JP2014065006A - ディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】切り屑及びバリを容易に除去することができるディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るディーゼルパティキュレートフィルタ170の製造方法は、互いに平行な複数の貫通孔70aが形成された柱状のハニカム構造体70を用いる。ハニカム構造体70は、複数の貫通孔70aの一方の開口部が位置する第一端面と、第一端面の反対側に位置し、複数の貫通孔70aの他方の開口部が位置する第二端面と、を有する。空気を第一端面へ略垂直に噴射すると同時に、空気を第二端面の側で吸引することにより、ハニカム構造体70に付着した切り屑及びバリを除去する第一工程を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法に関する。
従来、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに含まれるカーボン粒子等の微細粒子を捕集するためのディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter)として、多孔質のセラミックスからなるハニカム構造体が用いられている(下記特許文献1参照。)。
ハニカム構造体は柱状体である。柱状のハニカム構造体には、その対向する端面間を貫通する複数の貫通孔(セル)が形成されている。ハニカム構造体の一方の端面(第一端面)では、貫通孔の開口部と封口部で塞がれた貫通孔の端部とが、格子状に交互に配置されている。第一端面に開口部が位置する貫通孔は、第一端面と反対側の第二端面において封口部で塞がれている。また、第一端面において端部が封口部で塞がれている貫通孔は、第二端面に開口部を有する。よって、第二端面においても、貫通孔の開口部と封口部で塞がれた貫通孔の端部とが、格子状に交互に配置されている。
特開2008−119663号公報
ディーゼルパティキュレートフィルタの製造では、セラミックスの原料粉末(焼成によりセラミックスになるもの)、造孔剤、有機バインダ及び溶媒等を混練機等により混合して原料混合物を調製する。この原料混合物を、格子状の開口部を有するダイを備える押出成形機を用いて成形して、これを乾燥することにより、複数の貫通孔が形成された長尺の柱状体を形成する。長尺の柱状体を加工に適した寸法に切断して、グリーン成形体を形成する。なお、グリーン成形体とは焼成前のハニカム構造体を意味する。さらに、グリーン成形体の寸法を正確に調整するための切断工程を実施する。切断工程後、グリーン成形体の貫通孔の封口工程、仮焼工程及び焼成工程等を経て、ディーゼルパティキュレートフィルタが完成する。
上記の切断工程では、大量の切り屑が発生したり、バリ(burr)が切断面に形成されたりする。切り屑及びバリが切断面に残存したり、貫通孔中に残存したりした場合、正確な封口工程の実施が困難になる。また切り屑及びバリが、貫通孔に詰まってディーゼルパティキュレートフィルタの排気性能を低下させたり、ディーゼルパティキュレートフィルタの使用時に排気ガスと共に大気中に放出されたりする。これらの問題を防止するためには、ディーゼルパティキュレートフィルタの製造過程において切り屑やバリを除去する必要がある。
しかしながら、焼結していないグリーン成形体の端面(切断面)はもろいため、ブラシを用いて切り屑及びバリを端面から除去すると、端面が破損する場合がある。また、グリーン成形体の貫通孔内の切り屑を除去することは困難である。さらに、切り屑及びバリの除去に時間を要する結果、ディーゼルパティキュレートフィルタの製造効率が低下する。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、切り屑及びバリを容易に除去することができるディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法の一態様は、互いに平行な複数の貫通孔が形成された柱状のハニカム構造体を用いたディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法であって、ハニカム構造体は、複数の貫通孔の一方の開口部が位置する第一端面と、第一端面の反対側に位置し、複数の貫通孔の他方の開口部が位置する第二端面と、を有し、空気を第一端面へ略垂直に噴射すると同時に、空気を第二端面の側で吸引することにより、ハニカム構造体に付着した切り屑及びバリを除去する第一工程を備える。
上記本発明の一態様は、空気を第一端面へ略垂直に噴射すると同時に、別の空気を第二端面と成す角度が0〜45°である方向において第二端面へ噴射することにより、第二端面に付着した切り屑及びバリを除去する第二工程を備え、第一工程後に第二工程を実施することが好ましい。
上記本発明の一態様では、複数の貫通孔が形成された柱状体を切断してハニカム構造体を形成する工程の後に第一工程を実施することが好ましい。
本発明によれば、切り屑及びバリを容易に除去することができるディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法を提供することが可能となる。
図1(a)は、本発明の一実施形態で用いられるグリーン成形体(焼成前のハニカム構造体)の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のグリーン成形体の端面を示す。 図2は、本発明の一実施形態の第一工程及び第二工程を示す模式図である。 図3は、図2に示す空気の噴射装置の正面図である。 図4(a)は、本発明の一実施形態によって製造されたディーゼルパティキュレートフィルタの斜視図であり、図4(b)は、図4(a)のディーゼルパティキュレートフィルタの端面を示す。 図5は、図4(a)に示すディーゼルパティキュレートフィルタのV−V線断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付す。また、上下左右の位置関係は図面に示す通りであるが、寸法の比率は図面に示すものに限定されない。
[ディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法]
(原料混合物の調製工程)
セラミックスの原料粉末、有機バインダ及び添加物等を混練機等により混合して、原料混合物を調製する。
セラミックスの原料粉末としては、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、更に、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。セラミックスの原料粉末は、これらに限定されない。
チタン酸アルミニウム又はチタン酸アルミニウムマグネシウムからなるディーゼルパティキュレートフィルタを製造する場合、原料粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含む。原料粉末は、必要に応じて、更に、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩が挙げられる。
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤及び可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;及びドライアイス等などが挙げられる。
潤滑剤及び可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸アルミニウムなどのステアリン酸金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(POAAE)などが挙げられる。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。
溶媒としては、アルコール類及び水などを用いることができる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどの一価アルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどの二価アルコール類;などを用いることができる。
(原料混合物の成形工程)
格子状の開口部を有するダイを備える押出成形機を用いて、上述の原料混合物を成形して、複数の貫通孔が形成された長尺の柱状体を形成する。なお、押出成形機内で原料混合物を混練してもよい。長尺の柱状体を加工に適した寸法に切断して、グリーン成形体を形成する。グリーン成形体を熱風やマイクロウエーブ等により乾燥して溶媒を除去する。さらに、グリーン成形体の寸法を正確に調整するための切断工程を実施する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ハニカム構造体70は円柱である。ハニカム構造体70は、その中心軸に平行である複数の隔壁70cを有する。つまり、ハニカム構造体70は、その中心軸方向に垂直な断面において格子構造を有する。換言すれば、ハニカム構造体70には、同一方向(中心軸方向)に延びる多数の貫通孔70a(流路)が形成されており、各貫通孔70aは隔壁70cによって隔てられる。複数の貫通孔70aは互いに平行である。ハニカム構造体70の第一端面とその反対側の第二端面において、各貫通孔の開口部が位置している。各貫通孔70aはハニカム構造体70の両端面に垂直である。各隔壁70cが互いになす角は、特に限定されず、90°であってもよく、120°であってもよい。
(除塵工程)
以下では、図2及び3を参照しながら、切断工程後のハニカム構造体70に付着した切り屑及びバリを除去する工程(除塵工程)について説明する。除塵工程では、以下の第一工程のみを実施してもよく、第一工程後に下記第二工程を実施してもよい。なお、図2に記載の符号32は、切り屑又はバリを示す。図2に記載の矢印は、空気の流れる方向を示す。
<第一工程>
第一工程では、ハニカム構造体70の第一端面側に空気の噴射装置20(第一噴射装置)を配置する。噴射装置20が備える複数のノズル22の開口部22aを、第一端面に対向させる。噴射装置20においてノズル22が配置された円状の側面の面積は、第一端面の面積と略同等であり、噴射装置20は第一端面の全面に対向する。なお、複数のノズル22の数及び配置は図3に示すものに限定されない。噴射装置20は、コンプレッサー(圧縮機)又はガスボンベと接続され、ノズル22の開口部22aから、高圧の空気を噴射することができる。ハニカム構造体70の第二端面側には、空気の吸引装置26を配置する。吸引装置26の吸気口28の開口面積は、第二端面の面積と略同等であり、吸気口28は第二端面の全面に対向する。ただし、吸気口28の形状及び幅は図2に示すものに限定されない。
第一工程では、第一端面に略垂直な方向において高圧の空気をノズル22から第一端面へ向けて噴射する。この噴射と同時に、第二端面側では第二端面に略垂直な方向において空気を吸引装置26で吸引する。空気の噴射により、第一端面に付着した切り屑及びバリが除去される。
第一端面に噴射された空気が各貫通孔に導入されると、貫通孔が本来有する整流効果によって、空気の流速が増加する。この空気の流れが、第一端面から脱離した切り屑及びバリ、及び各貫通孔中にある切り屑を第二端面側へ運び、ハニカム構造体70から排出する。排出された切り屑及びバリは、空気と共に、吸気口28へ吸引される。この整流効果は、第一端面への空気の噴射のみならず、第二端面側における空気の吸引を同時に行うことによって、顕現するものである。第一端面への空気の噴射のみでは、切り屑及びバリをハニカム構造体70から十分に除去することは困難である。
第二端面側における空気の吸引を行わなかった場合、第一端面への空気の噴射によってハニカム構造体70から脱離した切り屑及びバリが飛散してしまうため、その捕集が困難になる。しかし、本実施形態では、第二端面側における空気の吸引によって切り屑及びバリを確実に捕集することができる。また、第一端面への空気の噴射のみでは、第二端面に付着した切り屑及びバリを除去することが困難である。しかし、本実施形態では、第二端面側における空気の吸引により、第二端面に付着した切り屑及びバリも除去される。
本実施形態では、ブラシ等を各端面に直接接触させることなく、切り屑及びバリを除去することが可能であるので、各端面が破損する恐れがない。
本実施形態では、短時間で容易に切り屑及びバリを除去することが可能であるので、ディーゼルパティキュレートフィルタの製造効率が向上する。
<第二工程>
第二工程を行う場合、第一工程で用いたものとは別の噴射装置30(第二噴射装置)を第二端面の横に配置する。第二工程では、第一工程と同様に、高圧の空気を第一端面に噴射しながら、別の高圧の空気を第二端面と成す角度(角度θ)が0〜45°である方向において噴射装置30から第二端面に向けて噴射する。第二工程では、第一工程と同様に、高圧の空気を第一端面に噴射して第二端面の側で吸引すると同時に、別の高圧の空気を第二端面と成す角度(角度θ)が0〜45°である方向において噴射装置30から第二端面に向けて噴射してもよい。第一工程では、第二端面に空気が噴射されないため、切り屑及びバリが第二端面に残存することがある。しかし、第二工程において高圧の空気を第二端面に噴射することにより、第二端面に残存した切り屑及びバリを確実に除去することが可能となる。
第一工程において第一噴射装置20から噴射する空気の圧力は、0.3〜1.5MPa程度であればよく、0.5〜2MPaであってもよい。第二工程において第一噴射装置20から噴射する空気の圧力は、0.2〜1MPa程度であればよく、第二噴射装置30から噴射する空気の圧力は0.3MPa程度であればよい。各噴射装置から噴射される空気の流速は30〜50m/s程度であればよい。吸引装置26で吸引される空気の流速は1〜20m/s程度であればよい。
(封口工程)
封口工程では、ハニカム構造体70において複数の貫通孔70aの一方の開口部が位置する第一端面に第一マスクを貼り付ける。第一マスクでは、貫通孔70aと略同様の寸法を有するマスク部と複数の開口部とが千鳥状に配置されている。各貫通孔70aと各マスク部及び開口部とが重なるように、ハニカム構造体70の第一端面に第一マスクを貼り付ける。また、ハニカム構造体70において第一端面とは反対側の第二端面に、第二マスクを貼り付ける。第二マスクが有する開口部とマスク部の配置関係は第一マスクとは真逆である。したがって、第一端面側で第一マスクのマスク部に塞がれた貫通孔70aは、第二端面側で第二マスクの開口部と重なる。第二端面側で第二マスクのマスク部に塞がれた貫通孔70aは、第一端面側で第一マスクの開口部と重なる。したがって、ハニカム構造体70に形成された複数の貫通孔70aのいずれも、第一端面又は第二端面のいずれか一方において開いており、他方においてマスク部で塞がれる。
第一端面に対する封口工程では、第一マスクの開口部と重なる各貫通孔70aの開口部(端部)内に上記の封口材を導入する。なお、貫通孔70aに封口材を導入した後、ハニカム構造体70全体を振動器により振動させてもよい。これにより、貫通孔70aの端部の隙間に隈なく封口材が充填され易くなる。封口材としては、上記の原料混合物と略同様の物を用いればよい。
以上の第一端面に対する封口工程後、第一端面に対する封口工程と同様に、第二マスクが貼られた第二端面に対する封口工程を実施する。両端面に封口工程を施した後に、各端面から各マスクを剥がす。
(ハニカム構造体70の仮焼き工程及び焼成工程)
封口工程後、ハニカム構造体70(グリーン成形体)を仮焼き(脱脂)し、且つ焼成する。以上の工程によって、多孔質のセラミックスからなるディーゼルパティキュレートフィルタ170を得ることができる(図4、5参照。)。
仮焼(脱脂)は、グリーン成形体中の有機バインダや、必要に応じて配合される有機添加物を、焼失、分解等により除去するための工程である。仮焼き工程は、焼成工程の初期段階、すなわちグリーン成形体が焼成温度に至るまでの昇温段階(例えば、300〜900℃の温度範囲)に相当する。仮焼(脱脂)工程おいては、昇温速度を極力抑えることが好ましい。
グリーン成形体の焼成温度は、好ましくは1300℃以上、より好ましくは1400℃以上であればよい。また、焼成温度は、好ましくは1650℃以下、より好ましくは1550℃以下である。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、1℃/時間〜500℃/時間である。
焼成は通常、大気中で行なわれる。用いる原料粉末、すなわちアルミニウム源粉末、チタニウム源粉末、マグネシウム源粉末およびケイ素源粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成を行ってもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成を行ってもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。
焼成は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行なわれる。焼成は回分式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。また、静置式で行なってもよいし、流動式で行なってもよい。
焼成に要する時間は、ハニカム構造体70を構成する原料粉末の組成及び量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、10分〜24時間であればよい。
仮焼きと焼成を個別に行ってもよい。仮焼き工程では、有機バインダその他の有機添加物の熱分解温度以上であり無機化合物粉末の焼結温度よりも低い温度でハニカム構造体70を加熱すればよい。焼成工程では、仮焼き工程後のハニカム構造体70を原料粉末の焼結温度以上の温度で加熱すればよい。
[ディーゼルパティキュレートフィルタ]
ディーゼルパティキュレートフィルタ170では、第一端面側で封口部70bに塞がれた貫通孔70aは、第二端面側に開口部を有する。第二端面側で封口部70bに塞がれた貫通孔70aは、第一端面側に開口部を有する(図4、5参照。)。貫通孔70aの隔壁表面に、アルミナ等の担体に担持された白金系金属触媒や、セリア又はジルコニア等の助触媒を付着させてもよい。
ディーゼルパティキュレートフィルタ170の寸法は限定されない。貫通孔70aの長手方向に垂直な断面の内径(正方形の一辺の長さ)は、例えば0.5〜2.5mmである。貫通孔70aが延びる方向におけるディーゼルパティキュレートフィルタの長さは、例えば30〜350mmである。また、ディーゼルパティキュレートフィルタの外径は、例えば10〜320mmである。ディーゼルパティキュレートフィルタの端面に開いている貫通孔70aの数(セル密度)は、例えば150〜450cpsiである。なお、cpsiとの単位は「/inch」を意味し、「/(0.0254m)」に等しい。貫通孔70aの隔壁の厚さは、例えば0.1〜0.76mmである。隔壁70cの気孔率(開気孔率)は、例えば30〜70体積%である。
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
第一工程及び第二工程において、小型の噴射装置を用いて、第一端面の一部に空気を噴射してもよい。小型の吸引装置を用いて、第二端面の一部から空気を吸引してもよい。この場合、噴射装置及び吸引装置の位置を固定して、ハニカム構造体70を移動させればよい。または、ハニカム構造体70の位置を固定して、噴射装置及び吸引装置をそれぞれ第一端面及び第二端面に沿って移動させてもよい。いずれの場合も、第一端面及び第二端面の全体がそれぞれ噴射装置及び吸引装置によって掃引されるため、上記実施形態と同様に、切り屑及びバリがハニカム構造体70から除去される。
ディーゼルパティキュレートフィルタは、コージェライトやシリコンカーバイド等からなる多孔質のセラミックスであってもよい。この場合、原料粉末として、コージェライト若しくはシリコンカーバイド又はこれらの混合物をもちいればよい。貫通孔の断面形状は、正方形には限定されず、矩形、円形、楕円形、三角形、六角形、八角形等にすることができる。断面の形状及び寸法が互いに異なる複数の種類の貫通孔がディーゼルパティキュレートフィルタに形成されていてもよい。貫通孔同士の間隔や、貫通孔の配置も特に限定されない。ディーゼルパティキュレートフィルタの外形は、円柱に限られず、例えば三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等とすることができる。
20・・・第一噴射装置、22・・・ノズル、22a・・・ノズルの開口部、26・・・吸引装置、28・・・吸気口、30・・・第二噴射装置、32・・・切り屑又はバリ、70・・・グリーン成形体(乾燥したハニカム構造体)、70a・・・貫通孔、70b・・・封口部、70c・・・隔壁、170・・・ディーゼルパティキュレートフィルタ、θ・・・第二噴射装置から空気を噴射する方向と第二端面とが成す角度。

Claims (3)

  1. 互いに平行な複数の貫通孔が形成された柱状のハニカム構造体を用いたディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法であって、
    前記ハニカム構造体は、
    前記複数の貫通孔の一方の開口部が位置する第一端面と、
    前記第一端面の反対側に位置し、前記複数の貫通孔の他方の開口部が位置する第二端面と、
    を有し、
    空気を前記第一端面へ略垂直に噴射すると同時に、前記空気を前記第二端面の側で吸引することにより、前記ハニカム構造体に付着した切り屑及びバリを除去する第一工程を備える、
    ディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法。
  2. 前記空気を前記第一端面へ略垂直に噴射すると同時に、別の空気を前記第二端面と成す角度が0〜45°である方向において前記第二端面へ噴射することにより、前記第二端面に付着した切り屑及びバリを除去する第二工程を備え、
    前記第一工程後に前記第二工程を実施する、
    請求項1に記載のディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法。
  3. 前記複数の貫通孔が形成された柱状体を切断して前記ハニカム構造体を形成する工程の後に前記第一工程を実施する、
    請求項1又は2に記載のディーゼルパティキュレートフィルタの製造方法。
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