JP2014071059A - 光検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長フィルタを増加せずに反射光強度を適切な感度と解像度とで検出する。
【解決手段】光源(18)からの照射光を検出対象物(16)に集光し、検出対象物(16)からの光を集光するレンズ素子(17)と、レンズ素子(17)を光軸方向に移動するレンズ素子移動部(29)と、特定波長の光を遮断するフィルタ素子(23)と、フィルタ素子(23)を光軸上に有る/無い状態に移動させるフィルタ素子移動部と、レンズ素子(17)で集光されて遮光部材(25)の開口を通過した光を検出する光検出部(26)と、レンズ素子移動部(29)および上記フィルタ素子移動部の動作を制御する制御部を備え、上記制御部は、上記照射光と同波長の検出対象物(16)からの光を検出する第2測定モード時に、検出対象物(16)からの光が遮光部材(25)の開口にこの開口よりも大きな径で集光させると共に、フィルタ素子(23)がレンズ素子(17)の光軸上に無い状態に設定する。
【選択図】図3
【解決手段】光源(18)からの照射光を検出対象物(16)に集光し、検出対象物(16)からの光を集光するレンズ素子(17)と、レンズ素子(17)を光軸方向に移動するレンズ素子移動部(29)と、特定波長の光を遮断するフィルタ素子(23)と、フィルタ素子(23)を光軸上に有る/無い状態に移動させるフィルタ素子移動部と、レンズ素子(17)で集光されて遮光部材(25)の開口を通過した光を検出する光検出部(26)と、レンズ素子移動部(29)および上記フィルタ素子移動部の動作を制御する制御部を備え、上記制御部は、上記照射光と同波長の検出対象物(16)からの光を検出する第2測定モード時に、検出対象物(16)からの光が遮光部材(25)の開口にこの開口よりも大きな径で集光させると共に、フィルタ素子(23)がレンズ素子(17)の光軸上に無い状態に設定する。
【選択図】図3
Description
この発明は、光検出装置に関する。
従来より、生化学分野や分子生物学分野において、蛍光色素を標識物質として利用した蛍光検出システムが広く用いられている。この蛍光検出システムを用いることによって、遺伝子配列,遺伝子の変異・多型解析,タンパク質の分離および同定等の評価を行うことができ、薬等の開発に利用されている。
上述のような蛍光標識を利用した評価方法としては、電気泳動によってタンパク質等の生物学的化合物をゲル内に分布させ、その生物学的化合物の分布を蛍光検出により取得するという方法がよく用いられている。上記電気泳動では、緩衝液等の溶液中に電極を設置しておき、直流電流を流すことによって上記溶液中に電場勾配を生じさせる。このとき、上記溶液中に電荷を有するタンパク質やDNA(Deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)やRNA(ribo nucleic acid:リボ核酸)がある場合に、プラス電荷を有する分子は陰極に、マイナス電荷を有する分子は陽極に引き寄せられ、生体分子の分離を行うことができる。
上記電気泳動を用いた評価方法の一つである二次元電気泳動は、2種類の電気泳動法を組み合わせることによって、ゲル内に生体分子を二次元的に分布させる評価方法であり、プロテオーム解析を行う上で最も有効な方法であると考えられている。
上記電気泳動の組み合わせとしては、例えば、一次元目としての「個々のタンパク質の等電点の違いを利用する等電点電気泳動」と、二次元目としての「タンパク質の分子量で分離を行うSDS‐PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム‐ポリアクリルアミドゲル電気泳動)」との2種類が主に用いられる。こうして分離された上記生体分子としてのタンパク質に対して、蛍光色素は電気泳動前あるいは電気泳動後に付与される。
さらに、上述のようにして作製された上記生体分子(タンパク質)が二次元的に分布されたゲル支持体に励起光を照射し、発生した蛍光強度を取得して、それに基づいて蛍光分布(タンパク質分布)画像を表示させる画像読取装置が、生化学や分子生物学の分野で広く普及している。
また、上記生体分子の二次元分布を保持する方法としては、上記ゲル内に保持するだけではなく、上記ゲル内にタンパク質を分離させた後に、電気泳動や毛細管現象を利用して上記ゲルからメンブレンに転写させる方法も行われる。その場合には、上記ゲル支持体を用いた画像読取の場合と同様に、上記メンブレンである転写支持体上の蛍光分布を画像読取装置によって画像化することができる。
上述したような生体分子が二次元的に分布されたゲル支持体や転写支持体から生体分子分布画像を読み取る画像読取装置として、特開2001‐268318号公報(特許文献1)に開示された画像読み取り装置がある。
この画像読み取り装置においては、中央部に孔が形成された穴開きミラーを光学ユニットに搭載し、蛍光色素によって標識された生体由来物質が分布する二次元方向に移動される画像担体に対して、レーザ励起光源からの上記蛍光色素を励起する波長帯域のレーザ光(励起光)をミラーで上方に反射し、上記穴開きミラーの穴を通過させた後、レンズで集光して照射する。そして、上記画像担体中の蛍光色素が励起されて発せられた蛍光が上記穴開きミラーの上記穴の周囲で反射され、フォトマルチプライヤによって光電変換されて検出される。こうして、対応する画像信号として読み取られる。以下、上記画像担体を二次元方向に移動させながら上記動作を繰り返すことによって、二次元の可視画像(蛍光画像)を得るようにしている。
さらに、焦点深度が深いゲル支持体や転写支持体に担持された蛍光画像を読み取る場合には、上記穴開きミラーと上記フォトマルチプライヤとの間に配置されたフィルタユニットを473nmの波長の光をカットして473nmよりも波長の長い光を透過させるフィルタに切り替えて、第3のレーザ励起光源から波長が473nmのレーザ光を発する。
これに対し、焦点深度が浅いDNAマイクロアレイに担持された蛍光画像を読み取る場合には、640nmの波長の光をカットして640nmよりも波長の長い光を透過させるフィルタに切り替えて、第1のレーザ励起光源から波長が640nmのレーザ光を発するようにしている。
ところで、蛍光計測には、上記標識物質から発せられた蛍光の強度から画像のイメージを取得する蛍光測定モードの他に、上記標識物質からの反射光の強度から画像のイメージを取得する反射光測定モードがある。
上記蛍光測定モードは、例えば、電気泳動によって分離された特定のタンパク質を検出する通常のモードである。この場合には、検出対象のタンパク質と反応して、励起光の波長成分とは異なる波長の蛍光を発する蛍光性を示す試薬を用い、光源からの励起光を照射して発せられる微弱な蛍光を検出することによって行う。この蛍光測定モードでは、励起光と同じ波長の光成分を減光フィルタでカットして、主として上記試薬からの励起光とは異なる波長の微弱な蛍光成分を測定する。
上記反射光測定モードは、光源からの励起光の反射・吸収特性を用いるモードである。この場合には、電気泳動によって分離された検出対象のタンパク質と反応して、励起光と同じ波長の光を発するように検出対象物の反射・吸収特性を変化させる試薬を用いる。言い換えると、試薬を用いて検出対象のタンパク質を染色するのである。そして、試薬と反応させたサンプルに光源からの励起光を照射して、サンプルから反射される光を検出することによって行う。この反射光測定モードでは、主として励起光自体の反射・吸収特性を測定する。
上記反射光測定モードは、上記蛍光測定モードに比べて桁違いに強度が強い光が検出器に入光することから、適切に光を検出するためには光強度を弱める必要がある。また、その場合、測定対象のタンパク質や試薬の種類によって最適な減光率が異なるため、複数枚の減光フィルタを備える必要がある。
したがって、上記特許文献1に開示された従来の画像読み取り装置によって、上記蛍光測定モードと上記反射光測定モードとに対応する場合には、上記焦点深度に応じた枚数の波長フィルタに加えて、上記蛍光測定モードおよび上記反射光測定モード用の波長フィルタが必要になる。
しかしながら、現実的には波長フィルタの搭載枚数には搭載スペース等により限りがあり、波長フィルタの枚数を増やすことが困難であるという問題がある。
そこで、この発明の課題は、波長フィルタを増加することなく標識物質からの反射光を含む光の強度を適切な感度および解像度で検出できる光検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の光検出装置は、
光を出射する光源と、
上記光源から出射された光を検出対象物に向けて集光すると共に、上記光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた光を集光するレンズ素子と、
上記レンズ素子を光軸方向に移動させて上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を設定するレンズ素子移動部と、
上記レンズ素子によって集光された光のうちの予め設定された特定の波長の光を遮断するフィルタ素子と、
上記フィルタ素子を移動させて、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に無い状態と有る状態とに切り替え設定するフィルタ素子移動部と、
上記レンズ素子によって集光された光を検出する光検出部と、
上記フィルタ素子と上記光検出部との間に配置されると共に、上記レンズ素子の光軸上に開口を有する遮光部材と、
上記レンズ素子移動部および上記フィルタ素子移動部の動作を制御する制御部と
を備え、
上記光検出部は、上記遮光部材の開口を通過した光を検出するようになっており、
上記制御部は、
上記光源からの光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた上記照射光とは異なる波長の光を上記光検出部によって検出する第1測定モード時には、上記レンズ素子移動部を制御して、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ素子移動部を制御して、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に有る状態に設定する一方、
上記光源からの光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた上記照射光と同じ波長の光を上記光検出部によって検出する第2測定モード時には、上記レンズ素子移動部を制御して、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きな径で集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ素子移動部を制御して、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に無い状態に設定する
ことを特徴としている。
光を出射する光源と、
上記光源から出射された光を検出対象物に向けて集光すると共に、上記光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた光を集光するレンズ素子と、
上記レンズ素子を光軸方向に移動させて上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を設定するレンズ素子移動部と、
上記レンズ素子によって集光された光のうちの予め設定された特定の波長の光を遮断するフィルタ素子と、
上記フィルタ素子を移動させて、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に無い状態と有る状態とに切り替え設定するフィルタ素子移動部と、
上記レンズ素子によって集光された光を検出する光検出部と、
上記フィルタ素子と上記光検出部との間に配置されると共に、上記レンズ素子の光軸上に開口を有する遮光部材と、
上記レンズ素子移動部および上記フィルタ素子移動部の動作を制御する制御部と
を備え、
上記光検出部は、上記遮光部材の開口を通過した光を検出するようになっており、
上記制御部は、
上記光源からの光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた上記照射光とは異なる波長の光を上記光検出部によって検出する第1測定モード時には、上記レンズ素子移動部を制御して、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ素子移動部を制御して、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に有る状態に設定する一方、
上記光源からの光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた上記照射光と同じ波長の光を上記光検出部によって検出する第2測定モード時には、上記レンズ素子移動部を制御して、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きな径で集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ素子移動部を制御して、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に無い状態に設定する
ことを特徴としている。
上記構成によれば、光源からの照射光とは異なる波長の光を検出する第1測定モード時には、検出対象物から発せられる光源からの照射光とは異なる波長の光を遮光部材の開口に集光することができ、上記レンズ素子で集光される光の総てが上記遮光部材の開口を通過するようにできる。こうして、光源からの照射光とは異なる波長の微弱な光の検出強度が最大になるようにして、上記光検出部によって効率よく検出することができる。
また、上記光源からの照射光と同じ波長の光を検出する第2測定モード時には、上記検出対象物から発せられる上記照射光と同じ波長の光を上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きな径で集光することができ、上記レンズ素子で集光される光の一部を上記遮光部材の開口でカットすることができる。こうして、光源からの照射光と同じ波長の光であって、上記第1測定モード時に比較して非常に強い光の検出強度が適切な光量になるようにして、上記光検出部により適切な感度および解像度で検出することができる。
また、1実施の形態の光検出装置では、
上記フィルタ素子が遮断する上記特定の波長の光は、上記光源からの照射光の波長と同じ波長の光である。
上記フィルタ素子が遮断する上記特定の波長の光は、上記光源からの照射光の波長と同じ波長の光である。
この実施の形態によれば、上記フィルタ素子は上記光源からの照射光の波長と同じ波長の光を遮断するので、上記第1測定モード時に、上記フィルタ素子が光軸上に有る状態に設定することによって、上記遮光部材の開口に入射されようとする上記光源からの照射光の波長と同じ波長の迷光を上記フィルタ素子によってカットすることができる。したがって、上記光検出部によってさらに効率よく検出することができる。
また、1実施の形態の光検出装置では、
上記レンズ素子は、
上記第1測定モード時に、上記レンズ素子移動部によって、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離が、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に集光する距離に設定された場合には、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面に集光される一方、上記第2測定モード時に、上記レンズ素子移動部によって、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離が、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きい径で集光する距離に設定された場合には、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面よりも上方に集光される
ようになっている。
上記レンズ素子は、
上記第1測定モード時に、上記レンズ素子移動部によって、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離が、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に集光する距離に設定された場合には、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面に集光される一方、上記第2測定モード時に、上記レンズ素子移動部によって、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離が、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きい径で集光する距離に設定された場合には、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面よりも上方に集光される
ようになっている。
この実施の形態によれば、上記第1測定モード時には、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面に集光されるので、上記照射光に基づいて上記検出対象物から発せられる光の検出精度を高めることができる。
また、上記第2測定モード時には、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面よりも上方に集光されるので、上記レンズ素子の焦点位置が上記検出対象物の下面からずれて、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きい径で集光することが可能になる。
また、1実施の形態の光検出装置では、
上記制御部は、上記レンズ素子移動部を、上記第2測定モード時において、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を、予め設定された複数の距離から選択して設定するように制御する。
上記制御部は、上記レンズ素子移動部を、上記第2測定モード時において、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を、予め設定された複数の距離から選択して設定するように制御する。
この実施の形態によれば、上記第2測定モード時に、上記レンズ素子と上記検査対象物の間の距離を予め設定された複数の距離から選択して設定するので、上記複数の距離を、例えば、予め「上記光検出部への入射光量が最大値(上記遮光部材の開口への集光時の入射光量)の20%となる距離」,「上記最大値の10%となる距離」,「上記最大値の5%となる距離」のごとく設定しておけば、上記光検出部への入射光量が最適となる上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を、簡単に設定することが可能になる。
したがって、上記検査対象物によって異なる最適入射光量に対応することができ、より適切に上記検出対象物からの光を測定することができる。
また、1実施の形態の光検出装置では、
上記レンズ素子は、
屈折によって光を集光する中央部分と、この中央部分の周辺に位置して全反射によって光を集光する周辺部分とを含んで構成されており、
上記中央部分の少なくとも一部は上記光源からの照射光を透過させる照射光透過部となっている対物レンズである。
上記レンズ素子は、
屈折によって光を集光する中央部分と、この中央部分の周辺に位置して全反射によって光を集光する周辺部分とを含んで構成されており、
上記中央部分の少なくとも一部は上記光源からの照射光を透過させる照射光透過部となっている対物レンズである。
この実施の形態によれば、上記検出対象物からの光を集光する対物レンズは、屈折によって光を集光する通常の凸レンズに相当する中央部分の外周に、全反射によって光を集光する周辺部分を有している。したがって、通常の凸レンズでは集光できないような大きな放射角度の光をも集めることができ、集光光率を高めて上記検出光学系による感度アップを図ることができる。
このように、上記検出対象物から広い出射角度で放射状に出射された微弱な光を効率よく検出するため、この放射状に出射された光を上記検出対象物の近くに位置する上記対物レンズによって集光し、上記光検出部で検出する。ところが、上記構成の場合には、上記対物レンズと上記検出対象物との距離が適切な値から少しずれただけで焦点位置が大きく変化する特徴がある。そこで、この特徴を用いれば、上記検出対象物からの光を上記遮光部材の開口よりも大きい径で集光して、入光量を制御することが可能になる。
また、1実施の形態の光検出装置では、
上記光源と上記レンズ素子との間に配置されて、上記光源からの照射光のスポットサイズを調整するためのスポットサイズ調整レンズ素子と、
上記スポットサイズ調整レンズ素子を光軸方向に移動させて上記スポットサイズを調整するスポットサイズ調整レンズ素子移動部と
を備え、
上記スポットサイズ調整レンズ素子により上記スポットサイズが調整された照射光は、上記レンズ素子における光軸近傍の一部を透過して上記検出対象物に向けて集光されるようになっており、
上記制御部は、上記第2測定モード時には、上記スポットサイズ調整レンズ素子移動部を制御して、上記スポットサイズ調整レンズ素子と上記光源との間の距離を、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面に集光するように設定する。
上記光源と上記レンズ素子との間に配置されて、上記光源からの照射光のスポットサイズを調整するためのスポットサイズ調整レンズ素子と、
上記スポットサイズ調整レンズ素子を光軸方向に移動させて上記スポットサイズを調整するスポットサイズ調整レンズ素子移動部と
を備え、
上記スポットサイズ調整レンズ素子により上記スポットサイズが調整された照射光は、上記レンズ素子における光軸近傍の一部を透過して上記検出対象物に向けて集光されるようになっており、
上記制御部は、上記第2測定モード時には、上記スポットサイズ調整レンズ素子移動部を制御して、上記スポットサイズ調整レンズ素子と上記光源との間の距離を、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面に集光するように設定する。
この実施の形態によれば、上記第2測定モード時に、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面に集光されるので、上記照射光に基づいて上記検出対象物から発せられる光の検出精度を高めることができる。
以上より明らかなように、この発明の光検出装置は、光源からの照射光とは異なる波長の光を検出する第1測定モード時には、検出対象物からの光を集光するレンズ素子と上記検査対象物との間の距離を、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に集光する距離に設定すると共に、上記レンズ素子からの特定波長の光を遮断するフィルタ素子が光軸上に有る状態に設定する。これに対し、上記照射光と同じ波長の光を検出する第2測定モード時には、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きな径で集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ素子が光軸上に無い状態に設定するようにしている。
したがって、上記第1測定モード時には、検出対象物から発せられる光源からの照射光とは異なる波長の光を遮光部材の開口に集光することができ、上記レンズ素子で集光される光の総てが上記遮光部材の開口を通過するようにできる。こうして、上記光源からの照射光とは異なる波長の微弱な光の検出強度が最大になるようにして、上記光検出部によって効率よく検出することができる。
また、上記第2測定モード時には、上記検出対象物から発せられる上記照射光と同じ波長の光を上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きな径で集光することができ、上記レンズ素子で集光される光の一部を上記遮光部材の開口でカットすることができる。こうして、光源からの照射光と同じ波長の光であって、上記第1測定モード時に比較して非常に強い光の検出強度が適切な光量になるようにして、上記光検出部によって適切な感度および解像度で検出することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の光検出装置における外観図である。本光検出装置1は、筺体を成す本体2と、本体2の上面を覆う蓋体3とで、大まかに構成されている。本体2の上面には、ガラスでなるサンプル台4が設けられており、サンプル台4上には例えば蛍光物質あるいは反射吸収物質によって標識された生体由来物質が分布するゲル支持体やメンブレン等の転写支持体(共に図示せず)がサンプル(検出対象物)としてセットされる。但し、以下における本光検出装置の構成の説明は、上記蛍光物質によって標識されたサンプルがセットされた場合を例に挙げて行う。
そして、上記サンプル台4の下側には光学系が配置されており、サンプル台4上にセットされたサンプルに対して、励起光学系によってサンプル台4を通して下方から励起光を照射し、サンプル台4を透過してくる上記サンプルからの蛍光を検出光学系によって検出する。上記検出光学系はPC(Personal computer:パーソナルコンピュータ)5等の外部端末と接続されており、PC5から測定条件の制御等を行う。さらに、PC5によって、検出データに基づいてサンプルの蛍光画像を作成し、内蔵する表示画面に上記作成した蛍光画像等を表示する。
すなわち、本実施の形態においては、上記PC5によって、上記制御部を構成しているのである。
図2は、上記サンプル台4の下部に設置された走査ステージ6の外観図を示す。この走査ステージ6は、基準となる基準台14上に設置された第1ステージ7と、第1ステージ7の上に載置された第2ステージ8とで構成されている。そして、第2ステージ8の上に走査モジュール9が載置されている。上記蛍光を検出する上記検出光学系は走査モジュール9の中に格納されている。
上記走査ステージ6を構成する第1ステージ7には、第1走査方向に延在すると共に、一定の間隔で互いに対向する2本のガイドレール10a,10bが配設されている。また、第2ステージ8は、第1ステージ7のガイドレール10aによって案内されて上記第1走査方向に往復動する第1ガイド部材11と、ガイドレール10bによって案内されて上記第1走査方向に往復動する第2ガイド部材12とを有している。
上記第2ステージ8を構成する第1ガイド部材11と第2ガイド部材12との間には、上記第1走査方向に直交する第2走査方向に延在すると共に、一定の間隔で互いに対向する2本のガイドシャフト13a,13bが配設されている。また、走査モジュール9には、ガイドシャフト13a,13bが挿通される孔が設けられている。そして、走査モジュール9は、ガイドシャフト13a,13bによって案内されて上記第2走査方向に往復動するようになっている。
上記構成を有する走査ステージ6による走査方法は、先ず、上記第2ステージ8の第1ガイド部材11と第2ガイド部材12とがガイドレール10a,10bによって案内されて上記第1走査方向に移動して、第2ステージ8の第1ステージ7に対する位置決めが行われる。そうした後に、走査モジュール9がガイドシャフト13a,13bによって案内されて上記第2走査方向に移動して、走査モジュール9の第2ステージ8に対する位置決めが行われる。以後、上記動作を繰り返すことによって、サンプル16上を二次元に走査するのである。
また、上記筺体を成す本体2のサンプル台4下部における走査ステージ6よりも更に下側には、第2ステージ8の第1,第2ガイド部材11,12を上記第1走査方向に、走査モジュール9を上記第2走査方向に移動させるためのモータ,タイミングベルト,ボールねじ,歯車,制御基板,電源および配線等の走査装置が設置されている。
図3は、上記第2ステージ8の上に載置される走査モジュール9の概略構成を示す縦断面図である。
図3において、上記走査モジュール9の上部には、サンプル台(ガラス)4の近傍に位置して、サンプル台4上にセットされたサンプル16からの蛍光を集光する上記レンズ素子としての対物レンズ17を配置している。さらに、対物レンズ17の光軸と励起光の光源18の光軸とが直交する位置には、光源18から出射されて第1レンズ19およびスポットサイズ調整レンズ20で集光されたレーザ光等の励起光を対物レンズ17に入射するように反射させるプリズム21を配置している。尚、光源18,第1レンズ19,スポットサイズ調整レンズ20,プリズム21および対物レンズ17によって励起光学系を構成している。
ここで、上記対物レンズ17はレンズホルダ27に格納されており、ステッピングモータ等の駆動部29によって光軸方向に移動されて、焦点位置を変更可能になっている。また、スポットサイズ調整レンズ20はレンズホルダ28に格納されており、駆動部30によって光軸方向に移動されて、スポットサイズを調整可能になっている。すなわち、本実施の形態においては、駆動部29によって上記レンズ素子移動部を構成する一方、駆動部30によって上記スポットサイズ調整レンズ素子移動部を構成するのである。
また、図3において、上記対物レンズ17の光軸上におけるプリズム21の下方には、プリズム21側から順に、対物レンズ17によって集光されたサンプル16からの蛍光を平行光に変換する第2レンズ22、励起光カット用の波長フィルタ23、波長フィルタ23を通過した蛍光を集光する第3レンズ24、および、第3レンズ24を通過した蛍光の迷光をカットする上記遮光部材としてのピンホール25が配置されている。さらに、対物レンズ17の光軸上におけるピンホール25の下方には、ピンホール25を通過した蛍光を検出する検出器26が配置されている。尚、第2レンズ22,波長フィルタ23,第3レンズ24,ピンホール25および検出器26によって検出光学系を構成している。
上記構成を有する走査モジュール9では、光源18から出射された励起光は、第1レンズ19およびスポットサイズ調整レンズ20で収束され、次いでプリズム21によって反射されて、対物レンズ17およびサンプル台4を通過して、サンプル16における下面上の一点に集光される。その場合、プリズム21の長手方向(第1レンズ19の光軸に直交する方向)の長さは短く、上記長手方向に直交する方向の幅は狭くなっており、光源18からの照射光(励起光)は対物レンズ17の光軸付近(照射光透過部)のみを通過するようになっている。
上記蛍光は、サンプル16における上記励起光が照射された部分から周囲に等方的に出射される。そして、出射された蛍光のうちのガラスで成るサンプル台4を透過して対物レンズ17に入射した成分が、対物レンズ17,第2レンズ22,波長フィルタ23,第3レンズ24およびピンホール25を通過して、検出器26によって検出される。そして、検出器26で検出された信号は、内蔵されるAD変換器等によってAD変換等の処理が施された後に、PC5へ送出される。こうして、サンプル16上の各測定点での蛍光強度の分布が内部メモリ等に記録される。
ここで、上述したように、上記対物レンズ17を通過した蛍光は、集束光となって第2レンズ22の方向に導かれる。そして、第2レンズ22によって実質的に平行光になるように屈折される。また、第3レンズ24は蛍光を集光する。また、ピンホール25は空間的に迷光や検出面以外からの蛍光をカットするために配置される。例えば、サンプル16の上面で発生した蛍光は、対物レンズ17の焦点位置からずれているので、対物レンズ17の後段に続く上記検出光学系によってピンポール25の位置では広がった光となり、効率よくピンポールを透過することができないのである。尚、励起光カット用の波長フィルタ23は、例えば回転フォルダ等に配置され、上記フィルタ素子移動部としてのフィルタ切替駆動部(図示せず)によって回転駆動されて、波長フィルタ23が光軸上にない状態に切替可能になっている。また、励起光の波長に応じて他の波長のフィルタと交換可能になっている。
図3に示すように、上記対物レンズ17における光軸を含む中央部分は、通常の凸レンズの機能(屈折のみで光を偏向)を有する凸レンズ部31となっている。そして、サンプル16から出射された蛍光のうち、放射角度の小さい蛍光は、この凸レンズ部31の部分を通過して検出器26に向かって集光される。
上記対物レンズ17における凸レンズ部31の周囲は、下方に向かって開いた円錐台形の筒状体32となっている。そして、サンプル16から出射された蛍光のうちの、凸レンズ部31に入りきらないような放射角度の大きい蛍光は、筒状体32の上端面から筒状体32内に入射し、筒状体32の外周面で全反射されて光軸側に偏向され、筒状体32の下端面から検出器26に向かって出射される。
以上のごとく、上記サンプル16から出射された蛍光のうち、凸レンズ部31に入りきらないような放射角度の大きい蛍光を、筒状体32の外周面で全反射させることにより、通常の凸レンズでは集光できないような大きな放射角度の光をも集めることができる。そのため、検出器26の感度アップを図ることができるのである。
ところで、上記構成を有する本光検出装置による光測定には、上記第1測定モードとしての蛍光測定モードと、上記第2測定モードとしての反射光測定モードとがある。上記蛍光測定モードにおいては、光源18からの励起光の照射に基づいて、上記蛍光物質で標識されたサンプル16から発せられる上記励起光とは異なる波長の微弱な蛍光を検出する。また、上記反射光測定モードにおいては、光源18からの励起光の照射に基づいて、上記反射吸収物質で標識されたサンプル16から発せられる上記励起光と同じ波長の強い強度の光(反射光)を検出する。
上記蛍光測定モード時には、走査モジュール9の光源18から出射された励起光は、第1レンズ19およびスポットサイズ調整レンズ20で収束され、次いでプリズム21によって反射されて、対物レンズ17およびサンプル台4を通過して、サンプル16における下面上の一点に集光される。
上記サンプル16における上記励起光が照射された部分から発せられる励起光の波長成分とは異なる波長の蛍光は、周囲に等方的に出射される。そして、出射された蛍光のうちのガラスで成るサンプル台4を透過して対物レンズ17に入射した成分が、対物レンズ17で集光され、第2レンズ22,波長フィルタ23,第3レンズ24およびピンホール25を通過して、検出器26によって検出される。
ここで、上記励起光カット用の波長フィルタ23は、光源18から出射された励起光の波長の光をカットして上記励起光の波長よりも長い波長の光を透過させる。
図4は、上記蛍光測定モード時における励起光および蛍光の集光状態を示す。尚、図4においては、対物レンズ17を簡略して表現している。上述したように、対物レンズ17は駆動部29によって光軸方向に移動されて焦点位置を変更可能になっている。そして、蛍光測定モード時には、図4(b)に示すように、サンプル16からの蛍光33がピンホール25の開口25aに集光するように、図4(a)に示すごとく対物レンズ17とサンプル台4との位置関係が設定されている。
したがって、上記励起光34とは異なる波長の微弱な蛍光33を、効率良く検出器26によって検出することができるのである。また、その際に、ピンホール25に入射されようとする光源18からの励起光34の波長と同じ波長の迷光(図示せず)は、波長フィルタ23によってカットされている。
これに対して、上記反射光測定モード時には、走査モジュール9の光源18から出射された励起光は、上記蛍光測定モード時の場合と同様にサンプル16における下面上の一点に集光される。
また、上記サンプル16における上記励起光が照射された部分から発せられる励起光の波長成分と同じ波長の光(反射光)は、上記蛍光測定モード時の場合と同様にピンホール25を通過して、検出器26によって検出される。
図5は、上記反射光測定モード時における励起光および反射光の集光状態を示す。尚、図5においても対物レンズ17を簡略して表現している。
上記反射光測定モード時には、図5(b)に示すように、サンプル16からの光(反射光)35がピンホール25の開口25aにおいてビーム径が上記蛍光測定モード時よりも大きく、ピンホール25を透過することによって光量が減光されるように、図5(a)に示すごとく対物レンズ17とサンプル台4との位置関係が設定されている。
すなわち、上記反射光測定モード時には、上記駆動部29によって対物レンズ17を光軸方向に移動させて、上記蛍光測定モード時の場合よりもサンプル台4に近づけるのである。こうすることによって、サンプル16の下面は対物レンズ17の焦点位置からずれるので、サンプル16の下面で反射された光35は、対物レンズ17で集光された際に、図5(b)に示すように、ピンホール25の開口25aにおいて上記蛍光測定モード時の場合よりも大きいビーム径の集束光となるのである。
上述したように、上記反射光測定モード時には、主として励起光自体の反射・吸収特性を測定するために、上記蛍光測定モード時に比べて桁違いに強度の強い光が対物レンズ17によって集光される。そこで、上述したように、この強度が強い光のビーム径を大きくして上記ビームの一部をピンホール25の開口25aでカットすることによって、検出器26での測定に適切な光量に調整するのである。
こうして、上記励起光34と同じ波長の強度の強い光35の光量を適切な光量に減光することによって、上記反射光測定モード時の場合にも、検出器26によって適切な感度および解像度で検出することができるのである。
すなわち、上記反射光測定モード時においては、上記対物レンズ17,レンズホルダ27および駆動部29によって対物レンズ17の焦点位置をずらして、ピンホール25の開口25aにおいてビーム径が上記蛍光測定モード時よりも大きい集束光を形成することによって、検出器26に入射される光35の光量をカットするようにしている。つまり、対物レンズ17,レンズホルダ27および駆動部29を減光フィルタとして機能させる。したがって、上記反射光測定モード時には、波長フィルタ23を必要とはしないのである。そこで、回転フォルダ等に配置された波長フィルタ23を上記フィルタ切替駆動部によって回転駆動することによって、光軸上には波長フィルタ23を含めて何もない状態にするのである。
そのため、上記波長フィルタ23を用いる上記蛍光測定モードは、「フィルタ有り測定モード」と言うことができる。これに対して、上記波長フィルタ23を用いない上記反射光測定モードは、「フィルタ無し測定モード」と言うことができる。
ところで、上記反射光測定モード時には、上記駆動部29によって対物レンズ17を上記蛍光測定モード時の場合よりもサンプル台4に近づけるのであるが、そうすると、光源18からの励起光34は、そのスポット径が広がってサンプル16の下面で集光されなくなる。そこで、駆動部29によって対物レンズ17を光軸方向に移動した際には、駆動部30によってスポットサイズ調整レンズ20を光軸方向に移動して、図5(a)に示すように光源18からの励起光34がサンプル16の下面に集光されるようにする。こうして、サンプル16の下面上で常に集光状態を保つことができるのである。
以上のように、本実施の形態によれば、蛍光物質を励起する励起光を出射する光源18と、光源18から出射された励起光をサンプル16に向けて集光すると共に、上記励起光の照射に基づいてサンプル16から発せられた光を集光する対物レンズ17と、対物レンズ17を光軸方向に移動させて対物レンズ17とサンプル16との間の距離を設定する駆動部29とを備えている。そして、対物レンズ17によって集光された光のうちの予め設定された特定の波長の光を遮断する波長フィルタ23を、上記フィルタ切替駆動部によって回転駆動して、波長フィルタ23が対物レンズ17の光軸上に無い状態と有る状態とに切り替え設定する。
さらに、上記対物レンズ17によって集光された光を検出する検出器26と波長フィルタ23との間に、対物レンズ17の光軸上に開口25aを有するピンホール25を配置して、検出器26は、ピンホール25の開口25aを通過した光を検出するようにする。さらに、駆動部29および上記フィルタ切替駆動部の動作を制御するPC5を備えている。
そうして、上記PC5は、
上記励起光の照射に基づいてサンプル16から発せられた上記励起光とは異なる波長の蛍光を検出器26によって検出する蛍光測定モード時には、駆動部29を制御して、対物レンズ17とサンプル16との間の距離をサンプル16からの蛍光がピンホール25の開口25aに集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ切替駆動部を制御して、波長フィルタ23が対物レンズ17の光軸上に有る状態に設定する。
上記励起光の照射に基づいてサンプル16から発せられた上記励起光とは異なる波長の蛍光を検出器26によって検出する蛍光測定モード時には、駆動部29を制御して、対物レンズ17とサンプル16との間の距離をサンプル16からの蛍光がピンホール25の開口25aに集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ切替駆動部を制御して、波長フィルタ23が対物レンズ17の光軸上に有る状態に設定する。
一方、上記励起光の照射に基づいてサンプル16から発せられた上記励起光と同じ波長の光(反射光)を検出器26によって検出する反射光測定モード時には、駆動部29を制御して、対物レンズ17とサンプル16との間の距離をサンプル16からの光がピンホール25の開口25aに上記蛍光測定モード時よりも大きな径で集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ切替駆動部を制御して、波長フィルタ23が対物レンズ17の光軸上に無い状態に設定するようにしている。
したがって、上記蛍光測定モード時には、サンプル16から発せられる光源18からの励起光とは異なる波長の蛍光をピンホール25の開口25aに集光することができ、対物レンズ17で集光される蛍光の総てがピンホール25の開口25aを通過するようにできる。こうして、光源18からの励起光とは異なる波長の微弱な蛍光の検出強度が最大になるようにして、検出器26によって効率よく検出することができる。
また、上記反射光測定モード時には、サンプル16から発せられる上記励起光と同じ波長の光をピンホール25の開口25aに上記蛍光測定モード時よりも大きな径で集光することができ、対物レンズ17で集光される光の一部をピンホール25の開口25aでカットするようにできる。こうして、光源18からの励起光と同じ波長の光であって上記蛍光測定モード時に比較して非常に強い光の検出強度が適切な光量になるようにして、検出器26によって適切な感度および解像度で検出することができるのである。
さらに、上記波長フィルタ23が遮断する上記特定の波長の光を、光源18からの励起光の波長と同じ波長の光とすることによって、上記蛍光測定モード時において、波長フィルタ23が対物レンズ17の光軸上に有る状態に設定して、光源18からの励起光の波長と同じ波長の迷光をカットすることができる。したがって、検出器26によってさらに効率よく蛍光を検出することができるのである。
さらに、上記対物レンズ17は、上記蛍光測定モード時に、駆動部29によって、対物レンズ17とサンプル16との間の距離が、サンプル16からの蛍光が上記遮光部材の開口に集光する距離に設定された場合には、光源18からの上記励起光がサンプル16の下面に集光される。一方、上記反射光測定モード時に、駆動部29によって、対物レンズ17とサンプル16との間の距離が、サンプル16からの光が上記遮光部材の開口に上記蛍光測定モード時よりも大きい径で集光する距離に設定された場合には、光源18からの上記励起光がサンプル16の下面よりも上方に集光されるようになっている。
したがって、上記蛍光測定モード時には、光源18からの上記励起光がサンプル16の下面に集光されるので、上記励起光の照射に基づいてサンプル16から発せられる蛍光の検出精度を高めることができる。
また、上記反射光測定モード時には、上記光源からの上記励起光がサンプル16の下面よりも上方に集光されるので、対物レンズ17の焦点位置がサンプル16の下面からずれて、サンプル16からの光がピンホール25の開口25aに上記蛍光測定モード時よりも大きい径で集光することが可能になる。
さらに、上記対物レンズ17は、屈折によって光を集光する中央部分と、この中央部分の周辺に位置して全反射によって光を集光する周辺部分とを含んで構成されており、上記中央部分の少なくとも光軸を含む一部は光源18からの照射光を透過させる照射光透過部となっている。したがって、通常の凸レンズでは集光できないような大きな放射角度の光をも集めることができ、集光光率を高めて上記検出光学系による感度アップを図ることができる。
このように、上記サンプル16から広い出射角度で放射状に出射された微弱な光を効率よく検出するために、サンプル16の近くに位置する対物レンズ17によって上記放射状に出射された光を集光し、上記検出光学系で検出するようにしている。ところで、上記構成の場合には、対物レンズ17とサンプル16との距離が適切な値から少しずれただけで焦点位置が大きく変化する特徴がある。したがって、この特徴を用いれば、対物レンズ17とサンプル16との距離を制御することによってサンプル16からの光をピンホール25の開口25aよりも大きい径で集光して、入射光量を制御することが可能になるのである。
さらに、上記光源18と対物レンズ17との間に、光源18からの励起光のスポットサイズを調整するためのスポットサイズ調整レンズ20を配置し、駆動部30によってスポットサイズ調整レンズ20を光軸方向に移動させて上記スポットサイズを調整し、上記スポットサイズが調整された励起光が対物レンズ17における光軸近傍の一部を透過してサンプル16に向けて集光されるようにしている。
そして、上記PC5は、上記反射光測定モード時には、駆動部30を制御して、スポットサイズ調整レンズ20と光源18との間の距離を、光源18からの上記励起光がサンプル16の下面に集光されるように設定するようにしている。
したがって、上記反射光測定モード時には、上記スポットサイズ調整レンズ20と光源18との間の距離を、光源18からの上記励起光がサンプル16の下面に集光するように設定することができ、上記励起光の照射に基づいてサンプル16から発せられる光の検出精度を高めることができるのである。
尚、本実施の形態においては、上記PC5は、駆動部29を制御して、上記反射光測定モード時において、対物レンズ17とサンプル16との間の距離を、対物レンズ17によって集光される光のビーム径がピンホール25の開口25aよりも大きなるように設定するようにしている。その場合に、PC5は、予め設定されてPC5の上記内部メモリ等に格納されている複数の距離から選択して設定するようにすることも可能である。
例えば、上記複数の距離を、予め「検出器26への入射光量が最大値(ピンホール25の開口25aに集光した場合の入射光量)の20%となる距離」,「上記最大値の10%となる距離」,「上記最大値の5%となる距離」のごとく設定して格納しておけば、検出器26への入射光量が最適となる対物レンズ17とサンプル16との間の距離を、簡単に設定することが可能になる。
そうした場合には、上記サンプル16によって異なる最適入射光量に対応することができ、より適切に上記サンプル16からの光を測定することができるのである。
1…光検出装置、
4…サンプル台、
5…PC、
6…走査ステージ、
9…走査モジュール、
16…サンプル、
17…対物レンズ、
18…光源、
19…第1レンズ、
20…スポットサイズ調整レンズ、
21…プリズム、
22…第2レンズ、
23…波長フィルタ、
24…第3レンズ、
25…ピンホール、
25a…ピンホールの開口、
26…検出器、
27,28…レンズホルダ、
29,30…駆動部、
31…凸レンズ部、
32…筒状体、
33…蛍光、
34…励起光、
35…光(反射光)。
4…サンプル台、
5…PC、
6…走査ステージ、
9…走査モジュール、
16…サンプル、
17…対物レンズ、
18…光源、
19…第1レンズ、
20…スポットサイズ調整レンズ、
21…プリズム、
22…第2レンズ、
23…波長フィルタ、
24…第3レンズ、
25…ピンホール、
25a…ピンホールの開口、
26…検出器、
27,28…レンズホルダ、
29,30…駆動部、
31…凸レンズ部、
32…筒状体、
33…蛍光、
34…励起光、
35…光(反射光)。
Claims (6)
- 光を出射する光源と、
上記光源から出射された光を検出対象物に向けて集光すると共に、上記光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた光を集光するレンズ素子と、
上記レンズ素子を光軸方向に移動させて上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を設定するレンズ素子移動部と、
上記レンズ素子によって集光された光のうちの予め設定された特定の波長の光を遮断するフィルタ素子と、
上記フィルタ素子を移動させて、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に無い状態と有る状態とに切り替え設定するフィルタ素子移動部と、
上記レンズ素子によって集光された光を検出する光検出部と、
上記フィルタ素子と上記光検出部との間に配置されると共に、上記レンズ素子の光軸上に開口を有する遮光部材と、
上記レンズ素子移動部および上記フィルタ素子移動部の動作を制御する制御部と
を備え、
上記光検出部は、上記遮光部材の開口を通過した光を検出するようになっており、
上記制御部は、
上記光源からの光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた上記照射光とは異なる波長の光を上記光検出部によって検出する第1測定モード時には、上記レンズ素子移動部を制御して、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ素子移動部を制御して、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に有る状態に設定する一方、
上記光源からの光の照射に基づいて上記検出対象物から発せられた上記照射光と同じ波長の光を上記光検出部によって検出する第2測定モード時には、上記レンズ素子移動部を制御して、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きな径で集光する距離に設定すると共に、上記フィルタ素子移動部を制御して、上記フィルタ素子が上記レンズ素子の光軸上に無い状態に設定する
ことを特徴とする光検出装置。 - 請求項1に記載の光検出装置において、
上記フィルタ素子が遮断する上記特定の波長の光は、上記光源からの照射光の波長と同じ波長の光である
ことを特徴とする光検出装置。 - 請求項1あるいは請求項2に記載の光検出装置において、
上記レンズ素子は、
上記第1測定モード時に、上記レンズ素子移動部によって、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離が、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に集光する距離に設定された場合には、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面に集光される一方、上記第2測定モード時に、上記レンズ素子移動部によって、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離が、上記検出対象物からの光が上記遮光部材の開口に上記第1測定モード時よりも大きい径で集光する距離に設定された場合には、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面よりも上方に集光される
ようになっている
ことを特徴とする光検出装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の光検出装置において、
上記制御部は、上記レンズ素子移動部を、上記第2測定モード時において、上記レンズ素子と上記検査対象物との間の距離を、予め設定された複数の距離から選択して設定するように制御する
ことを特徴とする光検出装置。 - 請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の光検出装置において、
上記レンズ素子は、
屈折によって光を集光する中央部分と、この中央部分の周辺に位置して全反射によって光を集光する周辺部分とを含んで構成されており、
上記中央部分の少なくとも一部は上記光源からの照射光を透過させる照射光透過部となっている対物レンズである
ことを特徴とする光検出装置。 - 請求項1から請求項5までの何れか一つに記載の光検出装置において、
上記光源と上記レンズ素子との間に配置されて、上記光源からの照射光のスポットサイズを調整するためのスポットサイズ調整レンズ素子と、
上記スポットサイズ調整レンズ素子を光軸方向に移動させて上記スポットサイズを調整するスポットサイズ調整レンズ素子移動部と
を備え、
上記スポットサイズ調整レンズ素子により上記スポットサイズが調整された照射光は、上記レンズ素子における光軸近傍の一部を透過して上記検出対象物に向けて集光されるようになっており、
上記制御部は、上記第2測定モード時には、上記スポットサイズ調整レンズ素子移動部を制御して、上記スポットサイズ調整レンズ素子と上記光源との間の距離を、上記光源からの上記照射光が上記検出対象物の下面に集光するように設定する
ことを特徴とする光検出装置。
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