JP2014063065A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】エステル系ワックスと、主鎖中におけるエステル結合で挟まれた領域に炭素が5個以上連続する直鎖を有さず、主鎖又は側鎖にロジンに由来する構造を有する非晶性ポリエステルと、を含む静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
Description
電子写真方式の画像形成に用いるトナーとして、例えば、結着樹脂、ワックス、着色剤を含有するトナーが知られている(例えば特許文献1〜4参照)。
エステル系ワックスと、
主鎖中におけるエステル結合で挟まれた領域に炭素が5個以上連続する直鎖を有さず、主鎖又は側鎖にロジンに由来する構造を有する非晶性ポリエステルと、
を含む静電荷像現像用トナー。
前記非晶性ポリエステルは、側鎖にロジンに由来する構造を有する、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収納し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収納し、像保持体表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、請求項3に記載の静電荷像現像剤を収納し、前記像保持体表面に形成された前記静電荷像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置。
像保持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記像保持体表面に形成された前記静電荷像を請求項3に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法。
請求項5に係る発明によれば、現像剤に含まれるトナーに含まれる「主鎖中におけるエステル結合で挟まれた領域に炭素が5個以上連続する直鎖を有しない非晶性ポリエステル」がロジンに由来する構造を有しない場合に比べて、コールドオフセットが発生しにくいプロセスカートリッジが提供される。
請求項6、7に係る発明によれば、現像剤に含まれるトナーに含まれる「主鎖中におけるエステル結合で挟まれた領域に炭素が5個以上連続する直鎖を有しない非晶性ポリエステル」がロジンに由来する構造を有しない場合に比べて、コールドオフセットが発生しにくい画像形成装置、画像形成方法が提供される。
コールドオフセット(低温オフセット)とは、トナー像のトナーが十分に熱せられずに起こるオフセットをいう。
ホットオフセット(高温オフセット)とは、トナー像のトナーが過加熱されて起こるオフセットをいう。
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下「トナー」とも称する。)は、エステル系ワックスと、主鎖中におけるエステル結合で挟まれた領域に炭素が5個以上連続する直鎖を有さず、主鎖又は側鎖にロジンに由来する構造を有する非晶性ポリエステル(以下「特定ポリエステル」とも称する。)と、を含む。
以下、「主鎖中におけるエステル結合で挟まれた領域に炭素が5個以上連続する直鎖を有しない非晶性ポリエステル」を、「主鎖中に炭素が5個以上連続する直鎖を有しない非晶性ポリエステル」とも称する。
トナーに使用し得るワックスとしてエステル系ワックスがあるが、エステル系ワックス及び非晶性ポリエステルを含有するトナーのトナー像を定着した際にコールドオフセットが発生することがあった。エステル系ワックスと非晶性ポリエステルとは分子中にエステル結合を繰り返し含むため互いに親和し易い傾向があり、トナー像を定着した際にエステル系ワックスがトナー像の表面へしみ出し難く、結果的にコールドオフセットの発生につながると考えられる。
非晶性ポリエステルの中でも、主鎖中に炭素が長く連なった直鎖が繰り返されている非晶性ポリエステルは、分子構造に占めるエステル結合の割合が相対的に低いのでエステル結合の影響が低くなると考えられるし、また、炭素が長く連なった直鎖とエステル結合とは親和し難いので、この非晶性ポリエステルとエステル系ワックスとは、親和の程度が低いと考えられる。しかし、主鎖中に炭素が長く連なった直鎖を有しない非晶性ポリエステルは、上記の機作がはたらかないので、エステル系ワックスとより親和し易いと考えられる。
したがって、本実施形態のトナーは、トナー像を定着した際にエステル系ワックスがトナー像の表面へしみ出し易く、例えば定着温度が150℃未満でもコールドオフセットが発生し難いと考えられる。
前記割合が50質量%以上であると、主鎖中に炭素が5個以上連続する直鎖を有しない非晶性ポリエステルの分子中にロジン骨格を含有せしめたことの効果が顕著である。
前記割合が90質量%以下であると、トナー中に例えば結晶性樹脂など他の樹脂を含有する余地があり、これら他の樹脂に由来する効果(例えば結晶性樹脂による低温定着性の向上)が得られる。
「主鎖中におけるエステル結合で挟まれた領域に炭素が5個以上連続する直鎖を有しない非晶性ポリエステル」が分子中にロジン骨格を有することは、上記と同様の熱分解GC−MSで確認し得る。
トナー中の全樹脂に占める特定ポリエステルの割合(質量%)は、上記と同様の熱分解GC−MSで確認し得る。具体的には、ポリマーごとにスペクトルのピーク及び面積が異なるので、その面積比から特定ポリエステルの割合を算出し得る。
本実施形態のトナーは、結着樹脂として、主鎖中に炭素が5個以上連続する直鎖を有さず、主鎖又は側鎖にロジンに由来する構造(ロジン骨格)を有する非晶性ポリエステル(特定ポリエステル)を含有する。
特定ポリエステルは、例えば、多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるので、重合に供する多価カルボン酸類及び多価アルコール類として、主鎖を構成する直鎖の炭素数が4以下の化合物を用いることで、主鎖中に炭素が5個以上連続する直鎖を有しない非晶性ポリエステルが得られる。
また、重合に供する多価カルボン酸類及び多価アルコール類の少なくとも1種として、ロジン骨格を有する化合物を用いることで、主鎖又は側鎖にロジン骨格を有する非晶性ポリエステルが得られる。
バイオマス単量体(植物由来の単量体)の中には主鎖を構成する炭素数が例えば2個乃至4個のものがあるが、本実施形態のトナーによれば、非晶性ポリエステルの材料としてこのバイオマス単量体を使用しても、コールドオフセットが発生し難い。
特定ポリエステルの合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01質量%以上1.00質量%以下の範囲で使用される。
また、トナーの製造性、耐熱性、透明性等の観点から、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等のビスフェノールS誘導体を用いてもよい。
本実施形態においてロジンとは樹木から得られる樹脂酸の総称であり、主成分は3環性ジテルペン類の1種であるアビエチン酸とその異性体類を含む天然物由来の物質である。具体的な成分としては、例えばアビエチン酸の他にパラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、デヒドロアビエチン酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸などがあり、通常ロジンはこれらの混合物である。
本実施形態において用いるロジンは、精製ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン、重合ロジン、変性ロジン等のいずれでもよい。
また、ロジン骨格を有する多価カルボン酸類としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等で変性したロジン誘導体が挙げられる。該ロジン誘導体を用いて合成された特定ポリエステルは、側鎖にロジン骨格を有し得る。
上記割合が30モル%以下であると、特定ポリエステルの柔軟性が保たれ、コールドオフセットの発生がより抑制される。
上記割合が1モル%以上であると、ロジン骨格を有することによる、コールドオフセットの発生抑制の効果が得られやすい。
L2とL3とは、同一でも異なっていてもよいが、同一であることが望ましい。
下記の例示化合物(R1)〜(R39)を用いて合成された特定ポリエステルは、側鎖にロジン骨格を有し得る。
以下に、ロジンジオールの合成スキームの一例を示す。下記合成スキームにおいては、2官能のエポキシ化合物とロジンとを反応させてロジンジオールが合成され、ロジンジオールとジカルボン酸成分とを脱水重縮合させることでポリエステルが合成される。なお、ポリエステルを表す構造式のうち、点線で囲まれた部分がロジンエステル基である。
上記割合が30モル%以下であると、特定ポリエステルの柔軟性が保たれ、コールドオフセットの発生がより抑制される。
上記割合が1モル%以上であると、ロジン骨格を有することによる、コールドオフセットの発生抑制の効果が得られやすい。
特定ポリエステルが側鎖に有するロジンエステル基としては、合成の容易性などの観点から、ロジンジオールに由来するロジンエステル基が望ましい。
上記割合が20モル%以下であると、特定ポリエステルの柔軟性が保たれ、コールドオフセットの発生がより抑制される。
上記割合が1モル%以上であると、ロジン骨格を有することによる、コールドオフセットの発生抑制の効果が得られやすい。
上記質量割合が30質量%以下であると、特定ポリエステルの柔軟性が保たれ、コールドオフセットの発生がより抑制される。
上記質量割合が1質量%以上であると、ロジン骨格を有することによる、コールドオフセットの発生抑制の効果が得られやすい。
特定ポリエステルに架橋構造を導入する方法としては、例えば、特定ポリエステルの合成成分として3価以上のカルボン酸類(トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物等)や3価以上のアルコール類(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)を用いてもよく、特定ポリエステル中の不飽和結合どうしを例えばラジカル重合により重合させてもよい。
特定ポリエステルの全重合成分に占める3価以上のカルボン酸類及び3価以上のアルコール類の割合は、1モル%以上20モル%以下が望ましく、5モル%以上15モル%以下がより望ましい。
上記割合が20モル%以下であると、特定ポリエステルの柔軟性が保たれ、コールドオフセットの発生がより抑制される。
上記割合が1モル%以上であると、架橋構造を有することによる、コールドオフセットの発生抑制の効果が得られやすい。
非晶性ポリエステルのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求める。
本実施形態のトナーは、結着樹脂として結晶性ポリエステルを含有することが望ましい。結晶性ポリエステルは、非晶性ポリエステルに比べて溶融時の粘度が低いため、耐オフセット性が向上する。
一方、吸熱ピークの半値幅が10℃を超えるポリエステルや、明確な吸熱ピークが認められないポリエステルは、非晶性ポリエステルを意味する。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の芳香族カルボン酸類、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
また、脂肪族ジカルボン酸類や芳香族ジカルボン酸類に加えて、スルホン酸基を持つジカルボン酸類を用いてもよい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが望ましい。
結晶性ポリエステルの作製の際に使用される触媒としては、例えば、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
結晶性ポリエステルの溶融温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求める。
結晶性ポリエステルの重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。
本実施形態のトナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂以外の樹脂を含有していてもよい。ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体;エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂;等が挙げられる。
本実施形態のトナーは、離型剤として、エステル系ワックスを含有する。
エステル系ワックスとしては、例えば、ペンタエリスリトールパルミチン酸エステル、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ペンタエリスリトールステアリン酸エステル等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル;モンタン酸トリエステル等の高級脂肪酸エステル;等が挙げられる。
本実施形態のトナーは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が望ましい。表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用したりしてもよい。
着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得る。
本実施形態のトナーは、上記成分以外に内添剤や帯電制御剤を含んでもよい。
本実施形態のトナーは、無機粒子(無機粉体)、有機粒子等の種々の成分を外添剤として含有してもよい。
外添剤は、目的に応じて表面処理を施してもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で疎水化処理したものが望ましく用いられる。
本実施形態のトナーの体積平均粒径D50vは、4μm以上8μm以下が望ましく、5μm以上6μm以下がより望ましい。体積平均粒径D50vが4μm以上であると、トナーの流動性がよく、各トナー粒子の帯電性が良好である。また、帯電分布が広がらないため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じにくくなる。さらに、体積平均粒径D50vが4μm以上であると、クリーニング性が良好である。一方、体積平均粒径D50vが8μm以下であると、画像の解像度が良好であり、近年の高画質要求が満たされる。
まず、トナーの粒度分布をコールターマルチサイザー−II型(コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定する。測定は、トナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
そして、粒度分布を基にして、分割された粒度範囲(チャネル)に対して小径側から体積の累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、累積50%となる粒子径を体積D50v、累積84%となる粒子径を体積D84vと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標GSDvは(D84v/D16v)1/2として算出される。
形状係数SF1は、下記式により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、トナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。
具体的には、形状係数SF1は、トナーの光学顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出される。即ち、スライドガラス表面に散布したトナーの顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置(ニレコ社製FT)に取り込み、50個のトナーの最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて上記式によってSF1を算出し、トナー50個の平均値を算出し形状係数SF1を得る。
本実施形態のトナーの製造方法は特に限定されない。例えば、混練粉砕製法等の乾式法、凝集合一法や懸濁重合法等の湿式法等によってトナー粒子を作製し、例えばトナー粒子に外添剤を外添してトナーを作製する。トナーの形状制御のし易さや、トナーの小径化及び粒度分布の狭小化を考慮すると、凝集合一法や懸濁重合法が望ましく、凝集合一法がより望ましい。以下、凝集合一法によるトナーの作製方法について説明する。
凝集合一法は、例えば、
トナー粒子を構成する各材料がそれぞれ分散媒に分散した分散液(樹脂粒子分散液、離型剤分散液等)を準備する工程(分散液準備工程)と、
上記の各分散液を混合し混合分散液を得た後、この分散液に凝集剤を加え、トナー粒子を構成する各材料を含む凝集粒子を形成する工程(凝集工程)と、
前記凝集粒子が分散した凝集粒子分散液を加熱し、前記凝集粒子を融合し合一して融合粒子を形成する工程(融合合一工程)と、を含む。
以下、各工程の詳細について説明する。以下の説明では、着色剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤は含まなくてもよい。無論、その他添加剤を用いてもよい。
分散液準備工程では、トナー粒子を構成する主要な材料をそれぞれ分散媒に分散させた乳化分散液を調製する。以下、樹脂粒子分散液、離型剤分散液、着色剤分散液等について説明する。
樹脂粒子分散液の調製は、分散媒と樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより行ってもよい。その際、加熱して樹脂の粘性を下げて粒子を形成してもよい。分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。
樹脂粒子分散液やその他の分散液に用いられる分散媒としては、水系媒体であってもよい。水系媒体としては、例えば、水、アルコール類などが挙げられ、水のみであることが望ましい。
樹脂が油性であって、水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するのであれば、樹脂をそれらの溶剤に解かしてから水中に分散剤や高分子電解質と共に分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径が上記範囲内であると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなり過ぎず、遊離粒子が発生し難く、性能や信頼性に優れる。また、トナー間の組成偏在が少なく、性能や信頼性のバラツキが小さい。
樹脂粒子等、分散液中に含まれる粒子の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−700)で測定される。
離型剤分散液は、水中に離型剤を、イオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散処理し、離型剤の溶融温度以上の温度に加熱し、ホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて強い剪断力を印加することにより調製される。これにより、体積平均粒径が1μm以下(望ましくは0.1μm以上0.5μm以下)の離型剤粒子を分散媒に分散させる。離型剤分散液における分散媒としては、樹脂の分散に用いる分散媒と同様のものを用いてもよい。
着色剤分散液を調製する際の分散方法としては、例えば回転剪断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用してもよい。界面活性剤を使用して着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用して着色剤の有機溶剤分散液を調製したりしてもよい。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、結着樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いてもよい。
凝集工程では、少なくともポリエステル及び離型剤が分散した分散液に凝集剤を加え、ポリエステル及び離型剤を含有する凝集粒子を形成する。
本工程は、例えば、樹脂粒子分散液に、離型剤分散液、着色剤分散液、及び、その他の分散液を混合して得られた混合分散液に対して、凝集剤を添加して通常は加熱し、混合分散液中の粒子を凝集させ凝集粒子を形成する工程としてもよい。
混合分散液の加熱は、樹脂粒子が結晶性ポリエステル等の結晶性樹脂である場合には、例えば、結晶性樹脂の溶融温度付近(±20℃)の温度で且つ溶融温度以下の温度まで加熱する。
加熱による粒子の急凝集を抑えるために、室温で攪拌混合している段階でpH調整を行ない、分散安定剤を添加してもよい。
なお、本実施形態において「室温」とは25℃をいう。
凝集工程を経た後には、付着工程を実施してもよい。付着工程では、上記した凝集工程を経て形成された凝集粒子の表面に、樹脂粒子を付着させることによりシェル層(被覆層)を形成し得る。これにより、いわゆるコア粒子とこのコア粒子を被覆するシェル層とを含むコアシェル構造を有するトナーを得る。
融合合一工程では、例えば、凝集粒子を含む懸濁液のpHを6.5以上8.5以下の範囲にすることにより凝集の進行を停止させた後、加熱を行うことにより凝集粒子を融合させ合一させる。この際、樹脂の溶融温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させてもよい。
融合合一工程を終了した後、例えば、洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程等を経てトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性を考慮すると、イオン交換水で置換洗浄することが望ましい。
固液分離工程は、生産性の点から、吸引濾過、加圧濾過等が好適である。
乾燥工程は、生産性の点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好適である。
外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が望ましく、0.3質量部以上2質量部以下がより望ましい。
更に、超音波篩分機、振動篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、「現像剤」とも称する。)は、本実施形態のトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態のトナーは、そのまま一成分現像剤として、又は二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
キャリアの芯材の体積平均粒径は、例えば10μm以上500μm以下であり、望ましくは30μm以上100μm以下である。
具体的には、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と被覆層形成用溶液とを混合し溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
被覆層形成用溶液の溶媒は、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂の種類や、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記像保持体表面に形成された前記静電荷像を本実施形態の現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える。
本実施形態の画像形成装置により、像保持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記静電荷像を本実施形態の現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、を有する本実施形態の画像形成方法が実施される。
図1は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」ということがある。)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ね合わされて重ね合わせトナー像が形成される。
尚、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介して重ね合わせトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
図2は、本実施形態の現像剤を収納するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電装置108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び除電露光のための開口部117を、取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
上記プロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。300は記録紙である。
トナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態のトナーとしたものである。なお、トナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<各物性の測定方法>
〔樹脂の分子量の測定〕
分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で行った。
・測定装置:HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー社製)
・カラム:TSKgel SuperHM−H (6.0mmID×15cm×2本)(東ソー社製)
・溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
・測定条件:試料濃度0.5%、流速0.6mL/分、サンプル注入量10μL、測定温度40℃、RI検出器による検出。検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
溶融温度及びガラス転移温度は、DSC(示差走査型熱量計)測定法により決定し、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いた。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との溶融温度を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/分で測定を行った。
粒子の粒径(「粒度」ともいう。)及び粒度分布(「粒径分布」ともいう。)の測定方法は下記のとおりである。
・測定用試料:アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)の5%水溶液2mLに粒子を0.5mg以上50mg以下加え、これを電解液(ベックマン−コールター社製アイソトンII)100mL中に添加し、超音波分散器で1分間分散処理を行って調製した。
・測定装置:コールターマルチサイザーII型(コールター社製)、アパーチャ径100μm。
上記の測定用試料及び測定装置を用いて、2μm以上60μm以下の粒子50,000個の粒径を測定して、粒度分布から体積平均粒度分布および個数平均粒度分布を求めた。
粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる累積体積粒径をD16vと定義し、累積50%となる累積体積粒径をD50vと定義し、累積84%となる累積体積粒径をD84vと定義した。
そして、D50vを体積平均粒径とした。体積平均粒度分布指標GSDvは以下の式によって算出した。
GSDv=(D84v/D16v)1/2
・測定用試料:固形分2gの粒子分散液にイオン交換水を添加して40mLにし、測定用試料とした。外添剤などの粉体は、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50mL中に粉体を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、測定用試料とした。
・測定装置:レーザ回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−700)
上記の測定用試料をセルに適当な濃度になるまで投入し、2分間待って、セル内の濃度が安定したところで測定した。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とした。
スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについてSF1を計算し、平均値を求めた。
特定ポリエステルの熱分解ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)は、下記の機器及び条件で行った。
・GC−MS計:アジレント社製HP6890N
・カラム:アジレント社製Ultra1(カラム長50m、内径0. 2mm、膜厚0.33μm)
・GCオーブン昇温条件:初期温度100℃(0min)、第1段階昇温速度1℃/min(150℃まで)、第2段階昇温速度10℃/min(400℃まで)、最終温度400℃(10min)
・サンプル注入量:1μL
・注入口条件:注入モードはスプリット法、スプリット比50:1、注入口温度300℃
・キャリアガス:ヘリウム、流量1ml/min(定流量モード)
また質量分析は、アジレント社製5973Nで行った。分解したモノマーを定性し、モノマー解析を行った。
〔結晶性ポリエステル樹脂(1)〕
・1,10−デカンジオール 100モル部
・セバシン酸 100モル部
・ジブチル錫オキサイド 1,10−デカンジオール及びセバシン酸の合計量100部に対して0.3部
上記の材料を加熱乾燥した3つ口フラスコに仕込み、減圧操作によりフラスコ内を窒素ガスで不活性雰囲気とし、180℃にて2時間攪拌した。その後、減圧下にて200℃まで徐々に昇温し2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。こうして、重量平均分子量3600、数平均分子量2100の結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
・プロピレングリコール 90モル部
・ロジン含有ジオール 10モル部
(荒川化学工業社製パインクリスタルD−6011、例示化合物(R1))
・テレフタル酸 100モル部
・ジブチル錫オキサイド 0.05モル部
上記の材料を加熱乾燥した3つ口フラスコに仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃以上230℃以下で16時間共縮重合反応させ、その後、210℃以上250℃以下にて徐々に減圧した。こうして、重量平均分子量48000、数平均分子量9000の非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
・エチレングリコール 90モル部
・ロジン含有ジオール(荒川化学工業社製パインクリスタルD−6011) 10モル部
・テレフタル酸 100モル部
・ジブチル錫オキサイド 0.05モル部
上記の材料を用いて非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の方法で、重量平均分子量42000、数平均分子量8000の非晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。
・プロピレングリコール 90モル部
・ロジン含有ジオール(荒川化学工業社製パインクリスタルD−6011) 10モル部
・テレフタル酸 90モル部
・トリメリット酸 10モル部
・ジブチル錫オキサイド 0.05モル部
上記の材料を用いて非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の方法で、重量平均分子量66000、数平均分子量10500の非晶性ポリエステル樹脂(3)を得た。
・プロピレングリコール 90モル部
・ロジン含有ジオール(荒川化学工業社製パインクリスタルD−6011) 10モル部
・テレフタル酸 85モル部
・トリメリット酸 15モル部
・ジブチル錫オキサイド 0.05モル部
上記の材料を用いて非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の方法で、重量平均分子量86000、数平均分子量14500の非晶性ポリエステル樹脂(4)を得た。
・プロピレングリコール 100モル部
・テレフタル酸 90モル部
・アクリル化ロジン(荒川化学社製KE−604) 10モル部
・ジブチル錫オキサイド 0.05モル部
上記の材料を用いて非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の方法で、重量平均分子量47000、数平均分子量8100の非晶性ポリエステル樹脂(5)を得た。
なお、アクリル化ロジン(荒川化学社製KE−604)の構造式は、下記のとおりである。
・プロピレングリコール 100モル部
・テレフタル酸 90モル部
・マレイン化ロジン(ハリマ化成社製M−17S) 10モル部
・ジブチル錫オキサイド 0.05モル部
上記の材料を用いて非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の方法で、重量平均分子量52000、数平均分子量8900の非晶性ポリエステル樹脂(6)を得た。
なお、上記マレイン化ロジンの構造式は、下記のとおりである。
・プロピレングリコール 100モル部
・テレフタル酸 100モル部
・ジブチル錫 0.05モル部
上記の材料を用いて非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の方法で、重量平均分子量46000、数平均分子量8000の非晶性ポリエステル樹脂(7)を得た。
・1,6−ヘキサンジオール 90モル部
・ロジン含有ジオール(荒川化学工業社製パインクリスタルD−6011) 10モル部
・テレフタル酸 100モル部
・ジブチル錫オキサイド
上記の材料を用いて非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の方法で、重量平均分子量50000、数平均分子量9500の非晶性ポリエステル樹脂(8)を得た。
・1,6−ヘキサンジオール 100モル部
・テレフタル酸 100モル部
・ジブチル錫 0.05モル部
上記の材料を用いて非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の方法で、重量平均分子量45000、数平均分子量7700の非晶性ポリエステル樹脂(9)を得た。
表2に記載の材料を混合し、96℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて3000rpmで1時間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製)を用いて分散し、離型剤分散液(1)〜(4)を作製した。各離型剤分散液の体積平均粒径及び固形分量を表2に示す。
材料の詳細は下記のとおりである。
・ペンタエリスリトールベヘン酸エステル:日油社製WEP5、溶融温度85℃
・ペンタエリスリトールステアリン酸エステル:日油社製WEP6、溶融温度79℃
・モンタン酸トリエステル:クラリアント社製Licowax−WE4、溶融温度78〜85℃
・パラフィン系ワックス:日本精蝋社製HNP−0190、溶融温度89℃
・アニオン性界面活性剤:ダウケミカル社製ダウファクス
シアン顔料(PB15:3、DIC社製)46部、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファクス)4部、イオン交換水200部を混合し、96℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて3000rpmで1時間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径150nm、固形分量20.0%の着色剤分散液(1)を得た。
〔トナー粒子(1)の作製〕
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1) 40部
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1) 100部
・離型剤分散液(1) 30部
・着色剤分散液(1) 7部
・硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5部
・イオン交換水 300部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH3に調整し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで攪拌しながら加熱した。この時、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が4.8μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に45℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が5.2μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。その後、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)60部を添加し、30分間保持し、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が5.8μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。続いて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を穏やかに添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、3時間保持した。
トナー粒子(1)50部と疎水性シリカ(キャボット社製TS720)1.2部とをサンプルミルで混合して外添トナー(1)を得た。
別途、フェライトをポリメチルメタクリレート(綜研化学社製)で被覆したフェライトキャリア(体積平均粒径50μm、フェライトの質量に対するポリメチルメタクリレート量は1質量%)を用意した。
そして、トナー濃度が5%(現像剤に対しての質量%)になるように外添トナー(1)とフェライトキャリアとを混合し、ボールミルで5分間攪拌して現像剤(1)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)〜(6)のいずれかに変更した以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(2)〜(6)、外添トナー(2)〜(6)及び現像剤(2)〜(6)を得た。
離型剤分散液(1)を離型剤分散液(2)に変更した以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(7)、外添トナー(7)及び現像剤(7)を得た。
離型剤分散液(1)を離型剤分散液(3)に変更した以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(8)、外添トナー(8)及び現像剤(8)を得た。
実施例1において、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を使用せず、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)100部を140部に変更した以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(9)、外添トナー(9)及び現像剤(9)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(7)に変更した以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(C1)、外添トナー(C1)及び現像剤(C1)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(8)に変更した以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(R1)、外添トナー(R1)及び現像剤(R1)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(9)に変更した以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(R2)、外添トナー(R2)及び現像剤(R2)を得た。
離型剤分散液(1)を離型剤分散液(4)に変更した以外は実施例1と同様にして、トナー粒子(R3)、外添トナー(R3)及び現像剤(R3)を得た。
画像形成装置として富士ゼロックス社製DocuColor Centre500CP改造機を用い、記録媒体としてA4サイズ白色紙(富士ゼロックス社製J−A4紙、幅210mm、長さ297mm)を用いた。
定着温度(加熱ベルト及び定着ロールの設定温度)を110℃から200℃まで5℃きざみで昇温させながら、10cm×10cmのベタ画像を連続して画像形成した。
コールドオフセットが発生しなくなった温度T1(℃)と、ホットオフセットが発生しはじめた温度T2(℃)とを確認した。そして、T2とT1との温度差T(T2−T1)(℃)を算出し、下記の基準に従って評価した。Tの値が大きいほど、トナー像が定着し得る温度領域が広い。評価結果を表3に示す。
A:T>80
B:80≧T>70
C:70≧T>60
D:60≧T
また、実施例1〜9のトナーは、比較例1のトナーに比べて、トナー像が定着し得る温度領域が広い。
2Y,2M,2C,2K 帯電ローラ
3Y,3M,3C,3K レーザ光線
3 露光装置
4Y,4M,4C,4K,111 現像装置(現像手段)
5Y,5M,5C,5K 1次転写ローラ(1次転写手段)
6Y,6M,6C,6K,113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y,8M,8C,8K トナーカートリッジ
10Y,10M,10C,10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(2次転写手段)
28,115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
32 搬送ロール(排出ロール)
108 帯電装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
P,300 記録紙(記録媒体)
Claims (7)
- エステル系ワックスと、
主鎖中におけるエステル結合で挟まれた領域に炭素が5個以上連続する直鎖を有さず、主鎖又は側鎖にロジンに由来する構造を有する非晶性ポリエステルと、
を含む静電荷像現像用トナー。 - 前記非晶性ポリエステルは、側鎖にロジンに由来する構造を有する、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収納し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
- 請求項3に記載の静電荷像現像剤を収納し、像保持体表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収納し、前記像保持体表面に形成された前記静電荷像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
前記像保持体表面に形成された前記静電荷像を請求項3に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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