JP2014073048A - 医療機器及び医療用無線給電システム - Google Patents

Abstract

【課題】無線で供給される電力を利用して所定の機能を好適に動作させるために要する回路の規模を小型化することが可能な医療機器等を提供する。
【解決手段】医療機器は、所定の共振周波数で共振できるように構成された送電コイルユニットから無線で供給される電力に基づいて駆動することにより被検体の処置を行うことができるように構成されており、さらに、受電用コイルを具備するとともに、所定の共振周波数に一致する共振周波数で共振することにより、送電コイルユニットから無線で供給される電力を、所定の共振周波数に一致する周波数の交流電力として受電用コイルで受電できるように構成された受電コイルユニットと、受電コイルユニットにおいて受電された交流電力の周波数の１／ｎ倍（ｎはいずれかの自然数）の周波数で駆動するように構成された処置部と、を有する。
【選択図】図２

Description

本発明は、医療機器及び医療用無線給電システムに関し、特に、無線で供給される電力を利用して所定の機能を動作させる医療機器及医療用無線給電システムに関するものである。

医療分野で用いられる種々の器具及び装置において、電磁誘導現象を利用して電力の供給を行うための構成を具備するものが近年提案されている。

具体的には、例えば特許文献１には、トロッカー内に設けられた送電用コイルと、外科手術用器具内に設けられた受電用コイルと、の間において電磁誘導を発生させることにより、当該トロッカーに挿入された当該外科手術用器具に対して電気外科手術エネルギーを供給するような構成が開示されている。

しかし、特許文献１には、送電用コイルから受電用コイルへ供給される電気外科手術エネルギーの周波数について特に言及されていないため、例えば、受電用コイルにおいて受電した電力の周波数を生体組織の処置に適した周波数にするための回路等を適宜設ける必要がある。その結果、特許文献１に開示された構成によれば、外科手術用器具による処置を好適に行うために要する回路の規模が大型化してしまう、という課題が生じている。

本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、無線で供給される電力を利用して所定の機能を好適に動作させるために要する回路の規模を小型化することが可能な医療機器及び医療用無線給電システムを提供することを目的としている。

本発明の一態様の医療機器は、所定の共振周波数で共振できるように構成された送電コイルユニットから無線で供給される電力に基づいて駆動することにより、被検体の処置を行うことができるように構成された医療機器であって、受電用コイルを具備するとともに、前記所定の共振周波数に一致する共振周波数で共振することにより、前記送電コイルユニットから無線で供給される電力を、前記所定の共振周波数に一致する周波数の交流電力として前記受電用コイルで受電できるように構成された受電コイルユニットと、前記受電コイルユニットにおいて受電された交流電力の周波数の１／ｎ倍（ｎはいずれかの自然数）の周波数で駆動するように構成された処置部と、を有する。

本発明における医療機器及び医療用無線給電システムによれば、無線で供給される電力を利用して所定の機能を好適に動作させるために要する回路の規模を小型化することができる。

第１の実施例に係るトロッカーの外観を示す図。 第１の実施例に係るトロッカーの要部の構成を示す図。 第１の実施例に係るバイポーラ電気メスの要部の構成を示す図。 図２のバイポーラ電気メスの先端部を拡大して示した図。 バイポーラ電気メスをトロッカーに挿通した状態の一例を示す図。 第１の実施例に係る医療用無線給電システムの要部の構成を示す図。 第１の実施例の変形例に係る医療用無線給電システムの要部の構成を示す図。 第２の実施例に係る医療用無線給電システムの要部の構成を示すブロック図。 第２の実施例の変形例に係る医療用無線給電システムの要部の構成を示すブロック図。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。

（第１の実施例）
図１Ａから図５は、本発明の第１の実施例に係るものである。

図１Ａは、第１の実施例に係るトロッカーの外観を示す図である。図１Ｂは、第１の実施例に係るトロッカーの要部の構成を示す図である。

図１Ａに示すように、トロッカー１は、略凸形状を具備して形成されている。また、トロッカー１は、処置具等を挿入可能な寸法を具備する孔として形成された挿入孔２と、後述の送電ケーブル２４を着脱自在に接続できるように形成された接続端子部３と、を有して構成されている。

図１Ｂに示すように、トロッカー１の内部には、挿入孔２の外周部に沿って巻回された送電用コイル４と、接続端子部３に設けられた電気端子３Ａ及び送電用コイル４に対して直列接続された送電用コンデンサ５と、が設けられている。

また、トロッカー１の内部における送電用コイル４及び送電用コンデンサ５の周辺は、樹脂等の絶縁部材で覆われている。なお、本実施例によれば、送電用コイル４の一部のみが樹脂等の絶縁部材で覆われるように構成してもよい。

送電用コイル４は、トロッカー１の内部かつ挿入孔２の外周部において、挿入孔２の挿入方向の軸（以降、挿入軸とも称する）に対して平行な（または挿入軸に一致する）巻き軸を具備するとともに、挿入孔２の入口側の開口部（上部開口部）の近傍を略覆うように巻かれている。そして、送電用コイル４の一方の端部が送電用コンデンサ５に対して接続されているとともに、送電用コイル４の他方の端部が電気端子３Ａに対して接続されている。

さらに、トロッカー１においては、後述のバイポーラ電気メス１１に内蔵された受電コイルユニットの共振周波数に一致する共振周波数ＦＲＡを具備するように、送電用コイル４のインダクタンス及び送電用コンデンサ５のキャパシタンスがそれぞれ設定されている。

すなわち、トロッカー１の内部には、送電用コイル４及び送電用コンデンサ５を含む直列共振回路としての送電コイルユニットが設けられている。

図２は、第１の実施例に係るバイポーラ電気メスの要部の構成を示す図である。図３は、図２のバイポーラ電気メスの先端部を拡大して示した図である。

図２に示すように、バイポーラ電気メス１１は、切開または凝固等の処置を行うための高周波電流を被検体の処置対象部位に印加可能な一対の電極１２Ａ及び１２Ｂを具備する処置用電極１２を先端部に設け、トロッカー１の挿入孔２に挿入可能な細長形状の挿入部１３を中途部に設け、処置用電極１２の開閉動作に係る操作を手動で行うことが可能な操作部１４を後端部に設けて構成されている。

また、図２に示すように、バイポーラ電気メス１１は、樹脂等の絶縁部材で形成された円筒状の外筒部１５により、挿入部１３の内部の水密が保たれるように構成されている。

さらに、図２及び図３に示すように、外筒部１５の内部には、樹脂等の絶縁部材により形成された円筒状の内筒部１６と、内筒部１６の外周部に沿って巻回された受電用コイル１７と、受電用コイル１７及び処置用電極１２の電極１２Ａに対して直列接続された受電用コンデンサ１９と、が設けられている。

受電用コイル１７は、外筒部１５の内部かつ内筒部１６の外周部において、挿入部１３の長軸に平行な（または一致する）巻き軸を具備するとともに、処置用電極１２の近傍から操作部１４の近傍に至るまでの部分（挿入部１３の先端側から後端側に至るまでの部分）を略覆うように巻かれている。そして、受電用コイル１７の一方の端部が受電用コンデンサ１９に対して接続されているとともに、受電用コイル１７の他方の端部が処置用電極１２の電極１２Ｂに対して接続されている。

さらに、バイポーラ電気メス１１においては、トロッカー１に内蔵された送電コイルユニットの共振周波数に一致する共振周波数ＦＲＡを具備するように、受電用コイル１７のインダクタンス及び受電用コンデンサ１９のキャパシタンスがそれぞれ設定されている。

すなわち、バイポーラ電気メス１１の内部には、受電用コイル１７及び受電用コンデンサ１９を含む直列共振回路としての受電コイルユニットが設けられている。また、処置用電極１２は、被検体の処置を行う処置部としての機能を具備して構成されている。

そして、例えば図４に示すように、バイポーラ電気メス１１は、挿入部１３をトロッカー１の挿入孔２に挿通した状態で使用される。図４は、バイポーラ電気メスをトロッカーに挿通した状態の一例を示す図である。

続いて、本実施例の医療用無線給電システムの構成及び作用について説明する。図５は、第１の実施例に係る医療用無線給電システムの要部の構成を示す図である。

図５に示すように、本実施例の医療用無線給電システム２０１は、トロッカー１と、バイポーラ電気メス１１と、電源装置２１と、を有して構成されている。

電源装置２１は、トロッカー１の送電コイルユニットの共振周波数に一致する周波数ＦＲＡの交流電力を、任意の信号レベルで供給することができるように構成されている。また、電源装置２１は、ＣＰＵ等の制御装置を備えた制御部２１Ａと、ＬＣＤ等の表示装置を備えた表示部２１Ｂと、を有して構成されている。

一方、術者等は、被験者の体壁にトロッカー１を穿設し、電源装置２１と、電源装置２１からトロッカー１への電力供給をオンまたはオフするための指示信号を出力可能なフットスイッチ２２と、の間を信号ケーブル２３により接続し、電源装置２１と、トロッカー１の接続端子部３と、の間を送電ケーブル２４により接続する。

その後、術者等は、被験者の体壁に設置されたトロッカー１を介し、当該被験者の体腔内へバイポーラ電気メス１１を挿入してゆく。

そして、術者等は、例えば、内視鏡画像の観察または目視等により、体腔内の処置対象部位の近傍に処置用電極１２が到達したことを確認すると、フットスイッチ２２を操作することにより、電源装置２１からトロッカー１への電力供給をオンする。

一方、電源装置２１の制御部２１Ａは、術者等のフットスイッチ２２の操作に応じて出力される指示信号に基づき、トロッカー１の送電コイルユニットの共振周波数に一致する周波数ＦＲＡの交流電力を供給する。そして、このような周波数ＦＲＡの交流電力の供給に伴い、トロッカー１の送電コイルユニットとバイポーラ電気メス１１の受電コイルユニットとの間において磁界共鳴現象が発生し、送電用コイル４から受電用コイル１７への送電が行われる。

ここで、本実施例においては、送電コイルユニット及び受電コイルユニットの共振周波数ＦＲＡが、バイポーラ電気メス１１による処置を好適に行うことが可能な周波数として設定されている。

具体的には、共振周波数ＦＲＡは、２００ｋＨｚ以上かつ１ＭＨｚ以下のいずれかの周波数（例えば３５０ｋＨｚ）に設定されている。

以上に述べたように、本実施例のバイポーラ電気メス１１は、受電用コイル１７において受電された交流電力をそのまま処置用電極１２の駆動電力として利用することができ、すなわち、受電用コイル１７において受電された交流電力の周波数に一致する周波数の電流が被検体の処置対象部位に印加されるように構成されている。従って、本実施例のバイポーラ電気メス１１によれば、受電用コイル１７において受電した交流電力の周波数を生体組織の処置に適した周波数にするための回路（例えば変調回路等）を設ける必要がなくなり、すなわち、無線で供給される電力を利用して処置用電極１２を好適に駆動させるために要する回路の規模を小型化することができる。

また、本実施例によれば、送電コイルユニット及び受電コイルユニットにおいて用いられるコイル及びコンデンサを共通化することができるため、トロッカー１及びバイポーラ電気メス１１の製造時のコストを低減することができる。

なお、本実施例のバイポーラ電気メス１１によれば、磁界共鳴現象を利用して供給される電力の受電効率を向上させるために、例えば、受電コイルユニットと処置用電極１２との間にインピーダンスマッチング回路を設けて構成してもよい。

一方、本実施例によれば、医療用無線給電システム２０１を適宜変形することにより、例えば、図６の医療用無線給電システム２０２のように構成することもできる。図６は、第１の実施例の変形例に係る医療用無線給電システムの要部の構成を示す図である。

図６に示すように、本実施例の変形例の医療用無線給電システム２０２は、トロッカー３１と、バイポーラ電気メス４１と、電源装置５１と、を有して構成されている。

トロッカー３１は、後述の通信部４１Ｂから出力される無線信号を受信することが可能な通信部３１Ａをトロッカー１の内部に設けて構成されている。また、通信部３１Ａは、通信ケーブル２５を介して電源装置２１に接続できるように構成されている。

バイポーラ電気メス４１は、自身の設定情報の抽出に用いられる個体識別番号等の識別情報が格納されている記憶部４１Ａと、受電コイルユニットにおいて電力が受電された際に、記憶部４１Ａに格納された識別情報を含む無線信号を生成して通信部３１Ａへ送信することができるように構成された通信部４１Ｂと、をバイポーラ電気メス１１の内部に設けて構成されている。

電源装置５１は、個体識別番号等の識別情報と、受電コイルユニットの共振周波数ＦＲＡ及び処置用電極１２の最大出力ＬＭＡを含む設定情報と、をバイポーラ電気メス毎に個別に関連付けたテーブルデータが予め格納されている記憶部５１Ａを電源装置２１の内部に設けて構成されている。

ここで、以上に述べたような構成を具備する医療用無線給電システム２０２の作用について説明する。

まず、術者等は、被験者の体壁にトロッカー３１を穿設し、電源装置５１及びフットスイッチ２２を信号ケーブル２３により接続し、電源装置５１及びトロッカー３１を送電ケーブル２４により接続し、さらに、電源装置５１とトロッカー３１（の通信部３１Ａ）との間を通信ケーブル２５により接続する。

電源装置５１の制御部２１Ａは、送電ケーブル２４及び通信ケーブル２５が接続されたことを検出すると、（フットスイッチ２２の操作によらず、）通信部３１Ａ及び通信部４１Ｂを動作させることが可能な程度の信号レベルを具備する電力の供給を開始する。

その後、制御部２１Ａは、トロッカー３１に接続された通信ケーブル２５を介し、通信部３１Ａにおいて受信された無線信号に含まれる識別情報を取得する。

そして、制御部２１Ａは、記憶部５１Ａに格納されたテーブルデータを参照することにより、通信ケーブル２５を介して取得された識別情報に該当するバイポーラ電気メス４１を特定し、さらに、当該特定したバイポーラ電気メス４１の設定情報に含まれる受電コイルユニットの共振周波数ＦＲＡに一致する周波数を具備するとともに、当該設定情報に含まれる最大出力ＬＭＡに応じた信号レベルを具備する交流電力の供給を開始するための制御を行う。

換言すると、制御部２１Ａは、記憶部５１Ａに格納されたテーブルデータにおいて予め設定されている複数の設定情報の中から、通信ケーブル２５を介して取得されたバイポーラ電気メス４１の識別情報に対応する１つの設定情報を抽出し、当該抽出した１つの設定情報に応じた交流電力の供給を開始するための制御を行う。

従って、本実施例の変形例によれば、例えば、複数同時に使用される各トロッカーのうちのどのトロッカーにバイポーラ電気メスを挿通したとしても、当該バイポーラ電気メスを好適な設定で動作させることができる。

（第２の実施例）
図７及び８は、本発明の第２の実施例に係るものである。

なお、本実施例においては、第１の実施例と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第１の実施例と異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。

図７に示すように、本実施例の医療用無線給電システム２０３は、第１の実施例で説明した医療用無線給電システム２０１のバイポーラ電気メス１１の代わりに、超音波処置具６１に対して無線給電を行うように構成されている。図７は、第２の実施例に係る医療用無線給電システムの要部の構成を示すブロック図である。

超音波処置具６１は、受電用コイル１７及び受電用コンデンサ１９を含むとともに、共振周波数ＦＲＡを具備する直列共振回路として構成された受電コイルユニットと、当該受電コイルユニットにおいて受電された交流電力の周波数を分周して出力するように構成された分周回路６２と、共振周波数ＦＲＢで共振する圧電振動子を具備するとともに、当該圧電振動子の振動に応じて発せられた超音波を被検体の処置対象部位に印加することができるように構成された超音波発生部６３と、を有している。

すなわち、分周回路６２及び超音波発生部６３は、被検体の処置を行う処置部としての機能を具備して構成されている。

なお、本実施例においては、例えば、日本国特許第３９７３８１２号に開示されているようなアナログ分周回路を分周回路６２として利用することができる。

続いて、本実施例の医療用無線給電システム２０３の具体的な使用態様等について説明する。

術者等は、被験者の体壁にトロッカー１を穿設し、電源装置２１とフットスイッチ２２との間を信号ケーブル２３により接続し、電源装置２１とトロッカー１との間を送電ケーブル２４により接続した後、トロッカー１を介して体腔内へ超音波処置具６１を挿入してゆく。

そして、術者等は、例えば、内視鏡画像の観察または目視等により、体腔内の処置対象部位の近傍に超音波処置具６１の先端部に設けられた超音波発生部６３が到達したことを確認すると、フットスイッチ２２を操作することにより、電源装置２１からトロッカー１への電力供給をオンする。

一方、電源装置２１の制御部２１Ａは、術者等のフットスイッチ２２の操作に応じて出力される指示信号に基づき、トロッカー１の送電コイルユニットの共振周波数に一致する周波数ＦＲＡの交流電力を供給する。そして、このような周波数ＦＲＡの交流電力の供給に伴い、トロッカー１の送電コイルユニットと超音波処置具６１の受電コイルユニットとの間において磁界共鳴現象が発生し、送電用コイル４から受電用コイル１７への送電が行われる。

ここで、本実施例においては、送電コイルユニット及び受電コイルユニットの共振周波数ＦＲＡが、超音波発生部６３に設けられた圧電振動子の共振周波数ＦＲＢの整数倍の周波数となるように設定されている。

具体的には、例えば、圧電振動子の共振周波数ＦＲＢが４７ｋＨｚとなるように超音波発生部６３が構成されている場合においては、共振周波数ＦＲＡが３７６ｋＨｚになるようにトロッカー１の送電コイルユニット及び超音波処置具６１の受電コイルユニットを構成し、さらに、当該受電コイルユニットにおいて受電された交流電力の周波数が８分周されるように分周回路６２を構成すればよい。

なお、本実施例によれば、例えば、圧電振動子の共振周波数ＦＲＢが４７ｋＨｚとなるように超音波発生部６３が構成されている場合において、共振周波数ＦＲＡが４７ｋＨｚになるように（共振周波数ＦＲＡ＝ＦＲＢとなるように）トロッカー１の送電コイルユニット及び超音波処置具６１の受電コイルユニットを構成することにより、当該受電コイルユニットにおいて受電された交流電力を超音波発生部６３に直接供給することができるようにしてもよい。

以上に述べたように、本実施例の超音波処置具６１は、受電用コイル１７において受電された交流電力の周波数の１／ｎ倍（ｎはいずれかの自然数）の周波数で共振する（駆動する）圧電振動子の振動に応じて発せられる超音波が被検体の処置対象部位に印加されるように構成されている。従って、本実施例の超音波処置具６１によれば、受電用コイル１７において受電した交流電力の周波数を超音波発生部６３の駆動に適した周波数にするための回路（例えばＡＣ／ＤＣ変換回路及びＤＣ／ＡＣ変換回路等）を設ける必要がなくなり、すなわち、無線で供給される電力を利用して超音波発生部６３を好適に駆動させるために要する回路の規模を小型化することができるとともに、受電コイルユニット（受電用コイル１７）から超音波発生部６３に至る経路で発生する電力の損失を低減することができる。

なお、本実施例の超音波処置具６１によれば、磁界共鳴現象を利用して供給される電力の受電効率を向上させるために、例えば、分周回路６２と超音波発生部６３との間にインピーダンスマッチング回路を設けて構成してもよい。

一方、本実施例によれば、医療用無線給電システム２０３を適宜変形することにより、例えば、図８の医療用無線給電システム２０４のように構成することもできる。図８は、第２の実施例の変形例に係る医療用無線給電システムの要部の構成を示すブロック図である。

図８に示すように、本実施例の変形例の医療用無線給電システム２０４は、トロッカー７１と、超音波処置具８１と、電源装置９１と、を有して構成されている。

トロッカー７１は、後述の通信部８１Ｂから出力される無線信号を受信することが可能な通信部７１Ａをトロッカー１の内部に設けて構成されている。また、通信部７１Ａは、通信ケーブル２５を介して電源装置９１に接続できるように構成されている。

超音波処置具８１は、自身の設定情報の抽出に用いられる個体識別番号等の識別情報が格納されている記憶部８１Ａと、受電コイルユニットにおいて電力が受電された際に、記憶部８１Ａに格納された識別情報を含む無線信号を生成して通信部７１Ａへ送信することができるように構成された通信部８１Ｂと、を超音波処置具６１の内部に設けて構成されている。

電源装置９１は、個体識別番号等の識別情報と、分周回路６２の有無、受電コイルユニットの共振周波数ＦＲＡ及び超音波発生部６３の最大出力ＬＭＢを含む設定情報と、を超音波処置具毎に個別に関連付けたテーブルデータが予め格納されている記憶部９１Ａを電源装置２１の内部に設けて構成されている。

ここで、以上に述べたような構成を具備する医療用無線給電システム２０４の作用について説明する。

まず、術者等は、被験者の体壁にトロッカー７１を穿設し、電源装置９１及びフットスイッチ２２を信号ケーブル２３により接続し、電源装置９１及びトロッカー７１を送電ケーブル２４により接続し、さらに、電源装置９１とトロッカー７１（の通信部７１Ａ）との間を通信ケーブル２５により接続する。

電源装置９１の制御部２１Ａは、送電ケーブル２４及び通信ケーブル２５が接続されたことを検出すると、（フットスイッチ２２の操作によらず、）通信部７１Ａ及び通信部８１Ｂを動作させることが可能な程度の信号レベルを具備する電力の供給を開始する。

その後、制御部２１Ａは、トロッカー７１に接続された通信ケーブル２５を介し、通信部７１Ａにおいて受信された無線信号に含まれる識別情報を取得する。

そして、制御部２１Ａは、記憶部９１Ａに格納されたテーブルデータを参照することにより、通信ケーブル２５を介して取得された識別情報に該当する超音波処置具８１を特定し、さらに、当該特定した超音波処置具８１の設定情報に含まれる受電コイルユニットの共振周波数ＦＲＡに一致する周波数を具備するとともに、当該設定情報に含まれる最大出力ＬＭＢに応じた信号レベルを具備する交流電力の供給を開始するための制御を行う。

換言すると、制御部２１Ａは、記憶部９１Ａに格納されたテーブルデータにおいて予め設定されている複数の設定情報の中から、通信ケーブル２５を介して取得された超音波処置具８１の識別情報に対応する１つの設定情報を抽出し、当該抽出した１つの設定情報に応じた交流電力の供給を開始するための制御を行う。

従って、本実施例の変形例によれば、例えば、複数同時に使用される各トロッカーのうちのどのトロッカーに超音波処置具を挿通したとしても、当該超音波処置具を好適な設定で動作させることができる。

なお、以上に述べた各実施例の送電用コイル（または送電コイルユニット）は、バイポーラ電気メス等の医療機器による処置対象の被験者の近傍に配置可能な限りにおいては、トロッカー内に設けられていてもよく、当該被験者の側面に設けられていてもよく、または、当該被験者を横臥可能なベッドの内部に設けられていてもよい。

また、以上に述べた各実施例の受電用コイル（または受電コイルユニット）は、トロッカーに挿入して使用される（バイポーラ電気メス及び超音波処置具等の）筒状の医療機器の内部に設けられていてもよく、または、被検体の体腔内に留置される医療機器の内部に設けられていてもよい。

本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。

１ トロッカー
２ 挿入孔
３ 接続端子部
３Ａ 電気端子
４ 送電用コイル
５ 送電用コンデンサ
１１ バイポーラ電気メス
１２ 処置用電極
１３ 挿入部
１４ 操作部
１５ 外筒部
１６ 内筒部
１７ 受電用コイル
１９ 受電用コンデンサ
２１ 電源装置
２２ フットスイッチ
２０１ 医療用無線給電システム

日本国特開平１１−１２８２４２号公報

Claims (6)

1. 所定の共振周波数で共振できるように構成された送電コイルユニットから無線で供給される電力に基づいて駆動することにより、被検体の処置を行うことができるように構成された医療機器であって、
   受電用コイルを具備するとともに、前記所定の共振周波数に一致する共振周波数で共振することにより、前記送電コイルユニットから無線で供給される電力を、前記所定の共振周波数に一致する周波数の交流電力として前記受電用コイルで受電できるように構成された受電コイルユニットと、
   前記受電コイルユニットにおいて受電された交流電力の周波数の１／ｎ倍（ｎはいずれかの自然数）の周波数で駆動するように構成された処置部と、
   を有することを特徴とする医療機器。
2. 前記処置部は、前記受電コイルユニットにおいて受電された交流電力の周波数に一致する周波数の電流を前記被検体の処置対象部位に印加可能な電極を具備して構成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の医療機器。
3. 前記処置部は、前記受電コイルユニットにおいて受電された交流電力の周波数の１／ｎ倍（ｎはいずれかの自然数）の周波数で共振する振動子を具備するとともに、当該振動子の振動に応じて発せられる超音波を前記被検体の処置対象部位に印加できるように構成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の医療機器。
4. 前記医療機器の設定情報の抽出に用いられる識別情報が格納されている記憶部と、
   前記識別情報を外部へ無線送信することができるように構成された情報送信部と、をさらに有する
   ことを特徴とする請求項２または請求項３に記載の医療機器。
5. 請求項２または請求項３に記載の医療機器と、
   前記被検体の体外に設置可能な送電用コイルを具備して構成された前記送電コイルユニットと、
   前記被検体の体外に設置され、前記所定の共振周波数に一致する周波数の交流電力を前記送電コイルユニットに供給できるように構成された電源装置と、
   を有することを特徴とする医療用無線給電システム。
6. 請求項４に記載の医療機器と、
   前記被検体の体外に設置可能な送電用コイルを具備して構成された前記送電コイルユニットと、
   前記情報送信部から無線送信される前記識別情報を受信できるように構成された情報受信部と、
   前記被検体の体外に設置され、前記所定の共振周波数に一致する周波数の交流電力を前記送電コイルユニットに供給できるように構成された電源装置と、
   予め設定された複数の設定情報の中から、前記情報受信部により受信された識別情報に対応する１つの設定情報を抽出し、当該抽出した１つの設定情報に応じた交流電力が前記電源装置から供給されるように制御を行う制御部と、
   を有することを特徴とする医療用無線給電システム。

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