JP2014067950A - 表面加工装置、表面加工方法および流量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少量の流量でも反応ガスを安定して制御できる表面加工装置を提供する。
【解決手段】表面加工装置1は、表面加工がなされる基板8を載置するための載置部7と、反応ガスG(主ガスg1)を供給するガス供給部2と、ガス供給部2からの主ガスg1を誘導する流路3と、流路3に設けられ主ガスg1の流量を調整して調整ガスg2としてノズル群5へ供給する流量調整機構4と、ノズル群5を構成し複数に分岐して導入される調整ガスg2を供給ガスg3として載置部7へ供給する複数のノズルn1〜n10と、載置部7とノズルn1〜n10とを相対的に移動させる移動部9と、を備え、流量調整機構4は、開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】表面加工装置1は、表面加工がなされる基板8を載置するための載置部7と、反応ガスG(主ガスg1)を供給するガス供給部2と、ガス供給部2からの主ガスg1を誘導する流路3と、流路3に設けられ主ガスg1の流量を調整して調整ガスg2としてノズル群5へ供給する流量調整機構4と、ノズル群5を構成し複数に分岐して導入される調整ガスg2を供給ガスg3として載置部7へ供給する複数のノズルn1〜n10と、載置部7とノズルn1〜n10とを相対的に移動させる移動部9と、を備え、流量調整機構4は、開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう、ことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、反応ガス等を用いてエッチング等の表面加工を行なう表面加工装置、この装置を用いた表面加工方法、および当該反応ガス等の流量を制御するための流量制御装置に関する。
従来、エッチング等の表面加工の方法としては、例えば、特許文献1に示すように、振動子チップの製造に用いる水晶ウエハへ、吹出しノズルから反応ガスを吹き付けて、水晶ウエハを局部的にエッチングする方法が開示されている。この方法によれば、吹出しノズルから吹出した反応ガスを、吹出しノズルの周囲において吸引していて、吸引する量によって吹出しノズルから吹出された反応ガスの広がり具合を調整することが可能である。このような表面加工方法は、反応ガスの吸引量を多くすると反応ガスの広がりが抑制されて振動子チップへのエッチング面積を狭くでき、反応ガスの吸引量を少なくすると反応ガスが広がって水晶ウエハへのエッチング面積を広くすることができ、エッチング面積を容易に制御することが可能である。これにより、高価で大型の真空装置を用いることや、真空プラズマによるエッチングのように、エッチングをしない部分のマスク処理をすること等の必要がなく、簡便且つ簡素な工程によって水晶ウエハへのエッチング加工が行なえる。
また、反応ガスの制御については、特許文献1に示す以外に、例えば、流れてくる反応ガス流量をセンサー管へ分流して測定し、その結果に基づくデジタル信号によってバルブの開閉を行い、流量を調整する装置であるマスフローコントローラーが特許文献2に開示されている。そして、特許文献3には、混合ガスを生成するための複数のガス供給源にバルブが設けられていて、これらバルブをデジタル的に開閉して所定の混合比の混合ガスを反応ガスとして生成する制御装置が、気相成長装置に搭載された形態として開示されている。
しかし、近年の小型化された振動子チップのように、より微細な加工が必要となる場合では、反応ガスを極めて少量の流量となるよう正確に制御してエッチング加工をする必要がある。ここで、特許文献1の方法における吸引量の調整では、そのような微量の流量調整が難しい、という課題があった。また、特許文献2,3の装置におけるようなバルブの単なる開閉では、極めて少量の流量となるように反応ガスを制御することが困難である、という課題があった。さらに、特許文献2におけるマスフローコントローラーは、バルブに加えセンサー管等が必要なため装置の小型化に限界があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る表面加工装置は、表面加工がなされる被加工物を載置する載置部と、反応ガスを供給するガス供給部と、前記ガス供給部からの前記反応ガスを誘導する流路と、前記流路に設けられ前記反応ガスの流量を調整する流量調整機構と、前記流量調整機構で流量調整された前記反応ガスを前記載置部または前記被加工物へ供給する複数のノズルと、前記載置部と前記ノズルとを相対的に移動させる移動部と、を備え、前記流量調整機構は、開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう、ことを特徴とする。
本適用例の表面加工装置によれば、ガス供給部から流路を介して誘導された反応ガスは、複数のノズルに分岐し、分岐したそれぞれのノズルから載置部へ吹き出す形態等で供給される。表面加工時には、載置部に被加工物が載置されていて、当該被加工物が反応ガスにより表面加工される。この表面加工装置は、流路に流量調整機構を有していて、流量調整機構により流量調整がなされた反応ガスは、複数のノズルから載置部へそれぞれ供給される。つまり、表面加工装置は、被加工物とノズルとが等距離であれば載置部に載置される被加工物に対し、各ノズルからの反応ガスによる表面加工が均一となり、被加工物とノズルとが相対移動することにより被加工物の全面を均一に表面加工すること等が可能である。ここで、流量調整機構は開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なうが、「開状態と閉状態とを交互に繰り返して」とは、開閉弁を開状態または閉状態の二値の状態に設定して、所定時間の開状態と所定時間の閉状態とを交互に繰り返すことである。この場合、開状態と閉状態との組み合わせは、全開と全閉の他、全開と半開、半開と全閉等のように多様な組合せが可能である。また、開閉弁における二値それぞれの所定時間を短時間にすれば、反応ガスを極めて少量の流量となるように制御することが可能であると共に、ガス流の脈動等を抑制して安定した流量調整が行なえる。さらに、表面加工装置は、反応ガスがガス供給部から一定量供給される方式であり、従来のように、供給量を測定しその結果に基づいて流量調整を行なう方式ではないため、反応ガスを分流して供給量を測定するセンサー管等が不要となり、複数のノズルを有するマルチノズル構成でありながらも小型化に対応することが可能である。
[適用例2]本適用例の表面加工装置は、表面加工がなされる被加工物を載置する載置部と、反応ガスを供給するガス供給部と、前記ガス供給部からの前記反応ガスを誘導する流路と、前記流路から分岐し前記反応ガスを前記載置部または前記被加工物へ供給する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられ前記反応ガスの流量を個別に調整する流量調整機構と、前記載置部と前記ノズルとを相対的に移動させる移動部と、を備え、前記流量調整機構は、それぞれの開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう、ことを特徴とする。
本適用例の表面加工装置によれば、ガス供給部から流路を介して誘導された反応ガスは、複数のノズルに分岐し、分岐したそれぞれのノズルから載置部へ吹き出す形態等で供給される。表面加工時には、載置部に被加工物が載置されていて、当該被加工物が反応ガスにより表面加工される。この表面加工装置は、流路から分岐した複数のノズルの全部または一部が流量調整機構を有していて、流量調整機構により流量調整がなされた反応ガスをノズル毎に個別の流量で載置部へ供給すること等が可能である。ここで、流量調整機構は開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なうが、「開状態と閉状態とを交互に繰り返して」とは、例えば、流量調整機構を開状態または閉状態の二値の状態に設定して、所定時間の開状態と所定時間の閉状態とを交互に繰り返すことである。この場合、開状態と閉状態との組み合わせは、全開と全閉の他、全開と半開、半開と全閉等のように多様な組合せが可能である。また、流量調整機構における二値それぞれの所定時間を短時間にすれば、反応ガスを極めて少量の流量となるように制御することが可能であると共に、ガス流の脈動等を抑制して安定した流量調整が行なえる。また、一例としての表面加工装置であるエッチング装置では、ノズル毎に反応ガスの流量を変えれば、載置部に載置される被加工物に対し、各ノズルからの反応ガスによるエッチング量が異なることになり、被加工物とノズルとが相対移動することにより被加工物の表面を凹凸状となるようにエッチング加工すること等が可能である。逆に、表面が凹凸状の被加工物を、均一な平面状にすることも可能である。さらに、エッチング装置は、反応ガスがガス供給部から一定量供給される方式であり、従来のように、供給量を測定しその結果に基づいて流量調整を行なう方式ではないため、反応ガスを分留して供給量を測定するセンサー管等が不要となり、複数のノズルを有するマルチノズル構成でありながらも小型化に対応することが可能である。
[適用例3]上記適用例に記載の表面加工装置において、前記ノズルは、前記載置部と前記ノズルとの相対的な移動方向と直交する方向に対して傾きをなして設けられている、ことが好ましい。
この構成によれば、ノズルから載置部へ供給される反応ガスは、載置部に対して斜めに傾いた方向から吹き付ける状態等で供給される。このように載置部に対して傾きをなして供給された反応ガスは、表面加工時に載置部に載置されている被加工物と反応して表面を加工をした後、反応生成物とともに加工部位からスムーズに排除される。これにより、反応後の反応ガスや反応生成物等が表面加工部位に滞留して、表面加工の妨げになること等がなくなり、確実な表面加工が行なえる。
[適用例4]本適用例に係る表面加工方法は、被加工物を載置部へ載置する載置手段と、ガス供給部からの反応ガスを流路および前記流路から分岐する複数のノズルを介して前記載置部または前記被加工物へ誘導するガス誘導手段と、前記流路に設けられた流量調整機構が開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう流量調整手段と、前記載置部と前記ノズルとを相対的に移動させる移動手段と、を備えていることを特徴とする。
本適用例の表面加工方法によれば、まず、載置手段で表面加工装置の載置部に表面加工される被加工物が載置され、ガス誘導手段でガス供給部から流路を介して誘導された反応ガスが複数のノズルに分岐される。そして、流量調整手段では、流量調整機構が流路に設けられている形態または複数のノズルのそれぞれに設けられている形態のいずれかであって、いずれかに設けられた流量調整機構によって流量調整された反応ガスが、被加工物へ吹き出す形態等で供給され、被加工物の表面加工が行われる。この表面加工時には、移動手段として載置部の被加工物とノズルとが相対的に移動するようになっている。ここで、流量調整手段における流量調整機構は、開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なうが、「開状態と閉状態とを交互に繰り返して」とは、例えば、開閉弁を開状態または閉状態の二値の状態に設定して、所定時間の開状態と所定時間の閉状態とを交互に繰り返すことである。この場合、二値は、全開と全閉との組み合わせの他、全開と半開、半開と全閉等のように多様な組合せが可能である。また、流量調整機構における二値それぞれの所定時間を短時間にすれば、反応ガスを極めて少量の流量となるように制御することが可能であると共に、ガス流の脈動等を抑制して安定した流量調整が行なえる。このような表面加工方法において、流量調整機構が流路に設けられている場合、流量調整機構により流量調整がなされた反応ガスは、複数のノズルから載置部へそれぞれ供給される。つまり、被加工物とノズルとが等距離であれば、載置部に載置されている被加工物に対し、各ノズルからの反応ガスによるエッチング等の表面加工が均一となり、被加工物とノズルとが相対移動することにより被加工物の全面を均一にエッチング等の表面加工すること等が可能である。あるいは、流量調整機構がノズルの全部または一部に設けられている場合、各ノズル毎に流量調整機構による反応ガスの流量を変えれば、載置部に載置されている被加工物に対し、各ノズルからの反応ガスによるエッチング等の表面加工量が異なることになり、被加工物とノズルとが相対移動することにより被加工物の表面を凹凸状となるようにエッチング等の表面加工すること等が可能である。逆に、表面が凹凸状の被加工物を、均一な平面状にすることも可能である。さらに、このエッチング等の表面加工方法によれば、反応ガスがガス供給部から一定量供給される方法であり、従来のように、供給量を測定しその結果に基づいて流量調整を行なう方式ではないため、反応ガスを分留して供給量を測定するセンサー管等が不要となり、複数のノズルを有するマルチノズル構成でありながらも表面加工装置の小型化に対応することが可能である。
[適用例5]上記適用例に記載の表面加工方法において、前記流量調整手段は、前記ノズル毎に設けられた流量調整機構がそれぞれの開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量を調整する、ことが好ましい。
この方法によれば、流量調整機構は、ガス供給部から流路を介して供給される反応ガスを複数の分流部に一旦分けて流す構成を有していて、流量調整手段において、各分流部における流量調整操作により、分流されて流量の少なくなっている反応ガスの流量をさらに調整するようになっている。このような分流部を有する流量調整機構を制御する流量調整手段では、分流部のない場合に比べ、より一層の極少量の流量調整を確実に行なうことが可能な方法であり、これによりガス流の脈動等をより確実に抑制して安定した流量調整が行える。
[適用例6]本適用例に係る流量制御装置は、反応ガスを誘導する流路と、前記流路から分岐した複数のノズルと、前記流路または前記ノズルに設けられ、前記反応ガスの流量を調整する流量調整機構と、を備え、前記流量調整機構は、開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう、ことを特徴とする。
本適用例の流量制御装置によれば、流量調整機構は、流路に設けられている形態または複数のノズルのそれぞれに設けられている形態のいずれかであって、いずれかに設けられた流量調整機構によって流量調整された反応ガスは、流路からノズルへ誘導される。ここで、流量調整機構は、開状態と閉状態とを交互に選択して開閉制御を行なうが、「開状態と閉状態とを交互に選択する」とは、例えば、流量調整機構を開状態または閉状態の二値の状態に設定して、所定時間の開状態と所定時間の閉状態とを交互に繰り返すことである。この場合、二値は、全開と全閉との組み合わせの他、全開と半開、半開と全閉等のように多様な組合せが可能である。また、流量調整機構における二値それぞれの所定時間を短時間にすれば、反応ガスを極めて少量の流量となるように制御することが可能であると共に、ガス流の脈動等を抑制して安定した流量調整が行なえる。このような流量制御装置において、流量調整機構が流路に設けられている場合、流量調整機構により流量調整がなされた反応ガスは、複数のノズルへそれぞれ均一に分岐して供給される。あるいは、流量調整機構がノズルの全部または一部に設けられている場合、ノズル毎に反応ガスの流量を変える等の制御ができ、これにより、各ノズルを流れる反応ガスの量を異ならせることが可能である。さらに、流量制御装置によれば、反応ガスが流路から一定量供給される方式であり、従来のように、供給量を測定しその結果に基づいて流量調整を行なう方式ではないため、反応ガスを分流して供給量を測定するセンサー管等が不要となり、複数のノズルを有するマルチノズル構成でありながらも流量制御装置を備えている装置の小型化に貢献することが可能である。
[適用例7]上記適用例に記載の流量制御装置において、供給される前記反応ガスを複数の分流に分ける分流部を有し、前記分流部毎にそれぞれ前記流量調整機構を備える、ことが好ましい。
この構成によれば、流量制御装置の流量調整機構は、流路を介して供給される反応ガスを複数の分流部に一旦分けて流す構成であり、各分流部における流量調整操作により、分流されて流量の少なくなっている反応ガスの流量をさらに調整している。このような分流部を有する流量調整機構は、分流部のない場合に比べ、より一層の極少量の流量調整を確実に行なうことができ、これによりガス流の脈動等をより確実に抑制して安定した流量調整を行なうことが可能である。
以下、本発明の表面加工装置、表面加工方法および流量制御装置について、エッチング装置およびエッチング方法を例示して、その好適な例を添付図面に基づいて説明する。なお、表面加工にはエッチングおよび成膜等が含まれ、本発明を成膜装置および成膜方法に適用しても良い。
(実施形態1)
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る表面加工装置を示す模式図である。また、図2(a)は、実施形態1における基板への表面加工例を示す断面図である。そして、図2(b)は、ノズル構成の例を示す斜視図であり、図1および図2(a)に示すノズル構成と異なっているが、機能は同一である例を示している。
図1に示すように、表面加工装置1は、一定量の反応ガスGを供給するガス供給部2と、ガス供給部2から反応ガスGを誘導する流路3と、流路3に設けられ誘導されてきた反応ガスGの流量を調整する流量調整機構4と、流量調整機構4を経て流量調整された反応ガスGを誘導するノズル群5と、を備えている。ノズル群5は、10本のノズルn1〜n10で構成されていて、流量調整された反応ガスGが流路3からそれぞれのノズルn1〜n10へ分岐するようになっている。さらに、表面加工装置1は、ノズル群5と対向して配置され被加工物である基板8を載置するための載置部7と、載置部7を移動させる機構である移動部9と、ガス供給部2、流量調整機構4および移動部9を制御する装置制御部11と、を備えている。
この表面加工装置1において、載置部7は、互いに直交するx−y軸で規定される水平面をなしていて、移動部9によりx軸に沿って移動し、ノズル群5のノズルn1〜n10は、y軸に沿って配列されている。ノズルn1〜n10は、x軸およびy軸と直交するz軸に沿って延在し、載置部7に載置される基板8に対して垂直に反応ガスGを吹き出して供給する。また、ここでは、流路3、流量調整機構4およびノズル群5が流量制御装置10として機能している。
ここで、表面加工装置1における流量制御装置10の詳細、および基板8への表面加工について説明する。図2(a)に示すように、流量制御装置10の流路3には、ガス供給部2(図1)から流量調整機構4までの間に、反応ガスGである主ガスg1が一定の流量で供給されている。この主ガスg1は、流量調整機構4の作用により所定の流量に調整された調整ガスg2としてノズル群5側へ供給される。なお、流量調整機構4の流量調整については、図3および図4を参照して後述する。
そして、流量調整機構4で調整された調整ガスg2は、ノズル群5のノズルn1〜n10にそれぞれほぼ均等に分岐して供給され、ノズルn1〜n10から基板8へ向けて供給ガスg3として吹き出している。この場合、供給ガスg3がノズルn1〜n10のそれぞれからほぼ均等に吹き出しているため、ノズルn1〜n10に対向している基板8の面は、ほぼ均一に表面加工されることになる。図2(a)の例では、基板8に深さがほぼ均一な溝がy軸に沿って形成されている。ここで、基板8の全面に供給ガスg3を吹き出すようにすれば、基板8全体の厚みを薄くすることができる。
なお、表面加工装置1のノズル群5は、流路3から分岐してそれぞれ個別のパイプ状をなしている形態であるが、この形態の他に、図2(b)に示すようなノズル体50であっても良い。ノズル体50は、直方体形状の基体50aの内部にノズル孔h1〜h10を形成した構成である。このノズル体50は、ノズル群5に比べ、全体的な強度があり且つノズル孔h1〜h10から吹き出す供給ガスg3(図2(a))の方向を均一に揃えやすい構成となっている。
また、実施形態1におけるエッチング装置(表面加工装置1、以降エッチング装置1と称する)は、載置部7に載置される基板8は水晶基板であり、基板8へ吹き出して供給される反応ガスGはフッ化カルボニル(CoF2)やフッ化水素(HF)・フッ素ガス(F2)等のフッ素系ガスが好ましく、ここではフッ化カルボニル(CoF2)を用いている。そして、流量制御装置10は、反応ガスGに対し耐食性の良好な酸化クロム(Cr2O3)や酸化チタン(Ti2O3)等で構成されていることが好ましく、ここでは酸化チタン(Ti2O3)を用いて構成されている。
次に、流量制御装置10を構成する流量調整機構4において、反応ガスGの流量を調整する方式について説明する。図3(a)は、流量調整機構による流量調整の一例を示すタイムチャートを含む模式図、図3(b)は、流量調整機構による流量調整の他の例を示すタイムチャートを含む模式図である。
図3(a)および図3(b)は、流路3を介して流量調整機構4に供給される主ガスg1が単位処理時間t毎に一定量であって、流量調整機構4において、単位処理時間tの内の所定時間だけ全開状態となって主ガスg1を通し残りの時間は全閉状態となって主ガスg1を遮断することを繰り返す、方式を表している。即ち、この場合流量調整機構4は、全開と全閉との二値を交互に選択して開閉制御を行っている。まず、図3(a)では、流量調整機構4は、単位処理時間tの内の時間t1だけ主ガスg1を通し、残りの時間(t−t1)では主ガスg1を遮断している。つまり、単位処理時間tの間では、流量調整機構4が主ガスg1より少ない流量の調整ガスg2をノズル群5側へ供給している。流量調整機構4がこのような作用をすることにより、ノズル群5へは調整ガスg2が主ガスg1より少ない一定量で供給されることになる。
具体的には、例えば主ガスg1が単位処理時間tあたり10ccの一定量で供給され、時間t1がt/4であれば、調整ガスg2は2.5ccの一定量でノズル群5側へ供給される。ノズル群5では、単位時間tあたり2.5cc供給される調整ガスg2がノズルn1〜n10へそれぞれ均等分岐して、各ノズルn1〜n10から一定量の供給ガスg3として基板8へ吹き出す。これにより、ノズルn1〜n10からの供給ガスg3により、基板8へのエッチング加工が均一となり、基板8がノズル群5に対して移動すれば基板8のより広い面を均一にエッチング加工すること等が可能である。なお、実施形態1では、流量調整機構4における全開常態である時間t1がt/4の設定であるが、この時間t1を変えることにより、調整ガスg2の流量を調整できる。また、流量調整機構4は、時間(t−t1)の間で主ガスg1を遮断しているが、遮断するのではなく多少の開状態にしても良く、時間t1の間が全開状態以外の多少の閉状態でも良い。
しかし、単位処理時間tが長くなって、主ガスg1を遮断している時間(t−t1)が長くなるにつれて、ノズル群5へ供給される調整ガスg2がより断続的になることにより、いわゆる脈動状態になってしまうことがある。これを抑止するために、図3(b)に示すように、単位処理時間tを10等分し、各等分毎の時間t/10において、流量調整機構4が時間t2だけ主ガスg1を通し、残りの時間(t/10−t2)には主ガスg1を遮断している。つまり、流量調整機構4は、時間t/10の間では調整ガスg2’をノズル群5側へ供給し、単位処理時間tの間では調整ガスg2’を10回供給する。調整ガスg2’が図3(a)における場合の調整ガスg2の1/10の流量であれば、流量調整機構4は、単位処理時間tの間に、調整ガスg2と同量だけノズル群5側へ供給する。
具体的には、例えば主ガスg1が単位処理時間tあたり10ccの一定量で供給され、時間t2がt/40であれば、調整ガスg2’は0.25ccの一定量でノズル群5側へ供給される。これにより、単位処理時間tでは、時間t2による調整ガスg2’の供給が10回行われ、合計2.5ccが調整ガスg2として流量調整機構4からノズル群5へ供給される。流量調整機構4がこのような作用をすることにより、ノズル群5へは脈動等のない調整ガスg2が一定量で供給されることになる。この場合、主ガスg1を通す時間t2および遮断時間は、流量調整機構4の最小開閉時間に設定するほど脈動等を抑制できて好ましい。
さらに、図4は、分流部を有する流量調整機構における流量調整を示すタイムチャートを含む模式図である。この流量調整機構4は、図3(b)での時間t2より長い時間t3の全開状態であっても、時間t2における0.25ccより少量のガス調整ができ、より緻密に流量を制御することができるものである。流量調整機構4は、図4に示すように分流部40を有し、分流部40は、内部で5つの分流部40a,40b,40c,40d,40eに分岐している。流量調整機構4は、流路3からの主ガスg1を5分割して、分流部40a,40b,40c,40d,40eのそれぞれへ分流ガスg4として取り入れる。これら分流部40a,40b,40c,40d,40eにおいて、分流部40aは、単位処理時間tの内の時間t3だけ分流ガスg4を通して調整分流ガスg5を供給し、残りの時間(t−t3)には分流ガスg4を遮断している。そして、分流部40aが分流ガスg4を遮断してから時間t4後には、分流部40bが時間t3だけ分流ガスg4を通して調整分流ガスg5を供給し、残りの時間(t−t3)には分流ガスg4を遮断している。同様に、分流部40cは、分流部40bが分流ガスg4を遮断してから時間t4後には、時間t3だけ分流ガスg4を通して調整分流ガスg5を供給し、残りの時間(t−t3)には分流ガスg4を遮断している。分流部40dは、分流部40cが分流ガスg4を遮断してから時間t4後には、時間t3だけ分流ガスg4を通して調整分流ガスg5を供給し、残りの時間(t−t3)には分流ガスg4を遮断している。分流部40eは、分流部40dが分流ガスg4を遮断してから時間t4後には、時間t3だけ分流ガスg4を通して調整分流ガスg5を供給し、残りの時間(t−t3)には分流ガスg4を遮断している。ここで、t3とt4との合計時間は、5/tである。
具体的には、例えば主ガスg1が単位処理時間tあたり10ccの一定量で供給され、分流部40a,40b,40c,40d,40eそれぞれへの分流ガスg4は、2ccとなる。分流部40aでは、図3(b)でのt/40である時間t2より長い時間のt/20である時間t3で全開状態が制御され、単位処理時間tの間に0.1ccが調整分流ガスg5として供給される。同様に分流部40b,40c,40d,40eのそれぞれからも単位処理時間tに0.1ccが調整分流ガスg5として供給される。即ち、流量調整機構4は、0.1cc単位で流量を調整することが可能であり、この場合、合計0.5ccの調整ガスg6を単位処理時間tにノズル群5へ供給している。流量調整機構4がこのような作用をすることにより、ノズル群5へは、0.1ccの微量な流量調整がなされた調整ガスg6がより脈動等のない状態となって一定量供給されることになる。なお、分流部40a,40b,40c,40d,40eにおける時間t3および時間t4は、それぞれ異なる時間に設定することも可能である。
次に、調整ガスg2,g6を供給ガスg3として基板8へ吹き出すノズル群5の形態例について説明する。図5(a)は、ノズルと基板との位置関係を示す側面図である。そして、図5(b)は、エッチング加工用の反応ガスを供給する場合におけるノズルの形態を示す模式図、図5(c)は、反応ガスをプラズマ化して供給する場合におけるノズルの形態を示す模式図である。
エッチング装置1は、図1に示すように、ノズル群5のノズルn1〜n10が基板8に対して直交して配置されているが、より効率的にエッチング加工を行なうための他の配置も考えられる。例えば、図5(a)に示すように、ノズル群5は、基板8と直交するz軸に対して角度θだけ斜めに配置されている。即ち、載置部7とノズル群5との相対的な移動方向と直交する方向に対して傾きをなして設けられている。
このように設けられているノズル群5は、基板8に対して斜めの方向から供給ガスg3を吹き出すようになっていて、基板8に当った供給ガスg3は、ノズル群5から離れる方向へ排気される。そのため、排気がノズル群5から吹き出される供給ガスg3の妨げになったり、基板8のエッチング加工による反応生成物等が除去され難いというような事態が確実に回避できる。これに対し、ノズル群5が基板8と直交して配置されている場合、基板8に当った供給ガスg3の一部がノズル群5の方向へも戻ることや、反応生成物が滞留する恐れがあること等により、微細なエッチング加工を行なう場合等に設定通りにエッチングされない、という支障が生じることがあった。図5(a)に示すエッチング装置1のノズル群5は、このような支障を確実に回避して効率的なエッチング加工が行える。
また、エッチング装置1で基板8のエッチング加工をする場合、基板8と反応するフッ化カルボニル(CoF2)等の供給ガスg3は、加熱されて基板8へ吹き出す形態であれば、より効率良くエッチング加工が行える。そのため、例えば図5(b)に示すように、ノズル群5のノズルn1の外周にヒーター15を設置して、ノズルn1の内部の供給ガスg3を加熱する構成が考えられる。他のノズルn2〜n10も同様に構成され、これにより、供給ガスg3は、基板8に対して、より活発に反応してエッチング加工が促進される。なお、ヒーター15は、ノズルn1〜n10それぞれに巻きつけて個別設置する構成の他に、ノズル群5としての周囲に巻きつけて設置する構成等も可能である。
また、エッチング装置1において、基板8へのエッチング加工が反応性のプラズマによって行われる場合、例えば図5(c)に示すように、ノズル群5のノズルn1に四フッ化メタン(CF4)等の供給ガスg3が供給される。ノズルn1の外周には板状の電極部16が巻きつけられていて、この電極部16と載置部7とに高周波電圧が印加されることにより、供給ガスg3がノズル群5と基板8との間でプラズマ化してプラズマPが発生する。このプラズマPにより基板8がエッチング加工される。なお、高周波電圧の印加は、図5(b)に示すヒーター15と同様構成でノズル群5へ巻きつけた電極に対して行い、ノズル群5のノズルn1〜n10内でプラズマ化がされても良い。このように、エッチング装置1は、図5(b)および図5(c)に示すような多様な方式でも基板8をエッチング加工することができる、優れた装置である。
さらに、エッチング装置1において、基板8は、y軸に沿って並んで配置されているノズルn1〜n10を有するノズル群5によってほぼ均一にエッチング加工がなされるが、厳密には、ノズル群5に対して基板8の中央位置と端部位置とにおける供給ガスg3の濃度が異なっていてエッチングレートに差が生じる場合がある。以下に、この差を解消して、より均一なエッチングレートにする補正について説明する。図6は、複数のノズルの配置例を示す模式図である。模式図には、ノズル群5と基板8との配置と、ノズル群5の各ノズルに対応した基板上のガス流速およびエッチングレートと、が示されている。図6に示すように、ノズル群5は、中央部のノズルが端部のノズルより基板8から離反して配置されている。この配置により、基板8の表面において、中央部のノズルから吹き出す供給ガスg3は、端部のノズルから吹き出す供給ガスg3に比べ、その流速が遅くなっている。この関係は、各ノズルに対応して示している基板上のガス流速線20のように、ノズル群5の中央部で遅く端部にかけて順次早くなっている。
このように、中央部のノズルから吹き出す供給ガスg3は、基板8までの距離が長く、基板8の表面に達するまでに濃度が低くなっているが、隣接するノズルからの供給ガスg3と共に基板8の表面に滞留しやすい状態になっている。一方、端部のノズルからの供給ガスg3は、基板8までの距離が短く、基板8の表面に達するまでに濃度は低くなっていないが、基板8の表面に滞留しにくくなっている。この関係により、基板8の表面でのガス濃度は一定状態となり、エッチングレート線21に示すように基板8に対して、一定のエッチングレートが確保されている。エッチング装置1は、図6に示す一例のように、ノズル群5と基板との配置を変えることにより、ノズルn1〜n10毎のエッチングレートを調整することも可能な優れた装置である。
以上説明したように、エッチング装置1は、流量調整機構4が二値を交互に選択して開閉制御を行なうことにより、反応ガスGを極く少量の流量の供給ガスg3となるように制御することができることに加え、ガス流の脈動等を抑制して安定した流量調整が行なえる。さらに、エッチング装置1は、従来用いていたセンサー管等が不要なため、複数のノズルノズルn1〜n10を有するマルチノズル構成でありながらも小型化に対応できる。
(実施形態2)
(実施形態2)
次に、エッチング装置1および流量制御装置10の他の好適な構成例について説明する。図7は、本発明の実施形態2に係るエッチング装置を示す模式図である。また、図8(a)は、実施形態2における基板へのエッチング加工例を示す断面図、図8(b)は、実施形態2における基板へのエッチング加工の他の例を示す断面図である。実施形態2に係るエッチング装置100は、実施形態1のエッチング装置1と流量調整機構4の配置が異なっている構成であるので、流量制御装置10A以外は、エッチング装置1と同様の符号を付して説明する。
図7に示すように、エッチング装置100は、ガス供給部2と、反応ガスGを誘導する流路3と、流路3から分岐したノズルn1〜n10を有するノズル群5と、ノズルn1〜n10のそれぞれに設けられ誘導されてきた反応ガスGの流量を調整する流量調整機構4と、ノズル群5と対向して配置され被加工物である基板8を載置するための載置部7と、載置部7を移動させる機構である移動部9と、ガス供給部2、流量調整機構4および移動部9を制御する装置制御部11と、を備えている。このエッチング装置100において、流路3、流量調整機構4およびノズル群5は、流量制御装置10Aとして機能している。
このエッチング装置100における流量制御装置10Aの詳細、および基板8へのエッチング加工については、まず、図8(a)および図8(b)に示すように、流量制御装置10Aの流路3から分岐したノズルn1〜n10には、反応ガスGである主ガスg1が一定の流量で供給されている。これら主ガスg1は、ノズルn1〜n10のそれぞれに設けられている流量調整機構4の作用により所定の流量に調整された供給ガスg10として基板8方向へ供給される。
そして、流量調整機構4で流量調整された供給ガスg10は、ノズル群5のノズルn1〜n10から基板8へ向けて吹き出している。この場合、供給ガスg10は、ノズルn1〜n10のそれぞれから異なる流量で吹き出しているため、ノズルn1〜n10に対向している基板8の面は、供給ガスg10の流量に対応してエッチング加工される。例えば、図8(a)では、表面が平らであった基板8が、ノズルn1〜n10からの供給ガスg10の流量に対応して凹凸状に形成される。つまり、流量が多く太実線で表してある供給ガスg10に対応する基板8の表面は最も深くエッチングされ、並実線、太破線の順に供給ガスg10によるエッチングが浅くなり、流量が少なく細破線で表してある供給ガスg10に対応する基板8の表面は最も浅くエッチングされる。
また、エッチング装置100は、図8(b)に示すように、表面が凹凸状の基板8に対して、エッチング加工により平らな表面にすることもできる。それには、まず、予め基板8の表面の凹凸を測定しておき、その測定データーに基づいて、ノズルn1〜n10のそれぞれが行なうべきエッチング量を求める。そして、ノズルn1〜n10毎にエッチング量に応じた供給ガスg10となるよう、それぞれの流量調整機構4が流量の調整を行なう。これにより、エッチング装置100は、基板8の表面を凹凸状から平らにエッチング加工することができる。
ここで、それぞれの流量調整機構4による反応ガスGの流量の調整は、図3(a)または図3(b)を参照して既述した方式と同様に行われ、ノズルn1〜n10毎に供給ガスg10の流量が調整される。このように調整された供給ガスg10により、表面が凸状の基板8を平表面にする場合について、説明する。図9(a)は、平面状にエッチング加工する前の凸状をなす基板表面を示す模式図である。また、図9(b)は、基板の凸状に応じて走査速度を変えてエッチング加工する場合の速度分布を示すグラフ図、図9(c)は、基板の凸状に応じて反応ガス量を変えてエッチング加工する場合の流量分布を示すグラフ図である。
図9(a)に示すように、基板8の表面は、この場合中央部が高くなった凸状をなす略円錐状であり、エッチング加工は、x軸に沿うエッチング走査方向で行われる。つまり、ノズル群5のノズルn1〜n10はy軸方向に並んでおり、基板8がx軸方向へ移動してエッチング加工の走査が行われる。そして、ノズルn1〜n10が図中のx3に位置するときに、基板8の凸状頂点にかかり、x3からx2,x1への方向およびx3からx4,x5への方向に行くにしたがって順次低くなっている。
このような基板8を平らな表面にするには、図9(b)の走査速度線25に示すように、ノズル群5の走査速度(基板8の移動速度)を、x3位置で最も遅くし、x2およびx4ではx3位置での速度より速くし、x1およびx5位置ではx2およびx4位置での速度より速くすることが望ましい。こうすれば、x軸方向の凸状が形成できる。同時に、図9(c)のガス流量線26に示すように、ノズルn1〜n10毎のガス流量(供給ガスg10の流量)は、中央部のノズルからの流量を最大として両側のノズルに行くにしたがって減らしている。さらに、x3位置においてノズルn1〜n10毎のガス流量は他の位置における流量より多い最大とし、x2およびx4ではx3位置での流量より少なくし、x1およびx5位置ではx2およびx4位置での流量より少なくすることが望ましい。こうすれば、y軸方向の凸状が形成できる。このように、図9(b)に示す走査速度、および図9(c)に示すノズル毎のガス流量を制御することにより、エッチング装置100は、表面が凸状の基板8を平表面にすることができる。同様にして、エッチング装置100は、表面が平らな基板8を凸状の表面にすることもできる。
以上説明したように、エッチング装置100は、ノズルn1〜n10毎に設けられている流量調整機構4が二値を交互に選択して開閉制御を行なうことにより、載置部7に載置される基板8に対し、各ノズルn1〜n10からの供給ガスg10の量を異ならせることができ、基板8の表面を凹凸状となるようにエッチング加工することができる。さらに、エッチング装置100は、表面が凹凸状の被加工物を、均一な平面状にすることもできる。
(エッチング加工方法)
(エッチング加工方法)
次に、エッチング装置1,100によって基板8のエッチング加工をする手順について説明する。図10は、エッチング装置による基板のエッチング方法を示すフローチャートである。
ステップS1において、基板を載置部へ載置する。エッチング装置1,100では、載置部7へ被加工物としての水晶基板である基板8を載置し、移動部9により載置部7を移動してノズル群5に対向する位置に基板8を配置する。このステップS1は、載置手段に該当する。基板8の載置後ステップS2へ進む。
ステップS2において、ガス供給部から一定量の反応ガスをノズル側へ誘導する。エッチング装置1では、ガス供給部2から供給される一定量の反応ガスGである主ガスg1(図2(a))を、流路3を介して、流路3に設けられている流量調整機構4まで誘導する。また、エッチング装置100では、ガス供給部2から供給される一定量の主ガスg1(図8(a))を、流路3および流路3から分岐したノズル群5のノズルn1〜n10を介して、ノズルn1〜n10のそれぞれに設けられている流量調整機構4まで誘導する。このステップS2は、ガス誘導手段に該当する。反応ガスGの誘導後ステップS3へ進む。
ステップS3において、流量調整機構により反応ガスの流量を調整する。エッチング装置1,100は、図3または図4に示すいずれかの流量調整の方式により主ガスg1の流量を調整する。つまり、エッチング装置1では、流量調整機構4で流量調整された主ガスg1が調整ガスg2としてノズルn1〜n10へ分岐して供給され、エッチング装置100では、流路3から分岐してノズルn1〜n10へ供給された主ガスg1のそれぞれが、流量調整機構4で流量調整される。このステップS3は、流量調整手段に該当する。流量の調整後ステップS4へ進む。
ステップS4において、流量調整した反応ガスを加熱またはプラズマ化する。エッチング装置1,100は、例えば反応ガスGとしてフッ化カルボニル(CoF2)を用い、フッ化カルボニル(CoF2)と基板8の水晶とを反応させてエッチング加工をする場合、図5(b)に示すように、ノズル群5のノズルn1〜n10を加熱してノズルn1〜n10の内部の主ガスg1の温度を高めて、供給ガスg3とする。一方、エッチング装置1,100は、例えば主ガスg1としての四フッ化メタン(CF4)をプラズマ化してエッチング加工をする場合、図5(c)に示すように、ノズルn1〜n10と載置部7との間に高周波電圧を印加して、四フッ化メタン(CF4)のプラズマPを形成する。ノズル群5における加熱またはプラズマ化後ステップS5へ進む。
ステップS5において、加熱した反応ガスまたはプラズマをノズルから基板へ供給する。エッチング装置1,100は、流量制御装置10(図1)または流量制御装置10A(図7)の流量調整機構4により流量を調整して、供給ガスg3または供給ガスg10を基板8へ吹き出して供給する。これにより、基板8と基板8へ供給された供給ガスg3,g10であるフッ化カルボニル(CoF2)とが反応して、図2に示すように基板8の表面を均一にエッチング加工してy軸に沿う溝等を形成すること、および図8に示すように基板8の表面を凹凸状にエッチングすること、等のエッチング加工が行える。なお、プラズマPによりエッチング加工をする場合も同様なエッチング加工が可能である。ガス供給後ステップS6へ進む。
ステップS6において、載置部を移動する。エッチング装置1,100は、移動部9により載置部7とノズルn1〜n10とを相対的に移動(走査)させることにより、ステップS5におけるエッチング加工を基板8の表面全体または表面の一部へさらに広げて施すことができる。つまり、エッチング装置1,100は、図2に示すような溝等をx軸方向へ広げて形成することができ、また、基板8の表面全体をエッチング加工して基板8の厚みを薄くすること等も可能である。さらに、エッチング装置1,100は、図8および図9に示すように、基板8の表面を自在に凹凸状にエッチング加工することが可能である。以上で、エッチング装置1,100による基板8のエッチング加工が終了する。
以上説明した表面加工装置としてのエッチング装置1,100、表面加工方法としてのエッチング加工方法および流量制御装置は、各実施形態における形態に限定されるものではなく、次に挙げる変形例のような形態であっても、実施形態と同様な効果が得られる。
(変形例1)エッチング装置1,100の備える流量制御装置10,10Aにおいて、ノズル群5はy軸方向に並んでいる10本のノズルn1〜n10を有する構成であるが、10本以外の構成であっても良く、y軸方向以外の方向に並んでいても良い。
(変形例2)流量調整機構4が有する分流部40は、図4に示すような5つの分流部40a,40b,40c,40d,40eではなく、5つ以外であっても良い。5つ以上であれば、より微細に流量を調整して、ガス流の脈動等を抑制することができる。
(変形例3)エッチング装置100は、すべてのノズルn1〜n10に流量調整機構4が設けられているが、一部のノズルが流量調整機構4を有していない構成であっても良い。
(変形例4)エッチング装置1,100におけるノズル群5と載置部7との相対移動は、載置部7が移動せずにノズル群5が移動する構成や、載置部7およびノズル群5の双方が移動する構成であっても良い。
(変形例5)エッチング装置1,100は、載置部7に載置される基板8が水晶基板だけでなく、反応ガスGを選択することにより金属材等にも適用することができる。
(変形例6)エッチング装置1,100のように流量制御装置10,10Aにより反応ガスGの流量を確実に調整できる装置構成は、基板8をエッチングする装置としてだけではなく、基板8に各種の薄膜等を形成する成膜装置等に適用することができる。
1…表面加工装置としてのエッチング装置、2…ガス供給部、3…流路、4…流量調整機構、5…ノズル群、7…載置部、8…被加工物としての基板、9…移動部、10,10A…流量制御装置、40…流量調整機構、40a〜40e…分流部、50…ノズル体、100…エッチング装置、G…反応ガス、g1…主ガス、g2…調整ガス、g3…供給ガス、g4…分流ガス、g5…調整分流ガス、g6…調整ガス、g10…供給ガス、p…プラズマ。
Claims (7)
- 表面加工がなされる被加工物を載置する載置部と、
反応ガスを供給するガス供給部と、
前記ガス供給部からの前記反応ガスを誘導する流路と、
前記流路に設けられ前記反応ガスの流量を調整する流量調整機構と、
前記流量調整機構で流量調整された前記反応ガスを前記載置部または前記被加工物へ供給する複数のノズルと、
前記載置部と前記ノズルとを相対的に移動させる移動部と、
を備え、
前記流量調整機構は、開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう、ことを特徴とする表面加工装置。 - 表面加工がなされる被加工物を載置する載置部と、
反応ガスを供給するガス供給部と、
前記ガス供給部からの前記反応ガスを誘導する流路と、
前記流路から分岐し前記反応ガスを前記載置部または前記被加工物へ供給する複数のノズルと、
前記ノズル毎に設けられ前記反応ガスの流量を個別に調整する流量調整機構と、
前記載置部と前記ノズルとを相対的に移動させる移動部と、
を備え、
前記流量調整機構は、それぞれの開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なうことが可能である、ことを特徴とする表面加工装置。 - 請求項1または2に記載の表面加工装置であって、
前記ノズルは、前記載置部と前記ノズルとの相対的な移動方向と直交する方向に対して傾きをなして設けられている、ことを特徴とする表面加工装置。 - 被加工物を載置部へ載置する載置手段と、
ガス供給部からの反応ガスを流路および前記流路から分岐する複数のノズルを介して前記載置部または前記被加工物へ誘導するガス誘導手段と、
前記流路に設けられた流量調整機構が開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう流量調整手段と、
前記載置部と前記ノズルとを相対的に移動させる移動手段と、
を備えていることを特徴とする表面加工方法。 - 請求項4に記載の表面加工方法であって、
前記流量調整手段は、前記ノズル毎に設けられた流量調整機構がそれぞれの開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量を調整する、ことを特徴とする表面加工方法。 - 反応ガスを誘導する流路と、
前記流路から分岐した複数のノズルと、
前記流路または前記ノズルに設けられ、前記反応ガスの流量を調整する流量調整機構と、
を備え、
前記流量調整機構は、開閉弁の開状態と閉状態とを交互に繰り返して流量制御を行なう、ことを特徴とする流量制御装置。 - 請求項6に記載の流量制御装置であって、
供給される前記反応ガスを複数の分流に分ける分流部を有し、前記分流部毎にそれぞれ前記流量調整機構を備える、ことを特徴とする流量制御装置。
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