JP2014067017A - ホログラム再生装置およびホログラム歪補償方法 - Google Patents

ホログラム再生装置およびホログラム歪補償方法 Download PDF

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哲彦 室井
Norihiko Ishii
紀彦 石井
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延博 木下
Hiroshi Kikuchi
宏 菊池
Koji Kamijo
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Abstract

【課題】記録時の照射光や温度変化によるホログラム記録媒体の収縮あるいは膨張により生じるホログラム歪みを補償して、ページデータのbERを改善し得るホログラム再生装置およびホログラム歪補償方法を提供する。
【解決方法】 ホログラム記録媒体111に再生時参照光を照射してページデータを再生する情報再生部を備え、ホログラム記録媒体111の収縮、膨張により生じる干渉縞歪みを補償するホログラム再生装置であって、情報再生部は、情報再生時において記録媒体111に照射される再生時参照光の光路中に、干渉縞歪みを生ぜしめる成分のうちの球面収差成分を補償する位相変調SLM121、および位相変調SLM121を制御する計測制御装置140を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラムを利用して媒体に記録された画像情報の再生を行うホログラム再生装置およびホログラム歪補償方法に関し、特に、ホログラム記録媒体の収縮/膨張に伴うホログラム歪を補償するホログラム再生装置およびホログラム歪補償方法に関する。
近年、高速で大容量の情報記録再生を行う次世代光情報記録再生方式として、ホログラム記録再生方式の研究・開発が活発に行われている。
ここで、従来のホログラム記録再生装置の概略を説明する。すなわち、レーザ光源から出射されたコヒーレントなレーザ光束は、ビームスプリッタにより2系の光束に分岐され、一方の光束は、該ビームスプリッタを通過して空間光変調素子に照射され、該空間光変調素子により空間的に変調されて、ページデータと称される、白、黒2値の画素を2次元配列したデジタル画像情報を担持した信号光とされる。空間光変調素子から出射された信号光は、レンズによって光学的にフーリエ変換されてホログラム記録媒体(以下、単に「記録媒体」と称することがある)へ照射される。一方、上記ビームスプリッタからの他方の光束は、参照光(記録時参照光)とされ、記録媒体中の上記信号光が通過する場所へ、この信号光とは別角度で照射される。
信号光および参照光が同時に照射されると記録媒体内部の体積中に干渉縞が生じ、この縞分布を屈折率分布などの形態で記録媒体の記録領域に転写することによりホログラム記録が行われる。なお、角度多重記録方式の場合には、異なるページデータ情報を空間光変調素子に表示させつつ、参照光の記録媒体への入射角度(回転角度)を少しずつ変化させることにより、互いに異なるページデータ情報を記録媒体中の同一領域へ多重記録することが可能となり、さらに高密度な情報格納が可能となる。
ホログラム記録媒体に記録されたページデータ情報を再生する場合には、信号光を遮蔽し、参照光(再生時参照光)のみを記録時と同一または180度回転した角度で記録媒体に照射せしめることにより、同一の記録領域に複数のページデータ情報が多重記録されていても、所望するページデータ情報のみを選択的に取り出し、レンズを介してCCD(撮像素子)にて撮像し再生することができる。
ところで、ライトワンスの記録媒体として光感光性樹脂材料(以下、フォトポリマーと称する)が用いられている。フォトポリマーによる媒体は多重度指標が高く、長期間安定してデータを保持できるなどの利点がある。しかし、フォトポリマーの場合、記録媒体内部に屈折率差を生じさせてホログラム(干渉縞)を記録する。このとき光重合により媒体収縮が生じる。また、信号記録時と信号再生時との間で温度差が生じた場合には、温度差の影響により記録媒体が収縮したり膨張したりすることがある。記録媒体が収縮あるいは膨張すると、媒体中に記録された干渉縞が歪んだ状態となる、いわゆる干渉縞歪み(ホログラム記録情報歪:以下、ホログラム歪みと称する)が生じる。歪んだ干渉縞に記録時と同様の参照光を入射しても、記録されたビットデータを誤りなく再生することが難しくなるため、再生データのbER(bit Error Rate)が増加してしまう。
そのため、ホログラム歪みを光学的に補償して、再生データのbERを改善する方法が知られている。このような方法としては、参照光の入射角度を調整する方法、参照光の波長を微少に変化させる方法、あるいは参照光波面を制御する方法等がある(非特許文献1、2を参照)。
また、位相共役型のホログラム記録装置においては、参照光角度と波面を制御する手法を組み合わせることにより、ホログラムの歪みを補償して再生データのbERを改善するようにしたものが知られている(非特許文献2を参照)。
しかしながら、参照光の波長や入射角度に基づきホログラム歪みを補償する方法は、近年の情報記録の高密度化により信号光路中のレンズのNAが高くなった場合、十分に補償することが難しい。また、遺伝的アルゴリズムを用いて参照光の波面を最適化する手法があるが、特にデータを再生しながら歪み方が複雑なホログラムを補償する波面を求めることが難しいため、この方法では、補償は可能であるものの、補償速度が遅いという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、記録時の照射光や温度変化によるホログラム記録媒体の収縮あるいは膨張により生じるホログラム歪みを補償して、ページデータのbERを改善し得るホログラム再生装置およびホログラム歪補償方法を提供することを目的とする。
ここで、本発明のホログラム再生装置は、
ページデータが干渉縞の形態で記録されたホログラム記録媒体に再生時参照光を照射して該ページデータを再生する情報再生部を備え、該ホログラム記録媒体の収縮または膨張により生じる干渉縞歪みを補償するホログラム再生装置において、
前記情報再生部は、情報再生時において前記ホログラム記録媒体に照射される前記再生時参照光の光路中に配され、前記干渉縞歪みを生ぜしめる成分のうち球面収差成分を補償する球面収差補償手段、および前記球面収差補償手段を制御する補償量制御手段を備えていることを特徴とするものである。
また、前記球面収差補償手段が位相変調SLMであることが好ましい。
また、前記球面収差補償手段が液晶レンズ素子であり、前記補償量制御手段により、該液晶レンズ素子を光軸に直交する縦横2方向に駆動可能とすることが好ましい。
また、前記補償量制御手段が、フォーカスの中心位置および位相変調度を制御して球面収差を補償し得るように構成されていることが好ましい。
また、本発明のホログラム歪補償方法は、
ページデータが干渉縞の形態で記録されたホログラム記録媒体に再生時参照光を照射して該ページデータを再生し、該ホログラム記録媒体の収縮または膨張により生じる干渉縞歪みを補償するホログラム再生方法において、
情報再生時において前記ホログラム記録媒体に照射される前記再生時参照光の光路中で、前記干渉縞歪みを生ぜしめる成分のうち球面収差成分を補償するように制御することを特徴とするものである。
なお、本発明のホログラム再生装置における「再生」とは、ホログラムの再生機能を有することを示すものであり、ホログラムの記録機能は備えていないということを意味するものではない。すなわち、ホログラムの記録機能と再生機能の両方を備えている装置も本発明のホログラム再生装置の概念に含まれる。
本発明のホログラム再生装置によれば、情報再生時においてホログラム記録媒体に照射される再生時参照光の光路中に、干渉縞歪みを生ぜしめる成分のうち球面収差成分を補償する球面収差補償手段、および球面収差補償手段を制御する補償量制御手段を備えている。
球面収差は干渉縞歪みを生ぜしめる成分のうち主要な成分となっており、また、この球面収差に特化して補償することにより、その処理が極めて容易となることから、容易かつ効率的に、ページデータのbERを改善することができる。
また、本発明のホログラム歪補償方法によれば、情報再生時においてホログラム記録媒体に照射される再生時参照光の光路中において、干渉縞歪みを生ぜしめる成分のうちの球面収差成分を補償する球面収差補償量の制御処理を行っている。
これにより、ホログラム再生装置の効果と同様に、容易かつ効率的に、ページデータのbERを改善することができる。
本発明の第1の実施形態に係るホログラム再生装置の構成を示す概略図である。 参照光のフォーカス要素を制御する際における位相変調SLMに表示する信号を説明するための図であり、(a)は位相変調SLM上の信号であり、(b)は再生像を示す説明図である。 (a)はフォーカス中心位置(横方向)と再生データのbERとの関係を示すグラフであり、(b)はフォーカス中心位置(縦方向)と再生データのbERとの関係を示すグラフであり、(c)はフォーカス位相変調係数と再生データのbERとの関係を示すグラフである。 本実施形態のホログラム再生装置を用いて球面収差を補償したときの再生像を表わす図である。 第2の実施形態に係るホログラム再生装置の構成を示す概略図である。 (a)はホログラム歪みをガルバノメータミラーのみを用いて角度補正したときの再生像であり、(b)はフォーカス制御のために角度補正したときの再生像である。 再生データの信号品質から評価した場合において、(a)はフォーカス中心位置(横方向)と評価値との関係を示すグラフであり、(b)はフォーカス中心位置(縦方向)と評価値との関係を示すグラフであり、(c)はフォーカス位相変調係数と評価値との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るホログラム再生装置およびホログラム歪補償方法の実施形態について、上記図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を用いて本発明の第1の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する。このホログラム再生装置は、ホログラムの記録機能および再生機能を備えた記録再生装置として構成されており、また、ホログラム記録媒体111はフォトポリマーで構成され、角度多重記録方式が採用されている。以下、その仕組み(記録再生操作の流れ)について説明する。
レーザ光源101から出射されたコヒーレントなレーザ光束は、発散レンズ102およびコリメートレンズ103からなるビームエキスパンダにより光束径を拡大され、半波長板104を透過し、ミラー105で偏向された後、偏光ビームスプリッタ(PBS)106により2系の光束に分岐される。
この偏光ビームスプリッタ(PBS)106から図中左方に向かう光束は信号光とされ(実際には後述する振幅変調用空間光変調素子(以下、振幅変調SLMと称する)108により信号光とされる)、偏光ビームスプリッタ(PBS)107を通過して振幅変調108に照射され、振幅変調SLM108により空間的に変調されて、白、黒2値の画素が2次元配列されたデジタル画像からなるページデータ情報を担持した信号光とされる。振幅変調SLM108から出射(反射)された信号光は、入射した状態とは偏光方向が変化しており、偏光ビームスプリッタ(PBS)107において図中下方に反射され、レンズ110によって光学的にフーリエ変換されてホログラム記録媒体111へ照射される。
一方、偏光ビームスプリッタ(PBS)106から図中下方に向かう光束は、参照光とされ、半波長板114およびミラー115を介して、偏光ビームスプリッタ(PBS)116により図中左方および下方に分岐される。ページデータの記録時は、半波長板114は偏光方向(縦偏光)を変えないように設定してあり、偏光ビームスプリッタ(PBS)116により図中下方に反射された記録時参照光はガルバノメータミラー117により角度制御され、リレーレンズ118a、bを介して記録媒体111中の信号光が通過する場所へ、信号光とは別角度で照射され、これにより、記録媒体111中に干渉縞が記録される。
なお、本実施形態装置においては、角度多重記録が可能とされているので、異なるページデータを振幅変調SLM108に表示させつつ、参照光の記録媒体111への入射角度(回転角度)を少しずつ変化させることにより、互いに異なるページデータを記録媒体111中の同一領域へ多重記録することが可能となり、さらに高密度な情報格納が可能となる。
他方、ホログラム記録媒体111に記録されたページデータ情報を再生する場合には、半波長板114により参照光の偏光方向を(縦偏光から横偏光に)変え、ミラー115で反射された再生用参照光は、偏光ビームスプリッタ(PBS)116を透過し、位相変調用空間光変調素子(以下位相変調SLMと称する)121、ガルバノメータミラー122、レンズ123a、123bを通過して、記録用参照光の照射側とは反対側のホログラム記録媒体111面に照射される。このように本実施形態装置は、位相共役型とされている。
また、角度多重記録に対応するため、再生時参照光の記録媒体111への入射角度を所定のタイミングで変化せしめることにより、同一の記録領域に多重記録された複数のページデータ情報から、所望するページデータ情報が順次読み出され、この読み出された再生光の情報はレンズ110および偏光ビームスプリッタ(PBS)107を介してカメラ(CCD)113にて順次撮像される。
なお、上述したように、角度多重の記録および再生においては、上記ガルバノメータミラー122の角度を少しずつ変化させることになるが、具体的には、例えば、入射角を60〜80°の範囲内で0.2度ずつ変化させる度に該領域にページデータ情報の記録または再生を行なう。
上記波面を制御するための位相変調SLM121は、ホログラム記録媒体111の収縮(膨張を含む)により生じるホログラム歪み(干渉縞歪み)を補償するために配置されたものであり、特に、干渉縞歪み成分のうち球面収差により生じる歪み成分を除去するものである。
この位相変調SLM121は、例えば、画素サイズが10.4μmであり、画素毎に基準位置に対して4πの位相差を生じさせることができ、この各画素毎の位相差により、生じている球面収差を補償することができる。
また、位相変調SLM121の各画素の位相を制御するため、この位相変調SLM121には計測制御装置140からの制御信号が入力されるようになっている。なお、計測制御装置140からは、2つのガルバノメータミラー117、122(いずれも直交する2軸周りに回動可能とされている)に対して、その回動方向および回転角度を指示する制御信号が出力され、また、カメラ113からの撮像データが入力され、そのデータを再生し、解析するための演算処理が行われるようになっている。
すなわち、カメラ113から入力された撮像データが演算解析され、球面収差が生じていると判断されたときに、その球面収差量が補償されるように位相変調SLMの各画素毎の位相調整が行われる。
なお、位相変調SLMの各画素毎の位相調整を行う前に、ガルバノメータミラー122の回動角度を適宜調整する、予備的な調整を行っておくことが好ましい。
以下、具体的な実験例により得られた結果を、ホログラム歪みの補償を行った比較例(従来技術)と比較することにより説明する。
<実験例>
ホログラム記録媒体111に対して、角度を0.25度ずつ変化させる度に、該領域にページデータ情報の記録を行ない、合計で50ページの角度多重記録を行った。
なお、記録時の参照光波面は平面波とした。
また、ページデータの記録後に、ポスト露光を施し、この後、平面波とされた再生用参照光をホログラム記録媒体111に照射しデータを再生した。
このホログラム再生時において、再生像がカメラ113により撮像されるように、ガルバノメータミラー122によりホログラム記録媒体111への入射角度の補正(粗調整)を行った。図6(a)に再生像を示す。図6(a)から明らかなように、入射角度の補正のみでは、再生像にはホログラム歪みによる暗部が生じてしまい、この暗部領域から有効な再生データを得ることは困難である。
次に、上記状態から、本実施形態を用いて、ホログラム歪みを補償して再生データのbERの改善を図った。はじめに、図6(a)における再生像中央上部の暗部領域の面積を減少させるためにホログラム記録媒体111への入射角度を補正した。これにより図6(b)に示すように、再生像中央上部の暗部領域の面積を減少させることができたが、図6(a)における再生像左右下部の暗部領域の面積はむしろ増加した。次に、位相変調SLM121を用いて、ホログラム歪み成分のうちの再生用参照光のフォーカス要素(球面収差成分:(本願明細書においてフォーカス要素という場合には、いわゆるデフォーカス要素と同義の意味として用いることがある))を制御した。ここで、フォーカス要素(球面収差成分)を制御するときに位相変調SLM121に表示する信号(円形の画像を表わす信号)を図2(a)に示す。位相変調SLM121の各画素の信号レベルはP=α(ρ−1)の関数で表わされる(αは定数、ρは光スポットの半径、Pは信号レベル)。なお、P=α(ρ−1)の関数中のρ−1はゼルニケ多項式のフォーカスを表わす項に相当する。図2(a)では、α(ρ−1)(ただし、α<0)の式からも明らかなように、中心から周辺に向かうに従って信号レベルが徐々に低下していく。このような観点から、上述した、ゼルニケ多項式のフォーカスを表わす項の係数に替えて、例えばガウス関数やサイン関数の一部を用いることも可能である。
また、この制御においては、ホログラム記録媒体111に対するフォーカスの中心位置および位相変調度をパラメータとした。
ここで、位相変調度とは、「係数αで示され、フォーカス要素の位相差」を表わすものとする。
上記パラメータのうち、まずフォーカスの中心位置について説明する。なお、フォーカスの中心はホログラム再生像の中心に必ずしも一致しない。
すなわち、フォーカス中心位置が再生像上辺の中央になるように位相変調SLM121の信号を制御した。すなわち、図2に示すように、位相変調SLM121におけるフォーカスの中心座標(図2(a)中の破線円S)が、再生像の上部中央部(図2(b)中の破線円S)に対応するように制御した。このときの位相変調SLM121上のフォーカス中心の概略の座標(x,y)は(680,460)であった。また、ホログラムに照射される位相変調SLM121の範囲は図2(a)中の長破線四角で囲んだ領域Rであり、SLM121上の概略の座標は再生像左上が(680,400)、右上が(680,520)、左下が(780,390)、右下が(780,530)であった。
ここで、フォーカス中心位置と再生データのbERの関係を図3(a)に示す。また、フォーカスの位相変調度に関連する上記係数αは‐0.0025とした。フォーカス横方向中心位置を再生像の上部の辺に沿って中央から再生像左方向(値が小さい方向)に移動するとbERは増加した。これは画面左右下部に暗部領域が増加し、さらに左上部のビットがぼけたためである。また、図3(a)において再生像右方向(値が大きい方向)に移動した場合もbERは増加した。これは画面左右下部の暗部領域が増加したためである。
次に、再生像の暗部領域が最も減少したフォーカス縦方向中心位置(680,440)から、再生像の上下方向に中心位置を移動した。フォーカス縦方向中心位置とbERの関係を図3(b)に示す。フォーカス縦方向中心位置を再生像上方向(値が小さい方向)に移動すると再生像左下の暗部の領域が増加したため、bERが増加した。一方、フォーカス縦方向中心位置を再生像の下方向(値が大きい方向)に移動すると右下の暗部の領域が増加したため、bERが増加した。
また、フォーカスの位相変調度に関連する係数αの値を変化させ、該係数とbERの関係を求めた。これら、該係数とbERの関係を図3(c)に示す。係数値が0から小さくなるにつれ、すなわち、フォーカスの位相変調度が大きくなるにつれ、bERは減少し、-0.0023で最小となった。このとき、再生像の暗部領域は最小となった。さらに係数値を小さくし続けると再びbERは増加し、暗部領域も増加した。
図4は、上述した第1の実施形態に係るホログラム再生装置において、暗部領域が減少し、ホログラム歪みの球面収差を補償したときの再生像を示すものである。このとき、位相差の最大値は約πであった。
これにより、再生データのbERを1.7×10-3(図6(a)の再生データのbERは4.0×10-2)に低減することができた。
以上の実験例により、フォーカス中心位置と位相変調度を制御することにより、bERを大幅に低減できることが明らかである。
一方、bERを直接評価する替りに、再生データの信号品質に基づいて評価する手法が、より現実的である。すなわち、例えば再生データの評価関数として、下記評価式(1)を用いる。
ここで、cは変動係数、μは分散を示しており、添え字の0と1は再生データのビット0(黒)と1(白)に対応している。minは再生データ領域をm個のブロックに分割して括弧内を計算したときの最小値を示す。
この定義式における括弧内の式は再生データのSNRを示す式に類似したものとなっている。また、ホログラム歪み補償における遺伝的アルゴリズムを用いた参照光波面の最適化において適応度として用いれば、再生データのbERを低減する上で有効である。
制御方法は上述の手段と同様に、初めに、フォーカス要素の横方向位置を求める。再生像のデータ領域の左上からフォーカス中心位置を再生データの上辺に沿うように横方向位置を移動しながら再生像を取得する。図7(a)にフォーカス中心の横方向位置に対する評価値の関係を示す。フォーカスの位相変調度に関連する上記係数αは‐0.0010とした。ここでは横方向位置が465のとき評価値が最大になった。
次に、評価値が最大となった横方向位置465において、縦方向にフォーカス中心位置を移動し、再度評価した。図7(b)に縦方向位置と評価値の関係を示す。縦方向位置が685のときの評価値は最大値となった。フォーカス要素の中心位置が定まった後、位相変調度を評価する。図7(c)に位相変調度に関連する係数αと評価値の関係を示す。この図7(c)に示すように、変調度が-0.0012のときに評価値が最大となった。
この手法により求めた波面を用いて再生したところ、bERは2.3×10-2から9.1×10-4に低減することができた。これにより、本手法が有効であることが検証された。
ここでは、フォーカスの制御を中心位置の横方向および縦方向、ならびに位置変調度について各々1回のみ行うようにしたが、これらの制御について複数回繰り返すようにしてもよい。さらに、制御する項目の順番を互いに入れ替えるようにしてもよい。
次に、図5を用いて本発明の第2の実施形態に係るホログラム再生装置について説明する。このホログラム再生装置は、第1の実施形態に係るホログラム再生装置とは、位相変調SLM121に替え液晶レンズ230を用いて球面収差を補償する点において異なっているが、他の構成においては略共通する。そこで、その共通する部分については、第1の実施形態に係るホログラム再生装置の各部材に付した符号に100を加えた符号を付して、その具体的な説明は省略する。以下、第1の実施形態に係るホログラム再生装置と異なる部分についてのみ説明する。
すなわち、この第2の実施形態に係るホログラム再生装置においては、再生用参照光路中(図5においてはミラー221とガルバノメータミラー222との間)に設けた液晶レンズ230を用いて、ホログラム歪みを補償している。この液晶レンズ230は、光軸に対して直交するとともに互いに直交する2軸方向に移動できるように(図示されないレンズ駆動アクチュエータにより駆動制御されるように)構成されており、計測制御装置240からの制御信号により接続される。
また、基本的な制御方法および球面収差補償方法は上述した第1の実施形態と同様であるので、以下に制御処理の概略のみを説明する。
まず、液晶レンズ230の中心位置を、上記第1の実施形態と同様に、再生像の上辺の中央になるように、各々横、縦方向に制御する。次に、液晶レンズ230を横方向に移動し、再生像の暗部領域を測定することにより、暗部領域が最小になる横方向の位置を求める。同様に、液晶レンズ230を縦方向に移動し、再生像の暗部領域を測定することにより、再生像の暗部領域が最小になる縦方向の位置を求める。さらに位相変調度を変化させ、暗部領域が最小となる値に設定する。これによりホログラム歪みを補償することができ、再生データを改善することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に態様が限定されるものではない。
すなわち、例えば、上記実施形態においては、球面収差を補償する手段として、位相変調SLMや液晶レンズを用いているが、要は、再生用参照光路中において、再生画像における球面収差を補償しうる手段であれば、その他の種々の手段により代替させることができ、一例として、反射鏡面としての薄膜ミラーが、ミラーの表裏方向に進退可能な複数のピン部材により裏面側から支持されてなるデフォーマブルミラーとすることが可能である。さらに、音響光学変調素子、電気光学変調素子など複数の素子を組み合わせた光学系などによって構成することや、液体レンズなどの、他の位相変調素子を用いることも可能である。
また、上述した制御の方式としては、フィードバック制御やフィードフォワード制御のほか遺伝的アルゴリズムを用いたものを用いることも可能である。
101、201 レーザ光源
102、202 発散レンズ
103、203 コリメートレンズ
104、114、204、214 半波長板
105,115、205、215、221 ミラー
106、107、116、206、207、216 偏光ビームスプリッタ(PBS)
108、208 振幅変調SLM
117、122、217、222 ガルバノメータミラー
110、118a、118b、123a、
123b、210、218a、218b、223a、223b レンズ
111、211 ホログラム記録媒体
113、213 カメラ(CCD)
140、240 計測制御装置
121 位相変調SLM
230 液晶レンズ

Claims (5)

  1. ページデータが干渉縞の形態で記録されたホログラム記録媒体に再生時参照光を照射して該ページデータを再生する情報再生部を備え、該ホログラム記録媒体の収縮または膨張により生じる干渉縞歪みを補償するホログラム再生装置において、
    前記情報再生部は、情報再生時において前記ホログラム記録媒体に照射される前記再生時参照光の光路中に配され、前記干渉縞歪みを生ぜしめる成分のうち球面収差成分を補償する球面収差補償手段、および前記球面収差補償手段を制御する補償量制御手段を備えていることを特徴とするホログラム再生装置。
  2. 前記球面収差補償手段が位相変調SLMであることを特徴とする請求項1記載のホログラム再生装置。
  3. 前記球面収差補償手段が液晶レンズ素子であり、前記補償量制御手段により、該液晶レンズ素子を光軸に直交する縦横2方向に駆動可能とすることを特徴とする請求項1記載のホログラム再生装置。
  4. 前記補償量制御手段が、フォーカスの中心位置および位相変調度を制御して球面収差を補償し得るように構成されていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のホログラム再生装置。
  5. ページデータが干渉縞の形態で記録されたホログラム記録媒体に再生時参照光を照射して該ページデータを再生し、該ホログラム記録媒体の収縮または膨張により生じる干渉縞歪みを補償するホログラム再生方法において、
    情報再生時において前記ホログラム記録媒体に照射される前記再生時参照光の光路中で、前記干渉縞歪みを生ぜしめる成分のうちの球面収差成分を補償するように制御することを特徴とするホログラム歪補償方法。
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