JP2014073008A - 無効電力補償装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無効電力補償装置は、電力系統の系統電圧を安定させるために電力系統に無効電力を出力する力率一定制御方式である。無効電力補償装置は、電力系統の負荷有効電力の上下に有効電力上限値と有効電力下限値とを設定するとともに、有効電力上限値を上限、有効電力下限値を下限とする不感帯域DZを設定し、負荷有効電力が不感帯域DZ内である場合には力率一定制御を行わない。このため、最大無効電力が抑制されて、ひいては補償容量CCを抑制することができる。よって、補償容量CC、すなわちインバータ容量を小さくできるので、無効電力補償装置を小型化できる。
【選択図】図2
Description
上記課題を解決する無効電力補償装置は、電力系統の系統電圧を安定させるために電力系統に無効電力を出力する力率一定制御方式の無効電力補償装置であって、前記電力系統の負荷有効電力の上下に有効電力上限値と有効電力下限値とを設定するとともに、前記有効電力上限値を上限、前記有効電力下限値を下限とする不感帯域を設定し、前記負荷有効電力が前記不感帯域内である場合には力率一定制御を行わないことをその要旨としている。
同構成によれば、電力系統への出力無効電力に基づいて設定した固定値を無効電力の出力値に付加した。ここで、無効電力補償装置は、遅れと進みとに同量の無効電力を出力可能である。そこで、例えば無効電力補償装置が設置される電力系統への出力無効電力が遅れと進みとのいずれかに予め偏っている場合に、偏りを加味して固定値を設定することで固定値の分だけ見かけ上の補償範囲を増やすことができる。ひいては、無効電力の補償容量を変更することなく、補償可能な範囲をより広く設定できる。よって、補償容量、すなわちインバータ容量を小さくできるので、無効電力補償装置を小型化できる。
同構成によれば、電力系統における負荷有効電力に応じて複数の設定力率と複数の固定値とを設定した。このため、負荷有効電力に応じて設定力率を変更する必要がある場合にも補償範囲を増やすことができる。よって、補償容量、すなわちインバータ容量を小さくできるので、無効電力補償装置を小型化できる。
同構成によれば、出力する無効電力が連続するように負荷有効電力に応じて固定値を設定した。このため、出力する無効電力の容量を抑制することとなり、ひいては補償容量を抑制することができる。よって、補償容量、すなわちインバータ容量を小さくできるので、無効電力補償装置を小型化できる。
同構成によれば、系統電圧そのものが制御範囲内となるように無効電力を出力する。このため、力率に基づいて系統電圧そのものが許容範囲から逸脱することを防止しながら、力率一定制御を行い、系統電圧を安定させることができる。
以下、図1〜図5を参照して、無効電力補償装置の第1の実施形態について説明する。
図1に示されるように、無効電力補償装置10は、電力系統1に対して開閉器2及び変圧器3を介して並列接続されている。無効電力補償装置10は、電力系統1に接続された負荷4やメガソーラ等の発電施設によって電圧変動が発生する際に、無効電力を供給することにより電力系統1の系統電圧、例えば6600Vを調整する装置である。
まず、図3に示されるように、制御装置14は、負荷有効電力が有効電力上限値AkW以下であるか否かを判断する(ステップS11)。制御装置14は、負荷有効電力が有効電力上限値AkW以下でないと判断した場合(ステップS11:NO)には、無効電力を以下の式(1)によって算出して出力させる(ステップS14)。
一方、制御装置14は、負荷有効電力が有効電力上限値AkW以下であると判断した場合(ステップS11:YES)には、負荷有効電力が有効電力下限値BkW以上であるか否かを判断する(ステップS12)。制御装置14は、負荷有効電力が有効電力下限値BkW以上でないと判断した場合(ステップS12:NO)には、無効電力を以下の式(2)によって算出して出力させる(ステップS15)。
一方、制御装置14は、負荷有効電力が有効電力下限値BkW以上であると判断した場合(ステップS12:YES)には、無効電力として固定値Xのみを出力させる(ステップS13)。
図6に示されるように、無効電力補償装置10は、固定値Xとして−150kVarを設定する。すなわち、無効電力補償装置10は、負荷有効電力が不感帯域DZである600kWまでは−150kVarの無効電力を出力して、600kW以上では設定力率cosθとなるように無効電力を継続して出力する。このため、負荷有効電力が1200kWである場合に設定力率80%とするには、式(1)より出力無効電力={tan(cos−1(80%))×(1200kW−600kW)}−150kVarとなり、出力無効電力は300kVarとなる。このため、遅れ無効電力における最大無効電力をさらに抑制することができ、補償容量CCを抑制することができる。
(1)有効電力上限値Aと有効電力下限値Bとによって設定された不感帯域DZ内では力率一定制御を行わず、不感帯域DZ外において力率一定制御を行う。このため、力率一定制御を行わない範囲を設定することで最大無効電力が抑制されて、ひいては補償容量CCを抑制することができる。よって、補償容量CC、すなわちインバータ容量を小さくできるので、無効電力補償装置10を小型化できる。
以下、図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態の無効電力補償装置10は、電力系統1の電圧が一定範囲となるように無効電力を出力する点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態の無効電力補償装置10は、図1に示す第1の実施形態の無効電力補償装置10と同様の構成を備えている。
(3)系統電圧そのものが一定範囲内となるように無効電力を出力する。このため、設定力率に基づいて系統電圧そのものが許容範囲から逸脱することを防止しながら、力率一定制御を行い、系統電圧を安定させることができる。
以下、図8〜図10を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態の無効電力補償装置は、負荷有効電力に応じて複数の設定力率cosθ1,cosθ2を設定した点、及び出力無効電力が連続するように固定値X1,X2,X3を設定した点が上記第2の実施形態と異なっている。以下、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態の無効電力補償装置は、図1に示す第1の実施形態の無効電力補償装置と同様の構成を備えている。
一方、制御装置14は、負荷有効電力が第2有効電力上限値DkW未満であると判断した場合(ステップS21:YES)には、負荷有効電力が第1有効電力上限値CkW以下であるか否かを判断する(ステップS22)。制御装置14は、負荷有効電力が第1有効電力上限値CkW以下でないと判断した場合(ステップS22:NO)には、無効電力を以下の式(4)によって算出して出力させる(ステップS27)。
一方、制御装置14は、負荷有効電力が第1有効電力上限値CkW以下であると判断した場合(ステップS22:YES)には、負荷有効電力が第2有効電力下限値FkWより大きいか否かを判断する(ステップS23)。制御装置14は、負荷有効電力が第2有効電力下限値FkW以下でないと判断した場合(ステップS23:NO)には、無効電力を以下の式(5)によって算出して出力させる(ステップS28)。
一方、制御装置14は、負荷有効電力が第2有効電力下限値FkWより大きいと判断した場合(ステップS23:YES)には、負荷有効電力が第1有効電力下限値EkW以上であるか否かを判断する(ステップS24)。制御装置14は、負荷有効電力が第1有効電力下限値EkW以上でないと判断した場合(ステップS24:NO)には、無効電力を以下の式(6)によって算出して出力させる(ステップS29)。
一方、制御装置14は、負荷有効電力が第1有効電力上限値EkW以上であると判断した場合(ステップS24:YES)には、無効電力として第1固定値X1のみを出力させる(ステップS25)。
(4)電力系統1における負荷有効電力に応じて複数の設定力率cosθ1,cosθ2と複数の固定値X1,X2,X3を設定した。このため、負荷有効電力に応じて設定力率を変更する必要がある場合にも補償範囲を増やすことができる。
・上記第3の実施形態において、ステップS1及びステップS2の電圧制御を省略してもよい。
・上記実施形態では、発電施設として有効電力のみを出力するメガソーラが接続された電力系統1に本発明の無効電力補償装置10を適用したが、無効電力も出力するメガソーラが接続された電力系統に本発明の無効電力補償装置10を適用してもよい。
Claims (5)
- 電力系統の系統電圧を安定させるために電力系統に無効電力を出力する力率一定制御方式の無効電力補償装置において、
前記電力系統の負荷有効電力の上下に有効電力上限値と有効電力下限値とを設定するとともに、前記有効電力上限値を上限、前記有効電力下限値を下限とする不感帯域を設定し、
前記負荷有効電力が前記不感帯域内である場合には力率一定制御を行わない
ことを特徴とする無効電力補償装置。 - 請求項1に記載の無効電力補償装置において、
前記電力系統への出力無効電力に基づいて固定値を設定し、前記無効電力の出力値に前記固定値を付加する
ことを特徴とする無効電力補償装置。 - 請求項2に記載の無効電力補償装置において、
前記負荷有効電力に応じて設定力率と前記固定値とを複数設定する
ことを特徴とする無効電力補償装置。 - 請求項3に記載の無効電力補償装置において、
出力する前記無効電力が連続するように前記負荷有効電力に応じて前記固定値を設定する
ことを特徴とする無効電力補償装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の無効電力補償装置において、
前記系統電圧が制御範囲内となるよう前記無効電力を出力する
ことを特徴とする無効電力補償装置。
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