544の処理を実行することで、確変開放予告演出実行期間が設定される。その後、図21(A)に示すステップS562の処理にて、確変開放予告演出実行期間であると判定されることにより、ステップS563の処理が実行されて、確変開放予告演出に対応する演出制御が行われる。
こうして、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される可変表示中演出、あるいは大当り遊技状態中に実行される大当り中演出として、大当り遊技状態が第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを報知するための演出を含む複数種類の演出から、いずれかの演出を選択して実行することができる。図22は、可変表示中演出や大当り中演出の実行例を示している。図22に示す実行例では、遊技状態が確変状態と通常状態のいずれであるか、確変状態であるときには大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動する場合(リミッタ作動あり)とリミッタ作動判定値未満であり確変リミッタが作動しない場合(リミッタ作動なし)のいずれであるか、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるか、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるか(第2特図の場合は「第2大当り」のみ)に応じて、可変表示中演出や大当り中演出として実行する演出を異ならせている。
図22に示す一例として、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であって確変リミッタが作動しない場合(リミッタ作動なし)に、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、第1特定遊技状態であることを報知する特定演出となる確変継続演出を、可変表示中演出として実行する。また、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であって確変リミッタが作動しない場合に、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第1大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「13」となる第2特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、第2特定遊技状態であることを報知する特殊演出となる確変転落演出を、可変表示中演出として実行する。一方、遊技状態が確変状態であって、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であって確変リミッタが作動しない場合に、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合と同様に、第1特定遊技状態であることを報知する特定演出となる確変継続演出を、可変表示中演出として実行する。
ここで、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。また、確変状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる高ベース制御(有利制御)が行われる。そのため、遊技状態が確変状態であるときに、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる可能性(頻度)は、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる可能性(頻度)よりも、低くなりやすい。しかしながら、第1特図を用いた特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」となり、大当り種別が「第1大当り」になってしまうと、ラウンド上限判定値が「13」となる第2特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御されてしまい、確変制御条件を成立させることができなくなる。一方、第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる場合であっても、大当り種別が「第2大当り」になれば、ラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御されて、確変制御条件を成立させることができる。このときには、可変表示中演出として第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合と同様の確変継続演出を実行し、大当り遊技状態の終了後には再び確変状態となることを、その大当り遊技状態が開始されるよりも前の早いタイミングで遊技者に報知する。これにより、大当り遊技状態の終了後に再び確変状態となるか否かに対する遊技者の不安感を軽減して安心感を与え、遊技興趣を向上させることができる。
図22に示す他の一例として、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動する場合(リミッタ作動あり)に、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されないことを報知する終了報知演出としてのリミッタ作動演出を、可変表示中演出として実行する。また、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動する場合(リミッタ作動あり)に、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、終了報知演出としてのリミッタ作動演出を、可変表示中演出として実行する。
ここで、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動する場合には、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかや、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかにかかわらず、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御することが制限(禁止)される。このときには、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれに決定されても、大当り遊技状態の終了後における遊技状態に関して、遊技者の有利度に相違が生じない。そこで、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動する場合(リミッタ作動あり)に、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「第1大当り」となっても、確変リミッタが作動しない場合(リミッタ作動なし)のような特殊演出としての確変転落演出は実行せず、大当り種別が「第2大当り」となる場合と同様の状態終了演出となるリミッタ作動演出を実行する。
このように、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定された場合のうち、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であって確変リミッタが作動しない場合(リミッタ作動なし)は特定演出となる確変継続演出を実行する一方、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動する場合(リミッタ作動あり)は終了報知演出となるリミッタ作動演出を実行する。一方、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別を「第1大当り」とすることに対応して、第2特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定された場合のうち、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であって確変リミッタが作動しない場合(リミッタ作動なし)は特殊演出となる確変転落演出を実行する一方、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動する場合(リミッタ作動あり)は終了報知演出となるリミッタ作動演出を実行する。これにより、確変状態において可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御されるときは遊技者の不安感を軽減する一方で、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変リミッタの作動により確変状態に制御されない場合に、遊技者にとって不利な大当りになるとの誤解を与える不都合を防止して、遊技興趣を向上させることができる。
図22に示すさらに他の一例として、遊技状態が通常状態である場合に、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第1大当り」または「第2大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「13」となる第2特定遊技状態またはラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態に制御することが決定されたときは、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを報知する状態報知演出としての確変開放予告演出を、大当り中演出として実行する。また、遊技状態が通常状態である場合に、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態に制御することが決定されたときは、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームが実行された場合と同様に、状態報知演出としての確変開放予告演出を、大当り中演出として実行する。
ここで、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」とする場合には、常に大当り種別が「第2大当り」となる。そのため、状態報知演出としての確変開放予告演出が実行されても、第1特定遊技状態であることのみが報知される。もっとも、遊技状態が通常状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる高ベース制御(有利制御)が行われない。そのため、遊技状態が通常状態であるときに、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる可能性(頻度)は、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる可能性(頻度)よりも、低くなりやすい。こうした第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して、第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる場合とは異なる演出を実行するようにした場合には、通常状態にて可変表示結果が「大当り」となった場合の演出態様が増大して、演出についての制御負担が過大になるおそれがある。そこで、遊技状態が通常状態であるときに第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御されることが決定されたときは、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御されることが決定された場合と同様の状態報知演出となる確変開放予告演出を実行して、第1特定遊技状態であることを報知する。これにより、通常状態にて可変表示結果が「大当り」となった場合の演出態様が増大することを抑制して、演出についての制御負担を軽減することができる。また、大当り中演出として確変開放予告を実行し、大当り遊技状態が第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを、その大当り遊技状態が開始された後の遅いタイミングで遊技者に報知する。これにより、通常状態にて可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に確変状態となるか否かに対して遊技者に緊張感を与えることで、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときに、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、第1特定遊技状態に制御することが決定されたときは、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」とする場合と同様に、確変継続演出などが実行されるようにしている。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」とする場合には、第2特図を用いた特図ゲームの場合とは異なる演出が実行されるようにしてもよい。
一例として、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であって確変リミッタが作動しない場合(リミッタ作動なし)に、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、第2特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定されたときと同様に確変転落演出を実行してから、特別可変表示演出となる復活演出が実行されるようにしてもよい。復活演出が実行されるときには、まず、同一の数字を示す大当り組合せの飾り図柄が一旦は仮停止表示される。その後、復活演出が実行されることで仮停止表示させた可変表示を再開して、数字とは異なる同一の所定キャラクタを示す大当り組合せの確定飾り図柄を最終的に導出させる。このように、復活演出は、第1特定遊技状態にならないかのような印象を遊技者に一旦は与えた後に、可変表示が再開されて第1特定遊技状態となることを報知する演出であればよい。
あるいは、確変転落演出や確変継続演出として、確変開放予告演出と同様のバトル演出が実行されてもよい。例えば、確変転落演出では、自分のキャラクタが対戦相手のキャラクタと対戦(バトル)を行い、最終的に自分のキャラクタが敗退することで、下大入賞口が開放状態となるラウンド遊技が実行されない第2特定遊技状態としての大当り遊技状態であることを遊技者が認識可能に報知する。一方、確変継続演出では、バトルを行って最終的に自分のキャラクタが勝利することで、下大入賞口が開放状態となるラウンド遊技が実行される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態であることを遊技者が認識可能に報知する。そして、確変転落演出を実行してから復活演出が実行される場合には、一旦は敗退した自分のキャラクタが再起してバトルを再開し、最終的に自分のキャラクタが勝利することで、第1特定遊技状態としての大当り遊技状態となることを報知すればよい。このように、復活演出を伴う(または伴わない)確変転落演出や確変継続演出は、大当り遊技状態が第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを報知する状態報知演出として実行されるようにしてもよい。また、確変転落演出は、大当り遊技状態が第2特定遊技状態となる可能性があることを示唆する終了示唆演出として実行され、その後に復活演出が実行されなければ第2特定遊技状態となることが確定し、復活演出が実行されれば第1特定遊技状態となることが確定するものであってもよい。
復活演出を実行するために、図7に示した変動パターンPB3−1に代えて、例えば図23(A)に示すような変動パターンPB3−1−1と変動パターンPB3−1−2とを、予め用意する。また、図8(D)に示したテーブルTB4の構成に代えて、図23(B)に示すようなテーブルTB4の構成とする。図23(B)に示すテーブルTB4では、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれに決定されたかだけでなく、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかにも応じて、変動パターンが決定されるように設定されている。すなわち、変動特図が第1特図である場合に、大当り種別が「第1大当り」であれば変動パターンPB3−1−1に決定される一方、大当り種別が「第2大当り」であれば変動パターンPB3−1−2に決定される。
このような構成や設定により、図23(C)に示すように、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であって確変リミッタが作動しない場合(リミッタ作動なし)に、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として、大当り種別を「第2大当り」とすることに対応して、ラウンド上限判定値が「14」となる第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、大当り種別を「第1大当り」とすることが決定された場合と同様に、大当り遊技状態が第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを報知する状態報知演出としての確変転落演出が実行される。そして、この確変転落演出に続いて、復活演出が実行されることで、大当り遊技状態が第1特定遊技状態であることが最終的に報知される。このような状態報知演出として、復活演出を伴う確変転落演出や、復活演出を伴わない確変転落演出が実行されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるか否かに対して遊技者に緊張感を与えて、遊技興趣を向上させることができる。
なお、状態報知演出としての確変転落演出や復活演出は、可変表示中演出として実行されるものに限定されず、大当り中演出として実行されるものであってもよい。この場合、図6に示すステップS261の処理では、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であり、可変表示結果が「大当り」であり、変動特図が第1特図であることに対応して、遊技状態が通常状態であるときに可変表示結果が「大当り」となる場合と同様のテーブルTB2を選択して、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3のいずれかに決定できればよい。これにより、可変表示中演出としては、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3のいずれかに応じたリーチ演出などが実行される。また、図10に示すステップS290の処理では、大当り開始指定コマンドとして、大当り開始前の遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であり、変動特図が第1特図であり、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかを通知する演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。演出制御用CPU120は、図20(A)に示すステップS542の処理により大当り開始指定コマンドの受信があったと判定したときに、その大当り開始指定コマンドの通知内容に応じて、確変転落演出や復活演出を実行するか否かを決定すればよい。すなわち、大当り開始前の遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であり、変動特図が第1特図であり、大当り種別が「第1大当り」であることが通知された場合には、大当り中演出として確変転落演出を実行し、復活演出は実行しないことに決定する。一方、すなわち、大当り開始前の遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であり、変動特図が第1特図であり、大当り種別が「第2大当り」であることが通知された場合には、確変転落演出を実行した後に復活演出を実行することに決定する。
このような構成や設定により、図24に示すように、状態報知演出となる確変転落演出や復活演出が、大当り中演出として実行される。そして、確変転落演出に続いて復活演出が実行されることで、大当り遊技状態が第1特定遊技状態であることが最終的に報知される。こうした状態報知演出となる確変転落演出や復活演出を大当り中演出として実行し、大当り遊技状態が第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを、その大当り遊技状態が開始された後の遅いタイミングで遊技者に報知する。これにより、確変状態にて確変リミッタが作動しないときに第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となったことに大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に再び確変状態となるか否かに対して遊技者に緊張感を与えることで、遊技興趣を向上させることができる。
その他、確変転落演出や確変継続演出、リミッタ作動演出、確変開放予告演出、復活演出などの各種演出が実行される演出期間は、遊技状態、リミッタ作動の有無、変動特図、大当り種別などに応じて、特別図柄や飾り図柄の可変表示中における所定期間、あるいは大当り遊技状態が開始されてからの所定期間のうちから決定されるものであればよい。一例として、遊技状態が確変状態であり、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値未満であって確変リミッタが作動しない場合(リミッタ作動なし)に、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、第1特定遊技状態であることを報知する特定演出としての確変継続演出や、第2特定遊技状態であることを報知する特殊演出としての確変転落演出が、大当り中演出として実行されてもよい。他の一例として、遊技状態が通常状態であるときに可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、変動パターンの決定結果に応じて、大当り遊技状態が第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれであるかを報知する状態報知演出としての確変開放予告演出が、所定割合で可変表示中演出として実行されることがあってもよい。
大当り中演出が実行される演出期間としては、大当り遊技状態の開始時における所定期間、大当り遊技状態にてラウンド遊技を実行中の所定期間、大当り遊技状態にていずれかのラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(インターバル期間)、大当り遊技状態にて実行される最終のラウンド遊技が終了してから次の特図ゲームが開始されるまでの所定期間といった、大当り遊技状態中における任意の期間のうちから予め設定されるもの、あるいは大当り中演出が実行されるごとに所定割合で決定されるものであればよい。
以上の他にも、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達すると確変リミッタが作動することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが制限(禁止)されるものとして説明した。また、確変リミッタが作動する場合に対応して、状態終了演出としてのリミッタ作動演出が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば、少なくとも特殊演出となる確変転落演出および特定演出となる確変継続演出を実行するための構成を備える場合に、確変リミッタの作動による確変状態の禁止がないものとして、終了報知演出となるリミッタ作動演出が実行されないものであってもよい。また、例えば、少なくとも特定演出となる確変継続演出および状態報知演出となる確変開放予告演出を実行するための構成を備える場合に、確変リミッタの作動による確変状態の禁止がないものとして、終了報知演出となるリミッタ作動演出が実行されないものであってもよい。さらに、例えば、少なくとも状態報知演出となる確変転落演出および復活演出や特定演出となる確変継続演出を実行するための構成を備える場合に、確変リミッタの作動による確変状態の禁止がないものとして、終了報知演出となるリミッタ作動演出が実行されないものであってもよい。
このように、確変リミッタの作動による確変状態の禁止がない場合でも、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数(例えば「70」)を予め定めておくことで、遊技状態が通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数の増大を抑制することができればよい。あるいは、確変状態は次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる一方、確変リミッタの作動により確変状態とすることが禁止されることで、遊技状態が通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数の増大を抑制してもよい。
上記実施の形態では、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」に達したときに下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行し、特定回数のラウンド遊技中に下大入賞口を遊技球が通過(進入)した入賞タイミングが期間T1と期間T2のいずれに含まれるかに応じて異なる割合で、入賞演出が複数種類のいずれかに決定されるものとして説明した。これに対して、特定回数のラウンド遊技として、複数回のラウンド遊技を設け、いずれのラウンド遊技にて開放状態となった所定の大入賞口を遊技球が通過(進入)したかに応じて異なる割合で、入賞演出が複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。具体的な一例として、ラウンド遊技の実行回数が「10」のときと「14」のときに、特定回数のラウンド遊技として下大入賞口が開放状態になるものとする。この場合、ラウンド遊技の実行回数が「10」のときを上記実施の形態における期間T1として設定する一方、ラウンド遊技の実行回数が「14」のときを上記実施の形態における期間T2として設定する。例えばラウンド遊技の実行回数が「10」である第10ラウンド(10R)では、通常よりも短い所定時間(例えば1秒)が経過するまで下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されるように設定する。そして、ラウンド遊技の実行回数が「10」である第10ラウンド(10R)にて下大入賞口を遊技球が通過(進入)した場合には、入賞タイミングが期間T1に含まれるものとして、図21(B)に示すような期間T1内に応じた割合で入賞演出Aまたは入賞演出Bに決定すればよい。一方、ラウンド遊技の実行回数が「14」である第14ラウンド(14R)にて下大入賞口を遊技球が通過(進入)した場合には、入賞タイミングが期間T2に含まれるとして、図21(B)に示すような期間T2内に応じた割合で入賞演出Aまたは入賞演出Bに決定すればよい。
上記実施の形態では、上大入賞口に進入した遊技球は特定領域スイッチ24の設置箇所に誘導されることがない一方で、下大入賞口に進入した遊技球はすべて特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されるものとして説明した。すなわち、特別可変入賞球装置7Aに遊技球が入賞しても確変制御条件は成立しない一方で、特別可変入賞球装置7Bに遊技球が入賞すれば常に確変制御条件が成立するものとして説明した。これに対して、遊技球が上大入賞口と下大入賞口のいずれに進入したかに応じて、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導される割合を異ならせるようにしてもよい。一例として、上大入賞口に進入した上大入賞口入賞球と、下大入賞口に進入した下大入賞口入賞球のいずれであっても、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されることもあれば、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されずに排出経路へと誘導されることもある。ここで、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されて特定領域を通過する割合(特定領域通過割合)は、上大入賞口と下大入賞口とで異ならせるように、特別可変入賞球装置7A、7Bの内部構造が形成されればよい。例えば、上大入賞口における特定領域通過割合は、下大入賞口における特定領域通過割合よりも極めて低くなるように設定される。これにより、上大入賞口に進入した遊技球は、下大入賞口に進入した遊技球よりも特定領域を通過しにくくなる。したがって、特別可変入賞球装置7Aにおける入賞球である上大入賞口入賞球は、特別可変入賞球装置7Bにおける入賞球である下大入賞口入賞球よりも確変制御条件を成立させにくい。こうして、特別可変入賞球装置7A、7Bのうちいずれに遊技球が入賞したかに応じて、確変制御条件を成立させる割合を異ならせることができればよい。
また、上大入賞口スイッチ23Aや下大入賞口スイッチ23Bとは別に特定領域スイッチ24を設けるものに限定されず、上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bのいずれかにより遊技球が検出されたことに基づいて、確変制御条件を成立させるか否かが決定されてもよい。一例として、上大入賞口スイッチ23Aにより遊技球が検出されても確変制御条件は成立させない一方、下大入賞口スイッチ23Bにより遊技球が検出されたときには、常に確変制御条件を成立させるようにしてもよい。他の一例として、上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bのいずれにより遊技球が検出されたかに応じて異なる割合で、確変制御条件を成立させるか否かを決定してもよい。
上記実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」である場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が特定回数未満の上限回数となる「13」に達するまで繰返し実行される一方、大当り種別が「第2大当り」である場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が特定回数以上の上限回数となる「14」に達するまで繰返し実行されるものとして説明した。そして、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」に達したときに下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することにより、大当り種別に応じて確変制御条件が成立可能か否かを相違させるものとして説明した。これに対して、大当り種別にかかわらず、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が特定回数以上となる一定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行され、ラウンド遊技の実行回数が特定回数に達したときの大入賞口開放上限時間を異ならせることにより、大当り種別に応じて確変制御条件の成立しやすさを相違させるものとしてもよい。一例として、大当り種別が「第1大当り」である場合に、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」であるときと、大当り種別が「第2大当り」である場合に、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「14」であるときには、大入賞口開放上限時間が第1時間(例えば29.5秒)に決定される。一方、大当り種別が「第1大当り」である場合に、ラウンド遊技の実行回数が「14」であるときには、大入賞口開放上限時間が第1時間よりも短い第2時間(例えば0.5秒)に決定される。このような設定において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」に達したときには、大当り種別にかかわらず下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されればよい。これにより、大当り種別が「第2大当り」である場合には、大当り種別が「第1大当り」である場合よりも下大入賞口が開放状態となる時間が長くなるので、下大入賞口を遊技球が通過(進入)して確変制御条件が成立しやすくなる。
あるいは、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかに応じて、ラウンド遊技の実行回数が特定回数に達したときに開放状態となる大入賞口を異ならせてもよい。この場合には、大当り種別やラウンド遊技の実行回数にかかわらず、大入賞口開放上限時間として一定の時間(例えば29.5秒)が設定されればよい。そして、例えば大当り種別が「第1大当り」である場合には、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」に達したときでも、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」であるときと同様に、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されるようにすればよい。このようにしても、大当り種別が「第1大当り」である場合には下大入賞口に遊技球を通過(進入)させることができなくなるので、大当り種別に応じて確変制御条件が成立可能か否かを相違させることができる。
上記実施の形態では、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口と特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口とを設け、開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入することにより、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われる確変状態となるための確変制御条件が成立するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域2に設けられた1つの大入賞口に遊技球が進入したことに基づいて、確変制御条件が成立し得るものであってもよい。一例として、所定の特別可変入賞球装置に形成された大入賞口の内部に、第1特定領域と第2特定領域とを設ける。第1特定領域に進入した遊技球は、上記実施の形態における上大入賞口スイッチ23Aや下大入賞口スイッチ23Bと同様のカウントスイッチによって検出される。一方、第2特定領域に進入した遊技球は、上記実施の形態における特定領域スイッチ24と同様の特定入賞スイッチによって検出される。また、大入賞口の内部には、第2特定領域を閉鎖状態と開放状態とに変化させる蓋状の特定開閉板を設け、第2特定領域に進入できなかった遊技球を第1特定領域へと誘導する転動板(または転動経路)を設ける。転動板の一例として、遊技球を渦状に旋回させて整流するクルーンを設けてもよい。他の一例として、転動板をシーソーのように回動させ、遊技球が転動面上を揺動するようにしてもよい。
このような構成において、遊技状態が大当り遊技状態であるときには、ラウンド遊技の実行回数が「1」(第1ラウンド)〜「13」(第13ラウンド)のいずれかである場合に、特定開閉板により第2特定領域を閉鎖状態とすることで、第2特定領域に遊技球が進入不可能にする。したがって、第1ラウンド〜第13ラウンドにて開放状態となった大入賞口に進入した遊技球は、すべて第1特定領域へと誘導されることで、確変制御条件は成立しない。これに対して、ラウンド遊技の実行回数が「14」(第14ラウンド)の場合には、特定開閉板により第2特定領域を開放状態とすることで、第2特定領域にも遊技球が進入可能にする。なお、このときでも第1特定領域は開放状態としておき、大入賞口に進入した遊技球は、所定割合で第1特定領域と第2特定領域のいずれかへと誘導されればよい。あるいは、第14ラウンドでは第1特定領域を閉鎖状態として、大入賞口に進入した遊技球をすべて第2特定領域へと誘導してもよい。こうして第2特定領域に進入した遊技球が検出されたときには、確変制御条件が成立して、大当り遊技状態が終了した後に確変状態となるようにすればよい。
上記実施の形態では、下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は、大当り遊技状態における最終のラウンド遊技(第14ラウンド)であるものとして説明した。これに対して、下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は、大当り遊技状態における最終のラウンド遊技に限定されず、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでにおける任意の実行回数(例えば「7」など)となるラウンド遊技であればよい。この場合、最終のラウンド遊技が実行されるよりも前のラウンド遊技にて確変制御条件が成立可能にした場合には、そのラウンド遊技が終了した後に次回以降のラウンド遊技が実行されるときに、大当り中演出の演出態様を確変制御条件の成否に応じて異ならせたり、大当り種別や確変制御条件の成否に応じて各種演出の演出時間を異ならせたりしてもよい。
上記実施の形態において、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が実行されるごとに、上大入賞口または下大入賞口のいずれか一方が閉鎖状態から開放状態へと変化し、入賞個数が所定数に達したこと、または大入賞口開放上限時間が経過したことにより、開放状態の大入賞口を閉鎖状態に戻して1回のラウンド遊技が終了するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、1回のラウンド遊技にて大入賞口を短時間(例えば1秒ごと)で閉鎖状態と開放状態とに繰返し変化させ、その繰返し回数が所定回数に達したこと、または入賞個数が所定数に達したことにより、1回のラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
一例として、ラウンド遊技の実行回数が特定回数以外であるときには、上大入賞口を閉鎖状態と開放状態とに繰返し変化させるラウンド遊技が実行され、入賞個数が所定数に達しない場合には、繰返し回数が「15」に達したことにより、1回のラウンド遊技が終了するものとする。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数であるときには、下大入賞口を閉鎖状態と開放状態とに変化させるラウンド遊技が実行される。このとき、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかに応じて、下大入賞口を開放状態に変化させる回数を異ならせることで、確変制御条件の成立しやすさを異ならせてもよい。例えば、大当り種別が「第1大当り」である場合には、特定回数のラウンド遊技(例えば第14ラウンド)として、下大入賞口を開放状態に変化させる上限回数を「1」とし、下大入賞口を1回だけ開放状態としてラウンド遊技を終了させる。一方、大当り種別が「第2大当り」である場合には、特定回数のラウンド遊技として、下大入賞口を開放状態に変化させる回数を「15」とし、下大入賞口を15回まで開放状態にできるラウンド遊技を実行してもよい。こうした設定によっても、特定回数のラウンド遊技において下大入賞口に遊技球が進入して確変制御条件が成立する可能性を、大当り種別に応じて異ならせることができる。
他の一例として、大当り種別が「第1大当り」である場合の大当り遊技状態として、特定回数のラウンド遊技において下大入賞口を継続して開放状態とするものと、特定回数のラウンド遊技において下大入賞口を閉鎖状態と開放状態とに繰返し変化させるものとを設けてもよい。例えば、「第1大当り」の大当り種別には、「第1大当りA」と「第1大当りB」とが含まれ、図4に示すステップS242の処理では、「第2大当り」の他に「第1大当りA」と「第1大当りB」のいずれかに所定割合で決定されてもよい。そして、大当り種別が「第1大当りA」である場合には、第14ラウンドのラウンド遊技にて下大入賞口が2.0秒にわたり1回だけ開放状態とする。一方、大当り種別が「第1大当りB」である場合には、第14ラウンドのラウンド遊技にて下大入賞口が0.1秒にわたり開放状態とした後に閉鎖状態とする動作が20回まで繰返し実行される。こうした設定により、下大入賞口を開放状態とする合計時間は同一(例えば2.0秒)であっても、特定回数のラウンド遊技において下大入賞口に遊技球が進入して確変制御条件が成立する可能性を異ならせることができればよい。
このように、大当り種別が「第2大当り」である場合には、確変制御条件が成立可能となり、大当り遊技状態の終了後に遊技状態を確変状態に制御可能な大当り遊技状態となる一方で、大当り種別が「第1大当り」などである場合には、確変制御条件が成立不可能または成立困難となり、大当り遊技状態の終了後に遊技状態を確変状態に制御不可能または制御困難となるように、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行態様などが設定されればよい。
上記実施の形態において、遊技領域2には上大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7Aと下大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7Bとが設けられ、特定回数以外のラウンド遊技では上大入賞口が開放状態に変化する一方、特定回数のラウンド遊技では下大入賞口が開放状態に変化するものとして説明した。しかしながら、上大入賞口や下大入賞口といった複数の大入賞口と、ラウンド遊技の実行態様(開放する大入賞口、大入賞口開放上限時間など)、特定領域通過割合や確変決定割合といった確変制御条件の成立可能性などとの対応関係は、上記実施の形態とは異なる設定であってもよい。すなわち、複数の大入賞口のうちいずれに遊技球が進入したかに応じて、確変状態となるための確変制御条件が成立する可能性を異ならせたものであれば、それぞれの大入賞口の配置や大当り遊技状態における動作態様などは、任意に変更および修正が可能である。また、第1特図や第2特図といった複数種類の特別図柄を用いた特図ゲームが実行可能な構成において、いずれの特別図柄を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となったかに応じて、特定領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させる割合が異なるように設定されていればよい。
上記実施の形態では、遊技領域2に左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとがあり、画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより、左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとが区分けされるものとして説明した。これに対して、遊技領域2が区分けされず、遊技領域2へと発射された遊技球が第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれにも誘導され得るようにしてもよい。例えば遊技領域2において、画像表示装置5の下方に普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとを設け、さらに、これらの下方に特別可変入賞球装置7Aと特別可変入賞球装置7Bとを設けてもよい。
図1に示した遊技領域2の構成では、特別可変入賞球装置7A、7Bの上方における右遊技領域2Bの狭い球流下経路に、普通可変入賞球装置6Bが設けられる。そのため、右遊技領域2Bへと誘導された遊技球の大部分が開放状態または拡大開放状態となった第2始動入賞口に進入してしまい、開放状態となっている上大入賞口または下大入賞口に進入させることが困難または不可能になる場合がある。一方、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bの下方に特別可変入賞球装置7Aや特別可変入賞球装置7Bを設けた構成では、特別可変入賞球装置7A、7Bの上方に比較的広い球流下領域を確保することができ、開放状態または拡大開放状態となった第2始動入賞口に進入する遊技球は一部にすぎない。これにより、上大入賞口または下大入賞口が開放状態となるときに、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片などが遊技球の進入を妨げることを防止して、図1に示した遊技領域2の構成よりも遊技者にとって好ましい態様で遊技球を誘導することができる。
大当り遊技状態にて開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入することなどにより付与される遊技価値は、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となることに限定されず、遊技者にとって有利な任意の遊技価値であればよい。例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに実行可能な特図ゲームの上限回数(時短中変動上限回数)が増加することによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。あるいは、大当り遊技状態が終了した後に遊技状態が確変状態となる場合に、特図表示結果を「大当り」に決定する大当り確率が第1確変状態よりも高い第2確変状態となることによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。あるいは、遊技状態が確変状態であるときに実行可能な特図ゲームの上限回数である確変中変動上限回数が増加することによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。あるいは、有利開放制御が行われるときに普図ゲームの平均的な可変表示時間、普図当り確率、第2始動入賞口の開放回数や開放時間のうち一部または全部といった開放制御態様が第1有利態様よりも有利な第2有利態様となることによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。あるいは、大当り遊技状態の終了後に確変リミッタが作動するまで遊技状態が繰返し確変状態になる上限回数であるリミッタ作動判定値(連チャン上限回数)が増加することによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、いわゆる擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、パチンコ遊技機1では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した後に図4のステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であると判定され、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームが実行される場合に、ステップS239の処理により可変表示結果が「大当り」に決定されたときは、ステップS242の処理にて大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに所定割合で決定される。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した後に図4のステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であると判定され、第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合に、ステップS239の処理により可変表示結果が「大当り」に決定されたときは、ステップS242の処理にて大当り種別が「第2大当り」に決定される。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。遊技状態が確変状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる高ベース制御が行われる。したがって、遊技状態が確変状態であるときには通常状態であるときとは異なる割合で大当り種別が「第2大当り」に対応する第1特定遊技状態に制御することが決定され、確変状態となることに対する遊技者の期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図22に示すように、遊技状態が確変状態であるときに、第1開始条件の成立に基づいて大当り種別が「第1大当り」となり第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(ラウンド上限判定値が「13」)に制御することが決定されたときは、確変リミッタが作動しなければ特殊演出としての確変転落演出が実行される。一方、遊技状態が確変状態であるときに、第1開始条件の成立に基づいて大当り種別が「第2大当り」となり第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(ラウンド上限判定値が「14」)に制御することが決定されたときは、第2開始条件の成立に基づいて第1特定遊技状態に制御することが決定されたときと同様に、確変リミッタが作動しなければ特定演出としての確変継続演出が実行される。これにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるか否かに対する遊技者の不安を軽減して、遊技興趣を向上させることができる。
図22に示すように、遊技状態が確変状態であるときに、第1開始条件の成立に基づいて大当り種別が「第1大当り」となり第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(ラウンド上限判定値が「13」)に制御することが決定された場合のうちで、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動する場合は、第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定された場合と同様に、終了報知演出としてのリミッタ作動演出が実行される。これにより、確変リミッタが作動することで確変状態に制御されない場合に、遊技者にとって不利な大当り遊技状態になるとの誤解を与える不都合を防止できる。
図23(C)や図24に示すように、遊技状態が確変状態であるときに、第1開始条件の成立に基づいて大当り種別が「第1大当り」となり第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(ラウンド上限判定値が「13」)に制御することが決定されたときや大当り種別が「第2大当り」となり第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(ラウンド上限判定値が「14」)に制御することが決定されたときは、状態報知演出として、復活演出を伴わない確変転落演出や復活演出を伴う確変転落演出が実行される。これにより、大当り遊技状態の終了後に再び確変状態となるか否かに対して遊技者に緊張感を与えて、遊技興趣を向上させることができる。
図22に示すように、遊技状態が通常状態であるときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り種別が「第2大当り」となり第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(ラウンド上限判定値が「14」)に制御することが決定された場合には、第1開始条件の成立に基づいて大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」に決定された場合と同様に、状態報知演出としての確変開放予告演出が実行される。これにより、通常状態にて可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態に制御される場合の演出態様が増大することを抑制して、演出についての制御負担を軽減することができる。
大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」(第14ラウンド)となったときには、例えば図13に示すステップS336の処理により、開放状態とした下大入賞口を通過(進入)した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたと判定したことに基づいて、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を確変状態とするための確変制御条件が成立可能になる。これにより、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口と、特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口とのうち、いずれの大入賞口を遊技球が通過(進入)するかに対して遊技者を注目させ、遊技興趣を向上させることができる。
大当り種別が「第2大当り」である場合には、大当り種別が「第1大当り」である場合とは異なり、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」(第14ラウンド)となって下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されることで、確変制御条件が成立可能になる。これにより、特定回数のラウンド遊技に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。その他にも、大当り種別が「第2大当り」となり第1特定遊技状態に制御することが決定された場合には、大当り種別が「第1大当り」となり第2特定遊技状態に制御することが決定された場合よりも、遊技球が下大入賞口を通過(進入)しやすくなるようなラウンド遊技が実行される。これにより、特定回数のラウンド遊技に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機1の遊技領域2には、第1遊技領域としての左遊技領域2Aと、第2遊技領域としての右遊技領域2Bとが設けられ、遊技者がいずれかの遊技領域に遊技球を打ち分けて発射可能となっている。そして、左遊技領域2Aには普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口が設けられ、右遊技領域2Bには普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が設けられている。これにより、遊技状態が通常状態であるときには、大当り種別が「第2大当り」となり第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定される割合(大当り遊技状態の終了後に確変状態となる割合)を抑制しつつ、遊技状態が確変状態であるときには、大当り種別が「第2大当り」となり第1特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することが決定される割合を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図22に示すように、特殊演出となる確変転落演出や特定演出となる確変継続演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中における可変表示中演出として実行される。一方、状態報知演出となる確変開放予告演出は、大当り遊技状態中における大当り中演出として実行される。このように、遊技状態が通常状態であるときに第1特定遊技状態となるか否かを報知するタイミングは、遊技状態が確変状態であるときに第1特定遊技状態となるか否かを報知するタイミングよりも遅くなる。これにより、通常状態であるときには確変状態となるか否かに対して遊技者に緊張感を与え、確変状態であるときには再び確変状態となることに対して遊技者に安心感を与えて、遊技興趣を向上させることができる。
図24に示すように、特定演出となる確変継続演出は可変表示中演出として実行される一方で、状態報知演出となる確変転落演出や復活演出は大当り中演出として実行されてもよい。このように、遊技状態が確変状態であるときに、第1開始条件の成立に基づいて第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれとなるかを報知するタイミングが、第2開始条件の成立に基づいて第1特定遊技状態となることを報知するタイミングよりも遅くなることで、再び確変状態となるか否かに対して遊技者に緊張感を与えて、遊技興趣を向上させることができる。
図23(C)や図24に示す確変転落演出は、大当り種別が「第1大当り」となり第2特定遊技状態としての大当り遊技状態となる可能性があることを示唆する終了示唆演出として実行され、その後に復活演出が実行された場合には第1特定遊技状態としての大当り遊技状態となることが報知される。これにより、大当り遊技状態の終了後に再び確変状態となることに対して遊技者に緊張感を与えて、遊技興趣を向上させることができる。
図21(A)に示すステップ565の処理では、例えば図21(B)に示すように、第1期間となる期間T1と第2期間となる期間T2とのうちで、いずれの期間において開放状態となっている下大入賞口を遊技球が通過(進入)したかに応じて異なる割合で、入賞演出Aや入賞演出Bといった複数種類の進入演出のうちでいずれかが実行される。これにより、遊技球が下大入賞口を通過(進入)したタイミングに対して遊技者を注目させて、遊技興趣を向上させることができる。