JP2014065399A - エンジンアシスト制御装置およびエンジンアシスト制御方法 - Google Patents

エンジンアシスト制御装置およびエンジンアシスト制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の減速エネルギーをより無駄なく回収しながら、エンジン出力をより合理的にアシストする。
【解決手段】エンジンアシスト制御装置は、モータジェネレータ20と、このモータジェネレータ20が発電した電力を蓄えるとともにエンジン出力のアシスト時にモータジェネレータに電力を供給するキャパシタ24と、キャパシタ電圧センサ31と、エンジン10及びモータジェネレータ20を制御するECU30と、を備える。ECU30は、キャパシタ24の電力が最大値Vmaxに近い電圧値V1以上である場合には、全ての運転領域でエンジン出力をアシストする積極アシスト制御を実行し、電圧値V1未満である時には、エンジンの正味燃料消費率が最小値となるエンジントルク(運転負荷)よりも高負荷側の領域でのみモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする最適アシスト制御を実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの出力軸にアシストトルクを付加する機能とエンジンの出力軸から動力を得て発電する機能との両方を兼ね備えるモータジェネレータを備えた車両のエンジンアシスト制御装置およびエンジンアシスト制御方法に関するものである。
従来から、エンジンの出力軸にモータジェネレータを連結し、車両減速時に、モータジェネレータを発電機として機能させることで車両の減速エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電する一方、車両加速時などに、蓄電電力を用いてモータジェネレータを電動機として機能させることでエンジン出力をアシストするハイブリット車両が知られている。
例えば特許文献1には、この種の車両のエンジンアシスト制御装置として、車両が減速すると予測されたときに上記モータジェネレータによるアシスト量を増大させるものが開示されている。具体的には、このエンジンアシスト制御装置は、車両の運転中に周囲の交通情報を収集する手段(カーナビゲーション装置、あるいはレーダやモニタカメラ等)を備えており、当該手段により収集された交通情報に基づき車両が減速状態になると予測されたときに、その減速状態に応じたモータジェネレータの発電量を算出するとともに、その算出した発電量が多くなるほど、上記モータジェネレータによるアシスト量の割合を増大させるものである。このような特許文献1の技術によれば、減速時に予測される発電量が多いほどモータジェネレータの仕事量が増やされるので、車両の減速エネルギーがより無駄なく回収されるという利点が得られる。
特許第3099694号公報
しかし、車両減速時の発電量を予測して一律にアシスト量の割合を増大させる上記特許文献1のものでは、エネルギーの効率的な利用を考えた場合に未だ改善の余地がある。
すなわち、蓄電された電力が少ない状態でモータジェネレータによりエンジン出力がアシストされると、これに伴う電力の消費により電力不足が発生して電気負荷に影響が出るおそれがある。この場合には、電力不足を補うために、減速時以外にもモータジェネレータによる発電が必要となり、当該発電が無条件に行われると燃費の悪化を誘発するおそれがある。また、エンジン出力のアシストにより削減される燃料消費量は、エンジンの運転状態によって異なるものであるが、上記特許文献1のものは、この点についての配慮がなく、燃費改善の観点からすると、モータジェネレータによるエンジン出力のアシストが効率的に行われているとは言えない。さらに、モータジェネレータによるエンジン出力のアシスト効率(入力電力に対する出力トルクの割合)も、エンジンの運転状態やアシスト量により異なるが、上記特許文献1のものは、このアシスト効率についての配慮も無く、蓄電された電力が効率良く利用されているとは言えない。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、モータジェネレータを備えた車両において、車両の減速エネルギーをより無駄なく回収しながら、エンジン出力をより合理的にアシストすることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一の局面にかかるエンジンアシスト制御装置は、エンジンの出力軸にトルクを付加することでエンジン出力をアシストする機能とエンジンの出力軸から動力を得て発電する機能とを有するモータジェネレータと、前記モータジェネレータが発電した電力を蓄えるとともに、エンジン出力のアシスト時に前記モータジェネレータに電力を供給する蓄電手段と、前記蓄電手段による蓄電状態を検出する検出手段と、前記検出手段により検出される蓄電状態に応じてエンジンおよびモータジェネレータを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記蓄電手段による蓄電量が満蓄電状態に近い第1蓄電量以上の時には、エンジンの全ての運転負荷領域においてモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする積極アシスト制御を実行し、前記蓄電手段の蓄電量が前記第1蓄電量未満である時には、前記運転負荷領域のうち、当該エンジンの正味燃料消費率が最小値となる運転負荷よりも高負荷側の領域でのみモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする最適アシスト制御を実行する、ことに特徴を有するものである。
このエンジンアシスト制御装置によれば、蓄電手段の蓄電量が満蓄電状態に近い第1蓄電量以上である時には、全ての運転負荷領域でエンジン出力がアシストされる。つまり、エンジン出力が積極的にアシストされる。そのため、蓄電された電力を有効活用して燃料消費量の削減を図ることが可能となる。また、蓄電手段において満蓄電状態が長期的に続くことが抑制されるため、車両の減速エネルギーをより無駄なく(より多く)回収することが可能となる。一方、蓄電手段の蓄電量が第1蓄電量未満である時には、運転負荷領域のうち、エンジンの正味燃料消費率が最小値となる運転負荷よりも高負荷側の領域でのみエンジン出力がアシストされる。これによれば、実施の形態の説明中で詳細に説明する通り、少ないアシスト量で効果的に燃料消費量を削減することが可能であり、従って、蓄電手段に残された電力を用いて効果的に燃料消費量の削減を図ることが可能となる。
上記エンジンアシスト制御装置において、前記制御手段は、前記蓄電手段の蓄電量が前記第1蓄電量未満であってかつこの第1蓄電量よりも小さい第2蓄電量以上の時に前記最適アシスト制御を実行し、前記蓄電手段の蓄電量が前記第2蓄電量未満の時には、減速時を含む前記エンジンの所定の運転状態においてモータジェネレータに発電を行わせる電力消費抑制制御を実行するものであるのが好適である。
このエンジンアシスト制御装置によれば、蓄電量が少ない状態でモータジェネレータによるエンジン出力のアシストが行われることで、蓄電手段が電力不足に陥るという不都合を未然に回避することが可能となる。
なお、上記エンジンアシスト制御装置において、前記制御手段は、前記積極アシスト制御の際には、モータジェネレータへの入力電力に対する出力トルクの割合で定義されるアシスト効率が所定値よりも高くなるように、エンジンの運転状態に応じて、モータジェネレータによるエンジン出力のアシスト量を制御するものであるのが好適である。
このエンジンアシスト制御装置によれば、モータジェネレータにとって効率が良いアシスト量でエンジン出力をアシストするので、蓄電手段に蓄えられた電力でエンジン出力をより効率良くアシストすることが可能となる。
また、上記エンジンアシスト制御装置において、前記制御手段は、前記最適アシスト制御の際には、当該エンジンの正味燃料消費率が所定値以下となるように、モータジェネレータによるエンジン出力のアシスト量を制御するものであるのが好適である。
この制御装置によれば、モータジェネレータによりエンジン出力をアシストすることにより得られる燃料消費量の削減効果をより一層向上させることが可能となる。
さらに、上記エンジンアシスト制御装置において、前記制御手段は、前記電力消費抑制制御の際には、前記運転負荷領域のうち、当該エンジンの正味燃料消費率が最小値となる運転負荷よりも低負荷側の領域でのみ発電が行われるようにモータジェネレータを制御するものであるのが好適である。
すなわち、電力消費抑制制御では、車両の減速時以外の運転状態のときにもモータジェネレータによる発電が行われる場合がある。この場合、モータジェネレータによる抵抗トルクが加わる分、エンジンの燃料消費量が増大することになるが、上記のように、エンジンの正味燃料消費率が最小値となる運転負荷よりも低負荷側の領域でのみ発電が行われることで、この増大分の燃料消費量を少なく抑えることが可能となる。
この場合、制御手段は、エンジンの正味燃料消費率の微分値が所定値以下となる運転領域で発電が行われるようにモータジェネレータを制御するものであるのが好適である。
この構成によれば、モータジェネレータの発電に伴う燃料消費量を可及的に少なく抑えることが可能となる。
一方、本発明の一の局面にかかる車両の制御方法は、エンジンの出力軸にトルクを付加することでエンジン出力をアシストする機能とエンジンの出力軸から動力を得て発電する機能とを有するモータジェネレータと、このモータジェネレータが発電した電力を蓄えるとともに、エンジン出力のアシスト時に前記モータジェネレータに電力を供給する蓄電手段と、を備えた車両の制御方法であって、前記蓄電手段の蓄電状態を検出する工程と、検出された蓄電状態に基づき、その蓄電量が前記蓄電手段の満蓄電状態に近い第1蓄電量以上の時には、エンジンの全ての運転負荷領域においてモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする積極アシスト制御を実行し、前記蓄電手段の蓄電量が前記第1蓄電量未満である時には、前記運転負荷領域のうち、当該エンジンの正味燃料消費率が最小値となる運転負荷よりも高負荷側の領域でのみモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする最適アシスト制御を実行する工程と、を含むものである。
この制御方法によれば、上記一の局面にかかるエンジンアシスト制御装置と同様の作用効果を享受することが可能となる。
以上説明したように、本発明のエンジンアシスト制御装置および制御方法によれば、蓄電手段による蓄電状態に応じてその電力を有効に活用しながらエンジン出力をアシストするため、車両の減速エネルギーをより無駄なく回収しながら、エンジン出力を合理的にアシストすることができる。
本発明の一実施形態にかかるエンジンアシスト制御装置が搭載された車両を示す概略構成図である。 エンジンアシスト制御動作の一例を示すフローチャートである。 積極アシスト制御の制御動作の一例を示すフローチャートである。 最適アシスト制御の制御動作の一例を示すフローチャートである。 電力消費抑制制御の制御動作の一例を示すフローチャートである。 エンジン回転速度と最適なアシストトルクとの関係示す図(グラフ)である。 (a)〜(c)は、正味燃料消費率(BSFC)、燃料消費量および正味燃料消費率の微分値とエンジントルクとの関係を示す図(グラフ)である。 (a)〜(f)は、車両が一定時間(距離)走行した時の、車速、エンジン回転速度、発電量、キャパシタ電力、アシストトルクおよびモータジェネレータの発電仕事量の変化をそれぞれ示した図(グラフ)である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1は、本発明のエンジンアシスト制御装置が搭載された車両の概略構成を示している。同図に示す車両は、走行用の動力源であるエンジン10を備える。エンジン10は、例えば4気筒のガソリンエンジンである。エンジン10の出力軸12(クランクシャフト)は、動力伝達系、具体的には変速機/デフ(ディファレンシャルギア)14およびドライブシャフト16を介して車輪18に連結されており、車両が加速しているときには、エンジン10の出力トルクがこれらの動力伝達系14,16を経由して車輪18に伝達され、車輪18が回転駆動される。一方、車両が減速しているときには、エンジン10自身はトルクを出力しないものの、惰性で回転する車輪18およびドライブシャフト16によりエンジン10の出力軸12が回転する。
前記エンジン10には、モータジェネレータ20が連結されている。モータジェネレータ20は、エンジン10の出力軸12にトルクを付加することでエンジン出力をアシストする機能と、エンジン10の出力軸12から動力を得て発電する機能とを有する。具体的には、モータジェネレータ20は、エンジン10の出力軸12と連動して回転するロータと、ロータの周囲に配置されるステータとを有しており(いずれも図示省略)、前記ロータにフィールドコイルが、前記ステータにステータコイルが各々巻装されている。そして、モータジェネレータ20による発電時には、前記フィールドコイルに電圧が印加され、それによって生成される磁界中をロータが回転することにより誘導電流が発生する、つまり電力が生成される。他方、エンジン出力のアシスト時には、前記フィールドコイル及びステータコイルに電圧が印加され、これにより当該電圧に応じた回転力が前記ロータに生じる、つまりアシストトルクが生成される。そして、モータジェネレータ20によりアシストされた最終的な出力トルクが変速機/デフ14に与えられる。なお、モータジェネレータ20の発電電力(電圧)および発生トルク(アシストトルク)は、上記各コイルへの印加電圧の増減によって調節可能である。
モータジェネレータ20には、インバータ22を介してキャパシタ24(本発明の蓄電手段に相当する)が接続さており、このキャパシタ24に、さらにDC/DCコンバータ26を介してバッテリ28が接続されている。
前記バッテリ28は、車両用バッテリとして一般的な鉛電池等からなる二次電池である。このバッテリ28は、化学反応によって電気エネルギーを蓄えるものであり、急速な充放電には不向きであるが、比較的大量の電力を蓄えることができる(つまり充電容量が大きい)。一方、前記キャパシタ24は、当例では最大28Vまで充電可能な大容量の電気二重層キャパシタ(EDLC)である。このようなキャパシタ24は、上記バッテリ28のような二次電池と異なり、電解質イオンの物理的な吸着によって電気を蓄えるものであり、比較的急速な充放電が可能で、内部抵抗も少ない。
前記インバータ22は、モータジェネレータ20で発電された交流電力を直流電力に変換して前記キャパシタ24に供給する一方で、モータジェネレータ20によるエンジン出力のアシスト時には、キャパシタ24に蓄えられた直流電力を交流電力に変換して当該モータジェネレータ20に供給するものである。インバータ22には、インバータ制御部23が接続されている。このインバータ制御部23は、電圧制御信号をインバータ22に与えることにより、モータジェネレータ20の磁界を制御し、モータジェネレータ20を発電機として機能させる状態と電動機として機能させる状態とに切り換える。また、上記モータジェネレータ20の各コイルへの印加電圧を増減制御し、モータジェネレータ20の発電電力(電圧)や発生トルク(アシストトルク)の大きさを制御する。
前記DC/DCコンバータ26は、キャパシタ24に充電された最大28Vの電力を、必要に応じて12Vまで降圧した後に、前記バッテリ28または車両の電気負荷に供給するとともに、必要に応じてバッテリ28の電力を昇圧してキャパシタ24に供給するものである。
前記エンジン10を含むパワートレイン系の部品は、同図に示すECU(Electronic Control Unit)30により統括的に制御される。ECU30は、周知のとおり、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサであり、本発明にかかる制御手段に相当するものである。
上記ECU30には、車両に設けられた複数のセンサから種々の情報が入力されている。本発明の説明に必要な範囲で説明すると、車両には、図示の通り、キャパシタ24の電圧(端子間電圧)を検出するキャパシタ電圧センサ31(本発明の検出手段に相当する)と、図外のアクセルペダルの踏込み量に応じたアクセル開度を検出するアクセル開度センサ32と、エンジン10の出力軸12の回転速度を検出するエンジン速度センサ33が設けられており、これら各センサ31〜33からの信号がECU30に入力されている。
また、前記ECU30は、エンジン10に備わる各種制御対象機器、例えば燃料を噴射するインジェクタ34、点火プラグ36、スロットル弁38、インバータ制御部23およびDC/DCコンバータ26(接続線は省略)と電気的に接続されており、これらの機器に駆動用の制御信号を出力する。すなわち、エンジン10は、上記各センサ31〜33からの入力信号に基づいて、車両の走行状態に応じた適切なトルクが得られるようにエンジン10の燃焼を制御したり、車両の走行状態やキャパシタ24の充電状態(蓄電状態)に応じてモータジェネレータ20の作動状態を制御したり、当該制御に伴う各種演算や判別等の処理を行うようになっている。なお、当実施形態では、上記インバータ22、インバータ制御部23及びECU30が本発明の制御手段に相当する。
次に、ECU30によるエンジン10及びモータジェネレータ20の制御、つまりモータジェネレータ20による発電とエンジン出力のアシストとがどのように制御されるかをエンジン10の制御と共に、図2〜図5のフローチャートに従って具体的に説明する。
まず図2に基づき、同図のフローがスタートすると、ECU30は、各センサ31〜33からの信号を受け入れ(ステップS1)、現在のキャパシタ24の電圧値(以下、検出電圧値という)が予め設定されている電圧値V1以上か否かを判断する(ステップS3)。ここで、検出電圧値がV1以上である場合(ステップS3でYES)には、ECU30は、エンジン10の全ての運転領域において、モータジェネレータ20によりエンジン出力を積極的にアシストする、積極アシスト制御を実行する(ステップS5)。
一方、検出電圧値がV1以上でない場合(ステップS3でNO)には、ECU30は、検出電圧値が予め設定されている電圧値V2(V2<V1)以上か否かを判断する(ステップS7)。ここで、検出電圧値がV2以上である場合(ステップS7でYES)には、ECU30は、エンジン10が特定の運転領域にある場合にのみ、モータジェネレータ20によりエンジン出力をアシストする、最適アシスト制御を実行する(ステップS9)。
さらに、検出電圧値がV2以上でない場合(ステップS7でNO)、つまり検出電圧値がV2未満である場合には、ECU30は、モータジェネレータ20によるエンジン出力のアシストを中止し、モータジェネレータ20に発電を行わせながらキャパシタ24に蓄積された電力を温存(電力の消費を抑制)する、電力消費抑制を実行する(ステップS11)。
すなわち、ECU30は、キャパシタ24に蓄えられている電力(電圧)に応じて、積極アシスト制御、最適アシスト制御および電力消費抑制の何れかを選択的に実行する。上記の通りキャパシタ24は最大28V(最大値Vmax:最大蓄電量)まで充電が可能であり、当例では、図8(d)に示すように、電圧値V1は、最大値Vmaxに比較的近い24Vに設定され、電圧値V2は、最小値Vmin(=14V:最小蓄電量)に比較的近い18Vに設定されている。なお、最小値Vminとは、車両の基本制御を最低限維持するために必要な電圧値であって、この電圧値を下回ると車両の基本制御に影響がでるおそれのある電圧値である。
以下、ECU30による、積極アシスト制御、最適アシスト制御および電力消費抑制制御の各処理について詳述する説明する。
なお、基本的な制御として、ECU30は、車両の減速時にモータジェネレータ20に発電を行わせ、発電された電力(回生電力)をキャパシタ24に充電する。従って、それ以外の運転状態では、ECU30は、燃料消費量を抑制するために、基本的には(電力消費抑制制御の場合を除き)モータジェネレータ20による発電は行わない。つまり、減速時以外にモータジェネレータ20で発電を行うと、その発電により出力軸12に抵抗トルク(エンジン10の回転を阻害する負のトルク)が加わり、この抵抗トルクを補うべくエンジントルクを上乗せする必要が生じる分、燃料消費量が増えるからである。
< 積極アシスト制御 >
積極アシスト制御は、上記の通り、エンジン10の全ての運転領域で、モータジェネレータ20によりエンジン出力を積極的にアシストする制御である。具体的に、エンジン10の全ての運転領域において、車両の加速時にモータジェネレータ20によりエンジン出力をアシストする。
図3は、積極アシスト制御処理を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートがスタートすると、ECU30は、図2のステップS1の処理で取得したアクセル開度に基づき、最終的な出力トルクである目標トルクを求め(ステップS21)、さらにモータジェネレータ20の駆動トルク(アシストトルク)を決定する(ステップS23)。この際、ECU30は、前記ステップS1の処理で取得したエンジン回転速度に基づき、アシスト効率が最良なトルクを決定する。すなわち、モータジェネレータ20のアシスト効率(入力電力に対する出力トルクの割合)は、トルクの大きさやエンジン10の運転状態により異なり、アシスト効率、アシストルク及びエンジン回転速度の間には、例えば図6に示すような関係がある。つまり、アシスト効率が最良となるアシストトルクはエンジン10の回転速度によって異なる。ECU30には、このような、アシスト効率が最良となるアシストトルクとエンジン10の回転速度との関係を定めたマップデータが予め記憶されており、ステップS23では、当該データとエンジン回転速度とに基づき、アシスト効率が最良となるアシストトルクが決定される。例えば、エンジン回転速度が1000rpmである場合、図6の例では、ECU30は、アシスト効率が最良(約70%)となる8Nmをアシストトルクに決定する。
次に、ECU30は、ステップS21で求めた目標トルクが、ステップS23で求めたアシストトルクよりも大きいか否かを判断する(ステップS25)。ここで大きいと判断した場合には、ECU30は、ステップS21で求めた目標トルクからステップS23で求めたアシストトルクを減算することにより、エンジン10が負担するトルク(目標エンジントルク)を求め(ステップS27)、この目標エンジントルクに基づきエンジン10を駆動制御する。具体的には、この目標エンジントルクとエンジン回転速度とに基づき、スロットル開度、燃料噴射量および点火時期(IG)を算出し、当該算出結果に基づきスロットル弁38、インジェクタ34および点火プラグ36を制御する(ステップS29、S31)。また、このステップS31の処理と並行して、ECU30はステップS21で求めたアシストトルクに基づきモータジェネレータ20を駆動制御する(ステップS33)。具体的には、前記アシストトルクに基づき、モータジェネレータ20(各コイル)に与える電圧値等を算出し、当該算出結果に基づきインバータ制御部23およびインバータ22を介してモータジェネレータ20を制御する。つまり、ECU30は、ステップS27で求めた目標エンジントルクが発生するようにエンジン10を制御するとともに、ステップS23で求めたアシストトルクが発生するようにモータジェネレータ20を制御するする。
一方、ステップS25の処理でNOと判断した場合、すなわち、ステップS21で求めた目標トルクが、ステップS23で求めたアシストトルク以下であると判断した場合には、ECU30は、目標エンジントルクとしてステップS21で求めた目標トルクを設定することで(ステップS35)、モータジェネレータ20によるアシストを受けることなく、エンジン10を駆動制御する。具体的には、ステップS35で設定した目標エンジントルクとエンジン回転速度とに基づき、スロットル開度、燃料噴射量および点火時期(IG)を算出し、当該算出結果に基づきスロットル弁38、インジェクタ34および点火プラグ36を制御する(ステップS37、S37)。これは、当例ではモータジェネレータ20単独で車両を駆動することを想定しておらず、従って、ステップS21で求めた目標トルクが、ステップS23で求めたアシストトルク以下である場合には、一律にエンジン10のみで車両を駆動するようにしている。
< 最適アシスト制御 >
積極アシスト制御が、エンジン10の全ての運転領域において、車両の加速時にエンジン出力をモータジェネレータ20でアシストするのに対して、最適アシスト制御は、エンジン10が特定の運転領域にある場合にのみ、車両の加速時にエンジン出力をモータジェネレータ20によりアシストする制御である。
図4は、最適アシスト制御処理を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートがスタートすると、ECU30は、図2のステップS1の処理で取得したアクセル開度に基づき、最終的な出力トルクである目標トルクを求め(ステップS41)、さらにECU30に予め記憶されているマップデータに基づき、この目標トルクが、当該エンジン10のBSFC(正味燃料消費率/Brake Specific Fuel Consumption)の最小値トルク(BSFCが最小値になるときのエンジントルク)よりも大きいか否かを判断する(ステップS43)。ここで、大きいと判断した場合には、ECU30は、エンジン10のBSFCが最小値となるようにモータジェネレータ20のアシストトルク(駆動トルク)を決定する(ステップS45)。具体的には、ステップS41で求めた目標トルクからBSFCの最小値トルクを減算した値をアシストトルクとする。
すなわち、エンジン10のBSFCとエンジントルクとの間には、例えば図7(a)に示すように、特定トルク(当例では100Nm)でBSFCが最小値となり、その前後でBSFCが増大する傾向がある。これは、エンジン10の運転領域のうち低トルク側では、ポンピングロスや機械抵抗ロス等のロストルクにより燃料消費量が増え、また、高トルク側では、高A/Fにより燃料消費量が増える傾向にあるためである。そして、この図7(a)に示す関係を、燃料消費量とエンジントルクとの関係に書き替えたものが図7(b)であり、この図に示すように、燃料消費量を示す曲線の勾配は、BSFCの最小値トルク(100Nm)より高トルク側で急、換言すれば、最小値トルクより高トルク側の方が単位トルク当たりの燃料消費量が多い。これは、同じトルクをアシストするのであれば、BSFCの最小値トルクより高トルク側でエンジン出力をアシストする方が効率が良いことを意味する。要するに、エンジン10の燃料消費量をより削減することができる。
ステップS45の処理では、より効果的な燃料消費量の削減を狙って、ステップS41で求めた目標トルクのうち、BSFCの最小値トルクを超過するトルク分をモータジェネレータ20に負担させるようにアシストトルクを決定する。例えば、目標トルクが120Nmであれば、図7(a)、(b)の例の場合、ECU30は、BSFCの最小値トルク(100Nm)を超過する20Nmをアシストトルクに決定する。これにより、最も効率の良いトルクでエンジン10が駆動される一方で、モータジェネレータ20によるエンジン出力のアシストにより燃料消費量も効果的に削減される。
モータジェネレータ20のアシストトルクが決定すると、ECU30は、BSFCの最小値トルクを目標エンジントルクに設定し(ステップS47)、この目標エンジントルクに基づきエンジン10を駆動制御する(ステップS51)。具体的には、前記目標エンジントルクと、図2のステップS1で取得したエンジン回転速度とに基づき、スロットル開度、燃料噴射量および点火時期(IG)を算出し、当該算出結果に基づきスロットル弁38、インジェクタ34および点火プラグ36を制御する。また、このステップS51の処理と並行して、ECU30は、ステップS45で求めたアシストトルクに基づきモータジェネレータ20を駆動制御する(ステップS53)。具体的には、前記アシストトルクに基づき、モータジェネレータ20(各コイル)に与える電圧値等を算出し、当該算出結果に基づきインバータ制御部23およびインバータ22を介してモータジェネレータ20を制御する。つまり、ECU30は、ステップS47で設定した目標エンジントルクを発生するようにエンジン10を制御するとともに、ステップS45で求めたアシストトルクを発生するようにモータジェネレータ20を制御する。
一方、ステップS43の処理でNOと判断した場合、すなわち、ステップS41で求めた目標トルクが、BSFCの最小値トルク以下であると判断した場合には、ECU30は、目標エンジントルクとしてステップS41で求めた目標トルクを設定することで(ステップS55)、モータジェネレータ20によりエンジン出力をアシストすることなく、エンジン10を駆動制御する。具体的には、ステップS47で設定した目標エンジントルクとエンジン回転速度とに基づき、スロットル開度、燃料噴射量および点火時期(IG)を算出し、当該算出結果に基づきスロットル弁38、インジェクタ34および点火プラグ36を制御する(ステップS57、S59)。
なお、目標トルクがBSFCの最小値トルク以下である場合にモータジェネレータ20によるエンジン出力のアシストを行わない理由は、上記の通り、BSFCの最小値トルク以下の運転領域では単位トルク当たりの燃料消費量が少なく、エンジン出力をアシストすることによる燃費改善効果、つまりキャパシタ24の電力消費量に対して燃料消費量の削減効果が高いと言えないため、キャパシタ24の電力を温存するようにしたものである。
< 電力消費抑制制御 >
電力消費抑制制御は、上記の通り、モータジェネレータ20によるエンジン出力のアシストを中止し、車両の減速時に加え、それ以外の走行状態でもモータジェネレータ20による発電を行わせながら、キャパシタ24に蓄積された電力を温存(電力の消費を抑制)する制御である。
図5は、電力消費抑制制御処理を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートがスタートすると、ECU30は、図2のステップS1の処理で取得したアクセル開度に基づき、最終的な出力トルクである目標トルクを求め(ステップS61)、さらにECU30に予め記憶されているマップデータに基づき、この目標トルクに対応するBSFC微分値(BSFCのエンジントルクによる微分値)が、予め定められた比較値Bd以下か否かを判断し(ステップS63)、ここで比較値Bd以下であると判断した場合には、ECU30は、モータジェネレータ20による発電量を求める(ステップS65)。図7(c)は、BSFC微分値とエンジントルクとの関係を示したものであるが、これは、BSFC微分値の値が小さいほど、単位トルク当たりの燃料消費量が少ないことを意味する。つまり、この電力消費抑制制御では、車両の減速時以外にもモータジェネレータ20の発電を行うが、この場合には、モータジェネレータ20の発電に伴う抵抗トルクがエンジン10の出力軸12に加わるため、当該抵抗トルクが加わることによるエンジン10の燃料消費量を最小限に抑えるために、BSFC微分値の値が極小さい負荷領域(トルク域)でモータジェネレータ20に発電を行わせている。当例では、上記比較値Bdは−4[(g/kWh)/Nm]であり、ステップS61で設定された目標トルクに対応するBSFC微分値がこれ以下の場合に、ECU30は発電量を求める。
なお、ECU30には、BSFC微分値が大きくなるほど発電量が小さくなるように、予めBSFC微分値と発電量との関係を設定したマップデータが記憶されており、ステップS63の処理では、ECU30は、このデータに基づきモータジェネレータ20の発電量を決定する。
モータジェネレータ20の発電量が決定すると、ECU30は、当該発電量に対応する上記抵抗トルクを演算するとともに、この抵抗トルクをステップS61で求めた目標トルクに加算し、その値をエンジン10の目標エンジントルクとして設定し(ステップS67)、エンジン10を駆動制御する。具体的には、この目標エンジントルクと、図2のステップS1で取得したエンジン回転速度とに基づき、スロットル開度、燃料噴射量および点火時期(IG)を算出し、当該算出結果に基づきスロットル弁38、インジェクタ34および点火プラグ36を制御する(ステップS69、S71)。また、このステップS71の処理と並行して、ECU30は、ステップS65で求めた発電量に基づきモータジェネレータ20を制御する。具体的には、前記発電量に基づき、モータジェネレータ20(フィールドコイル)に与える電圧値等を算出し、当該算出結果に基づきインバータ制御部23およびインバータ22を介してモータジェネレータ20を制御する。つまり、ECU30は、ステップS65で求めた発電量の電力が発生するようにモータジェネレータ20を制御する。なお、モータジェネレータ20で発生した電力(交流電力)は、上述の通りインバータ22により直流電力に変換されてキャパシタ24に供給、蓄積される。
以上説明したように、上記車両では、ECU30が、キャパシタ24の充電状態(電力の大きさ)に応じて積極アシスト制御、最適アシスト制御および電力消費抑制の何れかの制御を選択的に実行するため、減速エネルギーをより無駄なく回収しながら、モータジェネレータ20によりエンジン出力を合理的にアシストすることができる。
すなわち、キャパシタ24の電力が最大値Vmax(=28V)に近い電圧値V1(=24V)以上である場合には、積極アシスト制御が実行される。この場合には、エンジン10の全ての運転領域において、車両の加速時に積極的にモータジェネレータ20によるエンジン出力のアシストが行われる。そのため、キャパシタ24に蓄えられた電力を有効に活用しつつエンジン10の燃料消費量を削減することができる。特にこの場合には、ECU30により、モータジェネレータ20にとってアシスト効率(入力電力に対する出力トルクの割合)が最適なトルクの値が求められてエンジン出力がアシストされる。従って、キャパシタ24に蓄えられた電力を効率的に用いてエンジン出力をアシストすること、つまり、少ない電力で、エンジン10の燃料消費量を効率良く削減することができる。
また、上記のように、キャパシタ24に蓄えられた電力が積極的に使用されることで、キャパシタ24の満充電状態が長期的に続くことが抑制される。従って、車両の減速エネルギーをより無駄なく(より多く)回収することが可能となる。
次に、キャパシタ24の電力が最小値Vmin(=14V)に比較的近い電圧値V2(=18V)以上であってかつ電圧値V1(=24V)未満である場合には、最適アシスト制御が実行される。この場合には、エンジン10のBSFCの最小値トルクを超える負荷領域でのみエンジン出力がアシストされる。そのため、キャパシタ24の電力を温存しつつ残り少ない電力を有効に活用して効率的に燃料消費量を削減することができる。すなわち、上記の通り、同じアシストトルクであっても、BSFCの最小値トルクより高トルク側でエンジン出力をアシストする方が、低トルク側でエンジン出力をアシストするよりも大幅な燃費改善が見込まれる。従って、BSFCの最小値トルクを超える負荷領域でのみエンジン出力がアシストされることで、残り少ないキャパシタ24の電力を有効に用いてエンジン10の燃料消費量を効果的に削減することができる。
次に、キャパシタ24の電力が最小値Vmin(=14V)以上であってかつ電圧値V2(=18V)未満である場合には、電力消費抑制制御が実行される。この場合には、モータジェネレータ20によるエンジン出力のアシストが中止される一方で、車両の減速時に加え、それ以外の走行状態でもモータジェネレータ20の発電が行われる。これにより電力が温存(電力の消費が抑制)される。そのため、キャパシタ24の電力が最小値Vminに近い状態でエンジン出力のアシストが行われ、その結果、キャパシタ24の電力が最小値Vmin未満に落ち込んで電力不足が発生する、といった不都合を未然に回避することができる。なお、車両の減速時以外のときにモータジェネレータ20により発電が行われると、その抵抗トルク分、エンジン10の燃料消費量が増えることとなるが、当実施形態では、上記の通り、目標トルクに対応するBSFC微分値が一定値(比較値Bd)以下の運転領域、つまり上記抵抗トルクに対応するエンジン10の燃料消費量が最小限になるような運転領域でのみモータジェネレータ20による発電を行わせる。従って、当該発電に伴う燃料消費量の増加を可及的に少なく抑えることができるという利点がある。
ここで、図8(a)〜(f)は、上記車両の一定時間(距離)走行時の、車速(a)、エンジン回転速度(b)、発電量(マイナスは消費量)(c)、キャパシタ電力(d)、アシストトルク(e)およびモータジェネレータ20の発電仕事量(f)の変化をそれぞれ示した図(グラフ)である。同図(d)、(f)中、実線は上記実施形態の車両を、破線はモータジェネレータを備える従来のこの種の車両(比較例の車両)を示している。同図(d)に示すように、上記実施形態の車両によれば、特に、キャパシタ24の電力が電圧値V1(=24V)以上である状態では、積極的にエンジン出力がアシストされることで、キャパシタ24の電力が有効活用されており、また、キャパシタ24が満充電状態になる頻度(期間)が比較例の車両に比べて少なくなっていることが分かる。そしてその結果、同図(f)に示すように、上記実施形態の車両では、トータル的なモータジェネレータ20の発電仕事量(積算値)が比較例の車両に比べて増加していること、すなわち、車両の減速エネルギーがより無駄なく(より多く)回収されていることが分かる。
従って、上記実施形態の車両によれば、減速エネルギーをより無駄なく回収しながら、モータジェネレータ20によりエンジン出力を合理的にアシストすることができる。
ところで、上述した車両は、本発明にかかるエンジンアシスト制御装置が搭載された車両の例示であって、車両の具体的な構成やエンジンアシスト制御装置の具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような変形例も考えられる。
上記実施形態の積極アシスト制御処理では、ステップS25の処理でNOの場合、すなわち、ECU30が、ステップS21で求めた目標トルクよりもモータジェネレータ20によるアシストトルクが大きいと判断した場合には、エンジン10のみで車両を駆動させているが(ステップS35〜S39)、勿論、モータジェネレータ20単独で車両を駆動させるようにしてもよい。
また、上記実施形態の最適アシスト制御処理では、ステップS41で求めた目標トルクのうち、BSFCの最小値トルクを超過するトルク(全部)をモータジェネレータ20でアシストするようにしているが(ステップS45)、予めアシストするトルク値を定めておき、目標トルクのうち、BSFCの最小値トルクを超過するトルクの一部をモータジェネレータ20でアシストするようにしてもよい。換言すれば、エンジン10の正味燃料消費率が所定値以下となるように、モータジェネレータ20のアシストトルクを設定するようにしてもよい。この場合、複数のトルク値を定めておき、BSFCの最小値トルクを超過するトルクの大きさに応じてアシストするトルクの割合を変更するようにしてもよい。
また、上記実施形態の電力消費抑制制御では、目標トルクに対応するBSFC微分値が、予め定められた比較値Bd以下の場合(ステップS63でYES)にモータジェネレータ20よる発電を実施しているが、発電を行う運転領域はこれに限定されない。BSFCの最小値トルクより低トルク側の運転領域でればよい。これは、上記の通り、BSFCの最小値トルクより低トルク側の運転領域は、これより高トルク側の運転領域より単位トルク当たりの燃料消費量が少ない傾向にあるため(図7参照)、当該高トルク側の運転領域で発電を行う場合に比べ、発電に伴う燃料消費量の増大を効果的に抑制できるためである。
また、上記実施形態では、キャパシタ24の充電状態に応じて、上記積極アシスト制御、最適アシスト制御および電力消費抑制制御を選択的に実行しているが、例えばキャパシタ24の容量に十分余裕がある場合などには、電力消費抑制制御を省略し、積極アシスト制御と最適アシスト制御とを選択的に実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、モータジェネレータ20で発電された電力を蓄える蓄電手段として電気二重層キャパシタ(EDLC)を用いたが、蓄電手段としては、繰り返し充放電可能なものであればよく、必ずしも電気二重層キャパシタに限られない。
例えば、電気二重層キャパシタ以外の蓄電手段として、リチイムイオンキャパシタを用いることができる。なお、リチウムイオンキャパシタとは、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵可能な炭素系材料(リチイムイオン電池の負極と同じ材料)を負極として用いることでエネルギー密度をさらに向上させたものである。このような構成のリチウムイオンキャパシタは、キャパシタとして一般的な電気二重層キャパシタとは異なり、正極と負極とで充放電の原理が異なる(化学反応を併用する)ことから、ハイブリッドキャパシタとも呼ばれる。このリチウムイオンキャパシタを一例とするハイブリッドキャパシタ、および上記電気二重層キャパシタのいずれについても、エネルギー密度が高く、しかもリニアな充放電特性をもつので、本発明にかかる蓄電手段として好適に用いることができる。
10 エンジン
12 出力軸
20 モータジェネレータ
22 インバータ
23 インバータ制御部
24 キャパシタ
26 DC/DCコンバータ
28 バッテリ
30 ECU
31 キャパシタ電圧センサ
32 アクセル開度センサ
33 エンジン速度センサ

Claims (7)

  1. エンジンを備える車両の前記エンジンのアシスト制御装置であって、
    エンジンの出力軸にトルクを付加することでエンジン出力をアシストする機能とエンジンの出力軸から動力を得て発電する機能とを有するモータジェネレータと、
    前記モータジェネレータが発電した電力を蓄えるとともに、エンジン出力のアシスト時に前記モータジェネレータに電力を供給する蓄電手段と、
    前記蓄電手段による蓄電状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出される蓄電状態に応じてエンジンおよびモータジェネレータを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記蓄電手段による蓄電量が満蓄電状態に近い第1蓄電量以上の時には、エンジンの全ての運転負荷領域においてモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする積極アシスト制御を実行し、前記蓄電手段の蓄電量が前記第1蓄電量未満である時には、前記運転負荷領域のうち、当該エンジンの正味燃料消費率が最小値となる運転負荷よりも高負荷側の領域でのみモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする最適アシスト制御を実行する、ことを特徴とするエンジンアシスト制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンアシスト制御装置において、
    前記制御手段は、前記蓄電手段の蓄電量が前記第1蓄電量未満であってかつこの第1蓄電量よりも小さい第2蓄電量以上の時に前記最適アシスト制御を実行し、前記蓄電手段の蓄電量が前記第2蓄電量未満の時には、減速時を含む前記エンジンの所定の運転状態においてモータジェネレータに発電を行わせる電力消費抑制制御を実行する、ことを特徴とするエンジンアシスト制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンアシスト制御装置において、
    前記制御手段は、前記積極アシスト制御の際には、モータジェネレータへの入力電力に対する出力トルクの割合で定義されるアシスト効率が所定値よりも高くなるように、エンジンの運転状態に応じて、モータジェネレータによるエンジン出力のアシスト量を制御する、ことを特徴とするエンジンアシスト制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のエンジンアシスト制御装置において、
    前記制御手段は、前記最適アシスト制御の際には、当該エンジンの正味燃料消費率が所定値以下となるように、モータジェネレータによるエンジン出力のアシスト量を制御する、ことを特徴とするエンジンアシスト制御装置。
  5. 請求項2に記載のエンジンアシスト制御装置において、
    前記制御手段は、前記電力消費抑制制御の際には、前記運転負荷領域のうち、当該エンジンの正味燃料消費率が最小値となる運転負荷よりも低負荷側の領域でのみ発電が行われるようにモータジェネレータを制御する、ことを特徴とするエンジンアシスト制御装置。
  6. 請求項5に記載のエンジンアシスト制御装置において、
    前記制御手段は、エンジンの正味燃料消費率の微分値が所定値以下となる運転領域で発電が行われるようにモータジェネレータを制御する、ことを特徴とするエンジンアシスト制御装置。
  7. エンジンの出力軸にトルクを付加することでエンジン出力をアシストする機能とエンジンの出力軸から動力を得て発電する機能とを有するモータジェネレータと、このモータジェネレータが発電した電力を蓄えるとともに、エンジン出力のアシスト時に前記モータジェネレータに電力を供給する蓄電手段と、を備えた車両のエンジンアシスト制御方法であって、
    前記蓄電手段の蓄電状態を検出する工程と、
    検出された蓄電状態に基づき、その蓄電量が前記蓄電手段の満蓄電状態に近い第1蓄電量以上の時には、エンジンの全ての運転負荷領域においてモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする積極アシスト制御を実行し、前記蓄電手段の蓄電量が前記第1蓄電量未満である時には、前記運転負荷領域のうち、当該エンジンの正味燃料消費率が最小値となる運転負荷よりも高負荷側の領域でのみモータジェネレータによりエンジン出力をアシストする最適アシスト制御を実行する工程と、を含むことを特徴とするエンジンアシスト制御方法。
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