JP2014069968A - エレベータの閉じ込め救出システムおよび閉じ込め救出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡潔なシステム構成で、利便性が高く、さらに、迅速かつ効率的な救出対応を可能とするエレベータの閉じ込め救出システムおよび閉じ込め救出方法を得る。
【解決手段】遠隔監視センター(200)によって、保守員の現在位置に応じた地図情報を選択し、選択した地図情報に示されている各管理建物のうち、閉じ込めが発生した各管理建物のエレベータ号機の乗客状況に対応した画像優先度に基づいて巡回ルートを決定し、決定した巡回ルートが示された地図情報を保守用端末装置(300)に送信する。
【選択図】図1
【解決手段】遠隔監視センター(200)によって、保守員の現在位置に応じた地図情報を選択し、選択した地図情報に示されている各管理建物のうち、閉じ込めが発生した各管理建物のエレベータ号機の乗客状況に対応した画像優先度に基づいて巡回ルートを決定し、決定した巡回ルートが示された地図情報を保守用端末装置(300)に送信する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレベータのかご内に乗客が閉じ込められた場合におけるエレベータの閉じ込め救出システムおよび閉じ込め救出方法に関するものである。
例えば、大規模災害が発生した場合には、エレベータの停止により、かご内の閉じ込めが発生する恐れがある。なお、ここでいう「閉じ込め」とは、乗客がかご内に閉じ込められており、かごから外に出られない状態をいう。このような場合には、エレベータの保守員が救出作業を行うことになるが、保守員の人数には、限りがある。
そのため、かご内に閉じ込められた乗客の状況に応じて、優先的に救出する順序(優先度)を決定することが要求される。例えば、かご内に急病人や子供等の弱者が閉じ込められていれば、優先的に救出しなければならないと考えられる。
このような要求に応えるために、従来技術においては、エレベータの乗客にあらかじめ個人情報(障害や持病など)を含む情報媒体(RF−ID内蔵リストバンドやIDカードなど)を所持させる。また、かご内の閉じ込め発生時には、その情報媒体から個人情報を取得し、取得した個人情報に基づいて優先度を決定し、決定した優先度に基づいて乗客を救出するシステムがある(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
特許文献1、2に記載されるような従来システムは、乗客側の視点に立てば、個人情報を含む情報媒体を所持する必要があるので、大変面倒であった。また、管理者側の視点に立てば、システム全体の構成が複雑になるので、コスト面で大きな負担となっていた。そのため、従来システムの利便性は、低かった。
特許文献1、2に記載されるような従来システムは、乗客側の視点に立てば、個人情報を含む情報媒体を所持する必要があるので、大変面倒であった。また、管理者側の視点に立てば、システム全体の構成が複雑になるので、コスト面で大きな負担となっていた。そのため、従来システムの利便性は、低かった。
さらに、従来システムでは、保守員は、複数の建物のそれぞれにおいて、各エレベータのかご内に閉じ込められた乗客の救出作業を、優先度に基づいて行っていた。しかしながら、従来のシステムでは、保守員が複数の建物間を移動する場合のルート(以降では、巡回ルートと称す)の最適化までは、考慮されておらず、各保守員が迅速かつ効率的な救出対応を行うことが困難であった。
すなわち、場合によっては、保守員が複数の建物間を移動するのに多くの時間がかかってしまい、結果的に全件救出までに非常に多くの時間を要する恐れがあるという問題がある。特に、保守員が普段から保守・点検を実施しておらず土地勘がない地域の救出作業にあたる場合には、なおさらのことである。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、簡潔なシステム構成で、利便性が高く、さらに、迅速かつ効率的な救出対応を可能とするエレベータの閉じ込め救出システムおよび閉じ込め救出方法を得ることを目的とする。
本発明におけるエレベータの閉じ込め救出システムは、エレベータのかご内に乗客が閉じ込められた場合に、遠隔監視センターにおいて、保守員が閉じ込め復旧を行う巡回ルートを決定し、決定した巡回ルートを保守員が所持する保守用端末装置に送信するエレベータの閉じ込め救出システムであって、エレベータは、閉じ込めが発生した場合に、閉じ込めが発生したことを知らせる閉じ込め情報を出力するエレベータ制御部と、建物を特定するための管理建物情報、およびエレベータ号機を特定するためのエレベータ号機情報をあらかじめ記憶し、エレベータ制御部が出力した閉じ込め情報とともに、閉じ込め情報に対応する管理建物情報およびエレベータ号機情報を、閉じ込めが発生したエレベータ号機のかご内で撮影した乗客の画像情報と併せて遠隔監視センターに送信する遠隔監視部と、を備え、遠隔監視センターは、遠隔監視部から受信した閉じ込め情報、管理建物情報、エレベータ号機情報および画像情報に基づいて、閉じ込めが発生したエレベータ号機のかご内の乗客状況を、あらかじめ規定された乗客状況のパターンに分類するカメラ画像解析部と、保守員の現在位置を示す位置情報を取得するとともに、保守員の現在位置と、保守員が閉じ込め復旧を行うべき管理建物が示された地図情報とが関連付けられた地図テーブルに基づいて、取得した保守員の現在位置に対応した地図情報を選択する地図情報選択部と、あらかじめ規定された乗客状況のパターンと、画像優先度とが関連付けられた第1属性テーブルから、カメラ画像解析部が分類した閉じ込めが発生したエレベータ号機のかご内の乗客状況のパターンに基づいて、閉じ込めが発生したエレベータ号機のかご内の乗客状況に対応した画像優先度を決定する優先度判別部と、画像優先度に基づいて、地図情報選択部が選択した地図情報に示された管理建物において、巡回ルートを決定し、決定した巡回ルートが示された地図情報を、保守用端末装置に対して送信する巡回ルート選択部と、を備えることを特徴とするものである。
また、本発明におけるエレベータの閉じ込め救出方法は、エレベータのかご内に乗客が閉じ込められた場合に、遠隔監視センターにおいて、保守員が閉じ込め復旧を行う巡回ルートを決定し、決定した巡回ルートを保守員が所持する保守用端末装置に送信するエレベータの閉じ込め救出システムで実行されるエレベータの閉じ込め救出方法であって、閉じ込めが発生した場合に、閉じ込めが発生したことを知らせる閉じ込め情報を出力するエレベータ制御ステップと、建物を特定するための管理建物情報、およびエレベータ号機を特定するためのエレベータ号機情報をあらかじめ記憶し、エレベータ制御ステップにて出力された閉じ込め情報とともに、閉じ込め情報に対応する管理建物情報およびエレベータ号機情報を、閉じ込めが発生したエレベータ号機のかご内で撮影した乗客の画像情報と併せて遠隔監視センターに送信する遠隔監視ステップと、遠隔監視ステップにて送信された閉じ込め情報、管理建物情報、エレベータ号機情報および画像情報に基づいて、閉じ込めが発生したエレベータ号機のかご内の乗客状況を、あらかじめ規定された乗客状況のパターンに分類するカメラ画像解析ステップと、保守員の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、位置情報取得ステップにて取得された保守員の現在位置と、保守員が閉じ込め復旧を行うべき管理建物が示された地図情報とが関連付けられた地図テーブルに基づいて、取得した保守員の現在位置に対応した地図情報を選択する地図情報選択ステップと、あらかじめ規定された乗客状況のパターンと、画像優先度とが関連付けられた第1属性テーブルから、カメラ画像解析ステップにて分類された閉じ込めが発生したエレベータ号機のかご内の乗客状況のパターンに基づいて、閉じ込めが発生したエレベータ号機のかご内の乗客状況に対応した画像優先度を決定する優先度判別ステップと、優先度判別ステップにて決定された画像優先度に基づいて、地図情報選択ステップにて選択された地図情報に示された管理建物において、巡回ルートを決定し、決定した巡回ルートが示された地図情報を、保守用端末装置に対して送信する巡回ルート選択ステップと、を備えることを特徴とするものである。
本発明におけるエレベータの閉じ込め救出システムおよび閉じ込め救出方法によれば、保守員の現在位置に応じた地図情報を選択し、選択した地図情報に示されている各管理建物のうち、閉じ込めが発生した各管理建物のエレベータ号機の乗客状況に対応した画像優先度に基づいて巡回ルートを決定し、決定した巡回ルートが示された地図情報を保守用端末装置に送信することができる。これにより、簡潔なシステム構成で、利便性が高く、さらに、迅速かつ効率的な救出対応を可能とするエレベータの閉じ込め救出システムおよび閉じ込め救出方法を得ることができる。
以下、本発明のエレベータの閉じ込め救出システムおよび閉じ込め救出方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるエレベータの閉じ込め救出システムの構成図である。この図1の閉じ込め救出システムは、エレベータ100、遠隔監視センター200、保守用端末装置300およびネットワーク400から構成される。
図1は、本発明の実施の形態1におけるエレベータの閉じ込め救出システムの構成図である。この図1の閉じ込め救出システムは、エレベータ100、遠隔監視センター200、保守用端末装置300およびネットワーク400から構成される。
エレベータ100は、かご110、エレベータ制御部120および遠隔監視部130を有している。また、かご110の内部には、カメラ111が設けられている。なお、遠隔監視部130は、同じ建物内に複数のエレベータ100が設置されている場合には、複数のエレベータ100をまとめて監視することもできる。
遠隔監視センター200は、カメラ画像解析部210、優先度判別部220、地図情報選択部230および巡回ルート選択部240を有している。また、優先度判別部220は、画像優先度判別部221、建物優先度判別部222および総合優先度判別部223を含んでいる。
保守用端末装置300は、保守員によって携帯されており、さらに、遠隔監視センター200との間で、情報の送受信を行うことができる。
次に、図1のエレベータ100、遠隔監視センター200および保守用端末装置300から構成されるシステムにおいて、各部の機能・動作について、具体例を例示しながら説明する。
はじめに、エレベータ100における各部の機能・動作について説明する。エレベータ制御部120は、かご110内で閉じ込めが発生した場合に、遠隔監視部130に対して、閉じ込めが発生したことを知らせる閉じ込め情報を出力する。
遠隔監視部130は、建物を特定するための管理建物情報(例えば、建物番号など)、エレベータ号機を特定するためのエレベータ号機情報を、あらかじめ記憶している。また、遠隔監視部130は、かご110内で閉じ込めが発生したエレベータ100のエレベータ制御部120から閉じ込め情報が入力されると、遠隔監視センター200に対して、閉じ込め情報とともに、その閉じ込め情報に対応する管理建物情報およびエレベータ号機情報を、ネットワーク400を介して送信する。また、この場合には、閉じ込めが発生した各エレベータ号機のかご110内のカメラ111が撮影した乗客の画像情報も併せて送信する。
次に、遠隔監視センター200における各部の機能・動作について説明する。カメラ画像解析部210は、遠隔監視部130から閉じ込め情報、管理建物情報、エレベータ号機情報および乗客の画像情報を受信する。そして、これらの情報に基づいて、どの建物のどのエレベータ号機で閉じ込めが発生したかを特定するとともに、閉じ込めが発生したかご内の乗客状況を特定する。
また、カメラ画像解析部210は、閉じ込めが発生したかご110内の乗客状況を特定するために、各エレベータ号機の乗客の状況を、乗客の画像情報に基づいて、あらかじめユーザが規定する乗客状況のパターン(パターンの数および各パターンの内容)に分類する。
すなわち、ユーザが、あらかじめ、「かご内で倒れている人がいる状態」、「子供のみがいる状態」、「満員状態」、「その他(前述した場合のいずれにも該当しない場合)の状態」の4パターンの乗客状況を規定し、カメラ画像解析部210に対して、これらのパターンを記憶させる場合を考える。この場合には、カメラ画像解析部210は、受信した乗客の画像情報に基づいて、あらかじめユーザにより規定された4パターンのうち、現在の各エレベータ号機の乗客状況がどのパターンに該当するかを分類する。
そして、カメラ画像解析部210は、パターン別に分類した各エレベータ号機の乗客状況に関する情報を画像優先度判別部221に対して出力する。
なお、乗客の画像情報に基づいて、乗客状況をパターン別に分類する場合には、公知となっている画像認識技術を利用すればよい。例えば、顔画像認識技術を利用することにより、エレベータの乗客状況を推定することが可能である。
すなわち、このような顔に対する画像認識技術によれば、画像中に人物が存在した場合にその人物の顔の領域を検出することができる。そして、検出した顔の領域および特徴量(眼や鼻、口等の主要構成要素の配置や額と眼の濃淡差等などの特性)に基づき、「乗客が立っているか否か」、「乗客の人数」、「乗客の年代」、「乗客の性別」等といったことを推定できる。
なお、ユーザが規定する乗客状況のパターンについて、パターンの数および各パターンの内容については、これに限定されない。すなわち、ここでは、パターンの数を4パターンとして、各パターンの具体的内容を例示したに過ぎず、パターンの数および各パターンの内容はユーザが必要に応じてどのように規定してもよい。
次に、図2を参照しながら、画像優先度判別部221が画像優先度を決定する場合について説明する。
画像優先度判別部221は、ユーザがあらかじめ、カメラ画像解析部210に対して規定する乗客状況のパターンと、画像優先度とを関連付けた第1属性テーブル(図2(a)参照)を記憶している。
ここで、図2(a)の第1属性テーブルは、カメラ画像解析部210に記憶させた乗客状況のパターンに対応するように、あらかじめ規定されており、4パターンの乗客状況と、画像優先度とが関連付けられたテーブルである。
具体的には、「かご内で倒れている人がいる状態」、「子供のみがいる状態」、「満員状態」、「その他の状態」の項目に対する画像優先度は、それぞれ順番に、1、2、3、4となっている。ここで、画像優先度のそれぞれの値は、閉じ込め復旧を行う順序についての1つの決定基準を示しており、この画像優先度の値が小さくなるほど、優先的に閉じ込め復旧が行われることになる。なお、ここでいう「閉じ込め復旧を行う」とは、エレベータ内の乗客の救出対応を行うことをいう。
また、画像優先度判別部221は、図2(a)の第1属性テーブル、およびカメラ画像解析部210から入力された各エレベータ号機の乗客状況に関する情報に基づいて、図2(b)に示したテーブルのように、各エレベータ号機の乗客状況に対応する画像優先度を決定する。
また、画像優先度判別部221は、図2(b)のテーブルに示したような各エレベータ号機の乗客状況に対応する画像優先度の情報を総合優先度判別部223に対して出力する。
次に、図3を参照しながら、地図情報選択部230が保守員の現在の位置情報に基づいて地図情報を選択する場合の一例について説明する。
まず、保守員が携帯する保守用端末装置300から遠隔監視センター200に対して、巡回ルートが示された地図情報を要求するアクセスがあった場合には、地図情報選択部230は、保守員の現在位置を示す位置情報を取得する。この実施の形態1においては、保守用端末装置300からのアクセスが、保守員の位置情報を取得するトリガとなる。
なお、保守用端末装置300からのアクセスをトリガとする他に、例えば、遠隔監視センター200に所定数の閉じ込め情報が蓄積された段階で、遠隔監視センター200は、保守員が携帯する保守用端末装置300の位置情報を特定し、当該保守員の巡回ルートが示された地図情報を作成するようにしてもよい。
また、地図情報選択部230は、保守員の位置と、管理対象となるエレベータがある建物(以降、管理建物と称す)の位置を示す地図情報とを関連付けた地図テーブルを記憶している。さらに、地図情報選択部230は、取得した保守員の位置情報に基づいて、この地図テーブルの中から保守員の現在位置に対応する地図情報を選択する。
ここで、地図情報選択部230が選択する地図情報について、具体的に例示するために、地図情報選択部230は、図3に示すような保守員の現在位置Xに対応した地図情報を選択したと想定する。
この図3の地図情報には、管理建物として、建物A〜建物Hが示されており、さらに、各管理建物は、集合群ごとに第1グループ301(建物A、B)、第2グループ302(建物C、D、E)、第3グループ303(建物F、G、H)にグループ分けされている。また、各グループに属する管理建物は、建物の種類が特定されている。
さらに、図3の地図情報には、保守員が現在位置Xから近い建物グループの順(第1グループ301、第2グループ302、第3グループ303の順)に巡回できるように、巡回ルートが示されている。
このように、地図情報選択部230が選択する地図情報に示されている管理建物は、各管理建物の集合群ごとに建物グループとしてグループ分けされており、さらに、この地図情報には、保守員が複数の建物グループの閉じ込め復旧を行う場合において、これらの建物グループ間を移動するための巡回ルートが示されている。
なお、地図情報選択部230に記憶されている保守員の現在位置と、地図情報との関連付けは、ユーザによってあらかじめ規定されている。すなわち、ユーザは、保守員の位置と、その位置に対応する地図情報とを関連付けてあらかじめ規定しておき、地図情報選択部230に地図テーブルとして記憶させている。また、ユーザは、地図情報に示される管理建物において、建物の種類も記憶させている。
また、地図情報選択部230は、図3に示すような保守員の現在位置に応じて選択した地図情報を建物優先度判別部222に対して出力する。
次に、図4を参照しながら、建物優先度判別部222が建物優先度を決定する場合について説明する。
建物優先度判別部222は、ユーザがあらかじめ規定した管理建物の種類と、建物優先度とを関連付けた第2属性テーブル(図4(a)参照)を記憶している。
ここで、図4(a)の第2属性テーブルは、ユーザによってあらかじめ規定されており、3パターンの管理建物と、建物優先度とが関連付けられたテーブルである。
具体的には、管理建物のパターンを「病院」、「公共施設」、「その他(前述した種類のいずれにも該当しない建物であり、例えば、一般ビル、住宅等)」といった3パターンに分類している。また、各パターンの管理建物の項目に対応する建物優先度は、それぞれ順番に、1、2、3となっている。ここで、建物優先度のそれぞれの値は、前述した画像優先度と同様に、閉じ込め復旧を行う順序についての1つの決定基準を示しており、この建物優先度の値が小さくなるほど、優先的に閉じ込め復旧が行われることになる。
なお、ユーザが規定する管理建物のパターンについて、パターンの数および各パターンの内容については、これに限定されない。すなわち、ここでは、パターンの数を3パターンとして、各パターンの内容を具体的に例示したに過ぎず、パターンの数および各パターンの内容はユーザが必要に応じてどのように規定してもよい。
また、建物優先度判別部222は、地図情報選択部230から入力された図3に示したような地図情報に示される各建物グループに属する各管理建物をパターン別に分類することにより、図4(b)に示したテーブルのように各管理建物のパターンに対応する建物優先度を決定する。
また、建物優先度判別部222は、地図情報選択部230から入力された図3に示したような地図情報、および図4(b)のテーブルに示したような各管理建物パターンに対応する建物優先度の情報を総合優先度判別部223に対して出力する。
次に、図5を参照しながら、総合優先度判別部223が総合優先度を決定する場合について説明する。
総合優先度判別部223は、画像優先度判別部221から入力された各エレベータ号機の乗客状況に対応する画像優先度の情報(図2(b))と、建物優先度判別部222から入力された各管理建物パターンに対応する建物優先度の情報(図4(b))とに基づいて、各管理建物における総合優先度を決定する。
具体的には、総合優先度判別部223は、各建物グループに属する各管理建物の各エレベータ号機における乗客状況に対応する画像優先度と、各管理建物パターンに対応する建物優先度とを対応させながら各優先度の和を算出し、算出した和を総合優先度とする。
ただし、各管理建物において、エレベータ号機が複数ある管理建物の場合には、各優先度の和が複数存在することになる。このような場合には、複数ある各優先度の和の中における最小値を総合優先度とする。
次に、総合優先度判別部223が決定する各管理建物の総合優先度について、具体的に例示しながら説明する。ここでは、総合優先度判別部223が、この図5に示したテーブルに含まれる第1グループ301に属する建物Aの総合優先度を決定する場合を例として挙げる。
この第1グループ301に属する建物Aの管理建物のパターンは、先の図3、図4から明らかなように、「その他」に該当している。そのため、建物Aの建物優先度が3となる。また、建物Aにおけるエレベータ1号機の乗客状況のパターンは、先の図2から明らかなように、「子供のみがいる状態」に該当し、3号機の乗客状況のパターンは、「満員の状態」に該当する。そのため、エレベータ1号機の画像優先度が2となり、3号機の画像優先度が3となる。
したがって、建物Aのエレベータ1号機に対応する各優先度の和が5となり、3号機に対応する各優先度の和が6となるので、これらの各優先度の和の中における最小値である5が、建物Aの総合優先度となる。
また、各グループに属する各管理建物の総合優先度についても、建物Aにおける総合優先度と同様の手順を実行することにより、図5に示したように、各管理建物(建物B〜H)の総合優先度を決定することができる。
総合優先度判別部223は、このような手順を実行することにより、地図情報選択部230が選択した地図情報に示される各建物グループに属する各管理建物の総合優先度を決定することができる。
また、総合優先度判別部223は、地図情報選択部230が選択した地図情報に決定した各管理建物の総合優先度の情報を付加して巡回ルート選択部240に対して出力する。
次に、図6を参照しながら、巡回ルート選択部240が地図情報に付加された各管理建物の総合優先度の情報に基づいて、巡回ルートを最終決定する場合について説明する。
巡回ルート選択部240は、総合優先度判別部223から入力された地図情報(図3)に付加された各管理建物の総合優先度の情報(図5)に基づいて、各グループに属する各管理建物間を移動する順番を決定することにより、巡回ルートを最終決定する。具体的には、地図情報に示された各グループに属する各管理建物間を移動する順番は、管理建物の総合優先度が小さい順に移動するようにする。
すなわち、巡回ルート選択部240は、第1グループ301に属する建物A、B間において、それぞれの総合優先度に基づいて、各管理建物間を移動する順番を決定する。この場合には、先の図5に示したように建物A、Bの総合優先度がそれぞれ5、7になる。したがって、巡回ルート選択部240は、第1グループ301においては、建物A(総合優先度:5)、B(総合優先度:7)の順に保守員が移動するようにルートを決定する。
なお、同じ建物グループの属する管理建物間の総合優先度が同じ値の場合には、この場合におけるルートの決定方法をあらかじめ規定しておけばよい。すなわち、例えば、第1グループに属する建物Aと、建物Bとの総合優先度が同じ値の場合には、建物優先度が小さい管理建物の方から順に移動するようにルートを決定するといった決定方法がある。
同様に、巡回ルート選択部240は、第2グループ302に属する建物C、D、E間、および第3グループ303に属する建物F、G、H間においても、各グループに属する各管理建物間を移動する順番について、総合優先度が小さい順に移動するように決定する。この場合には、第2グループ302においては、建物E(総合優先度:2)、D(総合優先度:4)、C(総合優先度:7)の順に保守員が移動するようにルートを決定する。また、第3グループ303においては、建物F(総合優先度:3)、G(総合優先度:4)、H(総合優先度:7)の順に保守員が移動するようにルートを決定する。
以上をまとめると、巡回ルート選択部240は、保守員の現在位置Xに対して、建物A、B、E、D、C、F、G、Hの順に保守員が移動するように巡回ルートを決定することになる。
巡回ルート選択部240は、図6に示したように、地図情報選択部230が選択した地図情報に示されている各グループ間を順番に移動するルート(先の図3参照)に対して、さらに、各グループに属する各管理建物間を移動するルートを決定することにより、巡回ルートを最終決定し、地図情報に示す。
また、巡回ルート選択部240は、最終決定した巡回ルートが示された地図情報を遠隔監視センター200にアクセスした保守用端末装置300に対して送信する。
また、保守用端末装置300は、遠隔監視センター200から取得した地図情報を画面上に表示する。これにより、保守員は、保守用端末装置300の画面上に表示された地図情報の巡回ルートに従って、閉じ込め復旧を順次行うことができる。
次に、図7のフローチャートを参照しながら、システムを構成するエレベータ100、遠隔監視センター200および保守用端末装置300の一連の動作手順について説明する。
まず、ステップS701にて、カメラ画像解析部210は、遠隔監視部130から、閉じ込め情報、管理建物情報、エレベータ号機情報および乗客の画像情報を受信したか否かを判断する。
カメラ画像解析部210は、ステップS701にて、遠隔監視部130から、閉じ込め情報、管理建物情報、エレベータ号機情報および乗客の画像情報を受信していない(すなわち、No)と判断すれば、システムの動作を終了する。
一方、カメラ画像解析部210は、ステップS701にて、遠隔監視部130から、閉じ込め情報、管理建物情報、エレベータ号機情報および乗客の画像情報を受信した(すなわち、Yes)と判断すれば、ステップS702に進む。
次に、地図情報選択部230は、ステップS702にて、保守用端末装置300から巡回ルートが示された地図情報を要求するアクセスがあったか否かを判断する。
地図情報選択部230は、ステップS702にて、保守用端末装置300からアクセスがない(すなわち、No)と判断すれば、システムの動作を終了する。一方、地図情報選択部230は、ステップS702にて、保守用端末装置300からアクセスがあった(すなわち、Yes)と判断すれば、ステップS703に進む。
次に、カメラ画像解析部210は、ステップS703にて、閉じ込め情報、管理建物情報、エレベータ号機情報および乗客の画像情報に基づいて、画像解析を行い、各エレベータ号機の乗客の状況を、あらかじめユーザが規定する乗客状況のパターンに分類する。
また、画像優先度判別部221は、ステップS704にて、第1属性テーブルおよびカメラ画像解析部210がパターン別に分類した各エレベータ号機の乗客状況に関する情報に基づいて、各エレベータ号機の画像優先度を決定する。
次に、地図情報選択部230は、ステップS705にて、保守用端末装置300からアクセスした保守員の現在位置に対応する地図情報を地図テーブルの中から選択する。
また、建物優先度判別部222は、ステップS706にて、地図情報選択部230が選択した地図情報に示された管理建物をあらかじめ規定した管理建物のパターンに分類し、第2属性テーブルに基づいて、各管理建物のパターンに対応する建物優先度を決定する。
次に、総合優先度判別部223は、ステップS707にて、画像優先度判別部221が決定した画像優先度と、建物優先度判別部222が決定した建物優先度との和を算出し、各管理建物の総合優先度を決定する。
また、巡回ルート選択部240は、ステップS708にて、地図情報選択部230が選択した地図情報に対して、地図情報に付加された総合優先度の情報に基づいて、巡回ルートを最終決定する。
最後に、巡回ルート選択部240は、ステップS709にて、最終決定した巡回ルートが示された地図情報を、アクセスした保守用端末装置300に対して送信し、一連の処理を終了する。
このような一連処置により、保守用端末装置300は、遠隔監視センター200から巡回ルートが示された地図情報を取得することができる。
以上のように、本発明の形態1によれば、遠隔監視センターは、保守員が複数の建物間の閉じ込め復旧を行う場合において、保守員の現在位置に応じた地図情報を選択し、選択した地図情報に示された各管理建物の内、閉じ込めが発生した各管理建物のエレベータ号機における乗客状況に対応した画像優先度と、各管理建物の種類に対応した建物優先度とに基づいて巡回ルートを決定し、決定した巡回ルートが示された地図情報を保守用端末装置に送信する。
これにより、保守員は、保守用端末装置の画面上に表示された地図情報に示された巡回ルートに従って、閉じ込め復旧を順次行うことが可能となり、簡潔なシステム構成で、利便性が高く、さらに、迅速かつ効率的な救出対応を可能とすることができる。
なお、本実施の形態1においては、先の図2(a)の第1属性テーブルの画像優先度の値、および先の図4(b)の建物優先度の値については、例示した値に限らない。すなわち、画像優先度および建物優先度の値は、あくまでも保守員が閉じ込め復旧を行うための巡回ルートを決定するための1つの基準となる値に過ぎず、あらかじめ規定する巡回ルートの決定方法に応じて、どのような値であってもよい。
また、本実施の形態1においては、閉じ込めが発生した各管理建物のエレベータ号機における乗客状況に対応した画像優先度と、各管理建物の種類に対応した建物優先度とに基づいて、巡回ルート選択部240が巡回ルートを決定したが、これに限定されない。すなわち、巡回ルート選択部240は、画像優先度のみに基づいて、巡回ルートを決定した場合であっても、同様の効果を得ることができる。
また、巡回ルート選択部240は、カメラ画像から人が倒れていると判定された建物については、別途緊急車両などにて緊急対応するために、人が倒れている建物を除外して、巡回ルートを作成するようにしてもよい。
100 エレベータ、110 かご、111 カメラ、120 エレベータ制御部、130 遠隔監視部、200 遠隔監視センター、210 カメラ画像解析部、220 優先度判別部、221 画像優先度判別部、222 建物優先度判別部、223 総合優先度判別部、230 地図情報選択部、240 巡回ルート選択部、300 保守用端末装置、400 ネットワーク。
Claims (4)
- エレベータのかご内に乗客が閉じ込められた場合に、遠隔監視センターにおいて、保守員が閉じ込め復旧を行う巡回ルートを決定し、決定した前記巡回ルートを前記保守員が所持する保守用端末装置に送信するエレベータの閉じ込め救出システムであって、
前記エレベータは、
閉じ込めが発生した場合に、閉じ込めが発生したことを知らせる閉じ込め情報を出力するエレベータ制御部と、
建物を特定するための管理建物情報、およびエレベータ号機を特定するためのエレベータ号機情報をあらかじめ記憶し、前記エレベータ制御部が出力した前記閉じ込め情報とともに、前記閉じ込め情報に対応する前記管理建物情報および前記エレベータ号機情報を、閉じ込めが発生した前記エレベータ号機のかご内で撮影した乗客の画像情報と併せて前記遠隔監視センターに送信する遠隔監視部と、を備え、
前記遠隔監視センターは、
前記遠隔監視部から受信した前記閉じ込め情報、前記管理建物情報、前記エレベータ号機情報および前記画像情報に基づいて、閉じ込めが発生した前記エレベータ号機のかご内の乗客状況を、あらかじめ規定された乗客状況のパターンに分類するカメラ画像解析部と、
前記保守員の現在位置を示す位置情報を取得するとともに、前記保守員の現在位置と、前記保守員が閉じ込め復旧を行うべき管理建物が示された地図情報とが関連付けられた地図テーブルに基づいて、取得した前記保守員の現在位置に対応した前記地図情報を選択する地図情報選択部と、
前記あらかじめ規定された乗客状況のパターンと、画像優先度とが関連付けられた第1属性テーブルから、前記カメラ画像解析部が分類した閉じ込めが発生した前記エレベータ号機のかご内の乗客状況のパターンに基づいて、閉じ込めが発生した前記エレベータ号機のかご内の乗客状況に対応した前記画像優先度を決定する優先度判別部と、
前記画像優先度に基づいて、前記地図情報選択部が選択した前記地図情報に示された前記管理建物において、前記巡回ルートを決定し、決定した前記巡回ルートが示された前記地図情報を、前記保守用端末装置に対して送信する巡回ルート選択部と、を備える
ことを特徴とするエレベータの閉じ込め救出システム。 - 請求項1に記載のエレベータの閉じ込め救出システムにおいて、
前記優先度判別部は、あらかじめ規定された管理建物の建物パターンと、建物優先度とが関連付けられた第2属性テーブルから、前記地図情報選択部が選択した前記地図情報に基づいて、前記地図情報に示された前記管理建物に対応した前記建物優先度をさらに決定し、
前記巡回ルート選択部は、前記優先度判別部が決定した前記画像優先度と併せて、前記建物優先度にも基づいて、前記巡回ルートを決定する
ことを特徴とするエレベータの閉じ込め救出システム。 - エレベータのかご内に乗客が閉じ込められた場合に、遠隔監視センターにおいて、保守員が閉じ込め復旧を行う巡回ルートを決定し、決定した前記巡回ルートを前記保守員が所持する保守用端末装置に送信するエレベータの閉じ込め救出システムで実行されるエレベータの閉じ込め救出方法であって、
閉じ込めが発生した場合に、閉じ込めが発生したことを知らせる閉じ込め情報を出力するエレベータ制御ステップと、
建物を特定するための管理建物情報、およびエレベータ号機を特定するためのエレベータ号機情報をあらかじめ記憶し、前記エレベータ制御ステップにて出力された前記閉じ込め情報とともに、前記閉じ込め情報に対応する前記管理建物情報および前記エレベータ号機情報を、閉じ込めが発生した前記エレベータ号機のかご内で撮影した乗客の画像情報と併せて前記遠隔監視センターに送信する遠隔監視ステップと、
前記遠隔監視ステップにて送信された前記閉じ込め情報、前記管理建物情報、前記エレベータ号機情報および前記画像情報に基づいて、閉じ込めが発生した前記エレベータ号機のかご内の乗客状況を、あらかじめ規定された乗客状況のパターンに分類するカメラ画像解析ステップと、
前記保守員の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報取得ステップにて取得された前記保守員の現在位置と、前記保守員が閉じ込め復旧を行うべき管理建物が示された地図情報とが関連付けられた地図テーブルに基づいて、取得した前記保守員の現在位置に対応した前記地図情報を選択する地図情報選択ステップと、
前記あらかじめ規定された乗客状況のパターンと、画像優先度とが関連付けられた第1属性テーブルから、前記カメラ画像解析ステップにて分類された閉じ込めが発生した前記エレベータ号機のかご内の乗客状況のパターンに基づいて、閉じ込めが発生した前記エレベータ号機のかご内の乗客状況に対応した前記画像優先度を決定する優先度判別ステップと、
前記優先度判別ステップにて決定された前記画像優先度に基づいて、前記地図情報選択ステップにて選択された前記地図情報に示された前記管理建物において、前記巡回ルートを決定し、決定した前記巡回ルートが示された前記地図情報を、前記保守用端末装置に対して送信する巡回ルート選択ステップと、を備える
ことを特徴とするエレベータの閉じ込め救出方法。 - 請求項3に記載のエレベータの閉じ込め救出方法において、
前記優先度判別ステップにおいて、あらかじめ規定された管理建物の建物パターンと、建物優先度とが関連付けられた第2属性テーブルから、前記地図情報選択ステップにて選択された前記地図情報に基づいて、前記地図情報に示された前記管理建物に対応した前記建物優先度をさらに決定し、
前記巡回ルート選択ステップにおいて、前記優先度判別ステップにて決定された前記画像優先度と併せて、前記建物優先度にも基づいて、前記巡回ルートを決定する
ことを特徴とするエレベータの閉じ込め救出方法。
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- 2012-10-02 JP JP2012220334A patent/JP2014069968A/ja active Pending
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