JP2014068613A - 細菌数測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】細菌数測定装置における細菌数の測定精度を向上させる。
【解決手段】細菌数測定装置(10)は、液体培地と検査対象となる菌が含まれる検体とで構成された溶液(L)が収容されたセル(20)と、セル(20)内に設けられ、且つ所定の電圧が印加される電極部(30)とを備え、セル(20)内の液体培地中の溶存酸素量を酸素電極法によって測定して検体中の菌数を算出するものを対象とし、セル(20)は、セル(20)内の空気と溶液(L)との界面から溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止する油膜(35)を備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、細菌数測定装置に関し、特に、細菌数測定の精度向上対策に係るものである。
従来より、食品の衛生管理などを達成するために食品などの検体に含まれる細菌の数を測定することが要求されている。特許文献1には、この種の細菌数測定装置が開示されている。この細菌数測定装置は、液体培地および被検食品を収容するセル本体と、セル本体の内部から外部に導出される電極端子とを有する測定セルを備えている。そして、細菌数測定装置では、酸素電極法によって、電極端子の極間を流れる電流値を測定することで、液体培地中の溶存酸素量が所定量に達するまでの時間を計測し、この計測した時間(検出時間)に基づいて検体中に含まれる細菌数を算出している。
特開2000−287699号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示される細菌数測定装置では、検体に含まれる細菌数が少ない(例えば10〜10CFU/ml)ような場合、長時間測定を継続すると、計測される電流値のばらつきが大きくなり、計測した電流値が上記溶存酸素量の所定量に対応する電流値(電流閾値)よりも突発的に低くなってしまうことがある。これにより、液体培地中の溶存酸素量が所定量に達するまでの時間が誤って計測されてしまうため、検体中に含まれる細菌数を誤って算出してしまうという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、細菌数測定装置において、細菌数測定の精度を向上させることを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、液体培地と検体とで構成される溶液をセル内に収容した場合、上記溶液に含まれる水分が時間の経過と共に少しずつ空気中に蒸発し、該溶液の粘度が高くなってしまうという現象を見出した。これにより、セル内部に設けられた酸素電極に、液体培地や検体などに含まれる成分などが付着することにより、電極面積が減少し、電流が変動してしまう。したがって、測定時間が長時間になった場合、電流の誤検出が増加し、その結果、細菌数を誤って算出してしまうと考えられる。
第1の発明は、液体培地と検査対象となる菌が含まれる検体とで構成された溶液(L)が収容されたセル(20)と、該セル(20)内に設けられ、且つ所定の電圧が印加される電極部材(30)とを備え、上記セル(20)内の液体培地中の溶存酸素量を酸素電極法によって測定して上記検体中の菌数を算出する細菌数測定装置であって、上記セル(20)は、該セル(20)内の空気と上記溶液(L)との界面から該溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止する阻止手段(35)を備えている。
上記第1の発明では、阻止手段(35)がセル(20)内に収容された溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止する。ここで、上述したように、セル内の溶液中の水分量が低下すると、該溶液の粘度が高くなる。このため、セルに設けられる電極部材の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着し、電極面積が減少して電極部材間を流れる電流が変動する。
しかしながら、本発明では、阻止手段(35)によってセル(20)内の溶液(L)の水分が蒸発して該水分の量が低下するのを防ぐことができるため、上記溶液(L)の粘度が高くなりにくい。このため、セル(20)内に設けられる電極部材(30)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着し、電極面積が減少するのを防止することができる。こうすることで、電極部材(30)間を流れる電流の変動を防止できる。この結果、検体中の菌数を誤って算出するのを防止できる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記阻止手段(35)は、油によって上記セル(20)内の溶液(L)と空気との界面に形成される油膜(35)によって構成されている。
上記第2の発明では、セル(20)内の溶液(L)と空気との界面に油膜(35)が形成されている。油膜(35)は、溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記油膜(35)は、流動パラフィンによって構成されている。
上記第3の発明では、セル(20)内の溶液(L)と空気との界面に流動パラフィンで構成される油膜(35)が形成されている。この流動パラフィンからなる油膜(35)が溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止する。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか1つにおいて、上記電極部材(30)は、上記セル(20)内の上記溶液(L)に対して露出して配置されている。
上記第4の発明では、電極部材(30)をセル(20)内の溶液(L)に対して露出して配置している。このため、仮に、セル(20)内の溶液(L)中の水分量が低下すると、該溶液(L)の粘度が高くなり、電極部材(30)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着し、電極面積が減少して電極部材(30)間を流れる電流が変動する。しかしながら、本発明では、阻止手段(35)によってセル(20)内の溶液(L)の水分の蒸発を阻止し、水分量が低下するのを防ぐことができるため、上記溶液(L)の粘度が高くなりにくい。このため、電極部材(30)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着して電極面積が減少するのを防止できる。こうすることで、電極部材(30)間を流れる電流が変動するのを防止することができる。この結果、検体中の菌数を誤って算出するのを防止することができる。
第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何れか1つにおいて、上記セル(20)内の温度を所定の温度に保つ保温装置(40)を備えている。
上記第5の発明では、保温装置(40)は、セル(20)内の温度を所定の温度に保っている。このため、セル(20)内では、溶液(L)中に含まれる水分が蒸発し易くなる。しかしながら、本発明では、阻止手段(35)によってセル(20)内の溶液(L)中の水分が蒸発するのを防ぐことができるため、上記溶液(L)の粘度が高くなるのを防ぐことができる。
上記第1の発明によれば、セル(20)内に収容される溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止する阻止手段(35)を設けたため、セル(20)内の溶液(L)の水分量の低下を防ぎ、上記溶液(L)が高粘度となるのを防ぐことができる。このため、電極部材(30)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着して電極面積が減少するのを防止することができる。これにより、電極部材(30)間を流れる電流の変動を防止することができる。この結果、検体中の菌数を誤って算出するのを防止できるため、細菌数の測定精度を向上させることができる。
上記第2および第3の発明によれば、セル(20)内の空気と溶液(L)との界面に油膜(35)を形成したため、セル(20)内の溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止することができる。このため、セル(20)内の溶液(L)の水分量の低下を防ぎ、上記溶液(L)が高粘度となるのを防ぐことができる。これにより、電極部材(30)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着して電極面積が減少するのを防ぎ、電極部材(30)間を流れる電流の変動を防止することができる。この結果、検体中の菌数を誤って算出するのを防止できるため、細菌数の測定精度を向上させることができる。
上記第4の発明では、セル(20)内の溶液(L)に対して電極部材(30)を露出させて配置させた。ここで、仮にセル(20)内の溶液(L)の粘度が高くなると、電極部材(30)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着し易くなる。しかしながら、本発明では、阻止手段(35)によって、セル(20)内の溶液(L)中の水分が蒸発するのを防ぐことができる。つまり、電極部材(30)の表面に付着物が付着するのを防止する付着防止部材を設けることなく、より簡易的な手段でもって、電極部材(30)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着するのを防ぐことができる。
上記第5の発明によれば、セル(20)内の温度を所定温度に保つ保温装置(40)を設けたため、液体培地中の菌の培養を促すことができる。ここで、保温装置(40)によってセル(20)内の温度を所定の温度に保温すると、溶液(L)中に含まれる水分が蒸発し易くなる。しかしながら、本発明では、阻止手段(35)によってセル(20)内の溶液(L)中の水分が蒸発するのを防ぐことができる。このため、セル(20)を保温しても、電極部材(30)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着して電極面積の減少を防ぎ、電極部材(30)間を流れる電流の変動を防止することができる。この結果、保温装置(40)を用いた場合であっても、検体中の菌数を誤って算出するのを防止することができる。
実施形態に係る細菌数測定装置を示す斜視図である。 実施形態に係る細菌数測定装置の一部を拡大して示す図である。 実施形態に係るセルを示す斜視図である。 実施形態に係るセルの一部を省略して示す図である。 酸素電極法を説明する説明図である。 実施形態に係る測定装置本体の構成を示す図である。 実施形態に係る細菌数測定装置の構成を模式的に示す図である。 実施形態に係る細菌数に応じた電流の変化と時間の経過との関係を示す図と、検出時間と細菌数との関係である検量線を示す図である。 従来例に係る時間と電流との関係を示すグラフである。 実施形態に係る細菌数測定装置を用いた場合の時間と電流との関係を示すグラフである。 (a)〜(c)は、従来例に係る細菌数測定装置を用いた場合の時間と電流との関係を示すグラフである。 (a)〜(c)は、実施形態に係る細菌数測定装置を用いた場合の時間と電流との関係を示すグラフである。 実施形態の変形例1に係るオリーブオイルによって形成される油膜を用いた場合の時間と電流との関係を示すグラフである。 実施形態の変形例2に係るサラダオイルによって形成される油膜を用いた場合の時間と電流との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2に示すように、本発明の実施形態に係る細菌数測定装置(10)は、酸素電極法(DOX(登録商標)dissolved oxygen electrode method)を用いてセル(20)内に収容された溶液(L)中の酸素量を測定し、食品等に含まれる細菌数を測定するものである。図2に示すように、細菌数測定装置(10)は、測定装置本体(11)とセル(20)とを有している。セル(20)は、測定装置本体(11)に対して着脱可能に構成されている。
図3および図4に示すように、上記セル(20)は、液体培地と検体(生理食塩水と被検食品とを粉砕・攪拌したもの)とで構成される溶液(L)を収容するものである。セル(20)は、蓋部(21)と本体部(22)と電極部(30)と保護片(27)とで構成されている。
上記本体部(22)は、平面視で略長方形状に形成された扁平な箱体に形成されている。本体部(22)は、その長手方向の一端側に開口部(23)が形成され、該開口部(23)の周縁に蓋部(21)が取り付けられている。また、本体部(22)は、その長手方向の他端側の一部が長手方向の内側に向かって凹んで凹部(24)が形成されている。凹部(24)は、本体部(22)の長手方向の他端面から該長手方向の内側に向かって延びる第1壁部(25)と、第1壁部(25)の内側端部から折れ曲がり本体部(22)の幅方向外側に向かって延びる第2壁部(26)とで構成されている。
上記蓋部(21)は、平面視で略長方形状に形成され、上記本体部(22)の長手方向の一端側の開口部(23)の周縁に取り付けられ、開口部(23)を開閉可能に構成されている。
上記電極部(30)は、酸素電極法により、対極(31)と作用極(32)との間に流れる電流を測定することで、液体培地中の溶存酸素量を検出するものである。電極部(30)は、対極(31)と作用極(32)と参照極(33)とを備えている。対極(31)と作用極(32)と参照極(33)は、第1壁部(25)に沿って本体部(22)の内部に延びて配置されると共に、各極(31,32,33)と対応する電極端子(31a,32a,33a)が本体部(22)の外部に引き出されている。つまり、対極(31)、作用極(32)および参照極(33)は、本体部(22)の内部において溶液(L)と接触している。尚、電極部(30)は、本発明に係る電極部材を構成している。
ここで、図5に示すように、セル(20)内の溶液(L)に酸素が溶存する場合、電極部(30)に電圧が印加されると、作用極(32)の表面でのO+4H+4e → 2HOの反応が生じ、対極(31)と作用極(32)との間に、溶存酸素量に対応する大きさの電流が流れる。このため、対極(31)と作用極(32)との間に流れる電流値を測定することで、液中の溶存酸素量を知ることができる。
上記保護片(27)は、上記本体部(22)の長手方向の他端から外方に向かって延びる部材である。保護片(27)は、本体部(22)の長手方向の他端の幅方向に沿って形成されている。また、保護片(27)は、本体部(22)の外部に露出する電極端子(31a,32a,33a)よりも外部まで延びている。こうすることで、作業者の手などが電極端子(31a,32a,33a)に触れるのを防止している。尚、保護片(27)と本体部(22)とは一体成形される。
上記セル(20)に液体培地と検体とで構成される溶液(L)が充填されると、その後、流動パラフィンが添加される。流動パラフィンは、水よりも比重が軽く、所定の粘度を有し、且つ水と親和性が低いため、セル(20)内において空気と溶液(L)との界面において油膜(35)を形成する。油膜(35)は、セル(20)の内部において、溶液(L)の液面全体を覆うように形成される。尚、油膜(35)は、本発明に係る阻止手段を構成している。
図6および図7に示すように、上記測定装置本体(11)は、直方体状の箱体に形成され、上面に上記セル(20)を装着可能な装着部(12)が多数設けられている。各セル(20)は、1つの装着部(12)に対して装着される。測定装置本体(11)は、各セル(20)の電極部(30)に電圧を印加する電源部(13)と、各セル(20)で計測された電流値を入力し、入力した電流値に基づいて食品中の細菌数を算出する処理部(14)と、セル(20)内の温度を保つ(保温する)保温装置(40)とを備えている。
図7に示すように、上記電源部(13)は、上記各セル(20)の電極部(30)の各極(31,32,33)と電気的に接続され、該各極(31,32,33)に電圧を付与している。
上記処理部(14)は、時間計測部(15)と検出部(16)と検量線保持部(17)と細菌数出力部(18)とを有している。
上記時間計測部(15)は、各極(31,32)間に流れる電流測定が開始されたことに応答して時間計測動作を開始すると共に、検出部(16)からの検出信号に応答して時間計測動作を停止するものである。
上記検出部(16)は、電極部(30)を流れる電流の電流値が所定の閾値(例えば300nA)に達したことを検出するものである。図8に示すように、電極部(30)に流れる電流値が所定の閾値に達すると、液体培地中の溶存酸素量が所定量に低下したことを示している。検出部(16)では、電極部(30)を流れる電流の電流値が上記所定の閾値に達したことを検出すると、検出信号を出力する。
上記検量線保持部(17)は、図8に示すように、予め各極(31,32)間に流れる電流値が所定の閾値に達するまでの時間(検出時間)と食品中の初期菌数との関係を示した検量線を保持している。
上記細菌数出力部(18)は、検出部(16)からの検出信号に応答して、時間計測部(15)により計測された検出時間と、検量線保持部(17)に保持されている検量線とから算出された細菌数を得て出力する。
−細菌数の測定−
次に、細菌数の測定手順について説明する。
まず、食品などの検体10gと生理食塩水90mlとを準備し、ストマッカーで粉砕および攪拌する。検体と生理食塩水とを攪拌したものを1mlだけ採取し、液体培地1mlと混合する。そして、混合液(2ml)をセル(20)に分注する。次に、セル(20)に流動パラフィンを添加し、流動パラフィンで構成される油膜(35)をセル(20)内に形成する。その後、セル(20)を測定装置本体(11)の装着部(12)に装着して溶存酸素量の測定および経過時間の計測を開始し、セル(20)の内部温度を所定温度(例えば、35℃〜39℃)に保持して溶存酸素量の測定および経過時間の計測を継続する。溶存酸素量が所定量以下になるまでの所要時間(すなわち、各極(31,32)間を流れる電流の電流値が所定の閾値(例えば300nA)以下に低下するまでの時間))を計測し、計測された検出時間と検量線とから検体中の細菌数を算出する。
尚、細菌数測定装置では、例えば食品中の細菌数として、10〜10CFU/mlの範囲で測定することが可能である。また、液体培地を選択することにより、菌数の測定が要求される細菌のみを対象とする測定を行うことができる。
ここで、比較的細菌数の少ない食品(約10CFU/ml以下)を検査する場合、計測する時間(検出時間)は、12時間(720分)を超えてしまうことが考えられる。
このような場合、従来の酸素電極法を用いた細菌数測定装置を用いて細菌数の算出を行うと、図9に示すように、1000分以降において、各極間の電流の値がばらつき易くなる。この理由としては、セルの内部温度を所定温度に保ちつつ長時間経過させた場合、セル内の溶液の水分が蒸発し、その結果、溶液の粘度が高くなってしまうからであると考えられる。そうすると、セル内では、電極が溶液中に剥き出しになっているため、各極の表面に検体である食品成分などが脱着したり、被膜が形成されたりすることで各極の電極面積が変わってしまう。このため、測定される電流が変動してしまい、突発的に、測定電流の値が所定の閾値(例えば300nA)以下になってしまうことがある。これにより、検出部では、誤って検出信号を出してしまい、正しい細菌数を算出することが出来なくなる。
しかしながら、本実施形態に係る細菌数測定装置(10)を用いて細菌数の算出を行うと、セル(20)内の溶液(L)と空気との界面に流動パラフィンによる油膜(35)を形成したため、セル(20)内を保温し、且つ長時間(1000分以上)が経過したとしても、溶液(L)中の水分の蒸発を防ぐことができる。このため、図10に示すように、セル(20)内を保温し、且つ長時間が経過したとしても、各極(31,32)間を流れる電流値の変動を確実に抑えることができる。これにより、検出部(16)からは正しい検出信号が出力されるため、正確な細菌数を算出することができる。
次に、細菌数が比較的多い状態の食品を検査する場合について説明する。この場合、計測する時間(検出時間)は、8〜14時間(480分〜840分)の間で終了する。
ところが、図11に示すように、従来の酸素電極法を用いた細菌数測定装置を用いて細菌数の算出を行うと、約1000分が経過したら、各極間を流れる電流の値が変動している。
一方、本実施形態に係る細菌数測定装置(10)を用いて細菌数の算出を行うと、セル(20)内の溶液(L)と空気との界面に流動パラフィンによる油膜(35)を形成したため、セル(20)内を保温し、且つ長時間が経過したとしても、溶液(L)中の水分の蒸発を防ぐことができる。このため、図12に示すように、セル(20)内を保温しながら1000分が経過しても、各極(31,32)間を流れる電流値の変動を確実に抑えることができる。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、セル(20)内の空気と溶液(L)との界面に流動パラフィンによって構成される油膜(35)を形成したため、セル(20)内の溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止することができる。このため、セル(20)内の溶液(L)の水分量の低下を防ぎ、上記溶液(L)が高粘度となるのを防ぐことができる。これにより、各極(31,32,33)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着して電極面積が低下するのを防ぎ、各極(31,32)間を流れる電流の変動を防止することができる。この結果、検体中の菌数を誤って算出するのを防止できるため、細菌数の測定精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、セル(20)内の溶液(L)に対して各極(31,32,33)を露出させて配置させた。ここで、仮にセル(20)内の溶液(L)の粘度が高くなると、各極(31,32,33)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着し易くなる。しかしながら、本実施形態では、油膜(35)によって、セル(20)内の溶液(L)中の水分が蒸発するのを防ぐことができる。つまり、各極(31,32,33)の表面に付着物が付着するのを防止する付着防止部材を設けることなく、より簡易的な手段でもって、各極(31,32,33)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着するのを防ぐことができる。
また、セル(20)内の温度を所定温度に保つ保温装置(40)を設けたため、液体培地中の菌の培養を促すことができる。ここで、保温装置(40)によってセル(20)内の温度を所定の温度に保温すると、溶液(L)中に含まれる水分が蒸発し易くなる。しかしながら、本実施形態では、油膜(35)によってセル(20)内の溶液(L)中の水分が蒸発するのを防ぐことができる。このため、セル(20)を保温しても、各極(31,32,33)の表面に液体培地や検体などに含まれる成分が付着して電極面積の減少を防ぎ、各極(31,32)間を流れる電流の変動を防止することができる。この結果、保温装置(40)を用いた場合であっても、検体中の菌数を誤って算出するのを防止することができる。
−実施形態の変形例1−
次に、本実施形態の変形例1について説明する。本変形例1に係る細菌数測定装置(10)は、上記実施形態とは、油膜(35)を構成する物質が異なるものである。尚、本変形例1では、上記実施形態と異なる部分についてのみ説明し、共通する部分については説明を省略する。
本変形例1では、セル(20)内の溶液(L)と空気との界面にオリーブオイルによる油膜(35)を形成したため、セル(20)内を保温し、且つ長時間が経過したとしても、溶液(L)中の水分の蒸発を防ぐことができる。このため、図13に示すように、セル(20)内を保温し、且つ長時間が経過したとしても、各極(31,32)間を流れる電流値の変動を確実に抑えることができる。これにより、検出部(16)からは正しい検出信号が出力されるため、正確な細菌数を算出することができる。その他の構成、作用・効果は上記実施形態と同様である。
−実施形態の変形例2−
次に、本実施形態の変形例2について説明する。本変形例2に係る細菌数測定装置(10)は、上記実施形態とは、油膜(35)を構成する物質が異なるものである。尚、本変形例2では、上記実施形態と異なる部分についてのみ説明し、共通する部分については説明を省略する。
本変形例2では、セル(20)内の溶液(L)と空気との界面にサラダオイルによる油膜(35)を形成したため、セル(20)内を保温し、且つ長時間が経過したとしても、溶液(L)中の水分の蒸発を防ぐことができる。このため、図14に示すように、セル(20)内を保温し、且つ長時間が経過したとしても、各極(31,32)間を流れる電流値の変動を確実に抑えることができる。これにより、検出部(16)からは正しい検出信号が出力されるため、正確な細菌数を算出することができる。その他の構成、作用・効果は上記実施形態と同様である。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、本発明に係る阻止手段として、流動パラフィンを用いたが、本発明はこれに限られず、所定の粘度を有すると共に比重が水よりも軽く、且つ水と親和性が低い液体を用いることができる。
例えば、油などによってセル(20)内の溶液(L)と空気との界面に油膜を形成するようにしてもよい。油としては、例示として、航空揮発油、揮発油、灯油、軽油、ディーゼル油、潤滑油、テレピン油、アマニ油、ヒマシ油、動物油などを用いてもよい。
また、本発明に係る阻止手段としては、油などの液体に限らず、セル(20)内の溶液(L)中の水分の蒸発を防ぐものであればよい。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、酸素電極法を用いた細菌数測定装置について有用である。
20 セル
30 電極部
35 油膜
40 保温装置

Claims (5)

  1. 液体培地と検査対象となる菌が含まれる検体とで構成された溶液(L)が収容されたセル(20)と、該セル(20)内に設けられ、且つ所定の電圧が印加される電極部材(30)とを備え、上記セル(20)内の液体培地中の溶存酸素量を酸素電極法によって測定して上記検体中の菌数を算出する細菌数測定装置であって、
    上記セル(20)は、該セル(20)内の空気と上記溶液(L)との界面から該溶液(L)中の水分が蒸発するのを阻止する阻止手段(35)を備えている
    ことを特徴とする細菌数測定装置。
  2. 請求項1において、
    上記阻止手段(35)は、油によって上記セル(20)内の溶液(L)と空気との界面に形成される油膜(35)によって構成されている
    ことを特徴とする細菌数測定装置。
  3. 請求項2において、
    上記油膜(35)は、流動パラフィンによって構成されている
    ことを特徴とする細菌数測定装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1つにおいて、
    上記電極部材(30)は、上記セル(20)内の上記溶液(L)に対して露出して配置されている
    ことを特徴とする細菌数測定装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1つにおいて、
    上記セル(20)内の温度を所定の温度に保つ保温装置(40)を備えている
    ことを特徴とする細菌数測定装置。
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