JP2014066290A - 磁気歯車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルク伝達の際に生じる渦電流の発生を抑制することができる磁気歯車装置を提供する。
【解決手段】同軸状に配置した第1及第2磁気車2,3の第1磁気歯車2において、2つの磁極が径方向外側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石24を磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接するボンド磁石24の同極が隣り合うように配置し、第2磁気歯車3において、2つの磁極が径方向内側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石32を磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接するボンド磁石32の同極が隣り合うように配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】同軸状に配置した第1及第2磁気車2,3の第1磁気歯車2において、2つの磁極が径方向外側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石24を磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接するボンド磁石24の同極が隣り合うように配置し、第2磁気歯車3において、2つの磁極が径方向内側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石32を磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接するボンド磁石32の同極が隣り合うように配置する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁石の磁気吸引・反発によってトルクを伝達する磁気歯車装置に関する。
減速装置としては、高効率での伝動が比較的容易に可能な歯車装置が広く一般に用いられているが、その他に磁石の磁気的吸引・反発によってトルクを伝達する磁気歯車装置がある。
磁気歯車装置の従来技術として、例えば、同心状に配置した内輪磁気歯車と外輪磁気歯車の間に磁気を透過する複数の磁性バーを環状に配置し、内輪磁気歯車に入力したトルクを外輪磁気歯車に伝達するものがある(特許文献1等参照)。
上記従来技術のような構造の磁気歯車装置において、磁石やヨークは相対的に変化する磁界中にさらされている。特に、磁気歯車装置の回転が高速である場合には磁界の相対変化がより激しく、電磁誘導効果によって磁石やヨークに大きな渦電流が発生する。このような大きな渦電流の発生は、エネルギーの損失(渦電流損)に伴う伝達効率の著しい低下や、発熱による部材の劣化の一因となっていた。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、トルク伝達の際に生じる渦電流の発生を抑制することができる磁気歯車装置を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、周方向に回動可能に設けられた第1回転軸の軸線周りに径方向外側に向けた磁力発生面を有し、2つの磁極が径方向外側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石を前記磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接する前記ボンド磁石の同極が隣り合うように配置した第1磁気歯車と、前記第1磁気歯車を同軸状に囲むように配置され、前記第1磁気歯車の磁力発生面に対向するように径方向内側に向けた磁力発生面を有し、2つの磁極が径方向内側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石を前記磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接する前記ボンド磁石の同極が隣り合うように配置した第2磁気歯車と、前記第1磁気歯車と前記第2磁気歯車の磁極間に介在するように、前記第1及び第2磁気歯車の対向する前記磁力発生面間に周方向に並べて固設された電磁鋼製の複数の磁気経路部材とを備えたものとする。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第1及び第2磁気歯車のボンド磁石の軸線に垂直な面における断面の径方向の寸法に対する周方向の寸法が、2〜2.5倍の範囲となるように前記ボンド磁石を形成したものとする。
(3)また、上記(1)において、好ましくは、前記ボンド磁石は、ネオジム・鉄・ボロン系燒結磁石であるものとする。
(4)さらに、上記(1)において、好ましくは、前記磁気経路部材は、珪素濃度が6〜7重量%とした珪素鋼板であるものとする。
(5)また、上記(1)において、好ましくは、前記磁気経路部材は、互いに絶縁して軸方向に積層した電磁鋼板により形成したものとする。
(6)さらにまた、上記(1)において、好ましくは、前記磁石は、互いに絶縁して軸方向に積層した磁石により形成したものとする。
本発明によれば、トルク伝達の際に生じる渦電流の発生を抑制することができ、エネルギーの損失(渦電流損)に伴う伝達効率の著しい低下や、発熱による部材の劣化を抑制することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
図7は、本実施の形態に係る磁気歯車装置100を備えたガスタービン発電機の概略構成図である。
図7において、ガスタービン発電機は、取り入れた空気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機90と、圧縮機90からの圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器91と、燃焼器91からの燃焼ガスにより回転駆動するタービン92と、タービン92と圧縮機90を連結し、タービン92の回転を圧縮機90に伝達する中間軸93と、圧縮機90に接続され、タービン92により回転駆動される入力回転軸1と、入力回転軸1及び出力回転軸5に接続され、入力回転軸1の回転数を変換して出力回転軸5に出力する磁気歯車装置100と、出力回転軸5に接続され、出力回転軸5の回転数に応じて発電を行う発電機94とを備えている。入力回転軸1、出力回転軸5、及びその他の回転軸は同軸上に配置され、複数の軸受95及びスラスト軸受(図示せず)により回転可能に支持されている。
図1は本発明の一実施の形態に係る磁気歯車装置100の回転軸に垂直な面における断面を、図2は回転軸を含む面における断面をそれぞれ模式的に示す図である。
図1及び図2において、磁気歯車装置100は、略円柱状の入力側磁気歯車(第1磁気歯車)2と、入力側磁気歯車2を同軸状に囲むように配置された略円筒状の出力側磁気歯車(第2磁気歯車)3と、入力側磁気歯車2と出力側磁気歯車3の間に配置された複数の磁気経路部材4とを有している。入力側磁気歯車2は、略円柱形状を有しており、その一端側において入力回転軸1と同軸上に接続されている。また、出力側磁気歯車3は、他端側(入力回転軸1と反対側)を閉じた略円筒形状を有しており、その閉じた端部において出力回転軸5と同軸上に接続されている。なお、入力回転軸1と出力回転軸5は同軸上に配置されている。
入力側磁気歯車2は、入力回転軸1の軸線上に沿うように設けられた軸中心部(内側ロータ)21と、軸中心部21の外周に同軸状に接続された非磁性体構造部(内側非磁性ヨーク)22と、非磁性体構造部22の外周に径方向外側に向けて設けた磁力発生面に周方向に複数(本実施の形態では14個)並べて配置された磁石24とから構成されている。入力側磁気歯車2の軸中心部21と非磁性体構造部22は、図示しないセレーション等の嵌め合い構造で接続されている。
入力側磁気歯車2に配置した磁石24は、2つの磁極(N極とS極)が径方向外側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石であり、互いに絶縁した薄板状の磁石を軸方向に積層することにより形成されている。周方向に隣接する磁石24は、その同極が隣り合うように配置されている。したがって、磁石24をこのように配置した入力側磁気歯車2の極性対数(N極とS極の組の数)を周方向にカウントした場合、その極性対数は7となる。
磁石24としては、例えば、ネオジム・鉄・ボロン系ボンド磁石がある。
非磁性体構造部22を形成する非磁性体としては、例えば、非磁性金属であるオーステナイトステンレス、ニッケル合金、チタン合金や、非金属材料であるFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)などがある。
出力側磁気歯車3は、略円筒状に形成され入力側磁気歯車2と同軸状に配置された非磁性体構造部(外側非磁性ヨーク)と一体的に形成された外側ロータ31と、外側ロータ31を構成する非磁性体構造部の内周に径方向内側に向けて設けた磁力発生面に周方向に複数(本実施の形態では34個)並べて配置された磁石32とから構成されている。
出力側磁気歯車3に配置した磁石24は、2つの磁極(N極とS極)が径方向内側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石であり、互いに絶縁した薄板状の磁石を軸方向に積層することにより形成されている。周方向に隣接する磁石32は、その同極が隣り合うように配置されている。したがって、磁石32をこのように配置した出力側磁気歯車3の極性対数(N極とS極の組の数)を周方向にカウントした場合、その極性対数は17となる。
磁石24としては、例えば、ネオジム・鉄・ボロン系ボンド磁石がある。
外側ロータ31の非磁性体構造部を形成する非磁性体としては、入力側磁気歯車2の非磁性体構造部21と同様に、例えば、非磁性金属であるオーステナイト、ステンレス、ニッケル合金チタン合金や、非金属材料であるFRP(繊維強化プラスチック)などがある。
磁気経路部材4は、入力側磁気歯車2と出力側磁気歯車3の対向する磁力発生面間に同軸状に形成された樹脂製(例えば、非金属材料であるFRP)の磁気経路部材ホルダー41により保持されることにより、入力側磁気歯車2と出力側磁気歯車3の磁極間に介在するように周方向に複数並べて固設されている。
磁気経路部材ホルダー41には、軸方向に延在する穴が周方向に等間隔に複数設けられており、この穴に、互いに絶縁した薄板状の電磁鋼製部材を軸方向に積層することにより、磁気経路部材4が軸方向に延在するよう形成されている。磁気経路ホルダー41は、その入力回転軸1側の一端をボルト等により保持部43に接続されており、保持部43はボルト43a等により磁気歯車装置100の基部等に固設されている。つまり、磁気経路部材41は、保持部43を介して磁気歯車装置100の基部等に対して固設されている。
磁気経路部材4は、部材全体において珪素含有量がほぼ均一である珪素鋼板により形成されている。図6は、珪素鋼板の珪素(Si)量に対する磁気特性変化を示す図である。図6に示すように、珪素鋼板中の珪素濃度が6〜7重量%である場合において、鉄損が有意に小さくなることがわかる。特に、珪素濃度が約6.5重量%において、鉄損が極小値をとる。本実施の形態の磁気経路部材4は、珪素濃度6〜7重量%の珪素鋼板により形成されている。
入力側磁気歯車2、磁気経路部材ホルダー41を含む磁気経路部材4、及び、出力側磁気歯車3は、互いに径方向に十分な間隙が設けられて配置されており、回転駆動によって接触しないように構成されている。また、出力回転軸5側の端部において、入力側磁気歯車2と出力側磁気歯車3、及び、出力側磁気歯車3と磁気経路部材ホルダー41は、ボールベアリング2a,3aを介して互いに周方向に摺動可能に保持されており、各部材間の中心軸のずれが抑制されている。
以上のように構成した本実施の形態の磁気歯車装置100において、入力回転軸1(つまり、入力側磁気歯車2)と出力回転軸5(つまり、出力側磁気歯車3)の間の入出力回転数、および、入出力トルクについて説明する。
(1)入出力回転数について
本実施の形態の磁気歯車装置100において、入力回転軸1(つまり、入力側磁気歯車2)に入力される回転数と出力回転軸5(つまり、出力側磁気歯車3)に伝達される回転数の関係は、入力側磁気歯車2の磁力発生面における磁極の極性対数と出力側磁気歯車3の磁力発生面における極性対数の比により決まる。
本実施の形態の磁気歯車装置100において、入力回転軸1(つまり、入力側磁気歯車2)に入力される回転数と出力回転軸5(つまり、出力側磁気歯車3)に伝達される回転数の関係は、入力側磁気歯車2の磁力発生面における磁極の極性対数と出力側磁気歯車3の磁力発生面における極性対数の比により決まる。
つまり、入力回転軸1の回転数(入力回転数)をNin、入力側磁気歯車2に設けられた複数の磁石24による磁力発生面の磁性対数をXin、出力回転軸5の回転数(出力回転数)をNout、出力側磁気歯車3に設けられた複数の磁石32による磁力発生面の極性対数をXoutとすると、入力回転数Ninと出力回転数Noutの関係は以下の(式1)で表される。
Nin:Nout=Xout:Xin ・・・(式1)
例えば、本実施の形態(図1等参照)で示したように、入力側磁気歯車2の磁力発生面における極性対数をXin=7、出力側磁気歯車の磁力発生面における極性対数をXout=17とすると、入力回転数Ninと出力回転軸Noutの比は、Nin:Nout=Xout:Xin=17:7となる。
(2)入出力トルクについて
本実施の形態の磁気歯車装置100において、入力回転軸1(つまり、入力側磁気歯車2)から出力回転軸5(つまり、出力側磁気歯車3)に伝達可能なトルク(伝達可能トルク)は次のように決まる。
本実施の形態の磁気歯車装置100において、入力回転軸1(つまり、入力側磁気歯車2)から出力回転軸5(つまり、出力側磁気歯車3)に伝達可能なトルク(伝達可能トルク)は次のように決まる。
(2−1)伝達可能トルクの極大値
磁気歯車装置100の伝達可能トルクの極大値は、入力側磁気歯車2の磁力発生面における磁極の極性対数、出力側磁気歯車3の磁力発生面における極性対数、及び、磁気経路部材4の数によって決まる。
磁気歯車装置100の伝達可能トルクの極大値は、入力側磁気歯車2の磁力発生面における磁極の極性対数、出力側磁気歯車3の磁力発生面における極性対数、及び、磁気経路部材4の数によって決まる。
磁気歯車装置100において、磁気経路部材4の数を入力側磁気歯車2の磁力発生面の極性対数と出力側磁気歯車3の磁力発生面の極性対数の和となるように構成した場合に、入力回転軸1から出力回転軸5への伝達可能トルクは極大値をとる。この知見は、フーリエ解析等を用いたシミュレーションにより得られる。例えば、本実施の形態のように、入力側磁気歯車2の磁力発生面の極性対数を7、出力側磁気歯車3の磁力発生面の極性対数を17とした場合において、磁気経路部材4の数を24とすると入力側磁気歯車2と出力側磁気歯車3の間の伝達可能トルクは極大値となる。
(2−2)伝達可能トルクの最大値
磁気歯車装置100の伝達可能トルクの最大値は、入力側磁気歯車2の磁石24および出力側磁気歯車3の磁石32の軸線に垂直な面における断面の形状によって決まる。
磁気歯車装置100の伝達可能トルクの最大値は、入力側磁気歯車2の磁石24および出力側磁気歯車3の磁石32の軸線に垂直な面における断面の形状によって決まる。
図3は、入力側磁気歯車及び出力側磁気歯車の磁石の軸に垂直な面における断面の形状を模式的に示す図である。また、図4及び図5は、内側及び外側磁気歯車のそれぞれの磁石の径方向の寸法と伝達可能トルクの密度(伝達可能トルク密度)の関係のシミュレーション結果を示す図である。なお、図3において、外側磁気歯車3の磁石については図中に括弧書きで符号を示している。
本実施の形態において、トルク密度を以下の(式2)のように定義する。なお、トルク密度とは、伝達可能トルクを磁石の体積で割ったものである。
伝達可能トルク密度(kN・m/m2)
=伝達可能トルク(kN・m)/磁石の体積(m3) ・・・(式2)
伝達可能トルク密度(kN・m/m2)
=伝達可能トルク(kN・m)/磁石の体積(m3) ・・・(式2)
(2−2−1)内側磁気歯車2の磁石24について
図1に示すように、内側及び外側磁気歯車の直径をそれぞれR1,R2とし、図3に示すように、磁石24の軸に垂直な面における断面の径方向及び周方向の寸法をそれぞれR_in,C_inとし、C_inを一定としてR_inをパラメータサーベイしたシミュレーション結果を図4に示す。図4は、縦軸に伝達可能トルク密度(kN・m)、横軸に内側磁気歯車の磁石の径方向寸法(mm)をそれぞれ示している。なお、本実施の形態においては、各数値の一例として、R1=950(mm)、R2=1170(mm)、C_in=213(mm)、C_out=108(mm)とした場合について説明する。
図1に示すように、内側及び外側磁気歯車の直径をそれぞれR1,R2とし、図3に示すように、磁石24の軸に垂直な面における断面の径方向及び周方向の寸法をそれぞれR_in,C_inとし、C_inを一定としてR_inをパラメータサーベイしたシミュレーション結果を図4に示す。図4は、縦軸に伝達可能トルク密度(kN・m)、横軸に内側磁気歯車の磁石の径方向寸法(mm)をそれぞれ示している。なお、本実施の形態においては、各数値の一例として、R1=950(mm)、R2=1170(mm)、C_in=213(mm)、C_out=108(mm)とした場合について説明する。
図4において、伝達可能トルク密度は、磁石24の径方向の寸法R_inが0の近傍から95(mm)までは、R_outが大きくなるのに従って大きくなり、R_inが95(mm)で最大値となり、R_inが95(mm)よりも大きくなるのに従って緩やかに小さくなる。
このように、伝達可能トルク密度が最大となるとき、磁石24の径方向の寸法R_inと周方向の寸法C_inとの比は以下の(式3)のようになる。
R_in:C_in=95:213≒1:2.24 ・・・(式3)
また、図4からは、以下の(式4)に示す範囲外における伝達可能トルク密度の減少度合いから、以下の(式5)に示す範囲において伝達可能トルク密度が大きいといえる。
85(mm)≦R_in≦105(mm) ・・・(式4)
213/105(mm)≦C_in/R_in≦213/85
⇒ 2.0≦C_in/R_in≦2.5(mm) ・・・(式5)
⇒ 2.0≦C_in/R_in≦2.5(mm) ・・・(式5)
すなわち、磁石24の径方向の寸法に対する周方向の寸法が、約2倍〜約2.5倍の範囲である場合に、磁気歯車装置100の伝達可能トルク密度が最大となるといえる。
本実施の形態の磁石24は、径方向の寸法に対する周方向の寸法が、約2倍〜2.5倍の範囲となるように形成されている。
(2−2−2)外側磁気歯車3の磁石32について
図1に示すように、内側及び外側磁気歯車の直径をそれぞれR1,R2とし、図3に示すように、磁石32の軸に垂直な面における断面の径方向及び周方向の寸法をそれぞれR_out,C_outとし、C_outを一定としてR_outをパラメータサーベイしたシミュレーション結果を図5に示す。図5は、縦軸に伝達可能トルク密度(kN・m)、横軸に内側磁気歯車の磁石の径方向寸法(mm)をそれぞれ示している。なお、上記(2−2−1)と同様に、各数値の一例として、R1=950(mm)、R2=1170(mm)、C_in=213(mm)、C_out=108(mm)とした場合について説明する。
図1に示すように、内側及び外側磁気歯車の直径をそれぞれR1,R2とし、図3に示すように、磁石32の軸に垂直な面における断面の径方向及び周方向の寸法をそれぞれR_out,C_outとし、C_outを一定としてR_outをパラメータサーベイしたシミュレーション結果を図5に示す。図5は、縦軸に伝達可能トルク密度(kN・m)、横軸に内側磁気歯車の磁石の径方向寸法(mm)をそれぞれ示している。なお、上記(2−2−1)と同様に、各数値の一例として、R1=950(mm)、R2=1170(mm)、C_in=213(mm)、C_out=108(mm)とした場合について説明する。
図5において、伝達可能トルク密度は、磁石32の径方向の寸法R_outが0の近傍から50(mm)までは、R_outが大きくなるのに従って大きくなり、R_outが50(mm)で最大値となり、R_outが50(mm)よりも大きくなるのに従って緩やかに小さくなる。
このように、伝達可能トルク密度が最大となるとき、磁石32の径方向の寸法R_outと周方向の寸法C_outとの比は以下の(式6)のようになる。
R_out:C_out=95:213≒1:2.24 ・・・(式6)
また、図4からは、以下の(式7)に示す範囲外における伝達可能トルク密度の減少度合いから、以下の(式8)に示す範囲において伝達可能トルク密度が大きいといえる。
40(mm)≦R_out≦60(mm) ・・・(式7)
213/105(mm)≦C_out/R_out≦108/40
⇒ 1.8≦C_out/R_out≦2.7(mm) ・・・(式8)
⇒ 1.8≦C_out/R_out≦2.7(mm) ・・・(式8)
すなわち、磁石32の径方向の寸法に対する周方向の寸法が、約2倍〜約2.5倍の範囲である場合に、磁気歯車装置100の伝達可能トルク密度が最大となるといえる。
本実施の形態の磁石32は、径方向の寸法に対する周方向の寸法が、約2倍〜2.5倍の範囲となるように形成されている。
以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
圧縮機90及びタービン92を起動し、入力回転軸1を回転駆動すると磁気歯車装置100の入力側磁気歯車2が回転駆動される。入力側磁気歯車2の磁力発生面と出力側磁気歯車3の磁力発生面は、磁気経路部材4を介して磁気的に噛み合っている。具体的には、入力側磁気歯車2が磁気経路部材4に相対して回転すると、各磁気経路部材4の入力側磁気歯車2および出力側磁気歯車3との対向面がN極又はS極に交互に磁化される。このように、磁化された磁気経路部材4と出力側磁気歯車3の磁力発生面の間にはたらく磁気的吸引力または反発力によって出力側磁気歯車3は周方向に回転駆動される。すなわち、磁気歯車装置100は、磁気経路部材4を遊星歯車のように機能させて入力回転軸1の回転動力を出力回転軸5に伝達する。
以上のように構成した本実施の形態の効果を説明する。
従来技術のような構造の磁気歯車装置において、磁石やヨークは相対的に変化する磁界中にさらされている。特に、磁気歯車装置の回転が高速である場合には磁界の相対変化がより激しく、電磁誘導効果によって磁石やヨークに大きな渦電流が発生する。このような大きな渦電流の発生は、エネルギーの損失(渦電流損)に伴う伝達効率の著しい低下や、発熱による部材の劣化の一因となっていた。
従来技術のような構造の磁気歯車装置において、磁石やヨークは相対的に変化する磁界中にさらされている。特に、磁気歯車装置の回転が高速である場合には磁界の相対変化がより激しく、電磁誘導効果によって磁石やヨークに大きな渦電流が発生する。このような大きな渦電流の発生は、エネルギーの損失(渦電流損)に伴う伝達効率の著しい低下や、発熱による部材の劣化の一因となっていた。
これに対し、本実施の形態においては、第1磁気歯車2において、2つの磁極が径方向外側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石24を磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接するボンド磁石24の同極が隣り合うように配置するとともに、第2磁気歯車3において、2つの磁極が径方向内側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石32を磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接するボンド磁石32の同極が隣り合うように配置した。
このように、第1及び第2磁気歯車2,3に用いる磁石24,32に電気抵抗の比較的高いボンド磁石を用いたので、磁石に発生する渦電流を抑制することができ、したがって、エネルギーの損失(渦電流損)に伴う伝達効率の著しい低下や、発熱による部材の劣化を抑制することができる。
また、磁石24,32を、薄板状のボンド磁石を軸方向に積層することにより形成したので、渦電流の発生をさらに抑制することができる。
さらに、第1及び第2磁気歯車2,3に用いる磁石24,32として、2つの磁極が径方向の同じ向きを向くように異方性着磁したボンド磁石を用いたので、第1及び第2磁気歯車2,3の磁力発生面間以外の方向への磁力の漏れを抑制することができ、磁気歯車装置100の伝達効率の低下を抑制することができる。
また、磁石24,32の径方向の寸法に対する周方向の寸法を、磁気歯車装置100の伝達可能トルク密度が最大(極大)となる約2倍〜約2.5倍の範囲となるように形成したので、高い伝達可能トルクを実現することができ、磁気歯車装置100の伝達効率を向上することができる。
また、磁気経路部材4を互いに絶縁した薄板状の電磁鋼製部材を軸方向に積層することにより形成したので、渦電流の発生を抑制することができ、エネルギーの損失(渦電流損)に伴う伝達効率の著しい低下や、発熱による部材の劣化を抑制することができる。
また、磁気経路部材4を珪素濃度が6〜7重量%である珪素鋼板により形成したので、鉄損を抑制することができ、エネルギーの損失(渦電流損)に伴う伝達効率の著しい低下や、発熱による部材の劣化を抑制することができる。
1 入力回転軸(第1回転軸)
2 入力側磁気歯車(第1磁気歯車)
3 出力側磁気歯車(第2磁気歯車)
4 磁気経路部材
5 出力回転軸(第2回転軸)
21 軸中心部(内側ロータ)
22 非磁性体構造部(内側非磁性ヨーク)
24,32 磁石
31 非磁性体構造部(外側非磁性ヨーク)
41 磁気経路部材ホルダー
42,43a ボルト
43 保持部
90 圧縮機
91 燃焼器
92 タービン
93 中間軸
94 発電機
95 軸受
100 磁気歯車装置
2 入力側磁気歯車(第1磁気歯車)
3 出力側磁気歯車(第2磁気歯車)
4 磁気経路部材
5 出力回転軸(第2回転軸)
21 軸中心部(内側ロータ)
22 非磁性体構造部(内側非磁性ヨーク)
24,32 磁石
31 非磁性体構造部(外側非磁性ヨーク)
41 磁気経路部材ホルダー
42,43a ボルト
43 保持部
90 圧縮機
91 燃焼器
92 タービン
93 中間軸
94 発電機
95 軸受
100 磁気歯車装置
Claims (6)
- 周方向に回動可能に設けられた第1回転軸の軸線周りに径方向外側に向けた磁力発生面を有し、2つの磁極が径方向外側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石を前記磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接する前記ボンド磁石の同極が隣り合うように配置した第1磁気歯車と、
前記第1磁気歯車を同軸状に囲むように配置され、前記第1磁気歯車の磁力発生面に対向するように径方向内側に向けた磁力発生面を有し、2つの磁極が径方向内側を向き、かつ周方向に並ぶように極異方性着磁した複数のボンド磁石を前記磁力発生面に周方向に並べて設け、周方向に隣接する前記ボンド磁石の同極が隣り合うように配置した第2磁気歯車と、
前記第1磁気歯車と前記第2磁気歯車の磁極間に介在するように、前記第1及び第2磁気歯車の対向する前記磁力発生面間に周方向に並べて固設された電磁鋼製の複数の磁気経路部材と
を備えたことを特徴とする磁気歯車装置。 - 請求項1記載の磁気歯車装置において、
前記第1及び第2磁気歯車のボンド磁石の軸線に垂直な面における断面の径方向の寸法に対する周方向の寸法が、2〜2.5倍の範囲となるように前記ボンド磁石を形成したことを特徴とする磁気歯車装置。 - 請求項1記載の磁気歯車装置において、
前記ボンド磁石は、ネオジム・鉄・ボロン系燒結磁石であることを特徴とする磁気歯車装置。 - 請求項1記載の磁気歯車装置において、
前記磁気経路部材は、珪素濃度が6〜7重量%とした珪素鋼板であることを特徴とする磁気歯車装置。 - 請求項1記載の磁気歯車装置において、
前記磁気経路部材は、互いに絶縁して軸方向に積層した電磁鋼板により形成したことを特徴とする磁気歯車装置。 - 請求項1記載の磁気歯車装置において、
前記磁石は、互いに絶縁して軸方向に積層した磁石により形成したことを特徴とする磁気歯車装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012211409A JP2014066290A (ja) | 2012-09-25 | 2012-09-25 | 磁気歯車装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012211409A JP2014066290A (ja) | 2012-09-25 | 2012-09-25 | 磁気歯車装置 |
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JP2014066290A true JP2014066290A (ja) | 2014-04-17 |
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ID=50742892
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2014066290A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017166467A (ja) * | 2016-03-18 | 2017-09-21 | 株式会社荏原製作所 | 流体機械及び変速装置 |
-
2012
- 2012-09-25 JP JP2012211409A patent/JP2014066290A/ja active Pending
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