JP2014071926A - ディスク検査装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ素子にバイアスを印加するタイプの突起検出ヘッドを備えた磁気ディスク表面の突起を検査する装置において、検査のスループットを低下させずに突起検出ヘッドの故障診断を行う。
【解決手段】ディスク回転機構部2と、スライダ3bとスライダに固定したセンサとスライダの支持ばねを固定するヘッドキャリッジを備えた磁気ディスク表面の突起検出ヘッド3と、突起検出ヘッドのセンサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加すると共にセンサからの出力信号を増幅するヘッドアンプ部80a、80bと、ヘッドアンプ部から出力された信号を処理して磁気ディスクの表面の突起の有無を検査する突起検出回路部20と、ヘッドアンプ部からセンサに印加するバイアス電圧若しくはバイアス電流の印加時又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断時にセンサから出力される信号を用いて突起検出ヘッドの故障診断を行う故障診断部40とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、ディスク欠陥検査方法、突起検査装置およびグライドテスタに関し、詳しくは、欠陥検査用ヘッドの良否判定を行うことができるようなディスク検査装置及びその方法に関する。
コンピュータ等の情報記録媒体として用いられる磁気ディスクは、近年益々高記憶密度化が要求され、かつ、小型化されてきている。情報記録媒体の1つであるハード磁気ディスクは、ガラス基板やアルミニューム基板をベースとし、その表面に磁性膜を塗布して製作される。磁性膜は突起などの凹凸がない平滑な平面とすることが必要である。そのために磁気ディスクの表面は、バーニッシュ工程により研磨して平滑化される。しかしバーニッシュ工程により平滑化しても突起が残留することがある。このような突起が残留しているディスクを回転させて、ディスクの表面に浮上したMRヘッド(Magneto Resistive Head)又はGMRヘッド(Giant Magneto Resistive Head)でディスク上にデータを読み書きする場合、ディスクの表面に残留した突起と衝突することによりMRヘッド又はGMRヘッドに摩擦熱が生じて温度が変化するTA(Thermal Asperity)という現象が発生する。
MRヘッド又はGMRヘッドは磁界の変化によって電気抵抗値が変化するMR効果(Magneto Resistive effect)を利用してディスク上にデータを読み書きするので、MRヘッド又はGMRヘッドにTAが発生すると、熱により電気抵抗値が変化するためにディスク上のデータを正しく読み取ることができなくなってしまう可能性がある。MRヘッド又はGMRヘッドにこのTAの発生を防止するために、ディスク検査装置でディスクを検査し、突起が検出されたディスクはバーニッシュ工程に差し戻されて、ディスク表面の再研磨が行われる。
突起検査装置として、特許文献1及び特許文献2には、磁気ディスクを所定の周速で回転させて一定の浮上量を薄膜ヘッドのスライダ(このスライダには薄膜ヘッドはあってもなくてもよい)に与えてかつこのスライダの上部には圧電センサ( ピエゾ素子)が搭載されていて、スライダが磁気ディスク上の突起に衝突したときの振動を圧電センサ( ピエゾ素子)により電気信号に変換して突起検出信号として出力し、突起高さを検出する技術が開示されている。
一方、従来使用されていた圧電センサ付き検査ヘッドに代わり、より微小欠陥での感度が高い突起検出ヘッドが使用され始めている。この突起検出ヘッドは、センサ素子にバイアスを印加し、TAにより生じた温度変化によるセンサ抵抗の抵抗値変化を信号として欠陥検出するものである。
特開2007-305286号公報 特開2008-146803号公報
特許文献1及び特許文献2に開示されている従来の突起検査装置における圧電センサ付き検査ヘッドでのヘッド自体の故障診断は、ヘッドロード時の衝撃信号を検出して行われる。衝撃信号が検出できた場合は、ヘッドは正常、検出できなかった場合は、異常又は故障と判断する。これに対してセンサ素子にバイアスを印加するタイプの突起検出ヘッドの場合、短絡防止のためヘッドロード時にはバイアスをオフにする必要がある。これにより、ヘッドロード時には衝撃信号の検出が行われないため、従来のロード時衝撃によるヘッドの故障診断方法は利用できない。
本発明では、このような従来技術の問題点を解決するものであって、突起検査装置におけるセンサ素子にバイアスを印加するタイプの突起検出ヘッドの故障診断を行うディスク検査装置およびその方法を提供する。
上記した課題を解決するために、本発明では、ディスク検査装置を、磁気ディスクを搭載して回転するディスク回転機構部と、スライダとスライダに固定したセンサとスライダを支持する支持ばねと支持ばねを固定するヘッドキャリッジを備えてディスク回転機構部に搭載された磁気ディスクの表面の突起を検出する突起検出ヘッドと、突起検出ヘッドのセンサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加すると共にセンサから出力された信号を増幅するヘッドアンプ部と、該ヘッドアンプ部から出力された信号を処理して磁気ディスクの表面の突起の有無を検査する突起検出回路部と、ヘッドアンプ部からセンサに印加するバイアス電圧若しくはバイアス電流の印加時又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断時にセンサから出力される信号を用いて突起検出ヘッドの故障診断を行う故障診断部とを備えて構成した。
また、上記した課題を解決するために、本発明では、スライダとスライダに固定したセンサとスライダを支持する支持ばねと支持ばねを固定するヘッドキャリッジを備えた突起検出ヘッドをセンサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加した状態でディスク回転機構部に搭載されて回転している磁気ディスクの表面に浮上させ、磁気ディスクの表面の突起がスライダに衝突することでスライダで発生した熱によるセンサの電気抵抗値の変化を検出して磁気ディスクの表面の突起の有無を検査するディスク検査方法において、センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加したとき又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断したときにセンサから出力される信号を用いて突起検出ヘッドの故障診断を行うようにした。
更に、上記した課題を解決するために、本発明では、ディスク検査方法を、スライダとスライダに固定したセンサとスライダを支持する支持ばねと支持ばねを固定するヘッドキャリッジを備えた突起検出ヘッドのセンサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加し、印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断し、バイアス電圧若しくはバイアス電流の印加又は切断したときにセンサから出力される信号を用いて突起検出ヘッドの故障診断を行い、故障診断の結果良品と判定された突起検出ヘッドをセンサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加した状態でディスク回転機構部に搭載されて回転している磁気ディスクの表面に浮上させ、磁気ディスクの表面の突起がスライダに衝突することでスライダで発生した熱によるセンサの電気抵抗値の変化を検出して磁気ディスクの表面の突起の有無を検査するようにした。
本発明によれば、磁気ディスク表面の突起検査に先立って、又は検査中に、磁気ディスク表面の突起検査のスループットを低下させることなく突起検査ヘッドの故障診断を行うことができるので、磁気ディスク表面の突起検査を、検査の結果の信頼性が確保された状態で継続することができるようになった。
図1は、本発明によるディスク検査装置の一実施例の構成を示すブロック図である。 図2は、突起検出ヘッドの斜視図である。 図3Aは、ヘッドアンプ部の構成を示す回路図である。 図3Bは、ヘッドアンプ部の別の構成を示す回路図である。 図4は、突起検出回路の説明図である。 図5は、ヘッド故障診断・欠陥測定シーケンス図である。
以下に、本発明の実施例を、図を用いて説明する。
図1は、本発明に基づく磁気ディスク表面の突起を検査するディスク検査装置の一実施例の概略の構成を示す。ディスク検査装置10は、ディスク1を回転させるディスク回転機構部2、ディスク1の両面を検査するための1対の突起検出ヘッド3、この突起検出ヘッド3を所定のトラックにシークさせるヘッドキャリッジ4、突起検出ヘッド3からの検出信号を増幅するヘッドアンプ80aと80b、ヘッドアンプ80aと80bで増幅した信号を受ける突起検出回路20、制御回路部30、データ処理装置40を備え、突起検出回路20及び制御回路部30とデータ処理ユニット40とは、ローカルバス35で接続されている。なお、図1では、グライドテスタ用の研磨ヘッドの図示を省略してある。
制御回路ユニット30は、ヘッドキャリッジ4の位置を制御するキャリッジ制御回路32と、ディスク回転機構部2を制御する周速制御回路31とを含んでいる。
ディスク回転機構2は、検査対象のディスク1を装着するスピンドル2aと、このスピンドル2aを回転させるスピンドルモータ2bを備えており、スピンドルモータ2bは、制御回路部30の周速制御回路31で回転を制御される。
キャリッジ制御回路32は、図示していない移動手段(例えば、ボイスコイルモータ)でヘッドキャリッジ4を駆動して、ヘッドキャリッジ4に取り付けられた突起検出ヘッド3をスピンドル2aに装着されたディスク1の半径方向に移動させる。
また、データ処理ユニット40は、MUP41と表示器42及びメモリ部50を備えている。そして、メモリ部50は、パラメータ記憶領域51、突出検出回路制御プログラム52、キャリッジ制御プログラム53、周速制御プログラム54、ヘッド故障診断プログラム55等が格納され、データ記憶領域56、作業領域57などが設けられている。
図2には、突起検出ヘッド3の構成を示す。なお、図2では、ディスク1の上側(表側)の面を検査する突起検出ヘッド3の構成部品には添え字a,ディスク1の下側(裏側)の面を検査する突起検出ヘッド3の構成部品には添え字bを付している。突起検出ヘッド3は、スライダ3a(3b)にセンサ31a(31b)を固定して、スライダ3a(3b)をヘッドキャリッジ4から延びている支持ばね41a(41b)で支持した構成となっている。センサ31a(31b)から出力された信号は、配線8a(8b)を介してヘッドアンプ80a(80b)に送られる。配線8a(8b)は、センサ31a(31b)から出力された信号に外部からのノイズが乗るのを防ぐために、シールド線が使われる。
上記した構成において、スピンドル2aにディスク1が装着された状態で、データ処理ユニット40は、MPU41からの指令を受けて周速制御プログラム54に従って周速制御回路31を制御してスピンドルモータ2bを駆動し、スピンドル2aに装着されたディスク1を高速に回転させる。ディスク1を回転させると共に、MPU41はキャリッジ制御プログラム53に従ってキャリッジ制御回路32を制御して図示していない駆動手段を駆動してヘッドキャリッジ4を前進させ、ヘッド3を高速に回転しているディスク1の表面に沿ってディスク1の半径方向にディスク1の回転に同期して移動させる。
このときディスク1は、周速制御プログラム54に従って周速制御回路31で制御されたスピンドルモータ2bにより、基準の一定の速度Vcで回転し、この回転によるエアフローにより、突起検出ヘッド3のスライダ3a及び3bは、ディスク1の表面から一定の高さHfで浮上する。そこで、ディスク1の表面にHfよりも高い突起が存在すると、この突起がスライダ3a又は3bに衝突してスライダ3a(3b)には摩擦熱が発生してTAが生じる。
図3Aは、ヘッドアンプ80a(80b)の構成を示す。ヘッドアンプ80a(80b)は、センサ31a(31b)に一定のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加部81a(81b)と、コンデンサ82a(82b)、アンプ83a(83b)を備えて構成されている。バイアス電圧印加部81a(81b)からセンサ31a(31b)に印加されるバイアス電圧は、メモリ部50の突出検出回路制御プログラム52で制御されて、ヘッドロード、アンロード時にはバイアス電圧の印加が停止される。
突起検出ヘッド3でディスク1の表面の突起検査を行う場合、バイアス電圧印加部81a(81b)からセンサ31a(31b)にバイアス電圧が印加されてセンサ31a(31b)には一定の電流が流れている。この状態でスライダ3a(3b)がディスク1の表面の突起に衝突するとスライダ3a(3b)に摩擦熱によるTAが生じ、バイアス電圧が印加されたセンサ31a(31b)がこのTAによる温度の変化で抵抗値が変化する。抵抗値が変化したセンサ31a(31b)に発生する電圧を一定に保つよう、バイアス電圧印加部81a(81b)は電流を増減させるが、瞬間的には、コンデンサ82a(82b)には電圧変化に応じた電流が流れる。このコンデンサ81a(81b)を流れた電流は、アンプ83a(83b)に入力される。アンプ83a(83b)からは増幅した信号13が出力される。このアンプ83a(83b)から出力された信号13は、突起検出回路20に入力する。
突起検出回路20は、図4に示すように、検波器100、A/Dコンバータ101、コンパレータ111、欠陥情報発生回路112、エンコーダカウンタ113、ヘッド位置生成回路114、擬似エンコーダ信号発生部115を備えている。
このような構成において、突起検出回路20はヘッドアンプ80a(80b)からの出力信号13を検波器100で受けて所定の周波数以上の信号を検出し、この検出信号をA/D変換器101でデジタル信号化し、コンパレータ111に入力する。コンパレータ111にはスレッショルド信号102も入力されて、A/D変換器101から入力された信号はこのスレッショルド信号102と比較される。比較した結果、A/D変換器101から入力された信号がスレッショルド信号102よりも大きな場合にはコンパレータ111から欠陥情報生成回路112に欠陥検出信号が出力される。
一方、周速制御回路31で制御されて駆動されているスピンドルモータ2bからは、図示していない回転検出部からスピンドルモータ2bの回転に応じたスピンドルエンコーダ信号7がエンコーダカウンタ113に入力する。スピンドルエンコーダ信号7には、スピンドル2aの1回転で1024パルス出力されるパルス信号と、スピンドル2aの1回転ごとに1パルス出力されるパルス信号とが含まれる。エンコーダカウンタ113は、この2種類のパルス信号をカウントして、スピンドル2aの周回数と回転角度の情報をヘッド位置生成回路114に出力する。
ヘッド位置生成回路114では、エンコーダカウンタ113から出力された2種類のパルス信号からディスク1の表面上のスライダ3a(3b)の位置情報を生成し、欠陥情報生成回路112へ出力する。
欠陥情報生成回路112では、コンパレータ111から欠陥検出信号が入力された時、同時にヘッド位置生成回路114から入力したスライダ3a(3b)の位置情報と結び付けて欠陥の位置情報とし、この欠陥の位置情報をローカルバス35を介してデータ処理ユニット40のメモリ部50のデータ記憶領域56に記憶させる。
上記したような構成で、ディスク1の表面の突起の検査が行われるが、この検査を繰り返し実行することにより突起検出ヘッド3はディスク1の表面の突起との衝突によるダメージを受けて、正常に機能しなくなってしまう場合がある。そこで、ディスク1の表面の突起の検査とは別に、突起検出ヘッド3が正しく機能しているかをチェックする故障診断を行う必要がある。
従来の圧電センサを用いた突起検出ヘッドの場合には、検出ヘッドを検査対象のディスクにロードするときに発生する衝撃信号を検出することで突起検出ヘッドの良否を判定することができた。しかし、本実施例における突起検出ヘッド3に用いるセンサ31a(31b)は、センサ31a(31b)にバイアス電圧を印加した状態で、突起検出ヘッド3がディスク1の表面の突起と衝突することにより発生するTAによりセンサ31a(31b)が温度変化して抵抗値が変動するのを検出するタイプのものである。そして、突起検出ヘッド3を検査対象のディスク1にロードするときには、センサ31a(31b)が検査対象のディスク1と接触することによる短絡の発生を防止するために、突起検出回路制御プログラム52で制御されて、バイアス電圧の印加が停止されている。そのために、突起検出ヘッド3を検査対象のディスクにロードするときに発生する衝撃信号を検出して突起検出ヘッド3の良否を判定することができない。
この課題を解決するために、本実施例においては、図示していない機構を用いて検査対象のディスク1をスピンドル2aに着脱している間に、ヘッド故障診断プログラム55を用いて突起検出ヘッドの故障診断を行うようにした。
図5の200には、本実施例における突起検出ヘッド3へのバイアス電圧のオン・オフ及び検査のフローを示す。また、210には、検査のフローに合わせたヘッドバイアス電圧変化のグラフを示す。更に、220には、本実施例における突起検出ヘッド3から出力される信号13の時間的な変化を示す。
検査のフロー200において、バイアスオン201とバイアスオフ202の間に、検査が終わったディスク1が図示していない機構を用いてスピンドル2aから取り外され、未検査のディスク1がスピンドル2aに装着される。
ヘッドバイアス電圧変化のグラフ210に示すように、検査のフロー200におけるバイアスオン204と欠陥測定205の期間に、突起検出回路制御プログラムで制御されて、バイアス電圧印加部81a(81b)から突起検出ヘッド3のセンサ31a(31b)にバイアス電圧212が印加される。このバイアス電圧212が印加されている期間中に突起検出ヘッド3でディスク1の表面の突起を検出した場合には、例えば信号230のような信号が、信号13としてヘッドアンプ80a(80b)から出力され、突起検出回路20に入力される。
一方、ヘッド故障診断プログラム55で制御して、スピンドル2aの回転が停止して検査対象のディスク1がスピンドル2aから着脱されている間に突起検出ヘッド3の故障診断を行う。このヘッド故障診断のために、スピンドル2aの回転が停止している状態でバイアスオン201とバイアスオフ202を行い211のようなバイアス電圧を突起検出ヘッド3のセンサ31a(31b)に印加すると、このセンサ31a(31b)へのバイアス電圧のオン・オフに伴う信号として、ヘッドアンプ80a(80b)からは、バイアスオン201でヘッドバイアス電圧211を印加する時にセンサ31a(31b)の抵抗値が変化することによりヘッドアンプ80a(80b)から出力される信号221と、バイアスオフ202でバイアス電圧211を切断する時にセンサ31a(31b)の抵抗値が変化することによりヘッドアンプ80a(80b)から出力される信号222とが出力される。
ディスク検査時にヘッドアンプ80a(80b)から出力される信号13の代わりにヘッド故障診断時にヘッドアンプ80a(80b)から出力される信号221および222を用いて突起検出回路20で突起検出ヘッド3の故障診断を行うためには、エンコーダカウンタ113にスピンドルエンコーダ信号7に相当する信号を入力しなければならない。
本実施例においては、検査対象ディスク1を着脱する時のスピンドル2aの回転が停止した状態で、バイアスオン201とバイアスオフ202のタイミングでヘッドバイアス211のような信号を発生させるために、図4に示した突起検出回路20において、スピンドル2aの1回転で1024パルス出力されるパルス信号に似せた擬似エンコーダ信号を発生させるための擬似エンコーダ信号発生回路115を設けた。擬似エンコーダ信号発生回路115は、ヘッド故障診断プログラム55で制御されて、スピンドル2aが回転しているときに検出されるスピンドルエンコーダ信号7に相当する擬似エンコーダ信号を発生し、エンコーダカウンタ113に入力される。エンコーダカウンタ113では、擬似エンコーダ信号発生回路115から出力された擬似エンコーダ信号を受けて、スピンドル2aの回転角度に相当する擬似信号をヘッド位置生成回路114に出力する。
ヘッド位置生成回路114では、エンコーダカウンタ113から出力された擬似信号からディスク1の表面上のスライダ3a(3b)の位置情報に対応する信号を生成し、欠陥情報生成回路112へ出力する。
欠陥情報生成回路112では、コンパレータ111から欠陥検出信号に相当する信号221または222が入力された時、同時にヘッド位置生成回路114から入力した擬似エンコーダ信号から作成したスライダ3a(3b)の位置情報に対応する信号と結び付けて擬似欠陥情報とする。
突起検出ヘッド3が正常なときには、ヘッド故障診断プログラム55で制御されてヘッドアンプ80a(80b)からは図5の信号221及び222が出力されて欠陥情報生成回路112から擬似欠陥情報が出力される。一方、突起検出ヘッド3に異常があるときには、ヘッドアンプ80a(80b)からは図5の信号221または222のような出力がなく、欠陥情報生成回路112からは擬似欠陥情報が出力されない。ヘッド故障診断プログラム55では、この擬似欠陥情報の有無から突起検出ヘッド3の異常を判定する。
突起検出ヘッド3の故障診断の結果は表示器42に表示され、突起検出ヘッドが異常であると判定された場合には、表示器42にヘッド異常を知らせる情報が、警告として表示される。
突起検出ヘッド3の故障診断の結果異常が検出された場合には、この異常が検出された突起検出ヘッド3を良品と交換してから新たなディスク1の突起検査を行う。
本実施例によれば、センサにバイアス電圧を印加した状態でディスク表面の突起を検査するタイプの突起検出ヘッドを備えたディスク検査装置において、ディスク表面の突起検査を行う前に毎回突起検出ヘッドの故障診断を行うことができ、ディスク1の突起検査を、検査の結果の信頼性が確保された状態で継続することができる。
また、突起検出ヘッドの故障診断を、ディスク1をスピンドル2aから着脱している間に行うことができるので、ディスク表面の突起検査のスループットを低下させることなく毎回突起検出ヘッドの故障診断を行うことができる。
なお、上記に説明した実施例においては、検査対象のディスク1の着脱時にヘッド故障診断プログラム55を用いて突起検出ヘッド3の故障診断を行う例について説明したが、ディスク1を検査する工程において、ディスク1が回転を開始して突起検出ヘッド3が検査位置にアクセスしディスク1の表面に浮上した状態で、バイアス電圧212を印加するバイアスオン204とバイアスオフ206のときにヘッドアンプ80a(80b)から出力される信号223及び224を用いても突起検出ヘッド3の故障診断を行うことができる。この場合には、スピンドル2aが回転しており、スピンドルエンコーダ信号7が突起検出回路20に入力されるので、擬似エンコーダ信号発生回路115は必要なくなる。
ただし、バイアス電圧212オン・オフ時に検出される信号223及び224を用いて突起検出ヘッド3の故障診断を行う場合、レアケースとしてディスク1の突起が突起検出ヘッド3に衝突して発生する欠陥信号と信号223又は224が重なってしまった場合には、突起検出ヘッド3の故障診断を正しく行うことができなくなってしまう。
図3Bは、ヘッドアンプ部の構成を示す別の回路図である。図3Aと異なる点は、図3Aが電圧バイアス方式における回路図であるのに対して、図3Bが電流バイアス方式におけるヘッドアンプ部の構成を示す回路図である。
図3Bは、電流バイアス方式のヘッドアンプ80’a(80’b)の構成を示す。ヘッドアンプ80’a(80’b)は、センサ31a(31b)に一定のバイアス電流を印加するバイアス電流印加部84a(84b)と、コンデンサ82a(82b)、アンプ83a(83b)を備えて構成されている。バイアス電流印加部84a(84b)からセンサ31a(31b)に印加されるバイアス電流は、メモリ部50の突出検出回路制御プログラム52で制御されて、ヘッドロード、アンロード時にはバイアス電流の印加が停止される。
突起検出ヘッド3でディスク1の表面の突起検査を行う場合、バイアス電流印加部84a(84b)からセンサ31a(31b)にバイアス電流が印加されてセンサ31a(31b)には一定の電圧が加わっている。この状態でスライダ3a(3b)がディスク1の表面の突起に衝突するとスライダ3a(3b)に摩擦熱によるTAが生じ、バイアス電流が印加されたセンサ31a(31b)がこのTAによる温度の変化で抵抗値が変化する。抵抗値が変化したセンサ31a(31b)に流れる電流を一定に保つよう、バイアス電流印加部84a(84b)は電圧を増減させるが、瞬間的には、コンデンサ82a(82b)には電圧変化に応じた電流が流れる。このコンデンサ81a(81b)を流れた電流は、アンプ83a(83b)に入力される。アンプ83a(83b)からは増幅した信号13が出力される。このアンプ83a(83b)から出力された信号13’は、突起検出回路20に入力する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1・・・磁気ディスク 2・・・ディスク回転機構部 3・・・突起検出ヘッド 3a,3b・・・スライダ 31a,31b・・・センサ 20・・・突起検出回路 30・・・制御回路部 31・・・周速制御回路 32・・・キャリッジ制御回路 40・・・データ処理ユニット 41・・・MPU 42・・・表示器 50・・・メモリ部 80a,80b、80’a,80’b・・・ヘッドアンプ 111・・・コンパレータ 112・・・欠陥情報生成回路 113・・・エンコーダカウンタ 114・・・ヘッド位置生成回路 115・・・擬似エンコーダ信号発生回路。

Claims (10)

  1. 磁気ディスクを搭載して回転するディスク回転機構部と、
    スライダと該スライダに固定したセンサと前記スライダを支持する支持ばねと該支持ばねを固定するヘッドキャリッジを備えて前記ディスク回転機構部に搭載された磁気ディスクの表面の突起を検出する突起検出ヘッドと、
    該突起検出ヘッドのセンサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加すると共に該センサから出力された信号を増幅するヘッドアンプ部と、
    該ヘッドアンプ部から出力された信号を処理して磁気ディスクの表面の突起の有無を検査する突起検出回路部と、
    前記ヘッドアンプ部から前記センサに印加するバイアス電圧若しくはバイアス電流の印加時又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断時に前記センサから出力される信号を用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行う故障診断部と
    を備えたことを特徴とするディスク検査装置。
  2. 請求項1記載のディスク検査装置であって、前記ヘッドアンプ部は、前記ディスク回転機構が回転を停止している状態で前記磁気ディスクを前記ディスク回転機構から着脱している間に前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流の印加又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流の切断を行い、前記故障診断部は、前記磁気ディスクを前記ディスク回転機構から着脱している間に前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加したとき又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断したときに前記センサから出力される信号を用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行うことを特徴とするディスク検査装置。
  3. 請求項2記載のディスク検査装置であって、前記故障診断部は、前記突起検出回路部と一部を共有するとともに、前記ディスク回転機構が回転しているときに検出される信号に似せた疑似信号を発生する擬似信号発生回路部を備えていることを特徴とするディスク検査装置。
  4. 請求項1記載のディスク検査装置であって、前記故障診断部は、前記磁気ディスクが前記ディスク回転機構により回転させられ前記突起検出ヘッドが前記磁気ディスク上で浮上している状態で前記ヘッドアンプ部により前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流の印加又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流の切断を行ったときに前記センサから出力される信号を用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行うことを特徴とするディスク検査装置。
  5. スライダと該スライダに固定したセンサと前記スライダを支持する支持ばねと該支持ばねを固定するヘッドキャリッジを備えた突起検出ヘッドを前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加した状態でディスク回転機構部に搭載されて回転している磁気ディスクの表面に浮上させ、
    前記磁気ディスクの表面の突起が前記スライダに衝突することで前記スライダで発生した熱による前記センサの電気抵抗値の変化を検出して前記磁気ディスクの表面の突起の有無を検査するディスク検査方法であって、
    前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加したとき又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断したときに前記センサから出力される信号を用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行う
    ことを特徴とするディスク検査方法。
  6. 請求項5記載のディスク検査方法であって、前記ディスク回転機構が回転を停止している状態で前記磁気ディスクを前記ディスク回転機構から着脱している間に前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流の印加又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断したときに前記センサから出力される信号を用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行うことを特徴とするディスク検査方法。
  7. 請求項6記載のディスク検査方法であって、前記ディスク回転機構が回転しているときに検出される信号に似せた疑似信号を更に用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行うことを特徴とするディスク検査方法。
  8. 請求項5記載のディスク検査方法であって、前記故障診断を、前記磁気ディスクが前記ディスク回転機構により回転させられ前記突起検出ヘッドが前記磁気ディスク上で浮上している状態で前記ヘッドアンプ部により前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流の印加又は印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流の切断を行ったときに前記センサから出力される信号を用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行うことを特徴とするディスク検査方法。
  9. スライダと該スライダに固定したセンサと前記スライダを支持する支持ばねと該支持ばねを固定するヘッドキャリッジを備えた突起検出ヘッドの前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加し、該印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断し、
    該バイアス電圧若しくはバイアス電流の印加又は切断したときに前記センサから出力される信号を用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行い、
    該故障診断の結果良品と判定された突起検出ヘッドを前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加した状態でディスク回転機構部に搭載されて回転している磁気ディスクの表面に浮上させ、
    前記磁気ディスクの表面の突起が前記スライダに衝突することで前記スライダで発生した熱による前記センサの電気抵抗値の変化を検出して前記磁気ディスクの表面の突起の有無を検査する
    ことを特徴とするディスク検査方法。
  10. 請求項9記載のディスク検査方法であって、前記ディスク回転機構が回転を停止している状態で前記磁気ディスクを前記ディスク回転機構から着脱している間に前記センサにバイアス電圧若しくはバイアス電流を印加し、該印加したバイアス電圧若しくはバイアス電流を切断したときに前記センサから出力される信号を用いて前記突起検出ヘッドの故障診断を行うことを特徴とするディスク検査方法。
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