JP2014067863A - 基板のベベル部の検査方法及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板のベベル部における微細な欠陥の検査を効率良く行うことが可能な検査方法を提供する。
【解決手段】ウエハベベル部の検査方法は、ソフトウェア上でダミー座標を設定し、SEMのFOVを検査位置へ移動させる(S1)。ダミー座標をスキャンしながら、各ダミー座標について低倍率のSEM画像を取得する(S2)。得られたSEM画像中にパーティクルPが検出されたか否かを判断する(S3)。パーティクルPが検出されたダミー座標にFOVを移動させ(S4)、高倍率のSEM画像を取得する(S5)。このSEM画像を元にパーティクルPが検出されたか否かを判断し(S6)、検出された場合(YES)は欠陥ありと判定する。
【選択図】図3
【解決手段】ウエハベベル部の検査方法は、ソフトウェア上でダミー座標を設定し、SEMのFOVを検査位置へ移動させる(S1)。ダミー座標をスキャンしながら、各ダミー座標について低倍率のSEM画像を取得する(S2)。得られたSEM画像中にパーティクルPが検出されたか否かを判断する(S3)。パーティクルPが検出されたダミー座標にFOVを移動させ(S4)、高倍率のSEM画像を取得する(S5)。このSEM画像を元にパーティクルPが検出されたか否かを判断し(S6)、検出された場合(YES)は欠陥ありと判定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、シリコンウエハなどの基板のベベル部における欠陥を検査する検査方法および記録媒体に関する。
シリコンウエハなどの半導体基板において、端面および周辺の面取りされた傾斜部はベベル部と呼ばれる。半導体プロセスでは、基板上に種々の材料を成膜したり、剥離したりする工程が繰り返し行われ、デバイスが作り込まれていく。この過程で、製品にならないベベル部には、例えば成膜材料の残さなどのパーティクルが付着することがある。ベベル部に付着したパーティクルは、基板を搬送する際に剥離し、デバイス表面に付着することがある。特に、低誘電率膜(low-k膜)のように強度の低い材料は、ベベル部に大きな圧力が加わる搬送工程で剥がれやすく、汚染の原因となりやすい。
また、近年では、デバイスの微細化の進展によって、液浸露光プロセスが採用されているが、この液浸露光プロセスの際に、液体を介してベベル部に付着したパーティクルが基板の中心付近へと移動し、製品の歩留まりを大きく低下させる原因となる。従って、ベベル部の異物や欠陥を早期に検出し、その要因を特定することが、製品の歩留まり改善に欠かせなくなっている。
ベベル部の状態を検査する手法として、基板を回転させながらレーザー光を照射し、基板のエッジ部やベベル部の散乱光を用いてパーティクル検査を行う光学的方法が提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、この光学的方法は、検出感度が低く、0.5μm程度の大きさのパーティクルの検出が限界であった。これは、基板のエッジ部やベベル部からの光散乱が、傾斜面や表面荒れによるノイズを含むために高感度の検出が困難なためである。
一方、基板表面を検査する手法として、表面検査装置が知られている。この表面検査装置は、基板を毎秒数千回の速度で回転させながら検査を行うため、基板の端部から2mm以下の範囲内(この範囲内にエッジ部とベベル部が含まれる)は、基板径の公差やエッジ高さの変化などが原因となって検査することができない、という問題があった。
また、従来、基板表面の最終的な確認を行うための観察には、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)が用いられてきた。例えば特許文献2では、ウエハ上の異物を検出してその座標情報を出力する光学式検査装置を備えた検査部と、検出された異物や欠陥を観察するためのレビューSEMで構成される観察部と、を備えた異物・欠陥・検査観察システムが提案されている。
上記のとおり、基板のベベル部を検査対象とする場合、特許文献1のような光学的方法は欠陥の検出感度が低いため、より検出感度の高い手法の開発が求められていた。また、特許文献2のように、基板のベベル部の検査には光学的手法が採用され、最終確認のための観察はSEMによって行われてきた。そのため、検査及び観察のためのシステムが複雑化、大型化し、検査装置のフットプリントや設備コストを増大させる一因にもなっていた。
本発明の目的は、基板のベベル部における微細な欠陥の検査を効率良く行うことが可能な検査方法を提供することである。
本発明の基板のベベル部の検査方法は、走査型電子顕微鏡によって基板のベベル部の欠陥を検査する。本発明の基板のベベル部の検査方法は、基板のベベル部における検査位置にダミー座標を設定し、前記走査型電子顕微鏡の観察領域を前記検査位置へ移動させるステップと、前記ダミー座標が設定された基板に対し、第1の拡大倍率で走査型電子顕微鏡による撮像を行い、前記ダミー座標毎に第1の画像を得るステップと、前記第1の画像に基づき、前記ダミー座標毎に欠陥の有無を確認する第1の検出ステップと、前記第1の検出ステップで欠陥が検出された一つないし複数のダミー座標を対象に、前記第1の拡大倍率よりも高倍率の第2の拡大倍率で前記走査型電子顕微鏡による撮像を行い、前記ダミー座標毎に、第2の画像を得るステップと、前記第2の画像に基づき、前記ダミー座標毎に欠陥の有無を検出する第2の検出ステップと、前記第2の検出ステップで欠陥が検出された場合に、当該ダミー座標に「欠陥あり」と判定するステップと、を備えている。
本発明の基板のベベル部の検査方法は、前記第1の検出ステップで欠陥が検出され、かつ前記第2の検出ステップで欠陥が検出されなかった場合、当該ダミー座標について「疑似欠陥」と判定するステップをさらに備えていてもよい。
本発明の基板のベベル部の検査方法は、前記第1の検出ステップで欠陥が検出されなかった場合、当該ダミー座標について「欠陥なし」と判定するステップをさらに備えていてもよい。
本発明の基板のベベル部の検査方法は、前記走査型電子顕微鏡の電子銃による加速電圧を15kV以上30kV以下としてもよい。この場合、前記第1の画像及び前記第2の画像は、前記走査型電子顕微鏡によって基板を水平に保持した状態で、該基板上面に垂直な角度で電子線を照射して得られるものであってもよい。
本発明の記録媒体は、走査型電子顕微鏡に基板のベベル部の欠陥を検査する検査方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記録媒体である。本発明の記録媒体において、前記検査方法は、基板のベベル部における検査位置にダミー座標を設定し、前記走査型電子顕微鏡の観察領域を前記検査位置へ移動させるステップと、前記ダミー座標が設定された基板に対し、第1の拡大倍率で走査型電子顕微鏡による撮像を行い、前記ダミー座標毎に第1の画像を得るステップと、前記第1の画像に基づき、前記ダミー座標毎に欠陥の有無を確認する第1の検出ステップと、前記第1の検出ステップで欠陥が検出された一つないし複数のダミー座標を対象に、前記第1の拡大倍率よりも高倍率の第2の拡大倍率で前記走査型電子顕微鏡による撮像を行い、前記ダミー座標毎に、第2の画像を得るステップと、前記第2の画像に基づき、前記ダミー座標毎に欠陥の有無を検出する第2の検出ステップと、前記第2の検出ステップで欠陥が検出された場合に、当該ダミー座標に「欠陥あり」と判定するステップと、を含んでいてもよい。
本発明によれば、SEMを観察に使用する従来技術と異なり、SEMによる焦点深度の深さを利用して欠陥の検出を行うことで、基板のベベル部を検査対象として例えば粒子径が0.5μm以下の微細なパーティクルなどの欠陥を迅速に自動検出することができる。従って、本発明の検査方法により、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[検査装置の構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係るベベル部の検査方法に利用可能なSEMの機能を有する検査装置100の概略構成図である。検査装置100が備えているSEMは、レビューSEMと呼ばれる。検査装置100では、SEMにより、ウエハWのベベル部を含む表面の二次電子像(Secondary Electron:SE像)あるいは反射電子像(Backscattered Electron:BSE像)を取得できる。本実施の形態では、これらSE像とBSE像を総称して、SEM画像という。検査装置100は、SEM画像を撮像する撮像部101と、撮像部101を制御する制御部102と、を備えている。
[検査装置の構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係るベベル部の検査方法に利用可能なSEMの機能を有する検査装置100の概略構成図である。検査装置100が備えているSEMは、レビューSEMと呼ばれる。検査装置100では、SEMにより、ウエハWのベベル部を含む表面の二次電子像(Secondary Electron:SE像)あるいは反射電子像(Backscattered Electron:BSE像)を取得できる。本実施の形態では、これらSE像とBSE像を総称して、SEM画像という。検査装置100は、SEM画像を撮像する撮像部101と、撮像部101を制御する制御部102と、を備えている。
検査装置100は、電子線Eを発生する電子銃1、電子線Eを集束するコンデンサレンズ3、電子線Eを2次元的に走査する偏向器5、電子線Eの絞りを調節する対物レンズ7、所定のチルト角で傾斜可能に設けられ、保持したウエハWをXY方向に移動させるステージ9、ウエハWからの反射電子を検出する反射電子検出器11A,11B、ウエハWからの二次電子を電子線Eの軌道と分離するExB偏向器13、二次電子を検出する二次電子検出器15とを有する。反射電子検出器11A,11Bは、互いに異なる方向に設置されている。反射電子検出器11A,11Bは、検出された反射電子をデジタル信号に変換するA/D変換器17A,17Bを介して制御部102に接続されている。二次電子検出器15は、検出された二次電子をデジタル信号に変換するA/D変換器19を介して制御部102に接続されている。なお、ステージ9にチルト機能を持たせる代わりに、電子銃1を傾斜させて水平に保持したウエハWに対して電子線Eを斜めに照射させるように構成してもよい。
(制御部)
検査装置100を構成する各構成部は、制御部102に接続されて制御される構成となっている。コンピュータ機能を有する制御部102は、図1に例示したように、CPUを備えたコントローラ31と、このコントローラ31に接続されたユーザーインターフェース32と、記憶部33を備えている。ユーザーインターフェース32は、図示は省略するが、例えばキーボード等の入力手段や、ディスプレイなどの表示手段を有している。記憶部33には、検査装置100で実行される検査をコントローラ31の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウェア)や条件データ等が記録されたレシピが保存されている。そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース32からの指示等にて任意の制御プログラムやレシピを記憶部33から呼び出してコントローラ31に実行させることで、制御部102の制御下で、検査装置100において所望の処理が行われる。
検査装置100を構成する各構成部は、制御部102に接続されて制御される構成となっている。コンピュータ機能を有する制御部102は、図1に例示したように、CPUを備えたコントローラ31と、このコントローラ31に接続されたユーザーインターフェース32と、記憶部33を備えている。ユーザーインターフェース32は、図示は省略するが、例えばキーボード等の入力手段や、ディスプレイなどの表示手段を有している。記憶部33には、検査装置100で実行される検査をコントローラ31の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウェア)や条件データ等が記録されたレシピが保存されている。そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース32からの指示等にて任意の制御プログラムやレシピを記憶部33から呼び出してコントローラ31に実行させることで、制御部102の制御下で、検査装置100において所望の処理が行われる。
例えば、制御部102のコントローラ31は、記憶部33から撮像レシピを読み出し、このレシピに基づき撮像部101を制御し、撮像を行う。また、コントローラ31は、二次電子検出器15による二次電子の検出結果や、反射電子検出器11A,11Bによる反射電子の検出結果を元に画像処理を行い、SEM画像を形成する。さらに、コントローラ31は、SEM画像に基づき、後述のように、ベベル部の欠陥の検出と判定を行う。記憶部33は、コントローラ31が作成した画像等を保存する。また、ユーザーインターフェース32のディスプレイ(図示省略)は、SEM画像や検査結果もしくは判定結果を表示する。また、作業者は前記ディスプレイからGUIを通して撮像部101に各種の指示を行うことができる。
なお、前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体34に格納された状態のものを記憶部33にインストールすることによっても利用できる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体34としては、特に制限はないが、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVDなどを使用できる。また、前記レシピは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
ここで、図1に示した検査装置100で検査対象とするウエハWのベベル部について説明する。図2は、ウエハWの端部付近の断面図である。図2では、ウエハWのエッジ部とベベル部を含む各部の範囲について示している。図2中、aは上面、bはエッジ上部、c1はベベル上部、c2は端部、c3はベベル下部、dはエッジ下部、eは裏面であり、b及びdで示す部位がエッジ部、c1、c2及びc3で示す部位がベベル部である。図示のように、ベベル部のc1、c3の領域は、傾斜面または曲面をなしている。一般に、c1及びc3の幅(ベベル部の幅)LBは、ウエハWの端面(c2の面)の位置から0.6mm程度であり、また、ウエハWの端面(c2の面)からエッジ部の境界までの長さLEは2mm程度である。
[検査方法]
次に、図3及び図4を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るウエハWのベベル部における欠陥の検査方法について説明する。図3は、本実施の形態の検査方法の手順の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の検査方法は、図3に示したステップS1〜ステップS10の手順により実施される。なお、本実施の形態において「欠陥」は、例えば、ベベル部に付着したパーティクルや残さ、キズ、割れ等を意味する。
次に、図3及び図4を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るウエハWのベベル部における欠陥の検査方法について説明する。図3は、本実施の形態の検査方法の手順の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の検査方法は、図3に示したステップS1〜ステップS10の手順により実施される。なお、本実施の形態において「欠陥」は、例えば、ベベル部に付着したパーティクルや残さ、キズ、割れ等を意味する。
まず、ステップS1では、検査装置100の検査位置にソフトウェア上でダミー座標を設定した後、観察領域(Field of View;FOV)をウエハWのベベル部における検査位置へ移動させる。ダミー座標を設定する位置は、ベベル部の全周でもよいし、ベベル部の一部分であってもよい。ベベル部は、片面毎に検査対象とすることができ、端面(c2の面)は、ステージ9のチルト角を調節することによって、表裏どちらかの面と同時に検査できる。つまり、図2のc1もしくはc1とc2、又はc3もしくはc3とc2を、一度に検査対象とすることがすることができる。また、検査装置100では、電子銃1による電子の加速電圧を例えば15kV以上に設定することによって焦点深度を深くすることができるため、水平にウエハWを保持した状態でウエハWの上面(図2中のa)に垂直な方向から電子線Eを照射しても、図2のc1とc2、又はc3とc2を検査することが可能である。
ここで、ダミー座標の設定の仕方について、図4を参照しながら説明する。図4(a)は、ウエハWの平面図、同(b)はベベル上部c1の一部分の拡大図、同(c)は、(b)の一部分をさらに拡大して一つのダミー座標領域を示す図である。図4(c)ではパーティクルPが存在するダミー座標を拡大して示している。なお、図4(a)、(b)では、直交座標を例示しているが、ウエハWの中心を原点とする半直線の角θによって指定される極座標を用いることもできる。
まず、前提として、図4(a)に示したように、ウエハWのノッチ(もしくはオリエンテーションフラット)50とエッジ部位の任意の数か所を検査装置100のSEMで観察し、XY座標軸上におけるウエハWの位置を確定する。次に、上記ステップS1では、図4(b)に示したように、ベベル部のみにダミー座標X1Y1、X2Y1…XnYnを設定する。ダミー座標は、SEMで検査を行う場合のFOVを元に配置される。直交座標の場合、ダミー座標の間隔(1ダミー座標におけるX方向、Y方向の長さ)は、FOVのサイズと等しい。FOVは、SEMの倍率によって決定され、FOVが小さければ分解能が上がりかつ倍率が大きくなり、大きくすると分解能が下がり、かつ倍率が小さくなる。例えば300nm以下の微小パーティクルPを検出する場合は、相対的に高倍率の検査が必要であり、FOVを小さく、ダミー座標の間隔も小さくなる。図4(b)、(c)では、ダミー座標の間隔は、例えば77μmに設定している。
次に、ステップS2では、ダミー座標をスキャンしながら、各ダミー座標について低倍率のSEM画像を撮像する。ここで、低倍率とは、例えばFOVが約154μmとなる倍率などとすることができる。本実施の形態では、検出したいパーティクルPのサイズによって、相対的にステップS2とステップS4の倍率(FOV)の値を設定することができる。SEMの画素数が例えば縦×横=512×512である場合、FOV(μm)=画素サイズ(μm)×512(画素数)の関係から、例えば77μmのFOVにおいて1画素は77÷512=0.15μmとなる。本実施の形態では、検出したいパーティクルPの径の1/2以下の画素サイズとなるFOVを基準にしている。例えば300nm径のパーティクルPを検出するためには、1画素の大きさは0.15μmとなる。この場合、4画素分に相当する部分において300nm径のパーティクルPが検出されることになり、十分に必要な倍率が得られる。また、例えば600nmのパーティクルPを検出するためには、600÷2=300、つまり0.3μmの画素あれば検出可能であり、この場合、FOVは、0.3μm×512=154μmとなる。ステップS2では、制御部102のコントローラ31によって、記憶部33から撮像レシピを読み出し、このレシピに基づく条件で撮像部101の電子銃1から電子線Eを照射し、撮像を行う。コントローラ31は、二次電子検出器15による二次電子の検出結果や、反射電子検出器11A,11Bによる反射電子の検出結果を元に画像処理を行い、ダミー座標毎にSEM画像を形成し取得する。ここで、電子線Eの加速電圧は、15kV以上、好ましくは15kV以上30kV以下の範囲内に設定することが好ましい。加速電圧を15kV以上とすることによって、十分な焦点深度が得られ、傾斜面や曲面をなすベベル部においてもパーティクルPの検出が可能になる。加速電圧が15kV未満では、ベベル部の傾斜面や曲面に対して十分な焦点深度が得られず、パーティクルPにオートフォーカスできない。
次に、ステップS3では、ステップS2で得られた各ダミー座標のSEM画像中に粒子径300nmより大きなパーティクルPが検出されたか否かを判断する。このステップS3では、SEMのオートフォーカス機能を利用し、図4(c)に示したように、ダミー座標毎にパーティクルPの存在を確認する。ここで、パーティクルPの粒子径300nmを基準としたのは、SEMの性能(焦点深度や分解能など)を考慮した例示である。パーティクルPの粒子径の基準値は、目的に応じて設定することができる。なお、パーティクルPは、球状に限らず、例えば長球体、立方体、板状、棒状など種々の形状をとる。そのため、パーティクルPが球状でない場合は、最大となる長さを長径とし、最小となる長さを短径とし、長径をパーティクルPの粒子径と見做すことができる。
ステップS3で、いずれかのダミー座標において粒子径300nmより大きなパーティクルPが検出された(YES)と判断された場合、当該パーティクルPが検出されたダミー座標について、次のステップS4で、SEMの高倍率に切り替えるとともに、当該パーティクルPが検出されたダミー座標を観察するため、検査装置100のFOVをウエハWのベベル部における検査位置へ移動させる。ここで、高倍率とは、「パーティクルの形状を確認出来る倍率」または「実物のパーティクルであることが認識できる倍率」であればよく、より具体的には、例えばFOVが1.35μmとなるような倍率とすることができる。例えば、300nmのパーティクルを認識するために、パーティクル径の1/100の画素サイズが必要と定義すれば、300/100=3nm(0.003μm)画素となる(この場合、FOVは0.003μm×512=1.53μmとなる)。これに若干のマージンを見込んで0.026μm画素とした場合、FOVは0.026μm×512=1.35μmとなる。このように、検出したいパーティクルPのサイズによって、相対的にステップS2とステップS4の倍率(FOV)の値を設定することができる。そして、次のステップS5で検査対象のダミー座標について高倍率の撮像を行い、ステップS3で粒子径300nm以上のパーティクルPが検出された、と判定されたダミー座標のSEM画像を撮像する。
次に、ステップS6では、ステップS5で得られたSEM画像を元に、検査対象のダミー座標中に粒子径300nmより大きなパーティクルPが検出されたか否かを判断する。そして、ステップS6で、粒子径300nmより大きなパーティクルPが検出された(YES)と判断された場合は、ステップS7で判定手段としてのコントローラ31が当該ダミー座標に「欠陥あり」と判定し、当該ダミー座標のSEM画像及び座標情報が記憶部33に欠陥座標として登録される。
一方、ステップS3で粒子径300nmより大きなパーティクルPが検出されなかった(No)と判断された場合、ステップS8で判定手段としてのコントローラ31が当該ダミー座標に「欠陥なし」と判定する。
また、ステップS6で、直径300nmより大きなパーティクルPが検出されなかった(No)と判断された場合は、ステップS9で判定手段としてのコントローラ31が当該ダミー座標を「疑似欠陥」と判定する。この場合、当該ダミー座標のSEM画像及び座標情報は記憶部33に登録されない。ここで、「疑似欠陥」は、ノイズなどによるSEM自体の誤認を意味する。
次に、ステップS10では、ステップS7〜ステップS9までの判定結果を例えばユーザーインターフェース32のディスプレイに表示する。
ステップS3でパーティクルPが検出されたダミー座標が複数存在する場合は、ステップS4〜ステップS10までの手順をダミー座標毎に繰り返すことができる。
図3に示すステップS1〜ステップS10までの手順を実行することによって、検査装置100によるウエハWのベベル部の自動検査が終了する。異なる部位や、異なるウエハWの検査を行う場合には、図3に示す手順を繰り返すことができる。
次に、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に制約されるものではない。
[実施例1]
図5〜図7は、図1と同様の検査装置100を用い、加速電圧を15kVに設定してウエハWの端部c2から約0.6mm内側までの範囲を図3に示した手順に従って自動検査した結果を示している。図5はウエハWのベベル部に設定されたダミー座標を示している。ここで、ダミー座標は直交座標とし、FOVは62μmである。図6はベベル上部c1に付着した粒子径約300nmのパーティクル(ポリスチレンラテックス粒子、以下同様である)のSEM画像である。図7はベベル部の端部c2に付着したパーティクルのSEM画像である。図6、図7では1ダミー座標の範囲を拡大して示しており、FOVはいずれも1.35μmである。
図5〜図7は、図1と同様の検査装置100を用い、加速電圧を15kVに設定してウエハWの端部c2から約0.6mm内側までの範囲を図3に示した手順に従って自動検査した結果を示している。図5はウエハWのベベル部に設定されたダミー座標を示している。ここで、ダミー座標は直交座標とし、FOVは62μmである。図6はベベル上部c1に付着した粒子径約300nmのパーティクル(ポリスチレンラテックス粒子、以下同様である)のSEM画像である。図7はベベル部の端部c2に付着したパーティクルのSEM画像である。図6、図7では1ダミー座標の範囲を拡大して示しており、FOVはいずれも1.35μmである。
図8は、実施例1における判定結果を種類別に分類して示すヒストグラムであり、図9は実施例1で検出されたパーティクルの位置をウエハW上に重ねて示したマップである。図8において、縦軸は欠陥数を意味し、横軸のカテゴリは自動分類によって割り当てられた名称であり、「疑似欠陥」、「欠陥なし」、「パーティクル」、「球状パーティクル」、「平面状欠陥」、及び「キズ状欠陥」に分類されている。
図5〜9に示した結果より、本実施の形態の検査方法によって、ウエハWのベベル部の傾斜部分に付着したパーティクルなどの欠陥を自動検出できることが確認できた。
以上のように、本実施の形態の検査方法では、SEMを観察に使用する従来技術と異なり、SEMによる焦点深度の深さを利用して欠陥の検出を行うことで、ウエハWのベベル部を検査対象として、例えば粒子径0.5μm以下のパーティクルなどの欠陥の有無を迅速に自動検出することができる。従って、本実施の形態の検査方法により、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態の検査方法に加え、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)の機能を組み合わせるによって、ウエハWのベベル部におけるパーティクルの検出と観察、さらに材料分析を行うこともできる。
1…電子銃、3…コンデンサレンズ、5…偏向器、9…ステージ、11A,11B…反射電子検出器、13…偏向器、15…二次電子検出器、17A,17B,19…A/D変換器、31…コントローラ、32…ユーザーインターフェース、33…記憶部、34…コンピュータ読み取り可能な記録媒体、100…検査装置、101…撮像部、102…制御部、W…ウエハ、E…電子線、P…パーティクル
Claims (6)
- 走査型電子顕微鏡によって基板のベベル部の欠陥を検査する検査方法であって、
前記基板のベベル部における検査位置にダミー座標を設定し、前記走査型電子顕微鏡の観察領域を前記検査位置へ移動させるステップと、
前記ダミー座標が設定された基板に対し、第1の拡大倍率で走査型電子顕微鏡による撮像を行い、前記ダミー座標毎に第1の画像を得るステップと、
前記第1の画像に基づき、前記ダミー座標毎に欠陥の有無を確認する第1の検出ステップと、
前記第1の検出ステップで欠陥が検出された一つないし複数のダミー座標を対象に、前記第1の拡大倍率よりも高倍率の第2の拡大倍率で前記走査型電子顕微鏡による撮像を行い、前記ダミー座標毎に、第2の画像を得るステップと、
前記第2の画像に基づき、前記ダミー座標毎に欠陥の有無を検出する第2の検出ステップと、
前記第2の検出ステップで欠陥が検出された場合に、当該ダミー座標に「欠陥あり」と判定するステップと、
を備えたことを特徴とする基板のベベル部の検査方法。 - 前記第1の検出ステップで欠陥が検出され、かつ前記第2の検出ステップで欠陥が検出されなかった場合、当該ダミー座標について「疑似欠陥」と判定するステップをさらに備えた請求項1に記載の基板のベベル部の検査方法。
- 前記第1の検出ステップで欠陥が検出されなかった場合、当該ダミー座標について「欠陥なし」と判定するステップをさらに備えた請求項1又は2に記載の基板のベベル部の検査方法。
- 前記走査型電子顕微鏡の電子銃による加速電圧を15kV以上30kV以下とする請求項1から3のいずれか1項に記載の基板のベベル部の検査方法。
- 前記第1の画像及び前記第2の画像は、前記走査型電子顕微鏡によって基板を水平に保持した状態で、該基板上面に垂直な角度で電子線を照射して得られるものである請求項4に記載の基板のベベル部の検査方法。
- 走査型電子顕微鏡に基板のベベル部の欠陥を検査する検査方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記録媒体であって、
前記検査方法は、
前記基板のベベル部における検査位置にダミー座標を設定し、前記走査型電子顕微鏡の観察領域を前記検査位置へ移動させるステップと、
前記ダミー座標が設定された基板に対し、第1の拡大倍率で走査型電子顕微鏡による撮像を行い、前記ダミー座標毎に第1の画像を得るステップと、
前記第1の画像に基づき、前記ダミー座標毎に欠陥の有無を確認する第1の検出ステップと、
前記第1の検出ステップで欠陥が検出された一つないし複数のダミー座標を対象に、前記第1の拡大倍率よりも高倍率の第2の拡大倍率で前記走査型電子顕微鏡による撮像を行い、前記ダミー座標毎に、第2の画像を得るステップと、
前記第2の画像に基づき、前記ダミー座標毎に欠陥の有無を検出する第2の検出ステップと、
前記第2の検出ステップで欠陥が検出された場合に、当該ダミー座標に「欠陥あり」と判定するステップと、
を含むことを特徴とする記録媒体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021075170A1 (ja) * | 2019-10-18 | 2021-04-22 | 株式会社日立ハイテク | 検査システム、及び非一時的コンピュータ可読媒体 |
Citations (2)
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JP2007225351A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Hitachi High-Technologies Corp | 欠陥表示方法およびその装置 |
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2012
- 2012-09-26 JP JP2012212270A patent/JP2014067863A/ja active Pending
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