JP2014066818A - 露光装置、露光方法及びマイクロデバイス - Google Patents

露光装置、露光方法及びマイクロデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】露光対象物を傾斜させることなく、既存の露光装置に露光光の光路変更手段を追加するだけで、露光対象物の側面にほぼ均一な光強度の露光光を照射することができ、垂直を含む任意角度の側面を自由に加工することが可能な露光装置を提供する。
【解決手段】露光対象物100の側面101のレジスト膜110を露光するための露光装置であって、透明基板に任意のマスクパターン22を描画したフォトマスク20と、マスクパターン22に露光光を照射する光源10と、マスクパターン22を投影するための投影光学系30と、露光対象物100の側面101と交差する方向に位置し、投影光学系30を通過した露光光の光路を変更し、露光対象物100の側面101のレジスト膜110を露光する光路変更手段40と、を備えた構成としてある。
【選択図】図2

Description

本発明は、露光対象物の側面のレジスト膜を露光するための露光装置、露光方法、及びこれら装置又は方法によって製造されるマイクロデバイスに関する。
従来から半導体等の製造に用いられているフォトリソグラフィ技術を応用し、例えば、レンズ等の光学素子、アクチュエータ、センサー、導波路、プリンタヘッド、各種MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)などのマイクロデバイスを加工することが行われている。
一般的なフォトリソグラフィ加工では、平面の基板上に塗布されたレジスト膜に露光光を垂直に照射して、フォトマスクに描画されたパターンを基板上に転写し、様々なパターンを形成している。
近年、凹凸などの3次元形状を含む露光対象物の側面をフォトリソグラフィ加工することが試みられている。しかし、平面の基板上に塗布されたレジスト膜に露光光を垂直に照射する露光装置では、凹凸などの3次元形状に露光できない領域が生じてしまう問題、露光光のエネルギー密度が均一でないために露光ムラが生じてしまう問題、表面や界面における露光光の反射により、意図しないパターンが転写されてしまう問題などがあった。
このような問題を解消すべく、例えば、特許文献1の図1(a)には、表面に凹凸を有する立体サンプル1を露光する際に、露光光2を、立体サンプル1の基板面の法線方向に対して10°以上60°以下の角度で入射させる露光方法(以下「斜め露光」という)が記載されている。この露光方法によれば、立体サンプル1の基板面A及び斜面Bに入射される露光光の条件が互いに近づき均一化される。これにより、入射する単位面積当たりのエネルギー密度が、垂直入射の場合よりも均一になる。
また、特許文献2の図1(b)には、レジスト膜4の厚みよりも深い凹凸を有する立体サンプル1を露光する際に、光減衰を伴う液体2中に露光光を伝搬させて露光する露光方法が記載されている。この露光方法によれば、液体2の光減衰率を調節することで、立体サンプル1上のレジスト膜4に到達する光強度を、立体の上部にも底部にも適正な値にできる。したがって、均一な光強度分布を持つ光束を照射する従来からの一括露光でありながら、立体サンプル1上のレジスト膜4全体にとって適正な露光強度分布を形成できる。これに加え、斜め露光によって壁面にパターニングを施す場合には、反射光6の強度を減衰させることができ、反射光6の影響を更に低減することが可能となる。
特開2008−91793号公報 特開2011−211064号公報
しかし、上述した特許文献1及び2の斜め露光を実施するためには、真っ直ぐな露光光に対して立体サンプルを傾斜させる必要があり、実際に露光を行う場合に、以下の構造的、光学的な問題を生じる。
<ステージの構造・制御に関する問題>
特許文献1及び2の斜め露光を実施するには、立体サンプルを傾斜させるために、ステージを水平軸に対して数十度も回転させなければならず、一般的な露光装置のステージでは到底実施することができない。仮に、斜め露光専用のステージを設けたとしても、数十度もの回転による過大な負荷が掛かり剛性及び位置決め精度等の低下を招く。
<焦点合わせ・位置合わせに関する問題>
立体サンプルを傾斜させるために、露光時の焦点合わせが困難になる。特に、立体サンプルの傾斜方向のアライメントで露光焦点が変わり、焦点合わせの制御が複雑になってしまう。また、立体サンプルを傾斜させるために、アライメントマークの配置によっては認識が困難になる。
<露光スペースに関する問題>
立体サンプルのサイズが大きい場合は、投影レンズの作動距離との関係で、傾斜させた立体サンプルの上端が投影レンズに接触してしまい、露光ができない場合も生じる。
<特許文献1の特有の問題>
特許文献1のように、単純に露光光を斜めに入射させるだけでは、立体サンプルの側面における反射光が、露光光の光強度分布を不均一にしてしまう悪影響を及ぼす。このような反射光の悪影響を軽減するためには、特許文献2のような、従来行われていなかった特別な工程を追加しなければならない。
<特許文献2の特有の問題>
特に、特許文献2では、光減衰を伴う液体に立体サンプルを液浸して斜め露光を行うが、この光減衰を伴う液体は、その後の露光工程において、露光光の光強度を減衰させてしまう。このため、特許文献2の液浸露光を行った後に、立体サンプルの洗浄工程を追加しなければならず、複数の露光工程を連続で行うためには、特許文献2の液浸露光を最後にしなければならないという制限がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、露光対象物を傾斜させることなく、既存の露光装置又は露光対象物の底面に露光光の光路変更手段を追加するだけで、露光対象物の側面にほぼ均一な光強度の露光光を照射することができ、垂直を含む任意角度の側面を自由に加工することが可能な露光装置、露光方法、及びこれら装置又は方法によって製造されるマイクロデバイスの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の露光装置は、露光対象物の側面のレジスト膜を露光するための露光装置であって、露光光を出射するための光源と、前記露光対象物の側面と交差する方向に位置し、前記光源からの露光光の光路を変更し、前記露光対象物の側面のレジスト膜を露光する光路変更手段と、を備えた構成としてある。
上記構成からなる本発明の露光装置では、光源から出射された露光光は、例えば、フォトマスクに描画されたマスクパターンの透光部を透過して投影光学系に入射される。投影光学系は、マスクパターン(遮光パターン)の像を光路変更手段に投影する。光路変更手段は、後述する光の回折や反射によって入射された露光光の光路を変更し、露光対象物の側面のレジスト膜にマスクパターンの像を転写する。
このような本発明の露光装置によれば、露光対象物の側面と交差する方向に位置する光路変更手段を用いて、露光光の光路を任意の角度に変更することができ、凹凸などの3次元形状を構成する側面に、ほぼ均一な光強度の露光光を照射することが可能となる。また、光路変更手段として、後述する回折格子パターンや光学的反射部材などを、露光対象物の側面と交差する方向に配置すればよく、上述した特許文献1及び2のように、ステージを焦点方向(Z軸)に大きく駆動させて露光対象物を傾斜させる必要は一切ない。
したがって、本発明によれば、既存の露光装置の仕様、露光対象物の立体形状に応じた光路変更手段を設計し、この光路変更手段を露光対象物の側面と交差する方向に配置することで、既存の露光装置を用いた露光対象物の側面露光が可能となる。また、露光対象物を傾斜させることなく側面露光を行うことができるので、上述した従来の諸問題を全て解決することが可能となる。
好ましくは、上述した本発明の露光装置において、透明基板に任意のマスクパターンを描画したフォトマスクと、前記マスクパターンを投影するための投影光学系とを備え、前記光路変更手段が、前記露光光に含まれる所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させるピッチで形成された回折格子パターンを有する構成にするとよい。
具体的には、前記回折格子パターンが、前記露光光に含まれる所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させる反射型の回折格子パターンであり、前記回折格子パターンの上方に配置した前記露光対象物の側面のレジスト膜を回折光で露光する構成、又は、前記回折格子パターンが、前記露光光に含まれる所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させる透過型の回折格子パターンであり、前記回折格子パターンの下方に配置した前記露光対象物の側面のレジスト膜を回折光で露光する構成とする。
上記構成によれば、所定のピッチPで形成された回折格子パターンに露光光を入射させることで、この露光光に含まれる所定の波長λの光を、所定の回折次数の角度θ=arcsin(λ/P)で回折させることができる。この角度θの回折光を露光対象物の側面に照射することで、露光対象物の側面のレジスト膜を露光することが可能となる。
好ましくは、前記光路変更手段が、前記露光光を所定の角度で反射させる光学的反射部材を有する構成としてもよい。
例えば、透明基板に任意のマスクパターンを描画したフォトマスクと、前記マスクパターンを投影するための投影光学系とを備え、前記光学的反射手段が、前記露光光を所定の角度で反射させるマイクロミラーアレイであり、前記マイクロミラーアレイの上方に配置した前記露光対象物の側面のレジスト膜を反射光で露光する構成とする。
上記構成によれば、マイクロミラーアレイを構成する多数のミラーを所定の角度に傾けることで、露光光を任意の角度θで反射させることができる。この角度θの反射光を露光対象物の側面に照射することで、露光対象物の側面のレジスト膜を露光することが可能となる。
また例えば、前記光学的反射手段が、前記露光光を所定の角度で反射させる多数の可動式マイクロミラーを配列したデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)であり、前記デジタルマイクロミラーデバイスの上方に配置した前記露光対象物の側面のレジスト膜を反射光で露光する構成としてもよい。
上記構成によれば、デジタルマイクロミラーデバイスを構成する所定領域のミラー素子をON/OFF制御することで、任意のパターンの転写に必要な領域の露光光のみを角度θで反射させることができる。この角度θの反射光を露光対象物の側面に照射することで、露光対象物の側面のレジスト膜を露光することが可能となる。
好ましくは、透明基板に任意のマスクパターンを描画したフォトマスクと、前記マスクパターンを投影するための投影光学系とを備え、前記露光対象物の側面のレジスト膜に投影される前記マスクパターンの横幅wが下記式(1)、縦長lが下記式(2)を充足するように、前記マスクパターンの横幅W、縦長Lを設定した構成にするとよい。
w=β・W・(cosθ/sin(θ−α))…(1)
l=β・L…(2)
但し、βは前記投影光学系のレンズ倍率、θは前記光路変更手段により光路変更された光の角度、αは垂直を基準にした前記側面の傾斜角である。
本発明のように、露光対象物の側面と交差する方向に位置する光路変更手段を用いて、露光光の光路を任意の角度に変更する場合は、露光対象物の側面のレジスト膜に投影されるマスクパターンの横幅w及び縦長lが、投影レンズの倍率βに影響を受けるほか、横幅wが、光路変更手段により光路変更された光の角度θ、露光対象物の側面の傾斜角αに影響を受けることになる。
そこで、露光対象物の側面のレジスト膜に投影されるマスクパターンの横幅wが上記式(1)、縦長lが上記式(2)を充足するように、フォトマスクのマスクパターンの横幅W、縦長Lを設定することで、側面のレジスト膜に所望する寸法形状のマスクパターンを投影することができ、垂直を含む任意角度の側面を自由に加工することが可能となる。
上記目的を達成するために、本発明の露光方法は、露光対象物の側面のレジスト膜を露光するための露光方法であって、前記側面と交差する方向に光路変更手段を設け、前記光路変更手段によって露光光の光路を変更し、前記露光対象物の側面のレジスト膜を露光するようにしてある。
上記方法によれば、上述した本発明の露光装置と同様に、露光対象物の側面と交差する方向に位置する光路変更手段を用いて、露光光の光路を任意の角度に変更することができ、凹凸などの3次元形状を構成する側面に、ほぼ均一な光強度の露光光を照射することが可能となる。また、光路変更手段として、上述した回折格子パターンや光学的反射部材などを、露光対象物の側面と交差する方向に配置すればよく、上述した特許文献1及び2のように、ステージを駆動させて露光対象物を傾斜させる必要は一切ない。
したがって、本発明によれば、既存の露光装置の仕様、露光対象物の立体形状に応じた光路変更手段を設計し、この光路変更手段を露光対象物の側面と交差する方向に配置することで、既存の露光装置を用いた露光対象物の側面露光が可能となる。また、露光対象物を傾斜させることなく側面露光を行うことができるので、上述した従来の諸問題を全て解決することが可能となる。
好ましくは、前記光路変更手段が、前記露光対象物の側面に連続する底面上に形成された反射型の回折格子パターンであり、前記回折格子パターンを、前記露光光に含まれる所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させるピッチで形成するとよい。
上記方法によれば、例えば、凹凸などの側面と底面とが連続する3次元形状を含む露光対象物を露光する場合、この露光対象物に露光光を垂直に照射すると、底面上に形成した回折格子パターンが、所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させ、側面のレジスト膜に入射させる。これにより、底面に連続する側面のレジスト膜を露光することができる。特に、凹凸が連続するような3次元形状を露光する場合、複数の底面上に形成した回折格子パターンによって、複数の側面の各レジスト膜を一括露光することが可能である。
上記目的を達成するために、本発明のマイクロデバイスは、前記露光対象物としてのマイクロデバイスであって、上述した本発明の露光装置又は露光方法により側面をパターニングしたことを特徴とする。
上述した本発明の露光装置又は露光方法によれば、レンズ等の光学素子、アクチュエータ、センサー、導波路、プリンタヘッド、各種MEMSなどのマイクロデバイスを構成する側面を自由に加工することが可能となり、垂直を含む任意角度の側面に、機械的、電気的又は光学的な構造を持たせることができる。
本発明の露光装置、露光方法、及びこれら装置又は方法によって製造されるマイクロデバイスによれば、露光対象物を傾斜させることなく、既存の露光装置又は露光対象物の底面に露光光の光路変更手段を追加するだけで、露光対象物の側面にほぼ均一な光強度の露光光を照射することができ、垂直を含む任意角度の側面を自由に加工することが可能となる。
凹凸などの3次元形状を含む露光対象物の具体例を示す拡大図である。 本発明の実施形態に係る露光装置を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る露光装置の主要部を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る露光装置の主要部を示す概略図である。 同図(a)、(b)は、本発明の第3実施形態に係る露光装置の主要部を示す概略図である。 本発明の第4実施形態に係る露光装置の主要部を示す概略図である。 本発明の第5実施形態に係る露光方法を説明するための概略図である。 本実施形態の露光装置により加工された露光対象物の側面形状を例示するものであり、同図(a)は斜視図、同図(b)は端面図である。 本実施形態の露光装置により加工された露光対象物の側面形状を例示するものであり、同図(a)は斜視図、同図(b)は端面図である。 本実施形態の露光装置により加工された露光対象物の側面形状を例示するものであり、同図(a)は斜視図、同図(b)は端面図である。 本実施形態の露光装置により加工された露光対象物の側面形状を例示するものであり、同図(a)は斜視図、同図(b)は端面図である。 本実施形態の露光装置により加工された露光対象物の側面形状を例示するものであり、同図(a)は斜視図、同図(b)は端面図である。 本実施形態の露光装置により加工された露光対象物の側面形状を例示するものであり、同図(a)は斜視図、同図(b)は端面図である。 本実施形態の露光装置による楕円面の加工を示す概略図である。 本実施形態の露光装置による球面の加工を示す概略図である。
以下、本発明に係る露光装置、露光方法及びマイクロデバイスの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<露光対象物>
まず、本実施形態の露光装置、露光方法の露光対象物について、図1を参照しつつ説明する。本実施形態の露光装置、露光方法は、露光対象物の側面を加工するものであり、凹凸が連続する3次元形状の露光対象物100を図1に例示する。
この露光対象物100には、8つの側面101A〜101D(図中の墨塗り箇所を参照)と、3つの底面102とが含まれている。露光対象物100の裏面を除く表面全体には、レジスト膜が塗布してある。本実施形態の露光装置、露光方法は、底面102に連続していない側面101A、101D、及び底面102に連続する側面101B、101Cのレジスト膜を露光する。
なお、図1に示す露光対象物100の形状は、露光する側面の態様を説明するための便宜的な例示に過ぎず、以下に述べる本実施形態の露光装置、露光方法は、あらゆる形状の露光対象物の側面の加工に適用することが可能である。また、本実施形態の露光装置、露光方法は、図1に示す側面101A〜101Dのような垂直面に限らず、任意の傾斜面、曲面、段差面などを露光することができる。さらに、側面101A〜101Dに塗布するレジスト膜は、露光された部分が現像で無くなるポジレジスト、又は露光された部分が現像で残るネガレジストのいずれでもよい。
<露光装置及び露光方法の概要>
次に、本実施形態の露光装置及び露光方法の概要について、図2を参照しつつ説明する。同図において、本実施形態の露光装置1は、主として、光源10、フォトマスク20、投影光学系30、光路変更手段40を備えた構成となっている。光路変更手段40には、傾斜した側面を有する露光対象物100が載置してある。
光源11は、ウエハ基板41上のレジスト膜を露光するための露光光を放出する。光源11としては、例えば、半導体レーザー、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、エキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)など、各種波長の露光光を出射可能なものを用いることができる。
フォトマスク20は、ガラス又は石英などの透明基板に、クロム薄膜の遮光領域21を形成し、この遮光領域21に囲まれたマスクパターン22を有する。マスクパターン22は、遮光領域21に囲まれた透光部22a内に、クロム薄膜で所望の遮光パターン22bを描画した構成となっている。
投影光学系30は、マスクパターン22を構成する遮光パターン22bの像を光路変更手段40上に投影するためのレンズ等によって構成してある。光源11から出射された露光光は、マスクパターン22の透光部22aを透過して、投影光学系30に入射される。投影光学系30は、マスクパターン22の透光部22aを透過した光を光路変更手段40上に照射し、ここに遮光パターン22bの像を投影する。
光路変更手段40は、露光対象物100の側面101と交差する方向に位置し、投影光学系30を通過した露光光の光路を変更し、側面101に塗布したレジスト膜110を露光する。図2には、露光光を反射して光路を変更する構成の光路変更手段40を例示したが、図4に示すように、露光光を透過して光路を変更する構成とすることも可能である。光路変更手段40の具体的な構成は、後に図3〜図7を参照して詳述する。
<マスクパターンと投影図形の関係>
上述したように、本実施形態の露光装置及び露光方法は、マスクパターン22(遮光パターン22b)の像を投影光学系30で光路変更手段40上に投影し、光路変更手段40によって露光光の光路を変更することで、露光対象物100の側面101に塗布したレジスト膜110に、マスクパターン22の像を転写している。
ここで、図2に示すように、マスクパターン22の像は、そのままの寸法で光路変更手段40及び側面101に投影されるものではなく、投影光学系30のレンズ倍率β、光路変更手段40により光路変更された光の角度(反射角又は回折角)θ、側面101の垂直を基準にした傾斜角αに影響を受けた大きさで投影される。
すなわち、投影光学系30に入射されたマスクパターン22の像は、投影光学系30のレンズ倍率βにより等倍、拡大又は縮小され、光路変更手段40上に投影される。その後、光路変更手段40上に投影されたマスクパターン22’の像は、光路変更手段40により光路変更された光の角度θ、及び側面101の傾斜角αの影響を受け、その寸法を変化させて側面101のレジスト膜110に転写される(図2中の符号22”を参照)。
このため、本実施形態では、上記β、θ及びαの影響を考慮して、フォトマスク20に形成するマスクパターン22の横幅W、縦長Lを設定している。具体的には、露光対象物100の側面101のレジスト膜110に投影されるマスクパターン22”の横幅wが下記式(1)、縦長lが下記式(2)を充足するように、フォトマスク20のマスクパターン22の横幅W、縦長Lを設定している。

w=β・W・(cosθ/sin(θ−α))…(1)
l=β・L…(2)
すなわち、本実施形態では、最初に側面101に転写されるマスクパターン22”の横幅w、縦長lを決定し、その後、上記式(1)、(2)の関係に基づいて、横幅w、縦長lの値からフォトマスク20に形成するマスクパターン22の横幅W、縦長Lを逆算しているのである。このような横幅W、縦長Lのマスクパターン22を用いることにより、所望する横幅w、縦長lのマスクパターン22”を側面101に転写することが可能となる。
<第1実施形態>
次に、本発明の第1実施形態に係る露光装置について、図3を参照しつつ説明する。本実施形態は、図2に示す露光装置の光路変更手段の具体的構成を例示するものであり、光源10、フォトマスク20及び投影光学系30の図示は省略する。
図3において、本実施形態では、露光光の光路変更手段50として、反射型の回折格子パターン52を適用した構成となっている。この光路変更手段50は、ガラス又は石英などの透明基板51の裏面51bに、クロム薄膜のライン52A、52A、52A…と、スペース52B、52B、52B…と、を所定のピッチPで交互に形成した回折格子パターン52を設けた構成としてある。また、透明基板51の平坦な表面51aには、露光対象物100が載置される。これにより、回折格子パターン52が、露光対象物100の側面101と交差する方向に位置する。
<<回折格子パターンのピッチの選定>>
回折格子パターン52を所定のピッチPで形成することにより、露光光に含まれる所定の波長λの光を、所定の回折次数(n=±1、±2…)の角度θ=arcsin(nλ/P)で回折させることができる。露光に用いる光の波長λ及び回折次数nが定まれば、回折格子パターン52のピッチPはnλ/sinθにより求めることができる。本実施形態では、波長λの光の1次回折光を露光に用いており、その回折角はθ=arcsin(λ/P)となる(図面を簡略化するため、露光に用いない−1次回折光は図示せず)。
本実施形態のように1次回折光を露光に用いる場合、好ましくは、回折格子パターン52のピッチPとスペース52Bの幅との比率(Duty)を調整し、2次回折光が消失する構成にするとよい。このような構成とした場合は、2次回折光が側面101の露光に与える影響をなくすことができる。なお、3次以上の高次回折光は、回折角θが大きく、光の強度も小さいので、側面101の露光に与える影響はほとんどない。
<<作用効果>>
上記構成からなる本実施形態の露光装置では、まず、図2に示すように、投影光学系30を通過した露光光を光路変更手段50に垂直に入射させると、投影レンズの倍率βに応じたマスクパターン22’の像が光路変更手段50上に投影される。
次いで、図3に示すように、光路変更手段50に垂直に入射させた露光光のうち、所定の波長λの光が回折格子パターン52に回折され、所定の回折次数(n=1)の角度θに光路変更される。その後、光路変更された回折光が、露光対象物100の側面101に塗布されたレジスト膜110に照射される。これにより、角度θ及び傾斜角α(本実施形態ではα=0°)の影響を受けた所望する寸法のマスクパターン22”の像(図2を参照)が、側面101のレジスト膜110に転写される。
このような本実施形態の露光装置によれば、所定のピッチPで形成された回折格子パターン52に露光光を垂直に入射させることで、この露光光に含まれる所定の波長λの光を、所定の回折次数の角度θで回折させることができる。この角度θの回折光を露光対象物100の側面101に照射することで、側面101に塗布したレジスト膜110を露光することが可能となる。
特に、回折格子パターン52は、透明基板51にクロム薄膜のラインアンドスペース52A、52Bを描画した簡単な構成であるため、極めて容易に製造することができる。これに加え、回折格子パターン52のピッチPを調整することで、側面101に入射させる回折光の角度θを精密に制御することが可能である。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る露光装置について、図4を参照しつつ説明する。本実施形態も、図2に示す露光装置の光路変更手段の具体的構成を例示するものであり、光源10、フォトマスク20及び投影光学系30の図示は省略する。
図4において、本実施形態では、露光光の光路変更手段60として、透過型の回折格子パターン62を適用した構成としてある。この光路変更手段60は、ガラス又は石英などの透明基板61の表面61aに、クロム薄膜のライン62A、62A、62A…と、スペース62B、62B、62B…と、を所定のピッチPで交互に形成した回折格子パターン62を設けた構成となっている。
このような光路変更手段60は、図2に示す投影光学系30と、図示しないステージとの間に配設してあり、その下方に配置した露光対象物100の側面101に塗布したレジスト膜110を回折光で露光する。回折格子パターン62は、投影光学系30から垂直に入射した露光光を透過させ、この露光光に含まれる所定の波長λの光を、所定の回折次数(n=1)の角度θで回折させるピッチPで形成してある。
このような本実施形態の露光装置によれば、第1実施形態と同様に、角度θの回折光を露光対象物100の側面101に照射することで、側面101に塗布したレジスト膜110を露光することが可能となる。また、第1実施形態と同様に、回折格子パターン62を極めて容易に製造することができ、そのピッチPを調整することで、側面101に入射させる回折光の角度θを精密に制御することが可能である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る露光装置について、図5(a)、(b)を参照しつつ説明する。本実施形態も、図2に示す露光装置の光路変更手段の具体的構成を例示するものであり、光源10、フォトマスク20及び投影光学系30の図示は省略する。
図5(a)において、本実施形態では、露光光の光路変更手段として、マイクロミラーアレイ(光学的反射部材)70を適用した構成としてある。このマイクロミラーアレイ70は、多数のマイクロミラー71、71、71…を水平方向にマトリックス状に配列した構成となっている。各マイクロミラー71は、それぞれ鏡面処理した反射面71a、71a、71a…を有しており、各反射面71aは、いずれも同じ角度に傾斜している。このようなマイクロミラーアレイ70の上には、露光対象物100が載置され、各マイクロミラー71が、露光対象物100の側面101と交差する方向に位置する。
<<作用効果>>
上記構成からなるマイクロミラーアレイ70は、図2に示す光路変更手段40のように投影光学系30の下方に配置してある。第1及び第2実施形態と同様に、投影光学系30からの露光光をマイクロミラーアレイ70に垂直に入射させると、投影レンズの倍率βに応じたマスクパターン22’の像がマイクロミラーアレイ70上に投影される。
次いで、図5(a)に示すように、マイクロミラーアレイ70に入射させた露光光は全て、各マイクロミラー71の反射面71aに反射され、反射角θに光路変更される。その後、光路変更された反射光が、露光対象物100の側面101に塗布されたレジスト膜110に照射される。これにより、反射角θ及び傾斜角α(本実施形態ではα=0°)の影響を受けた所望する寸法のマスクパターン22”の像(図2を参照)が、側面101のレジスト膜110に転写される。
このような本実施形態の露光装置によれば、マスクパターン22の透光部22aを透過した露光光の全てを、マイクロミラーアレイ70で反射させて、露光対象物100の側面101に塗布したレジスト膜110を露光することができる。したがって、上述した第1及び第2実施形態と比較して、側面101に塗布したレジスト膜110を露光する際の光量を増大させることができ、露光時間を短縮することが可能となる。
ここで、本実施形態のマイクロミラーアレイ70は、各マイクロミラー71の反射面71aの角度が固定されているので、露光光の反射角θを変更する場合には、図5(b)に示すように、各マイクロミラー72の反射面72aの角度が異なる他のマイクロミラーアレイ70’を用いて露光を行えばよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る露光装置について、図6を参照しつつ説明する。本実施形態も、図2に示す露光装置の光路変更手段の具体的構成を例示するものであり、光源10、投影光学系30の図示は省略する。
ここで、上述した第1〜第3実施形態では、任意のマスクパターン22を形成したフォトマスク20、及びマスクパターン22を投影するための投影光学系30が必須であったが、本実施形態の露光装置では、これらフォトマスク20及び/又は投影光学系30を用いずに、任意形状のパターンを露光対象物100の側面101に塗布したレジスト膜110に転写することができる。
<<光路変更手段の構成>>
図6において、本実施形態では、露光光の光路変更手段として、デジタルマイクロミラーデバイス(光学的反射部材)80を適用した構成としてある。このデジタルマイクロミラーデバイス80は、多数の可動マイクロミラー81、81、81…を水平方向にマトリックス状に配列した構成となっている。
各可動マイクロミラー81は、それぞれが図示しない電極と支軸とを有しており、個別に電圧を印加することで、所定の角度に傾斜動作することが可能である。本実施形態では、電圧の印加時に、各可動マイクロミラー81が所定の角度に傾斜動作し(図中のON状態を参照)、電圧の非印加時に、各可動マイクロミラー81が水平になるようにしてある(図中OFF状態)。そして、各可動マイクロミラー81の反射面81a、81a、81a…はそれぞれ鏡面処理してあり、傾斜動作(ON)させた任意の可動マイクロミラー81のみが、入射した露光光を反射角θで反射して光路変更する。
このようなデジタルマイクロミラーデバイス80の上には、露光対象物100が載置され、各可動マイクロミラー81が、露光対象物100の側面101と交差する方向に位置する。
<<フォトマスク及び投影光学系を用いない露光>>
上述したように、本実施形態の露光装置では、図2に示す配置構成からフォトマスク20及び投影光学系30を省略し、上から順に光源10とデジタルマイクロミラーデバイス80との配置構成で、露光対象物100の側面101に塗布したレジスト膜110を露光する。この場合の光源10は、上述した第1〜第3実施形態と異なり、平行光を出射する構成のものを用いる。すなわち、本実施形態の露光装置は、光源10から出射した平行光で、フォトマスク20の役割を果たすデジタルマイクロミラーデバイス80を直接照明し、側面101のレジスト膜110を露光する構成としてある。以下、本実施形態の露光手順について説明する。
まず、デジタルマイクロミラーデバイス80の各可動マイクロミラー81をON/OFF制御して、側面101のレジスト膜110に転写すべきパターン形状に対応する所定の可動マイクロミラー81、81、81…のみを傾斜動作(ON)させる。これにより、デジタルマイクロミラーデバイス80が、任意のマスクパターン22を形成したフォトマスク20と同様に機能する。
すなわち、傾斜動作(ON)させた可動マイクロミラー81は、側面101に露光光を提供するマスクパターン22の透過部22aに相当し、水平状態(OFF)を保つ可動マイクロミラー81は、側面101に露光光を提供しない遮光領域21及び遮光パターン22bに相当する。したがって、水平状態(OFF)を保つ可動マイクロミラー81によって所望するパターンが形成されるように、所定の可動マイクロミラー81を傾斜動作(ON)させれば、フォトマスク20と同様に、任意のパターンを側面101のレジスト膜110に転写することができる。
このようにON/OFF制御した各可動マイクロミラー81に、光源10からの露光光(マスクパターン22なしの光強度分布が一様な平行光)を垂直に入射させる。すると、傾斜動作(ON)させた可動マイクロミラー81のみが、入射した露光光を反射角θで反射し、その光路を変更する。その後、光路変更された反射光が、露光対象物100の側面101に塗布されたレジスト膜110に照射され、所望するパターンが側面101のレジスト膜110に転写される。
なお、水平状態(OFF)を保つ可動マイクロミラー81に入射した露光光は、入射時と同じく垂直に反射され、入射時と同じ光路を辿って光源10へ戻ることになる。
このような本実施形態の露光装置によれば、フォトマスク20を用いずに、任意形状のパターンを側面101のレジスト膜110に転写することが可能となり、フォトマスク20を製作する手間、時間及び費用を削減することができる。
また、各可動マイクロミラー81をON/OFF制御することで、種々のパターン形状に対応することができ、フォトマスク20と比較して、デジタルマイクロミラーデバイス80は、汎用性に優れている。さらに、上述した第3実施形態と同様に、側面101に塗布したレジスト膜110を露光する際の光量を増大させることができるので、露光時間を短縮することが可能となる。これに加え、所定の可動マイクロミラー81をON/OFF制御することで形成したパターン形状は、投影光学系30のレンズ倍率βの影響を受けず、そのまま露光対象物100の側面101に転写することができる。
<<フォトマスクを選択的に用いた露光>>
上述したように、本実施形態の露光装置では、図2に示すフォトマスク20及び投影光学系30の両方を省略して、露光対象物100の側面101を露光することができる。しかし、このような構成及び方法に限定されるものではなく、投影光学系30を備えた露光装置において、フォトマスク20を選択的に用いて露光する構成及び方法としてもよい。
例えば、露光対象物100の上面及び底面(図6中の側面101以外の面)を露光する工程では、通常通り、任意のマスクパターン22を描画したフォトマスク20と投影光学系30とを用いて露光を行う。一方、露光対象物100の側面101を露光する工程では、フォトマスク20を用いずに、光源10からの露光光を投影光学系30に直接入射させて露光を行うか、又は、光源10と投影光学系30との間に、遮光領域21及び遮光パターン22bが設けられていない素ガラスレチクルを介在させて露光を行う。
このように、投影光学系30を備えた露光装置において、フォトマスク20を選択的に用いる構成及び方法とした場合は、露光対象物100の各面に対応する異なる露光工程を、1台の露光装置で実施することができ、任意の立体形状を有する露光対象物100の各面を効率よく露光することが可能となる。
<<フォトマスク及び投影光学系を用いた露光>>
なお、上述した具体例では、いずれもフォトマスク20を用いないで露光する場合について説明したが、これに限定されるものではない。露光対象物100の側面101を露光するのに必要な領域の可動マイクロミラー81、81、81…を全て傾斜動作させれば、デジタルマイクロミラーデバイス80は、第3実施形態のマイクロミラーアレイ70と同様に機能するので、この場合は、任意のマスクパターン22を形成したフォトマスク20を用いて、露光対象物100の側面101を露光することができる。
また、フォトマスク20を用いる場合は、露光対象物100の側面101と、その他の面(上面及び底面)とを同時に露光することも可能である。この場合、例えば、フォトマスク20に、側面101を露光するための第1領域と、その他の面を露光するための第2領域とを設ける。フォトマスク20の第1領域は、デジタルマイクロミラーデバイス80に対応しており、遮光パターンを描画せずに透光部のみとする。一方、フォトマスク20の第2領域は、露光対象物100のその他の面(上面及び底面)に対応しており、透光部中に任意の遮光パターンが描画してある。
このような第1及び第2領域を設けたフォトマスク20を用いれば、露光対象物100の側面101と、その他の面(上面及び底面)とを同時に露光することが可能となり、任意の立体形状を有する露光対象物100の各面を効率よく露光することができるようになる。
<<その他>>
また、上述した実施形態のデジタルマイクロミラーデバイス80は、電圧の印加、非印加で、各可動マイクロミラー81が一定角度の傾斜状態又は水平状態の2態様となる構成としたが、これに限定されるものではなく、印加する電圧値を調整することにより、可動マイクロミラーの傾斜角を制御することが可能なデジタルマイクロミラーデバイスを用いてもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る露光方法について、図7を参照しつつ説明する。本実施形態の露光方法は、図1に示す露光対象物100の底面102に、反射型の回折格子パターン(光路変更手段)を設け、この底面102に連続する側面101B、101Cを露光するものである。
このため、本露光方法は、図2に示す露光装置を用いて実施するが、底面102に連続する側面101B、101Cのみを露光する場合には、第1〜第4実施形態のような独立の光路変更手段50〜80は必須ではない。底面102に連続しない側面101A、101Dと、底面102に連続する側面101B、101Cとを一括露光する場合に、独立の光路変更手段50〜80を併用する。なお、図7において、本露光方法の実施に用いる光源10、フォトマスク20、投影光学系30の図示は省略する。
図7において、本実施形態の露光方法では、あらかじめ露光対象物100の底面102に、露光光の光路変更手段としての回折格子パターン90を形成する。この回折格子パターン90は、第1実施形態と同様の反射型であり、底面102に、クロム薄膜のライン90A、90A、90A…と、スペース90B、90B、90B…と、を所定のピッチPで交互に形成した構成となっている。このような回折格子パターン90は、底面102と連続する2つの側面102B、102Cと交差する方向に位置する。
回折格子パターン90のピッチPは、上述した第1実施形態と同様の手法により選定する。回折格子パターン90を所定のピッチPで形成することにより、露光光に含まれる所定の波長λの光を、所定の回折次数(±1、±2…)の角度θ=arcsin(nλ/P)で回折させることが可能となる。本実施形態では、第1実施形態と同様に、波長λの光の1次回折光を露光に用いており、その回折角はθ=arcsin(λ/P)となる。また、回折格子パターン90のピッチPとスペース90Bの幅との比率(Duty)を調整し、2次回折光が消失する構成にするとよい。なお、本実施形態では、+1次回折光で側壁101B、−1次回折光で側壁101Cを一括露光するが、図面を簡略化するために−1次回折光は図示しない。
<<作用効果>>
本実施形態の露光方法では、まず、図2に示すように、投影光学系30からの露光光を露光対象物100の表面に垂直に入射させると、底面102の回折格子パターン90上に、投影レンズの倍率βに応じたマスクパターン22’の像が投影される。
次いで、図7に示すように、回折格子パターン90に入射した露光光のうち、所定の波長λの光が、所定の回折次数(n=1)の角度θに光路変更される。その後、光路変更された回折光が、底面102に連続する側面101B、101Cに塗布されたレジスト膜110にそれぞれ照射される。これにより、角度θ及び傾斜角α(本実施形態ではα=0°)の影響を受けた所望する寸法のマスクパターン22”の像(図2を参照)が、側面101B、101Cのレジスト膜110に転写される。
このような本実施形態の露光方法によれば、露光対象物100の底面102に形成した回折格子パターン90に露光光を垂直に入射させることで、この露光光に含まれる所定の波長λの光を、所定の回折次数(n=1)の角度θで回折させることができる。この角度θの回折光を露光対象物100の側面101B、101Cにそれぞれ照射することで、側面101B、101Cに塗布したレジスト膜110を一括露光することが可能となる。
<側面の加工例>
上述した第1〜第5実施形態に係る露光装置又は露光方法により加工可能な露光対象物の側面形状を、図8〜図13に例示する。
本実施形態に係る露光装置又は露光方法によれば、露光対象物100の側面を、図8(a)、(b)及び図9(a)、(b)に示すような任意の曲面103A、103Bに加工することが可能である。このような任意の曲面103A、103Bを、上述したフォトリソグラフィで加工する場合は、本出願人が特願2011−045002で提案した未解像ドットの集合によって描画したマスクパターンを用いればよい。
未解像ドットとは、マスクパターンを描画する1つの点(ドット)であり、露光装置の限界解像力以下の大きさのものをいう。マスクパターンの各部を描画する未解像ドットの単位面積当たりの個数を連続的に変化させることで、マスクパターン全体が所定の透過率分布となるようにする。これにより、マスクパターンを透過した露光光が、所望する三次元形状を形成するような所定の光強度分布を呈するようになる。
上記のような未解像ドットの集合によって描画したマスクパターンを用いれば、本実施形態に係る露光装置又は露光方法により、図10(a)、(b)及び図11(a)、(b)のような任意の傾斜面104A、104Bを加工することも可能である。
さらに、粗密なく描画された通常の遮光部(図2の符号22bを参照)と、単位面積当たりの個数を連続的に変化させた未解像ドットとを組み合わせたマスクパターンを用いれば、図12(a)、(b)及び図13(a)、(b)のような垂直面105Aと傾斜面105Bとからなる任意の段差面を加工することができる。
<楕円面、球面の加工>
上述した第1〜第5実施形態に係る露光装置又は露光方法は、図2〜図7に示すような平坦な側面の加工に限定されるものではない。例えば、図14に示すような楕円面からなる露光対象物100、図15に示すような球面からなる露光対象物100の外周面を任意の三次元形状に加工することも可能である。
1 露光装置
10 光源
11 反射鏡
20 フォトマスク
21 遮光領域
22 マスクパターン
22a 透光部
22b 遮光パターン
30 投影光学系
40、50、60 光路変更手段
51、61 透明基板
52、62 回折格子パターン
52A、62A ライン
52B、62B スペース
70、70’ マイクロミラーアレイ(光学的反射部材)
71、72 マイクロミラー
71a、72a 反射面
80 デジタルマイクロミラーデバイス(光学的反射部材)
81 可動マイクロミラー
81a 反射面
90 回折格子パターン(光路変更手段)
90A ライン
90B スペース
100 露光対象物
101A〜101D 側面
102 底面
110 レジスト膜
103A、103B 任意の曲面
104A、104B 任意の傾斜面
105A 垂直面
105B 傾斜面

Claims (12)

  1. 露光対象物の側面のレジスト膜を露光するための露光装置であって、
    露光光を出射する光源と、
    前記露光対象物の側面と交差する方向に位置し、前記投影光学系を通過した露光光の光路を変更し、前記露光対象物の側面のレジスト膜を露光する光路変更手段と、
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  2. 透明基板に任意のマスクパターンを描画したフォトマスクと、前記マスクパターンを投影するための投影光学系とを備え、
    前記光路変更手段が、前記露光光に含まれる所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させるピッチで形成された回折格子パターンを有する、請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記回折格子パターンが、前記露光光に含まれる所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させる反射型の回折格子パターンであり、前記回折格子パターンの上方に配置した前記露光対象物の側面のレジスト膜を回折光で露光する、請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記回折格子パターンが、前記露光光に含まれる所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させる透過型の回折格子パターンであり、前記回折格子パターンの下方に配置した前記露光対象物の側面のレジスト膜を回折光で露光する、請求項2に記載の露光装置。
  5. 前記光路変更手段が、前記露光光を所定の角度で反射させる光学的反射部材を有する、請求項1に記載の露光装置。
  6. 透明基板に任意のマスクパターンを描画したフォトマスクと、前記マスクパターンを投影するための投影光学系とを備え、
    前記光学的反射手段が、前記露光光を所定の角度で反射させるマイクロミラーアレイであり、前記マイクロミラーアレイの上方に配置した前記露光対象物の側面のレジスト膜を反射光で露光する、請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記光学的反射手段が、前記露光光を所定の角度で反射させる多数の可動式マイクロミラーを配列したデジタルマイクロミラーデバイスであり、前記デジタルマイクロミラーデバイスの上方に配置した前記露光対象物の側面のレジスト膜を反射光で露光する、請求項5に記載の露光装置。
  8. 透明基板に任意のマスクパターンを描画したフォトマスクと、前記マスクパターンを投影するための投影光学系とを備え、
    前記露光対象物の側面のレジスト膜に投影される前記マスクパターンの横幅wが下記式(1)、縦長lが下記式(2)を充足するように、前記マスクパターンの横幅W、縦長Lを設定した、請求項1〜7のいずれか1項に記載の露光装置。

    w=β・W・(cosθ/sin(θ−α))…(1)
    l=β・L…(2)

    但し、βは前記投影光学系のレンズ倍率、θは前記光路変更手段により光路変更された光の角度、αは垂直を基準にした前記側面の傾斜角である。
  9. 露光対象物の側面のレジスト膜を露光するための露光方法であって、
    前記側面と交差する方向に光路変更手段を設け、前記光路変更手段によって露光光の光路を変更し、前記露光対象物の側面のレジスト膜を露光することを特徴とする露光方法。
  10. 前記光路変更手段が、前記露光対象物の側面に連続する底面上に形成された反射型の回折格子パターンであり、前記回折格子パターンが、前記露光光に含まれる所定の波長の光を所定の回折次数の角度で回折させるピッチで形成された、請求項9に記載の露光方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載された露光装置により側面をパターニングした、前記露光対象物としてのマイクロデバイス。
  12. 請求項9又は10に記載された露光方法により側面をパターニングした、前記露光対象物としてのマイクロデバイス。
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